JP4773540B2 - ヒト癌胎児性抗原に対する特異的結合メンバー;材料および方法 - Google Patents
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Description
特異的結合メンバー
これは、互いに結合特異性を有する一対の分子(分子ペア)のメンバーを表す。特異的結合ペアの各メンバーは天然から誘導してもよくまたは完全もしくは部分合成により製造されてもよい。分子ペアの一方のメンバーは、分子ペアの他方のメンバーの特定の空間的および極性的構造に特異的に結合し、従って該特定構造に相補的である、表面上の一領域またはキャビティを有する。よって分子ペアの両メンバーは互いに特異的に結合する性質を有する。特異的結合ペアの型の例は、抗原−抗体、ビオチン−アビジン、ホルモン−ホルモンレセプター、レセプター−リガンド、酵素−基質である。本出願は抗原−抗体型反応と関係がある。
これは、天然のものであるかまたは部分もしくは完全合成により製造された免疫グロブリンである。この用語は、抗体結合ドメインであるかまたはそれと相同である結合ドメインを有する、任意のポリペプチドまたはタンパク質も包含する。それらは天然源から誘導することができ、または部分的にもしくは完全に合成してもよい。抗体の例は免疫グロブリンイソタイプおよびそれらのイソタイプサブクラス;抗原結合ドメインを含んで成る断片、例えばFab, scFv,Fv, dAb, Fd ;並びにダイアボディである。
これは、抗原の一部または全部に特異的に結合し且つ相補的である領域を含んで成る抗体の部分を表す。抗原が大きい場合、抗体は抗原の特定部分にのみ結合することができるが、その部分はエピトープと呼ばれる。抗原結合ドメインは1または複数の抗体可変ドメインにより提供することができる。好ましくは、抗原結合ドメインは抗体軽鎖可変領域(VL)と抗体重鎖可変領域(VH)を含んで成る。
これは、特異的結合ペアの一方のメンバーがそれの1または複数の特異的結合相手以外の分子に対して何ら有意な結合を示さないような状況を指すために用いられる。この語は、例えば抗原結合ドメインが、多数の抗原が担持している特定のエピトープに対して特異的である場合にも用いることができ、その場合には、該抗原結合ドメインを有する特異的結合メンバーは該エピトープを担持している様々な抗原と結合するだろう。
これは、別の分子(親分子)に対して構造上の相違を有するけれども、有意な相同性および親分子の生物学的機能の少なくとも部分(例えば特定の抗原またはエピトープを結合する能力)を保持している分子(変異体)のことを言う。変異体は断片、誘導体または突然変異体の形態であることができる。変異体、誘導体または突然変異体は1もしくは複数のアミノ酸の付加、削除、置換もしくは挿入による、または別の分子の結合による、親分子の変更によって得ることができる。それらの変更はヌクレオチドレベルまたはタンパク質レベルで行うことができる。例えば、コードされるポリペプチドがFab断片であり、それを次いで別の起源からのFc尾部に連結せしめることができる。あるいは、酵素、フルオレセイン等のようなマーカーを連結せしめてもよい。
i) CEA6のVHドメイン(そのアミノ酸配列は図1aに示される)とCEA6のVLドメイン(そのアミノ酸配列は図1bに示される);
ii) CEA6のVHドメイン(そのアミノ酸配列は図1aに示される)と、TO6D4, TO6D8およびTO6D12(それらのアミノ酸配列は図4に示される)から選ばれたVLドメイン;
ii ) CEA6のVLドメイン(そのアミノ酸配列は図1bに示される)と、TO6D10, HBA11, HBB11およびHBB6(それらのアミノ酸配列は図2に示される)から選ばれたVHドメイン;および
iv) TO6D11のもの、即ちTO6D10のVHドメイン(そのアミノ酸配列は図2に示される)と、TO6D12のVLドメイン(そのアミノ酸配列は図4に示される)
から選ばれた、VHドメインとVLドメインのペアを含んで成る結合ドメインを含むことができる。
i) CEA6のVHドメイン(そのアミノ酸配列は図1aに示される)と、TO6D4 およびTO6D12から選ばれたVLドメイン(それらのアミノ酸配列は図4に示される)
ii) CEA6のVLドメイン(そのアミノ酸配列は図1bに示される)と、TO6D10のVHドメイン(そのアミノ酸配列は図2に示される);および
iii ) TO6D11のもの、即ちTO6D10のVHドメイン(そのアミノ酸配列は図2に示される)と、TO6D12のVLドメイン(そのアミノ酸配列は図4に示される)
から選ばれた、VHドメインとVLドメインのペアを含んで成る結合ドメインを含むことができる。
i) CEA6のVHドメイン(そのアミノ酸配列は図1aに示される)とCEA6のVLドメイン(そのアミノ酸配列は図1bに示される);
ii) CEA6のVHドメイン(そのアミノ酸配列は図1aに示される)と、TO6D4 およびTO6D12から選ばれたVLドメイン(それらのアミノ酸配列は図4に示される)
iii ) CEA6のVLドメイン(そのアミノ酸配列は図1bに示される)と、TO6D10およびHBB11 から選ばれたVHドメイン(それらのアミノ酸配列は図2に示される);および
iv) TO6D11のもの、即ちTO6D10のVHドメイン(そのアミノ酸配列は図2に示される)と、TO6D12のVLドメイン(そのアミノ酸配列は図4に示される)
から選ばれた、VHドメインとVLドメインのペアを含んで成る結合ドメインを含むことができる。
i) CEA6のVHドメイン(そのアミノ酸配列は図1aに示される)とCEA6のVLドメイン(そのアミノ酸配列は図1bに示される);
ii) CEA6のVHドメイン(そのアミノ酸配列は図1aに示される)と、TO6D4, TO6D8およびTO6D12から選ばれたVLドメイン(それらのアミノ酸配列は図4に示される);
iii ) CEA6のVLドメイン(そのアミノ酸配列は図1bに示される)と、HBA11, HBB11およびHBB6から選ばれたVHドメイン(それらのアミノ酸配列は図2に示される);
iv) TO6D11のもの、即ちTO6D10のVHドメイン(そのアミノ酸配列は図2に示される)と、TO6D12のVLドメイン(そのアミノ酸配列は図4に示される);および
v) CEA6のVHドメイン(そのアミノ酸配列は図1aに示される)と、LOB1C, LOE17およびLOSC2 から選ばれたVLドメイン(それらのアミノ酸配列は図3に示される)
