JP4772810B2 - レーザ着火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用のレーザ着火装置に関し、特に内燃機関の温度変化による影響を受けにくく、複数の定格出力の低いレーザダイオードを用いて、複数の気筒を有する内燃機関の燃焼室内にある燃料に着火させることのできるレーザ着火装置に関する。
内燃機関のための着火装置としては一般にスパークプラグが用いられている。スパークプラグは、電極間に高電圧を印加して電極間に放電を発生させることにより混合気を着火させる装置である。スパークプラグは、比較的単純な構造で実用上十分な耐久性を有するので、古くより内燃機関における着火装置として用いられてきた。
近年、燃費低減や有害排出ガスの削減のために、内燃機関においてはより高い圧縮比が望まれている。一般に、圧力が低いほど放電し易いため、高い圧縮比はスパークプラグによる着火にとっては不利な条件である。高い圧縮比においても確実に放電させるためには、電極形状の変更及び印加電圧の上昇等が必要である。しかし、これらは耐久性の低下、着火性の低下、絶縁破壊、又はコスト上昇を招くおそれがある。
また、より短時間かつ低温で燃焼を終了させるために、着火位置制御及び複数箇所からの着火が検討されている。しかし、スパークプラグは燃焼室の内側壁面近傍で着火させるので、着火点の制御という要求に対しては不利である。
これらの要望に適合する着火手段として、レーザ着火装置が注目されている。レーザ着火装置は、パルスレーザをレンズにより集光し、その集光点に発生するプラズマを起点として着火させる。レーザ着火装置は、スパークプラグとは対照的に、圧縮比が高くなるほど着火性が向上する。また、集光点位置を調節することにより、燃焼室内における単一又は複数の任意の着火点からの着火が可能であるといった利点を有する。さらに、電気的ノイズの発生源にならないこと、付着した汚れによる短絡がないこと、燃焼室内に火炎の伝播の障害となる突起物を有しないことといった利点もある。
レーザ着火装置の概念は古くからあるが実用化するためには多くの課題が残っている。しかし、内燃機関の高度な燃焼制御への要求が以前にも増して高まってきたこと、レーザダイオードの高出力及び低価格化等によって、ダイオード励起固体レーザが以前よりも小型かつ安価に形成できるようになったこと等により、近年再び脚光を浴びてきている。
レーザにより混合気を着火させるには、数mJ〜数十mJという非常に大きなエネルギーで、かつ、パルス幅がns程度のパルスを発生させる必要がある。このようなジャイアントパルスを発生させるいくつかの方法のうち、比較的簡単にジャイアントパルスを発生させることができ、かつ、比較的高いエネルギー効率で稼動することが可能であることから、受動Qスイッチダイオード励起固体レーザが期待されている。
特許文献1の請求項1には、「レーザ発振器によって発するレーザ光を機関と同期回転する回転プリズムにより各シリンダに分配するようにした内燃機関の点火装置であって、各シリンダヘッドにビームスプリタと集光レンズ系を設けて上記分配されたレーザビームをファイバーケーブルを介して上記ビームスプリッタにより分割しシリンダの燃焼室内で点火するようにしたことを特徴とする、点火装置」が記載されている。しかし、特許文献1に記載されている点火装置では、数mJ〜数十mJという非常に大きなエネルギーを有し、かつ、パルス幅がns程度であるジャイアントパルスをファイバで伝送すること、及び数ms程度でファイバ間をスイッチングすることは非常に困難である。
特許文献2の請求項1には、「ポンピング光源と、共振器内に組み込まれた固体レーザ結晶と、出力密度を高めるためのQスイッチと、少なくとも1つの出力鏡と、レーザ光を燃焼室内に集束させるための集束装置とを有するQスイッチ制御固体レーザユニットからなるレーザ点火装置を備えた内燃機関であって、前記ポンピング光源、前記固体レーザ結晶を組み込んだ共振器、前記Qスイッチ、出力鏡、前記集束装置、及び前記共振器を冷却するための冷却装置が内燃機関の点火プラグ孔に装着可能な一体物として構成されていることを特徴とする内燃機関。」が記載されている。特許文献2には、ポンピング光源の一例としてレーザダイオードが挙げられており、レーザダイオードを有するQスイッチ制御固体レーザユニットが内燃機関の各気筒に配置されている。そして、このQスイッチ制御固体レーザユニットは冷却装置で冷却されることにより温度安定性を確保している。
しかし、レーザ発生器は一般に熱の影響を強く受ける。受動Qスイッチダイオード励起固体レーザは、熱による悪影響として、熱膨張によるアラインメントのずれ、熱による増幅媒体の特性低下、レーザダイオードの波長シフトが挙げられる。特に問題になるのが励起光源として使用されるレーザダイオードの波長シフトであり、レーザダイオードの温度変化に伴う出力波長の変動によって、レーザダイオード出力光では増幅媒体を励起できないという事態が生じる可能性がある。
このような問題を解決する方法として、励起光源であるレーザダイオードを内燃機関から離れた位置に設置し、各気筒に固体レーザを設置し、両者の間を光ファイバで結ぶことにより、励起光を固体レーザに供給するシステムが考えられる。固体レーザは、レーザダイオードとは異なり、過剰な冷却によって出力が低下するおそれがないので、固体レーザに対しては、最も過酷な稼動条件において十分な能力を有する冷却機構を設置しておけば、複雑な温度制御をする必要がない。また、温度変化による影響を受け易いレーザダイオードは内燃機関から離れている。したがって、レーザ着火装置に対する温度制御が容易になる。
しかし、上記機構を有するレーザ着火装置とした場合、混合気に確実に着火させるのに十分な定格出力を有するレーザダイオードからの出力光を光ファイバを介して固体レーザに導く必要がある。定格出力の高いレーザダイオード程、大型であり、かつ高価であるので、レーザ着火装置全体として大型化し、高コストになるという問題があった。
特開昭63−173852号公報 特表2007−506031号公報
本発明の課題は、内燃機関の温度変化による影響を受けにくく、かつ、内燃機関の燃焼室内にある燃料に着火するのに必要な定格出力を有するレーザダイオードを用いることなく、それよりもはるかに小さい定格出力を有する複数のレーザダイオードを用いて、複数の気筒を有する内燃機関の燃焼室内にある燃料に着火させることのできるレーザ着火装置を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、
