JP4773035B2 - 強化サンプル処理装置、システムおよび方法 - Google Patents

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、遺伝材料、等を増幅するために用いる方法のような、サンプル材料の処理に対する装置、方法およびシステムに関する。
【0002】
背景
多くの異なる化学、生化学、およびその他の反応は、温度変化に敏感である。遺伝増幅の分野における熱処理の例は、それらに限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、サンガーシーケンシング、等を含む。反応は、含まれる材料の温度に基づき強化または抑制することができる。個々にサンプルを処理しかつ正確なサンプルトゥサンプル結果を得ることは、可能でありうるが、個々の処理は、時間が掛りかつ高価なものでありうる。
【0003】
多数のサンプルを熱的に処理することの時間および費用を低減するための一つのアプローチは、一つのサンプルの異なる部分または異なるサンプルを同時に処理することができる多数のチャンバを含んでいる装置を用いることである。しかしながら、異なるチャンバで多数の反応が実行されるときに、一つの重要な問題は、チャンバトゥチャンバ温度均一性の正確な制御でありうる。チャンバ間の温度変化は、誤解させるかまたは不正確な結果を結果としてもたらすことがありうる。ある反応では、例えば、正確な結果を得るために±1℃またはそれ以下の範囲内にチャンバトゥチャンバ温度を制御することは、重要でありうる。
【0004】
正確な温度制御に対する必要性は、チャンバのそれぞれにおいて所望の温度を維持することの必要性として現われうるか、またはそれは、温度における変更、例えば、所望のセットポイントにチャンバのそれぞれにおける温度を上昇または下降させることを含みうる。温度の変更を含んでいる反応において、また、温度がチャンバのそれぞれにおいて変わる速さまたはレートも問題を提起しうる。例えば、遅い温度遷移は、不要な副反応が中間温度で発生するならば問題がありうる。代替的に、あまりにも急速な温度遷移は、その他の問題をもたらしうる。結果として、遭遇しうる別の問題は、比較可能なチャンバトゥチャンバ温度遷移レートである。
【0005】
チャンバトゥチャンバ温度均一性および比較可能なチャンバトゥチャンバ温度遷移レートに加えて、熱サイクリングが要求されるそれらの反応が全処理の総合速さであるような別の問題に遭遇しうる。例えば、上部温度と下部温度との間の多数の遷移が要求されうる。代替的に、3つ以上の所望の温度間の様々な遷移(上方向および/または下方向)が要求されうる。ある反応、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)では、熱サイクリングは、30回以上まで繰り返されなければならない。しかしながら、チャンバトゥチャンバ温度均一性および比較可能なチャンバトゥチャンバ温度遷移レートの問題に取り組むことを試みる熱サイクリング装置および方法は、総合スピードの欠如の不利益を一般に被り、手順の費用を結局上昇させる延長された処理時間を結果としてもたらす。
【0006】
上記問題の一つ以上は、様々な化学、生化学およびその他の処理に係わりうる。正確なチャンバトゥチャンバ温度制御、比較可能な温度遷移レート、および/または温度間の急速な遷移を必要としうるある反応の例は、例えば、遺伝コードの解読の役に立つために核酸サンプルの操作を含む。例えば、T.Maniatis et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory(1982)を参照のこと。核酸サンプル操作技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような増幅方法;自立シーケンス複製(3SR)およびストランド−ディスプレイスメント増幅(SDA)のようなターゲットポリヌクレオチド増幅方法;“枝分れ鎖”DNA増幅のような、ターゲットポリヌクレオチドに取付けられた信号の増幅に基づく方法;リガーゼ鎖反応(LCR)およびQBレプリカーゼ増幅(QBR)のような、プローブDNAの増幅に基づく方法;連鎖反応起動トランスクリプション(LAT)および核酸シーケンスベース増幅(NASBA)のような、トランスクリプションベース方法;および、修復鎖反応(RCR)およびサイクリングプローブ反応(CPR)のような、様々なその他の増幅方法を含む。核酸サンプル操作技術のその他の例は、例えば、サンガーシーケンシング、配位子結合分析、等を含む。
【0007】
上述した問題の全てが係わりうる反応の一つの一般的な例は、PCR増幅である。PCRを行うための伝統的な熱サイクリング装置は、金属ブロックのボアに個々に挿入される高分子マイクロキュベットを用いる。次いで、サンプル温度は、低温度と高温度との間、例えば、PCR処理に対して55℃と95℃との間でサイクルされる。伝統的な方法による伝統的な装置を用いるときは、(金属ブロックおよび加熱されたカバーブロックを一般的に含む)熱サイクリング装置の高熱質量およびマイクロキュベットに用いられる高分子材料の比較的低い熱伝導率は、一般的なPCR増幅を終了するために2、3時間以上を必要としうる処理を結果としてもたらす。
【0008】
PCR増幅における比較的長い熱サイクリング時間に取り組む一つの試みは、単一の高分子カード上に96個のマイクロウェルおよび分配チャネルを統合する装置の使用を含む。単一のカードに96個のマイクロウェルを統合することは、熱ブロックに各サンプルキュベットを個々に装填することに関する問題に取り組む。しかしながら、このアプローチは、金属ブロックおよび加熱されたカバーの高熱質量またはカードを形成するために用いられる高分子材料の比較的低い熱伝導率のような熱サイクリング問題に取り組まない。更に、統合カード構造の熱質量は、熱サイクリング時間を延長することができる。このアプローチの別の可能性がある問題は、サンプルウェルを含んでいるカードが金属ブロックに正確に設置されていないならば、一様でないウェルトゥウェル温度を経験することができ、不正確な検査結果をもたらしうるということである。
【0009】
これらのアプローチの多くにおいて経験されうる更に別の問題は、サンプル材料のボリュームが制限されうるしかつ/またはサンプル材料に関連して用いられる試薬の費用もまた制限されうるしかつ/または高価でありうるということである。結果として、サンプル材料および関連試薬の小さいボリュームを用いることの要望が存在する。しかしながら、これらの材料の小さいボリュームを用いるときには、気化、等を通したサンプル材料および/または試薬ボリュームの損失に関する更なる問題が、サンプル材料が例えば熱的にサイクルされるときに経験されうる。
【0010】
生のサンプル材料(例えば、血液、組織、等)からの人間、動物、植物、または細菌のオリジンの最終サンプル(例えば、DNA、RNA、等のような核酸材料の例えば、分離または浄化されたサンプル)の準備において経験される別の問題は、所望の最終生産物(例えば、浄化された核酸材料)を得るために実行されなければならない熱処理段階の数およびその他の方法である。ある場合には、所望の最終サンプルを得るために、フィルタリングおよびその他の処理段階に加えて、多数の異なる熱処理が実行されなければならない。上述した熱制御問題の不利益を被ることに加えて、これらの処理の全てまたはあるものは、かなり高度な技術を有する専門家の注意および/または高価な装置を必要としうる。更に、異なる処理段階の全てを終了するために必要な時間は、人員および/または装置の利用可能性により数日または数週間でありうる。
【0011】
一つの例は、開始サンプル(例えば、血液、細菌溶解物、等のような生のサンプル)から最終サンプル(例えば、浄化された核酸材料)の準備においてである。高い濃度で所望の材料の浄化されたサンプルを得るために、開始サンプルは、所望の一般的なPCR反応生成物を得るためにその後でPCR処理が実行される、例えば、PCRに対して準備されなければならない。次いで、一般的なPCR反応生成物は、例えば、サンガーシーケンシング処理の実行が後続する、サンガーシーケンシングに対して準備されなければならない。その後、マルチプレックスされたサンガーシーケンシング生成物は、ディマルチプレックスされなければならない。ディマルチプレキシングの後、最終サンガーシーケンシングは、更なる処理の準備ができている。しかしながら、事象のこのシーケンスは、数日または数週間にわたり発生する。更に、処理の技術的性質は、正確な結果を得るために高度な技能を有する人員を必要とする。
【0012】
単一の装置に様々な熱処理段階を統合するためにディスクベース装置を用いるアプローチは、高コストシリコン基板の使用およびディスクに埋め込まれた高コスト加熱および/または冷却システムの組込みを含んでいる多数の欠点の不利益を被る。その結果、ディスクのコストは、それらの広範囲に及ぶ使用に対してかなり高いものでありうる。例えば、国際公開WO98/07019号公報およびWO99/09394号公報を参照のこと。
【0013】
発明の要約
本発明はサンプル材料を処理するのため装置、システム、および方法を提供する。サンプル材料を装置内の複数のプロセスチャンバに配置することができ、サンプル材料を加熱しながら装置を回転させることができる。回転により公知のサンプル材料処理方法、システム、および装置に比べてさまざまな利点が得られる。
【0014】
プロセスチャンバ内でサンプル材料を加熱しながらに装置を回転させる利点の一つは、サンプル材料の温度が上昇して蒸発するにつれて、サンプル材料は通常上方へ、すなわち装置の回転軸に向かって上昇しようとすることである。しかし、一旦プロセスチャンバの外に出ると、気化したサンプル材料は冷却するにつれて凝縮する傾向がある。凝縮されたサンプル材料は回転により生じた遠心力のためにサンプル材料チャンバへ戻る。その結果、加熱中の回転によりサンプル材料が加熱されている間もプロセスチャンバにサンプル材料が残留しやすくなる。これは少量のサンプル材料および/または試薬を用いる場合に特に重要な利点である。
【0015】
別の利点として、例えば、処理中に装置が回転するために対流による冷却効果が向上する。その結果、サンプル材料から熱エネルギーが奪われるのを防ぐために例えばPeltier要素等を含む複雑なシステムだけに依存しなくてもサンプル材料の冷却が促進される。
【0016】
サンプル材料を加熱する間に装置を回転させるもう一つの潜在的な利点は、プロセスチャンバ内におけるサンプル材料の加熱の制御が改善される点である。例えば、装置の回転速度を上げると、サンプル材料の温度上昇が必然的に抑えられるため(例えば、加熱処理中に対流冷却が進むことにより)、加熱制御が向上しよう。装置の回転速度を変化させることもまた、例えば各プロセスチャンバに到達するエネルギーの量を制御するために利用できる。
【0017】
別の潜在的な利点は、加熱中に装置を回転させることにより、異なるプロセスチャンバにおけるサンプル材料の温度がより安定する点である。例えば、上で装置が回転しているベースプレート内の熱構造体に電磁気エネルギーを向けることにより加熱を実施している場合、電磁気エネルギー源により生じたホットスポットに起因して加熱が不均一になるのを防ぐのに回転が有用である。
【0018】
本発明の装置および方法その他の利点には、例えば人間のミスに起因して結果が変わることを無くしていくように、サンプル材料に対し複雑な熱処理を行なう機能が含まれる。さらに、例えば遺伝子の増殖のような生物サンプル材料の処理において、現在利用されている方法を実施するために操作員に求められる高い技能レベルよりも比較的技能レベルの低い操作員でもこの利点が実現できる。
【0019】
上述のように、本発明の装置、方法、およびシステムを熱制御する利点は、チャンバ同士の温度が均一であること、チャンバ間の熱伝導速度、およびプロセスチャンバに熱エネルギーを加えたり奪う速度が上昇する点も含んでいる。熱制御におけるこれらの利点に寄与する装置特徴として、装置内の反射層(例えば金属)、装置から熱エネルギーを奪いやすくするバッフル構造、および装置の熱量が低い点が含まれる。装置に熱インジケータおよび/またはアブソーバを含めることにより、処理中に装置が回転しているときでさえ、チャンバ温度の制御を改善することができる。
【0020】
本発明は、開始サンプル材料に対して異なるプロセスが連続的に実行できる連結プロセスチャンバを含む実施の形態において、最終製品を得るためにたとえ多段熱処理が必要であっても、開始サンプル材料から所望の最終製品を得たいというニーズに対する統一的な解決策を提供する。
【0021】
プロセスチャンバが装填チャンバ(開始サンプル材料が積載される)から多段化されている別の実施の形態において、単一の開始サンプル材料から多種類の最終サンプル材料を得ることが可能である。これら多種類の最終サンプル材料は同じサンプル材料であってよく、多段化プロセスチャンバは同じ最終サンプル材料を提供すべく設計されている。逆に、多種類の最終サンプル材料は単一の開始サンプル材料から得られた異なるサンプル材料であってもよい。
【0022】
金属層に形成された配送チャネルを含む装置の実施の形態の場合、金属層の延性は、選択された配送チャネルを閉じるかまたは押しつぶして装置を特定のテストプロトコル向けに適合させたり、より少量のサンプル材料向けに調整することが可能な点でさらに利点が得られる。プロセスチャンバにサンプル材料を配送した後で、配送チャネルを閉じるかまたは押しつぶして、プロセスチャンバを切り離すこともまた利点であろう。
【0023】
所望のプロセスチャンバの各々の一部を形成する反射層を含む実施の形態の場合、プロセスチャンバに含まれているサンプル材料の蛍光性またはその他の電磁気エネルギー信号が監視されているならば、本発明はまた信号強度が向上するという利点ももたらす。信号強度が向上するのは、反射(例:金属)層が監視されている電磁気エネルギーを吸収したり検出器から逃がしてしまうのではなく、反射する場合である。金属層が集束反射鏡(例:放物面反射鏡)の機能を果たす形状に形成されていれば、信号強度はさらに向上する。プロセスチャンバ内でサンプル材料を確認および/または加熱するために使われた電磁気エネルギーが反射層により反射される場合、プロセスチャンバ内のサンプル材料を通過する電磁気エネルギーの経路長を実効的に2倍にすることにより、その層はまた確認および/または加熱プロセスの効率も向上させる。
【0024】
金属層を含む本発明の実施の形態のさらなる利点は、金属層により強度対厚さの比率が比較的高い点である。この点は特に、熱処理装置を構築する際に専ら重合体材料に依存する装置と比較した場合に事実である。物理強度のほかに、金属層はまた有益なバリア特性、すなわち湿気蒸気の通気性に対する耐性をもたらす。金属層によるさらに別の利点は、サンプル材料を例えば装填チャンバに入れたり、あるいは、プロセスチャンバからサンプル材料(例えば最終サンプル材料)を取り除く際の貫通に対して破損しないという好適性である。
【0025】
キャプチャプラグを備えたフィルターチャンバを含む実施の形態の利点は、実行中の特定のプロセスに対して適切なフィルタリングサンプル材料を使用時点で加えることができる点である。例えば、遺伝子増殖のために装置が使用中の場合、特定サイズの核酸サンプル材料の通過を許すべく設計されたフィルターリングサンプル材料を、遺伝子サンプル材料を処理する前にフィルターチャンバに配送することができる。
【0026】
本発明のバルブ機構を含む実施の形態の利点は、装置に搭載されているチャンバと通路のアレイを通過するサンプル材料の動きを制御できる機能を含む。好適なバルブ機構のさらなる利点は、(例えばワックスバルブのように)サンプル材料を汚染しない点である。バルブ機構の別の利点は、サンプル材料処理中に装置が回転している状態で、例えばレーザーエネルギーを用いて選択的にバルブを開けることが可能な点である。
【0027】
制御パターンを含む本発明の実施の形態の利点は、本装置を採用したシステムで使われているハードウェアおよび/またはソフトウェアを変更する必要なしに本装置への電磁気エネルギーの提供を制御する機能や、例えばプロセスチャンバ内の変化の検出等その他の機能を含む。例えば、プロセスチャンバおよび/またはバルブに提供される電磁気エネルギーの量および/または周波数は、装置の制御パターンを用いて制御可能である。このような制御はさらに、装置の使用に付随する操作ミスを減らすことができる。
【0028】
本発明に関連して用いられる、“熱処理”(およびその変動)は、サンプル材料の温度を制御(例:維持する、上げる、下げる)して所望の反応を得ることを意味する。熱処理の一形式として、“熱サイクル”(およびその変動)は、2個以上の温度セットポイント間でサンプル材料の温度を連続的に変えて所望の反応を得ることを意味する。熱サイクルは、例えば、低温と高温の間を循環すること、および低温、高温、および少なくとも1個の中間温度の間を循環することが含まれる。
【0029】
本発明に関して用いる“電磁気エネルギー”(およびその変動)という用語は、物理的接触無しで発生源から所望の場所またはサンプル材料へ配送することが可能な電磁気エネルギー(波長/周波数にかかわらず)を意味する。電磁気エネルギーの非限定的な例としてレーザーエネルギー、無線周波数(RF)、超短波放射、光エネルギー(紫外線から赤外線までのスペクトルを含む)等を含む。電磁気エネルギーは、紫外線から赤外線放射までのスペクトル(可視スペクトルを含む)の範囲内のエネルギーに限定することが好適である。
