JP4770479B2 - 光デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、フォトニック結晶(photonic crystals)を用いて光導波路が構成された光デバイスに関する。
光通信においては、光伝送路中で光路をオン/オフする光スイッチ、1つの入射光路を一方の出射光路から他方の出射光路に切り替える光スイッチ、m個の入射光路に対してn個の出射光路を有して、入射と出射間の組み合わせをm×nの中から選択することのできる光マトリクススイッチ等が使用されている。
また、光スイッチは、動作原理の面から、機械的に光路を切り替える機械型、電子的に光路を切り替える電子型、及び光で光路を切り替える全光型等に分けることができ、こらは従来より用いられてきた。
近年、上記のような光スイッチとは動作原理の異なるフォトニック結晶を用いた光スイッチが注目されている。内部に周期的な屈折率分布を持つフォトニック結晶は、100μmのオーダーで製作できることから、従来は個別に製作されていた光合分波器、光フィルタ、レーザー、光導波路、カプラ等を1つに集積化した超小型の光デバイスを得ることができるという特長がある。また、光以外の電磁波への応用も期待されている。
フォトニック結晶を用いた光スイッチとして、例えば、特許文献1に示す光スイッチが知られている。この光スイッチは、フォトニック結晶構造が線欠陥導波路を有するフォトニック結晶構造を、コアの表面に電極を有するスラブ型光導波路内に設け、電流注入または電圧印加を行って線欠陥導波路の屈折率を変化させて光路を閉じ、或いは、入射光とは別の制御光をフォトニック結晶に照射して屈折率を変化させて出射光をオン/オフさせることによりスイッチ動作を行っている。
特開2000−303836号公報
しかし、フォトニック結晶を用いた従来の光スイッチによると、光スイッチの動作を保持し続けるためには電圧や電流を加え続ける必要があり、待機中でも電力を消費するため、スイッチング速度の遅いシステムへの適用には不向きである。また、制御光を用いる構成では、制御光を別途用意する必要があり、構成が複雑になる。
従って、本発明の目的は、消費電力が少なく、簡単な構成により、光伝播特性を変更させることが可能な光デバイスを提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の光デバイスを提供する。
[1]孔または柱を周期的に配列してなる周期構造を有する2次元フォトニック結晶部と、前記周期構造の空隙に対して前記周期構造が設けられていないのと実質的に同じ状態を生じさせる屈折率を有する流体を入出する流体制御手段とを備え、前記2次元フォトニック結晶部は、前記周期構造中に欠陥による複数の導波路を有し、前記複数の導波路毎に区画する区画部材を備え、前記区画部材は、前記複数の導波路の周辺領域を前記導波路毎に前記流体を貯留可能に区画する区画部材であり、前記区画部材により区画された領域は、各領域内における前記空隙が区画毎に一括して前記流体を入出できるように連通しており、前記流体制御手段は、前記複数の導波路の周辺領域の空隙に選択的に前記流体を入出して光路を切り換えることを特徴とする光デバイス。
2次元フォトニック結晶部のバンド構造を決定する主な要因は、格子構造(三角格子、正方格子)、格子点間距離L、格子を構成する孔または柱の直径R、孔内または柱の周囲の材料の屈折率n1、孔の周辺または柱の材料の屈折率n2である。従って、周期構造の空隙に流体を入出することにより、屈折率n1が空気又は真空と流体との間で変化し、バンド構造を変化させることができ、これにより光伝播特性を変更することができる。
上記孔には、円形、多角形、四角形等が含まれる。上記柱は、円柱、多角柱、四角柱等が含まれる。上記流体は、溶液、粘弾性を有する連続体等が含まれる。また、周期構造が孔からなるとき、2次元フォトニック結晶部の骨格の屈折率は、2次元フォトニック結晶部の骨格の屈折率は、2.6以上、流体の屈折率は、1.7以下が好ましい。また、周期構造が柱からなるとき、2次元フォトニック結晶部の骨格の屈折率は、例えば、1.4〜5.5を用いることができ、流体の屈折率は、例えば、1.3〜1.7を用いることができる。
の構成によれば、導波路の周辺領域の空隙に流体を注入することにより、周期構造が無いのと実質的に同じ状態になり、光路が周辺領域の空隙に流体を注入していない導波路に切り換わる。
の構成によれば、区画毎に一括して流体を入出することができる。
]前記流体制御手段は、前記空隙に前記流体を供給するポンプと、前記空隙に注入された前記流体を蒸発させるヒータとを備えたことを特徴とする前記[1]に記載の光デバイス。
[3]前記2次元フォトニック結晶部の上方を覆うようにして上面に蓋が設けられ、前記蓋には前記流体の入出口となる開口が設けられていることを特徴とする前記[2]に記載の光デバイス。