から選ばれた、VHドメインとVLドメインのペアを含んで成ることができる。
(i) Pro Ala Ala Tyr Leu Trp Trp Val Asp Ser、または
(ii) Pro Pro Ala Tyr Leu Tyr Trp Arg Ser Ser
を含むペプチドを結合する(CEA6はそのような特異的結合メンバーの一態様である)。この試験には、上記配列に加えて片側末端に1または複数のアミノ酸(例えばN末端にCGG)を有するペプチドを使うことができる。本発明の特異的結合メンバーは、CEAへのそれらの結合が配列(i) もしくは(ii)のいずれかを有するかまたはそれを含むペプチドにより阻害されるようなものであることができる。この試験には、どちらか一方の配列に加えて1または複数のアミノ酸(例えばN末端にCGG)を有するペプチドを使うことができる。
実施例の目録
実施例1:CEA に特異的な抗体の単離
実施例2:CEA へのscFv断片の結合親和力の測定
実施例3:細胞性CEA へのCEA 特異的抗体の結合の証明
実施例4:ヒト肝細胞系に対する抗CEA 抗体の特異性の変化の証明
実施例5:CEA に特異的な抗体のエピトープマッピング
実施例6:ヒト結腸腺癌異種移植片へのCEA 特異的抗体の生体内限局化
実施例7:CEA6およびTO6D11のドメイン認識の更なる調査
実施例8:CEA1, CEA2, CEA3, CEA4およびCEA5の結合特異性の分析
実施例9:CEA1, CEA2, CEA3, CEA4, CEA5およびCEA6並びにCEA6の親和力成熟変異体の免疫細胞化学
実施例10:ヒト結腸腺癌への125I標識抗CEA 抗体の限局化
実施例11:CEA に特異的な抗体のエピトープマッピングの改良
実施例12:CEA に特異的な125I標識scFvの腫瘍取込みおよび正常組織生体分布の分析
1. 免疫されてないファージ抗体レパートリーの選択による、ヒトCEA に対する抗体の同定および特徴づけ
抗体レパートリー
次の抗体レパートリーを使った:
扁桃、骨髄および末梢血リンパ球を含むリンパ系組織から誘導された大規模一本鎖Fvライブラリー。
43人の非免疫処置提供者から、"Quickprep mRNA キット"(Pharmacia) を使って、様々なリンパ系組織のB細胞からポリアデニル化RNAを調製した。" 第一鎖cDNA合成キット" (Pharmacia)を使って、合成を開始するのにランダムヘキサマーを用いてmRNAから第一鎖cDNAを合成した。以前に記載されたような〔Marks 他(1991) J. Mol. Biol. 222: 581-597 〕VH,VκおよびVλ遺伝子用のファミリー特異的プライマーを使ってV遺伝子を増幅せしめ、続いてPCR集成により(Gly4, Ser)3scFvリンカーと一緒に組み換えた。VH−リンカー−VL抗体構成物をファジミドベクターpCANTAB 6 の SfiI部位と NotI部位の中でクローニングした。連結、エレクトロポレーションおよび細胞の平板分離は以前に記載された通りであった(Marks 他, 前掲)。ライブラリーは、使用するベクターと挿入断片の量を増やしそして多重エレクトロポレーションを実施することにより、以前に記載されたものよりも約1000倍大きな規模になった。これは、Bst NIフィンガープリント法によって極めて多様であることが示された約6.0 ×109個体の組換え体を有すると計算されるscFvレパートリーをもたらした。
上記のファージ抗体ライブラリーをCEA に対する抗体について選択した。ファジミド粒子を救済するために次のようにレパートリーを処理した。2lの三角フラスコ中の500 mlの予熱した(37℃)2YTAG (100μg/mlアンピシリンと2%グルコースが補足された2YT培地)に、該ライブラリーのグリセロール保存(−70℃)培養物からの約3×1010個の細胞を接種した。十分に通気しながらOD600nmが0.7 に達するまで(約2時間)培養物を37℃で増殖させた。約10の感染多重度(moi) にM13K07ヘルパーファージ(Stratagene)を培養物に加えた(OD600nm =1は、培養物1mlあたり5×108個の細胞に等しい)。培養物を37℃で15分間静置インキュベートした後、軽く通気しながら(200 rpm )同じ温度で45分間インキュベートした。培養物を遠心分離し、細胞ペレットから上清を排水した。細胞を500 mlの 2YTAK(100 μg/mlアンピシリンと50μg/mlカナマイシンが補足された2YT 培地)中に再懸濁し、十分に通気しながら(300 rpm) 30℃で一晩インキュベートした。3回のポリエチレングリコール(PEG)沈澱によりファージ粒子を精製・濃縮し〔Sambrook, J., Fritsch, E.F. & Maniatis, T.(1990) Molecular Cloning-A Laboratory Manual, Cold Spring Harbour, New York〕そして1012形質導入単位(tu)/ml(アンピシリン耐性クローン)になるようにPBS中に再懸濁した。
前記レパートリーから誘導したファージをCEA上で選別した。75mm×12mmの免疫用チューブ(Nunc; Maxisorp)を、PBS中の組換えヒトCEA(20 ug/ml, Genzyme )1mlで37℃で一晩コーティングした。PBSで3回洗浄した後、該チューブを3%MPBS(3%"Marvel"脱脂粉乳、1×PBS)で充たし、37℃で2時間インキュベートしてブロックした。洗浄を繰り返し、1 mlの3%MPBS中のファジミド粒子(1013 tu )を添加し、チューブを静置状態で37℃で1時間インキュベートした。チューブをPBST(0.1 %)で20回洗浄し、次いでPBSで20回洗浄した。1mlの100 mMトリエチルアミンを加えそして該チューブを静置状態で室温で10分間インキュベートすることによって、結合したファージ粒子をチューブから溶出させた。溶出した物質を0.5 mlの1M Tris-HCl (pH 7.4)の入ったチューブの中にピペットで加えることにより、即座に中和した。ファージを4℃で貯蔵した。溶出したファージ0.75mlを使って、対数増殖期のE.コリ TG110mlに感染させた(Gibson, T.J. (1984) 博士論文,University of Cambridge )。感染した細胞を2YT ブロス中で軽く通気しながら37℃で1時間増殖させ、次いで243 mm×243 mmの皿(Nunc)に入った2YTAG 培地の上に塗布した。この平板を30℃で一晩インキュベートした。平板からコロニーをかき取って10mlの2YTブロス中に移し、−70℃での保存用に15%(v/v) グリセロールを加えた。
