JP4773423B2 - 動物精子細胞中におけるdna断片化決定方法 - Google Patents

動物精子細胞中におけるdna断片化決定方法 Download PDF

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Description

本発明は、主に生物繁殖に関連する保健部門において適用分野を有し、特に、それは、動物における精液の品質(quality)の決定のための操作類と方法類に関する。
西欧諸国における受精年齢の男性の6%が、現在、正常な生殖を妨げるなんらかの疾病を有している。世界保健機構(WHO)は、この影響に対して、国際的環境において精液の品質分析を標準化する一連の実験操作をひとつのプロトコールにまとめている。これらの研究では、ある機能試験の評価や精液の生化学的および酵素的パラメータの決定により補足しながら精子の濃度、形態および運動性を決定することを中心としている(WHO,1999)。この試験群では、その総量と1ミリリットル当たりの精子の濃度を推定でき、男性の不妊が、不在(無精子症)または明らかな低下(精子減少)によるかどうかを射精精液中における精子の品質により診断できる。また、それにより、これらの細胞が子宮腔を横断してファローピウス管の外部サード(third)にうまく到達できなくする運動性問題(精子無力症)の存在可能性が決定される。また、それは、それらの成分類(頭部、頸部、尾部)に重篤な運動性問題(奇形精子症)があるかどうかを、女性卵の効率的受精のためのその能力にこれらの変化が影響を有していることを考慮し、分析する。さらに、同様に、それは、前立腺および精嚢のような腺類の関与(感染、無発育)を探索する。最後に、HOS試験(細胞膜のイオン透過性)またはインビトロ(in vitro)における精子の進行能力のような機能的試験により、それらは、精液の受精能力についての認識を示してくれる。最後に、これらの実験研究は、ホルモン像、精巣生検および/または核型(各人の男性または女性の遺伝的状態を決定するクロマチン試験)の決定および/または分子遺伝試験により補足しなければならないことも時にはある。
臨床的および実験研究にもかかわらず、不妊の原因が、不妊男性の約30〜50%で決定できず、それは、特発性不妊と称されている。最近、精子DNAの傷害によりこれらの症例のかなりの割合を説明できることがわかってきており(エベンソン(Evenson)ら,1999、ラーソン(Larson)ら,2000)、精子のDNA断片化の研究は、活発な研究主題となっており、専門雑誌で途切れることなく刊行物がある(エベンソン(Evenson)ら,2002)。クロマチン異常または精子の核DNAの傷害ですらも起こりえ、さらに、精子産生時に起こるDNAパッケージングにおける異常の結果でさえもありうる(セイラー(Sailer)ら,1995)。また、それらは、酸化的ストレスをもたらすフリーラジカルによってもたらされた傷害の結果であることもあり(エイトケン(Aitken)ら,1998)、それは、起こりうるアポトーシスプロセスの結果である(ゴルチカ(Gorczyca)ら,1993)。
ヒト精子のクロマチン/DNAの完全性を評価するための異なる方法がある。それらの中でも、末端トランスフェラーゼ(TUNEL)またはDNAポリメラーゼ(インサイチュ(in situ) ニックトランスレーションISNT)のような酵素を用いてそれらに標識ヌクレオチド類を導入することによるインサイチュにおけるDNAの断裂に注目が集まっている(ゴルチカ(Gorczyca)ら,1993)。これらの方法類は、スライドに固定した精子上で酵素類を使用することに基づいている。その理由のため、それらの効率は余り高くなく、前記酵素に標識断裂のみがアクセスでき、それにより結果の再現性が実質的に低くなる。また、前記試薬類は高価で、それゆえに、この技術は研究でのみ使用され、精液の臨床的評価にそれらを使用できない。別の技術はコメットアッセイ(ヒューズ(Hughes)ら,1996)である。精子を、スライド上のアガロースミクロゲル中に含め、溶解液に供し、膜とたんぱく質を抽出する。したがって、ヌクレオイド類すなわち脱たんぱく質核が得られ、その中では、DNAループが伸長により巻き戻されている。緩衝液を満たしたタンク中で前記ヌクレオイド類を電気泳動に供し、DNA鎖がアノードに移動し、コメット像を作成し、頭部と尾部が電気泳動移動の方向にある。これらのコメットは、蛍光色素により染色し、蛍光顕微鏡下で観察する。それはかなり感度のよい試験であるが、また、実質的に高価で従来の臨床実験室で行うには複雑である。実際、それは、特に一般的でない装置、電気泳動電源およびタンク、蛍光顕微鏡、およびイメージ捕捉システムを必要としかつその分析を必要とする。これら全ての理由のため、精液の臨床研究にも適用できず、研究目的のためのみ使用される。
精子のDNA断片化研究のための現在の標準的技術は、エベンソン(Evenson)(SCSA:精子クロマチン構造アッセイ(Sperm Chromatin Structure Assay)、エベンソン(Evenson)ら,1980、2000、エベンソン(Evenson)およびヨースト(Jost),1994)によるクロマチン構造アッセイである。この技術において、懸濁液中の精子を酸変性溶液に添加する。そのDNAに断裂のない精子はこの酸変性に対して耐性であり、二重鎖DNAのままである。しかし、断片化DNAを有する精子は、それ自身がDNAを変性させ、一重鎖DNAに変換される。次にそれらをアクリジンオレンジで染色する。この染色物質は、二重鎖DNAに結合すると緑色の蛍光を発する。しかし一重鎖の変性DNAを有する精子中において、この蛍光色素は、赤色蛍光を発する。変性DNAを有する精子を、フローサイトメトリを用いて定量し、両タイプの蛍光を識別する。SCSAは広い臨床範囲を有する技術であり、多数の患者で評価されている。このシステムを用いて、断片化DNAを有する精子を30%以上個人が有すると、臨月にいたる妊娠確率は、1%未満であり、これは、自然の受精ならびに補助生殖にも適用される(エベンソン(Evenson)ら,1999、ラーソン(Larson)ら,2000)。
断片化DNAを有する精子の百分率は、個人の異なる精子産生サイクルにおいてほぼ一定であるが、外来性の因子により、または例えばインフルエンザのような高い発熱性エピソード後に変動することもある(エベンソン(Evenson)ら,2000)。このように、連続的研究を行い、低レベルの断片化しか有していないサンプルを選択し、その後、補助生殖技術において使用する。液体窒素中で精液サンプルを凍結させてもDNA断片化のレベルが変化しないので、この試験を凍結サンプルで行うこともでき、後日、授精、IVF(インビトロ受精)またはICSI(細胞質間精子注入)に使用できる。これは、患者および研究室にとって非常に操作上有効である。
SCSA技術はすばらしく、再現性も高いが、高価なシステムであり、実施が難しく、日常的ラボラトリにとって非常にアクセスしやすいということはない(デ・ヨンゲ(De Jonge),2002)。この理由のため、精子DNAの品質は、不妊研究で臨床的価値が確認されているにもかかわらずまだ日常的に評価されていない。
最近、我々の研究グループは、ヒト精子のクロマチンをインサイチュで分散させることができる技術を予備的に記載し、クロマチンを分散できない精子が断片化DNAを含んでいることを明らかにした(フェルナンデス,J.L.(Fernandez,J.L.)ら,ジャーナル・オブ・アンドロロジィ(Journal of Andrology),2003年、24巻、第1号,pp.59−66、「精子DNA断片化決定のための簡易方法(The Sperm Chromatin Dispersion Test:a simple method for the determination of sperm DNA fragmentation)」)。この方法を用いて、精液サンプルをアガロースミクロゲル中で順次、酸変性溶液、2種の溶解溶液類および洗浄液で処理し、それらを乾燥させ、その後染色できるようにする。この技術は精子クロマチン分散(SCD)試験と称され、極めて強い試薬類と条件を用いる。上述の方法は、一定の結果を生じず、繰り返し評価が困難となる。一方、得られたイメージの品質およびコントラストならびに結果の再現性は、商業的に適用できるほど十分に良好ではない。また、精子構造が影響を受け、かつ、尾部はサンプル中で可視できない。精子はサンプル中の他の細胞とは簡単には識別できないので、この問題は重大であり、傷害クロマチン/DNAを有する精子の数を数える際それに伴ってエラーが生じる。
