JP4774977B2 - 液体移送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性を有する液体を移送して排出する液体移送装置に関する。
記録用紙等の被記録媒体にインクを排出して画像等を記録する形式のプリンタには、ノズルから被記録媒体へ向けてインクを噴射するインクジェット方式の記録ヘッドが一般的に採用されている。しかし、このようなインクジェット方式の記録ヘッドにおいては、インクに噴射圧力を発生させるための流路構造やアクチュエータの構造が特殊で複雑なものとなり、そのために、複数のノズルを高密度に配置して記録ヘッドの小型化を図るにも限界があった。
そこで、本願発明者は、ある電極の表面を絶縁層が覆っている状態で、電極電位が変化したときに絶縁層表面における撥液性(濡れ角)が変化する現象(エレクトロウェッティング現象)を利用した、新しい方式の記録ヘッドを提案している(例えば、特許文献1参照)。この記録ヘッドは、複数の凹溝でそれぞれ形成された複数の個別流路を備えている。そして、各個別流路の流路形成面(凹溝の底面)には個別電極が設けられており、さらに、個別電極の表面は絶縁層で覆われている。また、ヘッド内のインクはグランド電位(接地電位)に保持された共通電極に接触しており、インクの電位は常にグランド電位となっている。さらに、個別流路の上流側には、その先端の排出部に向けてインクを加圧するポンプが設けられている。
ここで、個別電極の電位がグランド電位であり、インクと個別電極との間に電位差がない状態では、それらの間に挟まれた絶縁層の表面における撥液性(濡れ角)は、凹溝底面の絶縁層が設けられていない領域と比べて高くなっている。そのため、インクが絶縁層の表面を越えて排出部へ流れることができず、排出部からインクが排出されない。一方、個別電極の電位がグランド電位とは異なる所定の電位に切り換えられたときには、インクと個別電極との間に電位差が生じて、それらの間に挟まれた絶縁層の表面における撥液性(濡れ角)が低下する(エレクトロウェッティング現象)。すると、ポンプにより加圧されたインクが、絶縁層の表面を濡らして排出部へ移動することができるようになり、排出部からインクが排出される。
特開2005−288875号公報
前述した特許文献1に記載された記録ヘッドにおいては、所定電位が個別電極に付与されている間ずっと、インクが排出部から排出され続ける。つまり、排出部から排出されるインクの量は、個別電極に所定電位が付与されている時間に依存することになる。そのため、個別電極の電位をグランド電位と所定電位との間で切り換えるタイミングによって排出されるインクの量が変動してしまうことになる。
本発明の目的は、一定量の液体を安定的に排出することが可能な液体移送装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明の液体移送装置は、絶縁性を有する流路形成面により形成されて導電性を有する液体が流れる流路であって、さらに、前記液体が排出される排出部を備えた液体流路と、前記流路形成面に配置された動作電極と、この動作電極を覆うように前記流路形成面に配置された絶縁層であって、前記液体流路内の液体と前記動作電極の間の電位差が所定の限界電位差以上であるときには、その表面の撥液性は前記流路形成面の他の領域における撥液性と同等もしくはそれ以下であり、前記液体流路内の液体と前記動作電極の間の電位差が所定の限界電位差よりも小さいときには、その表面の撥液性が前記他の領域における撥液性よりも高くなる絶縁層と、前記動作電極に対して、前記液体と前記動作電極の間の電位差が前記限界電位差以上となるような所定の第1電位と、前記液体と前記動作電極の間の電位差が前記限界電位差よりも小さくなるような所定の第2電位の何れか一方を選択的に付与する電位付与手段とを備え、前記電位付与手段により前記動作電極に前記第1電位が付与されているときには、前記絶縁層の表面を含む前記液体流路の流路形成面の全域に前記液体が存在するとともに、前記排出部にメニスカスが形成されて液体が排出されない状態であり、前記電位付与手段により前記動作電極の電位が前記第1電位から前記第2電位に切り換えられたときには、前記動作電極を覆っている前記絶縁層の表面に存在していた液体の一部が前記液体流路の前記排出部側へ移動して、液体が前記排出部から排出されるように構成されていることを特徴とするものである。
この液体移送装置において、電位付与手段により動作電極に第1電位が付与されているときには、液体流路内の液体と動作電極の間の電位差が所定の限界電位差以上となっており、絶縁層の撥液性は流路形成面の他の領域と比べて同等もしくはそれ以下まで低下している、そのため、絶縁層の表面を含めた液体流路全域に液体が存在することになるが、排出部にはメニスカスが形成されており、液体が排出部から排出されない状態である。この状態から、電位付与手段により動作電極の電位が第1電位から第2電位に切り換えられると、液体流路内の液体と動作電極の間の電位差が所定の限界電位差よりも小さくなり、絶縁層の撥液性は流路形成面の他の領域よりも高くなる。すると、絶縁層の表面に存在していた液体の一部が排出部側に移動して、排出部から液体が押し出される。