第3回および第4回選別からの個々のコロニーを使って、96ウエルの組織培養プレート(Corning) の各ウエルに入れた100 μlの2YTAG に接種した。このプレートを適度に振盪しながら (200 rpm)30℃で一晩インキュベートした。15%になるようにグリセロールを各ウエルに加え、それらのマスタープレートを分析の用意ができるまで−70℃で保存した。
ファージ上に表示されたscFvまたは可溶性scFvを使って、ELISAによりCEA に特異的なクローンを同定した。
(i) ファージ ELISA
マスタープレートからの細胞を、ウエルあたり100 μlの2YTAGを含む新鮮な96ウエルの組織培養プレートに接種した。ウエル中の細胞が対数的に増殖するようになるまで(OD600 =0.2 〜1.0 )、それらのプレートを37℃で6〜8時間インキュベートした。各ウエルにmoi =10でM13K07を加え、静置状態で15分間インキュベートし、次いで穏やかに振盪しながら(100 rpm )45分間インキュベートした(共に37℃で)。プレートを2000 rpmで10分間遠心分離し、上清を除去した。各細胞ペレットを100 μlの2YTAK 中に再懸濁し、30℃で一晩インキュベートした。
マスタープレートからの細胞を使って、ウエルあたり100 μlの2YTAG を含む新鮮な96ウエルの組織培養プレートに接種した。それらのプレートを30℃で8時間インキュベートし、次いで2000 rpmで10分間遠心分離し、上清を除去した。各細胞ペレットを、1mM IPTGを含む 2YTAK 100μl中に再懸濁し、30℃で一晩インキュベートした。
上述のように未コーティングのウエルよりもCEA を結合すると確認されたクローンを更に特異性について分析した。ファージ上に表示されたscFvまたは溶液中のscFvを使って、上述した通りに特異性ELISA を実施した。ただし、50mlのFalconチューブに入れた培地5mlに各クローンを接種しそして増殖させて、ELISA に使用するファージscFvまたは可溶性scFvを調製した。マイクロタイタープレートの各ウエルを0.5 μg/ml CEA、10μg/ml ウシ血清アルブミン(BSA) 、10μg/ml オボアルブミン、10μg/ml リゾチーム、10μg/ml アオガイヘモシアニン(KLH) またはPBS (未コーティングのウエル)のいずれか 100μlによりコーティングした。ファージ(または可溶性scFv)とマイクロタイタープレートの両方を予備ブロックした後、各クローンからの50μlブロック済ファージ(または可溶性scFv)を、CEA 、BSA 、オボアルブミン、リゾチーム、KLH のいずれかでコーティングしたウエルまたは未コーティングウエルに加えた。上記と同様に、色素生成基質pNPP (Sigma)を使ってアルカリホスファターゼ活性を視覚化した。CEA でコーティングしたウエルで生成されるELISA シグナルが、試験抗原のいずれかまたは未コーティングウエルのシグナルよりも少なくとも5倍大きければ、そのクローンをCEA 特異的であるとみなした。
CEA 特異的抗体のヌクレオチド配列を、最初にベクター特異的プライマーを使って各クローンからの挿入DNAを増幅せしめることにより決定した。2YTAG 寒天プレート上の個々のコロニーからの細胞を、プライマーpUC19reverseおよびfdtetseq(表1)を使った挿入DNAのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅のための鋳型として使用した。増幅条件は94℃で1分、55℃で1分および72℃で2分の30サイクルに続いて、72℃で10分から成った。PCR生成物をPCR Clean-up Kit (Promega)を使って50μl H2Oの最終容量に精製した。各挿入断片調製物2〜5μlを、Taq 色素−ターミネーターサイクル配列決定システム(Applied Biosystems)を使った塩基配列決定用の鋳型として使った。各クローンの軽鎖を配列決定するにはプライマーmycseq10とPCR-L-Linkを使い、そして各クローンの重鎖を配列決定するにはプライマーPCR-H-LinkとpUC19reverseを使った(表1)。
選別から7種類のCEA 特異的抗体が単離された。各クローン名とそれの重鎖および軽鎖生殖細胞系列を下記に示す。各VHドメイン遺伝子およびVLドメイン遺伝子の完全配列は図1aとbに与えられる。
a.CEA 特異的scFv抗体CEAE6 のCDR3「スパイク」
(i) VH CDR3 「スパイク」レパートリーの作製
63マーの変異原性オリゴヌクレオチドプライマーCEA6HCDOP をまず合成した(表1参照)。このプライマーは、倹約変異誘発法〔Ballint およびLarrick (1993) Gene 137: 109-118〕を使ったCEA6 VH CDR3の7残基のスパイクを可能にした。プライマーLMB3とCEA6HCDOP を使ったPCRによりCEA6重鎖を増幅せしめた。増幅条件は94℃で1分、55℃で1分および72℃で1分の25サイクルに続いて、72℃で10分から成った。PCR生成物を1%アガロース−TAEゲルを通して分離し、増幅されたVHを表すバンドを切り取り、Geneclean キット(Bio 101) を使ってアガロースゲルから該生成物を溶出させた。
CEA6 VH CDR3スパイクレパートリーをCEA 特異的抗体について選択した。初期ライブラリーについて前に記載された通りに、該レパートリーからファジミド粒子を回収した。回収したファージを100μl 3MPBSの最終容量において1時間予備ブロックした。第1回選別には約1011tuのファージを使い、その後の選別には109〜1010tuのファージを使った。第1回選別には、10 nM の最終濃度になるようにビオチン化CEA を予備ブロック済ファージに加え、静置状態で37℃にて1時間インキュベートした。製造業者の指示に従って10:1のビオチン対CEA のモル比においてNHS-SSビオチン(Pierce)を使ってCEA をビオチン化した。