]前記周期構造の周期は、伝播光の波長の20〜80%であることを特徴とする前記[1]に記載の光デバイス。
]前記2次元フォトニック結晶部は、Si、SiO2、Ge、TiO2、GaAs、GaP、GaN、ZnS、InP、ITO、ZnO、またはポリエチレンからなることを特徴とする前記[1]に記載の光デバイス。
]前記流体は、水、イソキノリン、エタノール、エチレンジアミン、エチルベンゼン、またはアセチルアセトンからなることを特徴とする前記[1]に記載の光デバイス。
]前記流体は、透過率が75(−12dB)%以上となる波長領域で動作することを特徴とする前記[1]に記載の光デバイス。
本発明の光デバイスによれば、消費電力が少なく、簡単な構成により、光伝播特性を変更させることが可能となる。
[第1の実施の形態]
(光デバイスの構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光デバイスを示す。同図中、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。なお、図1の(a)においては、蓋の図示を省略している。
この光デバイス1は、Siからなる板状の基板10と、基板10上に設けられ、透明な仕切部材11A,11Bによって仕切られた第1,第2,第3の2次元フォトニック結晶部12A,12B,12Cと、第1の2次元フォトニック結晶部12Aの中央部に設けられた第1の導波路13Aと、光入射面を第1の2次元フォトニック結晶部12Aの端面に光結合させた状態で第2の2次元フォトニック結晶部12B内に設けられた第2の導波路13Bと、光入射面を第1の2次元フォトニック結晶部12Aの端面に光結合させた状態で第3の2次元フォトニック結晶部12C内に設けられた第3の導波路13Cと、基板10の両側に立設された側壁部14,15と、第1〜第3の2次元フォトニック結晶部12A〜12Cの上方を覆うようにして側壁部14,15の上面に取り付けられた蓋16と、第2,第3の2次元フォトニック結晶部12B,12Cに面して基板10の裏面に設けられたヒータ18A,18Bと、第2,第3の2次元フォトニック結晶部12B,12Cの光出射面に設けられた側壁部24とを備えている。
第1〜第3の2次元フォトニック結晶部12A〜12Cは、Si、SiO2、Ge、TiO2、GaAs、GaP、GaN、ZnS、InP、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO、ポリエチレン等からなり、孔17を正方格子状に配置して構成されている。なお、孔17のピッチは、例えば、伝播光の波長の20〜80%にする。
仕切部材11A,11Bおよび側壁部14,15,24は、第2および第3の導波路13B,13Cの周辺領域を導波路13B,13C毎に液体を貯留可能に区画する区画部材としての機能を有する。すなわち、第2,第3の2次元フォトニック結晶部12B,12Cは、仕切部材11A,11B及び側壁部14,15,24によって区画され、その内部には選択的にバンド構造を制御するための溶液(流体)の供給が行えるように構成されている。上記バンド構造を制御する溶液として、例えば、水、イソキノリン、エタノール、エチレンジアミン、エチルベンゼン、アセチルアセトン等がある。
第1〜第3の導波路13A〜13Cは、全体がY字形を成し、第1の導波路13AはI字形部分を構成し、第2,第3の導波路13B,13CはV字形部分を構成している。なお、第1の導波路13Aから分岐した導波路13B,13Cは、2つに限定されず、3つ以上でもよい。この場合も、3つ以上に分岐した導波路の周辺領域を導波路毎に液体を貯留可能に区画部材によって区画する。
蓋16は、例えば、Siからなり、2次元フォトニック結晶部12B,12Cに連通する部位に上記溶液を入出させるための開口16a,16bが、図1の(c)に示すように設けられている。開口16a,16bには、図示しない液供給/回収用の配管(パイプ)が接続される。
ヒータ18A,18Bは、通電により発熱する発熱体を用いて構成されている。
(光デバイスの製造方法)
図2(a)〜(d)は、光デバイス1の製造方法を示す。なお、図2の(a)〜(d)の断面位置は、図1(a)のB−B線断面の位置に相当する。ここでは、側壁部14,15,24、第1〜第3の導波路13A〜13Cを有する第1〜第3の2次元フォトニック結晶部12A〜12C、及び蓋16を個別にドナー基板として用意しておき、これらをターゲット基板である基板10上に順次転写及び常温接合して光デバイス1を製作する。
常温接合とは、高い平坦度に形成されている表面にイオンや中性原子を照射して表面の酸化膜、不純物等を除去して清浄化(この清浄化処理をFAB(First Atom Beam)という。)した表面同士を常温雰囲気で接触させ、原子同士を直接結合させる接合方法をいう。