【0030】
本発明はその一態様において熱サイクル処理を実施する方法を提供する。すなわち、複数のプロセスチャンバを含む装置を、複数のプロセスチャンバの各プロセスチャンバがサンプル材料を収容する容積を規定すべく提供し、上面と底面および熱構造体を含むベースプレートを提供し、ベースプレートの上面に接触すべく装置の第一の主面を配置して装置がベースプレートの上面と接触する場合に複数のプロセスチャンバの少なくとも何個かのプロセスチャンバを熱構造体と熱連通させ、複数のプロセスチャンバにサンプル材料を提供し、ベースプレートおよび装置を回転軸の回りに回転させながら電磁気エネルギーをベースプレートの底面に向けることにより熱構造体の温度を制御し、それによりサンプル材料の温度が制御されることによる。
【0031】
本発明は別の態様において熱サイクル処理を実施する方法を提供する。すなわち、複数のプロセスチャンバを含む装置を、複数のプロセスチャンバの各プロセスチャンバがサンプル材料を収容する容積を規定すべく提供し、上面と底面および少なくとも1個の熱電気モジュールを含む熱構造体を含むベースプレートを提供し、ベースプレートの上面に接触すべく装置の第一の主面を配置して装置がベースプレートの上面と接触する場合に複数のプロセスチャンバの少なくとも何個かのプロセスチャンバを熱構造体と熱連通させ、複数のプロセスチャンバにサンプル材料を提供し、ベースプレートおよび装置を回転軸の回りに回転させながら少なくとも1個の熱電気モジュールの温度を制御することにより熱構造体の温度を制御し、それによりサンプル材料の温度が制御されることによる。
【0032】
本発明は別の態様において熱サイクル処理を実施する方法を提供する。すなわち、複数のプロセスチャンバを含む装置を、複数のプロセスチャンバの各プロセスチャンバがサンプル材料を収容する容積を規定すべく提供し、複数のプロセスチャンバにサンプル材料を提供し、複数のプロセスチャンバに電磁気エネルギーを向けて複数のプロセスチャンバ内のサンプル材料の温度を上昇させ、複数のプロセスチャンバに電磁気エネルギーを向けながら装置を回転軸の回りに回転させることによる。ここに、装置が回転軸の回りに回転するにつれて複数のプロセスチャンバ内のサンプル材料の温度が制御される。
【0033】
本発明の別の態様においてサンプル材料を処理する方法を提供する。すなわち、装填チャンバおよび第一のプロセスチャンバを含む少なくとも1個のプロセスチャンバアレイを含む装置を提供し、サンプル材料が少なくとも1個のプロセスチャンバアレイの装填チャンバに提供されるべくサンプル材料を少なくとも1個のプロセスチャンバアレイに提供し、装置を回転軸の回りに回転させることにより、装填チャンバから第一のプロセスチャンバへサンプル材料を移送し、上面と底面および熱構造体を含むベースプレートを提供し、ベースプレートの上面に接触すべく装置の第一の主面を配置して装置がベースプレートの上面と接触する場合に少なくとも1個のプロセスチャンバアレイの第一のプロセスチャンバを熱構造体と熱連通させ、複数のプロセスチャンバにサンプル材料を提供し、ベースプレートおよび装置を回転軸の回りに回転させながら電磁気エネルギーをベースプレートの底面に向けることにより熱構造体の温度を制御し、それによりサンプル材料の温度が制御されることによる。
【0034】
本発明は別の態様において熱サイクル処理を実施する方法を含む。すなわち、複数のプロセスチャンバアレイを含む装置を、複数のプロセスチャンバアレイの各プロセスチャンバアレイが装填チャンバおよび第一のプロセスチャンバを含むべく提供し、上面と底面および熱構造体を含むベースプレートを提供し、ベースプレートの上面に接触すべく装置の第一の主面を配置して装置がベースプレートの上面と接触する場合に少なくとも1個のプロセスチャンバアレイの第一のプロセスチャンバを熱構造体と熱連通させ、サンプル材料が少なくとも1個のプロセスチャンバアレイの装填チャンバに提供されるべくサンプル材料を少なくとも1個のプロセスチャンバアレイに提供し、装置を回転軸の回りに回転させることにより、装填チャンバから少なくとも1個のプロセスチャンバアレイの第一のプロセスチャンバへサンプル材料を移送し、ベースプレートおよび装置を回転軸の回りに回転させながら電磁気エネルギーをベースプレートの底面に向けることにより熱構造体の温度を制御し、それによりサンプル材料の温度が制御されることによる。
【0035】
本発明は別の態様においてサンプル材料を処理する方法を提供する。すなわち、複数のプロセスチャンバアレイを含む装置を提供し、複数のプロセスチャンバアレイの各プロセスチャンバアレイは装填チャンバおよび第一のプロセスチャンバを含み、サンプル材料が少なくとも1個のプロセスチャンバアレイの装填チャンバに提供されるべくサンプル材料を少なくとも1個のプロセスチャンバアレイに提供し、装置を回転軸の回りに回転させることにより、装填チャンバから少なくとも1個のプロセスチャンバアレイの第一のプロセスチャンバへサンプル材料を移送し、少なくとも1個のプロセスチャンバアレイの第一のプロセスチャンバ内へ電磁気エネルギーを向けることにより少なくとも1個のプロセスチャンバアレイの第一のプロセスチャンバ内のサンプル材料の温度を上昇させ、少なくとも1個のプロセスチャンバアレイの第一のプロセスチャンバ内へ電磁気エネルギーを向けながら装置を回転軸の回りに回転させることによる。ここに、少なくとも1個のプロセスチャンバアレイの第一のプロセスチャンバ内のサンプル材料の温度は装置が回転軸の回りに回転するにつれて制御される。
【0036】
本発明の別の態様において、サンプル材料を処理するための装置を提供する。本装置は、第一および第二の主面を含む基体と、装置内に複数のプロセスチャンバと、複数のバルブとを含み、各プロセスチャンバはサンプル材料を収容する容積を規定し、少なくとも1個のバルブは選択されたプロセスチャンバ対の間に配置されていて、各バルブは不透過障壁を含み、各バルブの不透過障壁はプロセスチャンバの選択された対を分離する。
【0037】
本発明の別の態様において、サンプル材料を処理するための装置を提供する。本装置は、第一および第二の主面を含む基体と、装置内に複数のプロセスチャンバと、複数のバルブとを含み、各プロセスチャンバはサンプル材料を収容する容積を規定し、少なくとも1個のバルブは選択されたプロセスチャンバ対の間に配置されていて、
各バルブは形状記憶ポリマーを含む。
【0038】
本発明の別の態様において、サンプル材料を処理するための装置を提供する。本装置は、第一および第二の主面を含む基体と、装置内の複数のプロセスチャンバと、少なくともいくつかのプロセスチャンバの容積を規定するシールを含み、各プロセスチャンバはサンプル材料を収容する容積を規定し、シールは形状記憶ポリマーを含む。
【0039】
本発明の別の態様において、サンプル材料を処理するための装置を提供する。本装置は、第一および第二の主面を含む基体と、装置内の複数のプロセスチャンバと、装置に対する制御パターンを含み、各プロセスチャンバはサンプル材料を収容する容積を規定し、制御パターンは複数のプロセスチャンバの各々に関連付けられた少なくとも1個のインジケータを含み、各インジケータはそのインジケータに関連付けられた各プロセスチャンバ名へ配送される電磁気エネルギーを表わす少なくとも1個の特徴を有し、それにより選択されたプロセスチャンバへの電磁気エネルギーの配送が制御可能である。
【0040】
本発明は別の態様においてサンプル材料を処理するための方法を提供する。すなわち、複数のプロセスチャンバアレイを含む装置を提供し、各プロセスチャンバアレイは装填チャンバとプロセスチャンバを含み、少なくとも1個のプロセスチャンバアレイの装填チャンバにサンプル材料を提供し、装置を回転させることにより、装填チャンバからプロセスチャンバへサンプル材料を移送し、複数のプロセスチャンバに電磁気エネルギーを向けて複数のプロセスチャンバ内のプロセスチャンバに配置されたサンプル材料内に正磁気粒子を提供し、装置の近傍に磁石を配置し、サンプル材料内の正磁気粒子は回転中に磁石による磁場の影響下にあるように装置を回転させることによる。
【0041】
本発明の別の態様においてサンプルを処理するシステムを提供する。すなわち、回転ベースプレートと、ベースプレートに取り付けられた少なくとも1個の熱構造体と、熱構造体と熱連通している少なくとも1個の熱電気モジュールとを含み、少なくとも1個の熱構造体は上面と底面を含み、少なくとも1個の熱電気モジュールはベースプレートが回転中に熱構造体の温度を制御すべく構成されている。
【0042】
本発明の装置、システムおよび方法のこれらおよび他の特徴と利点について、本発明の実施の形態を図解しつつ以下に述べる。
【0043】
発明の例示的実施形態の詳細な説明
本発明は、熱処理、例えば、PCR増幅、リガーゼ鎖反応(LCR)、自立シーケンス複製、酵素運動学、均一配位子結合分析、およびより複雑な生化学または正確な熱制御および/または急速な熱変化を必要とするその他の処理のような感応化学処理を含む方法で用いることができる装置を提供する。装置は、例えば、反射層、バッフル構造、バルブ構造、捕獲プラグ、サーマルインジケータ、吸収材料、および装置の処理チャンバにおけるサンプル材料の急速かつ正確な熱処理を容易にするその他の材料またはコンポーネントを含むことができる。
【0044】
様々な装置の説明的実施形態の構造を以下に記述するが、本発明の原理による回転可能なサンプル処理装置は、2000年6月28日に出願された米国仮特許出願第60/214,508号;2000年6月28日に出願された米国仮特許出願第60/214,642号;および2001年4月18日に出願された米国仮特許出願第60/284,637号に記述された原理により製造することができる。その他の可能性がある装置構造は、例えば、2000年11月10日に出願された米国特許出願第09/710,184号および2001年1月6日に出願された米国仮特許出願第60/260,063号に見出すことができる。
【0045】
“上部”および“下部”のような相対的位置用語を本発明に関連して用いることができるが、それらの用語は、それらの相対的な感覚のみで用いられるということが理解されるべきである。例えば、本発明の装置に関連して用いられるときに、“上部”および“下部”は、装置の対向する側面を示すために用いられる。実際の使用では、“上部”および“下部”として記述される構成要素は、あらゆる配向または場所に見出すことができかつ方法、システム、および装置をある特定の配向または場所に限定するものと考えられるべきではない。例えば、装置の上部面は、使用中に装置の下部面の下に実際に配置することができる(それは、それにもかかわらず、下部面から装置の反対側に見出されるが)。
【0046】
本発明の原理により製造される一つの説明的装置を図1および2に示す。回転させることができるあらゆる他の形状を好適なディスクの代わりに用いることができるが、装置10は、図1に示すようなディスクの形状であるのが好ましい。図1および2の装置10は、基板20、第1の層30、および第2の層40を含んでいる、多層複合構造である。
【0047】
装置10は、それぞれがサンプルおよびサンプルと共に熱的にサイクルされるその他の材料を収容するためのボリュームを画定する、複数の処理チャンバ50を含む。本発明により製造された装置に関連して供給される処理チャンバの正確な数は希望により96個よりも多いかまたは少ないということが理解されるが、説明的装置10は、96個の処理チャンバ50を含む。
【0048】
本発明の装置における処理チャンバは、キャピラリー、通路、チャネル、溝、またはあらゆる他の適当に画定されたボリュームの形式で供給することができるが、説明的装置10の処理チャンバ50は、のチャンバの形式である。
【0049】
例えば、装置10の基板20、第1の層30および第2の層40は、その中に配置された構成成分が熱処理中に急速に加熱されるときに処理チャンバ50内に現われうる膨張力に抵抗するために十分な強度で取付けられるかまたは結合されることが好ましい。コンポーネント間の結合の強靭性は、装置10が熱サイクリング処理、例えば、PCR増幅に対して用いられるならば特に重要でありうる。かかる熱サイクリングに含まれる繰返し加熱および冷却は、装置10の側面間の結合により過酷な要求を提出しうる。コンポーネント間のより強靭な結合によって取り組まれる別の可能性がある問題は、コンポーネントを製造するために用いられる異なる材料の熱膨張係数における相違である。
【0050】
また、図2に示されているものは、処理チャンバ50内に配置された試薬52である。試薬52は、処理チャンバ50の表面に固定されうるのが好ましい。試薬52は、任意である、即ち、ある装置10は、処理チャンバ50に装填された試薬52を含みうるかまたは含まない。別の変形において、その他の処理チャンバが試薬を含まないが、処理チャンバ50のあるものは、試薬52を含みうる。更に別の変形では、異なる処理チャンバ50は、異なる試薬を含みうる。
【0051】
また、説明的装置10は、任意の位置決めシステムも含み、装置10が以下に詳述する処理方法中に回転されても、それによって異なる処理チャンバ50の位置を正確に決定することができる。位置決めシステムは、装置10に位置決め標識14の形式で供給されうる。別の代替位置決めシステムは、それを例えば、たった一つの配向に、回転スピンドルに取付けることができるように装置10を固定することを含みうる。かかるシステムでは、スピンドルの回転位置は、装置10の様々な特性の位置を示すであろう。その他の位置決めシステムは、当業者に知られている。
【0052】
処理チャンバ50は、装填チャンバ62と一緒に、処理チャンバ50にサンプルを分配するための分配システムを供給する、分配チャネル60に流体連通する。装填チャンバ62を通す装置10へのサンプルの導入は、サンプル材料が回転中に発生された遠心力により外に向って移動されるように回転の中心軸の回りに装置10を回転することによって達成されうる。装置10を回転する前に、サンプルは、分配チャネル60を通して処理チャンバ50に受け渡すために装填チャンバ62に導入することができる。処理チャンバ50および/または分配チャネル60は、それを通して空気を逃すことができるポートおよび/または処理チャンバ50へのサンプル材料の分配に役立つためのその他の特性を含むことができる。代替的に、アンプル材料は、真空または圧力の支援により処理チャンバ50に装填することができる。
【0053】
代替的に、処理チャンバ50にサンプル材料を受け渡すために用いられる分配システムは、“非排気”でありうる。本発明に関連して用いるように、“非排気式分配システム”は、分配チャネル60および処理チャンバ50のボリュームに導く開口だけが装填チャンバ62に配置されるような分配システム(即ち、処理チャンバアレイ)である。換言すると、非排気分配システム内の処理チャンバ50に届けるするために、サンプル材料を装填チャンバ62に受け渡さなければならない。同様に、また、サンプル材料に装填する前に分配システム内に配置された空気またはその他の流体も、装填チャンバ62を通して分配システムから逃がさなければならない。対照的に、排気式分配システムは、装填チャンバの外側に少なくとも一つの開口を含む。その開口は、処理チャンバ50へのサンプル材料の分配中に装填前に分配システム内に配置された空気またはその他の流体の逃しを許容する。
【0054】
非排気式分配システムを含むサンプル処理装置10内を通ってサンプル材料を移動させることは、回転中に装置10を交互に加速および減速することによって容易にすることができ、チャネル60を通りかつ処理チャンバ50の中にサンプル材料を基本的にバープする。回転は、少なくとも二つの加速/減速サイクル、即ち、初期加速、それに続いて減速、二回目の加速、そして二回目の減速を用いて実行することができる。
【0055】
加速および/または減速が急速であればそれは更に役立ちうる。また、回転は、一つの方向だけであるのが好ましい、即ち、装填処理中に回転の方向を逆にする必要はない。かかる装填処理は、サンプル材料に、システムへの開口よりも装置10の回転の中心からさらに離れて配置されるシステムのそれらの部分における空気を偏移させる。非排気式分配システム、即ち、ベントの外側に(放射状に)少なくともあるチャネルおよび処理チャンバを含んでいる分配システムの一つの利点は、それらのベントからの漏れを防ぐことである。
【0056】
実際の加速および減速レートは、温度、装置のサイズ、回転の軸からのサンプル材料の距離、装置を製造するために用いた材料、サンプル材料の特性(例えば、粘性)、等のような様々な要因に基づき変化することができる。有用な加速/減速処理の一つの例は、毎分約4000回転(rpm)までの初期加速、それに続いて、サンプル材料が所望の距離を移動するまで1秒間隔で1000rpmと4000rpmの間の装置の回転スピードにおける振動を伴う、約1秒の期間にわたる約1000rpmまでの減速、を含むことができる。
【0057】
図2に示す分配チャネル60は、説明的装置10の基板20に形成される。チャネル60は、処理チャンバ50に流体連通しかつ装填チャンバ62にも流体連通する。チャネル60は、様々な技法、好ましくはマイクロ複製技法によって形成することができる。適当なマイクロレプリケーション技法の例は、マイクロミーリング、射出成形、真空成形、レーザアブレーション、写真平版、熱成形、エンボシング、等を含む。