したがって、動物における精液の品質研究に日常的にしかも簡単に使用でき、かつ特にクロマチン/DNAの完全性評価に使用できる信頼性あるプロセスが今もって必要とされている。このプロセスはすばらしく、実施が容易で、安価でしかも基本的研究室でアクセス可能でなければならない。それは、これまでにいわれてきた問題を解決しなければならない。それはまた、実験室間で一定の結果をもたらし、しかも、自動化に適していなければならない。
世界保健機構(World Health Organization),「WHO laboratory manual for the examination of the human semen and semen−cervical mucus interaction」,第4版,ケンブリッジ・ユニバーシティ・プレス(Cambridge University Press),ケンブリッジ(Cambridge),英国(UK),1999年 エベンソン(Evenson) DP,ヨースト(Jost) LK,マーシャル(Marshall) D,ジナマン(Zinaman) MJ,クレッグ(Clegg) E,パービス(Purvis) K,デ・アンゲリス(de Angelis) P,クラウセン(Claussen) OP,「Utility of the sperm chromatin structure assay as a diagnostic and prognostic tool in the human fertility clinic」,ヒューマン・リプロダクション(Hum.Reprod.),1999年,14巻,pp.1039−1049 ラーソン(Larson) KL,デヨング(DeJonge) C,バルネス(Barnes) A,ヨースト(Jost) L,およびエベンソン(Evenson) DP,「Relationship between assisted reproductive techniques(ART) outcome and status of chromatin integrity as measured by the Sperm Chromatin Structure Assay(SCSA)」,ヒューマン・リプロダクション(Hum.Reprod.),2000年,15巻,pp.1717−1722 エベンソン(Evenson) DP,ラーソン(Larson) NJ,ヨースト(Jost) LK,「Sperm Chromatin Structure Assay:its clinical use for detecting sperm DNA fragmentation in male infertility and comparisons with other techniques」,ジャーナル・オブ・アンドロロジィ(J.Androl),2002年,23巻,pp.25−43 セイラー(Sailer) BL,ヨースト(Jost) LK,エベンソン(Evenson) DP,「Mammalian sperm DNA susceptibility to in situ denaturation associated with the presence of DNA strand breaks as measured by the deoxynucleotidyl transferase assay」,ジャーナル・オブ・アンドロロジィ(J Androl.),1995年,16巻,pp.80−87 エイトケン(Aitken) RJ,ゴードン(Gordon) E,ハーキス(Harkiss) D,「Relative impact of oxidative stress on the 15 functional competence and genomic integrity of human spermatozoa」,バイオロジ・オブ・リプロダクション(Biol.Reprod.),1998年,59巻,pp.1037−1046 ゴルチカ(Gorczyca) W,ゴング(Gong) J,ダージンキービックス(Darzynkiewicz) Z,「Detection of DNA strand breaks in individual apoptotic cells by the in situ terminal deoxynucleotidyl transferase and nick translation assays」,キャンサー・リサーチ(Cancer Res.),1993年,53巻,pp.945−951 ヒューズ(Hughes) CM,ルイス(Lewis) SE,マクケルビー−マーチン(McKelvey−Martin) VJ,トンプソン(Thompson) W,「A comparison of baseline and induced DNA damage in human spermatozoa from fertile and infertile men using a modified comet assay」,モレキュラ・ヒューマン・リプロダクション(Mol Hum Reprod.),1996年,2巻,pp.613−619 エベンソン(Evenson) DP,ダージンキービックス(Darzynkiewicz) Z,およびメラメド(Melamed),MR,「Relation of mammalian sperm heterogeneity to fertility」,サイエンス(Science),1980年,210巻,pp.1131−1133 エベンソン(Evenson) DP,ヨースト(Jost) LK,コルゼット(Corzett) M,バルホーン(Balhorn) R,「Characteristics of human sperm chromatin structure following an episode of influenza and high fever:a case study」,ジャーナル・オブ・アンドロロジィ(J.Androl.),2000年,21巻,pp.739−746 エベンソン(Evenson) DPおよびヨースト(Jost) LK,「Sperm chromatin structure assay:DNA denaturability」,In:ダージンキービックス(Darzynkiewicz) Z,ロビンソン(Robinson) JP,クリスマン(Crissman) HA.著,「Methods in Cell Biology,42巻,フロウ サイトメトリィ(Flow Cytometry)」,第2版,オーランド(Orlando),フロリダ(Fla),アカデミック・プレス(Academic Press),1994年,42巻,pp.159−176 デ・ヨンゲ(De Jonge) C,「The clinical value of sperm nuclear DNA assessment」,ヒューマン・ファーティリティ(Hum.Fertil.),2002年,5巻,pp.51−53 フェルナンデス(Fernandez) JL,ムリエル(Muriel) L,リベロ(Rivero) MT,ゴヤネス(Goyanes) Y,バスケス(Vazquez) R,アルバレス(Alvarez) JG,「The sperm chromatin dispersion test:a simple method for the determination of sperm DNA fragmentation」,ジャーナル・オブ・アンドロロジィ(J.Androl),2003年,24巻,pp.59−66
本発明の目的は、動物における精子細胞のクロマチン/DNAの完全性(integrity)を評価するための迅速かつ精密な方法で、それは、いかなる分析的、獣医学的またはヒト受精に特化した研究室の日常的活動にも取り入れることができる。
したがって、本発明の目的は、動物の精子のクロマチン/DNAの完全性を評価する方法であって、
a)精子を含むサンプルをDNA変性溶液で処理する段階と、
b)核たんぱく質類を抽出するための溶解溶液(a lysis solution)により一回処理する段階(a single treatment step)と、
c)精子のクロマチン/DNAの完全性を評価する段階と、
を含み、前記溶解溶液は、たんぱく質変性界面活性剤を含まず、必然的に精子の尾部を破壊しないことを特徴とする。
一般的に、段階a)がb)より前であることが好ましい。
