JP4769041B2 - 抗酸菌属細菌同定キット - Google Patents

抗酸菌属細菌同定キット Download PDF

Info

Publication number
JP4769041B2
JP4769041B2 JP2005218754A JP2005218754A JP4769041B2 JP 4769041 B2 JP4769041 B2 JP 4769041B2 JP 2005218754 A JP2005218754 A JP 2005218754A JP 2005218754 A JP2005218754 A JP 2005218754A JP 4769041 B2 JP4769041 B2 JP 4769041B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
probe
invader
species
nos
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005218754A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006061155A (ja
Inventor
誠 長野
伸子 伊藤
健一 田所
幸男 野村
敏和 山口
徹 江頭
禎宏 市村
貴之 富井
正浩 霜島
雅敏 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BML Inc
Original Assignee
BML Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BML Inc filed Critical BML Inc
Priority to JP2005218754A priority Critical patent/JP4769041B2/ja
Publication of JP2006061155A publication Critical patent/JP2006061155A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4769041B2 publication Critical patent/JP4769041B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、抗酸菌属細菌同定キットに関する。
抗酸菌感染症には、結核、非結核性(非定型)抗酸菌感染症やハンセン病があり、現在も、多くの患者が発生している。全世界では総人口の約3分の1(20億人)が結核に感染しており、毎年800万人が新たに発病し、200万人が死亡している。その多くは、アジア地域をはじめとする開発途上国で発生している。日本でも近年、毎年約3.2万人が結核を発病し、2000人以上が死亡している。抗酸菌感染症、特に、結核感染症は、近年増加傾向にあり、代表的な再興感染症である。また、細胞性免疫能の低下しているAID患者の約3分の1が結核を発症しており、AID患者の増加が結核の発症を加速している。さらに、これらの患者では結核のみならず、全身播種型のM.avium complex 感染症や時にはM.kansasii感染症などの抗酸菌症が致命的な合併症となることが知られている。
結核菌は、細菌検査の上で、1)細胞壁に多量の脂質を含有するためグラム染色で染まりにくい、2)増殖が遅く培養同定に時間がかかる、という点が他の細菌とは大きく異なっている。そのため、特殊な染色法および培地が必要となる。この結核の病原診断をできるだけ早く行うために、いろいろな検査法が使われ、その組み合わせも複雑になっている。
迅速細菌検査の第一のものは鏡検であるが、結核菌はグラム染色では染まりにくいため、チーネルゼン染色法あるいは蛍光染色法が使われている。チーネルゼン染色法では、脱色に酸とエタノールを使用するが、脱色しないで赤く染まる抗酸性のある菌を抗酸菌(マイコバクテリウム[Mycobacterium])と呼ぶ。結核菌は抗酸菌の代表的なものであるが、結核菌以外の抗酸菌は多種類あり、非結核性抗酸菌と呼ばれている。非結核性抗酸菌には現在約100種類以上の菌種が知られている。その多くは環境に広く分布し、ヒトに対する病原性を持たないが、一部ヒトへの病原性が知られる菌種が存在する。鏡検では、結核菌と非結核性抗酸菌とを区別することはできない。