複数の気筒を有する内燃機関の燃焼室内にある燃料に着火させるレーザ着火装置であって、各気筒に装着されるQスイッチ固体レーザと、前記Qスイッチ固体レーザそれぞれに結合され、かつ、各Qスイッチ固体レーザに励起光を供給する複数のファイバレーザと、前記ファイバレーザそれぞれに励起光を供給する複数のレーザダイオードとを備え、任意の1つのファイバレーザのコアは他のファイバレーザのうちの少なくとも1つのファイバレーザのコアと近接する近接部を有し、前記近接部において任意のファイバレーザのコアから出たレーザ光によってその他のファイバレーザの共振器内で注入同期を行い、選択されたQスイッチ固体レーザからジャイアントパルスが出力されることを特徴とするレーザ着火装置であり、
請求項2は、
前記近接部が光ファイバカプラにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ着火装置であり、
請求項3は、
前記ファイバレーザそれぞれには、前記ファイバレーザにおける前記近接部と前記Qスイッチ固体レーザとの間に、任意のファイバレーザの出力を選択されたファイバレーザに集中させる損失付加手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ着火装置であり、
請求項4は、
前記損失付加手段は、内燃機関の動作に応じて、複数ある前記損失付加手段のうちの特定の前記損失付加手段を作動させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のレーザ着火装置である。
本発明に係るレーザ着火装置は、複数の気筒を有する内燃機関の燃焼室内にある燃料に着火させるレーザ着火装置であって、各気筒に装着されるQスイッチ固体レーザと、前記Qスイッチ固体レーザそれぞれに結合され、かつ、各Qスイッチ固体レーザに励起光を供給する複数のファイバレーザと、前記ファイバレーザそれぞれに励起光を供給する複数のレーザダイオードとを備え、任意の1つのファイバレーザのコアは他のファイバレーザのうちの少なくとも1つのファイバレーザのコアと近接する近接部を有し、前記近接部において任意のファイバレーザのコアから出たレーザ光によってその他のファイバレーザの共振器内で注入同期を行い、選択されたQスイッチ固体レーザからジャイアントパルスが出力されることを特徴とする。したがって、温度変化の影響を受け易いレーザダイオードをファイバレーザを介して内燃機関から隔離して設置することができるので、内燃機関の温度変化の影響を受けることにより、レーザダイオードから出力されるレーザ光の出力特性が不安定になることを防ぐことができる。したがって、内燃機関の温度変化による影響を受けにくいレーザ着火装置を提供することができる。
また、本発明のレーザ着火装置は、近接部を有し、複数のレーザダイオードのレーザ光を注入同期させて、選択されたQスイッチ固体レーザからジャイアントパルスを出力させることができるので、各ファイバレーザが近接部を有することなく、独立してジャイアントパルスを出力させる場合に必要な定格出力を有するレーザダイオードを用いることなく、それよりもはるかに低い定格出力を有するレーザダイオードを使用することができる。レーザダイオードの定格出力が低くなる程、レーザダイオードは小型化し、低価格になる。したがって、1つのレーザダイオードによりQスイッチ固体レーザからジャイアントパルスを出力させる構成を有するレーザ着火装置よりも小型化したレーザ着火装置を提供することができる。
さらに、近接部が光ファイバカプラにより形成されていると、近接部を確実にかつ容易に形成させることができるので、任意のファイバレーザのレーザ光によって他のファイバレーザの共振器内で注入同期を確実に行うことができる。
さらに、各ファイバレーザにおいて、ファイバレーザにおける近接部とQスイッチ固体レーザとの間に、損失付加手段が設けられていると、充分な励起光が供給されてジャイアントパルスを出力するQスイッチ固体レーザを選択することができる。すなわち、損失付加手段に損失が付加されていないQスイッチ固体レーザからジャイアントパルスを出力させることができる。
さらに、この損失付加手段は、制御装置によるスイッチングにより内燃機関の動作に応じて前記損失付加手段のうちのいずれか少なくとも1つの損失付加手段が選択的に作用されるので、所望の気筒の燃焼室内にある燃料に着火することができる。その結果、所望のように内燃機関を駆動させることができる。
まず、図1(a)、(b)を参照しつつ本発明に係るレーザ着火装置の一実施例であるレーザ着火装置について説明する。図1(a)は、本発明の一実施例であるレーザ着火装置において、2つの気筒を有する内燃機関に対応するレーザ着火装置の概念図である。図1(b)は、本発明の一実施例であるレーザ着火装置におけるファイバレーザの拡大説明図である。
本発明の一実施例であるレーザ着火装置1は、2つのQスイッチ固体レーザ21,22と、前記Qスイッチ固体レーザ21,22それぞれに結合され、かつ、各Qスイッチ固体レーザに励起光を供給する2つのファイバレーザ31,32と、前記ファイバレーザ31,32それぞれに励起光を供給する2つのレーザダイオード41,42とを備え、一方のファイバレーザ31,32のコア51,52は他方のファイバレーザ31,32のコア51,52と近接する近接部を有するように光ファイバカプラ61が設けられている。一方のファイバレーザ32における、光ファイバカプラ61とQスイッチ固体レーザ22との間(以下において、ポート部と称する。)に損失を与えると、光ファイバカプラ61において一方のファイバレーザ32のコア52から出たレーザ光によって他方のファイバレーザ31の共振器71内で注入同期を行い、2つのファイバレーザ31,32のレーザ光がコヒーレント加算されたレーザ光を1つのファイバレーザ31から出力することができる。本実施形態のレーザ着火装置は、内燃機関の燃焼室内にある燃料を着火するのに必要な定格出力を有するレーザダイオードの約2分の1の定格出力を有する2つのレーザダイオードを用いて、Qスイッチ固体レーザ21からジャイアントパルスを出力することができる。また、本実施形態のレーザ着火装置は、レーザダイオード41,42から出力されるレーザ光をファイバレーザ31,32を介してQスイッチ固体レーザ21,22に導入しているので、温度変化の影響を受け易いレーザダイオードをファイバレーザを介して内燃機関から離して設置することができる。したがって、内燃機関の温度変化の影響を受けることにより、レーザダイオードから出力されるレーザ光の波長がシフトするといった出力特性が不安定になることを防ぐことができる。その結果、内燃機関の温度変化による影響を受けにくいレーザ着火装置を提供することができる。