この構成によれば、動作電極の電位が第1電位から第2電位に切り換えられたときに、絶縁層の表面から排出部側へ移動する液体の量にほぼ等しい量だけ、排出部から液体が排出されることになる。そのため、電位切り換えのタイミングに関わらず液体の排出量がほぼ一定となるため、一定量の液体を安定的に排出することが可能になる。
第2の発明の液体移送装置は、前記第1の発明において、前記液体流路内の液体に、前記排出部へ向かう方向に作用する圧力であって、前記排出部に形成される前記メニスカスを破壊する圧力よりも低い圧力を付与する圧力付与手段を有することを特徴とするものである。この構成によれば、動作電極に第2電位が付与されて排出部から液体が排出された後に、再び動作電極に第1電位が付与されたときに、圧力付与手段により付与された圧力の作用で絶縁層の表面に速やかに液体が移動するため、同じ排出部から連続的にインクを排出することが容易になる。
尚、前述した第1又は第2の発明において、さらに、前記第2電位はグランド電位であることが好ましい(第3の発明)。この場合には、動作電極の電位が第1電位と第2電位の間で切り換えられたときの、液体と動作電極の間の電位差の変化量、即ち、絶縁層表面の撥液性(濡れ角)の変化量が大きくなるため、一連の排出動作を確実に行わせることができる。
第4の発明の液体移送装置は、複数の前記液体流路と、これら複数の液体流路が共通に連通する共通流路とを備えていることを特徴とするものである。この構成によれば、容積の大きな共通流路を介して複数の液体流路へ安定的に液体が供給される。
第5の発明の液体移送装置は、前記第4の発明において、前記共通流路の流路形成面に配置され、前記共通流路内の前記液体に直接接触する共通電極を有し、前記電位付与手段は、前記共通電極の電位を、前記第1電位よりも前記第2電位に近い所定の第3電位に保持することを特徴とするものである。この構成によれば、液体流路内の液体の電位が常に第3電位に保持されて、液体と動作電極の間の電位差が安定するため、液体の排出動作を確実に行わせることができる。
尚、この第5の発明において、さらに、前記第3電位はグランド電位であることが好ましい(第6の発明)。この場合には、動作電極に第1電位が付与されたときの液体と動作電極の間の電位差が大きくなるため、一連の排出動作を確実に行わせることができる。
第7の発明の液体移送装置は、前記第4〜第6の何れかの発明において、前記複数の液体流路は、それらの流路形成面の撥液性と同等もしくはそれ以上に高い撥液性を有する第1撥液性領域により、それぞれ区画されていることを特徴とするものである。この構成によれば、隣接する液体流路間で、第1撥液性領域を越えて液体が移動することがない。また、複数の液体流路を隔てる隔壁が不要になり、液体流路の配置密度をさらに高めてより一層の装置の小型化が可能になる。
第8の発明の液体移送装置は、前記第1〜第7の何れかの発明において、前記排出部に連なる外表面に、前記液体流路の流路形成面よりも高い撥液性を有する第2撥液性領域が形成されていることを特徴とするものである。この構成によれば、第2撥液性領域により、排出部から排出された液体が排出部に連なる外表面に付着するのが防止されることから、排出部のメニスカスが安定する。
第9の発明の液体移送装置は、前記第1〜第8の何れかの発明において、前記液体流路の前記排出部に連なる部分は、前記排出部側ほど流路面積が狭くなる先細り形状に形成されていることを特徴とするものである。この構成によれば、排出部から排出される液体を何らかの媒体に付着させる場合に、最初に媒体に接触する部分を小さく限定できることから、媒体上の所望の位置に液体をより正確に付着させることができる。
第10の発明の液体移送装置は、前記第1〜第9の何れかの発明において、前記液体流路の、前記動作電極を挟んで前記排出部と反対側の部分には、流路面積が局所的に狭くなる絞り部が設けられていることを特徴とするものである。この構成によれば、絞り部により上流側(排出部と反対側)の流路抵抗が大きくなるため、動作電極に第2電圧が付与されたときに、絶縁層の表面から排出部側へより多くの液体を移動させることができ、1回の排出動作における液体の排出量を大きくすることができる。
第11の発明の液体移送装置は、前記第1〜第10の何れかの発明において、前記個別電極及び前記絶縁層は、前記流路形成面の前記排出部に連なる領域に配置されていることを特徴とするものである。この構成によれば、液体を確実に排出部から排出することができる。
第12の発明の液体移送装置は、前記第1〜第11の何れかの発明において、前記液体流路内の液体を大気から遮断するカバー部材が設けられていることを特徴とするものである。この構成によれば、カバー部材により液体の乾燥を抑制することができる。
