JP4773386B2 - 画像処理方法と画像処理装置とプログラムとコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 - Google Patents
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Description
そのため、デジタル情報は簡単な処理や操作によって、不正にコピーされて勝手に再利用されたり、一部を改ざんして証拠写真に使用できないようにされやすい。
これを防止するものとして、電子透かしやデータハイディングと呼ばれる方法がある。
上記電子透かしは、デジタル画像を含むデジタルコンテンツを普通に再生した場合には、視覚できない情報を付加する手法である。
(1)内容データの標本値に直接埋込む技術
(2)周波数成分に埋込む技術
ここで、上記(1)の技術は,加工や圧縮の処理が行われると、埋込んだデータが失われやすいが処理が軽い。
一方、上記(2)の技術は,加工や圧縮の処理には強いが、埋込みや抽出の処理が重いという特性がある。
画質を損ねては意味を成さないまたは大きく価値が下がる画像への電子透かしは、(2)の技術よりも(1)の技術の方が画質劣化場所を局所化できるメリットがある。
A.著作権情報の記録
B.違法コピー者情報の追跡
C.IPアドレスの履歴記録
D.違法コピーの防止:不可視・高耐性型
E.改ざん防止への応用:不可視・低耐性
F.認証
G.秘密通信
H.デジタルコンテンツの注釈やラベルを埋込む:可視・不可逆型……所有権者表示
I.透かし除去可能化:可視・可逆型……コンテンツ配布
「写真撮影時にカメラの製造番号,日時を含む情報を撮影画像に透かし埋込むと同時にその電子署名を作成する機構をカメラに設ける方法が提案されている。
これにより、証明写真の改ざん検知に加え、撮影カメラの特定や撮影日時の確認が可能となる。
上記改ざん検知は電子署名技術だけで可能だが、透かし技術を活用することで撮影カメラや撮影日時の特定化が可能になり、改ざん抑止により効果的に作用するものと考えられる。」(例えば、非特許文献1参照)。
また、著作権保護のためにも多くの情報を透かし埋込みできる方が、埋込み情報の解析時に情報抽出しやすくなり、有効性が高くなる。
しかしながら、電子透かしを埋込むことによって、埋込み対象のデジタルコンテンツ・データが劣化するので、埋込みデータ量を増やしてもその影響による画質劣化を出来るだけ少なくすることが重要である。
しかし、画像領域の中で、通常、画像エッジ部は平坦部よりも領域が狭く、埋込む透かし量が多い場合には、著しく画質が劣化する。
特に、帳票、図面、地図を含む人工的に作成された画像の輪郭線を過度に侵食したり、あるいは画像の骨格線を分断させたり消去するような画質の劣化は、元画像の持つ情報や意味を失ってしまう。
画像をディザ展開することによって、画像エッジ部と、それ以外の部分との識別化を緩和し、かつ全体のグラデーション表現を実現している。
電子透かしは、画像エッジ部を識別して埋込まなくても画質劣化に直結せず、ディザ展開方法を識別して、情報埋込み及び抽出するものである。
この方法は、情報埋込み場所が偏らず、均一化できるメリットがある。
ここで、ディザ法について説明する。
[画像の擬似濃淡表示方法]
図12は、面積階調法の体系を示す図である。
面積階調法とは、“0:OFF”“1:ON”の2値表示のみ可能な画像処理装置を用いて、濃淡画像を再現したい場合、画像内の“1:ON”の割合を変化させて、階調を再現させる方法をいう。
図12に示すとおり、ディザ法は面積階調法の体系の中の一部を構成する。
本件で注目するのは、この体系中の組織的ディザ法である。
組織的ディザ法は、N×N(これをディザマトリックスという)をつくり、このディザマトリックスDNを一種のマスクとして原画像に重ね合わせ、各画素の濃度f(x,y)と対応するしきい値Txyとを比較し、しきい値より小さければ、0を出力画像信号に使用し、しきい値以上であれば、1を出力信号に使用する(出力画像を2値化する)というものである。N×N画素の処理が済むと、ディザマトリックスを次のN×Nの画素の位置に移動し、同じ処理を繰返す。
上記しきい値の配列は、ある規則に従っており、各しきい値はディザマトリックスの中で1回しか現われない。
上記しきい値の配置方法について、ドット集中型を例に説明する。
組織的ディザ法の中の他の型であるベイヤー(Bayer)型であってもディザマトリクスの構成が異なるだけで、それ以外の内容は同じである。
ドット集中型のN×NディザマトリックスDNは、次の数1で与えられる。