記載されているように、溶解溶液の選択が、本発明の目的を達成するために重要である。使用してはいけないたんぱく質変性界面活性剤には、陰イオン性および陽イオン性界面活性剤類があり、例えば、SDS、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホネート、グリコール酸脱水塩等がある。それらは、膜類を強く破壊する界面活性剤類であり、溶解効果を有しており、同時に、たんぱく質類の変性において活性である。それらは、たんぱく質類を移動させる変性電気泳動で使用され、完全変性を確保する(3次元構造の喪失)。それらは、好適にはグラム陽性細菌類で、酸pHで特に活性である。界面活性剤内部におけるそれらの活性は、高い。
本発明の方法において、好適には、非イオン性非たんぱく質変性界面活性剤が使用され、すなわち、たんぱく質類を可溶化させるが変性はさせない界面活性剤である。それらの中でも、トクチルフェノキシポリエトキシエタノール(トリトン(Triton)X−100)、N,N−ビス(3−D−グルコンアミドプロピル)コラミド(bigCHAP)、Brij(r)35P、N−デカノイル−N−メチルグルカミン、ジギトニン、ドデカノイル−N−メチルグルカミド、ヘプタノイル−N−メチルグルカミド、分枝オクチルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール(イゲパル(Igepal)CA−630)、N−ノナノイル−N−メチルグルカミン、ノニデット(Nonidet)P40,N−オクタノイル−N−メチルグルカミン、スパン(Span)20溶液、ポリソルベート(Polysorbate)20(トゥイーン(Tween)20)が好適である。トリトンX−100は、それがもたらす優れた結果と簡単に入手可能であることから、特に優れている。
前記溶解溶液は変性させずに溶解プロセスを促進するための十分なイオン強度を有しているのが、好適である。我々は、有効な溶液は、1M〜3Mの塩化ナトリウム、0.001M〜2Mのジチオスレイトール(DTT)、0.001M〜2Mの2−アミノ−2(ハイドロキシメチル)−1,3プロパンジオール(Tris)および0.1%〜3%のトリトンX−100を含むものであることを確認した。特に適しているのは、約2.5MのNaCl、約0.2MのDTT、約0.2MのTris、約1%トリトンX−100を含みかつ約7.5のpHを有する溶液である。
DNAの変性溶液は、好適には酸であり、例えば、塩酸、酢酸、硝酸群またはこれらの混合物類から選択した酸である。好適には、それは、塩酸溶液である。
本発明の方法は、段階a)およびb)の後に精子のクロマチン/DNAの完全性評価段階を有する。この評価にはいくつか別法があるが、目で見えることが望ましい。この目的のため、前記操作は、好適には、段階a)およびb)の後にサンプル染色段階を含む。良好な結果をもたらし、精子の尾部を見えるようにし、かつ特徴的なハロ(halo)が形成されるようにする染色は、ライト(Wright)のそれに類似の溶液である。
好適なバリエーションにおいて、前記精子は、好適にはミクロゲル状であり特にアガロースミクロゲル状である懸濁液に類似の媒体に含ませる。
本発明はまた、動物精子の品質を評価するためのキットに関し、それは、
a)DNA変性溶液と、
b)核たんぱく質類抽出のための溶解溶液と、
を含み、前記溶解溶液は、たんぱく質変性界面活性剤を含まず、必然的に精子の尾部を破壊しないことを特徴とする。前記キットは、述べたばかりの本発明による操作の実行を可能とする。
本発明の操作およびキットは、詳細に説明するであろうが、断片化DNAを有する精子の頻度決定のための簡易でかつ信頼できるシステムである。本方法論は、男性学研究室や補助生殖クリニックおよび動物繁殖研究室において適用できる。また、分析結果に変化をもたらすことなく、サンプルを凍結してそれらを必要に応じて分析できるので、それは、非常に有用なシステムである。
動物由来のクロマチン/DNAおよび精子の完全性を評価できる本発明の操作は、
a)DNA変性溶液による精子含有サンプルの処理段階と、
b)核たんぱく質類を抽出するための溶解溶液による1回処理段階であって、前記溶解溶液はたんぱく質変性界面活性剤を含まず必然的に精子の尾部を破壊しない段階と、
c)精子のクロマチン/DNAの完全性の評価段階と、
を含む。
従来技術の状態に関して、および具体的にはフェルナンデス,J.L.(Fernandez,J.L.)ら、ジャーナル・オブ・アンドロロジィ(Journal of Andrology)、2003年、24巻、第1号、pp.59−66に関して、本発明の操作の主な違いは、基本的に溶解および染色の分野にある。したがって、2つの連続的ものの代わりに1つの溶解溶液を使用する。前記組成は、SDS(陰イオン性たんぱく質変性界面活性剤)またはEDTA(キレート剤)を含まないので、異なる。それはまた、トリトンX−100のような実質的に穏やかで、中性で非変性界面活性剤を取り込むことができる。
技術的には、これらの差異は、精子の尾部を保存することにつながる。それらの検出は、ヌクレオイド類のイメージが現実的に精子から由来しているか、または例えば尿生殖器由来の脱扁平細胞、炎症性細胞、血液等のような存在しうる他の細胞タイプに対応しているかを識別できる欠くべからざるデータ片であるので、重要な改善点である。はるかに強度の劣る溶解を用いて、ならびにSDS使用を排除して、この持続性が達成される。
また、より温和な溶解は、クロマチンストランドの折りたたみ解除を成し遂げ、頭部またはコアの形態をよりよく保存し、さらに、高密度のクロマチン物質を有する分散ハロを得て、その結果、より染色が強度になる。結果として、異なる大きさのハロのコントラストおよび視覚化がはるかによく改善され、特にライト溶液を使用するとそのようになる。
別の重要な利点としては、SDSのようなたんぱく質変性界面活性剤がないことで、本文に記載の技術を他の細胞性成分類を視覚化させることができる他の物と順次に使用できるようになることである。したがって、記載の方法論により、得られたヌクレオイド類について、たんぱく質類、ラミニンたんぱく質タイプ類および他の核たんぱく質類の免疫検出方法類、DNA伸張に伴う核マトリックス会合RNAの検出が適用でき、核構造の品質が可能な限り最大限維持される。これは、精子の核構造についてのある研究課題において重要である。
別の付加的利点とは、少量の試薬類しか使用しないことであり、その結果、経済的コストも少なくなる。例えば、DTTは特に高価であり、実施例における濃度の低下(論文に記載のそれの4分の1)は、コストにとって重要である。
これまで述べた全てについて述べられることは、特許操作が、従来技術状態に関して、精子のヌクレオイド類についてはるかに改善されかつ再現性のすぐれた結果が得られることである。前記ヌクレオイド類が成熟精子から由来するかまたは他の細胞タイプから由来するか識別でき、ハロの大きさの分類がはるかに精密でかつ信頼できる。結果として、特許操作により、サンプルのDNA断片化レベルの決定がはるかに信頼できるようになり、そのことは、それが低コストで日常的にしかも簡便に使用できることを意味している。その適用は、異なる実験室、臨床状況およびヒトサンプルについてならびに動物サンプルの研究のための獣医学実験室に関連している。このことは、それが患者に対する可能な臨床適用を有するテストであるので、非常に重要である。
サンプル処理の段階の順序はいかなる順番でもよく、最初にDNA変性溶液により、次に溶解溶液などによる処理段階が続くが、その逆でも良い。しかし、先にサンプルをDNA変性溶液で処理し、その後溶解溶液で処理するのが望ましく、そのほうがよい結果が得られるからである。別のバリエーション(溶解の後にDNA変性が続く)では、断片化DNAを有する精子が異なるように挙動する。この場合、それらは、クロマチン/DNAの断片を分散させ、大きいサイズのハロ類を生じる。ハロの大きさの識別はあまり精密ではないものの、溶解溶液による1回処理だけでこの挙動を観察するには十分である。
本発明の操作を、いくつかのバリエーションならびに任意の段階とともに下記で詳細に記載する。当該技術の専門家は、記載の基本的側面が維持されれば現実化にはいくつか方法があり他の可能性もあることを理解するであろう。
第1段階は、サンプル調製である。それは、この分野に一般的な操作を用いて得られ、サンプル中の精子の濃度を決定する。この分析に適した濃度は、1ミリリットル当たり0.1〜2000万細胞の間で変動する。もしサンプルが極めて濃縮されているならば、それを培養培地で希釈するかまたはリン酸緩衝液/生理食塩水(PBS)等の溶液で希釈することによって、適当な濃度に調整する。