第13の発明の液体移送装置は、前記第1〜第12の何れかの発明において、前記個別電極及び前記絶縁層の前記排出部と反対側の輪郭線は、前記液体流路の幅方向に対して傾斜方向が互いに逆となる2種類の直線が、前記幅方向に交互に並べられたジグザグ形状に形成されていることを特徴とするものである。この構成によれば、絶縁層の表面の撥液性が流路形成面の他の領域よりも低くなったときに、上流側(排出部と反対側)から絶縁層の表面へ速やか液体が移動する。
次に、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、記録用紙へインクを移送して記録するプリンタ(液体移送装置)に本発明を適用した一例である。以下、図1における前後左右の方向を前後左右と定義して説明する。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ100は、記録用紙P(図4〜図7参照)にインクを排出して画像等を記録する記録ヘッド1と、この記録ヘッド1にチューブ5を介して接続されたインクタンク2と、図示しない紙送り機構による記録用紙Pの搬送動作や記録ヘッド1によるインク排出動作等、プリンタ100の種々の動作の制御を司る制御装置3(図3参照)を有する。そして、プリンタ100は、記録ヘッド1の複数の排出部16から、それらの前方において搬送される記録用紙Pに向けてそれぞれインクを排出して、記録用紙Pに所望の画像を記録する。尚、本実施形態の記録ヘッド1で用いられるインクは、水を主成分とし、染料と溶剤を添加した水系染料インク、又は、顔料と溶剤を添加した水系顔料インクなどの、導電性を有するインクである。
次に、記録ヘッド1について説明する。図1に示すように、記録ヘッド1はその外郭を構成するヘッド本体10を有する。さらに、ヘッド本体10は、左右に長い矩形平板状の基板11と、この基板11の後側部分においてその上面を覆うように配設された箱状体12とを備えている。
ヘッド本体10には、水平面に沿って延び、且つ、導電性を有するインクが流れるインク流路13が形成されている。このインク流路13は、基板11の上面と箱状体12により形成され、左右方向に延びる共通流路14と、基板11の前端側部分の上面に形成され、共通流路14から分岐して前方へそれぞれ延びる複数の個別流路15(液体流路)とを有する。複数の個別流路15の先端(前端)にはそれぞれ複数の排出部16が設けられており、図1に示すように、複数の排出部16は基板11の前端面において左右方向に一列に形成されている。尚、ヘッド本体10は、ガラス材料、アルミナやジルコニアなどのセラミックス材料、ポリイミドなどの合成樹脂材料、あるいは、表面に酸化膜(SiO)が形成されたシリコン等からなり、少なくとも基板11の上面(共通流路14及び個別流路15の流路形成面)において絶縁性を有する。
図2、図3に示すように、共通流路14は、複数の個別流路15の後側に配置され、これら複数の個別流路15の全てに連通している。また、共通流路14はインクタンク2(図1参照)と接続されており、インクタンク2に貯留されているインクを容積の大きい共通流路14を介して複数の個別流路15へ安定的にインクを供給できるようになっている。尚、本実施形態では、インクタンク2内のインク液面高さは、共通流路14内のインク液面高さとほぼ同じとなっており、インク流路13内のインクには、インクタンク2のヘッド圧がほとんど作用していない。つまり、インクには、排出部16へ向かう圧力は作用していない。また、共通流路14を形成する基板11の後側部分上面(流路形成面)には、幅方向のほぼ全域に亙って延びる平面視矩形状の共通電極17が形成されている。また、図3に示すように、この共通電極17は、駆動回路であるドライバIC20と電気的に接続されており、このドライバIC20を介してグランド電位に保持されている。そして、図4〜図7に示すように、共通流路14内の導電性のインクはこの共通電極17に接触しており、インクの電位は常にグランド電位(第3電位)に保持されている。
図2、図3に示すように、複数の個別流路15は、基板11の上面に突出状に形成された隔壁21により互いに隔てられており、上方に開放されるとともに先端の排出部16を介して前方にも開放されている。これら複数の個別流路15の流路形成面である基板11の前側部分上面(以下、底面23と表現する場合もある)には、平面視で略矩形状の複数の個別電極18(動作電極)がそれぞれ形成されている。各個別電極18は、個別流路15の幅方向に関してほぼ全域に亙って形成されている。また、図3に示すように、複数の個別電極18は、後述のドライバIC20と電気的に接続されており、このドライバIC20から所定の電位が付与されるようになっている。
尚、以上説明した共通電極17と複数の個別電極18は、スクリーン印刷、スパッタ法、あるいは、蒸着法等の方法により、基板11の上面に形成される。
