JP4774377B2 - リチャージ井戸 - Google Patents
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Description
揚水井戸から揚水した地下水には、通例、砂や錆などの微粒子gが含まれている。該微粒子gを含んだ地下水を前記リチャージ井戸aにより長時間リチャージ処理すると、図7に示すように、復水中に含まれた微粒子gが、復水の流れによって地盤中の間隙の小さい箇所、および流速の遅くなる井戸より離れた場所で、沈降・堆積し目詰まりすることが懸念される。そのままでは地盤中での間隙が小さくなり、リチャージ井戸aは徐々にリチャージ能力が低下してしまう。そこで前記沈降・堆積して目詰まりした微粒子gを、逆にポンプhで揚水することにより吸い出し除去する洗浄処理が実施されている。しかし、前記間隙の小さい箇所に目詰まりした微粒子gは、ポンプhによる揚水で吸い出そうとしても、なかなか除去し難いし、また、せっかく吸い出してもスクリーン部bの開口n…に引っ掛かって詰まることが多く、洗浄効果を期待し難いのが通例である。
したがって、特許文献1〜3に開示された先行技術は、揚水した地下水から微粒子を効果的に除去でき、リチャージ井戸の目詰まりを確実に防止することができるので、有効な技術といえる。しかし、前記除去装置を設置するためには多大なコストが掛かるし、設置する場所の確保も問題となる。
また、別途の施設及び洗浄機器等が必要であったり、該施設及び洗浄機器等の定期的なメンテナンスも必要とすることから、その作業に手間が掛かって面倒であるし、コストも掛かり不経済である。
地盤10を掘削して形成した井戸用孔11内へ、下部にスクリーン部4を有する井戸ケーシング2が挿入され、前記スクリーン部4の外周に粒状フィルター材30を充填してフィルター層3が形成されているリチャージ井戸1において、
前記フィルター層3は、スクリーン部4から水平方向外方へ向かうにしたがい粒状フィルター材30の粒径を段階的に小さくなる配列の複数層(3a〜3c)に構成されていることを特徴とする。
地盤10を掘削して形成した井戸用孔11内へ、下部にスクリーン部4’を有する井戸ケーシング2が挿入され、前記スクリーン部4’の外周に粒状フィルター材30を充填してフィルター層3が形成されているリチャージ井戸1において、
前記スクリーン部4’は、外径部分4bから内径部分4aに向かって下方へ傾斜し、且つ隙間寸法が拡大する開口40で形成されていることを特徴とする。
地盤10を掘削して形成した井戸用孔11内へ、下部にスクリーン部4’を有する井戸ケーシング2が挿入され、前記スクリーン部4’の外周に粒状フィルター材30を充填してフィルター層3が形成されているリチャージ井戸1において、
前記フィルター層3は、スクリーン部4’から水平方向外方へ向かうにしたがい粒状フィルター材30の粒径を段階的に小さくなる配列の複数層(3a〜3c)に構成され、
前記スクリーン部4’は、外径部分4bから内径部分4aに向かって下方へ傾斜し、且つ隙間寸法が拡大する開口40で形成されていることを特徴とする。
また、スクリーン部4’の開口40を、外径部分4bから内径部分4aに向かって隙間寸法が拡大する構成としたので、洗浄処理時に、フィルター層3から吸い出されてきた微粒子6は、開口40へ進入するとほとんど抵抗なく(引掛かって止まることなく)、下向き流れと共にスクリーン部4’内へ流入し、そのまま開口40の下向き傾斜面に沿って重力作用で下方へ降下してゆき、前記微粒子6を容易に且つ効果的に除去することができる。
図1は、図示しない揚水井戸から揚水された地下水などを、復水管8を通じて地盤10中へ戻すリチャージ井戸1の全体図を概念的に示したもので、おおよそ図5の構成と共通する。本実施例のリチャージ井戸1の特長は、フィルター層3が、図2に示したように、スクリーン部4から水平方向外方へ向かうにしたがい粒状フィルター材30の粒径が段階的に小さくなる配列の3層(3a〜3c)で構成されていることである。前記3層のフィルター層(3a〜3c)を構成する手段は、井戸用孔11内へ井戸ケーシング2を挿入する以前に、スクリーン部4の外周に、粒状フィルター材30を粒度毎に異なるフィルター層として形成するための透水性容器、例えば金網等により製作した籠状容器12を2重構造に巻き付けた構成としておいて、各籠状容器12へ、粒度調整をしたフィルター材30(3a、3b)を充填しておき、このスクリーン部4を井戸ケーシング2と共に、井戸用孔11内へ挿入し、その後、最外部のフィルター材30(3c)を充填する方法などで実施できる。フィルター層3を構成する粒状フィルター材30の粒径は、一例としてスクリーン部4の直近側から順に10mm程度、5mm程度、2mm程度とする。なお、前記フィルター層3の層数は、図示した3層に限定されない。例えば微粒子6の大きさや数量によって、2層とした構成で実施しても良いし、或いは4層以上の構成で実施しても良い。