精液サンプルを、本発明の操作に従い、その処理のために支持体上に置き、その評価を容易にせねばならない。これは、好適には、標準的なアガロースのフィルムでカバーできるガラススライドである。このため、0.2%〜1%の間の標準的アガロース溶液を、コプリン瓶等の中の精製水で調製する。それにプラスチック製のカバーをして、マイクロウェーブオーブンに入れる。このマイクロウェーブオーブンを300W〜1000W、例えば500Wの電源にセットし、容器を撹拌して、アガロースの溶解を向上させ、それが沸騰するまでそのままにしておく。この操作は、恒温浴を用いて行うことができる。アガロース溶液が完全に透明になったら、次に、それを10mlと250mlの間の垂直容器に入れて調製するであろう。これらの受け皿は、浴中であらかじめ、60℃〜100℃、例えば70℃に加熱して、アガロース溶液を液体状態に保持する。
アガロース溶液にスライドを導入する前に、これらを布でこすり、あるかもしれない不純物を取り除き、清浄にする。スライドを垂直に沈め(submerge)、それらをピンセットで氷結領域に、例えば1〜60秒間保持して回収し、それらを戻してスライド上に均質フィルムを形成させるまで1〜10回さらに沈める。これらを、例えばガラスまたは金属のような平滑表面に水平に置き、1℃〜15℃の間まで、好適には4℃に冷却する。スライドを有するこのプレートを、アガロースがスライド表面でゲル化するのを確認されるまで、4℃の冷蔵庫に30分間入れる。トレイを冷蔵庫から取り出し、プレートに接触していたスライド表面を吸い取り紙で清浄にする。次に、アガロースが完全に乾燥しガラスに固着した薄いフィルムが形成されるまで、スライドを水平に温度範囲37℃〜100℃の乾燥チェンバーに入れる。このように処理したスライドをすぐに用いるか、または数ヶ月間、常温(室温)で十分に密封したボックス内部に保存する。
精子を含むサンプルの処理を容易にするため、これを、例えばアガロースミクロゲルのような懸濁液に類似の特徴を有する媒体に入れることもできる。この場合、精製水中0.5%〜2%の濃度で低融点/低ゲル化アガロースの溶液を調製する。この寒天のゲル化は、マイクロウェーブオーブンまたは恒温浴で行われ、次に高温浴または乾燥チェンバー中に入れた試験管中で30℃〜37℃に保持する。精液とアガロール溶液を注意深くエッペンドルフ試験管等で混合し、後者が濃度0.3%〜1%の間にあるようにする。例えば、アガロース溶液70マイクロリットル+サンプル30マイクロリットルである。アガロース溶液は、細胞が破壊されないように37℃を超えないようにすることが重要である。
最終的に、サンプルを支持体上に置き、カバースライドをガラスまたは金属の平滑で冷たい表面上に置き、温度は1℃〜15℃の間で変動させ、気泡が形成されないようにする。マイクロピペットで5〜200マイクロリットルの混合物の液滴を置くのが望ましく、液滴上にカバースリップを置く。念のため、各サンプルを二重に処理するのが望ましく、本法を適用する都度、対照サンプルを使用するのが望ましい。アガロースの適切なゲル化がもたらされるまで、スライド付のプレートを4℃の冷蔵庫に2〜30分間入れる。いったんゲル化が起こると、次にスライドを非常にスムーズにこの冷蔵庫から取り出し、ミクロゲルが破壊されないようにする。
簡便かつ反復取り扱いのため、いったんサンプルを適当に調製すると、それらを次に本発明の操作によりDNA変性溶液による処理段階および核たんぱく質抽出のための溶解段階により、処理する。
好適なバリエーションにおいて、サンプルを有するスライドを、最初に、変性溶液を含む受け皿に水平位置で置く。DNA変性溶液は、低濃度の酢酸、硝酸、硫酸溶液のような酸であるか、または例えば水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化カリウム溶液のようなアルカリであることができる。好適なバリエーションにおいて、塩酸溶液は、0.01N〜0.5N、好適には0.1N〜0.3Nの間の濃度で使用でき、特に、濃度約0.2Nが好適である。この溶液を試験実施と同一日に調製するのが望ましく、前記スライドを1℃〜37℃、好適には18℃〜25℃、好適には20〜22℃の温度で1〜15分間、DNA変性溶液中でインキュベーションし続ける。
いったんこのプロセス部分が完了すれば、次にサンプルの溶解を、十分に緩和で精子の尾部を破壊しない単一の(single)溶解溶液で行う。このため、それを含む別の容器中に各スライドを水平方向に沈める。
先にも述べたように、前記溶解溶液を、それが、クロマチンストランドの折りたたみ構造解除を達成し、頭部の形態をよりよく保存し、それによりクロマチン物質が高密度の特徴的ハロ形成を保存するように、選択する。また、それは、精子の尾部の保存のために十分に緩和でなければならない。これは、強い界面活性剤類を確保することによって達成され、たんぱく質変性剤類を避ける。さらに、イオン濃度の制御は、また、この効果が調節されるようにできる。
好適なバリエーションにおいて、この溶液は、1M〜3Mの、好適には2M〜3Mの間の塩化ナトリウム、0.001M〜2Mの、好適には0.01M〜0.8Mのジチオスレイトール(DTT)、0.001M〜2Mの、好適には0.01M〜0.4Mの2−アミノ−2−(ハイドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(Tris)、および0.1%〜3%の、好適には0.5%〜1.5%のトリトンX−100から構成されている。この溶液は、6.5〜8.5の、好適には7〜7.5のpHに調整される。
他の別の溶解溶液類もあり、または、前記溶液の濃度および時間およびインキュベーション温度は、その機能的特徴が維持される限りにおいて変化させることができる。また、DTTに対する別法として、ベータ−メルカプトエタノールのような化合物類および他の還元剤類がある。Trisに対する代替品として、Hepes,Mops、およびPipesのような他の緩衝溶液類も使用できる。トリトンX−100に対する代替として、他の中性界面活性剤類も上記に述べたように使用できる。
使用した溶液とサンプルタイプに応じて、前記調製物を、溶解溶液中で1〜60分間、好適には15〜35分間インキュベーションするが、約25分の時間が特に好適であり、1℃〜37℃の温度、好適には18℃〜25℃、20℃〜22℃の温度は特に好適である。
先に述べたプロセス類に対する全くの別物として、変性溶液および溶解溶液中におけるインキュベーション順序を逆にすることもできる。精子のクロマチンに及ぼす効果により、傷害クロマチン/DNAを有する精子を残りの精子から識別できるようになる。得られた差の詳細は、実施例6に述べるであろう。
DNA変性溶液によりおよび溶解溶液により処理した後、前記調製物を洗浄し、これらの溶液類の残りを除去する。このため、可能な限り温和な洗浄溶液を用い、キレート剤類または界面活性剤類を避ける。例えば、それらは、精製水を豊富に含むかまたは緩衝液または生理食塩水を含む受け皿中に水平方向に1〜60分間沈めておく。
サンプルを次に脱水する。このため、濃度を増加させたアルコールを使用する。例えば、前記スライドを取り上げ、5%〜100%の間で濃度を増加させた一連のエタノールを有する受け皿中にそれぞれ30秒間〜60分間、水平方向に沈め、前記調製物をその都度空気中で乾燥させておく。一連のエタノールによるインキュベーションの別法として、前記調製物をメタノールのような異なるアルコール中でインキュベーションすることによって脱水でき、または、風乾させるかまたは乾燥チェンバー中で乾燥させる。
いったん乾燥したら、すでに処理した精液サンプルを含むスライドを、常温(室温)で何ヶ月も保存ボックス中で保存できる。これは、本発明による処理プロセスと、精子のクロマチン/DNAの完全性評価の次の段階とを分離するのに役立つ。保存により、同一個人からの数種のサンプルを異なる時間間隔で繰り返し評価できる。
いったんサンプルを本発明により処理した後、それらを評価段階に渡す。先に述べたように精子のクロマチン/DNAの完全性評価には、いくつかの可能なプロセスがある。利点は、本発明により処理したサンプルがはるかに明らかな視覚化ハロを有しており、精子の構造が維持され、特に尾部の完全性が維持され、それらにより他の細胞タイプと明確に識別できるようにしている。
好適なバリエーションにおいて、サンプルに染色を行い、肉眼による評価を容易にする。適切な染色条件を選択することで高品質のイメージを得て、評価結果は非常に一致することになる。従来のクリアフィールド顕微鏡または蛍光顕微鏡を使用するかどうかにより、染色には数種の手段がある。
<クリアフィールド顕微鏡下で観察するための染色>