さらに、基板11の上面(底面23)の個別電極18が配置された領域には、フッ素系樹脂等からなる絶縁層19が、個別電極18の表面を完全に覆うように配置されている。尚、図2に示すように、個別電極18及び絶縁層19は排出部16から少し後方へ離れた位置に配置されている。また、絶縁層19は、例えば、フッ素系樹脂等をスピンコート法や化学蒸着法などにより個別電極18の表面に形成される。ここで、この絶縁層19の表面における撥液性(濡れ角)は、絶縁層19の上側に位置するインクと絶縁層19の下側に位置する個別電極18との間の電位差によって変化する(エレクトロウェッティング現象)。
インクと個別電極18の間の電位差が所定の電位差ΔV(限界電位差)以上であるときには、絶縁層19の表面における撥液性は、個別流路15の流路形成面である底面23のうちの、絶縁層19が形成されていない他の領域における撥液性と同等もしくはそれ以下となる。一方、インクと個別電極18の間の電位差が限界電位差ΔVよりも小さいときには、絶縁層19の表面における撥液性は、底面23の他の領域における撥液性よりも高くなる。これについては、次のドライバIC20の説明においてさらに詳細に説明する。
次に、ドライバIC20(電位付与手段)について説明する。図3に示すように、ドライバIC20は、共通電極17及び複数の個別電極18とそれぞれ接続されている。そして、ドライバIC20は、インクと接触する共通電極17を常にグランド電位(第3電位)に保持するとともに、絶縁層19の下側に位置する複数の個別電極18に対して、所定の電位V(第1電位)とグランド電位(第2電位)の何れか一方を選択的に付与することが可能に構成されている。
このドライバIC20により、個別電極18の電位が所定電位Vとグランド電位との間で切り換えられたときの記録ヘッド1の作用を、図4〜図7を参照して詳しく説明する。尚、図5及び図7において、“+”は個別電極18の電位が所定電位Vである状態を示し、一方、“GLD”は個別電極18又は共通電極17の電位がグランド電位である状態を示している。
所定電位Vは、インクの電位との差が前述した限界電位差ΔV以上となるように設定される。つまり、ドライバIC20により、ある個別流路15の個別電極18に所定電位Vが付与されているときには、グランド電位であるインクと個別電極18の間の電位差が限界電位差ΔV以上となる。このとき、絶縁層19の表面における撥液性は、個別流路15の流路形成面である底面23のうちの、絶縁層19が形成されていない他の領域における撥液性と同等もしくはそれ以下となっている。そのため、図4、図5に示すように、絶縁層19の表面を含む底面23の全域にインクIが存在することになる。但し、個別流路15の先端の排出部16にはインクIのメニスカスが形成されており、さらに、個別流路15内のインクIにはインクタンク2のヘッド圧など排出部16へ向かう圧力が付与されていないため、個別電極18の電位が所定電位Vに保持されている限り、排出部16のメニスカスが破壊されてインクIが排出部16から排出されることはない。
このように個別電極18に所定電位Vが付与された状態から、ドライバIC20により個別電極18の電位がグランド電位に切り換えられると、インクと個別電極18の間の電位差が0となり、限界電位差ΔVよりも小さくなる。そのため、絶縁層19の表面における撥液性は、底面23の他の領域における撥液性よりも高くなる。すると、図6、図7に示すように、絶縁層19の表面に存在していたインクIが、個別流路15の上流側と下流側にそれぞれ移動する。そして、このように、個別流路15の下流側(排出部16側)へインクが移動すると、絶縁層19と排出部16の間に存在していたインクIが排出部16から外部へ押し出されて、インクIが記録用紙Pへ向けて排出される。
次に、制御装置3について説明する。制御装置3は、中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、プリンタ100の全体動作を制御する為の各種プログラムやデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUで処理されるデータ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等を備えている。そして、この制御装置3は、PC等の外部入力装置から入力される印字データに基づいて所定の排出部16からインクを排出させるようにドライバIC20を制御したり、あるいは、記録用紙Pの搬送を行う紙送り機構(図示省略)を制御するなど、プリンタ100の各種動作を制御するように構成されている。
次に、記録ヘッド1による一連のインク排出動作について説明する。
まず、PC等の外部入力装置から制御装置3に対して印字データが入力されていないときには、図4、図5に示すように、ドライバIC20により全ての個別電極18に対して所定電位Vが付与されており、インクと個別電極18との間の電位差が限界電位差ΔV以上となっている。このとき、絶縁層19の表面における撥液性は、底面23の他の領域における撥液性と同等もしくはそれ以下であることから、インクが絶縁層19の表面を含む底面23の全域に亙って存在する待機状態となっている。