まず、図2の(a)に示すように、Siからなる基板10上に側壁部14,15の下側側壁14a,15a、第2の仕切部材11Bの下側部分11Ba、第1の仕切部材11Aの下側部分(図示せず)、及び側壁部24の下側部分(図示せず)を常温接合する。
次に、図2の(b)に示すように、下側側壁14a,15a、第2の仕切部材11Bの下側部分11Ba、及び側壁部24の下側部分(図示せず)上に第1〜第3の導波路13A〜13Cを有する1枚の板状の第1〜第3の2次元フォトニック結晶部12A〜12Cを常温接合する。
次に、図2の(c)に示すように、第1〜第3の2次元フォトニック結晶部12A〜12C上に側壁部14,15の上側側壁14b,15b、第2の仕切部材11Bの上側部分11Bb、及び図示しない第1の仕切部材11Aの上側部分を常温接合する。
次に、図2の(d)に示すように、上側側壁14b,15b、第2の仕切部材11Bの上側部分11Bb、第1の仕切部材11Aの上側部分及び側壁部24の上面に蓋16を常温接合する。
最後に、基板10の下面の所定の位置にヒータ18A,18Bを装着する。以上により、光デバイス1が完成する。
なお、第2,第3の2次元フォトニック結晶部12B,12CにSiを用いた場合、Siは撥水性であるため、数μm〜数十μm径の孔17に溶液を導入するのは困難であることが多い。このような場合、孔17のSiの表面の数nmの深さに対して酸化処理を行い、親水性に改質してもよい。
(光デバイスの動作)
図3(a)は、第3の導波路13Cに溶液20を供給した状態を示し、(b)はそのときの光伝搬経路を示す。図4(a)は、第2の導波路13Bに溶液20を供給した状態を示し、(b)はそのときの光伝搬経路を示す。なお、図3(a)、図4(a)は、図1(a)のB−B線断面に相当する。
まず、第2の導波路13Bを機能させたい場合について説明する。予め、光デバイス1の開口16a,16bに配管31の分岐側端を接続する。配管31の開口16a,16b側には、バルブ32A,32Bが設けられている。また、配管31の溶液供給源側には、ポンプ33が配設され、更に、配管31の他端には、溶液20を貯留しているタンク(図示せず)が接続されている。なお、配管31、バルブ32A,32B、ポンプ33、ヒータ18A,18B等は、流体制御手段を構成する。
次に、第2の導波路13B側のバルブ32Aを閉じて第3の導波路13C側のバルブ32Bを開け、ついでポンプ33を稼動させ、溶液20(例えば、水)を開口16bから図3の(a)に示すように注入する。第3の2次元フォトニック結晶部12Cに注入された溶液20は、毛細管現象により第3の2次元フォトニック結晶部12Cの全ての孔17内に注入され、担持される。
次に、通信波長帯の光(例えば、波長1.5μm)を第1の導波路13Aから入射すると、図3の(b)に示すように、第1の導波路13Aから第2の導波路13Bへ光が伝搬する。このとき、第3の導波路13Cが2次元フォトニック結晶として機能しないのは、溶液20の注入によって孔17とその周囲との間に屈折率の差が小さくなり、孔17が設けられていないのと実質的に同じ状態が生じたためである。
次に、第2の導波路13Bから第3の導波路13Cに切り替えて光伝搬を行う場合、第3の2次元フォトニック結晶部12Cに設けられているヒータ18Bに所定時間通電する。ヒータ18Bの通電によって第3の2次元フォトニック結晶部12Cにおける溶液20が加熱され、その蒸発によって溶液20は開口16bから排出され、第3の2次元フォトニック結晶部12Cが2次元フォトニック結晶として機能できるようになる。このとき、ポンプ33を逆転させるか、バルブ32B側の配管31を開口16bから取り外し、溶液20の排出が容易になるようにする。
次に、第3の導波路13C側のバルブ32Bを閉じて第2の導波路13B側のバルブ32Aを開け、図4の(a)に示すように、第2の2次元フォトニック結晶部12Bの開口16aに溶液20を注入する。第2の2次元フォトニック結晶部12Bに注入された溶液20は、毛細管現象により第2の2次元フォトニック結晶部12Bの全ての孔17内に注入され、担持される。これにより、第2の2次元フォトニック結晶部12Bは、フォトニック結晶として機能しなくなる。
次に、通信波長帯の光を第1の導波路13Aから入射すると、図4の(b)に示すように、光は第1の導波路13Aから第3の導波路13Cへ伝搬する。
以上のように、第2の2次元フォトニック結晶部12Bまたは第3の2次元フォトニック結晶部12Cの一方に溶液20を選択的に注入することにより、光デバイス1を光スイッチとして動作させることができる。
(第1の実施の形態の効果)
第1の実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(イ)第2,第3の導波路13B,13Cの動作状態をパッシブに保持できる光デバイス1(光スイッチ、光リレー等)を小型に作製することができるため、保持用電力を消費せず、かつ外部からの制御光を不要にすることができる。
