JP4770318B2 - 操舵支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の操舵機構に操舵トルクを付与して操舵支援を行う操舵支援装置に関するものである。
従来、車両の操舵機構に操舵トルクを付与して操舵支援を行う操舵支援装置としては、特開2001−10518号公報に記載されるように、車両前方をカメラにより撮像し、その撮像した画像情報に基づいて走行路及び走行路に対する車両の位置を検出し、走行路の形状に基づいて基本操舵アシストトルクを演算し、車両の位置に基づいて補正操舵アシストトルクを演算し、基本操舵アシストトルクと補正操舵アシストトルクに基づいて出力操舵アシストトルクを演算し、その出力操舵アシストトルクに基づいて操舵アクチュエータの操作量を決定するものが知られている。この装置は、ヨーレートを用いることなく、検出精度の高い走行路の形状パラメータと車両の位置パラメータを用いて操舵制御を行うことによって、制御の精度の向上を図ろうとするものである。
特開2001−10518号公報
しかしながら、このような操舵支援装置にあっては、車両が高速でカーブを旋回する場合、操舵フィーリングに違和感を生じるおそれがある。例えば、車両が高速でカーブを旋回する場合、操舵機構にアシストトルクを付与しても車両を車線上の所定の位置に誘導できないときには、そのアシストトルクを弱めることにより運転者がハンドル操作に違和感を感ずることがある。
そこで本発明は、車両の走行状態に応じて操舵機構に付与する操舵トルクの変動を低減することにより、運転者に生ずる違和感の低減が図れる操舵支援装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る操舵支援装置は、車両の前方の走行路を撮像した画像に基づき前記車両が走行路に沿って走行するように操舵機構に操舵トルクを付与する操舵支援装置において、前記走行路上のカーブを操舵支援上限速度より速い速度で前記車両が走行していることを検出する高速旋回検出手段と、前記車両が前記カーブを操舵支援上限速度より速い速度で走行している場合に、前記車両が前記カーブを操舵支援上限速度より速い速度で走行していない場合に比べて前記操舵機構に付与する操舵トルクの時間変化量を小さくする操舵支援制御手段とを備えて構成されている。
この発明によれば、車両がカーブを操舵支援上限速度より速い速度で走行している場合にそうでない場合に比べて操舵機構に付与する操舵トルクの時間変化量を小さくする。これにより、車両がカーブを操舵支援上限速度より速い速度で走行している場合に運転者がハンドル操作によって操舵する際、操舵トルクの変動を感ずることを低減することができ、ハンドル操作に違和感を感ずることを抑制することができる。また、操舵トルクの時間変化量を低減することにより、運転者が操舵トルクの付与に対応したハンドル操作を行いやすくなり、車両走行にふらつきなどが生ずることを抑制できる。
また本発明に係る操舵支援装置において、前記操舵支援制御手段は、前記車両が前記操舵支援上限速度を超えていない速度で走行している場合にハンドル操作の切り増しと切り戻しで異なる操舵トルクを前記操舵機構に与えるものであり、前記車両が前記操舵支援上限速度を超えた速度で走行している場合にハンドル操作の切り増しと切り戻しで同じ操舵トルクを前記操舵機構に与えて前記操舵トルクの変動を禁止することが好ましい。
本発明によれば、車両の走行状態に応じて操舵機構に付与する操舵トルクの時間変化量を低減することにより、運転者に生ずる違和感の低減を図ることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は本発明の実施形態に係る操舵支援装置の構成概要図である。
図1に示すように、本実施形態に係る操舵支援装置1は、車両の操舵力伝達系に操舵トルクを与えて車両の運転者の操舵支援を行う装置であり、例えば走行路である車線の中央位置に車両の位置を維持する車線維持(レーンキープ)制御を行うものに用いられる。車両の操舵力伝達系は、ステアリングシャフト3、ギヤ部4、タイロッド6を主要部品として構成されている。ステアリングシャフト3は、ハンドル2に接続され、ハンドル2の操舵力をギヤ部4及びタイロッド6へ伝達する。
ギヤ部4は、ステアリングシャフト3から伝達される操舵トルクを水平方向の力に変換するものである。ギヤ部4としては、例えばラックアンドピニオン式のものが用いられる。このギヤ部4は、アシストモータ5のアシスト力を受け、タイロッド6を移動させて転舵輪7を転舵させる。
ギヤ部4には、トルクセンサ8が設けられている。トルクセンサ8は、ハンドル2の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段として機能するものである。このトルクセンサ8としては、例えばステアリングシャフト3とピニオンシャフト(図示なし)との間にトーションバー(図示なし)を配置し、操舵トルクに応じてトーションバーの捩れを二つの回転センサ(図示なし)によって検出するものが用いられる。
モータ5は、ハンドル2の操舵力をアシストするモータであり、例えば操舵トルクなどに応じたアシスト力を操舵力伝達系に与える。図1では、モータ5として、ラックに対してアシスト力を与えるラックアシスト式のものを示したが、コラムアシスト式その他の形式のものであってもよい。