上記に記載した通りに、CEA 特異的scFv抗体をファージELISA と可溶性ELISA の両方により同定し配列決定した。4つの新規CEA 特異的scFv抗体が同定された。いずれも、上述のCEA6軽鎖配列(L12a)と、VHの標的スパイクされた7残基中に1または複数個の変異を有していた。その配列を図2に与える。
まず65マーの変異原性オリゴヌクレオチドプライマー CEA6LCDOPを合成した(表1参照)。このプライマーは、倹約変異誘発法(Ballint およびLarrick 、前掲)を使ったCEA6 VL CDR3の4残基のスパイクを可能にした。プライマーCEA6JHとCEA6LCDOP を使ったPCRによりCEA6軽鎖を増幅せしめた。増幅条件は94℃で1分、55℃で1分および72℃で1分の25サイクルに続いて、72℃で10分から成った。各集成物5μlを、プライマーfdtetseqとLMB3を使った「プルスルー(pull-through)」増幅において鋳型として使った。増幅条件は94℃で1分、55℃で2分および72℃で1分の25サイクルに次いで、72℃で10分から成った。
CEA6 VL/VH CDR3 スパイクレパートリーをCEA 特異的抗体について選択した。初期ライブラリーについて前に記載した通りに、該レパートリーからファジミド粒子を回収した。回収したファージを100 μl 3MPBSの最終容量において1時間予備ブロックした。第1回選別には約1011tuのファージを使い、その後の選別には109〜1010tuのファージを使った。第1回選別には、10 nM の最終濃度になるようにビオチン化CEA を予備ブロック済ファージに加え、静置状態で37℃にて1時間インキュベートした。
上記に記載した通りに、CEAに特異的なscFv抗体をファージELISAと可溶性ELISA の両方により同定し配列決定した。3つの新規CEA特異的scFv抗体が同定された。この3つは全て上述のCEA6重鎖配列(DP10)と、VLの標的スパイクされた4残基中に変異を有していた。その配列を図3に与える。
(i) レパートリーの作製
上記のCEA6 VH CDR3スパイククローンの集団を、PBL および扁桃由来のscFvレパートリーから誘導された軽鎖の全レパートリーを使って組み換えた。CEA6 VH CDR3スパイク重鎖を、プライマーPCR-H-LINK(表1)とLMB3を使ったPCRにより増幅せしめた。増幅条件は94℃で1分、55℃で1分および72℃で1分の25サイクルに続いて、72℃で10分から成った。PCR生成物を1%アガロース−TAEゲルを通して分離し、増幅されたVHを表すバンドを切り取り、Gene-clean キット(Bio 101) を使ってアガロースゲルからを溶出させた。
軽鎖入替えレパートリーを、CEA6 VH/VL CDR3 スパイクレパートリーについて上述したのと全く同様に、CEA6より長いオフ速度(koff)を有するCEA 特異的抗体について選別した。
上記に記載した通りに、CEA 特異的scFv抗体をファージELISA と可溶性ELISA の両方により同定し配列決定した。3つの新規CEA 特異的scFv抗体が同定された。この3つは全て上述のCEA6重鎖配列(DP10)を有していた。各VLドメイン遺伝子の配列を下記に要約し、完全配列を図4に与える。
高親和性抗CEA scFvから誘導した重鎖と、高められたオフ速度と減少されたヒト肝臓交差反応性を示す抗CEA scFvから誘導した軽鎖との組換え。
scFv抗体CEA6のCDR3をスパイクすることにより得られた抗体は高親和性でCEA と結合する(項目2b)。より高い親和性の抗体を獲得する見込みを高めるために、高親和性抗CEA scFvから得たVHを、高められたオフ速度と減少されたヒト肝臓交差反応性を示す抗CEAscFvから得たVLと組み合わせることを決めた(実施例4)。
TO6D8 軽鎖(クローンTO6D9 を与える)またはTO6D12軽鎖(クローンTO6D11を与える)のいずれかと共にTO6D10重鎖を有するクローンを、配列決定により同定した。
CEA6親クローンに由来する全抗CEA scFvの親和力を表面プラスモン共鳴により測定し、一方CEA1〜CEA5の親和力を結合阻害ELISA により測定した。
実施例1に記載のscFv断片のCEA への結合のオフ速度を、センサーチップに結合させた脱シアル酸CEA を使って測定した。100 μgのCEAを0.1 M酢酸ナトリウム緩衝液 pH 4.0 中に再懸濁し、1.375mUのシアリダーゼ (Sigma)を使って脱シアル酸した。これを時折振盪しながら37℃で4時間インキュベートした。次いで脱シアル酸CEA を、10 mM リン酸塩緩衝液 pH 7.0 中で500 μg のCEA あたり1単位のガラクトースオキシダーゼを使って酸化した。それを36℃で2時間インキュベートし、Centricon カラムを使って10 mM 酢酸ナトリウム緩衝液 pH 4.0 中に脱塩した。次いでこのCEA をアルデヒドカップリングによってセンサーチップ上に固定した。15μlのEDC/NHS カップリング剤 (Pierce) を5μl/分の流速でチップに通した。35μlの5 mMヒドラジン/水をチップに通した後、35μlのエタノールアミンをチップに通した。60μg/mlの処理CEA 4μlを2μl/分の流速でチップに通した後、0.1 M酢酸塩緩衝液 pH4.0 中の0.1 M水素化シアノホウ素ナトリウム溶液40μlを5μl/分の流速で通した。この方法を使って約1500 RU (共鳴単位)のCEA が結合された。この方法を使って5000 RU および800 RU CEAチップを製造した。オフ速度の計算を行う前に、各試料についで精製scFvによる該チップの飽和(実施例3参照)を証明した。Bia-Evaluationソフトウエアと、scFv調製物が100 %活性であるという仮定を使って、オンおよびオフ速度を計算した。その結果を表2に示す。
CEA1〜CEA5の親和力は、それらのscFvがCEA の脱シアル酸により除去される糖質構造を認識するために、表面プラスモン共鳴により評価することはできなかった。従って、それらの親和力は結合阻害ELISA により測定した。
a.HeLa細胞の表面上へのCEA 発現