結核症の起因となる結核菌群(M. tuberculosis complex)には、M. tuberculosis, M. bovis, M. africanum, M. microtiなどの遺伝学的に近縁な菌種が知られているが、実際にヒトから分離される菌はほとんどM. tuberculosisと考えられている。一方、マイコバクテリウム・アビウム(M. avium)とマイコバクテリウム・イントラセルラー(M. intracellulare)はヒトの日和見感染症の起因菌で非結核性抗酸菌症の70%を占める。遺伝学的に近縁で従来の生化学的性状試験では分類できなかった為、M. avium complex(MAC)と総称された。また、M. kansasiiも非結核性抗酸菌症の起因菌で、MACの次に頻度が高く20%を占める。分離頻度が低くなるが、それ以外の起因菌も多数存在する。なお、complexとは前述のように、分類学的近縁関係の菌を区別せず一括して呼ぶときに用いる用語である。
近年、分子生物学的手法を利用した迅速検査法が開発されており、結核菌をはじめとする抗酸菌の検出及び同定に、これらの技術が応用されている。ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)や転写酵素+逆転写酵素を用いる方法Transcription-mediated amplification(TMA)を利用した、「アンプリコア(登録商標)マイコバクテリウム」(ロシュ・ダイアグノスティクス社)や「DNAプローブ『中外』−MTD」(中外製薬)などが知られている。これらの培養操作の不要なキットを使用すれば、喀痰などの臨床検体から1〜2日で結核菌を検出同定することができる。これらのキットは、細菌分類学で最もよく利用されている16S リボソームRNA(rRNA)遺伝子をターゲットとし、菌種特異的プローブを用いたハイブリダイゼーション法により検出する。同定可能な菌種は、結核菌群の他、非結核性抗酸菌のM. avium及びM. intracellulareの2菌種に限られている。これらの方法で、多種類の非結核性抗酸菌を同定するためには、高費用かつ低効率であるという欠点がある。
結核菌をはじめ抗酸菌属細菌の確定診断には、菌の培養が必須である。特に、非結核性抗酸菌に関しては、2003年に日本結核病学会から出された「肺非結核性抗酸菌症の診断基準」(結核,第78巻、569−572ページ、2003年)に詳しく記述されている。現在、分離培養には固形培地と液体培地が使われている。固形培地は、卵から作製した小川培地が古くから使用されており、抗酸菌の培地上の集落(コロニー)を肉眼で観察することが可能である。液体培地は、小川培地に比べ培養陽性になるまでの時間を短縮できるように近年開発された培地で、主にMGIT(Mycobacterium Growth Indicator Tube)法(ベクトン・ディッキンソン社)が使われている。この方法では、菌増殖に伴う液体培地中の溶存酸素の減少を蛍光でモニターしている。いずれの培地でも、抗酸菌の増殖は遅いため、検体中に他の細菌がいると、それが先に増殖してしまう場合がある。それを防ぐために、検体を培養前にアルカリ処理し、抗酸菌以外の菌を殺す操作が必要である。
分離培養で陽性となった場合、その抗酸菌が結核菌なのか非結核性抗酸菌なのか、また、どの菌種なのかを同定する必要がある。従来から、培地上の性状(増殖速度、温度、コロニーの形状や色素産生など)、ナイアシンテスト、硝酸還元試験、耐熱性カタラーゼ試験、ツイーン80水解試験、蛍光試験などの生化学的性状で菌種の同定が行われており、ナイアシン試験はその中で最も利用されている検査法である。この方法は、結核菌が合成したナイアシンを化学的に検出する試験であるが、小川培地による培養が必須であり、結果がでるまでに20〜30日必要である。
喀痰などの生検体からの迅速検査同様、培養後の確定診断用の同定検査法も、最近、分子生物学的手法を用いた細菌同定法が開発されており、前述の2つの検査キット以外にいくつかキットが開発されている。
例えば、その1つに「アキュプローブ」(極東製薬工業)がある。このキットは、培養菌株中に発現している16S rRNAをターゲットとし、RNA−DNAのハイブリダイゼーション法を利用し検出を行う。この方法では、細胞内に多数発現している16S rRNAを検出していることから、MGIT培養陽性時の菌体を用いて菌種の同定が可能である。このキットで同定できる菌種は、結核菌群(M. tuberculosis complex)とMACのみであり、M. aviumとM. intracellulareを識別することはできない。