【0058】
説明的装置10は、互いに分離される二つのサブチャンバ64を有する装填チャンバ62を含む。その結果、異なるサンプルは、分配チャネル60を通して装填チャンバ62のそれぞれのサブチャンバ64に流体連通する処理チャンバ50に装填するために各サブチャネル64に導入することができる。装填チャンバ62は、たった一つのチャンバを含むことができるか、または所望の数のサブチャンバ64、即ち、2つ以上のサブチャンバ64を装置10に関連して供給することができるということが理解されるであろう。
【0059】
図2は、処理チャンバ50の一つおよび分配チャネル60を含んでいる装置10の部分の拡大断面図である。基板20は、第1の主要側面22および第2の主要側面24を含む。処理チャンバ50のそれぞれは、本実施形態において少なくとも部分的に、基板20を通して形成されたボイド26によって、形成される。図示したボイド26は、基板20の第1および第2の主要側面22および24を通して形成される。
【0060】
基板20は、高分子であるのが好ましいが、ガラス、シリコン、クォーツ、セラミックス、等のようなその他の材料で作成することができる。更に、基板20は、均質の、ワン−ピース統合体として示されているが、それは、例えば、同じまたは異なる材料の層の、非均一体として代替的に供給することができる。基板20が同じ材料と直接接触するそれらの装置10に対して、基板20に対して用いられる材料は、サンプル材料と非反応であるということが好ましい。多くの異なる生物学的分析応用の基板に用いることができる適当な高分子材料の例は、それらに限定されないが、ポリカーボネート、ポリプロピレン(例えば、アイソタクチックポリプロピレン)、ポリエチレン、ポリエステル、等を含むことができる。
【0061】
第1の層30は、説明的実施形態における基板20の一つの側に供給されかつ任意のパシベーション層32と任意の外側保護層36の間に配置された金属副層を含むのが好ましい。それゆえに第1の層30は、処理チャンバ50のボリュームの一部分を画定する。第2の層40は、処理チャンバ50のボリュームの残りの部分を画定するために基板20の反対側に供給される。
【0062】
処理チャンバ50のボリュームを画定している材料の少なくとも一部が選択された波長の電磁エネルギーに対して透過性であることが好ましい。選択された波長は、様々な要因、例えば、処理チャンバ50のサンプルを加熱および/またはインタロゲートするために設計された電磁エネルギー、サンプルから放射された電磁エネルギー(例えば、蛍光)、等によって決定することができる。
【0063】
第1の層30が金属副層34を含む、装置10において、装置10の第2の層40に対して用いられる材料は、選択された波長の電磁エネルギーを透過することが好ましい。透過性処理チャンバ50を供給することによって、チャンバのサンプルは、(望ましいならば)選択された波長の電磁エネルギーによってインタロゲートすることができるしかつ/またはサンプルから放射する選択された波長の電磁エネルギーは、それを適当な技法および装置によって検出することができる処理チャンバ50から外に透過することができる。例えば、電磁エネルギーは、自然にまたは外部励起に応答して放出することができる。また、透過性処理チャンバ50は、アクティビティの色彩変化またはその他のインジケータまたは処理チャンバ50内の変化のような、その他の検出技法を用いて監視することができる。
【0064】
しかしながら、ある例では、処理チャンバへの選択された波長の電磁エネルギーの透過を防ぐことが望ましい。例えば、エネルギーが処理チャンバ内に配置された試薬、サンプル材料等に不都合に影響を与えうる処理チャンバへの紫外線スペクトルの電磁エネルギーの透過を防ぐことが好ましい。
【0065】
図2に示した装置では、第1の層30は、第1の層30が、処理チャンバ50の内部ボリュームに対向している少なくとも面37上のほかの点では平坦な面からはずれるような構造を含むのが好ましい。例えば、第1の層30は、所望の形状を有する内部表面37を生成するためにキャストされ、成形され、熱成形され、エンボスされないしは他の方法で製造されうる。処理チャンバ50のボリュームに対向している内部表面37の形状は、その表面から反射される電磁エネルギーの集束が結果としてもたらされうるように凹面(例えば、パラボリック)であることが好ましいが、第1の層30に形成された構造の形状は、変化しうる。
【0066】
また、第1の層30の外部表面、即ち、基板20から離れるように対向する面が、装置10を回転するときに空気流が第1の層30にわたり分裂されるようなバッフル構造38を含むことが好ましい。第1の層30にわたり空気流を分裂することによって、周囲の大気への第1の層30からのエネルギーの伝熱は、強化されうる。バッフル構造38の形状は、代替的に、内部表面37の形状とは異なりうるが、図示した第1の層30は、金属副層34の内部表面37の形状に対応する形状を有するバッフル構造38を含む。
【0067】
金属副層34は、金属副層34で用いられる金属によるサンプルの汚染を防ぐために処理チャンバ5−の内部ボリュームに露出されないのが好ましい。任意のパシベーション層32は、処理チャンバ50の内部ボリュームへの金属副層34の露出を防ぐために設けられる。パシベーション層32に用いられる材料は、例えば、接着剤、ヒートシール、等により金属副層34および基板20に対して用いられる材料の両方への安全な取付けが可能であるように構成されるのが好ましい。また、パシベーション層32に対して用いられる材料は、処理チャンバ50内に配置されたサンプルの材料と非活性であるのが好ましい。パシベーション層32に対する適当な材料の例は、それらの限定されないが、熱可塑性プラスチック、ポリプロピレン(例えば、アイソタクチックポリプロピレン)、ポリエチレン、ポリエステル、等を含むことができる。
【0068】
パシベーション層32は、単一の均質構造として示されるが、それは、同じかまたは異なる材料の二つ以上の層として形成することができる。例えば、接着増進層は、例えば、金属副層34への、パシベーション層32の接着を強化するために用いることができる。接着増進層は、例えば、熱シール可能な、圧力感応接着剤、ホットメルト接着剤、修正可能接着剤、等、でありうる。
【0069】
更に、パシベーション層32は、金属副層34と実質的に同延であるのが好ましいが、パシベーション層32は、処理チャンバ50の内部への金属副層34の露出を防ぐ不連続パターンにより、金属副層34に不連続パターンで設けることができる。
【0070】
また、パシベーション層32の材料および/または厚みは、著しい吸収または拡散なしで下にある金属副層34からの反射を許容するために選択された波長の電磁エネルギーを透過するように選択されるのが好ましい。これは、金属副層34の内部表面の形状が電磁エネルギーの集束を供給するために設計されるようなところでは、特にそうでありうる。また、パシベーション層32は、処理チャンバ50のサンプル材料から金属副層34への熱エネルギーの伝熱が実質的に抑制されないように(エネルギーが大気中または別の構造に発散できるように)比較的薄いのが好ましい。例えば、パシベーション層32がアイソタクチックポリプロピレンであるところでは、層32は、約0.005インチ(0.13mm)以下であるのが好ましく、約0.002インチ(0.05mm)以下であるのがより好ましい。
【0071】
金属副層34は、様々な形式を取り得る。層34は、単一の、均質構造として示されているが、それは、二つ以上の層の多層構造として設けることができる。金属副層34は、本質的に一つ以上の金属で構成されることが好ましい。金属副層34で用いることができる適当な金属の例は、アルミニウム、ステンレス、銅、チタン、銀、金、錫、等を含む。金属副層34の一つの可能性がある利点は、金属層が装置10のホットスポットから熱を遠ざけるかクールスポットに熱を伝えることによって処理チャンバ50間の温度を平衡させることの役に立つことができるということである。
【0072】
層34の厚みは、処理チャンバ50のサンプルの急速な熱サイクリングを容易にするために比較的低い熱質量を供給するように選択することができる。しかしながら、金属副層34の低い熱質量に対する要望は、多数の要因によって均衡を保つことができる。
【0073】
例えば、低い熱質量を有する金属副層34に対する要望は、装置10にわたる、例えば、チャンバ50間の熱伝導率に対する要望によって均衡を保つことができる。装置10にわたるその熱伝導率は、チャンバトゥチャンバ温度均一性、並びに比較可能なチャンバトゥチャンバ温度遷移レートに寄与することができる。
【0074】
低減された熱質量に対する要望との均衡を保つための別の要因は、第1の層30の保全性に対する必要性である。多くの装置10では、金属副層34は、第1の層30の構造的保全性の、かなりの部分を、または大部分を供給することができる。あまりにも薄いかまたは間違った金属で製造された金属副層34は、装置10に対する十分な保全性を供給することができない。例えば、金属副層34が処理チャンバ50、分配チャネル(図3参照)、バッフル構造38、等の形成に役に立つように形成される(例えば、打ち抜かれる、等)ならば、金属およびその厚みは、かかる処理に対して従順であるべきである。
【0075】
また、金属副層34で用いられる金属バリヤー特性およびその厚みは、低減された熱質量に対する要望に対して均衡を保つ必要がありうる。例えば、金属副層34は、処理チャンバ50で行われる熱処理に応じて十分な防湿層特性を供給するためにまたは例えば、湿気感応試薬52が処理チャンバ50内に予め装填される装置10の貯蔵寿命を増大するために十分に厚いことが必要でありうる。
【0076】
金属副層34の厚みおよびそれの金属を選択するときに考慮すべき更に別の要因は、反射率に対する必要性である。金属副層があまりにも薄いしかつ/または間違った金属で形成されるならば、それは、電磁エネルギーの選択された波長に対して十分な反射率を示すことができない。
【0077】
上述した懸念の全ての均衡を保つときに、金属副層34の厚みは、好ましくは約0.04インチ(1mm)以下、より好ましくは約0.02インチ(0.5mm)以下、更に好ましくは約0.010インチ(0.25mm)以下であるということが好ましい。範囲の下端では、金属副層34の厚みは、装置10の第1の層30に所望の反射率および/または構造保全性を供給することで十分であるのが好ましい。例えば、金属副層34が少なくとも約0.0005インチ(0.013mm)の厚さ、より好ましくは少なくとも約0.001インチ(0.025mm)の厚み、さらに好ましくは約0.003インチ(0.075mm)であるということが好ましい。
【0078】
金属副層34に対する適切な厚みの実際の範囲は、少なくとも部分的に、層を形成するために用いる金属の熱特性に依存しうる。層34がアルミニウムで形成されるところでは、層34は、例えば、約0.025ミリメーター(mm)から約0.25mmの範囲の厚みを有するのが好ましい。
【0079】
代替として、本発明の装置で所望される反射特性は、非金属反射材料によって供給されうる。例えば、多層高分子薄膜は、所望の反射率を供給するためにまたは本発明の装置で用いられる金属層の反射率を強化するために用いうる。本発明に関して有用でありうる反射高分子薄膜は、米国特許第5,882,774号公報;米国特許第6,101,032号公報;および国際公開WO99/36809号公報、WO99/36810号公報、WO99/36812号公報、WO99/36248号公報、およびWO99/36258号公報、に記述されている。
【0080】
また、図2に示されているものは、処理チャンバ50から離れるように対向する金属副層34の表面に設けられた任意の保護層36である。保護層36は、金属副層34の保全性を保護することができるしかつ/または装置10の靭性を増大することができる。保護層36の別の可能性がある利点は、(金属副層34からの熱エネルギー転移のレートに不利な影響を及ぼしうる)金属副層34の酸化の低減または防止である。
【0081】
金属副層の一つの側に外部保護層および金属レイヤーの他の側にパシベーション層の両方を供給することの更に別の利点は、第1の層30の成形性が改善されうるということである。例えば、金属副層34を含んでいる装置の側が処理チャンバ、分配チャネル、バッフル構造、またはその他の特性を供給するために形成されるならば(例えば、図3参照)、金属副層を含んでいる側の成形性は、金属副層が両側でカバーされるならば改善することができる。これは、成形(例えば、プラグ成形、真空成形、熱成形、等)を含む形成処理で特にそうでありうる。
【0082】
保護層36に対して用いられる厚みおよび材料は、層36が金属副層34からの熱エネルギーの転移に実質的に影響を及ぼさないようであるのが好ましい。一つの適当な保護層36の例は、約0.001インチ(0.0025mm)の厚みを有するエポキシの薄いコーティングである。非金属保護層材料のその他の例は、それらに限定されないが、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、等を含む。
【0083】
第1の層30に対する上記規準の多くに合致しうる一つの生成物は、呼称AB−0559としてニューヨーク州、ローチェスタのMarsh Biomedical Products,Inc.から市販されている熱シール金属箔である。
【0084】
図3は、本発明による装置110の別の説明的実施形態の拡大部分断面図であり、その第2の層140が図4に供給された平面図に図示されている。装置110は、上述した装置10と略同じ方法で構築された基板120、第1の層130および第2の層140を含む。装置110の第1の層130は、装置10の任意の外部保護層を含まないが、パシベーション層132および金属副層134で構築されるのが好ましいということに注目すべきである。
【0085】
装置10と装置110との間のその他の相違の中では、処理チャンバ150に流体連通する分配チャネル160が第1の層130における構造体として主に形成されることである。また、第1の層130のチャネル160を形成するために必要な構造体は、装置110の下部にバッフル構造体138を供給することもできる。下部層130に形成されたバッフル138は、処理チャンバ150にサンプル材料を分配するために必要な分配チャネル160の形式を取ることができる。かかるパターンの一例は、図1のチャネル60によって図示される。
【0086】
別の相違は、第2の層140が、装置が回転されるときに装置110にわたり空気流における乱流を増大するように設計されたバッフル構造体142も含むことができるということである。バッフル142は、図3および4に示される。カバー層140の図示したバッフル142は、装置110で放射状にアレイされるが、それらは、装置110からの熱転移を改善する乱流またはその他の流れを増大するように設計されるパターンで設けることができるということが分るであろう。バッフル142は、第2の層140と統合することができるかまたはそれらは、第2の層140に接着されたかそうでなければ取付けられた個別の物品として設けることができる。
【0087】
本発明の装置に関してこれまで説明したバッフル構造体の一つの変形を図4Aおよび4Bに示す。装置の実質的に表面全体にわたり乱空気流を誘導するよりも、装置110’の選択された部分にわたり制御された空気流を供給することが望ましい。その選択された部分は、例えば、図4Aおよび4Bに示したような処理チャンバ150’を含むのが好ましい。ある実施形態では、個々のバッフル構造138’を有する処理チャンバ150’のあるものまたは全てを供給することが好ましい。
【0088】
実質的に装置の表面全体にわたり乱流を増大する構造体を供給することとは対照的に、図4Aおよび4Bに示したバッフル構造体138’は、選択された領域における空気流に対して更なる制御を供給することができる。多数のバッフル構造体138’が設けられたところでは、しかしながら、最終結果は、それでもまだ、実質的に装置の表面全体にわたる乱流でありうる。
【0089】
バッフル構造体138’は、指向性である、即ち、装置110’が矢印139’の方向に移動されるときに、空気流は、フェアリング141’およびダイバーター142’によって処理チャンバ150’にわたりおよび/またはその回りに迂回させられる。その結果、バッフル構造体138’は、処理チャンバ150’にわたり比較的流れない空気のプールを生成することができ、それによって処理チャンバ150’が所望の温度に加熱されうる速さを潜在的に改善する。
【0090】
装置110’が図4Bの矢印139’’によって示されるような反対方向に回転されるときには、処理チャンバ150’にわたる空気流は、ダイバーター142’が空気を捕獲または掬い取るように動作しかつ処理チャンバ150’にわたりそれを導くときに強化されうる。バッフル構造体138’は、図4Aの方向139’とは反対方向である、方向139’’に回転されたときに処理チャンバ150’の対流空気冷却を強化することができる。その強化された対流冷却は、指向性バッフル構造体なしで回転された装置と比較して処理チャンバ150’からの増大された熱エネルギー転移を供給する。
【0091】