これらの実験には全て、金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)で精製したscFvを使った。これは次のようにして調製した。コロニーを2%グルコースと100 μg/mlアンピシリンを含む2TY(2TY/G/A )50ml中に接種し、30℃で一晩インキュベートした。次いでこの一晩培養物を500 mlの2TY/G/A に添加し、振盪インキュベーター中で30℃にて1時間増殖させた。細胞を8Kで10分間ペレット化し、1 mM IPTG と100 μg/ml アンピシリンを含む2TY 500 ml中に再懸濁し、そして22℃で一晩増殖させた。予冷したローター(4℃)中で8,000 g にて10分間細胞をペレット化することにより、周縁質(ペリプラズム)調製物を調製した。このペレットを25mlの氷冷Tris-HCl, pH 8, 20%(w/v) ショ糖, 1 mM EDTA 中に再懸濁し、氷上で15分間インキュベートした。次いで製造業者の指示に従って、NTA −アガロース(Qiagen)を使ったIMACによって周縁質調製物からscFvを精製した。
CEA を発現しているHeLa細胞にscFv添加前に可溶性CEA を添加すること以外は、上記と同様にフローサイトメトリーを実施した。10ng/ mlから1μg/mlまでの濃度範囲を細胞に添加した(図6)。試験したどの濃度でも、可溶性CEA は細胞へのモノクローナル抗体の結合を阻害しなかった。可溶性CEA の添加は、同様な細胞結合親和力を有する無関係のモノクローナル抗体の結合を阻害することができた。これは、CEA6とそれの親和力成熟scFv断片が可溶性CEA よりも優先的に細胞性CEA と結合することを示唆する。
1×105個のChang ヒト肝細胞をIMAC精製済抗CEA scFvまたは対照scFvと共にインキュベートすること以外は、実施例3aに記載したのと全く同じようにフローサイトメトリーを実施した。FL1 チャンネル(放出波長<550 nm)を使って1×103の蛍光現象を測定し、そして細胞数に対して対数目盛の上にプロットした。その結果を図7に示す。
a.全長CEA またはCEA エピトープN, A1-B1, A2-B2, A3-B3の発現
CEA は、108 アミノ酸残基のNH2 末端ドメイン(ドメインN)に続いて各々178 残基の3つの高相同性中間部ドメイン(A1-B1, A2-B2, A3-B3 )から構成される。23残基のC末端ドメイン(ドメインM)は翻訳後に取り除かれ、そして細胞膜中にCEA をつなぎ止める糖リン脂質成分により置換されることが証明されている。細菌CMP-KDO シンターゼ(CKS) との融合タンパク質としての全長CEA またはエピトープN, A1-B1, A2-B2 もしくはA3-B3 のcDNAは、J. Shively博士により提供された〔Hass他 (1991) Cancer Res. 51:1876-1882〕。
可溶性タンパク質部分を1μg/mlの濃度で37℃で一晩ELISA プレート上にコーティングした。約1μg/mlの濃度の精製scFvを用いること以外は実施例1に記載したのと同様にして、金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)を使って可溶性抗CEA scFvを精製した。全てのCEA6由来クローンがA3− B3 ドメインに優先的に結合した。
これらのクローンを、脱シアル酸CEA (実施例2に記載した通りに調製)への結合について可溶性ELISA により試験した。処理済のまたは未処理のCEA を0.5 μg/mlの濃度でELISA プレートにコーティングし、次いで実施例1に記載の通りにELISA を実施した。CEA1,CEA2, CEA3, CEA4およびCEA5は全て、脱シアル酸CEA に対してバックグラウンドより高い検出可能なシグナルを与えなかった(2時間の発色後0.1 OD単位)が、一方生来のCEA に対するシグナルはいずれも2時間後に>0.4 OD単位であった。これは、このクローン集団が、シアリダーゼ処理により除去され得る生来のCEA 上の糖質エピトープを認識することを証明する。このクローン集団のうち、発現されたCEA エピトープ N, A1-B1, A2-B2またはA3-B3 に結合したものは1つもなかった。E.コリにおいて発現されるタンパク質はグリコシル化されないので、この結果は脱シアル酸CEA を使って得られた観察結果を確証する。
ヒト結腸腺癌のマウス異種移植モデルにおいて、放射性標識マウス抗CEA mAb が腫瘍に限局化されることが証明されている〔Pedley他 (1991) Int. J. Cancer 47: 597-602〕。本明細書中に記載される抗CEA scFv抗体がそのようなモデルにおいて好結果に腫瘍に限局化され得るかどうかを確立するために実験を組み立てた。
プライマーLMB3とftdseqを使ったPCRにより、全ての抗CEA 抗体のscFv挿入断片を調製した。増幅条件は94℃で1分、55℃で1分および72℃で1分の25サイクルに続いて、72℃で10分から成った。PCR生成物を1%アガロース−TAEゲルを通して分離し、増幅されたscFvを表すバンドを切り取り、そしてGenecleanキット(Bio101 )を使ってアガロースゲルから溶出させた。この生成物を制限エンドヌクレアーゼ Sfi IとNot I (NEB) で消化し、予めSfi I とNot I で消化しておいたシステイン標識ベクター pUC119MCH(図8)中に連結せしめた(Amersham ligation system)。この連結生成物を用いてエレクトロコンピテントTG1細胞を形質転換せしめ、2TYAGプレート上に塗布し、30℃で一晩インキュベートした。コロニーを取り、scFvを配列決定して、pUC119MCH ベクター中に挿入断片が正しく組み込まれたかどうかを確認した。
実施例3に記載の通りに抗CEA scFvをIMACにより精製した。次いでそれらをPak 他 (1992) Nucl. Med. Biol. 19: 699-677に記載された通りにテクネチウム99m で標識した。
ヒト結腸腺癌細胞系LS174Tからの皮下継代により、ヌードマウスにおいてヒトLS174T異種移植片を確立した。4匹のマウスから成るグループを各時点に採用した。マウスの尾静脈に3 mCi/mgの比活性で20μg のテクネチウム99m 標識CEA6 scFv を注射した。注射後3時間または24時間目にマウスを犠牲にし、該抗体の生体分布および組織:血液比を測定した。
a.末端システイン残基を介したセンサーチップへのscFvのカップリング