各レーザダイオード41,42は、ファイバレーザ31,32のコア51,52にドープされた希土類元素及び遷移元素、例えばネオジウム(Nd)、エルビウム(Er)、又はプラセウム(Pr)等の吸収波長に近いレーザ光を照射することのできる公知のレーザダイオードを採用することができる。
各ファイバレーザは、例えば石英系シングルモード光ファイバのコア内にネオジウム(Nd)、エルビウム(Er)、プラセウム(Pr)等の希土類元素及び遷移元素のうちの少なくとも1つの元素のイオンを添加したシングルモードファイバレーザであり、一端部はコア51,52内を伝播するレーザ光が完全反射するように全反射端面81,82が設けられ、他端は部分反射するように形成された部分反射端面91,92が設けられ、全反射端面81,82と部分反射端面91,92とファイバ101,102とにより共振器71,72を形成している。各ファイバレーザ31,32においては、コア51,52内の希土類元素又は遷移元素をレーザダイオード41,42から供給された励起光により励起させることによりレーザ光を発生させ、各ポート111,112から出力されたレーザ光はQスイッチ固体レーザに導入される。
レーザダイオード41,42から出力される励起光をファイバレーザ31,32に導入するファイバレーザ31,32の端部は、コア51,52内を伝播するレーザ光を完全反射するように形成されていれば良く、例えば、図1(a)に示すように、ファイバブラッググレーティング(FBG)で終端処理する方法が挙げられる。本実施形態においては、レーザダイオード41,42から出力される励起光は、第2ファイバ121、122によって伝送されてファイバ101,102に導入される。第2ファイバ121,122とファイバ101,102はカプラ131,132で結合されており、このカプラ131,132は、例えばWDM[Wavelength Division Multiplexing]結合器を採用することができる。各ファイバレーザ31,32は、一端がファイバブラッググレーティング(FBG)で終端処理されることにより、コア51,52内を伝播するレーザ光が全反射するように形成され、他端はレーザ光が部分反射するように部分反射端面91,92が設けられて、共振器71,72を形成している。この部分反射端面91,92からレーザ光が出力されてQスイッチ固体レーザ21,22に導入される。
全反射端面81,82は、特定の波長の光を99%より大きな反射率(ほぼ100%の反射率)で反射し、それ以外の波長の光を透過する特性を有する。部分反射端面91,92は、特定の波長の光を例えば3.4%の反射率で反射するとともにその残りを透過する特性を有する。
各ファイバレーザ31,32の中間部では、各コア51,52が近接して配置される近接部を形成するように光ファイバカプラ61が設けられている。この近接部では、レーザ光の発振波長程度、すなわち数μm程度に各コア51,52が近接して設置されている。この近接部は、光ファイバを束ねて加熱し延伸して融着することにより、各コア51,52を細径化すると共に近接させる方法、又は光ファイバカプラを用いて各コア51,52を細径化すると共に近接させる方法等を採用することができる。この中でも光ファイバカプラは、確実にかつ容易に近接部を形成させることができるので好ましい。
なお、本実施例においては光ファイバカプラ61を用いて各コア51,52を細径化すると共に近接させているが、重要な点は、各コア51,52を近接して配置することである。各コア51,52を細径化することは、レーザ光のしみ出しをより一層促進させるので好ましい。また、コア51,52間の距離が短いほど、近接場相互作用が強くなり、各コア51,52を近接させる区間を短くできる。つまり、光ファイバカプラ61を用いた場合には、光ファイバカプラ61の長さを短くできる。一方、コア51,52間の距離が長くても、各コア51,52を近接させる区間を長くすることにより同様の作用を得ることができる。この光ファイバカプラにより形成されている近接部5において一方のファイバレーザ31,32のコア51,52内から出たレーザ光によって他方のファイバレーザ32,31の共振器72,71内で注入同期が行われる。
図2(a)は、図1(a)の光ファイバカプラの拡大側面説明図であり、図2(b)は、光ファイバカプラの溶融延伸部の平面図であり、図2(c)は、図2(b)のA−A線に沿った断面図である。
光ファイバカプラ61は、図2に示す例では、2×2で分岐比50:50の光ファイバカプラ61であり、2本のファイバ101,102のコア51,52からレーザ光をしみ出させ、そのしみ出したレーザ光を他方のコア51,52内で結合させる機能を有する。そのために、光ファイバカプラ61は、2本のファイバ101,102の中間部を溶融して延伸し、その2本のファイバ101,102のクラッド51a,52a間を接合させた溶融延伸部61aを有する。溶融延伸部61aでは、ファイバ101,102、すなわちコア51,52が細径化し、コア51,52が非常に近接して配置された状態となっている。
光ファイバカプラ61は、ファイバの溶融延伸部61aを石英系のサブストレート61b上に固定するとともにインバー61c,61c及びシール材61d,61dで形成する熱膨張係数の小さい空間内で封止している。
図1(a)に示すように、本実施形態のレーザ着火装置1は、ファイバ101,102における光ファイバカプラ61が設けられている近接部とQスイッチ固体レーザとの間、すなわちポート部に損失付加手段141,142を設けて、いずれか一方のポート部に損失を与えることにより、コヒーレント加算したレーザ光を他方のファイバレーザ31,32から出力させることができる。損失付加手段としては、例えばファイバ101,102にループ部151,152を設け、このループ部151,152の曲率を変化させることにより損失を変化させることのできる手段を挙げることができる。本実施形態においてはループ部151,152にアクチュエータ141,142を設けて、このアクチュエータ141,142を駆動させることによりループ部151,152の曲率を変化させて、ファイバ101,102のループ部151,152に曲げ損失を与えることができる。図1(a)では、ファイバ102に設けられているアクチュエータ142を駆動してループ部152の曲率を小さくし、曲げ損失を付加しているので、ファイバレーザ31のポート111からコヒーレント加算したレーザ光が出力される。このコヒーレント加算されたレーザ光の出力値は、ファイバレーザ31,32が独立してレーザ光を出力した場合の各レーザ光の出力値のほぼ加算値となる。損失付加手段としては、この他にもAO、EM効果を利用した光学素子等をポート部に設ける方法を採用することができる。