さらに、全染色体DNAをターゲットとしたDNA−DNAハイブリダイゼーション法に基づくキット「DDHマイコバクテリウム極東」(極東製薬工業)が開発されている。この方法は、マイクロプレートに固定された基準株DNAと被検菌DNAの全塩基配列の類似度を測定することにより菌種を同定できる。このキットでは、結核菌群(M. tuberculosis complex)、M. avium、M. intracellulareのほか、M. kansasii、M. gordonae、M. chelonae、M. abscessus、M. fortuitum、M. scrofulaceum、M. marinum、M. simiae、M. szulgai、M. gastri、M. xenopi、M. nonchromogenicum、M. terrae、M. triviale、M. peregrinumの計18菌種の同定が可能である。しかし、この方法は、比較的多くの被検菌DNAを必要とするため、分離培養でMGIT培地を利用した場合でも、小川培地等の固形培地での増菌培養が必要である。したがって、結果がでるまで4週間かかることもあり、迅速性に欠ける。また、純粋培養された新鮮分離株を必要とし、複数菌種混ざった状態では正確な結果が得られない。
株式会社ビーエムエルの過去2年半のDDH法依頼検体(2001年7月〜2004年1月、8708検体)を用いて、18菌種の出現頻度を解析した。その結果、出現頻度の高い順に、結核菌群3000株(34.5%)、M. avium 2661株(30.6%)、M. intracellulare 1330株(15.3%)のほか、M. gordonae 521株(6.0%)、M. kansasii 420株(4.8%)、M. fortuitum 241株(2.8%)、M. abscessus 190株(2.2%)、M. chelonae 153株(1.8%)、M. peregrinum 42株(0.5%)、M. xenopi 41株(0.5%)、M. terrae 34株(0.4%)、M. scrofulaceum 29株(0.3%)、M. szulgai 24株(0.3%)、M. nonchromogenicum 12株(0.1%)、M. marinum 10株(0.1%)が同定されており、M. simiae、M. gastri及びM. trivialeは一株も検出されていない。
感染症の原因菌を確定することは治療方針を決める上で重要であることから、迅速かつ正確に多種類の抗酸菌を同時に同定することができる検出系の開発が望まれている。特に、喀痰などの生検体から直接菌種を同定する迅速診断検査法と、確定診断のための培養菌株を用いた菌種同定法の両方に適応可能な検出法の開発が望まれている。
本発明は、抗酸菌属細菌の同定のためのキットを提供することを目的とする。
本発明者らは、抗酸菌属細菌の16S rRNA遺伝子配列と16S−23S rRNA internal transcribed spacer 1(ITS1)領域を解析したところ、従来の方法で検出可能であった結核菌群(M. tuberculosis complex)、M. aviumおよびM. intracellulareだけでなく、他の臨床的に重要な非結核性抗酸菌を同定することができるという知見を得、この知見に基づき、本発明を完成したものである。したがって、本発明は、下記に関する。
1.下記塩基配列の組:
配列番号1と2、配列番号3と4、配列番号5と6、配列番号7と8、配列番号9と10、配列番号11と12、配列番号13と15、配列番号14と15、配列番号16と17、配列番号18と19、配列番号20と21、配列番号22と23、配列番号24と25、配列番号26と29、配列番号26と30、配列番号27と29、配列番号28と30、配列番号31と32、配列番号33と35、配列番号34と35、配列番号36と37、配列番号38と39、配列番号40と37、配列番号41と42、配列番号43と42、配列番号44と45、配列番号46と47、配列番号48と50、配列番号49と50、配列番号51と52、配列番号53と54、配列番号55と56、配列番号57と58、配列番号59と60、配列番号61と62、配列番号63と64、配列番号65と66、配列番号67と68、配列番号69と70、配列番号71と72、配列番号73と74、配列番号75と76、配列番号77と78及び配列番号79と80
で示されるオリゴヌクレオチドを含む、抗酸菌属細菌同定キット、
ただし、配列番号1、3、5、7、9、11、13、14、16、18、20、22、24、26、27、28、31、33、34、36、38、40、41、43、44、46、48、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77及び79で示されるオリゴヌクレオチドは、それぞれ配列番号81又は82で示されるオリゴヌクレオチドをその5’側に有している。
2.下記塩基配列の組:
配列番号5と6、配列番号7と8および11と12、配列番号13〜17、配列番号24〜30、配列番号31〜35、配列番号36と37および40、配列番号41〜43、配列番号44と45および48〜50、配列番号51と52および55と56、配列番号57と58および61と62、配列番号65〜68及び配列番号71と72および79と80