この数1では、D(N−2)の上下外側に1行ずつ及び左右外側に1列ずつ新たに生成することによって形成する。成分の値は、マトリックスの中心成分が0で、その回りに渦巻き上に単調1増加の値の列で構成する。
dN(N−1)1
=(N−2)2,dN(N−2)1
=(N−2)2+1,dN(N−3)1
=(N−2)2+2,‥‥,dN11
=(N−2)2+(N−2)
=(N−2)×(N−1),‥‥,dN1N=(N−1)2,‥‥,dNNN
=(N−1/2)2−1/4,‥‥,dNN1=N2−1
従って、D4=4×4は、次の数3に示す通りである。
ここで、正規のディザマトリックスD4=4×4が、数3の通りだとすると、別種のディザマトリクスD′4=4×4としては、数4に示すように、D4を左回りに90度回転した例として挙げられる。そして、例えば、D4をビットオン(ON)情報に、D′4をビットオフ(OFF)情報にそれぞれ使用する。
印刷用データは、CMYKのディザ展開による網点(例えば、上記ドット集中型の中心ドットを結んで形成)の特徴を持ちながら、各色のディザ処理を組合せて形造られている。CMYKの網点形状は、CMYKの色別に、網点角度を固定した等間隔の平行直線上に点列が並ぶ。
そのため、電子透かしを含む新たな情報付加機能は、「直線状に並んだ点列の規則を変更することによって、付加信号を形成する方法」で実現するのが妥当である。
これに関連する従来技術としては、対称形となる閾値テーブルを使用して、電子透かしON/OFF情報にするものであり、組織的ディザ法に於ける、ディザマトリックスの数を従来の2倍以上(同じ濃度を表すマトリックスの数を2倍以上にする)に増やし、複数種類のディザマトリックスを使い分けることによって、電子透かしのビットON,OFF情報に使用する画像処理方法(例えば、特許文献1参照)があった。
この画像処理方法のメリットは、画素値変更が原画像に及ばず、ディザ表現だけになるので画質劣化が軽減することである。
以上の状況を整理すると、次の内容になる。
・透かし情報埋込みの目的:改ざん検知や著作権情報抽出の性能を上げる為、埋込む透かし情報量を出来るだけ多くすること。
・必要条件:画質劣化を極力抑えること。
・人間の眼の特徴利用:画質劣化を抑える為には、画像エッジ部に電子透かし情報を埋込むのが適する。
・対策:画質劣化を抑え、画像エッジ部及び平坦部の区別を無くすために、画像をディザ展開し、電子透かしをディザ展開部に、埋込む。
・ディザ展開部への電子透かし情報埋込み方法を複雑化し、解読され難くする。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、画質劣化を抑えながら、ディザ化した画像に電子透かしを埋込むことができるようにすることを目的とする。
(1)画像データをディザ展開し、そのディザ構成画素を予め設定した方向の直線上の並びに注目し、上記ディザ構成画素を上記直線の方向に射影を取ると射影ピークが判断できる最小の大きさのチェック単位のブロックに分割し、その各ブロックの隣接する2ブロックについて互いのピークの長さが同じと判断できればビット0を表し、異なると判断できればビット1を表す画像処理方法。
(2)上記のような画像処理方法において、上記予め設定した方向とは直角を成す方向についても、上記ディザ構成画素を前記直線の方向に射影を取ると射影ピークが判断できる最小の大きさのチェック単位のブロックに分割し、その各ブロックの隣接する2ブロックについて互いのピークの長さが同じと判断できればビット0を表し、異なると判断できればビット1を表す画像処理方法。
(4)上記のような画像処理方法において、上記ディザ展開したディザ構成画素を正規の並びから特定方向の射影を取ると射影ピークが上下する程度に変更を加えることによってズラシ展開する画像処理方法。
(5)上記のような画像処理方法の処理を実行する手段を備えた画像処理装置。
(6)上記のような画像処理方法の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(7)上記のようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
また、この発明によるプログラムは、コンピュータに画質劣化を抑えながら、ディザ化した画像に電子透かしを埋込めるようにするための機能を実現させることができる。
さらに、この発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータに上記プログラムを容易に導入することができる。
〔実施例〕
図1は、この発明の一実施例の画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。