また、ファイバレーザ31,32は、各ファイバレーザ31,32間で偏光を同一にすることにより高い加算効率を得ることができるので、ファイバレーザ31,32における全反射端面81,82と光ファイバカプラ61との間に偏波制御器161を備えているのが好ましい。この偏波制御器161は、各ファイバレーザ31,32のうちのいずれか一方のファイバレーザ31,32に設けられていればよい。なお、偏波を保存可能なファイバを用いれば、偏波制御器161は不要である。
Qスイッチ固体レーザ21,22は、ファイバレーザ31,32から出力される励起光により内燃機関の燃焼室内にある燃料に着火するのに十分なジャイアントパルスを出力することができる限り、公知のQスイッチ固体レーザを採用することができる。Qスイッチ固体レーザは、その構成として、例えば、図3に示すように、ファイバレーザのポート301から出力されたレーザ光311を集光する第1レンズ302及び第2レンズ303と、集光したレーザ光311を励起光として光の誘導放出を行う増幅媒体304と、誘導放出された光312を吸収することのできる可飽和吸収体305と、ジャイアントパルス313を透過する出力鏡306と、出力鏡306から出力されたジャイアントパルス313を集光する第3レンズ307と、これらの構成部品を収納する筐体709とにより形成され、集光されたジャイアントパルス313を外部に出力するレーザ出力窓308により気筒の燃焼室と隔離されているQスイッチ固体レーザ21,22を挙げることできる。増幅媒体704における励起光711が入射する側の表面には、励起光を透過し、発振波長を反射するようにコーティングが施されて、全反射面310が形成されている。また、出力鏡306は、誘導放出された光312が一部反射するように形成されており、全反射面310と出力鏡306との間でファブリペロー共振器が形成されている。
増幅媒体304を形成する物質は、ファイバレーザのポート301から出力されたレーザ光311を励起光として光の誘導放出を発生させることができる限り特に制限はなく、例えば、Nd:YAG、Yb:YAG等を使用することができる。
可飽和吸収体305を形成する物質は、増幅媒体304から誘導放出される光312を吸収することによって、光の透過率を増大させることのできる物質である限り特に制限はなく、例えば、Cr4+:YAGを使用することができる。
図4に、本実施形態のレーザ着火装置におけるQスイッチ固体レーザを内燃機関の気筒に装着した場合の気筒の模式図を示す。内燃機関の気筒400は、シリンダブロック401とシリンダヘッド402とピストン403とにより形成され、シリンダブロック401とシリンダヘッド402とピストン403とにより囲まれて形成される空間が燃焼室404である。シリンダヘッド402には燃料と空気との混合気を供給する吸入管405が接続され、吸入弁406の開閉により混合気の供給が調節されるように形成されている。また、シリンダヘッド402には混合気を排出する排気管407が接続され、排気弁408の開閉により混合気の排気が調節されるように形成されている。本実施形態のレーザ着火装置1におけるQスイッチ固体レーザ21(22)は、燃焼室404内の混合気に着火させることができる限り任意の位置に設置することができ、例えば、図4に示すようにシリンダヘッド402における吸入弁406と排気弁408との間に、本実施形態のレーザ着火装置1におけるQスイッチ固体レーザ21(22)を設置することができる。Qスイッチ固体レーザ21(22)から出力されたジャイアントパルスは燃焼室404内においてブレークダウンを生じ、ジャイアントパルスの結像点を起点に燃焼室404内の混合気が燃焼する。なお、内燃機関における気筒の一例を説明したが、気筒の構成は上記構成に限定されるものではない。
次に、図1(a)により、レーザ着火装置1の作用について説明する。レーザダイオード41,42から出力された励起光は、第2ファイバ121,122によって伝送されて、カプラ131,132で結合された各ファイバ101,102のコア51,52に導入される。この励起光によりコア51,52内にドープされている希土類元素又は遷移元素が励起状態となり、光が誘導放出されて全反射端面81,82と部分反射端面91,92とファイバ101,102とにより形成された各共振器71,72内を往復する。そして、各共振器71,72内でレーザ増幅を受け、各共振器71,72内で異なる発振波長のレーザ光を発振し、各レーザ光がコア51,52内を伝播する。
このとき、光ファイバカプラ61により形成される近接部では、コア51,52が細径化すると共にコア51,52同士が近接しているので、一方のコア51,52から他方のコア51,52へレーザ光がしみ出す。また、一方のファイバ102のポート部は、アクチュエータ142を駆動させてループ部152の曲率を小さくし、曲げ損失を付加しているので、光ファイバカプラ61では、一方のコア52からしみ出したレーザ光が、近接して配置されている他方のコア51内に引き込まれ、その引き込まれたレーザ光がコア51内を伝播する。そして、その引き込まれたレーザ光が、共振器71内を往復しているうちに、共振器61において他方のコア51を伝播しているレーザ光とコヒーレント加算し、位相が同期(注入同期)する。そして、このコヒーレント加算したレーザ光が、他方のファイバレーザ31の部分反射端面91を透過し、出力される。
コヒーレント加算されてファイバレーザ31から出力されたレーザ光は、各ファイバレーザ31,32から独立して出力した場合の2倍近い出力値である。一方、ファイバレーザ32から出力されたレーザ光の出力値は、非常に小さく、このレーザ光がQスイッチ固体レーザに導入されても、ジャイアントパルスは出力されない。このとき、各ファイバレーザ31,32に励起光を供給する各レーザダイオード41,42は、光ファイバカプラ61を設けずに、独立して各Qスイッチ固体レーザ21,22にファイバレーザ31,32を介して励起光を入射させる場合に比べて、定格出力の低いレーザダイオード41,42を使用することができる。レーザダイオードの定格出力が低くなる程、レーザダイオードは小型化し、低価格になる。したがって、1つのレーザダイオードによりQスイッチ固体レーザからジャイアントパルスを出力させる構成を有するレーザ着火装置よりも、2つの定格出力の低いレーザダイオードを用いた本実施形態のレーザ着火装置の方が、小型化し、コストを抑えたレーザ着火装置とすることができる。