pUC119MCH ベクター中に作製した末端システイン残基を含むCEA6またはTO6D11のモノマー調製物を、次のようなリガンドチオール固定化法を使ってCM5 チップ(Pharmacia) にカップリングさせた。50μlの50 mM 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 (EDC)試薬 (Pharmacia)と50μlの 200 mM N−ヒドロキシスクシンイミド (NHS)試薬 (Pharmacia)を混合し、該混合物を5μl/分の流速でチップに通した。次いで20μlの80mM2−(2−ピリジニルジチオ)エタンアミン塩酸塩(PDEA)活性化溶液を同じ流速でチップに通した。このPDEA溶液は、4.5 mgのPDEA (Sigma)を250 μlの0.1Mホウ酸緩衝液 pH 8.5 中に溶かすことにより新しく調製した。約100 μg/mlの精製モノマーscFv溶液20μlを、PBS を使って50μlにし、次いでそのscFv溶液に50μlの50mM蟻酸ナトリウム pH 4 を加え、この混合物 50 μlを同じく5μl/分の流速でチップに通した。1.5 mgのL-システインと14mgのNaClを250 μlの0.1 M 蟻酸ナトリウム緩衝液 pH 4.3 中に溶かすことにより50 mM L−システイン−1 M NaCl不活性化溶液を調製し、そしてこの溶液20μlを5μl/分の流速でチップに注入した。この操作は、チップにカップリングしているモノマーTO6D11 scFv の375 共鳴単位(RU)の固定化およびモノマーCEA6 scFv の374 RUの固定化を提供した。既知のNドメイン反応性scFvから成る対照チップも同じ手順により調製した。
細菌CKS 遺伝子を含まないpUC119EHISベクター(図11)中でクローニングした実施例5aに記載のCEA ドメインの50ml培養物を、2%グルコースと100 μg/ml アンピシリンを含む2TY (2TYGA) 中で30℃にて一晩増殖させた。それらの培養物を500 mlの2TYGA に接種し、30℃で更に1時間増殖させた。5K, 10分の遠心分離により細胞をペレット化し、予め30℃に温めておいた1 mM IPTG と100 μg/ml アンピシリンを含む2TY 中に該ペレットを再懸濁した。30℃で3時間振盪することにより誘導を行い、次いで上記と同様に細胞をペレット化した。ペレットを10mlの1×TES (0.2 M Tris-HCl, 0.5 mM EDTA,0.5 M ショ糖)中に再懸濁した後、15mlの0.2 ×TES を加えた。細胞を30分間氷上に置き、次いで4℃にてSorvall SS34ローター中での10K で30分間の遠心分離により細胞破片をペレット化した。上清を50mlのFalconチューブに移し、25μlの1 M MgCl2(QIAGEN)を加えた。リン酸塩緩衝液(300 mM NaCl, 50 mMリン酸ナトリウム, pH 8)中で洗浄しておいた2mlのNi-NTAアガロース (Quiagen)を上清に加え、4℃で1時間回転させた。次いでNi-NTAアガロースを卓上遠心機中で1000 rpmで2分間遠心分離することによりペレット化し、アガロースペレットを20mlのリン酸塩緩衝液(300 mM NaCl, 50 mMリン酸ナトリウム, pH 8)中で2回、次いで10 mM イミダゾールを含むリン酸塩緩衝液中で1回洗浄した。Biorad Polyprep カラムにアガローススラリーを移し、300 mMイミダゾール/リン酸塩緩衝液の1ml×2アリコートの添加により、カラムからCEA ドメインを溶出させた。
4つのCEA ドメイン調製物(A1-B1, A2-B2, A3-B3, N)各70μlを5μl/分の流速においてscFv固定化チップに通した。各ドメインの注入後、10mlの10 mM HCl の注入によりチップを再生した。CEA6とTO6D11 scFv 固定化チップについては、ドメインA1−B1, A2−B2およびA3−B3はいずれも表面へのおよそ100 RUの結合をもたらした。CEA6またはTO6D11 scFv 固定化チップ上へのNドメインの結合は全く観察されなかった。CEA6およびTO6D11 scFv 固定化チップの両方について各ドメインのKoffを計算すると(表4)、A3−B3が最長のオフ速度を有することがわかった。この結果は、このドメイン(A3−B3)がCEA とTO6D11により優先的に認識されるドメインであることを示唆する。ドメインA1−B1, A2−B2およびA3−B3は、CEA6およびTO6D11 scFv とそれらの全ドメインとの幾らかの交差反応性の説明となるかもしれない3ドメイン全てに共通である要素を含まない。これは、CEA6のドメイン認識の全体的特徴が、TO6D11に対するこの抗体の親和力成熟の間に変更されなかったことを証明する。
実施例5cに記載した通りに、CEA1, CEA2, CEA3, CEA4およびCEA5は、脱シアル酸CEA への結合について試験した時に全く検出可能なELISA シグナルを与えなかった。このことは、それらのクローンがCEA のシアル酸含有糖質成分を認識していることを示唆する。それらのクローンの特異性を次のようにして更に調べた。
平均約200 モノマーのシアル酸ポリマーであるPSA の1変形である、ビオチン化K1ポリシアル酸は、R. Waibek 博士により提供された。PSA のK1変形をE.コリのK1株から精製した。E.コリ K1 は、長い直鎖状PSA (K1)鎖の合成を触媒する膜性CMP-NeuAc ;ポリ−α−2−8−シアロシル シアリルトランスフェラーゼ複合体を有する。
過剰の遊離形 PSA K1 および遊離形 PSA CA (約1μM)を100μlのscFvモノマー調製物(約100 μg/ml)と共に予備インキュベートし、次いでscFvを使って実施例1d(ii)に記載したようなELISAにより生来のCEA を検出した。CAは、一鎖あたり平均約16個のシアル酸残基を有するシアル酸のポリマーである。CEA1, CEA2, CEA3,CEA4およびCEA5の場合、K1とCAの両方について様々な程度に生来のCEA に対するシグナルが阻害された。生来のCEA へのCEA6の結合は、K1またはCA PSAの存在により阻害されなかった(図14)。K1およびCAによるCEA へのscFv結合の阻害の程度は表5に要約される。CEAへのCEA1, CEA2, CEA3, CEA4および低レベルでのCEA5の結合が遊離形PSA 分子によって阻害されたということは、それらのscFvによるCEA の認識の更なる証拠として、CEA に対するそれらの認識の際のシアル酸結合特異性という一要素を提供する。