で示されるオリゴヌクレオチドを含む、抗酸菌属細菌同定キット、
ただし、配列番号5、7、11、13、14、16、24、26、27、28、31、33、34、36、40、41、43、44、48、49、51、55、57、61、65、67、71及び79で示されるオリゴヌクレオチドは、それぞれ配列番号81又は82で示されるオリゴヌクレオチドをその5’側に有している。
上記1.又は2.に記載のキットを用いる抗酸菌属細菌を同定するための方法。
本発明のキットは、インベーダー法を用いる抗酸菌属細菌の同定のために設計されたものである。
インベーダー法は、ゲノム上に存在する1塩基多型(Single nucleotide polymorphism: SNP)や遺伝子変異などの特定の配列を同定することができる方法である(Forsら、Pharmacogenomics、第1巻、219−229ページ、2000年)。この方法は、他のSNPタイピング法に必須なPCR等のDNA増幅を必ずしも必要としないことから注目されている。インベーダー法は、インベーダーオリゴがターゲットDNAとシグナルプローブとの間の2本鎖に少なくとも1塩基の浸入(インベージョン)を起こして部分的な3塩基の重複構造を形成すると、構造特異的な5’−エンドヌクレアーゼがシグナルプローブの5’側を切断することを利用している。
本発明のキットは、配列番号1〜80で示した38対のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とし、上記オリゴヌクレオチドの前者がフラップと呼ぶ配列を5’側に有するシグナルプローブに、後者がインベーダーオリゴに該当し、インベーダー法による抗酸菌同定に用いることができる。
本キットに採用したプローブ配列(0016−2)の各オリゴヌクレオチド対(シグナルプローブ及びインベーダーオリゴ)及びその同定可能菌種名を詳細に説明する。なお、シグナルプローブ配列中の小文字で示した塩基配列は、フラップ配列を表す。フラップ配列は、インベーダー法に用いることができる任意の配列を用いることができる。好ましいフラップ配列は、配列番号81又は82である。また、下記に示したフラップ配列は、例示であり、これに限定されるものではない。また、インベーダーオリゴ配列中の小文字で示した塩基配列は、3塩基の重複構造を形成させるための塩基を表す。オリゴヌクレオチド名の後のかっこ書きは、フラップに対応するFRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer)プローブの蛍光標識を表す。
MTC (FAM)
シグナルプローブ cgcgccgaggTAAAGCGCTTTCCACC
インベーダーオリゴ GCGGGCTCATCCCACACCGCc
同定可能菌種名 M. tuberculosis 、M. bovis、M. africanum、M. microti
MAV (FAM)
シグナルプローブ cgcgccgaggAGGTCCTATCCGGTATTAG
インベーダーオリゴ GCAAAAGCTTTCCACCAGAAGACATGCGTCTTGc
同定可能菌種名 M. avium、M. avium subsp. paratuberculosis、M. avium subsp. silvaticum
MKN/MGA (Redmond RED)
シグナルプローブ acggacgcggagCCGGGATAAGCCTGG
インベーダーオリゴ ACGTGGGCAATCTGCCCTGCACAa
同定可能菌種名 M. kansasii、M. gastri
MIN (FAM)
シグナルプローブ1 cgcgccgaggTAAAGACATGCGCCTAAA
シグナルプローブ2 cgcgccgaggAAAAGACATGCGTCTAAAG
インベーダーオリゴ CCATCCCACACCGCAAAAGCTTTCCACCc
同定可能菌種名 M. intracellulare
MCH(ITS) (Redmond RED)
シグナルプローブ acggacgcggagGCTGGGAAATGGTGC
インベーダーオリゴ CACTACAGAAACTCGCTTTATGTTCCCAAGCTCATTCGt
同定可能菌種名 M. chelonae
MCH/MAB (FAM)
シグナルプローブ cgcgccgaggACTTCATGGTGAGTGGT
インベーダーオリゴ GGGAAACTGGGTCTAATACCGGATAGGACCACACt
同定可能菌種名 M. chelonae、M. abscessus
Genus (Redmond RED)
シグナルプローブ1 acggacgcggagACACCGCAAAAGCTTT
シグナルプローブ2 acggacgcggagACACCGCTAAAGCGC
シグナルプローブ3 acggacgcggagACACCGCTACCAAACA