また、各レーザダイオード41,42が、内燃機関における混合気に着火させるのに必要なジャイアントパルスを出力させるのに十分な定格出力を有している場合においても、例えば、一方のファイバ102のループ部152に設けられているアクチュエータ142を駆動させることにより、曲げ損失を付加すると、各ファイバレーザ31,32から独立して出力した場合の2倍近い出力値が、他方のファイバレーザ31から得られる。このとき、一方のファイバ102に損失を付加しない場合に比べて、2倍近い励起光をQスイッチ固体レーザ21に供給することができるので、例えば、Qスイッチ固体レーザが可飽和吸収体が備えられている受動Qスイッチ固体レーザの場合には、Qスイッチ固体レーザ21から出力されるジャイアントパルスのパルス周期を短くすることができる。
図5は、図1(a)に示したレーザ着火装置において、他方のファイバレーザのポート部に損失を付加した場合の例を示している。図1(a)のようにアクチュエータ142を駆動してファイバレーザ32のポート部に損失を付加するのではなく、図5に示すように、アクチュエータ141を駆動してファイバレーザ31のポート部に損失を与えた場合には、ファイバレーザ31のコア51を伝播するレーザ光が光ファイバカプラ61においてファイバレーザ32のコア52に引き込まれ、ファイバレーザ32のコア52内を伝播しているレーザ光とコヒーレント加算し、位相が同期(注入同期)する。そして、各ファイバレーザ31,32から独立して出力した場合の2倍近い出力値のレーザ光が、図1に示したレーザ着火装置とは反対のファイバレーザ32のポート112から出力される。
このアクチュエータ141,142を制御することにより、2つのファイバレーザ31,32それぞれが独立して出力した場合の出力値を加算した出力値を有するレーザ光を、任意のファイバレーザ31,32から出力させることができる。また、ポート部に損失を付加するだけでレーザ光を出力するファイバレーザ31,32を切り換えることができ、さらに損失付加手段として、アクチュエータ、AO素子、EM素子等を採用することにより、実用上十分な切り換えスピードを得ることができる。
図3に示すように、ファイバレーザ31(32)のポート301から出力されたレーザ光は、Qスイッチ固体レーザ21(22)に励起光として導入される。励起光は第1レンズ302及び第2レンズ303により集光され、増幅媒体304に入射される。入射された励起光は増幅媒体304に吸収されて時間と共に励起され反転分布密度が上昇し、誘導放出が起こる。増幅媒体304から誘導放出された光が出力鏡306と全反射面310とにより形成される共振器内を往復する過程において、可飽和吸収体305が、共振器内部を往復する光を吸収して、可飽和吸収体305の透過率が上昇するため、共振器に貯蔵されたエネルギーと損失されたエネルギーとの比であるQ値が急激に上昇し、共振器内部を往復する光束ならびに出力鏡306を透過する出力光が急激に増加する。出力光の急激な増加に伴い、増幅媒体304の反転分布密度は急激に減少するので、共振器内部を往復する光束ならびに出力鏡306を透過する出力光は短時間のうちに減少に転じ、出力はジャイアントパルスとなる。
レーザダイオードからの励起光が連続して出力される場合には、上記過程が繰り返されるので、ジャイアントパルス313が所定間隔で出力される。一方、増幅媒体304の反転分布密度が閾値に達した後に、レーザダイオードから出力される励起光を速やかに止めると、単一のジャイアントパルス313となる。
出力鏡306から出力されたジャイアントパルス313は、第3レンズ307により集光されて、レーザ出力窓308により隔離された気筒の燃焼室内に結像点314が形成される。この結像点314においては、高い電界が生じる。この電界密度が諸条件によって決まる閾値より高い場合には、ブレークダウンを生じ、この結像点314を起点に燃焼室内の混合気が燃焼する。
図6に、本実施形態のレーザ着火装置の制御系を説明するための構成図を示す。本実施形態のレーザ着火装置は、内燃機関の気筒に取り付けられた種々のセンサにより得られる信号を解析し、レーザダイオードの電源及び損失付加手段の駆動を制御する制御装置により制御されるのが好ましい。制御装置600は、演算部601と制御部602とにより形成され、内燃機関に取り付けられた種々のセンサ621,622、例えば、クランク角、燃焼室内の圧力、燃焼室内の燃料の濃度、排気管内の排気温度、排気管内の排気中の酸素濃度及び残存燃料濃度等を検知するセンサから送信された信号を演算部601において解析する。解析された結果は、制御部602へ送信され、この制御部602は制御信号を生成し、損失付加手段141,142に制御信号を出力する。損失付加手段141,142がノーマルクローズ、すなわち電気信号がoffのときに損失の高い状態となるときは、出力を得たいポート部に設けられた損失付加手段141,142に制御信号を出力する。反対に、ノーマルオープン、すなわち電気信号がonのときに損失の高い状態となるときは、出力を得たいポート部に設けられた損失付加手段141,142を除くすべての損失付加手段に制御信号を出力する。その後、ダイオードレーザ41,42の稼動開始からQスイッチ固体レーザよりジャイアントパルスが出力されるまでの時間を考慮したタイミングで、2つのレーザダイオードの電源41a,42aに同時に制御信号を出力し、レーザダイオードの電源41a,42aを同時にon及びoffにする。上記工程を繰り返し行うことにより、所望の気筒内の混合気を適切なタイミングで、着火させることができる。なお、レーザダイオードの電源41a,42aをonにしたままで、損失付加手段141,142に出力する制御信号をスイッチングすることにより、ジャイアントパルスを出力する気筒をスイッチングすることもある。本実施形態のレーザ着火装置におけるレーザダイオードの電源41a,42a及び損失付加手段141,142の駆動が制御装置600に制御されることにより、内燃機関の稼動状況に応じて、複数存在する気筒の内の所望の気筒を動作させることができる。
図7は、他の実施の形態に係るレーザ着火装置であり、4つの気筒を有する内燃機関に対応するレーザ着火装置の概念図である。