操舵支援装置1には、ECU(Electronic Control Unit)20が設けられている。ECU20は、装置全体の制御処理を行うものであり、例えばCPU、ROM、RAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などにより構成される。操舵支援装置1には、カメラ11が設けられている。カメラ11は、車両の前方を撮像する撮像手段として機能するものであり、例えばCCDカメラなどが用いられる。カメラ11で撮像された画像情報はECU20に入力される。
ECU20は、画像情報に基づいて走行路の幅方向に対する車両の位置を検出する車両位置検出手段として機能する。例えば、ECU20は、撮像画像を画像処理し、画像情報に含まれる白線を認識し、その認識された白線の形状や位置に基づいて、走行路の幅方向に対する車両の位置を検出する。その際、車線の中央位置からの車両の位置ずれをオフセットと称する。
また、ECU20は、白線などから走行路の曲率を検出し、その曲率に基づいてカーブ検出を行うカーブ検出手段として機能する。この走行路のカーブは、走行路が所定以上の曲率で曲がっているものを意味し、走行路のコーナも含むものである。
また、ECU20は、車両が走行路上のカーブをそのカーブにおける操舵支援上限速度を超えた速度で走行していることを検出する高速旋回検出手段として機能する。また、ECU20は、操舵機構に付与する操舵トルクを設定して操舵支援制御を行う。その際、車両が操舵支援上限速度を超えた速度で走行している場合に、車両が操舵支援上限速度を超えていない速度で走行している場合に比べて操舵機構に付与する操舵トルクの変動を小さくする操舵支援制御手段として機能する。
操舵支援装置1には、車速センサ12が設けられている。車速センサ12は、車両の走行速度を検出する車速検出手段として機能するものである。
図2は、本実施形態に係る操舵支援装置1における操舵支援制御の基本制御ブロックの概要図である。
図2に示すように、操舵支援装置1において、カメラ11により撮像された車両前方の走行路の画像情報がECU20に入力され、その画像情報に基づいて走行路の曲率(R)、車両位置(D)及び白線に対する車両の向き(θ)が検出される。走行路の曲率は、例えば走行路の白線の検出状態に基づいて演算される。車両位置は、車両の走行路の幅方向に対する位置である。この車両位置は、例えば白線の検出状態に基づいて演算される。白線に対する車両の向きは、例えば左右の白線の検出状態に基づいて演算される。
そして、走行路の曲率、車両位置および車両の向きは、それぞれ所定のゲイン(G)が乗じられた後、目標横加速度の算出に用いられる。目標横加速度は、車両を車線中央に戻すために必要な横加速度である。そして、目標横加速度に所定の係数を乗じることにより、車線維持に必要な操舵トルク(アシスト操舵力)が算出される。この操舵トルクは、操舵機構に与えられる。
一方、車両の運転者のハンドル操舵力に応じて電動パワーステアリング(EPS)のアクチュエータ(モータ5)がアシスト力を付与する。そして、電動パワーステアリングのアクチュエータからハンドル操舵力及びアシスト力が操舵機構に与えられる。
そして、操舵機構には、ハンドル操舵力及びハンドル操舵のアシスト力と車線維持のためのアシスト操舵力とが操舵力として付与される。そして、その操舵力を受けて、車両の進行方向が変化する。
図3は、本実施形態に係る操舵支援装置1におけるカーブ判定処理を示すフローチャートである。
このカーブ判定処理は、車両が走行する走行路(道路)がカーブであるか否かを判定する処理である。図3における一連の制御処理は、例えば、ECU20により所定の周期で繰り返し実行される。
まず、図3のS10に示すように、道路の曲率算出処理が行われる。この曲率算出処理は、カメラ2で撮像した画像に基づいて走行路の曲率を算出する処理である。例えば、撮像画像から走行路の白線が抽出され、その白線の曲率が算出され、その白線の曲率に基づいて走行路の曲率が算出される。この走行路の曲率は、例えば、右方向への曲率が正、左方向への曲率が負として算出される。
そして、S12に移行し、カーブ旋回フラグの前回値がオフであり、かつ、道路曲率の絶対値が第一曲率値C1より大きいか否かが判断される。カーブ旋回フラグは、車両が旋回中であるか否かを示すフラグである。カーブ旋回フラグがオンの場合は車両が旋回中であることを示し、カーブ旋回フラグがオフの場合は車両が旋回中でないことを示す。第一曲率値C1は、予めECU20に設定される設定値である。
S12にてカーブ旋回フラグの前回値がオフであり、かつ、道路曲率の絶対値が第一曲率値C1より大きい場合には、カーブ判定成立タイマがインクリメントされる(S14)。一方、カーブ旋回フラグの前回値がオフでなく、または道路曲率の絶対値が第一曲率値C1より大きくない場合には、カーブ判定成立タイマがリセットされる(S16)。