この待機状態において、外部入力装置から制御装置3に対して印字データが入力されると、制御装置3から、ドライバIC20に対して所定の個別流路15の排出部16からインクを排出させるように指令が出力される。すると、図6、図7に示すように、ドライバIC20により、インクを排出すべき排出部16に連なる個別流路15に対応する個別電極18の電位が、所定電位Vからグランド電位に切り換えられ、インクと個別電極18との間の電位差が限界電位差ΔVよりも小さくなる(ほぼ0となる)。このとき、絶縁層19の表面における撥液性が、底面23の他の領域における撥液性よりも高くなるため、この絶縁層19の表面にインクが存在できなくなる。そのため、図6、図7に矢印で示すように、絶縁層19の表面から上流側(後方:共通流路14側)と下流側(前方:排出部16側)へそれぞれインクが移動する。すると、排出部16と絶縁層19の間に存在するインクが前方へ押し出されて排出部16のメニスカスが破壊され、所定量のインクが排出部16から排出される。ここで、排出部16から排出されるインクの量は、個別電極18の電位が所定電位Vからグランド電位に切り換えられたときに、絶縁層19の表面から排出部16側へ移動するインクの量にほぼ等しい。
そして、排出部16から所定量のインクが排出されると、排出部16には再びメニスカスが形成されて、それ以上のインクが排出されなくなる。その後、ドライバIC20により、個別電極18の電位が再びグランド電位から所定電位Vに切り換えられると、絶縁層19の表面の撥液性が底面23の他の領域の撥液性と同等もしくはそれ以下まで低下する。そのため、個別流路15の上流側から絶縁層19の表面へインクが流れ込み、インクが絶縁層19の表面を含む個別流路15の全域に亙って存在する待機状態に戻る。
本実施形態のプリンタ100によれば、次のような効果が得られる。
排出部16から排出されるインクの量は、個別電極18の電位が所定電位Vからグランド電位に切り換えられたときに、絶縁層19の表面から排出部16側へ移動するインクの量にほぼ等しい。従って、電位切り換えのタイミングに関わらずインクの排出量がほぼ一定となることから、一定量のインクを安定的に排出することができる。
インクを排出するときに個別電極18に付与される電位(第2電位)がグランド電位であることから、個別電極18の電位が切り換えられたときの、インクと個別電極18との間の電位差の変化量、即ち、絶縁層19表面の撥液性(濡れ角)の変化量が大きくなり、一連の排出動作がより確実に行われる。
共通流路14の流路形成面である基板11の後側部分上面に共通電極17が形成されており、共通流路14内のインクは常に共通電極17に接触していることから、インクの電位が安定し、インクの排出動作が確実に行われる。さらに、共通電極17の電位(第3電位)がグランド電位であることから、個別電極18に所定電位Vが付与されたときの、インクと個別電極18との間の電位差が大きくなり、一連の排出動作を一層確実に行わせることができる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]インク流路13内のインクに圧力が常に付与されていてもよい(変更形態1)。例えば、インクタンク2が、その内部のインク液面が記録ヘッド1内のインク流路13のインク液面よりも常に高くなるように配置されており、インク流路13内のインクにインクタンク2のヘッド圧が常に作用して、インクに排出部16へ向かう圧力が付与されていてもよい。あるいは、図8に示すように、インクタンク2と記録ヘッド1の間に、インクに排出部16へ向かう圧力を付与するポンプ30が設けられていてもよい。あるいは、インク流路13が、水平面に対して排出部16(前方)へ向かうほど下方へ傾斜しており、インクに作用する重力によってインクに排出部16へ向かう圧力が付与されていてもよい。尚、この変更形態1において、インクにヘッド圧を作用させるインクタンク2、インクを加圧するポンプ、及び、傾斜したインク流路13が、それぞれ本願発明の圧力付与手段に相当する。
但し、本来はインクが排出されてはいけない状態である、個別電極18に所定電位Vが付与されている状態において、前述したような圧力付与手段により付与された圧力によって、排出部16のメニスカスが破壊されてインクが漏れ出してしまうことがないように、インクに付与される圧力はメニスカスを破壊する圧力よりも低くなるように設定される。例えば、インクタンクの高さやポンプの吐出圧、あるいは、インク流路13の傾斜度等を調整することにより、インクに付与される圧力が適切に設定される。
このような構成によれば、個別電極18の電位が所定電位Vからグランド電位に切り換えられて、排出部16からインクが排出された後に、再び個別電極18の電位が所定電位Vに切り換えられたときに、圧力付与手段により付与された圧力の作用でインクが絶縁層19の表面に速やかに移動することになり、1つの排出部16から連続的にインクを排出することが容易になる。
あるいは、インクタンク2内のインク液面をインク流路13よりも低くするなどして、インク流路13内のインクに、排出部16と反対側(後方)へ向かう圧力が付与されてもよい。この場合には、本来はインクが排出されてはいけない状態である、個別電極18に所定電位Vが付与されている状態において、排出部16に形成されたメニスカスがその周囲に付着した異物などによって前進して、記録用紙Pを汚してしまうのを防止することができる。