クローンCEA1〜CEA6の精製モノマー調製物を使って、種々の組織源からのパラフィン包埋ホルマリン固定試験片(BioMedix)において発現されるCEA を検出した。試験片をHistoclear中で脱蝋し、次いで100 %エタノール中で2回、70%エタノール中で1回洗浄し、蒸留水中で再水和し(全て各回5分ずつ)、そしてPBST中ですすいだ。次いで20%酢酸中で15分間インキュベーションし、PBSTですすぎ、PBS 中1%BSA (PBSB)中で1時間ブロックすることにより、内因性アルカリホスファターゼ活性をブロックした。すすぎの後、PBSB中に希釈したモノマーscFv画分を添加し、湿潤雰囲気下で4℃にて一晩インキュベートした。試験片をPBSTで3回(各回2分ずつ)洗浄した後、PBSB中に1:100 希釈された9E10と共に室温で1時間インキュベートした。上記と同様にすすいだ後、アルカリホスファターゼ接合ヤギ抗マウス抗IgG(PBS /10%ウシ胎児血清中に1:100希釈したもの)を加え、1時間インキュベーションを続けた。結合した抗体を、Fast Red (Sigma)基質を使って検出し、更にヘマトキシリンを使って試験片を対比染色し、封入した。
実施例6は、CEA を発現するヒト結腸腺癌を異種移植したヌードマウスにおける腫瘍へのテクネチウム99m 標識CEA6 scFv の限局化のデータを説明している。同じ動物モデルにおいてTO6D11 scFv と一緒にI125標識CEA6 scFv を使って、その実験を繰り返した。
精製したscFvのI125による標識は、FrakerおよびSpeck (1978)Biochem. Biophysc. Res. Commun. 80, 849-857 により最初に記載された「ヨードゲン法」を使って行った。この方法では、CEA6とTO6D11の両方のVH CDR3 中に4個ある、タンパク質中のチロシン残基にヨウ素を優先的に取り付ける。CDR のヨウ素化は理論上抗原結合特異性を傷つけ得るけれども、それらを放射性標識後にCEA アフィニティーカラム(Dr. David Read, Department of Clinical Oncology, Royal Free Hospital, London から借用したカラム)に通すことにより、CEA6とTO6D11の両方を免疫反応性について調べた。これは、標識したタンパク質の7-90%がカラムに結合できることを示し、125I標識がscFvの生体内適用のための実行可能な標識アプローチであることを証明する。
ヒト結腸腺癌細胞系LS174Tからの皮下継代により、ヌードマウスにおいてヒトLS174T異種移植片を確立した。4匹のマウスから成るグループを各時点に採用した。マウスの尾静脈に1 mCi/mgの比活性で10μg のI125標識scFvを含む溶液100 μlを注射した。注射後3, 24または48時間目にマウスを犠牲にし、該抗体の組織:血液比をガンマカウンティングにより測定した。
a 大型ファージ表示ライブラリーからの特定ペプチドの選択
CEA6により特異的に認識されるCEA 分子上の配列を詳細に分析するために、ファージ上に表示された非常に大型の(>1011クローン)組合せペプチドレパートリーの選択に、抗原として精製モノマーCEA6 scFv を使った。使用したペプチドライブラリーはFisch 他,1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 7761-7766 により記載された通りに作製した。簡単に言えば、pUC 系プラスミド上にコードされる10のランダムアミノ酸を、受容体ファージによりコードされ且つ5アミノ酸スペーサーにより分離された10アミノ酸と生体内で組み換えた。組換え配列(25アミノ酸をコードする)のレパートリーを繊維状ファージのgIII タンパク質と融合せしめ、それを表示に利用できるようにした。12.5μg/ml テトラサイクリンを含む2YT 培地中で30℃で一晩増殖させた培養物からファージを精製した。典型的なファージ収率は1〜5×1011 t.u. /mlのオーダーであった。
CEA6陽性ファージの塩基配列決定は、下記のオリゴヌクレオチドプライマーを使った2つのエクソンの別々のPCRにより行った。
エクソン1 オリゴ 4445 5'-ACTTGGTTAGGTCCATGTCCGTCAGC-3'
fdPCRBACK 5'-GCGATGGTTGTTGTCATTGTCGGC-3'
エクソン2 オリゴ 3358 5'-GAAGTGATGCAACACTGGAGC-3'
fdPCRFOR 5'-TAGCCCCCTTATTAGCGTTTGCCA-3'
CEA6に対するファージP3G12 およびP3C8の特異性を更に調べるために、上記aに記載したような96ウエルプレート上へのコーティングに下記の精製scFvを採用した:
(i) scFv P2-2E10 :ウシヒストンH1に特異的であり、CEA6と同じ生殖細胞系列VH(DP10)およびVL(L12a)を有するが、両鎖のCDR 中の配列が異なる;
(ii) scFv P2-1D2:ウシ全ヒストンに特異的であり、異なるVH(DP75, VH1 から)を有するがVLは同じである;
(iii)scFv VoDox-1 :化合物ドキソルビシンに特異的であり、異なるVH(DP47, VH3 から)を有するがVLは同じである。
CEA へのCEA6 scFv の結合の阻害を、選ばれたペプチドファージ、生来のCEA (陽性対照)または無関連ペプチドファージ(陰性対照)のいずれかを使ったELISA により測定した。CEA を0.5 μg/mlの濃度でウエルあたり50μlにおいて96ウエルプレートに37℃で一晩コーティングした。プレートを3%MPBSでブロックし、その間に1μg/mlのCEA6 scFv を、クローンP3G12, P3C8 もしくはP4A2からのファージの10倍希釈系列(3%MPBS中)と共に、またはCEA の希釈系列(55 nM から始まる)と共に室温で90分間予備インキュベートした。次いで、予備インキュベートした試料を、ブロック済のプレートに室温で1時間移した。9E10 (1μg/ml)に続いて抗マウスIgG−アルカリホスファターゼ接合体(1/2500)とpNPP基質(Sigma)を使った標準検出法により、結合したCEA6を検出した。