そして、S18に移行し、カーブ旋回フラグの前回値がオンであり、かつ、道路曲率の絶対値が第二曲率値C2より小さいか否かが判断される。第二曲率値C2は、予めECU20に設定される設定値である。このS18にてカーブ旋回フラグの前回値がオンであり、かつ、道路曲率の絶対値が第二曲率値C2より小さい場合には、カーブ判定解除タイマがインクリメントされる(S20)。一方、カーブ旋回フラグの前回値がオンでなく、または道路曲率の絶対値が第二曲率値C2より小さくない場合には、カーブ判定解除タイマがリセットされる(S22)。
そして、S24に移行し、カーブ旋回フラグの前回値がオフであるか否かが判断される。カーブ旋回フラグの前回値がオフである場合には、カーブ判定成立タイマが第一時間T1を超えているか否かが判断される(S26)。カーブ判定成立タイマが第一時間T1を超えている場合には、カーブ旋回フラグにオンがセットされる(S28)。一方、カーブ判定成立タイマが第一時間T1を超えていない場合には、S32に移行する。
ところで、S24にてカーブ旋回フラグの前回値がオフでない場合には、カーブ判定解除タイマが第二時間T2を超えているか否かが判断される(S30)。カーブ判定解除タイマが第二時間T2を超えている場合には、S32に移行する。
S32では、カーブ旋回フラグにオフがセットされる。S30にて、カーブ判定解除タイマが第二時間T2を超えていない場合には、S28に移行に移行し、カーブ旋回フラグにオンがセットされる。
そして、S34に移行し、カーブ旋回フラグの前回値としてカーブ旋回フラグのデータがセットされる。そして、カーブ判定処理の一連の処理を終了する。
このカーブ判定処理によれば、道路曲率の絶対値が第一曲率値C1を超えている時間が第一時間T1を超えることにより、カーブ旋回フラグをオンとし、車両が走行する走行路がカーブであることを検出することができる。なお、本実施形態に係る操舵支援装置1において、このようなカーブ判定処理は、走行路のカーブを検出する手法の一例であり、その他の手法を用いてカーブ判定を行ってもよい。
図4は、本実施形態に係る操舵支援装置1におけるカーブ出口判定処理を示すフローチャートである。
このカーブ出口判定処理は、車両が走行する走行路(道路)がカーブ出口であるか否かを判定する処理である。図4における一連の制御処理は、例えば、ECU20により所定の周期で繰り返し実行される。
まず、図4のS40に示すように、カーブ旋回フラグの前回値がオンであるか否かが判断される。カーブ旋回フラグの前回値がオンでない場合には、カーブ走行中の最大曲率値Cmaxにゼロがセットされる(S42)。最大曲率値Cmaxは、車両のカーブ走行中において走行路の最大曲率を示す値であり、カーブ走行中に随時更新される。そして、カーブ出口判定解除タイマがリセットされ(S44)、カーブ出口判定成立タイマがリセットされ(S46)、カーブ出口フラグにオフがセットされる(S48)。そして、カーブ出口判定処理を終了する。
一方、S40にてカーブ旋回フラグの前回値がオンである場合には、道路曲率の絶対値がカーブ走行中の最大曲率値Cmaxより大きいか否かが判断される(S50)。道路曲率の絶対値がカーブ走行中の最大曲率値Cmaxより大きくない場合には、S54に移行する。
一方、道路曲率の絶対値がカーブ走行中の最大曲率値Cmaxより大きい場合には、最大曲率値Cmaxとして道路曲率の絶対値がセットされる(S52)。
そして、S54に移行し、カーブ出口フラグの前回値がオフであるか否かが判断される。カーブ出口フラグの前回値がオフである場合には、カーブ出口判定解除タイマがリセットされる(S56)。そして、最大曲率値Cmaxにカーブ出口判定係数Krを乗じた値より道路曲率の絶対値が小さいか否かが判断される(S58)。カーブ判定係数Krは、予めECU20に設定される係数であり、道路が直線とみなされる状態に基づいて設定されるものである。
S58にて最大曲率値Cmaxにカーブ出口判定係数Krを乗じた値より道路曲率の絶対値が小さくない場合には、カーブ出口判定成立タイマがリセットされる(S62)。そして、S64に移行する。一方、S58にて最大曲率値Cmaxにカーブ出口判定係数Krを乗じた値より道路曲率の絶対値が小さい場合には、カーブ出口判定成立タイマがインクリメントされる(S60)。そして、S64に移行する。
S64では、カーブ出口判定成立タイマが第三時間T3を超えたか否かが判断される。第三時間T3は、予めECU20に設定される設定時間である。カーブ出口判定成立タイマが第三時間T3を超えた場合には、カーブ出口フラグにオンがセットされる(S66)。カーブ出口フラグは、車両が走行する走行路がカーブ出口であることを示すフラグである。カーブ出口フラグがオンの場合には走行路がカーブ出口であり、カーブ出口フラグがオフの場合には走行路がカーブ出口でないことが示される。一方、S64にてカーブ出口判定成立タイマが第三時間T3を超えていない場合には、S78に移行し、カーブ出口フラグにオフがセットされる(S78)。
ところで、S54にてカーブ出口フラグの前回値がオフでない場合には、カーブ出口判定成立タイマがリセットされる(S68)。そして、最大曲率値Cmaxにカーブ出口判定係数Krを乗じた値より道路曲率の絶対値が大きいか否かが判断される(S70)。最大曲率値Cmaxにカーブ出口判定係数Krを乗じた値より道路曲率の絶対値が大きくない場合には、カーブ出口判定解除タイマがリセットされる(S72)。そして、S76に移行する。一方、S70にて最大曲率値Cmaxにカーブ出口判定係数Krを乗じた値より道路曲率の絶対値が大きい場合には、カーブ出口判定解除タイマがインクリメントされる(S74)。そして、S76に移行する。