以上説明した変更形態1の具体例を挙げると、例えば、排出部16の寸法が70μm×20μmである場合には、インク流路13のインクに、水頭差で−50mm〜+50mm(−500Pa〜+500Pa程度)の範囲の圧力が付与されていることが好ましい。
2]図9に示すように、排出部16Bに連なる個別流路15Bの先端部が、排出部16B側ほど流路面積が狭くなる先細り形状に形成されていてもよい(変更形態2)。この構成によれば、記録用紙Pに最初に接触するインクの部分を小さく限定できることから、排出部16Bから排出されるインクを、記録用紙P上の所望の位置に、より正確に付着させることができる。
3]図10に示すように、個別流路15Cの、個別電極18を挟んで排出部16と反対側に位置する、共通流路14との連通部に、流路面積が局所的に狭くなる絞り部31が設けられていてもよい(変更形態3)。この構成によれば、絞り部31が設けられた上流側(排出部16と反対側)部分の流路抵抗が大きくなる。そのため、個別電極18の電位が所定電位Vからグランド電位に切り換えられたときに、絶縁層19の表面から、上流の共通流路14側よりも下流の排出部16側へより多くのインクが移動することになり、1回の排出動作において排出部16からより多くのインクを排出することができるようになる。
4]図11、図12に示すように、個別電極18及び絶縁層19が、底面23の、排出部16に連なる(隣接する)領域に配置されていてもよい(変更形態4)。この構成によれば、インクをより確実に排出部16から排出することができる。
5]個別流路15内のインクを大気から遮断する部材が設けられていてもよい。例えば、図13に示すように、ヘッド本体10Eが、基板11とこの基板11の上面を覆うように配置されたカバー部材40とを有し、カバー部材40により共通流路14と個別流路15内のインクが上方から覆われて、大気から遮断されていてもよい(変更形態5)。この構成によれば、インクがカバー部材40で覆われているために、インクの乾燥が確実に抑制される。尚、カバー部材40の、個別電極18及び絶縁層19の直上に位置する部分には、呼吸孔40aがこのカバー部材40を上下に貫通するように形成されている。そのため、絶縁層19の表面においてインクが移動する際に、呼吸孔40aを介して個別流路15とカバー部材40の外部との間で空気が行き来できることになり、絶縁層19の表面におけるインクの移動が円滑に行われる。ここで、個別流路15内のインクが毛管力により呼吸孔40aの内部に侵入しないように、呼吸孔40aの内面の濡れ角は90度以上であることが好ましい。具体的には、カバー部材40をフッ素系樹脂などの撥液性の高い材料で構成したり、あるいは、呼吸孔40aの内面にCVD(化学蒸着)等の方法によりフッ素系樹脂などからなる撥液性の高い層を形成すればよい。
6]あるいは、図14に示すように、ヘッド本体10Fは、基板11と、箱状体12Eと、個別流路を流れるインクから上方へ離れて設けられたカバー部材41とを有し、個別流路15の上方の空間がカバー部材41により大気と遮断されていてもよい(変更形態6)。この場合には、カバー部材41と個別流路15内のインクとの間に空気が存在しているため、絶縁層19の表面においてインクが移動したときのカバー部材41内の内圧変動は小さい。そのため、前述の変更形態5(図13)とは異なり、カバー部材41に呼吸孔が設けられている必要は特になく、個別流路15の上方空間を完全に密閉することができ、インクの乾燥がさらに抑制される。また、カバー部材41で密閉された空間の内圧変動をさらに小さく抑えるためには、カバー部材41をポリイミド等の可撓性を有する膜部材で形成して、カバー部材41に内圧変動を吸収させることが好ましい。一方、カバー部材41で密閉された空間の容積が大きく、その内圧変動が十分に小さい場合には、強度等を重視して、カバー部材41に剛性がより高い材料を使用してもよい。
7]図15に示すように、個別電極18G及び絶縁層19Gの後側(排出部16と反対側)の輪郭線がジグザグ形状、即ち、個別流路15の幅方向に対して傾斜方向が互いに逆となる2種類の直線が、幅方向に交互に並べられた形状に形成されていてもよい(変更形態7)。この構成によれば、基板11の上面の、絶縁層19Gの後端部が配置されている領域においては、前方に向かうほど絶縁層19Gの面積が増加している。つまり、絶縁層19Gの表面と絶縁層19Gが設けられていない領域の撥液性が異なっている場合であっても、これらの境界において撥液性が急激に変化せず、個別流路15の流路方向(前後方向)に関して撥液性が徐々に変化した状態となっており、メニスカス耐力が低下している。そのため、絶縁層19Gの表面の撥液性が低下したときに、個別流路15の上流側から絶縁層19Gの表面へ速やかにインクが移動できるようになる。