この画像処理装置は、コンピュータ、スキャナ装置、複写機、プリンタ、複合機を含む装置である。
この画像処理装置は、静止画像、動画像、コンピュータプログラム及びコンピュータデータを含む各種のデジタルコンテンツについて、印刷画像における特定色しか使用できない画素値を使用し、ディザ展開することによって、グラデーション表現を実現するデータ形式で保存される場合の電子透かし埋込み処理を行う。
その際、ディザの色別固有の画素点列角度に注目して、固有の方向に射影を取って分析することにより、電子透かし情報を識別するものである。射影を取ったものの分布の偏り程度を分散値を含む値で判断する。
ディザ展開部6は、電子透かし埋込みの為に特定画像領域をディザ展開する手段であり、生成されたデータは、磁気ディスク装置5に保存された後、電子透かし埋込み部9に与えられる。また、電子透かし埋込み又は抽出箇所をチェックする為に、ディザ展開できるか否かをチェックするための手段でもあり、チェック結果のデータは、磁気ディスク装置5に保存された後、電子透かし埋込み部9又は電子透かし抽出部10に与えられる。対象となる領域の範囲は、ディザ展開領域決定部11から指示される。
ソースデータ符号化部7は、外部からの任意のデータ入力手段で入力されたデータを使用して、暗号化または符号化するためのものである。
電子透かし抽出データ復号化部8は、電子透かし抽出部10によって磁気ディスク装置5に格納されている電子透かし抽出データを暗号解読して復号化し、磁気ディスク装置5の別の場所に格納する。
電子透かし埋込み部9は、ソースデータ符号部化7によって生成された埋込みデータを、埋込み対象となる画像データに対して、電子透かしとして埋込むためのものである。その電子透かし埋込み対象となる領域の範囲は、ディザ展開領域決定部11で決定し、電子透かし埋込みは、ディザ展開部6で行う。
ディザ展開領域決定部11は、電子透かし情報を複数の基本ディザ展開方法を使い分けることによって埋込むべき、又は電子透かし情報を抽出すべき、矩形領域を決定し、電子透かし情報との対応付けを行う。電子透かし埋込み又は抽出処理の有効性は、ディザ展開部6のチェック結果に従って判断する。
キーボード装置14は、この画像処理装置に種々のキー操作を行うための入力装置であり、画面指示装置15は、画面表示装置12の任意の点の指示を含む操作作業を行うためのものであり、入力制御部16は、キーボード装置14及び画面指示装置15の入力情報の取り込みを含む各種の制御をするためのものである。
ネットワークインタフェース(I/F)部17は、この画像処理装置をネットワーク(図示を省略)に接続するためのものであり、ネットワーク伝送制御部18は、ネットワークを介して他の端末装置との間で種々の情報をやりとりするための伝送制御処理を行うためのものである。
また、画面表示装置12、キーボード装置14、及び画面指示装置15は、ユーザに対するユーザ・インタフェース機能を実現しており、例えば、各種操作指示や機能選択指令、編集データを入力したり、電子透かしデータを画像ブロック単位に埋込むまたは抽出する時のブロックサイズを入力したり、埋込まれたデータ内容を隠蔽する目的で、電子透かしデータを暗号化する時および暗号化された電子透かしを解読する時に、秘密キーを入力するために用いられる。
また、処理対象の画像データは、例えば、磁気ディスク装置5に予め保存されたもの、あるいは、ネットワークを介して他の端末装置から受信したものを適用することができる。
なお、さらに、交換可能な記憶媒体を適用できるCD−ROM駆動装置、DVD駆動装置を含む光学ディスク装置や、デジタルスチルカメラ装置、スキャナ装置を備えて、それらの装置から処理対象の画像データを入力するようにすることも可能である。
図2は、図1に示す画像処理装置における電子透かしの埋込み処理と電子透かしの抽出の処理を示すフローチャート図である。
このフローチャート図は、電子透かしを埋込む場合の処理と抽出する場合の処理の両方の説明を兼ねて表現している。
この処理において、電子透かしを埋込む場合には、このフローチャート図の処理のスタート時点で、例えば、印刷用途のディザ画像が生成され、かつその画像を参照及び内容変更可能であることを前提としている。
また、電子透かしを抽出する場合には、このフローチャート図の処理のスタート時点で、例えば、印刷物をスキャナで読み取ったディザ画像が得られており、かつその画像を参照可能であることを前提としている。
(1)電子透かしにして埋込みたい情報を、秘密キー(パスワードを含む情報)によって予め暗号化してから電子透かし埋込みし、埋込み情報の解読をより困難にすることを目的にする。ただし、常に暗号化してから電子透かしを埋込むのは、必須ではなく、暗号化する必要があるかどうかは、選択できるものである。