この場合、使用できる染色には、ライト(Wright)、ギムザ(Giemsa)、オルセイン(Orcein)、シッフ(Schiff)試薬、酢酸カーマイン、チアジンタイプ類およびロマノフスキ(Romanowsky)タイプ類の混合物類または上述の誘導体類がある(AT サムナー(AT Sumner)によるクロモゾームバンディング(Chromosome banding)、pp.90−91を参照)。
ライトのそれのような染色がサンプルのより強い染色および特にハロ類により、好適である。これらの染色により、異なる大きさのハロ類のコントラストおよび視覚的識別が有意に改善される。それらはまた、低コストといかなるタイプの実験室でも容易に入手できるという利点を有している。それらの使用により尾部を視覚化でき、これらは通常、蛍光顕微鏡に使用される蛍光色素によるDNA染色で視覚化できない。この染色が適切な染色レベル達成のために容易に取り扱いできることを強調するのは重要で、この事実は、Diff−Quikまたは類似のものでは可能ではない。
ジャーナル・オブ・アンドロロジィ(Journal of Andrology),2003年、24巻、第1号、pp59−66においてフェルナンデス,J.L.(Fernandez,J.L.)らによって記載されたDiff−Quikのような他の染色はかなり弱く、バックグランドに関してはハロの適切なコントラストを達成しない。その結果、ハロが非常に分散していると、その周辺概略を視覚化するのは通常難しく、時には小さなハロについて間違いが生じ、したがって、未改変DNAを含む精子に対して断片化カテゴリーを振り分けてしまう。すなわち、前記刊行物の操作は、断片化レベルを過剰推定してしまう傾向があり、特にクリアフィールド染色においてその傾向がある。これは、個人に対して適用可能性のある試験については実質的におかしい。したがって、この改良が前記技術の信頼性にすばらしい関連性を有していることは明らかである。
サンプル染色のバリエーションにおいて、ライト溶液(メルク(Merck) 1.01383.0500)は例えば、pH6.88のリン酸緩衝液(メルク(Merck) 1.07924.1000)と1:30〜30:1(v/v)で混合する。染色層を水平に置き、それは、乾燥ミクロゲルをカバーしなければならない。最適コントラスト達成のための染色時間は、30秒から60分の間で変動する。染色層に時々風を吹き付けることを薦める。過剰の染色をデカントし、スライドを水道水で静かに洗浄し風乾する。もし染色が過剰であるならば、同一強度で水中で洗浄する。別の可能性は、エタノール中で脱染色し、乾燥させ、再度染色することである。もし染色が特にクロマチンの分散ハロ領域で弱いならば、再度ライト溶液で直接染色する。
別法として、ヘマカラー2(Hemacolor 2)(メルク(Merck) 1.11956)およびヘマカラー3(メルク(Merck) 1.11957)、ギムザ(Giemsa)、同一族の他の染色溶液のような他の染色を、用いることができる。
<蛍光顕微鏡下観察のための染色>
蛍光フィルター類の入手可能性に応じて、サンプルを抗退色媒体(例えば、ベクター(Vector) H−1000)中でDAPIタイプのDNAに特異的な蛍光色素類、ヘキスト(Hoechst) 33258、エチジウムブロマイド、プロピジウムアイオダイド等で染色できる。
もし永久調製物を望むならば、処理した染色スライド類を装備媒体(mounting media)中に含めることができる(例えば、エンテラン(Entellan),メルク(Merck) 1.07961)。
最後に、精子のクロマチン/DNAの完全性を、細胞タイプの識別に進むことによって評価する。すでに述べたように、本発明の操作は、従来技術状態に関してこの評価をはるかに容易にする。
得られたイメージは、直接視覚分析によるか、または顕微鏡台座に結合させたアナログまたはデジタルカメラ類を用いて得られたデジタル化イメージ分析ソフトウェアを適用することによって、調べることができる。
最初に、サンプル当たり最低でも500個の精子の研究を薦めるが、下記の基本的基準を採用する(図1および図2を参照)。
1.クロマチン分散ハロを有していない精子(図1)。
2.クロマチン分散ハロを有していない精子で分解。ハロを示さないものは、顆粒に断片化した頭部を有するかまたは非常に弱い染色を示す(図1)。
3.小さいサイズの分散ハロを有する精子。ハロの厚みは、コアの小直径の1/3未満かまたはそれに等しい(図1)。
4.中等度の大きさの分散ハロを有する精子。ハロの厚みは、コアの小直径の1/3より大きく、コアの直径未満である(図1)。
5.大きいサイズの分散ハロを有する精子。ハロがコアの小直径より大きいかそれと等しい精子(図1)。
6.その他。精子に属しない細胞核。それらを識別する形態的特徴のひとつは、尾部がないことである。
断片DNAを有する精子は、クロマチン分散ハロ1を有していないもの、クロマチン分散ハロを有していないで分解して存在するもの2、および小さいサイズの分散ハロを有するもの3としてみなすことができる。中位の大きさまたは大きいサイズのクロマチン分散ハロとDNA断片化を有する精子は、DBD−FISH技術(DNA断裂検出−蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(DNA Breakage Detection−Fluorescence In Situ Hybridization)、フェルナンデス(Fernandez)ら,1998、2000、2002、フェルナンデス(Fernandez)およびゴンサルベス(Gonsalvez),2002)を用いて得られた結果に由来する。この操作により、脱たんぱく質化してDNAの制御変性に供したDNA断裂細胞核の検出と定量化ができる。この変性により断裂の末端から一重鎖DNA部分を産生し、それらは、蛍光色素で標識した総ゲノムDNAプローブを用いてインサイチュハイブリダイゼーションにより検出し、蛍光顕微鏡を用いて可視化する。細胞DNA中、断裂レベルが高い時、ハイブリダイズしたプローブの品質が高くなりかつ観察した蛍光が高くなる。本発明に記載の方法により処理したサンプル類は、変性溶液によりDNA中に存在する断裂の起こり得る末端から産生させた一重鎖DNAを含んでいる。したがって、総ゲノムDNAプローブを用いたハイブリダイゼーションの強度は、精子核中に存在する断裂の品質に関連するであろう。このようにして、我々は、ハロを有していないかまたは大きさがはるかに小さくなったハロを有するヌクレオイド類は、DBD−FISHにより強い標識を示し、このことは、そのDNAの強い断片化を明らかにしている(図2)ことを示した。ヌクレオイド類の残りは、このプローブにより極めて低いレベルのマーカーしか示さず、それは、クロマチン処理それ自体によるハイブリダイゼーションの深さに対応している。
本発明はまた、動物精子のクロマチン/DNAの完全性の評価のためのキットに関する。このキットは、DNA変性溶液、核たんぱく質類を抽出するための溶解溶液を含み、それは、前記溶解溶液がたんぱく質変性界面活性剤を含まず、必然的に精子の尾部を破壊しないことを特徴としている。好適なDNA変性溶液類および好適な溶解溶液類は、上記に述べてある。
適宜、前記キットは、また、例えばアガロースによる前処理支持体ならびにサンプルを含むであろう懸濁液に類似の特徴を有する媒体の調製のための溶液を含むことができる。例えば、ミクロゲルを調製することを可能とする低ゲル化点アガロース溶液である。
本発明のバリエーションによるキット使用のための内容物および指示を下記に詳細に示す。
<キットの内容物の説明>
前処理スライド類*
低ゲル化点アガロース試験管(A)を含むエッペンドルフ試験管
37%HClを含む試験管、試験管(B)
溶解液を含む試験管類、試験管C*。組成:2.5M NaCl,0.2M DTT,0.2M Tris,1% トリトンX−100、pH7.5
変性溶液のためおよび溶解溶液のための処理受け皿
ランセット
エッペンドルフ試験管用フロート類
* 本明細書で先に述べた調製物
<必要な材料および装置>
クリアフィールド顕微鏡または蛍光顕微鏡(浸漬対物レンズ推奨)
4℃の冷蔵庫
37℃のインキュベーション浴
プラスチック手袋
ガラスカバースリップ(18×18mm、22×22mmまたは24×60mm)
マイクロピペット類
インキュベーション用の4個の水平容器
精製水
70%、90%、100%エタノール
<使用のための指示>
(スライド用サンプル調製)
1)フラスコCを取り、常温で溶解溶液を入れる(22℃)。
2)精液サンプルを培地またはPBS中で濃度500万〜1000万/ミリリットルに希釈する。新鮮または液体窒素中で直接凍結させたサンプルを使用できる。