8]図16、図17に示すように、個別流路15の排出部16に連なる基板11の前端面(外表面)に、個別流路15の流路形成面である底面23よりも高い撥液性を有する撥液膜42(第2撥液性領域)が形成されていてもよい(変更形態8)。この構成によれば、撥液膜42により、排出部16から排出されたインクが、排出部16に連なる基板11の前端面に付着して濡らすのが防止されることから、排出部16のメニスカスが安定する。
9]複数の個別流路15は隔壁21(図1、図2参照)で区画されている必要は必ずしもなく、基板11の上面に形成された撥液膜により区画されていてもよい(変更形態9)。例えば、図18に示すように、記録ヘッド51の基板11の上面には、左右両端及び後端の縁に沿って形成された撥液膜44と、基板11の前端から後方へ平行に延びる複数の撥液膜45とが形成されている。これら撥液膜44,45の撥液性は、基板11の上面と同等かそれ以上となっている。そして、撥液膜44に囲われた領域が共通流路16となっており、さらに、複数の撥液膜45により共通流路16からそれぞれ前方へ延びる複数の個別流路15が区画されている。この構成によれば、隣接する個別流路15間で、撥液膜45を越えてインクが移動することがない。また、複数の個別流路15を隔てる隔壁21が不要になるため、個別流路15の配置密度をさらに高めて、記録ヘッドのより一層の小型化が可能になる。尚、排出部16に連なる基板11の前端面には、前記変更形態8と同様に、基板11の上面と同等かそれ以上の撥液性を有する撥液膜42が形成されていることが好ましい。
10]前記実施形態では、ドライバIC20は、個別電極18に対して、所定電位V(第1電位)とグランド電位(第2電位)の何れか一方を付与するように構成されているが、ドライバICが、これら2つの電位に加えて、さらに別の電位を個別電極18に付与するものであってもよい。
また、前記実施形態では、共通電極17は常にグランド電位に保持されているが、グランド電位以外の別の電位に保持されていてもよい。また、インクを排出する際の個別電極18の電位もグランド電位以外の別の電位に切り換えられてもよい。但し、インクを排出しないときのインクと個別電極18との間の電位差は、インクを排出するときの電位差よりも大きくなっていることが必要であるため、共通電極17の電位(第3電位)は、インクを排出しないときの個別電極18の電位(第1電位)よりも、インクを排出するときの個別電極18の電位(第2電位)に近くなるように設定される。
11]前記実施形態では、個別電極18に所定電位Vが付与されていない状態で、絶縁層19の表面における撥液性が、基板11の上面(底面23)そのものの撥液性よりも高くなっているが、底面23の絶縁層19が形成されていない領域に、絶縁層19よりも撥液性の低い絶縁材料の被膜が施されることによって、絶縁層19の表面における撥液性が、底面23の絶縁層19が形成されていない他の領域における撥液性よりも高くなっていてもよい。
以上説明した実施形態及びその変更形態は、インクを記録用紙へ移送して記録するプリンタに本発明を適用した一例であるが、インク以外の液体を移送して排出する他の液体移送装置にも本発明を適用することも可能である。例えば、金属ナノ粒子を分散した導電性液体を基板に転写して配線パターンを形成する装置、DNAを分散した溶液を用いてDNAチップを製造する装置、有機化合物などのEL発光材料を分散した溶液を用いてディスプレイパネルを製造する装置、カラーフィルタ用顔料が分散された液体を用いて液晶ディスプレイ用のカラーフィルタを製造する装置などにも本発明を適用することができる。
また、これらの液体移送装置に用いられる液体は、液体自体が導電性のものである場合に限られず、絶縁性の液体に導電性の添加剤を分散させて、導電性の液体と同様に導電性を有するようにしたものであってもよい。
さらに、本発明は、複数の排出部から液体をそれぞれ排出可能なものに限られず、1つの排出部を備えた1つの液体流路を有し、その1つの排出部のみから液体を排出する液体移送装置にも適用可能である。
本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 記録ヘッドの横断面図である。 図2のIII-III線断面図である。 インクを排出していない状態における記録ヘッドの横断面図である。 図4のV-V線断面図である。 インクを排出している状態における記録ヘッドの横断面図である。 図6のVII-VII線断面図である。 変更形態1に係るプリンタの一例の概略構成を示す図である。 変更形態2の記録ヘッドの横断面図である。 変更形態3の記録ヘッドの横断面図である。 変更形態4の記録ヘッドの横断面図である。 図11のXII-XII線断面図である。 変更形態5の図3相当の断面図である。 変更形態6の図3相当の断面図である。 変更形態7の記録ヘッドの横断面図である。 変更形態8の記録ヘッドの横断面図である。 図16のXVII-XVII線断面図である。 変更形態9のプリンタの概略構成図である。
符号の説明
1,51 記録ヘッド
2 インクタンク
11 基板