インベーダーオリゴ1 CTGATAGGCCGCGGGCTCATCCCc
インベーダーオリゴ2 GGCCGCGGGCCCATCCCc
同定可能菌種名 ほとんどすべての結核菌群細菌
MSC (FAM)
シグナルプローブ cgcgccgaggGCCTTCGTCGATGG
インベーダーオリゴ TCTTCTCCACCTACCGTCAACCCACAAAGTGAt
同定可能菌種名 M. scrofulaceum
MGO (Redmond RED)
シグナルプローブ1 acggacgcggagTGTGTCCTGTGGTCC
シグナルプローブ2 acggacgcggagTGTGTTCTGTGGTCCT
インベーダーオリゴ CACCGCAAAAGCTTTCCACCACAGGACAt
同定可能菌種名 M. gordonae
MFO (FAM)
シグナルプローブ cgcgccgaggATATTCGGTATTAGACCCAG
インベーダーオリゴ ACCACACACCATGAAGCGCGTGGTCt
同定可能菌種名 M. fortuitum
MFC (Redmond RED)
シグナルプローブ acggacgcggagCTATCCGGTATTAGACCCA
インベーダーオリゴ ACCACACACCATGAAGCGCGTGGTCt
同定可能菌種名 M. farcinogenes、M. senegalense、M. houstonense
MPE/MSE (FAM)
シグナルプローブ cgcgccgaggGCACTTCCTGGTGTG
インベーダーオリゴ CCTGGGAAACTGGGTCTAATACCGAATATGACCGCt
同定可能菌種名 M. peregrinum、M. septicum
MPC (Redmond RED)
シグナルプローブ acggacgcggagGCTCTTCATGGGGTG
インベーダーオリゴ CCTGGGAAACTGGGTCTAATACCGAATATGACCGCt
同定可能菌種名 M. porcinum、M. boenickei、M. neworleansense
MTE (FAM)
シグナルプローブ cgcgccgaggTGGGATGCATGTTCTG
インベーダーオリゴ CTGGGAAACTGGGTCTAATACCGGATAGGACCAa
同定可能菌種名 M. terrae
MNO/MTE (Redmond RED)
シグナルプローブ acggacgcggagTCGGCGAAGCTCC
シグナルプローブ acggacgcggagTCGGCGAAGCTTG
インベーダーオリゴ TGACGGCCTTCGGGTTGTAAACCTCTTTCAGTAc
同定可能菌種名 M. nonchromogenicum、M. terrae
MXE (FAM)
シグナルプローブ cgcgccgaggAGAATGGTCCTATCCGG
インベーダーオリゴ ACACTTTCCACCACCCCACATGCGCt
同定可能菌種名 M. xenopi
MIM (Redmond RED)
シグナルプローブ acggacgcggagCTCGGCGCATGCC
インベーダーオリゴ CTGGGAAACTGGGTCTAATACCGGATAGGACCTt
同定可能菌種名 M. intermedium
MSI(ITS) (FAM)
シグナルプローブ cgcgccgaggAACCGAAGTCGGCC
インベーダーオリゴ CCACCACCAAGATGGAGGGACACCACTTCt
同定可能菌種名 M. simiae
MLE (Redmond RED)
シグナルプローブ acggacgcggagAAAGGCATGCGCCA
インベーダーオリゴ CCATCCCACACCGCAAAAGCTTTCCACCAc
同定可能菌種名 M. lentiflavum
MTR (FAM)
シグナルプローブ cgcgccgaggTATGGCCTACCAAGGC
インベーダーオリゴ CGGCCTATCAGCTTGTTGGTGGGGTc
同定可能菌種名 M. triviale
MSZ (Redmond RED)
シグナルプローブ acggacgcggagGGGTCCTATCCGGTATT
インベーダーオリゴ CACCCCAAGGCATGCGCCTCGt
同定可能菌種名 M. szulgai
MGA(ITS) (FAM)
シグナルプローブ cgcgccgaggTGCTTGCTGTTGCG
インベーダーオリゴ GCCTCAGGACCCAATAGTGTGTCTGGCTa
同定可能菌種名 M. gastri
MMA/MUL (Redmond RED)
シグナルプローブ acggacgcggagTCATGTCCTGTGGTGG
インベーダーオリゴ CTGGGTCTAATACCGGATAGGACCACGGGATc
同定可能菌種名 M. marinum、M. ulcerance