<アガロースミクロゲルの調製>
3)低ゲル化点アガロースを含むエッペンドルフ試験管(試験管A)を静かに垂直方向に軽くたたき、試験管の底部にアガロースを沈殿させる。
4)精製水140マイクロリットルを添加し、気泡形成を避け、再度懸濁させる。
5)試験管Aをフロート中に入れ、それを栓のレベルに保ち、水中90〜100℃において5分間浮かせ、アガロースを溶解させる。アガロースの溶融は、これとは別にマイクロウェーブオーブンでも行うことができる。
6)フロートとともに試験管Aを37℃の恒温浴に移し、温度に達するまでそのまま5分間保持する。
7)精液サンプル60マイクロリットルを試験管Aの内容物に添加し、再度懸濁させる。
8)前処理スライドを4℃の冷表面(例えば、金属またはガラス板)に置く。
9)スライドを冷却した後、試験管Aの細胞懸濁液を沈殿させ、ガラスカバースリップをおき、気泡形成を避ける。11、17および50マイクロリットルの液滴をそれぞれ、18×18mm、22×22mmまたは24×60mmのカバースリップに対して置く。
10)冷蔵庫にスライド付き冷シートを置き、サンプルがゲルとなるまで5分間そのままにしておく。
<サンプル処理>
11)変性溶液を調製する。このため、試験管Bの内容物80マイクロリットルを精製水10マイクロリットルに添加し、混合し緑色のボックスに入れる。
12)カバースリップを取り、それらをゆっくりとスライドさせ、すぐにスライドを水平に変性溶液に入れ、常温(22℃)で7分間、インキュベーションさせる。
13)ランセットによりスライドを、手袋を使用して持ち上げる。それらを水平に保持し、溶解液10mlを含む白色受け皿にそれらを水平に入れる(試験管Cを温度にする)。25分間インキュベーションする。
14)スライドを持ち上げ、それらを多量の精製水を含む容器に水平に入れ、溶解溶液を洗浄除去する。5分間そのままにする。
15)70%エタノール(2分間)、次に90%エタノール(2分間)、最後に100%エタノール(2分間)を有する容器に前記スライドを水平に入れる。
16)風乾させる。いったん処理したスライドが乾燥したら、それらを常温(室温)で何ヶ月もファイリングキャビネット中に保存できる。
<サンプルの染色>
(クリアフィールド顕微鏡下での観察のための染色)
ライト溶液とリン酸緩衝液を混合(1:1)し、染色層を水平に置き、それは、乾燥ミクロゲルをカバーするであろう。5〜10分間染色するままにし、時々その上に風を送る。デカントし、水道水で静かに洗浄し、乾燥させる。染色が過剰であるならば、エタノール中で脱色し、乾燥させ再度染色することができる。もし染色が特にハロ内で弱いならば、それを再度、より多くのライト溶液で染色することができる。
別の可能性として、ヘマカラー2溶液(メルク(Merck) 1.11956)を有するコプリンジャー(Coplin jar)中で垂直に5分間インキュベーションし、10秒間垂直方向で水切りをし、次にヘマカラー3溶液(メルク(Merck) 1.11957)を有する別のコプリンジャー中で垂直に5分間インキュベーションする。最後に、精製水中でゆっくりと洗浄し、乾燥させる。もし永久調製物を望むならば、これをエンテラン(Entellan)に載せることができる。
(蛍光顕微鏡下での観察用染色)
蛍光フィルターの変化に応じて、サンプルをDAPIタイプのDNAに特異的な蛍光色素類、ヘキスト(Hoechst) 33258、エチジウムブロマイド、プロピジウムアイオダイド等で抗退色媒体(例えば、ベクタシールド(Vectashield),ベクター(Vector),ref:H−1000)中で染色できる。
<安全性および環境>
供給溶液類の吸入および接触を避ける。
溶液BおよびCは、塩酸、ジチオスレイトールおよびトリトンX−100を含む。
製造業者による仕様書を参考にする。
使用した製品を環境中に捨ててはいけない。有毒製品の保存および廃棄については、センター(Centre)のガイドラインに従う。
生物サンプルは、潜在的に感染性であるとして取り扱わねばならない。
<保存および安定性>
常温(室温)で保存し、ただし、溶液Cは4℃に保存すること。有効期限:試薬類および材料類は、最低6ヶ月間安定である。溶液BおよびCは、垂直位置に保持し、密封をよくすることが推奨される。
本発明は、適用関連分野がさまざまある。そのヒト適用における用途は、自明である。例えば、セミノグラムパラメータが正常である不妊のヒト由来サンプルにおいて、流産を繰り返すカップルにおいて、補助生殖のために使用するサンプルにおいて、精巣摘出のため将来的に補助生殖技術で使用するために凍結する(凍結保存)サンプルにおいて、である。また、発癌性疾患のため化学療法および/または放射線療法に供される患者および精管切除術の施行前の患者において、である。
本発明の操作とキットにより実施した研究は、精子ドナー候補の選択基準を向上させ、ならびに、精子バンクにおけるドナー由来サンプルの定期的評価を補足する。また、精液および妊娠の品質に及ぼす高齢の影響を分析できる。その適用は、精子の完全性に影響を及ぼし得る疾患類、発熱,感染,水痘,ストレス,職場またはアクシデントによる遺伝的毒性物質(除草剤、放射線、環境エストロゲン等)に対する暴露,ホルモン処置,または高温に対する反復暴露(ホットオーブン、セラミック、ガラス関連職業または自動車ドライバー)を有する患者の評価を対象とする。これらの患者はまた、定期的に評価することもできる。最後に、本発明は、基本的および臨床研究において有用である。
同様に、本発明は、獣医学研究室においても有用である。例えば、繁殖させるオスのような異なる動物種において、保存サンプルにおいて、疾患プロセスにおいて、絶滅の危機のある種のオスにおいて、よび有毒物質が原因の傷害の評価において、DNA断片化のベルを研究することもできる。
本発明を、さらに詳細に先に述べた特徴のいくつかを例示する実施例に基づいて、説明する。
<実施例1>
新鮮な精液のサンプルにおいて、記載した方法論を適用して、クロマチン分散ハロを調製する。このため、PBS中で濃度1000万/ミリリットルに希釈したサンプルを、1%液体低ゲル化点アガロースと混合し、最終濃度0.7%の後者を得た。このミクロゲルがスライド上でゲル化した後、サンプルを0.08M HClから構成された変性溶液中で8分間、22℃でインキュベーションし、次に、2.5M NaCl,0.2M DTT,0.2M Tris,1% トリトンX−100、pH7.5から構成される溶解溶液中22℃で25分間、インキュベーションした。スライドを精製水で5分間洗浄し、それらをエタノール浴中で脱水し、風乾した。次に、順次かつ同一細胞について、DBD−FISH(DNA断裂検出−蛍光インサイチュハイブリダイゼーション、フェルナンデス(Fernandez)ら,1998、2000、2002、フェルナンデス(Fernandez)およびゴンサルベス(Gonsalvez),2002)を、総ゲノムDNAプローブを用いて実施した。この操作により、アガロースミクロゲル中に浸漬し、脱たんぱく質化し、かつDNAの制御変性に供した細胞核中においてDNAの断裂を検出しかつ定量化できる。この変性により、断裂の末端から一重鎖DNA部分を産生し、それらは、蛍光色素で標識した総ゲノムDNAプローブを用いてインサイチュハイブリダイゼーションにより検出し、それは、赤色の蛍光を発する(Cy3)。細胞DNA中、断裂レベルが高くなると、変性溶液により産生された一重鎖DNAの品質が高くなり、ハイブリダイズしたプローブの品質が高くなり、かつ観察した赤色の蛍光が高くなる。本発明に記載の方法により処理したサンプル類は変性溶液によりDNAが有する断裂の起こり得る末端から産生させた一重鎖DNAを含んでいる。したがって、総ゲノムDNAプローブを用いたハイブリダイゼーションの強度は、精子の核中に存在する断裂の量に関連するであろう。
無作為に得た細胞250個を、計数した。クロマチン分散ハロのDAPI染色イメージは、2種のフィルターを用いる冷蔵CCDカメラを用いて捕捉し、分散ハロを見えるようにし、これはブルーに見え、ハイブリダイゼーションシグナルは、同時に赤色に見えた。最終目的は、クロマチン分散ハロの大きさとDNA断裂マーカーのレベルとの相関を確立することであった。結果は、クロマチン分散ハロの相対的領域とDBD−FISHを用いたDNA断裂マーカーの強度との逆相関を明らかにした(表1)。
Figure 0004773423
ハロの相対的領域が低下するに伴い、ハイブリダイゼーションの総平均密度(MD)における増加がもたらされることに注意する。