本実施形態に係るレーザ着火装置701は、4つの気筒を有する内燃機関の燃焼室内にある燃料に着火させることのできるレーザ着火装置701であって、各気筒に装着されるQスイッチ固体レーザ721,722,723,724と、前記Qスイッチ固体レーザ721,722,723,724それぞれに結合され、かつ、各Qスイッチ固体レーザ721,722,723,724に励起光を供給する4つのファイバレーザ731,732,733,734と、前記ファイバレーザ731,732,733,734それぞれに励起光を供給する4つのレーザダイオード741,742,743,744とを備え、4つのファイバレーザ731,732,733,734のコア751,752,753,754は相互のファイバレーザ731,732,733,734のコア751,752,753,754と近接する近接部を形成する光ファイバカプラ761を有し、前記光ファイバカプラ761において任意のファイバレーザ731,732,733,734のコア751,752,753,754から出たレーザ光によってその他のファイバレーザ731,732,733,734の共振器内で注入同期を行い、選択されたQスイッチ固体レーザ721からジャイアントパルスが出力されている。
4つのレーザダイオード741,742,743,744から出力される励起光は、それぞれ第2ファイバ7121,7122,7123,7124によって伝送されてファイバレーザ731,732,733,734に導入される。第2ファイバ7121,7122,7123,7124とファイバレーザ731,732,733,734とはカプラ7131,7132,7133,7134で結合されている。各ファイバレーザ731,732,733,734は、一端がファイバブラッググレーティング(FBG)781,782,783,784で終端処理されることにより、コア内を伝播するレーザ光が全反射するように形成され、他端はレーザ光が部分反射するように部分反射端面791,792,793,794が設けられて、共振器771,772,773,774を形成している。この部分反射端面791,792,793,794からレーザ光が出力されてQスイッチ固体レーザ721,722,723,724に導入される。
各ファイバレーザ731,732,733,734の中間部では、各コア751,752,753,754が近接して配置されるように光ファイバカプラ761が設けられている。光ファイバカプラ761では、1つのコア751,752,753,754からその他のコア751,752,753,754へレーザ光がしみ出す。しみ出したレーザ光が他のファイバレーザ731,732,733,734の共振器内を往復するうちに、コア751,752,753,754を伝播しているレーザ光と注入同期する。
また、本実施形態のレーザ着火装置701は、ファイバ7101,7102,7103,7104のポート部にループ部7151,7152,7153,7154を設け、このループ部7151,7152,7153,7154の曲率をアクチュエータ7141,7142,7143,7144で変化させることのできる損失付加手段が設けられている。図7に示すように、アクチュエータ7142,7143,7144を駆動することにより、4つのループ部7151,7152,7153,7154のうちの3つのループ部7152,7153,7154の曲率を小さくすることにより、3つのループ部7152,7153,7154に曲げ損失を付加し、コヒーレント加算したレーザ光を1つのファイバレーザ731から出力させることができる。このコヒーレント加算された出力は、ファイバレーザ731,732,733,734が独立してレーザ光を出力した場合の各レーザ光の出力値のほぼ加算値となる。すなわち、各ファイバレーザ731,732,733,734の出力値がすべて1であるとすると、その加算値である4に近い出力値が1つのファイバレーザ731から得られる。例えば、内燃機関における混合気に着火させるのに必要なジャイアントパルスを出力させることのできる、ファイバレーザから出力されるレーザ光の出力値が4であるとすると、図1(a)に示したレーザ着火装置1の例においては、2つのファイバレーザが独立して出力した場合の各レーザ光の出力値が2の場合に、その加算値である出力値4が得られる。一方、図7に示したレーザ着火装置701の例においては、4つのファイバレーザ及び4つのレーザダイオードを有しているので、ファイバレーザが独立して出力した場合の各レーザ光の出力値が1であれば、ジャイアントパルスを出力させることのできるレーザ光の出力値4が得られる。したがって、図1(a)に示したレーザ着火装置1におけるレーザダイオードに比べて本実施形態のレーザ着火装置におけるレーザダイオードは定格出力を約2分の1に低減したレーザダイオードを用いることができる。したがって、本実施形態のレーザ着火装置は、図1(a)に示されるレーザ着火装置を2つ使用することにより、4つの気筒を有する内燃機関に対応させる場合に比べて、装置全体として小さくすることができる。
図7においては、3つのループ部7152,7153,7154に損失を付加しているが、別の3つのループ部7151,7152,7153,7154に損失を付加することにより、別のファイバレーザ731,732,733,734のポート7111,7112,7113,7114からコヒーレント加算したレーザ光を出力させることもできる。アクチュエータ7141,7142,7143,7144を制御して、任意のポート部に損失を付加することにより、任意のファイバレーザ731,732,733,734からレーザ光を出力することができる。また、実用上十分な切り換えスピードを得ることができる。
図8は、他の実施の形態に係るレーザ着火装置であり、4つのレーザダイオードを用いて2つの気筒を有する内燃機関に対応するレーザ着火装置の概念図である。
本実施形態のレーザ着火装置801は、2つのQスイッチ固体レーザ821,822と、前記Qスイッチ固体レーザ821,822それぞれに結合され、かつ、Qスイッチ固体レーザ821,822に励起光を供給する2つのファイバレーザ832,833(以下において、励起光供給用ファイバレーザと称することがある。)と、一端が終端処理されてなる2つのファイバレーザ831,834(以下において、光増幅用ファイバレーザと称するることがある。)と、前記2つの励起光供給用ファイバレーザ832,833と2つの光増幅用ファイバレーザ831,834それぞれに励起光を供給する4つのレーザダイオード841,842,843,844とを備え、各励起光供給用ファイバレーザ832,833の中間部に各コア852,853が近接する近接部が形成されるように第1の光ファイバカプラ861が設けられ、前記一方の励起光供給用ファイバレーザ832における前記第1の光ファイバカプラ861とレーザダイオード842との中間部と前記一方の光増幅用ファイバレーザ831の中間部において各コア851,852が近接する近接部を形成するように第2の光ファイバカプラ862が設けられ、前記他方の励起光供給用ファイバレーザ833における前記第1の光ファイバカプラ861とレーザダイオード843との中間部と前記他方の光増幅用ファイバレーザ834の中間部において各コア853,854が近接する近接部を形成するように第3の光ファイバカプラ863が設けられている。