フェアリング141’は、処理チャンバ150’にわたる空気流を強化するために方向139’’に回転されたときに狭い前縁を含むのが好ましい。図4Aおよび4Bに示したものの代わりに多くの代替構造体を用いることができる。例えば、比較的空力形状のフェアリング141’は、例えば、あまり空力的ではないが、処理チャンバ150’にわたり所望の流れない空気のプールを生成するために有効的である一つ以上のポストまたはその他の構造体によって置き換えることができる。同様に、ダイバーター142’は、一つの方向における空気流および反対方向における空気流の集中度からの所望の保護を供給するあらゆる適当なフォームで供給することができる。
【0092】
図5は、図3および4の装置110の別の拡大部分断面図である。この図は、例えば、処理チャンバ150にサンプル材料が装填された後に装置110の処理チャンバ150間の相互汚染または拡散を防ぐために処理チャンバ150をシールまたは分離するための一つの技法を示す。図示した技法は、基板120に対して第1の層130を圧縮することによってチャネル160を閉じ込めることを含む。チャネル160のシーリングは、即ち、チャネル160を単に押し潰すことによって、機械的に達成することができるか、またはそれは、基板120への第1の層130の接着を強化するために熱の適用によって達成することができる。代替的に、十分な分離は、サンプル材料が遠心力によって処理チャンバに維持されるように、処理中に装置を連続的に回転させることによって達成することができる。
【0093】
分配チャネルのシーリングは、サンプル材料の分配の後に処理チャンバを分離することに加えて様々な目的に対して実行することができる。例えば、選択された分配チャネルは、分配システムに流体連通したままである処理チャンバを満たすために必要なサンプル材料のボリュームを低減するためにサンプル材料の分配の前にシールすることができる。別のアプローチでは、装置を用いて実行される検査は、処理チャンバにサンプル材料を分配する前に選択された分配チャネルをシールすることによって特注することができる。
【0094】
図6〜8は、本発明により製造された装置210の更に別の説明的実施形態を示す。装置210は、基板220、第1の層230および第2の層240を含む。装置210の一つの縁の部分の斜視図である、図6は、第1の層230に設けられたバッフル238および第2の層240に設けられたバッフル242を図示する。結果として、装置210の両方の主要側面は、それらの面にわたり乱流を増大するために、少なくとも一つのバルフ、好ましくは二つ以上のバッフルを含む。
【0095】
図7を参照すると、装置210の部分の平面図は、処理チャンバ250および処理チャンバ250に流体連通する分配チャネル260を含んでいる。図8は、図7の線8−8に沿った断面図であり、かつ適当な技法、好ましくはマイクロレプリケーション技法によって両方が基板220に形成される、処理チャンバ250および分配チャネル260を図示する。適当なマイクロレプリケーション技法の例は、マイクロミーリング、射出成形、真空成形、レーザアブレーション、写真平版、熱成形、エンボシング、等を含む。処理チャンバ250は、基板220を通して形成されたボイドによって主に形成される。代替的に、処理チャンバ250は、基板220の厚みの一部分だけを通して形成された窪みによって形成することができる。
【0096】
装置210の第1の層230は、上記の装置10および110に関連して説明したような金属または金属副層を含みうるしまたは含まない。また、図8に示したものは、第1の層230のバッフル238および第2の層240のバッフル242である。
【0097】
本発明による装置を用いて熱サイクリング処理を達成するための一つの説明的なシステムは、図9に略図的に示される。システム300は、軸312の回りに装置を回転させるスピンドル314に配置された装置310を含む。装置は、サンプル材料が、例えば、上述したような分配チャネルまたはその他の適当な技法および/または構造によってその中に分配される処理チャンバ350を含む。
【0098】
処理チャンバへのサンプル材料の分配の後、個々のチャンバ350は、処理チャンバ350の材料を加熱する電磁エネルギー源370によって供給された適当な電磁エネルギーによって選択的に加熱することができる。電磁エネルギー源370は、装置310から離れていること、即ち、それが装置310に配置されていないことが好ましい。適当な電磁エネルギー源の例は、それらに限定されないが、レーザ、広帯域電磁エネルギー源(例えば、白色光)、等を含むことができる。電磁エネルギー源370は、様々な要因、例えば、サンプル材料の所望の温度、熱エネルギーが各処理チャンバから除去されるレート、温度変更の所望のレート、処理チャンバが反射コンポーネントを含むかどうか、等に基づき連続的または断続的に電磁エネルギーを供給することができる。電磁エネルギー源370がサイクルされるかそうでなければ変化されるならば、上述した位置決めシステムは、選択された処理チャンバに選択された量の電磁エネルギーを受け渡すために用いることができる。
【0099】
装置310が回転するときに、装置310の表面にわたる空気流が、サンプル材料がソース370からの電磁エネルギーによって加熱される上方目標温度から選択された基準温度に処理チャンバ350のサンプル材料を冷却することの役に立つことが好ましい。あるシステムでは、装置310の一つまたは両方の表面は、冷却することの役に立つために大気に露出することもできる。しかしながら、システム300は、低い温度に保持することができる任意のベースプレート380を含む。ベースプレート380に接触したままで装置310の下部を保持することによって、それは、装置310が処理中に回転するときに加熱サイクル間で処理チャンバ350のサンプル材料を冷却することの役に立つことが可能である。ベースプレート380が熱制御の役に立つために用いられるならば、ベースプレートと装置310との間の熱伝導率を改善するためにベースプレート380の近傍に金属層を組み入れている装置310を用いることは、有用でありうる。
【0100】
その他のシステムでは、ベースプレート380を通して処理チャンバの加熱および冷却の両方を促進することが望ましいであろう。例えば、加熱および冷却は、処理チャンバ350のそれぞれの下にあるベースプレート380に熱電モジュール(例えば、ペルチエ素子、抵抗加熱装置、等)を組み入れることによって容易にすることができる。熱電モジュールは、処理チャンバ350の下に配置されたリングの形式で供給することができるかまたは多数の個々の熱電モジュールは、ベースプレート380に関連して用いることができる。ベースプレート380を用いる処理チャンバ350の加熱は、処理チャンバ350のより速い加熱および/またはより均一な温度分布を供給するために電磁エネルギー源370を用いて加熱に関連して実行することができる。それゆえに、サンプル材料温度に対する制御は、処理チャンバ350に電磁エネルギーを同時に受け渡しかつその上に処理チャンバ350が配置される熱電モジュールの温度を制御することによって達成することができる。
【0101】
また、図9に示すシステム300は、流体源382の形式、例えば、装置310の表面に導くことができる加圧空気またはその他の適当な流体の任意の追加温度制御機構も含む。用いられる流体は、所望の温度に加熱または冷却することができる。上方および下方温度間でサンプル材料をサイクルすることが望ましいところでは、流体は、下方温度に供給することができる。装置310の一つの表面だけに導くように示されているが、望ましいならば流体は、装置の両面に導くことができるということが理解されるであろう。
【0102】
また、システム300は、処理チャンバ350のサンプル材料の処理の結果を検出するために設けられる検出システム390のような様々なその他のコンポーネントも含むことができる。例えば、検出システムおよび方法は、装置310が回転するときにチャンバにおける蛍光反応生成物を検出するために処理チャンバ350のアクティブインタロゲーションを含むことができる。検出は、質的または量的でありうる。その他の検出システムは、例えば、処理チャンバ350における材料の温度またはその他の特性を監視するために設けることができる。
【0103】
熱サイクリング方法が実行されるときに、処理チャンバ350内の温度は、チャンバ350へのエネルギーの適用を制御するために監視することができる。装置310のサンプル材料温度を制御するために操作できる変数中には、レーザまたはその他の光源の強度、(レーザまたはその他の光源の処理チャンバのそれぞれの冷却レートおよび休止時間に影響を及ぼすことができる)装置310の回転速度、ベースプレート380(またはベースプレート380に配置された熱電モジュールのようなコンポーネント)の温度、流体源382の温度および圧力を含む。
【0104】
装置310が非排気式分配システムを含むならば、加熱中に装置310を回転することの別の利点は、サンプル材料の温度が上昇しかつ蒸気が形成されると、それは、上流に向って、即ち、(分配システムへの唯一の開口が配置される)装置310の回転の軸に向って移動しなけらばならないということである。しかしながら、チャンバ350の外側に一度出たならば、熱エネルギーが放散し、蒸気を凝縮させる。次いで、凝結されたサンプル材料は、回転によって供給される遠心力によりサンプルチャンバ350に戻される。最終結果は、気化をもたらしうる急速な加熱中でも、サンプル材料が、殆の部分に対して、処理チャンバ350に保持されるということである。
【0105】
図9Aおよび9Bは、電磁エネルギーを吸収する材料で構築されるのが好ましい少なくとも一つの熱構造体384’を含む代替ベースプレート380’を示す。熱構造体384’は、熱構造体384’の加熱または冷却がそれらの処理チャンバにおいて対応する温度変化をもたらすことができるように(図9B参照)装置310’の処理チャンバの少なくとものあるものに熱連通である。図示した実施形態では、熱構造体384’は、装置310’の底面およびそれに含まれる処理チャンバの少なくともあるものと接触して配置される。
【0106】
熱構造体384’は、図示した実施形態では、装置310’から熱構造体384’の反対側に配置される、電磁エネルギー源370’によって加熱されるのが好ましい。電磁エネルギー源370’は、熱構造体384’の底面に電磁エネルギーを導く。熱構造体384’は、ソース370’からの電磁エネルギーの少なくともあるものを吸収しかつ(熱構造体384’の温度が増大するように)その電磁エネルギーを熱エネルギーに変換する。熱構造体384’の熱エネルギーは、主に伝導によって装置310’と熱構造体384’との間で転移される。
【0107】
ベースプレート380’は、二つの熱構造体384’を伴って示されるが、ベースプレート380’は、熱エネルギーを装置310’の選択された処理チャンバにまたはそれらから転移するために必要なあらゆる数の熱構造体384’を含むことができるということが理解されるであろう。更に、一つよりも多くの熱構造体384’が設けられるところでは、異なる個々の熱構造体384’間でかなりの量の熱エネルギーが転移されないように熱構造体384’は、互いに独立であるということが好ましい。
【0108】
電磁エネルギー源370’は、一度に一つの熱構造体384’だけに電磁エネルギーを供給する形式でありうるか、またはそれは、二つ以上の熱構造体384’を同時に加熱することができるように構成されうる。異なる時間に異なる熱構造体384’の加熱が望ましいならば、選択された時間、等に必要な熱構造体384’に電磁エネルギーを供給するシャッタリングシステムを供給するために、それが加熱される熱構造体384’に対向して配置されるように単一のエネルギー源370’を移動するために、各熱構造体384’専用の別個の電磁エネルギー源370’を供給することが望ましいであろう。
【0109】
熱構造体384’は、十分な熱伝導率を有しかつ電磁エネルギー源370’によって発生された電磁エネルギーを吸収する材料を供給することにより、様々な材料で構築することができる。更に、熱構造体384’に用いられる材料は、熱キャパシタンス効果を供給するために十分な熱容量を有するということが望ましい。例は、それらに限定されないが、アルミニウム、銅、金、等を含む。熱構造体384’が、それら自体、十分なレートで電磁エネルギーを吸収しない材料で構築されるならば、熱構造体384’は、エネルギー吸収を改善する材料を含むことが好ましい。例えば、熱構造体384’は、、カーボンブラック、ポリピルロール、インク、等のような電磁エネルギー吸収材料で被覆することができる。
【0110】
電磁エネルギー源370’に関連して熱構造体384’を用いることの一つの可能性がある利点は、電磁エネルギー源と装置310’の処理チャンバ内に配置された試薬またはその他の材料との間の適合性を改善することができるということである。熱構造体384’は、ソース370’によって生成された電磁エネルギーに対して不透明であるのが好ましい。その結果、処理チャンバ内の材料は、ある場合には、所望の反応に対して不利益でありうる電磁エネルギーへの直接露出から実質的に保護することができる。
【0111】
熱構造体384’は、サブプレート386’の上部面に配置されるように示されているが、熱構造体384’を組み入れるあらゆる適当な設計を用いることができるということが理解されるであろう。例えば、熱構造体384’は、サブプレート386’に埋め込むことができるかまたは(例えば、一連のラジアル支柱またはその他の構造体によって相互接続される熱構造体384’を有する)サブプレート386’を設けることができない。しかしながら、サブプレート386’が用いられるところでは、それは、所望の熱的加熱効果を供給するために電磁エネルギーが熱構造体384’に到達することができるように、電磁エネルギーに対して透過的であるのが好ましい。
【0112】
代替的に、サブプレート386’は、電磁エネルギー源370’によって供給される電磁エネルギーに熱構造体384’の選択された部分を露出する開口を含むことができる。サブプレート386’が熱構造体384’の底面を露出するための開口を含むところでは、サブプレート386’の材料は、電磁源370’からの電磁放射に対して不透明でありうる。
【0113】
熱構造体384’は、(もしあれば)熱構造体384’の限定された量の熱エネルギーだけがサブプレート386’に転移されるようにサブプレート386’から比較的熱的に分離されることが更に望ましい。その熱的分離は、例えば、限定された量の熱エネルギーだけを吸収する材料、例えば、高分子、等のサブプレート386’を製造することによって達成することができる。
【0114】
また、ベースプレート380’は、熱構造体384’の温度を検出するためのセンサを任意に含むことができる。図9Aおよび9Bは、熱構造体384’と接触して配置された二つのセンサ388’を示しかつセンサ388’からの情報は、熱構造体384’の加熱および冷却の両方に対するシステム制御の一部として電磁エネルギー源370’によって供給されるエネルギーの量を制御するためまたはベースプレート380’の回転のレートおよび/または継続時間を制御するために用いることができる。代替的に、熱構造体温度または装置310’の処理チャンバ内の温度は、例えば、赤外線放射、等によって遠隔的に監視することができる。
【0115】
図9Aおよび9Bのベースプレート380’は、実質的に連続した環状リングの形式の熱構造体384’を含むが、熱構造体384’は、伝導によって加熱されるような装置310’の処理チャンバの下に配置された、一連の不連続熱素子、例えば、円、正方形として代替的に供給することができる。しかしながら、連続リング熱構造体の一つの利点は、各熱構造体384’の温度が加熱中に平衡することができ、それによって、連続的熱構造体の上に配置された全ての処理チャンバに対するチャンバトゥチャンバ温度均一性を潜在的に改善する、ということである。
【0116】
ベースプレート380’を用いる方法は、多くの態様において、ベースプレート380’の熱構造体384’に導かれる電磁エネルギー源370’の追加を伴う、上述したシステム300の使用に類似する。電磁エネルギー源370’によって供給されるエネルギーは、(例えば、ソース370’のパワー出力を変化させること、シャッターシステムを供給すること、等によって)処理チャンバにおいて所望の温度を得るために制御することができる。
【0117】
ベースプレート380’の熱構造体384’を用いる処理チャンバの加熱は、装置310’における処理チャンバのより速い加熱および/またはより均一な温度分布を供給するために装置310’の上に配置された電磁エネルギー源を用いる加熱に関連して実行することができる。かかるシステムおよび方法では、処理チャンバが熱構造体384’を用いて下からの熱エネルギー伝導によって同時に加熱される間に、電磁放射を処理チャンバに直接受け渡すことができる(図9に示すシステムおよび方法を参照)。別の代替では、装置310’の処理チャンバは、熱構造体384’だけを用いて、即ち、装置310’の上に配置された電磁エネルギー源370を、例えば、用いて処理チャンバに直接電磁エネルギーを導くことの必要性なしに、加熱することができる。
【0118】