(ロ)常温接合を用いたFORMULA(Formation of μ-Structure by-Lamination)等の微細加工技術を用いて作製できるため、微小な光デバイス1を作製することができる。
(ハ)第1〜第3の2次元フォトニック結晶部12A〜12C、及び溶液20の材料を適宜選択することにより、近赤外から可視光の領域をカバーする光デバイス1を構成することができる。
図5は、2次元フォトニック結晶部12(12A〜12C)の他の格子形状を示す。上記実施の形態においては、図1の(a)に示したように、孔17の配列を正方格子にしたが、図5のように、三角格子の配列にすることもできる。
また、第1の実施の形態において、溶液20が排出され易くなるように、専用の排出口を側壁部14,15、蓋16等に設ける構成にしてもよい。
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る光デバイスを示す。同図中、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)は(a)のD−D線断面図である。なお、図6の(a)においては、蓋の図示を省略している。
本実施の形態は、第1の実施の形態において、第1〜第3の2次元フォトニック結晶部12A〜12Cを孔17に代えて柱状体19からなる構成にしたものであり、その他の構成及び動作は第1の実施の形態と同様である。なお、柱状体19の配列は、同図では正方格子状であるが、図5に示すように、三角格子状であってもよい。
柱状体19の作製は、MEMS(Micro Electro-Mechanical System)の一般的な手法であるウェハ接合と犠牲層エッチングを用いてもよいし、薄膜の常温接合による積層造形法を用いてもよい。柱状体19の配列は、図6では、正方格子状であるが、図5に示したように、三角格子状でもよい。MEMSプロセスは、例えば、薄膜形成、フォトリソグラフィ、ドライエッチング、ダイシング等からなる。
上述した第2の実施の形態によれば、基板10上に第1〜第3の2次元フォトニック結晶部12A〜12Cを直に接合できるため、蓋16の接合に至るまでの工程数を減らすことができる。
[第3の実施の形態](第3の実施の形態は参考例である)
(光デバイスの構成)
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る光デバイスの平面図、図8は、図7のE−E線断面図であり、同図中、(a)は動作前の状態を示し、(b)は動作後の状態を示す。
第3の本実施の形態は、第1の実施の形態において、第2,第3の2次元フォトニック結晶部12B,12Cの第2,第3の導波路13B.13Cにも孔17を正方格子状に形成して、図7に示す構成としたものであり、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。第2,第3の2次元フォトニック結晶部12B,12Cは、例えば、MEMSプロセスにより作製することができる。
なお、本実施の形態においては、ヒータ18A,18Bは、蓋16側に設けている。また、基板10は、第2,第3の2次元フォトニック結晶部12B,12Cに面して排出口10a,10bを有している。排出口10a,10bと開口16a,16bには、溶液20を出し入れするためのバルブが介装された配管が接続されるが、ここでは図示を省略している。
第2,第3の2次元フォトニック結晶部12B,12Cは、それぞれの孔17の開口下部に1ウェイの弁21を設けるとともに、それぞれの孔17内の上方に1ウェイの弁22を設け、更に、弁21,22を駆動する駆動部としての圧電素子23をそれぞれの孔17の開口上部に設けた構成の流体制御手段としての複数のポンプ25を有している。
弁21,22は、弁21,22間に密封空間を形成可能なように、ゴム等の弾性体からなる材料により構成されている。
圧電素子23は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の強誘電体からなり、一対の電極に電圧を印加すると電歪による厚み変化が発生する特性を有している。
(光デバイスの動作)
第3の実施の形態において、例えば、第1の導波路13Aから第2の2次元フォトニック結晶部12B側へ光を伝搬させたい場合、第2の2次元フォトニック結晶部12B側の排出口10aを閉じると共に開口16aを開ける。次に、溶液20(例えば、水)を開口16aから第2の2次元フォトニック結晶部12B上に供給する。
次に、第2の2次元フォトニック結晶部12Bの第2の導波路領域13B’に対応する複数の孔17の圧電素子23aにのみ電圧を印加する。電圧が印加された圧電素子23aは、直下の弁21a,22aを回動させ、図7の(b)のように、孔17の内部を上下の空間に連通させる。