(2)条件入力は、今回扱う電子透かし埋込み用、又は抽出用ディザ画像を、用途や画像の特徴から、図10及び図11で示す判断方法を基に、オペレータが指示するものである。
ステップ2は、電子透かしを埋込み又は抽出する大きい単位をインク(あるいはトナー)別に扱えるように、ステップ3以下をインク毎に繰り返し処理させる為のループ処理の初期設定を行う。
ステップ3では、上記で説明したステップ3〜ステップ13を繰り返す処理において、全インク別の処理が終了したか否かを判断する。
この判断で、全インク(シアン(Cyan),マゼンタ(Magenta),イエロー(Yellow),ブラック(Black))別の処理が終了した場合は、ステップ10に移行する。また、全インク別の処理がまだ終了していない場合には、ステップ4に移行する。
一方、ステップ4は、インク別の電子透かし埋込み又は抽出処理を繰返し行う一連の処理の最初のステップで、第1〜第4の電子透かし埋込み/抽出処理の何れにも関係する事前調査として、ディザ画質調査処理を行う。
このディザ画質調査処理の調査結果は、図11で示す判断方法を適用して第1〜第4の電子透かし埋込み/抽出処理の何れを使用するのかを決定するための前情報となる。
ステップ5は、上記ステップ1の処理において、条件入力された適用耐性Endureの指示に従った最初の判定処理であり、適用耐性Endure=‘強’か否かを判断する。この判断で、Endure=‘強’の場合、ステップ11へ移行して第1の電子透かし埋込み/抽出のための情報の算出処理を実行する。また、適用耐性Endure=‘強’で無い場合は、ステップ1において、条件入力された適用耐性Endureの指示に従った二番目の判定処理であるステップ6に移行する。
(1)第1の電子透かし埋込み/抽出処理
第1の電子透かし埋込み/抽出処理は、図3に示すように、ディザ展開画素(組織的ディザ法のドット集中型)を直線上などの並びから微妙にズラシ展開する(特定方向の射影を取ると射影ピークが上下する程度に変更を加える)方法で、抽出精度を向上させる為に、ディザ構成画素の直線上並びは、一方向のものを使用(ディザを構成する画素の直線上並びは、90°傾いた方向にも整列しているが、認識精度向上を目的にして片側を情報埋込みの対象にする)し、最小情報1bitを、射影を取って二つのピークの存在が判断できる最小の大きさのチェック単位を形成し、二つのピークの長さが同じと判断できればbit0を表し、異なると判断できればbit1を表す方法。図3では、図中の黒丸点は、ディザ本来の印刷状態を表し、楕円枠は、ニジミや読み取り誤差が原因する膨らみを考慮したものである。
耐性強度が高いのは、この方式が組織的ディザ法のドット集中型を前提にしているので、ほぼ直線上に並んだ当該インク色のその直線上方向に射影を取ることによる。
即ち、複数のドット集中した画素値の位置を平均的に扱っているので、位置についての誤差は少ないとの判断である。
また、埋込み量が少ないのは、複数のドット集中した画素の塊を使用して一つの信号を表現していることによる。
従って、ブロックサイズも大きくすることになる。
また、ディザ展開画質の特徴に注目すると、第1の電子透かし埋込み/抽出処理は、ドット集中型のディザ表現(当該インクドットの塊)において、図11に示すように、大きさのバラツキは少なく均一な場合に向いている。
その理由は、ドット集中型の当該インクドットの塊を複数組使用して効果を出す方式だからである。
また、射影を取って判断する方式であることから、ドット集中型のディザ表現の当該インクドットの塊の平均の大きさは、大きい方が顕著な特徴を拾い易い。
第2の電子透かし埋込み/抽出処理は、ディザ展開画素の直線上の並びが直角を成す両方向に展開することによって、埋込み情報量が約2倍になり、かつ、複数色(インク,トナーなどの印刷剤)使用により、細長い領域でも埋込み及び抽出し易くなる方法である。
その代り、画質及び耐性は、第2の電子透かし埋込み/抽出処理より落ちると判断できる。
また、ブロックの大きさは、第2の電子透かし埋込み/抽出処理と同等か、又はそれ以上の大きさが必要になると判断できる。
図11に示すように、ドット集中型のディザ表現(当該インクドットの塊)の大きさについて、バラツキは、第1の電子透かし埋込み/抽出処理と同じく小さい(均一)方が良いと判断できるが、平均の大きさは、縦/横2方向の射影を有効にする為に、第1の電子透かし埋込み/抽出処理よりも小さい方が有利であると判断する。