図9Cに示したさらに別の変形では、ベースプレート380’’の底部が示される。一連の開口383’’は、支柱385’’によって分離された開口383’’を有するベースプレート380’’の底部に供給される。熱構造体384’’の底面は、上述したように熱構造体384’’に導かれた電磁エネルギーを吸収しかつ熱エネルギーに変換することができるように開口383’’内に露出される。
【0119】
また、図9Cに示されるのは、熱構造体384’’に取付けられるかまたはその内に埋め込まれる熱電モジュール388’’である。熱電モジュール388’’は、例えば、ペルチエ素子、抵抗加熱装置、等の形式で供給することができる。多数の熱電モジュール388’’が示されているが、単一の熱電モジュールを代替的に設けることができる。
【0120】
ベースプレート380’’により、熱構造体384’の温度に対する制御は、熱電モジュール38’’の温度だけまたは熱構造体384’の底面に導かれる電磁エネルギーとの組合せで制御することによって達成することができる。熱構造体384’’の温度が熱電モジュール388’’だけの温度を制御することによって制御されるようなところでは(即ち、熱構造体384’’が、熱構造体384’’の底面に導かれた電磁エネルギーを熱エネルギーに変換することによって加熱されないようなところでは)、熱構造体384’’を製造するために選択された材料は、電磁エネルギーを吸収するために材料の機能に対して与えられた考慮なしで、それらの熱伝導率に基づき選択することができる。適当な材料は、それらに限定されないが、例えば、(例えば、アルミニウム、金、銅、等のような)金属を含むことができる。
【0121】
熱電モジュール388’’を熱構造体384’’との組合せることによって、利点は、熱構造体384’’が、個々の熱電モジュール388’’の動作特性における変動を平衡させるためのシンクとしての役目をするときに改善された温度均一性の形式で得ることができる。
【0122】
熱電モジュール388’’は、熱構造体384’’の上に配置された装置の処理チャンバにおけるサンプル材料の温度を制御することにおける別のオプションを供給する。熱電モジュール388’’は、3つの熱源を供給するために電磁エネルギーを処理チャンバに導くことおよび熱構造体384’’に電磁エネルギーを導くことに加えて用いることができる。代替的に、熱電モジュール388’’は、ベースプレート380’’の上に配置された装置の処理チャンバを加熱するためだけに用いることができるかまたはそれらは、熱構造体384’’の底面に導かれた電磁エネルギーの欠如において)装置の処理チャンバへの直接的な電磁エネルギーの受け渡しに関連して用いることができる。
【0123】
最終結果は、処理チャンバに直接的に電磁エネルギーを供給する機能、装置の処理チャンバへの伝導のために衝突する電磁エネルギーを熱エネルギーに変換することができる熱構造体、および熱構造体(および、その結果、熱構造体に熱連通するあらゆる処理チャンバ)の温度を制御するためにその温度を制御することができる熱電モジュールを有しているシステムである。その結果、ベースプレートに配置された装置の処理チャンバ内のサンプル材料に対する温度制御は、様々な方法で達成することができる。
【0124】
本発明による代替装置410の部分断面図を示す、図10をここで参照すると、温度感知材料454は、装置410の処理チャンバ450内に配置することができる。可能性がある温度感知材料454の中では、熱変色性染料、温度−感知蛍光材料、比色相転移を有する液晶材料、等を組み入れる構造体である。これらの材料が処理チャンバ450におけるあらゆるサンプル材料と直接接触しかつ、図示した実施形態では、温度感知材料454は、処理チャンバ450の少なくとも一部分を取り囲むということが望ましい。しかしながら、かかる温度感知材料454を供給するための多くのその他の構造および技法は、図10に図示されたものに対して置き換えることができる。例えば、基板430または第1の層430の一部分は、温度感知材料でドープまたは覆うことができる。
【0125】
別の可能性がある温度感知材料の使用が図10Aに示され、そこでは、液晶材料(この例では薄膜の形式で供給される)は、温度フィードバック情報を供給するための設けられる。例えば、2℃の比較的狭い比色相転移窓を有するある液晶材料が利用可能である。かかる狭い転移窓温度センサは、例えば、熱処理システムにおける選択された低および高温度を監視するために用いることができる。より広い転移窓を有するその他の液晶材料は、上限と下限インジケータとの間におけるそれらの色彩変化を監視することができる。液晶材料の一つの可能性がある利点は、例えば、分光光度計を用いて色彩変化を検出することによって、それらの示した色彩変化を遠隔的に、即ち、材料に接触することなく、監視することができるということである。
【0126】
液晶材料を組み込んでいる薄膜は、図10に関して上述したように処理チャンバのサンプル材料と接触して配置することができる(参照番号454を参照)。図10Aに示した別の代替において、液晶薄膜454’は、処理チャンバ450’の下に配置される熱構造体484’に配置される(熱構造体484’があるところ、例えば、図9A〜9Cに関して上述したものに構造が類似する)。かかるシステムでは、薄膜454’は、熱構造体484’への電磁エネルギーの受渡しを制御する非接触温度サーボ−制御システムの正確さを確認するために用いることができる。例えば、低温インジケータは、選択された低温(例えば、約50℃から約52℃)を監視するために用いることができ、高温インジケータは、選択された高温(例えば、約94℃から約96℃)を監視するために用いることができ、かつブロードレンジインジケータ(例えば、約50℃から約100℃)は、選択された低温と高温との間の熱構造体484’の温度を監視するために用いることができる。ブロードレンジインジケータに対する一つの代替は、低温インジケータと高温インジケータとの間で間隔を置いて配置される一連のより狭いインジケータである。
【0127】
液晶薄膜温度インジケータは、温度フィードバックの単独のソースとして用いることができるか、またはそれらは、正確さを確認するためにおよびそうでなければ例えば、上述した熱電対のような、その他の温度センサを較正するために用いることができる。
【0128】
図11は、電磁エネルギー受容材料556が処理チャンバ550の近傍に配置されるような本発明による(部分断面図で)別の装置510を示す。電磁エネルギー受容材料556が処理チャンバ550のサンプル材料と直接接触することが望ましくかつ、図示した実施形態では、電磁エネルギー受容材料556は、処理チャンバ550の少なくとも一部分を取り囲む。しかしながら、電磁エネルギー受容材料556を供給する多くのその他の構造体および技法は、図11に示したものに対して置き換えることができる。例えば、基板520または第1の層530の一部分は、電磁エネルギー受容材料で覆うことができる。
【0129】
それが一つの形式または別の形式の電磁放射を熱エネルギーに変換することができるように構成されるとの条件で、電磁エネルギー受容材料556は、様々な形式を取ることができる。次いで、その熱エネルギーは、例えば、伝導によって、処理チャンバ550のサンプル材料に伝えることができる。適当な材料の例は、米国特許第5,278,377号公報;米国特許第5,446,270号公報;米国特許第5,529,708号公報;および米国特許第5,925,455号公報に記述されたものを含むことができる。電磁エネルギー吸収材料を用いている熱処理は、例えば、米国特許第5,721,123号公報に記述されている。
【0130】
電磁エネルギー受容材料556を用いることの利点は、装置510との物理的接触なしで装置510のサンプル材料を加熱することができるということである。例えば、電磁エネルギー受容材料556が無線周波数(RF)放射に敏感であるならば、処理チャンバ550が所望の加熱を得るために十分な時間に対してRFフィールド内に存在するように装置510を回転することができる。同様な非接触加熱は、マイクロ波放射、等で得ることができる。しかしながら、電磁放射が供給される形式は、処理チャンバ550内に配置されたサンプル材料と共存できるべきであるということが理解される。
【0131】
電磁エネルギー受容材料は、例えば、染料分子、カーボン分散、ダイヤモンド形カーボン、ポリピリロールのような電導性ポリマーのような可視、近赤外線(NIR)および遠赤外線領域の光を吸収する吸収体を含むことができる。吸収体は、構造体の壁に覆われた薄膜の形式で作ることができ、マイクロカプセル内に組み込むことができ、ビードの表面に被覆することができまたは発泡(フォーム)の形式、またはチャンバの外部へのかかる材料のコーティングによって熱近似値を有する構造体であり、チャンバ間の介在材料が熱的に伝導である。
【0132】
例えば、NIR染料またはその他の吸収体で充満されたポリカーボネート薄膜は、溶剤キャスティングによって準備することができる。これらの薄膜は、処理チャンバへの結合によって、または処理チャンバにおける薄膜の本来のキャスティングによって装置に組み込むことができる。別の可能性がある実施形態は、それらに限定されないが、高分子有機または無機材料で作られた、マイクロカプセル、中空ビード、等のような、マトリックスのカプセル型吸収分子を用いることである。
【0133】
また、カーボンベースシステムは、薄膜、例えば、ダイヤモンド状カーボン(DLC)として用いることもできる。DLCは、ポリカーボネートのような基板上へのプラズマ支援形化学蒸着法によって成長させることができる。処理チャンバは、例えば、パターン化されたDLC薄膜を生成するために、マスク式処理手順によって、例えば、DLC薄膜で覆うことができる。
【0134】
図12は、装置510が装置を軸512の回りに回転させるスピンドル514に配置される別のシステム500を略図的に示す。装置510は、サンプル材料が例えば、上述したような分配チャネルまたはその他の適当な技法および/または構造体によって分配される処理チャンバ550を含む。
【0135】
処理チャンバへのサンプル材料の分配の後、個々のチャンバ550は、装置510における電磁エネルギー受容材料を加熱するために、適当な電磁エネルギー、例えば、電磁エネルギー源570によって供給される、RF、マイクロ波、等によって選択的に加熱することができる。次いで、電磁エネルギー受容材料は、熱エネルギーを処理チャンバ550のサンプル材料に伝えることができる。電磁エネルギー源570は、上記システム300に関して上述したように連続的または断続的に供給することができる。また、システム300に関して説明したもののような様々な冷却および検出機構(図9参照)も、システム500に組み込むことができる。
【0136】
図13〜16は、本発明による装置の別の実施形態を示す。装置610の部分は、様々な平面および部分断面図で示される。一般的に、装置610は、例えば、図1に示したようなものに類似するディスクの形式であるのが好ましい。装置610は、様々な構造体が形成されるコア620を含む。第1のカバー層630は、コア620の第1の主要側面622に取付けられかつ第2のカバー層640は、コア620の第2の主要側面624に取付けられる。図13〜16は、一組の相互接続された処理チャンバおよび図1の装置10に接続してアレイされた処理チャンバ50に類似する方法で装置610について何回も複製することができるその他の特性を図示する。相互接続された処理チャンバおよびその他の特性の各組は、装置610の回りに一般的に放射状に配置された多数の処理チャンバアレイで、処理チャンバアレイを形成するものとして記述することができる。
【0137】
図13は、取り外された第2のカバー層640を有するコア620の第2の主要側面624の平面図である、図14の線13−13に沿って取られた処理チャンバアレイの一つを含んでいる装置610の一部分の部分断面図である。図15は、取り外された第1のカバー層640を有するコア620の第1の主要側面622の平面図である、図16の線15−15に沿って取られた装置610の一部分の部分断面図である。
【0138】
第1のカバー層630は、上述した様々な構造の複数の副層632、634、および636を含むことができる。第1のカバー層630は、上述した実施形態で説明したような反射副層(例えば、金属、高分子、等)を含むのが好ましい。第2のカバー層640は、例えば、その両方が選択された波長の電磁エネルギーに対して光学的に透明であるかそうでなければ透過である、接着剤642および基板644を含むことができる。
【0139】
コア620で形成される特性の中では、図示した実施形態では、(その一部が図13〜16に示される)環状リングの形式である、装填チャンバ662aである。装填チャンバ662aは、チャネル660aを通って第1のまたは内側処理チャンバ650aに流体連通する。装填チャンバ650aは、その中心の回りの装置610の回転が装填チャンバ662aに配置された材料をチャネル660aを通って内側処理チャンバ650aに向って移動させるように内側処理チャンバ650aよりも装置610の中心の近くに配置されることが一般的に好ましい。
【0140】
また、コア620は、材料が熱的に処理される別のチャンバでありうる、中間処理チャンバ650bのような、第1の主要表面622に形成される特性も含む。代替的に、中間処理チャンバ650bは、別の機能を実行する、例えば、内部処理チャンバ650aからそれに受け渡された材料をフィルタするために設けることができる。中間処理チャンバ650bは、図示した実施形態では、コア620の第1の主要表面622に形成される、チャネル660b通して第2の装填チャンバ662bに流体連通することができる。
【0141】
内部処理チャンバ650aおよび中間処理チャンバ650bは、チャネル660cおよびバイア660dによって接続される。チャネル660cは、内部処理チャンバ650aからバイア660dまで延伸し、そしてまた、中間処理チャンバ650bまで延伸する。チャネル660cおよび/またはバイア66dは、内部処理チャンバ650aと中間処理チャンバ650bとの間の材料の動きに対する正確な制御が望ましいならば処理チャンバ間に配置されたバルブ構造体を含むのが好ましい。バルブ構造体は、多数の形式、例えば、熱プラグ(例えば、ワックス、等)または望むときに開くことができるその他の構造体を取ることができる。代替的に、バルビングは、チャネル660cおよび/またはバイア660dを通って移動するために材料の抵抗を克服するためにディスクの回転速度を変化させることによって供給することができる。
【0142】
また、中間処理チャンバ650bは、内部処理チャンバ650aと中間処理チャンバ650bを接続するために用いたものに類似する方法でバイア660eおよびチャネル660fによって外部処理チャンバ650cに接続される。また、バイア660eおよび/またはチャネル660fは、そのように望むならばバルブ構造体を含むことができる。
【0143】
チャンバ650a、650b、および650cを含んでいる処理チャンバアレイは、装置610の中心、即ち、装置がそのまわりに回転される点から一般的に放射状に配置されることが好ましい。その結果、装置610の回転は、内部処理チャンバ650aから中間処理チャンバ650bまで、そして、最終的に、外部処理チャンバ650cまで、材料を連続的に移動するために用いることができる。望むように処理チャンバを通して材料を移動することによって、選択された処理は、装置610の処理チャンバアレイ内で逐次的に実行することができる。
【0144】
また、装置610のチャネルおよびバイアは、機能を実行するために必要なフィルタまたはその他の構造体/材料を含むこともできるということが望ましい。例えば、多孔質捕獲プラグ670は、バイア660e内に配置することができる。多孔質捕獲プラグ670は、装填チャンバ662bから中間処理チャンバ650bに移動するフィルタ材料を有利に捕獲することができる。例えば、ビード型サイズ排除物質の形式のフィルタリング材料を分配することが望ましい。かかる材料は、装填チャンバ662bに供給されたときに流体内に混入することができる。装置610が回転されるときに、混入されたビーズは、チャネル660bを通して中間処理チャンバ650bまで動かすことができる。バイア660eの多孔質捕獲プラグ670は、ビーズを運んでいる流体を通させるがビーズが通過することを阻止し、それによってビーズを処理チャンバ650b内に捕獲する。
【0145】
処理チャンバ650b内のフィルタリング材料を捕獲するために用いられる多孔質捕獲プラグ670の特定な利点は、チャンバ650bに分配されたフィルタ材料は、処理されるサンプル材料の特性に基づき使用時点で選択することができるということである。チャンバ650bに分配されたフィルタリング材料が、例えば、サイズ排除ビーズであるところでは、ビーズの特性は、例えば、一般的に長いPCR生成物を外部処理チャンバ650cまで通過させると同時に一般的に短いPCRプライマーを除去するために選択することができる。プライマーおよびPCR生成物のサイズは、各応用で変化しうるしかつ処理チャンバ650bに対する適当なサイズ排除材料を選択するために機能は、特に有利でありうる。
【0146】
例えば、図13〜16に図示したそれらのような処理チャンバアレイを有する本発明の装置は、例えば、装置の処理チャンバアレイ内の開始サンプル材料の増幅によって開始サンプル材料の統合処理を供給するために用いることができる。処理チャンバアレイのそれぞれは、(遠心力がチャンバからチャンバに逐次的に流体を移動することができるように)装置に一般的に放射状に配置されるのが好ましい多数のチャンバを含む。各アレイ内のチャンバは、ある実施形態では、望むように動きを制御するためのバルブ構造体を含むことができるチャネルまたはその他のコンジットを用いて流体連通である。