S76では、カーブ出口判定解除タイマが第四時間T4を超えたか否かが判断される。第四時間T4は、予めECU20に設定される設定時間である。カーブ出口判定解除タイマが第四時間T4を超えていない場合には、S66に移行し、カーブ出口フラグにオンがセットされる。一方、S76にてカーブ出口判定解除タイマが第四時間T4を超えている場合には、S78に移行し、カーブ出口フラグにオフがセットされる(S78)。
そして、S80に移行し、カーブ出口フラグの前回値にカーブ出口フラグのデータがセットされ、カーブ出口判定処理の一連の処理を終了する。
このようなカーブ出口判定処理によれば、車両が走行する走行路の道路曲率が最大曲率値Cmaxから所定以上に低下した場合に、カーブ出口フラグをオンとし、車両の走行路がカーブ出口であることを検出することができる。なお、本実施形態に係る操舵支援装置1において、このようなカーブ出口判定処理は、走行路のカーブ出口を検出する手法の一例であり、その他の手法を用いてカーブ出口の検出を行ってもよい。
図4は、本実施形態に係る操舵支援装置1における高速旋回検出処理を示すフローチャートである。
この高速旋回検出処理は、車両が走行路上のカーブをそのカーブにおける操舵支援上限速度を超えた速度で走行していることを検出する処理である。図5における一連の制御処理は、例えば、ECU20により所定の周期で繰り返し実行される。
まず、図5のS90に示すように、操舵支援上限速度Vlimの演算が行われる。操舵支援上限速度Vlimは、操舵支援装置により車両の車線維持制御を行える限界速度である。この操舵支援上限速度Vlimは、例えば、走行路のカーブ半径R及び車両に与える横加速度限界値Glimに基づいて算出される。具体的には、次の式(1)により演算される。
Vlim=a・(R−R0)+b …(1)
この式(1)において、aは0.5・(Glim・9.81/R0)1/2であり、bは(Glim・9.81・R0)1/2であり、R0は基準半径値である。
なお、操舵支援上限速度Vlimは、(R・Glim・9.81)として算出することもできるが、式(1)のように線形化したものを用いることにより、計算負荷を軽減でき、算出の迅速化を図ることができる。
そして、S92に移行し、操舵支援上限速度Vlimが上限最大値Vmaxを超えているか否かが判断される。上限最大値Vmaxは、ECU20により設定される値であり、操舵支援上限速度Vlimの最大値として設定されている。S92にて操舵支援上限速度Vlimが上限最大値Vmaxを超えていると判断されたときには、操舵支援上限速度Vlimとして上限最大値Vmaxがセットされる(S94)。
S92にて操舵支援上限速度Vlimが上限最大値Vmaxを超えていないと判断された場合には、S96に移行し、高速旋回フラグの前回値がオフとなっているか否かが判断される。高速旋回フラグは、車両が操舵支援上限速度を超えた速度で走行しているか否かを示すフラグである。高速旋回フラグがオンの場合は、車両が操舵支援上限速度を超えた速度で走行していることを示している。一方、高速旋回フラグがオフの場合は、車両が操舵支援上限速度を超えた速度で走行していないことを示している。
S96にて高速旋回フラグの前回値がオフとなっていない場合には、車両の走行速度Vが操舵支援上限速度Vlimから設定速度V0を減じた速度より小さいか否か判断される(S98)。設定速度V0は、予めECU20に設定される設定値であり、走行速度信号のノイズ対策として設けられるヒス幅として用いられる。走行速度Vは、車速センサ12の検出信号に基づく速度値が用いられる。S98にて車両の走行速度Vが操舵支援上限速度Vlimから設定速度V0を減じた速度より小さいと判断された場合には、高速旋回フラグにオフがセットされる(S100)。一方、S98にて車両の走行速度Vが操舵支援上限速度Vlimから設定速度V0を減じた速度より小さくないと判断された場合には、S104に移行する。
ところで、S96にて高速旋回フラグの前回値がオフとなっている場合には、車両の走行速度Vが操舵支援上限速度Vlimより大きくないと判断された場合には、S100に移行し、高速旋回フラグにオフがセットされる。一方、車両の走行速度Vが操舵支援上限速度Vlimより大きいと判断された場合には、高速旋回フラグにオンがセットされる(S104)。そして、S106に移行する。
S106では、高速旋回フラグの前回値として現在の高速旋回フラグのデータがセットされる。そして、高速旋回検出処理の一連の制御処理を終了する。
このような高速旋回検出処理によれば、車両が走行路上のカーブをそのカーブにおける操舵支援上限速度を超えた速度で走行しているか否かを検出することができる。すなわち、高速旋回フラグがオンとなっていることを確認することにより、車両が操舵支援上限速度を超えた速度で走行していることを認識することができる。一方、高速旋回フラグがオフとなっていることを確認することにより、車両が操舵支援上限速度を超えた速度で走行していないことを認識することができる。なお、本実施形態に係る操舵支援装置1において、このような高速旋回検出理は、車両が操舵支援上限速度を超えて走行しているか否かを判定する手法の一例であり、その他の手法を用いて車両の操舵支援上限速度を超えた走行状態を検出してもよい。