結果として、我々の操作を用いて得られたクロマチン分散ハロの大きさを簡便に決定することで、ヒト精子のクロマチン/DNAの完全性を簡便にかつ直接的に推定できる。
<実施例2>
(補助生殖技術で使用した精子ドナーの評価のための補足的方法)
補助生殖クリニックにおいて、精液ドナーサンプル10個を得た。通常のスパーモグラムの補足として、DNA断片化のレベルをこれらのサンプルで決定した。個人当たり細胞500個を数えた。この場合、結果は、本発明のクロマチン分散ハロ試験を適用することによって、得た。サンプルは、実施例1に記載のようにアガロースミクロゲル中に含め、酸および溶解溶液中でインキュベーションし、洗浄、脱水し、乾燥させた。この場合、染色は、DAPIで行わず、ライト染色で行い、クリアフィールド顕微鏡検査に使用した。このため、ライト溶液をリン酸緩衝液と混合(1:1)し、染色層を水平に置き、乾燥ミクロゲルをカバーした。それを5〜10分間染色し、ときどき風を吹きかけた。水道水で洗浄後、乾燥させ、ヌクレオイド類を視覚化した。結果を表2に示す。この群での平均断片化レベルは、全ての場合において20%未満であった(15.4±3.1)。
Figure 0004773423
10名の精液ドナーでハロの大きさ分類の百分率分布が得られた。断片DNAを有する精子の百分率は、小さいハロ、ハロなしおよびハロなし分解の精子分類の総計から構成されていた。
<実施例3>
(不妊患者の臨床評価)
補助生殖クリニックにおいて、サンプル17個を精子ドナーから採取した。通常のスパーモグラム(精子像)の補足として、DNA断片化のレベルをこれらのサンプルで決定した。個人当たり細胞500個を数えた。先の実施例と同様に、結果は、本発明のクロマチン分散ハロ試験を適用することによって、得た。結果を表3に示す。この群での平均断片化レベルは、全ての場合において20%を超えていた(49.9±20.7)。
Figure 0004773423
17名の患者でハロの大きさ分類の百分率分布が得られた。断片DNAを有する精子の百分率は、小さいハロ、ハロなしおよびハロなし分解の精子分類の総計から構成されていた。
<実施例4>
(本発明を用いてヒト精子に影響を及ぼす有毒傷害を評価した。外来性および内因性物質類による傷害)
例示例に示したように、一酸化窒素(NO)ドナー化学物質により誘発されたDNA障害を分析した研究を述べる。このため、正常ヒトの総新鮮精液サンプル50マイクロリットルのアリコットを常温(室温)で1時間、異なる用量のニトロプルシドナトリウム(SNP)とインキュベーションした。処理サンプルを次に静かに遠心分離し、上清を捨て、SNPを洗浄した。PBS中に再度懸濁した後、サンプルを本発明に記載の方法により処理した。
結果を表4に示した。NOドナー濃度が高くなるに伴い、傷害クロマチン/DNAを有する精子の百分率が増加した。
Figure 0004773423
DNA中に傷害をもたらす能力のある、異なる濃度の一酸化窒素(NO)ドナー剤で処理した精液のサンプルでハロの大きさ分類の百分率分布が得られた。断片DNAを有する精子の百分率は、小さいハロ、ハロなしおよびハロなし分解の精子分類の総計から構成されていた。
<実施例5>
(凍結精液サンプルを用いたアッセイの再現性)
サンプルの品質に影響を及ぼす凍結および希釈のような2個の因子を、クロマチンハロ分散の程度の分析による方法論を用いて研究した。このため、異なるドナー由来の4個の新鮮なサンプル類および液体窒素中で凍結させたアリコット類を分析した。サンプルの分析は、2枚の異なるスライド上で異なるタイプのヌクレオイド類の直接視覚カウントにより、サンプル1個当たりかつ実験時点1回当たり最小でも2回行った。
[カウントの再現性]
相関(R)のクラス内相関係数を、各スライドで行った、異なる測定について計算した。各細胞タイプについての係数および2回のカウントの平均による計算結果は、0.78と0.92の間で変動し、R値が0と1の間で変動すると、それは、高い再現性が得られたことを示している(表5)。
Figure 0004773423
[凍結]
得られた結果を、2個の因子(保存方法とサンプル)の分散分析を用いて比較する。新鮮処理および液体窒素で凍結したサンプルの断片化のレベルに有意差がない(P>0.05)ことが明らかになった。また、凍結時間も断片化DNAを有する精子の比率に影響を及ぼさないようであった(表6)。
Figure 0004773423
結論として、直接視覚化分析後に得られた結果の再現性が明らかになる。
<実施例6>
(変性溶液および溶解溶液のインキュベーション順序を変えて用いた、ヒト精子のクロマチン/DNAの完全性の分析)
この変化では、精子をアガロースミクロゲル中に入れた後、それらを第1段階でキットに記載の溶解溶液中22℃で、25分間インキュベーションした。このスライドを次に、0.88 HClで構成された変性溶液中に22℃で8分間沈める。最後に、精製水で洗浄した後スライドを脱水し、ライト溶液で染色し、クリアフィールド顕微鏡で観察した。
この技術的変化を用いて、断片化DNAを有する精子は、異なるように挙動する。この場合、それらは、クロマチン/DNA断片を分散させ、大きいサイズのハロを生ずるようになる。
<実施例7>
(異なる動物の精子サンプルへの本方法論適用の結果)
提案した方法論の全体的特徴を評価する目的で、異なる種のオスを選択し、精子中のDNA断片化レベルの研究を行い、それらの尾部を平行して明確な細胞要素として視覚化した。精子のサンプルは、下記の種から採取した。マウス(Mus musculus)、オウシ(Bos taurus)、ターボット(ひらめの1種)(Scophthalmus maximus)およびミミズ(Lombricus terrestris)である。全種において、本技術を適用することでクロマチン分散ハロが産生し、それらの尾部は、正常DNAを有するものおよび断片化されたものを含めて認識できた(図4)。精子の形状および産生したハロのタイプは、各種に特徴的である(4aはオウシに対応、4b,c,dはマウスに対応、4eはミミズに対応、4fはターボットに対応)。断片化DNAを含んでいるかどうかにかかわらず精子の形態は、種により異なり、したがって、ヒトで見られるものとも異なっている。全例において、クロマチン分散は、平行でヒト精子サンプルの場合に見られるものに匹敵している。すなわち、異なる大きさのクロマチン分散ハロ類が産生され、精子の尾部は視覚化できる。
異なる種のハロの形態と大きさおよび得られた結果は下記のようであった。
オウシの場合、独立したサンプルを、5人の異なる観察者により分析した。この場合、各個人による断片化DNAを有する精子核の百分率に差異が見られたが、各観察者で得られた百分率には全く差異が見られなかった(表7)。
Figure 0004773423
マウスの場合、2種の異なる染色を用い、ひとつは通常の(M1−32NNC)および別の同属物(M2−32BC)であった。異なるタイプのハロについて得られた百分率は、正常(7.1)および同属(25.1)染色の間に明確な差異があることを示している(表8)。
Figure 0004773423
ターボットの特定ケースの場合、大きなクロマチン分散ハロと小さなコアを有する精子は、小さい分散ハロと大きなコアを有するそれらに対して識別でき、最終的に、分散ハロを有していない他のものからも識別できた。結果を、表9に示した。
Figure 0004773423
ミミズの場合、先の場合で述べたものに類似のハロのダイナミック産生がもたらされ、この場合、精子の頭部とその尾部は、同様に、完全に識別できる。調べた2名(1名は若く、1名は大人)における断片化DNAを含む精子の推定百分率は、それぞれ、15%および22%であった。この場合、精子頭部は、部分的ハロ形成を有するように見え、その重要性については、現在、研究段階に入っている(図4e参照)。
<実施例8>
(クロマチン分散ハロ、精子尾部および白血球の同一細胞学的調製物の視覚化。精子サンプル中DNAの完全性に及ぼすロイコサイトスペルミアの効果の評価)
ロイコサイトスペルミアは、精液のサンプルにおける白血球の異常増加(>5×106/ml)をもたらす望ましくない侵襲性プロセスである。ロイコサイトスペルミアは、不妊男性の10%〜20%で検出されている。精液中に存在する好中球およびマクロファージ類はROS(反応性酸素種)を産生でき、酸化ストレスをもたらし、その結果、精子中のDNAが傷害されることになる(オミュ(Omu)ら,1999、エレンプレイス(Erenpreiss)ら,2002、ヘンケス(Henkes)ら,2003)。実際、ロイコサイトスペルミアは、精子の品質分析で用いられてきた従来のパラメータ類の異なる異常に関連している。例えば、異常精子の頻度はロイコサイトスペルミアを有していないヒトサンプルの47%でしか起こらないが、このロイコサイトスペルミアが存在すると百分率が88%にまで増加する(www.clevelandclinic.org)。