【0147】
処理チャンバアレイで実行することができる統合処理の一例は、装填チャンバ762が例えば、開始サンプル材料を受け取るために設けられる図17に略図的に図示される。アレイおよびアレイを用いる一つの説明的方法を以下に記述する。説明的方法は、所望の最終生成物を得るためにPCR増幅、それに続いてサンガーシーケンシングを含む。しかしながら、処理のこの組合せは、説明のためだけであることを意図しかつ本発明を限定するように解釈されるべきではない。
【0148】
開始サンプル材料、例えば、溶解血球は、チャンバ762に供給される。フィルタ763は、それが装填チャンバ762から第1の処理チャンバ750aまで移動するときに開始サンプル材料をフィルタするために供給されるのが好ましい。しかしながら、フィルタ763は、任意でありかつ開始サンプル材料の特性により要求されない。
【0149】
第1の処理チャンバ750aは、供給された、例えば、チャンバ750aのそれぞれにドライダウンされたような適当なPCRプライマーを含むのが好ましい。チャンバ750aのそれぞれは、開始サンプル材料で実行される研究の特質により同じプライマーまたは異なるプライマーを含むことができる。サンプルを装填するために処理チャンバ750aにプライマーを供給することに対する一つの代替は、(もし存在するならば、プライマーがフィルタ763を通過することが可能であると仮定して)開始サンプル材料を有する装填チャンバ762に適当なプライマーを加えることである。
【0150】
処理チャンバ750aに開始サンプル材料および要求されたプライマーを配置した後、処理チャンバ750aにおける料は、選択された遺伝材料のPCR増幅に適する条件下で熱的にサイクルされる。
【0151】
PCR増幅処理の終了後、第1の処理チャンバ750aのそれぞれにおける材料は、増幅された材料から不要な材料、例えば、PCRプライマー、フィルタ763によって除去されなかった開始サンプルにおける不要な材料、等を除去するために別のフィルタチャンバ752a(各処理チャンバ750aに対して一つのフィルタチャンバ752a)を通して移動させることができる。フィルタチャンバ752aは、例えば、浸透ゲル、ビーズ、等(例えば、Amersham Pharmacia Biotech AB、Uppsala,Swedenから市販されているMicroSpinまたはSephadex)、のような、サイズ排除物質を含むことができる。
【0152】
フィルタチャンバ752aにおけるサンプル材料の清掃後、第1の処理チャンバ750aのそれぞれからのフィルタされたPCR増幅生成物は、例えば、第2の処理チャンバ750bにおいて直面する熱条件の適当な制御を通して第1の処理チャンバ750aで増幅された遺伝材料のサンガーシーケンシングのために一対のマルチプレックスされた第2の処理チャンバ750bに移動される。
【0153】
所望の処理が第2の処理チャンバ750bで実行された後、処理された材料(それが処理チャンバ750bで実行された処理であるならばサンガーシーケンスされたサンプル材料)は、例えば、第2の処理チャンバ750bの生成物から染料またはその他の不要な材料を除去するために別の組のフィルタチャンバ752bを通して処理チャンバ750bのそれぞれから移動される。次いで、フィルタされた生成物は、それを除去することができる出力チャンバ750cにフィルタチャンバ752bから移動される。
【0154】
図13〜16に図示した処理チャンバアレイによるように、また、図17に図示したアレイのような処理チャンバアレイは、装置の回転が装填チャンバ762から出力チャンバ750cに向かって材料を移動するように装置に一般的に放射状に配置されることが好ましい。より好ましくは、材料が回転中に生じた遠心力によってアレイを通して移動できるように回転の軸の最も近傍に配置された各アレイの装填チャンバ762を伴って、図17に図示された二つ以上の処理チャンバアレイが単一の装置に配置されることが好ましい。代替的に、アレイは、遠心力が装填チャンバ762から出力チャンバ750cに向かって材料を移動するようにアレイを含んでいる装置の回転を許容する方法で保持される装置に配置することができる。また、遠心力を用いて処理チャンバにサンプル材料を装填することは、例えば、米国特許出願第09/710,184号に記述されている。
【0155】
図17に図示した統合処理チャンバアレイの様々な利点は、単一の装置における生の開始サンプル材料から分離されたシーケンス生成物に移動するための機能から生じる。それらの利点の中では、小さいボリュームの材料で作業しているときに問題でありうる(ピペットで計ること、等による)物理的転移の回数の低減である。別の利点は、複数の並列処理は、同時に実行することができ、処理結果の正確さに関して確信のあるレベルの可能性がある改善を供給するということである。更に、処理チャンバが例えば、熱サイクリング、等に関して同じ条件を見ることを確実にする制御の強化されたレベルが存在しうる。
【0156】
図18〜20は、各処理チャンバアレイ内の処理チャンバを分離するバルブを組み入れている本発明による装置および方法の別の実施形態を図示する。図示した装置810は、上記図13〜16に図示した実施形態に関して記述したものに類似する方法で複数の処理チャンバアレイを含む。処理チャンバアレイの一つは、図19の拡大断面図に示される。
【0157】
装置810は、基板820の第1の主要側面822に取り付けられた第1のカバー層830および基板820の第2の主要側面824に取り付けられた第2のカバー層840を含む。基板820およびカバー層830および840は、それらに限定されないが、接着剤、溶接(化学および/または熱)、等を含んでいる適当な技法によって取り付けることができる。
【0158】
また、装置810は、装置810の中心の開口812の外縁の周りに形成された多数のキースロット814の形式で上述したような位置決めシステムの一実施形態を図示する。キースロット814は、装置810を回転させるために用いられる、例えば、スピンドルに形成された相補的構造体と協同することができる。それゆえに、キースロット814は、かかるスピンドル上の装置810の回転位置を維持するために用いることができる。複数のキースロットル814が示されているが、スピンドルに装置810の回転位置を固定するためにたった一つのかかるスロット814を必要とするということが理解されるであろう。
【0159】
第1のカバー層830は、均質でありうるかまたはそれは、上述したような複数の副層を含みうる。第1のカバー層830は、上述したように選択された波長の電磁エネルギーに対して反射的であることが好ましい。第2のカバー層840は、例えば、その両方が光学的に透明またはそうでなければ選択された波長の電磁エネルギーに対して透過である、キャリヤレイヤーに接着剤を含むことができる。
【0160】
基板820に形成された特性の中では、図示した実施形態では、環状リングの形式である、装填チャンバ860である。また、処理チャンバアレイのそれぞれは、内部または第1の処理チャンバ850aおよび装置810の中心から放射状にさらに外に配置された外部または第2の処理チャンバ850bも含む。
【0161】
装填チャンバ860は、チャネル862を通して内部処理チャンバ850aに流体連通している。その結果、その中心の回りの装置810の回転は、サンプル材料を装填チャンバ860からサンプル材料の第1の熱処理が実行されうる第1の処理チャンバ850aに強制的に移動させる。
【0162】
また、装置810は、内部および外部処理チャンバ850aおよび850bの間に配置されかつそれらを分離しているバルブ870も含む。バルブ870は、第1の処理チャンバ850aから第2の処理チャンバ850bへのサンプル材料の移動を防ぐために装置810がユーザに供給されるときには通常閉じられている。
【0163】
バルブ870は、一つの側面でチャネル882を通して内部処理チャンバ850aに流体連通しかつ反対側でチャネル884を通して外部処理チャンバ850bに流体連通するバイア880内に配置されるのが好ましい。バイア880は、それが図示したように基板820の第1の主要表面822と第2の主張表面824との間に拡がるように形成されるのが好ましい。
【0164】
バルブ870は、それが完全な状態のままになっているときに流体が処理チャンバ850aと850bとの間で移動することを防ぐ不浸透バリヤー872を含む。不浸透バリヤー872は、基板820から識別できるのが好ましい、即ち、基板820に用いられた材料とは異なる材料で作られるのが好ましい。基板820および不浸透バリヤー872に対して異なる材料を用いることによって、各材料は、その所望の特性に対して選択することができる。代替的に、不浸透バリヤーは、基板820と統合する、即ち、基板820と同じ材料で作ることができる。例えば、不浸透バリヤーは、基板820に単に成形することができる。そうであれば、それは、電磁エネルギーを吸収するためのその機能を強化するために覆うかまたは注入することができる。
【0165】
不浸透バリヤー872は、バリヤー872の材料が、処理チャンバで行われている反応または処理を妨げうる著しい副産物、無駄、等、の生成物なしでボイドを形成することが好ましいが、適当な材料で作ることができる。材料の好適な種類は、例えば、市販されているキャンライナーまたはバッグを製造するために用いられる薄膜のような、着色された配向型高分子薄膜である。適当な薄膜は、呼称406230Eとしてコネチカット州、DanburyのHimolene Incorporatedから市販されている、1.18ミル厚の、ブラックキャンライナーである。
【0166】
バルブ870の不浸透バリヤー872は、選択された波長の電磁エネルギーを吸収しかつそのエネルギーを熱に変換することが可能な材料を含み、不浸透バリヤー872にボイドの形成を結果としてもたらすことが更に好ましい。吸収材料は、不浸透バリヤー872内に含むかまたはその表面を覆うことができる。
【0167】
また、図19に示したバルブ870は、不浸透バリヤー872の少なくとも一つの側面の近傍に配置された任意の浸透性支持体874も含む。支持体874は、不浸透バリヤー872を支持することに加えてフィルタリング機能を実行することができるが、処理チャンバ850aと850bとの間を移動している流体に対して浸透性である。支持874が、装置810の普通の使用における流体の通過を阻止するために十分な力でバルブ880の表面に対して不浸透バリヤー872を強制することによってバルブ870をシールすることの役に立つためにある程度弾力があるということが好ましい。
【0168】
支持体874は、図19に図示するように多孔性材料の形式で供給されるのが好ましい。多孔性支持体874は、バルブ870で用いた不浸透バリヤー872と同延であるのが好ましい。支持体の代替形式は、リング、スリーブ、またはバルブ870の不浸透バリヤー872の少なくとも一部を支持することができるその他の構造体または材料を含むことができる。
【0169】
ある実施形態では、多孔性支持体874がバルブ870の開放の役に立つためにおよび/または電磁エネルギーが底流をなしている流体、サンプル材料、等に到達することを阻止するために選択された波長の電磁エネルギーを反射するのが望ましい。
【0170】
多孔性支持体874は、不浸透バリヤー872との流体接触を低減または防ぐために疎水性であるのが好ましい。代替的に、多孔性支持体874は、バルブ870の不浸透バリヤー872との流体接触を促進するために疎水性であるのが好ましい。
【0171】
多孔性支持体に適切な材料の例は、それらに限定されないが、例えば、ジョージア州、FairburnのPorex Corporationから市販されているもののような、焼結されたポリプロピレンおよび焼結されたポリエチレンプラグまたは薄膜を含んでいる、多孔性プラグまたは薄膜を含むことができる。また、不浸透バリヤー872は、支持構造体の必要なしに(例えば、圧力感応接着剤、シリコーン接着剤、エポキシ接着剤、熱溶接、等によって)位置に直接結合することができる。
【0172】
バルブ870は、不浸透バリヤー872にボイドを形成することによって開放される。ボイドは、適切な波長の電磁エネルギーによって形成することができる。適切な波長のレーザエネルギーを用いるのが好ましい。レーザエネルギーを用いることの可能性がある利点は、処理チャンバにおける材料を加熱するために用いた同じレーザは、処理チャンバを互いに流体連通に設置するために必要なボイドを形成するために用いることができる。
【0173】
図19に図示したようにバイア880内にバルブ870の不浸透バリヤー872を設置することは更に望ましい。バイア880内に不浸透バリヤー872を配置しかつバイア880にある波長の電磁エネルギーを導くことは、バイア880の壁が、バリア872におけるボイドの形成の役に立つために電磁エネルギーの少なくともあるものを反射および/または集束するようなある利点を結果としてもたらすことができる。
【0174】
図19Aおよび19Bは、装置810の一つ以上の処理チャンバアレイに接続するために用いることができる代替装填チャンバ860’を示す。装填チャンバ860’は、装置810が回転されるときに装填チャンバを空にすることの役に立つことができる煙突形状を有する。煙突形状の装填チャンバ860’のより広い終端は、(図19Aに図示しない)第1の処理チャンバに導くチャネル862’の方向に先細になっている装填チャンバ860’を有する回転の軸の最も近傍に配置されるのが好ましい。
【0175】
また、装填チャンバ860’は、任意のインレットポート864’および任意のベント866’も含む。これらの開口は、第2のカバー層840’に形成される。インレットポート864’は、装填チャンバ860’のボリュームに、例えば、ピペット先端を案内することの役に立つために先細にされるのが好ましい。ベント866’は、装填チャンバ860’がインレットポート864’を通って装填されるときにそれを通って空気が逃げることができる開口を供給することによってチャンバ860’を装填することの役に立つ。
【0176】
煙突形状の装填チャンバ860’の利点は、システムへの流体入力に対する制御を含む。装填チャンバ860’の形状は、トラップされた空気を低減するかまたは取り除くと同時に略100%の充填を供給することができる。更に、装填チャンバ860’の形状は、チャネル862’へのサンプル材料の早過ぎる入力を低減または防ぐこともできる。
【0177】
図19Cおよび19Dは、装置810の一つ以上の処理チャンバアレイにおける一つ以上の処理チャンバに接続して用いることができる任意のシールシステムを示す。シールシステムは、基板820’によって、少なくとも部分的に、形成された処理チャンバ850’をカバーするカバー層840’に開口844’を含む。開口844’は、開口844’にわたるカバー層840’の内部表面842’に取り付けられるシール846’によって閉じられる。
【0178】
シール846’は、適切な技法、例えば、接着剤、溶接、熱シール、等によって内部表面842’に取り付けることができる。示して実施形態では、シール846’は、接着剤848’によってカバー層840’の内部表面842’に取り付けられる。また、その接着剤848’は、図19Cおよび19Dに示すようにカバー層840’を基板820’に取り付けるために用いることもできる。
【0179】
シールシステムの使用は、プローブ849’の先端がカバー層840’の内部表面842’への取り付けから離すようにシール846’を強制していることが示されるような図19Dに示される。次いで、プローブ849’は、サンプル材料858’を加えるかまたは取り除くために処理チャンバ850’の内側にアクセスすることができる。プローブ849’は、カバー層840’の一部分だけからシール846’を離すように強制しているように示されるが、それは、カバー層840’からシール846’を完全に取り外すことができる。カバー層840’の開口844’が、処理チャンバ850’にプローブ849’の先端を案内する役に立つために例えば、図19Cおよび19Dに示されるように、先細にされることが好ましい。この案内特性は、ロボットのアンローディングシステムに関する使用に対して特に有用でありうる。
【0180】
シールシステムの一つの可能性がある利点は、プローブ849’が、処理チャンバ850’の内側にアクセスするために処理チャンバ850’を形成しているコンポーネントをカットすることを要求されないということである。
【0181】
装置810は、処理チャンバおよび/またはバルブに受け渡された電磁エネルギーを制御することに有用なインジケータ890a、890b、892、および894を含む図20に示した任意の制御パターンを含む。図示した実施形態では、制御パターンは、その他の適切な配置を代替的に用いることができるが、第1のカバー層830に配置される。
【0182】
制御パターンに用いられるインジケータは、関連処理チャンバおよび/またはバルブに受け渡される電磁エネルギーを示す少なくとも一つの特性を有する。特性は、サイズ、形状、カラー、または検出されかつ電磁エネルギーの受渡しを制御するために用いることができるその他の識別特性を含むことができる。図示した実施形態では、主要識別特性は、サイズおよび/または形状を含む。(例えば、装置810の周囲表面とのコントラス、装置810を通して形成されたボイドを感知すること、等に基づき)インジケータが光学的に検出されることが好ましい。