図6及び図7は、本実施形態に係る操舵支援装置1におけるカーブ巻込判定処理を示すフローチャートである。図6は、車両のヨー角に基づき車両のカーブ内側への巻き込み状態を判定する場合の処理を示したものである。図7は、車両のオフセットに基づき車両のカーブ内側への巻き込み状態を判定する場合の処理を示したものである。これらの図6及び図7における一連の制御処理は、例えば、ECU20により所定の周期で繰り返し実行される。
まず、図6のヨー角に基づくカーブ巻き込み判定処理について説明する。
図6のS120に示すように、カーブ旋回フラグがオンであり、道路曲率が正であり、かつ、ヨー角が−αより小さいか否かが判断される。道路曲率は、図3のS10で算出したものを用いればよい。なお、この走行路の曲率は、例えば、右方向への曲率が正、左方向への曲率が負として表される。ヨー角は、例えば、画像処理による検出される道路の白線状態に基づいて検出したものを用いられる。また、ヨー角としては、図示しないヨーレイトセンサの検出信号に基づいて算出されたものを用いてもよい。車両のヨー角は、例えば、右方向が負、左方向が正として表される。αは、予めECU20に設定されるヨー角しきい値である。
S120にてカーブ旋回フラグがオンであり、道路曲率が正であり、かつ、ヨー角が−αより小さい場合には、車両が右カーブでカーブ内側に巻き込み状態にあると判断され、ヨー角巻き込みタイマがインクリメントされる(S124)。一方、S120にてカーブ旋回フラグがオンでなく、道路曲率が正でなく、または、ヨー角が−αより小さくない場合には、カーブ旋回フラグがオンであり、道路曲率が負であり、かつ、ヨー角がαより大きいか否かが判断される(S122)。カーブ旋回フラグがオンであり、道路曲率が負であり、かつ、ヨー角がαより大きい場合には、車両が左カーブでカーブ内側に巻き込み状態にあると判断され、ヨー角巻き込みタイマがインクリメントされる(S124)。一方、S122にてカーブ旋回フラグがオンでなく、道路曲率が負でなく、または、ヨー角がαより大きくない場合には、ヨー角巻き込みタイマがリセットされる(S126)。
そして、S128に移行し、ヨー角巻き込みタイマが第五時間T5を超えたか否かが判断される。第五時間T5は、予めECU20に設定される設定時間である。ヨー角巻き込みタイマが第五時間T5を超えている場合には、ヨー角カーブ巻き込みフラグのオンがセットされる(S130)。一方、ヨー角巻き込みタイマが第五時間T5を超えていない場合には、ヨー角カーブ巻き込みフラグのオフがセットされる(S132)。そして、ヨー角に基づくカーブ巻込判定処理の一連の制御処理を終了する。
このような図6のカーブ巻込判定処理によれば、車両のヨー角の状態に基づいて車両がカーブ内側に巻き込み状態になっているか否かを判断することができる。すなわち、ヨー角カーブ巻き込みフラグがオンの場合には、車両がカーブ内側に巻き込み状態になっていることを判断することができる。一方、ヨー角カーブ巻き込みフラグがオフの場合には、車両がカーブ内側に巻き込み状態になっていないことを判断することができる。
次に図7のオフセットに基づくカーブ巻き込み判定処理について説明する。
図7のS140に示すように、オフセットカーブ巻き込みフラグの前回値がオフであるか否かが判断される。このS140にてオフセットカーブ巻き込みフラグの前回値がオフであると判断された場合には、カーブ旋回フラグがオンであり、道路曲率が正であり、かつ、オフセットが−L1より小さいか否かが判断される(S142)。道路曲率は、図3のS10で算出したものを用いればよい。この走行路の曲率は、例えば、右方向への曲率が正、左方向への曲率が負として表される。オフセットは、例えば、画像処理による検出される道路の白線状態に基づいて検出したものを用いられる。車両のオフセットは、例えば、右方向が負、左方向が正として表される。L1は、予めECU20に設定されるオフセットの第一しきい値であり、正の値が設定されている。
S142にてカーブ旋回フラグがオンであり、道路曲率が正であり、かつ、オフセットが−L1より小さい場合には、車両が右カーブでカーブ内側に巻き込み状態にあると判断され、オフセット巻き込みフラグにオンがセットされる(S144)。一方、S142にてカーブ旋回フラグがオンでなく、道路曲率が正でなく、または、オフセットが−L1より小さくない場合には、カーブ旋回フラグがオンであり、道路曲率が負であり、かつ、オフセットがL1より大きいか否かが判断される(S146)。このS146にてカーブ旋回フラグがオンであり、道路曲率が負であり、かつ、オフセットがL1より大きい場合には、車両が左カーブでカーブ内側に巻き込み状態にあると判断され、オフセット巻き込みフラグにオンがセットされる(S144)。一方、S146にてカーブ旋回フラグがオンでなく、道路曲率が負でなく、または、オフセットがL1より大きくない場合には、車両がカーブ内側に巻き込み状態にないと判断され、オフセット巻き込みフラグにオフがセットされる(S152)。