5例の患者のサンプルにおいて、病因が異なるロイコサイトスペルミア(前立腺炎およびクラミドモナスおよび細菌性物質による感染)の高レベルがあるが、本技術に対する応答を調べて精液サンプル中に存在する白血球の百分率および同一サンプルの精子中におけるDNA断片化のレベルを明確に識別した。両方の細胞タイプ間の差異は、サンプルを同一処理に供したとき、明確で、断片化DNAを有する精子およびそれを有していない精子は、それらを特徴付ける尾部を示す。白血球中に尾部が存在しないことで、我々は、それらを残りの細胞タイプから識別できる(図5)。
このようにして、直接相関をサンプル当たり白血球数と精子中のDNA断片化のレベルとの間で確立でき、表10は、病因の異なるロイコサイトスペルミアに罹患した患者5名の精液サンプル中の白血球レベルと正常DNA(大きいおよび中位、L/M)および断片化(小さいハロおよびハロを有していない、S/WH)を有する精子の百分率を示している。
Figure 0004773423
<リファレンス>
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本発明の方法論による、ヒト精子におけるハロの大きさの定義に用いたパラメータ類。1a:精子の広く脱たんぱく質化した核に対応するヌクレオイドで、それは、2つの部分から構成される。中央位置にあるコアと称される精子核のシルエットとクロマチン/DNA分散液の周辺ハロ。精子の尾部は、可視化できる。1b:ハロとコアの境界をより視覚化しそれを確定するためのリリーフフィルター。1c:コア(a)の小さい直径とハロ(b)の厚さで、本発明の方法論で説明したように異なる大きさのハロを確定するために用いた測定値サンプル。 本発明の方法論を適用後得られたハロの大きさにより規定した異なるタイプの精子。2a:大きいサイズのハロを有する精子。2b:中程度の大きさのハロを有する精子。2c:小さいサイズのハロを有する精子。2d:ハロを有していない精子。2e:ハロを有していない精子で分解されている。2f:先に述べた異なるタイプの精子が観察された全体野。 DAPI(a〜e、フルオロセインブルー)染色後視覚化した、異なるサイズのハロとDBD−FISH方法論(a’〜e’、フルオレセインレッド)によるDNA断片化レベルを視覚化するための総ヒトゲノムDNAプローブを用いたインサイチュハイブリダイゼーションシグナルとの相関。3a:ハロと低ハイブリダイゼーションシグナル(3a’)を有する精子。3b:中等度ハロと低ハイブリダイゼーションシグナルを有する精子で、ただし、先の場合(3b’)よりもわずかに高い。3c:小さいハロとハイブリダイゼーションレベルの検出可能な増加(3c’)を有する精子。3d:ハロを有さず高レベルのハイブリダイゼーション(3d’)を有する精子。3e:分解された精子と不規則的ハイブリダイゼーション分布(3e’)を示している。 本発明の方法を下記種の精子サンプルに適用。マウス(Mus musculus)、オウシ(Bos taurus)、ターボット(ひらめの1種)(Scophthalmus maximus)およびミミズ(Lombricus terrestris)。4aはオウシに対応、4b,c,dはマウスに対応、4eはミミズに対応、4fはターボットに対応。 高レベルの白血球精子症を有する患者由来のサンプル。白血球に尾部がないことが注目され、それにより、残りの細胞タイプから識別できるようになる。

Claims (16)

  1. クロマチン/DNAおよび動物精子の完全性を評価する方法であって、
    a)精子を含むサンプルをDNA変性溶液の溶液で処理する段階と、
    b)非イオン性、非たんぱく質変性界面活性剤を含み、核たんぱく質類を抽出するための溶解溶液により一回処理する段階と、
    c)前記精子のクロマチン/DNAの完全性を評価する段階と、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記段階a)がb)より前であるかまたはそれがb)およびc)の前であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記非イオン性界面活性剤が、トクチルフェノキシポリエトキシエタノール(トリトンX−100(登録商標))、N,N−ビス(3−D−グルコンアミドプロピル)コラミド(bigCHAP(登録商標))、Brij35P(登録商標)、N−デカノイル−N−メチルグルカミン、ジギトニン、ドデカノイル−N−メチルグルカミド、ヘプタノイル−N−メチルグルカミド、分枝オクチルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール(イゲパルCA−630(登録商標))、N−ノナノイル−N−メチルグルカミン、ノニデットP40(登録商標)、N−オクタノイル−N−メチルグルカミン、スパン20(登録商標)溶液、ポリソルベート20(Tween20(登録商標))およびそれらの混合物類から選択されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 前記非イオン性界面活性剤が、トクチルフェノキシポリエトキシエタノール(トリトンX−100(登録商標))であることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 前記溶解溶液が、1〜3Mの塩化ナトリウム、0.001〜2Mのジチオスレイトール(DTT)、0.001M〜2Mの2−アミノ−2(ハイドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(Tris)および0.1%〜3%のトクチルフェノキシポリエトキシエタノール(トリトンX−100(登録商標))を含むことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記溶解溶液が、2.5MのNaCl、0.2MのDTT、0.2MのTris、1%でトクチルフェノキシポリエトキシエタノール(トリトンX−100(登録商標))を含みかつ7.5のpHを有することを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記DNA変性溶液が酸性であることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記DNA変性溶液が、塩酸、酢酸、硝酸群またはこれらの混合物類から選択した酸を含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 前記DNA変性溶液が塩酸を含むことを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 前記段階a)およびb)の後にサンプル染色段階があることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記染色がライト(Wright)タイプ溶液により行われることを特徴とする請求項10記載の方法。
  12. 前記精子を含むサンプルが、懸濁液に類似の媒体に含まれることを特徴とする請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記精子を含むサンプルが、ミクロゲル中に含まれることを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 前記精子を含むサンプルが、アガロースミクロゲル中に含まれることを特徴とする請求項12記載の方法。
  15. 請求項1〜14のうちのいずれか1項に記載の方法を行うためのキットであって、
    a)DNA変性溶液と、
    b)核たんぱく質類を抽出するための溶解溶液と、
    を含み、前記溶解溶液は、たんぱく質変性界面活性剤を含まず、必然的に前記精子の尾部を破壊しないことを特徴とするキット。
  16. 前記溶解溶液が、1M〜3Mの塩化ナトリウム、0.001M〜2Mのジチオスレイトール(DTT)、0.001M〜2Mの2−アミノ−2(ハイドロキシメチル)−1,3プロパンジオール(Tris)および0.1%〜3%のトクチルフェノキシポリエトキシエタノール(トリトンX−100(登録商標))を含むことを特徴とする請求項15記載のキット。
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