【0183】
図示した制御パターンは、内部処理チャンバ850aのあるものに関連付けられた第1の組のインジケータ890aおよび内部処理チャンバ850aの残りのものに関連付けられた第2の組のインジケータ890bを含む。インジケータの組間の相違は、インジケータ890bよりも小さいインジケータ890aを伴う、それらのサイズである。そのサイズは、各インジケータに関連付けられた処理チャンバに受け渡されたエネルギーの量を制御するために用いることができ、例えば、より大きなインジケータ890bは、それらの関連処理チャンバ850aへのより多くのエネルギーの受渡しを結果としてもたらしうる。代替的に、異なるサイズのインジケータ890aおよび890bは、(エネルギーの異なる波長を示している異なるインジケータのそれぞれにより)関連処理チャンバ850aに受け渡された電磁エネルギーの波長を制御するために用いることができる。更に別の代替では、各処理チャンバに受け渡されたエネルギーの量および波長の両方は、関連インジケータの特性により変化しうる。
【0184】
それらのサイズおよび装置810の回転に基づくインジケータ890aおよび890bを用いる一つの潜在的に望ましい方法は、関連インジケータの前縁が検出器を通るときに電磁エネルギーの受渡しを開始しかつ同じインジケータの後縁が検出器を通るときにそのエネルギーの受け渡しを中止することである。電磁エネルギーは、をサイクリングすることによってそのソースで制御することができるかまたは受渡しは、例えば、シャッター、回転ミラー、またはその他のシステムによって妨げられうる。
【0185】
インジケータ890aおよび890bは、それぞれ処理チャンバ850aの一つだけに関連付けられる。しかしながら、インジケータ892は、装置810のバルブ870の全てに関連付けられかつ上述したようにバルブ870を開くために必要な電磁エネルギーの受渡しを制御するために用いることができる。同様な方法で、複数の処理チャンバ850aへの電磁エネルギーの受渡しは、あるシステムでは一つのインジケータにより達成することができる。
【0186】
インジケータ894は、外部処理チャンバ850bに関連付けられかつそれらの処理チャンバへの電磁エネルギーの受渡しを制御するために用いることができる。図示したように、インジケータ894の形状は、他のインジケータとは異なりかつそれらの異なる特性は、制御目的に対して用いることができる。
【0187】
図示した制御パターンにおけるインジケータは、処理チャンバまたはそれらが関連付けられるバルブとの位置決めで一般的に配置されるが、制御パターンは、そのように供給される必要はない。例えば、制御パターンは、装置810の表面の一部だけ、例えば、外部環状リングに発生しうる。
【0188】
別の代替では、制御パターンまたはその一部分は、装置810を用いてシステムのその他のコンポーネントを制御するために用いることができる。例えば、所望の生成物、温度、pH、等に対して処理チャンバを監視するために用いられる検出器のタイプを制御するインジケータを、例えば供給することができる。かかるインジケータは、バーコードの形式で供給することができる。
【0189】
図21および22は、装置910の別の構成を図示する。装置は、装置810に多くの態様において類似する。しかしながら、一つの相違は、基板920が上部層920aと下部層920bとの間に配置されたバルブ層976を有する上部層920aおよび下部層920bを含むことである。バルブ層976は、バルブ970aおよび970bの不浸透ディスク972aおよび972bを形成する。(互いに分離しかつ識別される)装置810のバルブ870の不浸透ディスク872とは異なり、不浸透ディスク972aおよび972bは、異なるバルブ970aと970bとの間に広がる同じバルブ層976の一部分で形成される。
【0190】
層920a、920bおよびバルブ層976は、適切な技法または技法の組合せによって一緒に取り付けることができる。例えば、それらは、接着剤で取り付け、(熱的、化学的、等)に溶接し、熱シールし、等することができる。バルブ層976は、装置910のバルブの全てまたはバルブのあるものだけの不浸透ディスクを形成するために用いることが望ましい。バルブ層976がバルブの全ての不浸透ディスクを形成するために用いられるならば、バルブ層976が装置910の主要表面と同延であることが望ましい。装置910の積層構造は、ウェブまたはその他の連続的製造処理の使用を許容することによって装置910の製造において利点を供給することができる。
【0191】
バルブ970aおよび970bは、処理チャンバ950a、950bおよび950cを分離しかつチャンバ間のサンプル材料958の移動を制御するために用いられる。図21に図示したように、サンプル材料958は、バルブ970aの閉じた状態により処理チャンバ950bに流体連通していない処理チャンバ950aに配置される。
【0192】
しかしながら、図22では、バルブ970aの不浸透バリヤー972aは、バルブ970を含んでいるバイア980への適当な電磁エネルギー975の受渡し後にその中に形成されたボイド973を含む。そのボイドは、サンプル材料958を処理チャンバ950aから処理チャンバ950bに移動させる。図示した実施形態では、処理チャンバ950bは、サンプル材料958が処理チャンバ950cまでのその通り道でそれを通るフィルタ材料959を含む。
【0193】
かかる装置、並びに一つのチャンバから別のチャンバへサンプル材料を移動するために設計されたその他の装置は、生物学的サンプル材料からイオン(例えば、塩化物、リン酸塩)および/または染料(例えば、ジデオキシヌクレオチド三リン酸塩染料DNA完結部位(ddNTP)、蛍光染料、近赤外線染料、可視染料)を除去する方法に用いることができる。方法は、接続がサンプル材料からのイオンおよび/または染料の除去のための固相材料を含むための少なくとも一つのボリューム(例えば、中間処理チャンバ950b)を画定するような少なくとも二つの接続された処理チャンバを含む装置を供給すること;処理チャンバの一つに生物学的サンプル材料を供給すること;生物学的サンプル材料からイオンおよび/または染料の少なくとも一部を除去するために生物学的サンプル材料および固相材料を十分な時間接触したままにさせるために接続を通して一つのチャンバから別のチャンバへ生物学的サンプル材料を転移すること:を含む。任意に、固相材料は、二つ以上の異なる種類の粒子を含む。任意に、接続は、それぞれが異なる固相材料を含んでいる、二つのボリュームを画定する。
【0194】
本発明の装置および方法に関連して用いることができる代替バルブ構造を図23A、23B、24A、24B、25A、および25Bに図示する。例えば、バルブは、少なくとも部分的に、形状記憶効果を示す高分子材料で構築することができる。記憶形状効果を示すあるポリマーは、例えば、米国特許第5,049,591号;第5,128,197号;第5,135,786号;第5,139,832号;および第5,145,935号で説明されている。これらのポリマーの多くは、架橋ポリウレタンである。その他のポリマー、例えば、ポリノルボルネンも形状記憶効果を示すことができる。
【0195】
高分子材料に関連して、“形状記憶効果”は、ポリマーのガラス転移温度(Tg)以上の温度における第1の構造体の組み立てを含むものとして一般的に記述することができる。次いで、その構造体は、Tg以下の温度に冷却されかつ第2の構造体に変形される。第2の構造体の形式のポリマーがTg以上に加熱されるときに、ポリマーは、第1の構造体に逆戻りする。
【0196】
形状記憶効果を示すことに加えて、バルブに関連して用いられる高分子材料は、本発明の装置および方法で用いられる試薬およびその他の材料に適合するべきである。例えば、PCRが形状記憶ポリマーバルブを組み入れている装置で実行されるところでは、バルブの高分子材料は、PCR処理で見出された材料に適合するのが好ましい。
【0197】
図23Aおよび23Bを参照すると、本発明のマイクロ流体装置および方法に関連して有用でありうる一つのバルブ構造体を図示する。バルブ1070は、図23Aに示すように開いたときに円筒の形状および閉じたときに図23Bに図示するようなピンチ式形状に形成することができる。バルブ1070は、通常開いている、即ち、高分子材料のTg以上で製造した後に開くように構成することができる。その結果、バルブ1070は、閉じられ(図23B)続いて形状記憶効果ポリマーのTg以上に加熱されるまで本発明の装置に配置される。一度ポリマーのTg以上に加熱されたならば、バルブ1070は、その通常の開いた構造体に逆戻りし(図23A)、それによって材料にバルブ1070を通過させる。代替的に、バルブ1070は、加熱がバルブ1070を開いた状態(図23A)から閉じた状態(図23B)に移動させるように、通常閉じていることができる。
【0198】
非接触加熱方法によってポリマーを加熱することが好ましいが、ポリマーの加熱は、適切な技法によって達成することができる。例えば、バルブ1070は、電磁エネルギー(例えば、レーザエネルギー、RFエネルギー、等)によって加熱することができる。代替的に、ポリマーは、抵抗加熱装置、ぺルチエ装置、等を用いて伝導によって加熱することができる。別の代替では、バルブ1070は、例えば、熱い空気またはその他の加熱された流体を用いて、対流によって加熱することができる。エネルギーのレーザーまたはその他の非接触ソースが用いられるところでは、バルブ1070を構築するために用いられる高分子材料は、充満されうるかそれでなければ選択された波長の電磁エネルギーを吸収する一つ以上の材料を含みうる。例えば、高分子材料は、レーザーエネルギーを吸収する染料(例えば、Aldrich Chemicalから市販されているIR792過塩素酸塩のような、近赤外線放射を吸収する染料)で充満することができる。
【0199】
別のバルブ構造体1170を図24Aおよび24Bに図示する。バルブ1170は、薄膜、例えば、高分子材料のTg以上で構成されたときに図24Aに図示するようなディスクの形式で供給され、それゆえに通常閉じたバルブを結果としてもたらす。ポリマーのTg以下に冷却した後、バルブ1170は、ディスクに形成された開口を有する図24Bに示した形状に変形することができる。図24Bに示すようなバルブ構造体1170がポリマーのTg以上に加熱されるときには、バルブ1170は、図24Aに示した形状に逆戻りし、それゆえに(図24Bに示したように)それに形成された開口を塞ぐ。代替的に、バルブ1170は、通常開いているバルブとして製造することができる。
【0200】
別の代替バルブ構造体1270を図25Aおよび25Bに示す。示したバルブ構造体1270は、流体経路1262(例えば、バイアまたは分配チャネル)に沿って配置することができる。バルブ構造体1270は、流体経路1262に沿って配置された材料の形式で供給することができる。選択された温度以上に加熱されたときに、バルブ構造体1270の材料は、流体経路1262を閉じるために拡張する。バルブ構造体1270に用いられる材料は、例えば、多泡ポリマーを形成するために拡張するポリマーでありうる。起泡作用は、例えば、発泡剤または臨界超過二酸化炭素含浸を用いることによって、供給することができる。
【0201】
発泡剤がバルブ構造体1270で用いられるところでは、それをポリマーに含浸することができる。適切な発泡剤の例は、それらに限定されないが、CELOGEN AZ(コネチカット州、MiddleburyのUniroyal Corporationから市販されている)、EXPANCEL微小球体(SwedenのExpancel)、およびグリシジルアジドベースポリマー(ミネソタ州、St.PaulのMinnesota Mining & Manufacturing Companyから市販されている)を含みうる。次いで含浸ポリマーが選択された温度以上に加熱されたときには、発泡剤は、ポリマーを気泡させかつ拡張させて図25Bに示したようにバルブ構造体1270を閉じさせる気体を発生する。
【0202】
また、臨界超過起泡は、バルブ構造体1270を拡張するために用いることもできる。ポリマーは、高圧下で発生する含浸により、ポリマーがそのガラス遷移温度以上に加熱されるときに、例えば、二酸化炭素でポリマーを充填することによって発泡させられる。二酸化炭素は、高分子マトリックスを含浸するために液体形状で適用することができる。含浸された材料は、好ましくは圧縮された形式で、バルブ構造体に組み立てることができる。加熱したときには二酸化炭素が拡張し、構造体も拡張し、それによって、流体経路1262を閉じる。
【0203】
要求されないが、流体経路1262のバルブ構造体1270のシール効果を強化する発泡の拡張により、バルブ構造体1270を形成するために気泡形状記憶高分子材料を用いることが可能である。
【0204】
更に、図24Bに示した構造体1170の変形を用いることが可能であり、材料は、膨張剤または臨界超過二酸化炭素気体の使用によって準備された形状記憶発泡であり、次いでそれが構造体1170に組み立てられる。熱の適用は、シール効果を強化する発泡の拡張により、構造体を図24Aのものに逆戻りさせる。
【0205】
形状記憶高分子材料の特性を利用するシールシステムを図26に示す。シールシステムは、例えば、本発明の装置の処理チャンバ1350またはその他の流体構造体への再シール可能なアクセスポートを供給するために用いることができる。図26に示されたシールシステム実施形態は、シール1346によって閉じられる開口を有する、処理チャンバ1350への開口1344を含む。
【0206】
シール1346は、薄膜、例えば、高分子材料のTg以上で構築され、それゆえに通常閉じたシールを結果としてもたらす、図26に示されたようなバリヤーの形式で供給されるのが好ましい。シール1346は、材料を処理チャンバ1350にデポジットしかつ/または処理チャンバ1350から除去するためにツール1349(例えば、注射針)によって貫通することができる。それゆえに、シール1346は、ディスクに形成された開口を含むように変形される。形状記憶高分子材料のTg未満の温度における間にシール1346が変形されるときには、その開口は、シール1346をポリマーのTgを超える温度に加熱することによって閉じることができ、それゆえに、シール1346を図26に示された形状に逆戻りさせてその中に形成された開口を閉じる。シール1346の貫通および再シールは、ある場合には、そのように望むならば二回以上実行することができる。
【0207】
図27および28は、本発明のサンプル処理方法およびシステムの別の態様を示す。本発明のこの部分は、例えば、サンガーサイクリングの後の残存反応材料を除去することの問題に取り組む。サンガーサイクリングのような処理は、非混合染料重合停止剤のような残存材料と一緒に所望の反応生成物を供給することができる。
【0208】
サンガーサイクリングが本発明のサンプル処理装置で実行されるときには、不要な材料(例えば、染料)を除去するための一つの可能性がある技法は、常磁性粒子のような固相材料の使用を含みうる。染料重合停止剤除去材料を組み入れている適切な常磁性粒子の一例は、ワシントン州、BothellのProlinx Inc.からRAPXTRACT(登録商標)のとして市販されている。これらおよび類似する材料(およびそれらの使用の方法)の更なる例は、国際公開第WO01/25490号公報、並びに国際公開第WO01/25491号公報に見出すことができる。
【0209】
図27を参照すると、一つのサンプル処理装置1410に関連して常磁性粒子を用いる一つの方法が記述される。装填チャンバ1460にサンプル材料を装填した後、装置1410は、第1の組の処理チャンバ1450aにサンプル材料を移動するために軸1412の回りに回転される。サンプル材料は、例えば、サンプル材料にPCRを実行することによって、処理チャンバ1450aで処理することができる。処理が第1の処理チャンバ1450aで終了したときには、バルブ1470aが開放されかつサンプル材料が装置1410を回転させることによって第2の組の処理チャンバ1450bに移動される。第2の処理は、第2の処理チャンバ1450bでサンプル材料に実行することができる。ここに記述した方法では、サンプル材料は、サンプル材料内にサンガーシーケンシング反応生成物を生成するために第2の処理チャンバ1450b内でサンガーサイクルされる。サンガーサイクリング後サンプル材料は、バルブ1470bを開放しかつ装置1410を回転させることによって出力チャンバ1450cに移動することができる。
【0210】
しかしながら、出力チャンバ1450cへのサンガーシーケンシング反応生成物の受渡しの前に、非混合染料重合停止剤のような不要な材料を除去することが好ましい。そのようにするために、例えば、染料重合停止剤除去材料を含んでいる常磁性粒子を装填チャンバ1460に導入し、続いて非混合染料重合停止剤が捕獲されうる第2の処理チャンバ1450bの外に常磁性粒子を移動するために装置1410を回転させることができる。
【0211】