4つのレーザダイオード841,842,843,844から出力される励起光は、第2ファイバ8121,8122,8123,8124によって伝送されて2つの励起光供給用ファイバレーザ832,833及び2つの光増幅用ファイバレーザ831,834にそれぞれ導入される。第2ファイバ8121,8122,8123,8124と2つの励起光供給用ファイバレーザ832,833及び2つの光増幅用ファイバレーザ831,834とはそれぞれカプラ8131,8132,8133,8134で結合されている。2つの励起光供給用ファイバレーザ832,833及び2つの光増幅用ファイバレーザ831,834は、それぞれ一端がファイバブラッググレーティング(FBG)881,882,883,884で終端処理されることにより、コア851,852,853,854内を伝播するレーザ光が全反射するように形成され、2つの励起光供給用ファイバレーザ832,833の他端はレーザ光が部分反射するように部分反射端面892,893が設けられ、2つの光増幅用ファイバレーザ831,834の他端は終端処理8171,8172されて、それぞれ共振器871,872,873,874を形成している。
一方の励起光供給用ファイバレーザ832における第1光ファイバカプラ861とFBG882との間に、一方の励起光供給用ファイバレーザ832のコア852と一方の光増幅用ファイバレーザ831のコア851とが近接して配置されるように第2の光ファイバカプラ862が設けられている。光増幅用ファイバレーザ831の一端は終端処理8171されているので、第2の光ファイバカプラ862において、光増幅用ファイバレーザ831のコア851から励起光供給用ファイバレーザ832のコア852へレーザ光がしみ出す。光増幅用ファイバレーザ831のコア851からしみ出したレーザ光が励起光供給用ファイバレーザ832の共振器872内を往復するうちに、コア852を伝播しているレーザ光とコヒーレント加算されて、注入同期する。
同様に、他方の励起光供給用ファイバレーザ833における第1の光ファイバカプラ861とFBG883との間に、他方の励起光供給用ファイバレーザ833のコア853と他方の光増幅用ファイバレーザ834のコア854とが近接して配置されるように第3の光ファイバカプラ863が設けられている。光増幅用ファイバレーザ834の一端は終端処理8172されているので、第3の光ファイバカプラ863において、光増幅用ファイバレーザ834のコア854から励起光供給用ファイバレーザ833のコア853へレーザ光がしみ出す。光増幅用ファイバレーザ834のコア854からしみ出したレーザ光が他の励起光供給用ファイバレーザ833の共振器873内を往復するうちに、コア853を伝播しているレーザ光とコヒーレント加算されて、注入同期する。
2つの励起光供給用ファイバレーザ832,833は、その中間部において各コア852,853が近接して配置されるように第1の光ファイバカプラ861が設けられている。
本実施形態のレーザ着火装置801は、光ファイバ8102,8103のポート部にループ部8152,8153を設け、このループ部8152,8153の曲率をアクチュエータ8142,8143で変化させることのできる損失付加手段が設けられている。図8に示すように、アクチュエータ8143を駆動して、一方のループ部8153の曲率を小さくすることにより、ループ部8153に曲げ損失を付加し、コヒーレント加算したレーザ光を1つの励起光供給用ファイバレーザ832から出力させることができる。このコヒーレント加算したレーザ光の出力値は、2つの励起光供給用ファイバレーザ832,833及び2つの光増幅用ファイバレーザ831,834それぞれが独立してレーザ光を出力した場合の各レーザ光の出力値のほぼ加算値となる。すなわち、励起光供給用ファイバレーザ832,833及び光増幅用ファイバレーザ831,834それぞれの出力値が1であるとすると、その加算値である4に近い出力値が1つのファイバレーザ832から得られる。例えば、内燃機関における混合気に着火させるのに必要なファイバレーザから出力されるレーザ光の出力値が4であるとすると、図1(a)に示したレーザ着火装置1の例においては、2つのファイバレーザが独立して出力した場合の各レーザ光の出力値が2の場合に、その加算値である出力値4が得られる。一方、図8に示したレーザ着火装置801の例においては、4つのファイバレーザ及び4つのレーザダイオードを有しているので、励起光供給用ファイバレーザ832,833及び光増幅用ファイバレーザ831,834それぞれが独立して出力した場合の各レーザ光の出力値が1であれば、混合気に着火させるのに必要な出力値4が得られる。したがって、図1(a)に示したレーザ着火装置1におけるレーザダイオードに比べて本実施形態のレーザ着火装置におけるレーザダイオードは定格出力を約2分の1に低減したレーザダイオードを用いることができる。
なお、損失を付加するポート部を変更して、別の励起光供給用ファイバレーザ833からコヒーレント加算したレーザ光を出力させることもできる。アクチュエータ8142,8143を制御して、任意のポート部に損失を付加することにより、任意の励起光供給用ファイバレーザ832,833からレーザ光を出力することができる。また、実用上十分な切り換えスピードを得ることができる。
また、本実施形態のレーザ着火装置801に、一端が終端処理された光増幅用ファイバレーザとこの光増幅用ファイバレーザに励起光を供給するレーザダイオードとを適宜追加して、励起光供給用ファイバレーザにおける適宜の位置に光ファイバカプラ等により、光増幅用ファイバレーザと励起光供給用ファイバレーザとの各コアが近接する近接部を設けることにより、さらに大出力の励起光をQスイッチ固体レーザ821,822に導入することができる。又は、それぞれのレーザダイオードをさらに定格出力の低いレーザダイオードにすることができる。したがって、要求されるレーザダイオードの出力が大きいために、一本のファイバレーザに励起光を導入することが困難な場合でも、図8に示したように、複数のレーザダイオードを使用することにより、要求される出力を分割して、光増幅用ファイバレーザを用いて伝送することができ、複数のレーザダイオードから出力された出力値が加算された出力値を有する励起光を一つのQスイッチ固体レーザに導入することができる。また、ペルチェ冷却が困難であるためにチラー冷却を必要とするような大容量のレーザダイオードが要求される場合でも、複数のレーザダイオードを使用することにより要求される出力を分割して、光増幅用ファイバレーザを用いて伝送することにより、複数のレーザダイオードから出力された出力値が加算された出力値を有する励起光を一つのQスイッチ固体レーザに導入することができるので、レーザダイオードをペルチェ素子により冷却することができる。さらに、複数のレーザダイオードから一本の励起光供給用ファイバレーザに励起光を導入する場合には、ファイバ、すなわちコア及びクラッドを太くせざるを得ない場合があり、ファイバの取り回しが悪くなることがある。しかし、本実施形態のレーザ着火装置によれば、複数のレーザダイオードから出力される励起光を光増幅用ファイバレーザを用いて伝送することができるので、ファイバの太さを所望の範囲に収めることができる。