第3の電子透かし埋込み/抽出処理は、図4に示すように、チェック単位の面積を最小にすることを目的とした方法であり、色別固有のディザ構成画素の直線上並びの方向に、射影を取って一つのピークの存在が判断できる大きさを最小チェック単位として最小情報1bitを表し、色固有の本来(従来印刷での方式)の方向にピークが存在すると判断できればbit0を表し、本来とは異なる方向にピークが存在すると判断できればbit1を表す方法である。
用途は、第1,第2の電子透かし埋込み/抽出処理に比較して、改ざん検知機能の方が向いていると判断する。
図11に示すように、第1,第2の電子透かし埋込み/抽出処理に比べて、ドット集中型のディザ表現(当該インクドットの塊)の大きさのバラツキは、不均一度が高く大きくても不都合でなく、チェック単位面積を最小にする目的から、ドット集中型のディザ表現(当該インクドットの塊)の平均の大きさは、小さい方が良い。
第4の電子透かし埋込み/抽出処理は、図5乃至図9に示すように、ディザ展開された後の画素値を正規の並びから微妙にズラシ展開する(特定方向の射影を取ると射影ピークが上下する程度に変更を加える)ことによって、固有のディザマトリックスに限定しない汎用性ができる利点を持つ方法である。
図5は、ドット集中型の規則的ディザ展開したディザ構成画素例を示す図であり、図中の矩形枠Aの画像部分について、例えば、図6に示すように、図中の画素20と22を含むディザ構成画素の直線上の並びに注目し、画素20を矢示21の方向に、画素22を矢示23の方向にそれぞれ微小移動させる前の射影画像は、図7の楕円枠24で示す部分のようになる。
なお、図5乃至図9は、ピーターフィンク著、日本印刷技術協会監修の書籍「ポストスクリプト スクリーニング デジタル印刷の網点生成技術」中の図2及び図3から引用した図に基づいて作成した図である。
図10に示すように、第4の電子透かし埋込み/抽出処理の良い特徴を出せるのは、画質劣化を抑え、情報埋込み量を多くすることである。
そのために、ブロックサイズは、小さくするよう心掛けるのであるが、弱点は、耐性が上記第1〜第3の電子透かし埋込み/抽出処理よりも弱くなることである。
従って、用途は、耐性が弱いことを利用する改ざん検知機能に向いている。
図11に示すように、本方式がブロックサイズを小さくするものであるため、ドット集中型のディザ表現(当該インクドットの塊)の大きさのバラツキは、比較的大きく(不均一)ても良く、またドット集中型のディザ表現の平均の大きさは、特徴が出易くなるよう大きい方が良いと判断する。
Claims (7)
- 画像データをディザ展開し、そのディザ構成画素を予め設定した方向の直線上の並びに注目し、前記ディザ構成画素を前記直線の方向に射影を取ると射影ピークが判断できる最小の大きさのチェック単位のブロックに分割し、その各ブロックの隣接する2ブロックについて互いのピークの長さが同じと判断できればビット0を表し、異なると判断できればビット1を表すことを特徴とする画像処理方法。
- 前記予め設定した方向とは直角を成す方向についても、前記ディザ構成画素を前記直線の方向に射影を取ると射影ピークが判断できる最小の大きさのチェック単位のブロックに分割し、その各ブロックの隣接する2ブロックについて互いのピークの長さが同じと判断できればビット0を表し、異なると判断できればビット1を表すことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
- 画像データをディザ展開し、その色別固有のディザ構成画素を予め設定した方向の直線上の並びに注目し、前記ディザ構成画素を前記直線の方向に射影を取ると射影ピークが判断できる最小の大きさのチェック単位のブロックに分割し、その各ブロックについて色固有の所定の方向にピークが存在すると判断できればビット0を表し、前記所定の方向とは異なる方向にピークが存在すると判断できればビット1を表すことを特徴とする画像処理方法。
- 前記ディザ展開したディザ構成画素を正規の並びから特定方向の射影を取ると射影ピークが上下する程度に変更を加えることによってズラシ展開することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理方法。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像処理方法の処理を実行する手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像処理方法の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項6記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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