14 共通流路
15,15B,15C 個別流路
16 共通流路
16,16B 排出部
17 共通電極
18,18G 個別電極
19,19G 絶縁層
20 ドライバIC
30 ポンプ
31 絞り部
40 カバー部材
41 カバー部材
42 撥液膜
44,45 撥液膜
100 プリンタ

Claims (13)

  1. 絶縁性を有する流路形成面により形成されて導電性を有する液体が流れる流路であって、さらに、前記液体が排出される排出部を備えた液体流路と、
    前記流路形成面に配置された動作電極と、
    この動作電極を覆うように前記流路形成面に配置された絶縁層であって、前記液体流路内の液体と前記動作電極の間の電位差が所定の限界電位差以上であるときには、その表面の撥液性は前記流路形成面の他の領域における撥液性と同等もしくはそれ以下であり、前記液体流路内の液体と前記動作電極の間の電位差が所定の限界電位差よりも小さいときには、その表面の撥液性が前記他の領域における撥液性よりも高くなる絶縁層と、
    前記動作電極に対して、前記液体と前記動作電極の間の電位差が前記限界電位差以上となるような所定の第1電位と、前記液体と前記動作電極の間の電位差が前記限界電位差よりも小さくなるような所定の第2電位の何れか一方を選択的に付与する電位付与手段とを備え、
    前記電位付与手段により前記動作電極に前記第1電位が付与されているときには、前記絶縁層の表面を含む前記液体流路の流路形成面の全域に前記液体が存在するとともに、前記排出部にメニスカスが形成されて液体が排出されない状態であり、
    前記電位付与手段により前記動作電極の電位が前記第1電位から前記第2電位に切り換えられたときには、前記動作電極を覆っている前記絶縁層の表面に存在していた液体の一部が前記液体流路の前記排出部側へ移動して、液体が前記排出部から排出されるように構成されていることを特徴とする液体移送装置。
  2. 前記液体流路内の液体に、前記排出部へ向かう方向に作用する圧力であって、前記排出部に形成される前記メニスカスを破壊する圧力よりも低い圧力を付与する圧力付与手段を有することを特徴とする請求項1に記載の液体移送装置。
  3. 前記第2電位はグランド電位であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体移送装置。
  4. 複数の前記液体流路と、これら複数の液体流路が共通に連通する共通流路とを備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の液体移送装置。
  5. 前記共通流路の流路形成面に配置され、前記共通流路内の前記液体に直接接触する共通電極を有し、
    前記電位付与手段は、前記共通電極の電位を、前記第1電位よりも前記第2電位に近い所定の第3電位に保持することを特徴とする請求項4に記載の液体移送装置。
  6. 前記第3電位はグランド電位であることを特徴とする請求項5に記載の液体移送装置。
  7. 前記複数の液体流路は、それらの流路形成面の撥液性と同等もしくはそれ以上に高い撥液性を有する第1撥液性領域により、それぞれ区画されていることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の液体移送装置。
  8. 前記排出部に連なる外表面に、前記液体流路の流路形成面よりも高い撥液性を有する第2撥液性領域が形成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の液体移送装置。
  9. 前記液体流路の前記排出部に連なる部分は、前記排出部側ほど流路面積が狭くなる先細り形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の液体移送装置。
  10. 前記液体流路の、前記動作電極を挟んで前記排出部と反対側の部分には、流路面積が局所的に狭くなる絞り部が設けられていることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の液体移送装置。
  11. 前記個別電極及び前記絶縁層は、前記流路形成面の前記排出部に連なる領域に配置されていることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の液体移送装置。
  12. 前記液体流路内の液体を大気から遮断するカバー部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の液体移送装置。
  13. 前記個別電極及び前記絶縁層の前記排出部と反対側の輪郭線は、前記液体流路の幅方向に対して傾斜方向が互いに逆となる2種類の直線が、前記幅方向に交互に並べられたジグザグ形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の液体移送装置。
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