ところで、S140にてオフセットカーブ巻き込みフラグの前回値がオフでないと判断された場合には、カーブ旋回フラグがオフであり、または、道路曲率が正であってオフセットが−L2より大きいか否かが判断される(S148)。L2は、予めECU20に設定されるオフセットの第二しきい値である。このL2は、正の値であって、L1より小さい値が設定されている。
S148にてカーブ旋回フラグがオフであり、または、道路曲率が正であってオフセットが−L2より大きいと判断された場合には、車両がカーブ内側に巻き込み状態にないと判断され、オフセット巻き込みフラグにオフがセットされる(S152)。一方、S148にてカーブ旋回フラグがオフでなく、かつ、道路曲率が正でなく又はオフセットが−L2より大きくないと判断された場合には、S150に移行する。
S150では、カーブ旋回フラグがオフであり、または、道路曲率が負であってオフセットがL2より小さいか否かが判断される。このS150にてカーブ旋回フラグがオフであり、または、道路曲率が負であってオフセットがL2より小さいと判断されたときには、車両がカーブ内側に巻き込み状態にないと判断され、オフセット巻き込みフラグにオフがセットされる(S152)。一方、S150にてカーブ旋回フラグがオフでなく、かつ、道路曲率が負でなく又はオフセットがL2より小さくないと判断された場合には、車両がカーブ内側に巻き込み状態にあると判断され、オフセット巻き込みフラグにオンがセットされる(S144)。
そして、S154に移行し、オフセットカーブ巻き込みフラグの前回値として現在のオフセットカーブ巻き込みフラグのデータがセットされる。そして、オフセットに基づくカーブ巻込判定処理の一連の制御処理を終了する。
このような図7のカーブ巻込判定処理によれば、車両のオフセットの状態に基づいて車両がカーブ内側に巻き込み状態になっているか否かを判断することができる。すなわち、オフセットカーブ巻き込みフラグがオンの場合には、車両がカーブ内側に巻き込み状態になっていることを判断することができる。一方、オフセットカーブ巻き込みフラグがオフの場合には、車両がカーブ内側に巻き込み状態になっていないことを判断することができる。
図8は、本実施形態に係る操舵支援装置1における操舵トルク変更判断処理のフローチャートである。操舵トルク変更判断処理は、車両の走行状態に応じて操舵機構に与える操舵トルクの変更を禁止するか否かを判断する処理である。この図8における一連の制御処理は、例えば、ECU20により所定の周期で繰り返し実行される。
まず、図8のS160に示すように、カーブ旋回フラグがオンであり、高速旋回フラグがオンであり、ヨー角カーブ巻き込みフラグがオフであり、オフセットカーブ巻き込みフラグがオフであり、かつ、カーブ出口フラグがオフであるか否かが判断される。このS160にてカーブ旋回フラグがオンであり、高速旋回フラグがオンであり、ヨー角カーブ巻き込みフラグがオフであり、オフセットカーブ巻き込みフラグがオフであり、かつ、カーブ出口フラグがオフであると判断された場合には、トルク変更禁止フラグがオンにセットされる(S162)。
トルク変更禁止フラグは、操舵機構に付与する操舵トルクの設定変更を禁止するか否かを示すフラグである。トルク変更禁止フラグがオンの場合、操舵機構に付与する操舵トルクの設定変更が禁止される。トルク変更禁止フラグがオフの場合、操舵機構に付与する操舵トルクの設定変更が禁止されず、その操舵トルクの設定変更が許容される。
このS160にてカーブ旋回フラグがオンでなく、高速旋回フラグがオンでなく、ヨー角カーブ巻き込みフラグがオフでなく、オフセットカーブ巻き込みフラグがオフでなく、または、カーブ出口フラグがオフでないと判断された場合には、トルク変更禁止フラグがオフにセットされる(S164)。そして、操舵トルク変更判断処理の一連の制御処理を終了する。
このような操舵トルク変更判断処理によれば、車両の走行状態に応じて操舵トルクの変更を禁止するか許容するかを設定することができる。なお、図8の操舵トルク変更判断処理においては、カーブ旋回フラグがオン、高速旋回フラグがオン、ヨー角カーブ巻き込みフラグがオフ、オフセットカーブ巻き込みフラグがオフ、かつ、カーブ出口フラグがオフの場合に、トルク変更禁止フラグがオンにセットされて、操舵トルクの設定変更が禁止されるが、カーブ旋回フラグがオン、かつ、高速旋回フラグがオンの場合に、トルク変更禁止フラグをオンとして、操舵トルクの設定変更を禁止してもよい。また、カーブ旋回フラグがオン、かつ、高速旋回フラグがオンの場合であって、ヨー角カーブ巻き込みフラグ、オフセットカーブ巻き込みフラグ、カーブ出口フラグの一つ又は二つがオフの場合に、トルク変更禁止フラグをオンとして、操舵トルクの設定変更を禁止してもよい。
図9、10は、本実施形態に係る操舵支援装置における操舵支援制御処理のフローチャートである。この操舵支援制御処理の一連の制御処理は、例えば、ECU20により所定の周期で繰り返し実行される。
まず、図9のS180に示すように、目標横加速度(目標G)の算出が行われる。目標横加速度は、車両の走行位置を車線中央に移動させるために必要な横加速度であり、車両のオフセット(車線中央位置に対する車両の位置ずれ量)などに基づいて算出される。そして、S182に移行し、フィルタ処理が行われる。フィルタ処理は、目標横加速度値のノイズを除去するために行われる処理である。