装置1410を通る常磁性粒子の移動は、装置1410の近傍に磁石を配置することによって容易にすることができる。図28を参照すると、磁石1490は、装置1410が軸1412の回りを回転するときに磁石によって発生された磁界が処理チャンバを通って拡張するように、例えば、装置1410の上に配置されうる。常磁性粒子が磁界の最も強い部分を通って移動されるときにそれらは、装置1410内に移動される。磁力は、従って、装置1410内の分配チャネルまたはその他のより小さい流体通路に詰まってしまうことから粒子を防ぐ。
【0212】
更に、磁力は、また、それらが配置されたサンプル材料内における常磁性粒子の混合を容易にすることができる。例えば、引力が常磁性粒子を引張る方向から装置1410の反対側に磁石1490を配置するのが好ましい。別の変形では、二つ以上の磁石は、(磁石が装置1410の外周の回りにオフセットすることにより)常磁性粒子に対抗力を供給するために装置1410の反対側に配置されるのが好ましい。いずれの場合でも、常磁性粒子は、断続的に反対方向に引張る力の対象になりうる。更に、処理チャンバにおける常磁性粒子の混合を更に容易にするために装置1410の回転速度を変化させるのが好ましい。
【0213】
常磁性粒子が十分な期間サンプル材料に存在した後、それらは、サンプル材料がシーケンスされる前に除去されるのが好ましい。常磁性粒子を除去する一つの好適な方法は、第2の処理チャンバ1450bから出力チャンバ1540cにサンプル材料を移動する間にサンプル材料をフィルタリングすることである。常磁性粒子は、例えば、第2の処理チャンバ1450bと出力チャンバ1450cとの間に配置されたフィルタを用いてフィルタすることができる。適切なフィルタは、例えば、図13に関連して上述した多孔性プラグ670の形式でありうる。別の代替フィルタは、図19に関連して記述した浸透性支持体874でありうる。装置1410が軸の回りに回転されるときに、常磁性粒子が出力チャンバ1450cに移動することを阻止されると同時にサンプル材料は、フィルタを通って移動する。
【0214】
それを回転させることが必要である処理チャンバに常磁性粒子を移動するよりも、サンプル材料が処理チャンバに入るときにそれらを解放することができる処理チャンバにドライダウンできる常磁性粒子を配置することが可能である。別の代替では、サンプル材料がその構造体を通って移動するときに非混合染料重合停止剤を抽出できるように多孔性薄膜またはプラグに常磁性粒子を配置することが可能である。
【0215】
図29および30は、処理チャンバ1550内におけるサンプル材料1558の混合を容易にすることができる装置構造体および方法を示す。サンプル材料1558は、処理チャンバ1550を含んでいる装置を回転させている間に分配チャネル1562を通して処理チャンバ1550に受け渡される。回転は、遠心力によって処理チャンバ1550にサンプル材料1558を移動するのが好ましい。上述したように、サンプル材料1558の受渡し前に処理チャンバ1550内に配置された空気またはその他の流体は、例えば、装置の回転速度を変化させることによって置き換えることができる。
【0216】
処理チャンバ1550は、処理チャンバ1550を含んでいる装置の回転によってサンプル材料1558で満たすことができない任意の拡張チャンバ1552を含む。サンプル材料1558で拡張チャンバ1552を満たすことは、例えば、処理チャンバ1550に対する拡張チャンバ1552の適当な配置によって防ぐことができる。示した実施例では、拡張チャンバ1552は、分配チャネル1562に位置合わせされ、その結果として、処理チャンバ1550から装置の回転の軸に向かって一般的に戻るように拡張する。
【0217】
図30を参照すると、サンプル材料1558は、装置の加速中にその圧力が増大するときに拡張チャンバ1552に更に強制されかつ装置の回転速度が減少されるときに圧力が減少するときに拡張チャンバ1552から外に戻るように移動することができる。装置を交互に加速/減速することによって、拡張チャンバ1552へのおよびそれから外へのサンプル材料1558の移動は、サンプル材料1558の混合を強化するために達成することができる。
【0218】
図31および32は、本発明のサンプル処理装置に組み入れることができる別の可能性がある特性を示す。図において、装置における処理チャンバ1650の熱分離は、一つ以上の支柱1656によって周囲の本体1654に接続されたリング1652によって画定される処理チャンバ1650により、処理チャンバ1650の回りの材料を除去することによって強化することができる。本質的には、処理チャンバ1650は、一つ以上のボイドによって取り囲まれている。処理チャンバ1650にサンプル材料を受け渡すかまたは処理チャンバ1650からサンプル材料を除去するためのチャネルは、支持支柱1656に沿って配置することができる。熱分離は、ヒートシンクとして役立つことができるリング1652の回りの材料を除去すること、加熱中に処理チャンバ1650から熱エネルギーを引き出すこと、または冷却が望ましいときには格納した熱エネルギーを処理チャンバに供給することによって改善される。
【0219】
示したように、コア1620の両側に設けられたカバー層1630および1640は、処理チャンバ1650の回りに形成されたボイドにわたり拡張することができ、それによって空気またはその他の絶縁材料の含まれたボリュームを供給する。代替的に、カバー層1630および1640の一つまたは両方は、リング1652の回りから除去することができる。
【0220】
吊り下げ式処理チャンバ1650の強化熱分離に加えて、吊り下げ式構造は、装置を配置することができるベースプレートまたはその他の構造体に対する処理チャンバ1650の改善されたコンプライアンスを供給することができる。改善されたコンプライアンスは、支柱によって供給することができる。
【0221】
図33を参照すると、本発明による装置の別の任意の特性を示す。図31および32の装置は、処理チャンバ1650の下に配置される起こされた突出1682を含むベースプレート1680に配置されるように示される。突出1682は、ベースプレート1680の周囲の表面1684の上に拡張するのが好ましい。
【0222】
突出1682は、多くの方法で処理チャンバ1650とベースプレート1680との間の熱転移を強化することができる。突出1682が処理チャンバ1650に少なくとも部分的に拡張するときには、それらは、加熱されたベースプレート1680に露出されるチャンバ1650の表面領域を増大する。更に、処理チャンバ1650を肯定的に結合することによって、突出1682は、処理チャンバ1650の領域における処理チャンバ1650とベースプレート1680との間のエアギャップを低減または削除することができる。かかるエアギャップは、ベースプレート1680から処理チャンバ1650を絶縁し、それによって熱転移を減少させる。
【0223】
突出1680に接触する処理チャンバ1650の部分は、ベースプレート1680への配置に応答して変形するために十分なコンプライアンスを示すことが好ましい。例えば、カバー層1640は、変形可能な金属箔を含むのが好ましい。更に、(改善されたコンプライアンスを供給することができる)図31および32に関して上述したような吊り上げ式リング1652に処理チャンバ1650を供給するのが好ましい。
【0224】
更に、互いに向かって装置1610とベースプレート1680を付勢するために処理チャンバ1650が配置される装置1610に力を供給するのが好ましい。ある実施形態では、力は、ベースプレート1680に対して装置1610を付勢するプラテンによって供給することができる。その他の実施形態では、装置1610は、例えば、装置1610の中央開口を通って拡張しかつベースプレート1680の方向に向かって装置1610を引き出するスピンドルによってベースプレート1680の方向に向かって引き出されうる。装置1610とベースプレート1680を一緒に付勢するフォースを供給するその他の構造体は、当業者に知られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による一装置の上部平面図である。
【図2】 図1の装置における処理チャンバおよび分配チャネルの拡大部分断面図である。
【図3】 処理チャンバ、分配チャネルおよびバッフル構造を示している、本発明による代替装置の拡大部分断面図である。
【図4】 図3の装置の一つの主要側面の平面図である。
【図4A】 一つのバッフル構造およびサンプル処理装置が一方向に回転されるときの構造を通る空気流の略図である。
【図4B】 サンプル処理装置が反対方向に回転されるときの空気流を示している図4Aのバッフル構造の略図である。
【図5】 処理チャンバの分離後の図3の装置における処理チャンバおよび分配チャネルの拡大部分断面図である。
【図6】 本発明による別の代替装置の一つのエッジの部分の斜視図である。
【図7】 処理チャンバ、分配チャネルおよびバッフルを含んでいる図6の装置の部分の平面図である。
【図8】 図7の線8−8に沿った断面図である。
【図9】 本発明による一つの熱処理システムの略図である。
【図9A】 本発明による熱処理システムに対する代替ベースプレートの平面図である。
【図9B】 それに配置されたサンプル処理装置310’を有する図9Aのベースプレートの断面図である。
【図9C】 本発明による熱処理システムに対する代替ベースプレートの平面図である。
【図10】 本発明による別の装置の部分断面図である。
【図10A】 装置に温度感知材料を含む本発明による一つの装置を示す。
【図11】 本発明による別の装置の部分断面図である。
【図12】 本発明による別の熱処理システムの略図である。
【図13】 図14の線13−13に沿った本発明による別の装置の部分断面図である。
【図14】 本発明による装置の一つの面の平面図である。
【図15】 図16の線15−15に沿った図13および14の装置の部分断面図である。
【図16】 図13〜15の装置の別の面の平面図である。
【図17】 単一の装置に例えば、PCR増幅およびサンガーシーケンシングによって開始サンプル材料の集積処理を供給するために用いることができる一つの構造の略図である。
【図18】 本発明による装置の一つの主面の平面図である。
【図19】 図18の線19−19に沿った図18の装置の断面図である。
【図19A】 本発明に関連して用いるための代替装填チャンバ設計の平面図である。
【図19B】 図19Aの線19B−19Bに沿った図19Aの装填チャンバの拡大断面図である。
【図19C】 本発明の処理チャンバに関連して用いることができるシールシステムの断面図である。
【図19D】 図19Cのシールシステムを通して処理チャンバの内部にアクセスするプローブの断面図である。
【図20】 装置に供給された制御パターンを示している、図18の装置の他の主面の平面図である。
【図21】 本発明による別の装置の断面図である。
【図22】 装置におけるバルブの一つの開放後の図21の装置の断面図である。
【図23A】 本発明の装置および方法に関連して用いられる代替バルブ構造を示す。
【図23B】 本発明の装置および方法に関連して用いられる代替バルブ構造を示す。
【図24A】 本発明の装置および方法に関連して用いられる代替バルブ構造を示す。
【図24B】 本発明の装置および方法に関連して用いられる代替バルブ構造を示す。
【図25A】 本発明の装置および方法に関連して用いられる代替バルブ構造を示す。
【図25B】 本発明の装置および方法に関連して用いられる代替バルブ構造を示す。
【図26】 本発明の装置および方法に関連して用いられる代替シールシステムを示す。
【図27】 本発明の別のサンプル処理装置を示す。
【図28】 装置の近傍に配置された磁石を有する図27のサンプル処理装置の側面図である。
【図29】 処理チャンバにおいて材料の混合を支援するために拡張チャンバを含んでいる代替処理チャンバ構造を示す。
【図30】 処理チャンバにおいて材料の混合を支援するために拡張チャンバを含んでいる代替処理チャンバ構造を示す。
【図31】 本発明による装置において用いる別の代替処理チャンバ構造を示す。
【図32】 本発明による装置において用いる別の代替処理チャンバ構造を示す。
【図33】 本発明に関連して用いるためのメーティングプレート突起部に関連して図31および32の処理チャンバ構造を示す。

Claims (4)

  1. 熱サイクル処理を実施する方法において、
    複数のプロセスチャンバを備える装置であって、それらプロセスチャンバの各々が、サンプル材料を収容する容積を規定する装置を用意することと、
    上面、底面および熱構造体を備えるベースプレートを用意することと、
    前記装置が前記ベースプレートの前記上面に接触しているときに前記複数のプロセスチャンバの少なくとも幾つかのプロセスチャンバが前記熱構造体と熱連通して前記ベースプレートと前記装置との間で伝導によって熱が伝達されるように、前記装置の第一の主面を前記ベースプレートの前記上面に接触させて配置することと、
    前記複数のプロセスチャンバ内にサンプル材料を用意することと、
    前記ベースプレートおよび前記装置を回転軸を中心に回転させながら電磁気エネルギーを前記ベースプレートの前記底面に向けることにより、前記熱構造体の温度を制御して、前記サンプル材料の温度を制御することと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 熱サイクル処理を実施する方法において、
    複数のプロセスチャンバを備える装置であって、それらプロセスチャンバの各々が、サンプル材料を収容する容積を規定する装置を用意することと、
    上面、底面および熱構造体を備えるベースプレートであって、該熱構造体が少なくとも1個の熱電気モジュールを有するベースプレートを用意することと、
    前記装置が前記ベースプレートの前記上面に接触しているときに前記複数のプロセスチャンバが前記熱構造体と熱連通して前記ベースプレートと前記装置との間で伝導によって熱が伝達されるように、前記装置の第一の主面を前記ベースプレートの前記上面に接触させて配置することと、
    前記複数のプロセスチャンバ内にサンプル材料を用意することと、
    前記ベースプレートおよび前記装置を回転軸を中心に回転させながら前記少なくとも1個の熱電気モジュールの温度を制御することにより、前記熱構造体の温度を制御して、前記サンプル材料の温度を制御することと、
    を含むことを特徴とする方法。
  3. サンプル材料を処理する方法において、
    装填チャンバと第一のプロセスチャンバとを含む少なくとも1つのプロセスチャンバアレイを備える装置を用意することと、
    前記少なくとも1つのプロセスチャンバアレイの前記装填チャンバ内にサンプル材料が用意されるように、該サンプル材料を前記少なくとも1つのプロセスチャンバアレイ内に用意することと、
    前記装置を回転軸を中心に回転させることにより、前記装填チャンバから前記少なくとも1つのプロセスチャンバアレイの前記第一のプロセスチャンバへ前記サンプル材料を移送することと、
    上面、底面および熱構造体を備えるベースプレートを用意することと、
    前記装置が前記ベースプレートの前記上面に接触しているときに前記少なくとも1つのプロセスチャンバアレイの前記第一のプロセスチャンバが前記熱構造体と熱連通して前記ベースプレートと前記装置との間で伝導によって熱が伝達されるように、前記装置の第一の主面を前記ベースプレートの前記上面に接触させて配置することと、
    前記ベースプレートおよび前記装置を回転軸を中心に回転させながら電磁気エネルギーを前記ベースプレートの前記底面に向けることにより、前記熱構造体の温度を制御して、前記サンプル材料の温度を制御することと、
    を含むことを特徴とする方法。
  4. 熱サイクル処理を実施する方法において、
    複数のプロセスチャンバアレイを備える装置であって、それらプロセスチャンバアレイの各々が装填チャンバと第一のプロセスチャンバとを含む装置を用意することと、
    上面、底面および熱構造体を備えるベースプレートであって、該熱構造体が少なくとも1個の熱電気モジュールを有するベースプレートを用意することと、
    前記装置が前記ベースプレートの前記上面に接触しているときに前記複数のプロセスチャンバアレイの少なくとも1つのプロセスチャンバアレイの前記第一のプロセスチャンバが前記熱構造体と熱連通して前記ベースプレートと前記装置との間で伝導によって熱が伝達されるように、前記装置の第一の主面を前記ベースプレートの前記上面に接触させて配置することと、
    前記複数のプロセスチャンバアレイの少なくとも1つのプロセスチャンバアレイの前記装填チャンバ内にサンプル材料が用意されるように、該サンプル材料を該少なくとも1つのプロセスチャンバアレイ内に用意することと、
    前記装置を回転軸を中心に回転させることにより、前記装填チャンバから前記少なくとも1つのプロセスチャンバアレイの前記第一のプロセスチャンバへ前記サンプル材料を移送することと、
    前記ベースプレートおよび前記装置を回転軸を中心に回転させながら前記少なくとも1個の熱電気モジュールの温度を制御することにより、前記熱構造体の温度を制御して、前記サンプル材料の温度を制御することと、
    を含むことを特徴とする方法。
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