実施例10は、異種移植されたヒト結腸癌への125I標識CEA 特異的scFv CEA6 およびTO6D11の効率的限局化を説明する。別の実験において、CEA6の親和力成熟から誘導されたscFv(HBB11, TO6D10,TO6D4, TO6D12 並びにTO6D11およびCEA6)は全て、注射後24時間目に腫瘍組織に限局化されることが証明された。その実験では、CEA6とTO6D12は24時間目に最高の腫瘍:血液比を示した(11:1)。TO6D4 はそれより低かった(4:1)が、24時間目の腫瘍における注入線量の百分率は最高であった(2%)。TO6D4 は、より遅いクリアランスを示す、より好ましい腫瘍:腎臓比も与えた。記載される更なる実験は、それらの観察結果を確かめるために、および取り込まれた放射能を測定することができる一層多数の時点を組み込んだ、CEA6, TO6D12およびTO6D4 の背合わせの比較を与えるために実施した。
実施例10に参照したヨウ素法により一本鎖Fvを標識した。標識後、125I−CEA6、125I−TO6D12および125I−TO6D4 のそれぞれ90%、85%および62%がCEA −セファロースカラムに結合した。
LS174T異種移植片を有する16匹のマウスのグループに、各々のヨウ素化scFvの静注1回量(1μCi/50μg)を投与した。注射後3,6, 18および24時間後に4匹のマウスのグループを犠牲にし、腫瘍と他の組織をガンマカウンティング用に取り出した。
Claims (17)
- ヒト癌胎児性抗原に対して特異的なヒト抗体抗原結合ドメインを含む抗体であって、ここで前記結合ドメインはヒト癌胎児性抗原に対して1.0 ×10-8M以下の解離定数を有し、ヒト肝細胞と結合もしくは交差反応しないかまたは有意に結合もしくは交差反応せず、及び/又はヒト癌胎児性抗原のA3−B3細胞外ドメインに結合し、
そして該結合ドメインは、可溶性ヒト癌胎児性抗原よりも細胞性ヒト癌胎児性抗原に優先的に結合し、
ここで、前記ヒト抗体抗原結合ドメインがVHドメインとVLドメインからなり、前記VHドメインとVLドメインが下記のペア:
(i) 配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するCEA6のVHドメインと、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有するTO6D4および配列番号5に示されるアミノ酸配列を有するTO6D12から選ばれたVLドメイン;
(ii) TO6D11のもの、即ち配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するTO6D10のVHドメインと、配列番号5に示されるアミノ酸配列を有するTO6D12のVLドメイン;
(iii) 配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するCEA6のVLドメインと、配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するTO6D10のVHドメイン;
(iv) 配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するCEA6のVHドメインと、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するCEA6のVLドメイン;並びに
(v) 配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するCEA6のVLドメインと、配列番号8に示されるアミノ酸配列を有するHBB11のVHドメイン
から選ばれる、前記抗体。 - 前記結合ドメインがヒト癌胎児性抗原に対して5.0 ×10-9M未満の解離定数を有する、請求項1に記載の抗体。
- 前記ヒト抗体抗原結合ドメインが、次の生殖細胞系列:DP71生殖細胞系列;DP47生殖細胞系列;DP67生殖細胞系列;DP32生殖細胞系列;およびDP10生殖細胞系列のうちの1つのVH1、VH3もしくはVH4遺伝子配列、またはそれらの再配列された形を含む、請求項1に記載の抗体。
- 前記ヒト抗体抗原結合ドメインが、次の生殖細胞系列:生殖細胞系列DPL5;生殖細胞系列DPL2;生殖細胞系列DPL16 ;および生殖細胞系列L12aのうちの1つのVλ1、Vλ3 もしくはVκ1 遺伝子配列、またはそれらの再配列された形を含む、請求項1に記載の抗体。
- 一本鎖Fv(scFv)分子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗体。
- 前記ヒト抗体抗原結合ドメインを構成するアミノ酸に加えて1または複数のアミノ酸を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の抗体。
- 標識またはレポーター分子を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の抗体。
- 前記標識が放射性ヨウ素である、請求項7に記載の抗体。
- ヒト癌胎児性抗原を発現している細胞の存在を決定する方法であって、試験管内で細胞を請求項1に記載の抗体と接触させ、そして前記細胞への前記抗体の結合を測定することを含む、前記方法。
- ヒト癌胎児性抗原への請求項1〜8のいずれか一項に記載の抗体の試験管内での結合を引き起こすかまたは許容することを含む方法。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の抗体をコードする核酸。
- ベクターの一部分である、請求項11に記載の核酸。
- 請求項11または請求項12に記載の核酸を含有する細胞。
- 請求項11または請求項12に記載の核酸からの発現を含む、抗体の製造方法。
- 請求項13に記載の細胞を培養することを含む、請求項14に記載の方法。
- 発現後に前記抗体を単離しそして/または精製する、請求項14または請求項15に記載の方法。
- 前記抗体を組成物の処方において使用する、請求項16に記載の方法。
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