本発明に係るレーザ着火装置は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の変更をすることができる。例えば、Qスイッチ固体レーザの個数は特に限定されず、内燃機関における気筒の個数に対応して変更することができる。また、レーザダイオードの個数及びファイバレーザの本数は、Qスイッチ固体レーザの個数以上の数を有する限り任意の個数を有することができる。また、ファイバレーザのコアと他のファイバレーザのコアとを近接する近接部については、少なくともQスイッチ固体レーザに励起光を供給するファイバレーザのコアとの間に近接部を有する限り、任意の位置に設けることができる。
図1(a)は、本発明の一実施例であるレーザ着火装置において、2つの気筒を有する内燃機関に対応するレーザ着火装置の概念図である。図1(b)は、本発明の一実施例であるレーザ着火装置におけるファイバレーザの拡大説明図である。 図2(a)は、光ファイバカプラの拡大側面説明図である。図2(b)は、光ファイバカプラの溶融延伸部の平面図である。図2(c)は、図2(b)のI−I線に沿った断面図である。 図3は、本発明の一実施例であるレーザ着火装置におけるQスイッチ固体レーザの構成図である。 図4は、本実施形態のレーザ着火装置におけるQスイッチ固体レーザを内燃機関の気筒に装着した場合の気筒の模式図である。 図5は、図1(a)に示したレーザ着火装置の変形例を示す概念図である。 図6は、本発明の一実施例であるレーザ着火装置の制御系を説明するための構成図である。 図7は、他の実施の形態に係るレーザ着火装置であり、4つの気筒を有する内燃機関に対応するレーザ着火装置の概念図である。 図8は、他の実施の形態に係るレーザ着火装置であり、4つのレーザダイオードで2つの気筒を有する内燃機関に対応するレーザ着火装置の概念図である。
符号の説明
1、701、801 レーザ着火装置
21、22、721、722、723、724、821、822 Qスイッチ固体レーザ
31、32、731、732、733、734、831、832、833、834 ファイバレーザ
41、42、742、743、743、744、841、842、843、844 レーザダイオード
51、52、751、752、753、754、851、852、853、854 コア
51a、52a クラッド
61、761、861、862、863 光ファイバカプラ
61a 溶融延伸部
61b サブストレート
61c インバー
61d シール材
71、72、771、772、773、774、871、872、873、874 共振器
81、82、781、782、783、784、881、882、883、884 全反射端面
91、92、791、792、793、794、892、893 部分反射端面
101、102、7101、7102、7103、7104、8101、8102、8103、8104 ファイバ
111、112、7111、7112、7113、7114、8112、8113 ポート
121、122、7121、7122、7123、7124、8121、8122、8123、8124 第2ファイバ
131、132、7131、7132、7133、7134、8131、8132、8133、8134 カプラ
141、142、7141、7142、7143、7144、8142、8143 アクチュエータ
151、152、7151、7152、7153、7154、8152、8153 ループ部
161、162、7161、7162、7163、7164、8161、8162、8163、8164 偏波制御器
301 ポート
302 第1レンズ
303 第2レンズ
304 増幅媒体
305 可飽和吸収体
306 出力鏡
307 第3レンズ
308 レーザ出力窓
309 筐体
310 全反射面
311 レーザ光
312 誘導放出された光
313 ジャイアントパルス
314 結像点
400 気筒
401 シリンダブロック
402 シリンダヘッド
403 ピストン
404 燃焼室
405 吸入管
406 吸入弁
407 排気管
408 排気弁
600 制御装置
601 演算部
602 制御部
41a、42a 電源

Claims (4)

  1. 複数の気筒を有する内燃機関の燃焼室内にある燃料に着火させるレーザ着火装置であって、各気筒に装着されるQスイッチ固体レーザと、前記Qスイッチ固体レーザそれぞれに結合され、かつ、各Qスイッチ固体レーザに励起光を供給する複数のファイバレーザと、前記ファイバレーザそれぞれに励起光を供給する複数のレーザダイオードとを備え、任意の1つのファイバレーザのコアは他のファイバレーザのうちの少なくとも1つのファイバレーザのコアと近接する近接部を有し、前記近接部において任意のファイバレーザのコアから出たレーザ光によってその他のファイバレーザの共振器内で注入同期を行い、選択されたQスイッチ固体レーザからジャイアントパルスが出力されることを特徴とするレーザ着火装置。
  2. 前記近接部が光ファイバカプラにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ着火装置。
  3. 前記ファイバレーザそれぞれには、前記ファイバレーザにおける前記近接部と前記Qスイッチ固体レーザとの間に、任意のファイバレーザの出力を選択されたファイバレーザに集中させる損失付加手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ着火装置。
  4. 前記損失付加手段は、内燃機関の動作に応じて、複数ある前記損失付加手段のうちの特定の前記損失付加手段を作動させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のレーザ着火装置。
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