弁21a,22aが開いている孔17には、溶液20が毛細管現象により注入して第2の2次元フォトニック結晶12Bに第2の導波路領域13B’に欠陥が生じて第2の導波路が構成される。一方、第3の2次元フォトニック結晶12Cにおいては、溶液20が供給されないため、第3の導波路は構成されない。従って、第1の導波路13Aには、第2の導波路領域13B’が光結合する。この状態で、第1の導波路13Aに光を入射すると、第1の導波路13Aから第2の導波路領域13B’に光が伝搬される。
次に、光伝搬を第2の導波路領域13B’から第3の2次元フォトニック結晶部12Cの第3の導波路領域13C’に切り替えたい場合、排出口10aを開くと共にヒータ18Aに所定時間通電し、第2の2次元フォトニック結晶12Bにおける溶液20を加熱して溶液20を蒸発させ、排出口10aから排出する。
次に、第3の2次元フォトニック結晶12C側の排出口10bを閉じると共に開口16bを開け、溶液20を開口16bから第3の2次元フォトニック結晶部12C上に供給する。次に、第3の2次元フォトニック結晶部12Cの第3の導波路領域13C’に対応する圧電素子23にのみ電圧を印加し、対応する弁21、22を開いて溶液20を孔17に注入し、第3の導波路領域13C’に欠陥を生じさせ、第3の導波路を構成する。これにより、第1の導波路13Aと第3の導波路領域13C’が光結合し、第1の導波路13Aから第3の導波路領域13C’へ光が伝搬する。
(第3の実施の形態の効果)
第3の実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(イ)第2の2次元フォトニック結晶12Bまたは第3の2次元フォトニック結晶部12Cの圧電素子23及び弁21,22を部分的に駆動することにより、任意の経路(導波路形状)の導波路を構成することができる。
(ロ)第2,第3の2次元フォトニック結晶部13B,13Cにおけるポンプは、個別に制御できるため、プログラマブルな導波路、換言すれば、光ROMを構成することができる。また、プログラマブルに書き込んだ光路情報をヒータ18A,18Bによる全面加熱により、一括で消去することができる。
(ハ)ポンプ25を備えた第2,第3の2次元フォトニック結晶部12B,12Cは、MEMSプロセスによって作製することができるため、微小な光デバイス1を容易に作製することができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
まず、上記第1の実施の形態に示した構成の光デバイス1において、第2,第3の2次元フォトニック結晶部12B,12Cの骨格をSiとし、第1〜第3の2次元フォトニック結晶部12A〜12Cは、格子間距離L=0.33μm、孔17の直径R=0.27μmとし、溶液20をHOにして動作させた。その結果、通信波長帯である波長1.5μmの光に対し、溶液20の出し入れにより光を開閉できることが確認できた。
次に、上記第1の実施の形態に示した構成の光デバイス1において、第2,第3の2次元フォトニック結晶部12B,12Cの孔17内の屈折率を真空にした場合と、溶液20を充填した場合とで、光伝播特性をシミュレーションした。その結果、溶液20を充填した側の導波路は、バンドギャップが消滅しているために光が伝播せず、スイッチとして動作することが確認できた。
Figure 0004770479
表1は、第1〜第3の2次元フォトニック結晶部12A〜12Cの骨格を形成する骨格材料と溶液20の溶液材料の組合せ例を示す。実施例2では、屈折率コントラストが大きく取れる表1のA群の骨格材料とC群の溶液材料を選択すると、バンドを制御しやすい。
次に、図6の第2の実施の形態に示した構成の光デバイス1において、実施例1と同様の条件で動作させたところ、実施例1と同様の効果が得られることを確認した。この場合、表1の屈折率コントラストが大きく取れる材料A群のみならず、溶液材料C群と同程度の屈折率である材料B群も柱状体19として使用することができる。
図9は、表1の材料の組み合わせによる光デバイス1の動作帯域を示す。材料B群から「ポリエチレン」、溶液材料C群から「水」を選択した場合、両者の透過率は図9のようになる。有機物などでは、赤外領域に吸収を持つ結合が多いため、この材料の組み合わせで使用できる帯域は、図9の斜線で示すように透過率が75%(−1.2dB)以上となる2.0〜2.2μmと4.4〜4.8μmの範囲になる。
図10は、溶液と波長と透過率の関係を示す。この図10は、光が水の中を進行方向に1mm進んだ場合と10mm進んだ場合の進行方向の長さを示している。光デバイス1のサイズにより光の減衰率は異なるが、図10に示す透過率の結果から、溶液20の出し入れが行われる第2,第3の2次元フォトニック結晶部12B,12Cは、1mmm以下が望ましい。