また、本発明の一態様においては、本発明のオリゴヌクレオチド対を下記:
FAM Redmond RED(フラップに対応する蛍光色素)
MTC −
MAV MKN/MGA
MIN MCH(ITS)
MCH/MAB Genus
MSC MGO
MFO MFC
MPE/MSE MPC
MTE MNO/MTE
MXE MIM
MSI(ITS) MLE
MTR MSZ
MGA(ITS) MMA/MUL
の組合わせで用いることができる。
上記の蛍光色素FAMおよびRedmond REDの組み合わせを用いることにより、例えば、マイクロプレートにおいては、使用するウェル数を半分にすることができ、アッセイの効率化及び試薬コストの削減を図ることができる。さらには、本発明をDNAチップ上で行えるようにした基板(特願2001―310119)とSpreed法(特願2003-181068)によるNano−Invader法を使用すれば、大幅なアッセイの効率化と試薬コストの削減が可能である。
試料は、抗酸菌を一種以上含むか又は含む可能性があるものであれば特に限定されないが、例としては、培養菌株および喀痰等の生検体を挙げることができる。これらの試料から、公知の調製方法によりDNAを得ることができる。場合により、試料から得られるDNAを鋳型とし、PCR等の公知の方法に従って16S rRNA遺伝子およびITS1領域を増幅することができる。
プローブの設計
抗酸菌属細菌の基準株と代表的な変異株(sqv:sequence variant)の16S rRNA遺伝子とITS1領域の塩基配列は、Ribosomal Differentiation of Microorganism:RIDOM(Turnneら、JCM、第39巻、3637−3648ページ、2001年)から入手した。また、臨床分離株での配列の多様性を確認するために、GenBank等のデータベースから16S rRNA遺伝子の1133配列とITS1領域の189配列を入手した。RIDOMから得た配列をアライメントすることにより、それぞれの菌種につき1箇所以上の菌種特異的な塩基配列を選定した(図1〜11)。なお、16S rRNA遺伝子解析による菌種同定法が一般的であるため、可能な限り16S rRNA遺伝子を使用して菌種の同定ができるよう試みた。しかし、進化速度が遅いために、遺伝学的に近縁な菌種で16S rRNA遺伝子に明確な違いがない場合は、進化速度が早くより配列に多様性のあるITS1領域を利用した。
選定した菌種特異的な塩基配列を検出するプローブを、Third Wave Technologies社(TWT社)のプローブデザインソフト(Invader Creator)を用いて設計した。
SNP検出の場合、インベーダー反応における特異性は、Cleavase酵素が認識する3塩基の重複構造が形成されるかどうかが大きなポイントとなる。つまり、SNP部位でシグナルプローブとターゲットDNAがマッチする構造のみをCleavase酵素が認識し、フラップが切り出されることになる。しかし、SNP部位でシグナルプローブとターゲットDNAがマッチしない(ミスマッチ)場合でも、マッチする場合と比較し反応性は低下するもののフラップが切り出されるケースがある。この特異性の低下の原因は不明であるが、おそらくはSNP部位およびその前後の配列とそれらの立体構造を認識するCleavase酵素との関係に起因することが予想される。
一方、本発明のインベーダー法を用いた抗酸菌同定法では、検出の特異性を高めるためにプローブのデザインに工夫を凝らした。前述したように、インベーダー法に用いるプローブは、シグナルプローブ(ターゲットにハイブリダイズする領域)のTm値は反応温度と同じ63℃付近に、一方、インベーダーオリゴのTm値は77℃付近になるようにデザインする。したがって、シグナルプローブのハイブリダイズする領域にターゲットDNAと1塩基でもミスマッチとなる塩基置換が存在すると、プローブのTm値が63℃より低くなるため、プローブとターゲットDNAのハイブリダイズ効率が低下すると考えられる。一方、インベーダーオリゴとターゲットDNAがミスマッチとなる塩基置換が数塩基ぐらい存在しても、Tm値が70℃以下になることはほとんどなく、Cleavase酵素によるフラップの切断反応には影響ないと考えられていた。すなわち、Cleavase酵素によるフラップの切断反応に代表されるインベーダー反応の特異性は、主に3塩基の重複構造を形成する塩基(SNPと見立てる)を含むシグナルプローブから得られるものと考えられていた。
しかし、後述するように、幾つかの抗酸菌属細菌を同定するために、SNPと見立てた塩基(3塩基の重複構造を形成する塩基)は同じであるが、そのすぐ近傍の塩基の違いを見分けるプローブが必要であった。この場合、前述のような理由から、異なる塩基をシグナルプローブで認識させるほうがプローブの特異性が得られやすいと考えていた。しかし、以下の例のように、SNPと見立てた塩基のすぐ近傍の塩基の違いを検出する場合、むしろ、インベーダーオリゴにミスマッチを入れたほうが特異性を得やすいという結果を得た。