そして、S184に移行し、目標横加速度が目標横加速度しきい値から横加速度値ΔGを減じた値より小さいか否かが判断される。目標横加速度しきい値は、ECU20に設定される変数である。横加速度値ΔGは、予めECU20に設定される設定値である。目標横加速度が目標横加速度しきい値から横加速度値ΔGを減じた値より小さいと判断された場合には、仮操舵方向フラグに左方向がセットされる(S186)。一方、目標横加速度が目標横加速度しきい値から横加速度値ΔGを減じた値より小さくない場合には、目標横加速度が目標横加速度しきい値に横加速度値ΔGを加えた値より大きいか否かが判断される(S188)。
このS188にて目標横加速度が目標横加速度しきい値に横加速度値ΔGを加えた値より大きくないと判断された場合には、S198に移行する。一方、目標横加速度が目標横加速度しきい値に横加速度値ΔGを加えた値より大きいと判断された場合には、仮操舵方向フラグに右方向がセットされる(S190)。そして、S192に移行し、目標横加速度しきい値として目標横加速度がセットされる。そして、S194に移行する。
S194では、仮操舵方向フラグとその前回値が一致せず、仮操舵方向フラグと車両のカーブ方向が一致せず、かつ、トルク変更禁止フラグがオンであるか否かが判断される。このS194にて仮操舵方向フラグとその前回値が一致し、仮操舵方向フラグと車両のカーブ方向が一致し、または、トルク変更禁止フラグがオンでない場合には、S198に移行する。一方、S194にて仮操舵方向フラグとその前回値が一致せず、仮操舵方向フラグと車両のカーブ方向が一致せず、かつ、トルク変更禁止フラグがオンである場合には、仮操舵方向フラグとしてカーブ方向のデータがセットされる(S196)。
そして、S198に移行し、操舵方向フラグの前回値が中間値であるか否かが判断される。中間値は、目標横加速度に基づいて操舵トルクを設定する際に用いられる値であり、切り増し時の操舵トルクと切り戻し時の操舵トルクの中間に設定される値である(図11参照)。
S198において操舵方向フラグの前回値が中間値である場合には、中間線タイマがインクリメントされる(S200)。一方、操舵方向フラグの前回値が中間値でない場合には、中間線タイマがリセットされる(S202)。中間線タイマは、操舵トルクを中間値に設定しておく時間を計時するタイマである。中間線タイマがオーバータイムとなることにより、操舵トルクの設定値が中間値から他の値に設定変更される。
そして、図10のS204に移行し、仮操舵方向フラグが仮操舵方向フラグの前回値と一致していないか否かが判断される。仮操舵方向フラグが仮操舵方向フラグの前回値と一致していない場合には、操舵方向に変更があったと判断され、操舵方向変更フラグにオンがセットされる(S206)。一方、仮操舵方向フラグが仮操舵方向フラグの前回値と一致している場合には、操舵方向変更フラグにオフがセットされる(S208)。
そして、S210に移行し、操舵方向変更フラグがオンになっているか否かが判断される。操舵方向変更フラグがオンになっている場合には、操舵方向フラグに中間値がセットされる(S212)。操舵方向変更フラグがオンになっていない場合には、操舵方向フラグの前回値が中間値でなく、または、中間線タイマがΔT以上になっているかが判断される(S214)。ΔTは、予めECU20に設定される設定時間であり、中間線タイマをオーバータイムさせるためのタイマ完了時間である。中間線タイマにΔTがセットされることにより、中間線タイマがオーバータイムとなる。
S214において、操舵方向フラグの前回値が中間値でなく、または、中間線タイマがΔT以上になっている場合には、操舵方向フラグに仮操舵方向フラグのデータがセットされる(S216)。操舵方向フラグの前回値が中間値であり、かつ、中間線タイマがΔT以上になっていない場合には、操舵方向フラグに操舵方向フラグの前回値がセットされる(S218)。
そして、S220に移行し、操舵トルク演算処理が行われる。操舵トルク演算処理は、操舵支援のために必要な操舵トルクを演算する処理であり、例えば、図11に示すように、目標横加速度に基づいて操舵トルク(EPS要求トルク)が演算される。
図11において、目標横加速度(目標G)に対応する操舵トルクが設定されているが、ハンドルの切り増し時と切り戻し時とは操舵トルクが異なる値に設定される。切り増し時には、切り戻し時と比べて操舵トルクの絶対値が大きくなるように設定され、ヒステリシス幅(ヒス幅)が設けられている。このようなヒステリシス幅を設けることにより、操舵機構に生ずる摩擦を考慮して適切な操舵トルクを操舵機構に付与することができる。
この図11の目標横加速度−操舵トルクの特性において、切り増し線(太い実線)と切り戻し線(細い実線)との間に中間線(一点鎖線)が設定されている。
トルク変更禁止フラグがオンの場合(例えば、車両が高速旋回しており、操舵支援上限速度を超えた速度で走行している場合)、仮操舵方向フラグがカーブ方向と異なっていても、仮操舵方向フラグが強制的にカーブ方向に設定される(図9のS194、S196)。このため、操舵トルクの変更が禁止され、切り増し線のみを用いて操舵トルクの設定が行われる。これにより、図12に示すように、車両が高速旋回し操舵支援上限速度を超えた速度で走行している場合などに操舵トルクの変動量を小さく抑えることができる。