本実施例のリチャージ井戸の特長は、スクリーン部4’が、外径部分4bから内径部分4aに向かって下方へ傾斜し、かつ隙間寸法が拡大する開口40で形成されていることである。開口40の具体的仕様は、前記スクリーン部4’が上述した作用・効果を発揮するように、下向き傾斜角は45度〜60度程度、そして外径部分4bから内径部分4aに向かって拡大する隙間寸法は、それぞれ最小隙間が2mm程度、最大隙間が4mm程度とする。
なお、上記スクリーン部4’の製作は、リング状のスクリーン部材を上下方向に複数円筒形に積み重ねて一体的に接合した構成、或いは長大なスクリーン部材を螺旋状に巻き上げた構成で製作することができる。そして、スクリーン部4’は、その上端部分が、上記井戸ケーシング2の下端部分と一体的に接合される。スクリーン部4’は、通例金属で製作されるが、長期間にわたるリチャージ処理による同スクリーン部4’の腐食・劣化を防止できる耐食性のある強化プラスチック等で製作してもよい。
また、洗浄処理時に、フィルター層3から吸い出されてきた微粒子6は、開口40へ進入するとほとんど抵抗なく(引掛かって止まることなく)、下向き流れと共にスクリーン部4’内へ流入し、図3の矢印Yで示すように、そのまま開口40の下向き傾斜面に沿って重力作用で下方へ降下してゆき、前記微粒子6を容易に且つ効果的に除去することができる。
本実施例のリチャージ井戸の特長は、上述した実施例1及び実施例2のリチャージ井戸の両特長を組み合わせて構成したことである。即ち、フィルター層3が、スクリーン部4’から水平方向外方へ向かうにしたがい粒状フィルター材30の粒径を段階的に小さくなる配列の3層(3a〜3c)で構成されている。そして、スクリーン部4’が、外径部分4bから内径部分4aに向かって下方へ傾斜し、且つ隙間寸法が拡大する開口40で形成されている。従って、本実施例のリチャージ井戸は、実施例1及び実施例2の上述した作用・効果をそれぞれ複合的に奏する。
2 井戸ケーシング
30 粒状フィルター材
3a〜3c フィルター層
4、4’ スクリーン部
4a スクリーン部の内径部分
4b スクリーン部の外径部分
40 スクリーン部の開口
Claims (3)
- 地盤を掘削して形成した井戸用孔内へ、下部にスクリーン部を有する井戸ケーシングが挿入され、前記スクリーン部の外周に粒状フィルター材を充填してフィルター層が形成されているリチャージ井戸において、
前記フィルター層は、スクリーン部から水平方向外方へ向かうにしたがい粒状フィルター材の粒径が段階的に小さくなる配列の複数層で構成されていることを特徴とする、リチャージ井戸。 - 地盤を掘削して形成した井戸用孔内へ、下部にスクリーン部を有する井戸ケーシングが挿入され、前記スクリーン部の外周に粒状フィルター材を充填してフィルター層が形成されているリチャージ井戸において、
前記スクリーン部は、外径部分から内径部分に向かって下方へ傾斜し、且つ隙間寸法が拡大する開口で形成されていることを特徴とする、リチャージ井戸。 - 地盤を掘削して形成した井戸用孔内へ、下部にスクリーン部を有する井戸ケーシングが挿入され、前記スクリーン部の外周に粒状フィルター材を充填してフィルター層が形成されているリチャージ井戸において、
前記フィルター層は、スクリーン部から水平方向外方へ向かうにしたがい粒状フィルター材の粒径が段階的に小さくなる配列の複数層で構成され、
前記スクリーン部は、外径部分から内径部分に向かって下方へ傾斜し、且つ隙間寸法が拡大する開口で形成されていることを特徴とする、リチャージ井戸。
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JP2007043458A JP4774377B2 (ja) | 2007-02-23 | 2007-02-23 | リチャージ井戸 |
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JP2008208526A JP2008208526A (ja) | 2008-09-11 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103526780A (zh) * | 2013-10-23 | 2014-01-22 | 天津大学 | 一种回灌井中堵水防渗方法 |
KR101863347B1 (ko) * | 2017-10-31 | 2018-06-01 | 산하토건(주) | 교체가 가능한 2중 필터팩을 사용하는 충적정호 및 이의 시공 방법 |
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2007
- 2007-02-23 JP JP2007043458A patent/JP4774377B2/ja active Active
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