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々な変形が可能である。例えば、第3の実施の形態においては、弁21,22をダイヤフラムアレイにすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る光デバイスを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。 (a)〜(d)は、第1の実施の形態に係る光デバイスの製造方法を示す工程図である。 図1の第3の導波路に溶液を供給した状態及びそのときの光伝搬経路を示し、(a)は部分断面図、(b)は経路図である。 図1の第2の導波路に溶液を供給した状態及びそのときの光伝搬経路を示し、(a)は部分断面図、(b)は経路図である。 2次元フォトニック結晶部の他の格子形状を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る光デバイスを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)は(a)のD−D線断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光デバイスの平面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光デバイスを示し、(a)は動作前の状態を示す図7のE−E線断面図、(b)は動作後の状態を示す図7のE−E線断面図である。 表1の材料の組み合わせによる光デバイスの動作帯域を示す特性図である。 溶液の長さと波長と透過率の関係を示す特性図である。
符号の説明
1 光デバイス
10 基板
10a,10b 排出口
11A,11B 仕切部材
11Ba 下側部分
11Bb 上側部分
12A,12B,12C 2次元フォトニック結晶部
13A,13B,13C 導波路
13B’、13C’ 導波路領域
14,15,24 側壁部
14a,15a 下側側壁
14b,15b 上側側壁
16 蓋
16a,16b 開口
17 孔
18A,18B ヒータ
19 柱状体
20 溶液
21,21a,22,22a 弁
23 圧電素子
25 ポンプ
31 配管
32A,32B バルブ
33 ポンプ

Claims (7)

  1. 孔または柱を周期的に配列してなる周期構造を有する2次元フォトニック結晶部と、
    前記周期構造の空隙に対して前記周期構造が設けられていないのと実質的に同じ状態を生じさせる屈折率を有する流体を入出する流体制御手段とを備え、
    前記2次元フォトニック結晶部は、前記周期構造中に欠陥による複数の導波路を有し、前記複数の導波路毎に区画する区画部材を備え、
    前記区画部材は、前記複数の導波路の周辺領域を前記導波路毎に前記流体を貯留可能に区画する区画部材であり、前記区画部材により区画された領域は、各領域内における前記空隙が区画毎に一括して前記流体を入出できるように連通しており、
    前記流体制御手段は、前記複数の導波路の周辺領域の空隙に選択的に前記流体を入出して光路を切り換えることを特徴とする光デバイス。
  2. 前記流体制御手段は、前記空隙に前記流体を供給するポンプと、前記空隙に注入された前記流体を蒸発させるヒータとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  3. 前記2次元フォトニック結晶部の上方を覆うようにして上面に蓋が設けられ、前記蓋には前記流体の入出口となる開口が設けられていることを特徴とする請求項に記載の光デバイス。
  4. 前記周期構造の周期は、伝播光の波長の20〜80%であることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  5. 前記2次元フォトニック結晶部は、Si、SiO2、Ge、TiO2、GaAs、GaP、GaN、ZnS、InP、ITO、ZnO、またはポリエチレンからなることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  6. 記流体は、水、イソキノリン、エタノール、エチレンジアミン、エチルベンゼン、またはアセチルアセトンからなることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  7. 記流体は、透過率が75%(−12dB)以上となる波長領域で動作することを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
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