そして、図10のS222に移行し、モータ5の駆動処理が行われる。モータ5の駆動処理は、S220にて設定された操舵トルクが操舵機構に付与されるようにモータ5を駆動制御する処理である。このモータ5の駆動により、車両の操舵機構に操舵支援のための操舵トルクが付与される。
以上のように、本実施形態に係る操舵支援装置1によれば、車両がカーブを所定より速い速度で走行している場合にそうでない場合に比べて操舵機構に付与する操舵トルクの変動を小さくする。すなわち、車両が操舵支援上限速度を超えた速度で走行している場合に、車両が操舵支援上限速度を超えていない速度で走行している場合に比べて操舵機構に付与する操舵トルクの変動を小さくする。これにより、車速が操舵支援上限速度を超えたことで運転者がハンドル操作によって車両操舵を行うことが必要となった場合に操舵機構に付与される操舵トルクの変動が小さくなる。このため、運転者が操舵トルクの変動を感じにくくなり、ハンドル操作に違和感を感じることを抑制できる。また、操舵トルクの変動を低減することにより、運転者が操舵トルクの付与に対応したハンドル操作を行いやすくなり、車両走行にふらつきなどが生ずることを抑制することができる。さらに、車線維持制御を行う際に、車両を車線中央へ維持しやすくなり、車両の追従性の向上が図れる。
例えば、図13に示すように、走行路70のカーブ71を車両60が走行している場合において、車両60の運転者が操舵トルクの変動を感じることが少ないので、車両60が車線中央位置に向けて速やかに移動する。従って、車両60がふらついて走行することが防止され、車両60の走行の追従性を向上することができる。
また本実施形態に係る操舵支援装置1によれば、車両が所定の走行状態の場合には、上述した操舵トルクの変更の禁止を行わない。例えば、車両がカーブでそのカーブ内側に傾く場合、カーブ内側の車線に近づく場合又はカーブ出口を走行する場合には、トルク変更禁止フラグをオンとせず(図8のS160〜164)、上述した操舵トルクの変更の禁止を行わない。これにより、車両がカーブ内側に巻き込まれることを防止することができる。また、カーブから直線に進入する場合に迅速にハンドルを切り戻しが行える。
なお、上述した各実施形態は本発明に係る操舵支援装置の一例を示すものである。本発明に係る操舵支援装置は、このようなものに限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しないように実施形態に係る操舵支援装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。例えば、本実施形態では、車両の操舵を行う運転者の操舵アシストする装置に適用した場合について説明したが、自動操舵を行う装置に適用したものであってもよい。
本発明の実施形態に係る操舵支援装置の構成概要図である。 図1の操舵支援装置における操舵支援制御のブロック概要図である。 図1の操舵支援装置におけるカーブ判定処理を示すフローチャートである。 図1の操舵支援装置におけるカーブ出口判定処理を示すフローチャートである。 図1の操舵支援装置における高速旋回検出処理を示すフローチャートである。 図1の操舵支援装置におけるヨー角に基づくカーブ巻き込み判定処理を示すフローチャートである。 図1の操舵支援装置におけるオフセットに基づくカーブ巻き込み判定処理を示すフローチャートである。 図1の操舵支援装置における操舵トルク変更判断処理を示すフローチャートである。 図1の操舵支援装置における操舵支援制御処理を示すフローチャートである。 図1の操舵支援装置における操舵支援制御処理を示すフローチャートである。 図1の操舵支援装置における操舵支援制御処理における目標横加速度−操舵トルク特性の説明図である。 図1の操舵支援装置の操舵支援制御処理における操舵トルク出力の説明図である。 図1の操舵支援装置の操舵支援制御における車両走行の説明図である。
符号の説明
1…操舵支援装置、2…ハンドル、11…カメラ(撮像手段)、12…車速センサ、20…ECU。

Claims (2)

  1. 車両の前方の走行路を撮像した画像に基づき前記車両が走行路に沿って走行するように操舵機構に操舵トルクを付与する操舵支援装置において、
    前記走行路上のカーブを操舵支援上限速度より速い速度で前記車両が走行していることを検出する高速旋回検出手段と、
    前記車両が前記カーブを操舵支援上限速度より速い速度で走行している場合に、前記車両が前記カーブを操舵支援上限速度より速い速度で走行していない場合に比べて前記操舵機構に付与する操舵トルクの時間変化量を小さくする操舵支援制御手段と、
    を備えることを特徴する操舵支援装置。
  2. 前記操舵支援制御手段は、前記車両が前記操舵支援上限速度を超えていない速度で走行している場合にハンドル操作の切り増しと切り戻しで異なる操舵トルクを前記操舵機構に与えるものであり、前記車両が前記操舵支援上限速度を超えた速度で走行している場合にハンドル操作の切り増しと切り戻しで同じ操舵トルクを前記操舵機構に与えて前記操舵トルクの変動を禁止すること、
    を特徴とする請求項1に記載の操舵支援装置。
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