139〜141番塩基(図1参照)の違いを利用して、M. gordonaeを同定した実際の例を挙げる(このプローブはM. heidelbergenseという菌種を検出することが判明したため、キットには採用していない)。139〜141番塩基の32菌種のコンセンサス配列(多数決)はTTCであるが、M. fortuitum, M. peregrinumおよびM. nonchromogenicumなどの菌種はTTTを、また、M. abcessus, M. chelonaeおよびM. terraeはTCTを有していた。M. gordonae はATCを、一方、M. kansasii/M.gastri はACCを有していることを利用して、両者の同定を試みた。まず、M. gordonaeの検出は、コンセンサス配列と唯一異なる、139番塩基のAをSNPと見立ててプローブのデザインを行った。しかし、M. kansasii/M. gastriも139番塩基はAを有してることから、その1塩基後の140番塩基の違いを利用して、M. gordonaeとM. kansasii/M. gastriの識別を行う必要性があった。今までの考えでは、シグナルプローブにミスマッチが入るアンチセンス鎖のプローブにより、M. gordonaeのみ特異的に検出できると考えられた。しかし、実際にアンチセンス鎖をターゲットとしたプローブは、反応効率は若干低下するものの、M. kansasiiおよびM. gastriの基準株DNAも検出してしまった。逆に、センス鎖をターゲットとしたプローブは、M. kansasii/M. gastriを検出しなかった。つまり、シグナルプローブにミスマッチがある場合に比べ、インベーダープローブの3’末端から2つ目の塩基にミスマッチが導入されたほうが、より特異性の高いプローブとなったのである。これは、インベーダーオリゴのTm値の低下に起因するとは考えられず、インベーダーオリゴの3’末端近くに生じたミスマッチをもった3塩基の重複構造が、Cleavase酵素により認識されにくくなったことが原因だと考えられる。
上記のような現象の発見から、どのようにプローブをデザインしたらより特異性が得られやすいプローブとなるかということが判明した。
M. aviumあるいはM. intracellulareをはじめ、多くの菌種検出用プローブは、16SrRNA遺伝子の超可変領域(V2)のおよそ180〜200番塩基に設定している。この場合、この領域内のどの塩基をSNPと見立ててプローブをデザイン・合成しても高い特異性が得られると考えられるが、SNPと見立てる塩基が同じ場合も多く、より特異性が得やすいよう上述の現象等を利用しデザインを慎重に行なった。
次に、デザインしたプローブの特異性を、BLAST検索とRibosomal Database Project−IIの「Probe Match」機能等で確認した。
16S rRNA遺伝子を使用した場合、M. avium検出用プローブは3セットとも、M. aviumの亜種で遺伝学的に近縁のM. avium subsp. paratuberculosisとM. avium subsp. silvaticumを同時に同定することが判明した。16S rRNA遺伝子をターゲットとした同定法で、M. aviumあるいはMACを同定するキットは、原理的にはすべて、M. avium の亜種であるM. avium subsp. paratuberculosisとM. avium subsp. silvaticumを検出すると考えられるが、これらの菌種は臨床分離株からはほとんど検出されることはないことから、キットの添付書類にはこれらの菌種名は記載されていない。
さらに、M. nonchromogenicumも単独での検出は不可能と考えられたため、M. nonchromogenicumと遺伝学的に非常に近縁であるM. terraeを同時に検出するプローブを作製することにした。また、M. marinumとM. ulceransおよびM. peregrinumとM. septicumは、16S rRNA遺伝子配列に明らかな違いが認められず、また、それらを分けて同定する意義に乏しいため、それらを同時に検出するプローブを作製することにした。
一方、M. simiaeを16S rRNA遺伝子で同定しようとすると、M. simiaeと遺伝学的に近縁である、M. genavense, M. triplex, M. lentiflavum, M. heidelbergense, M. interjectum, M.kubicae, M. intermediumを含む計8菌種を同時に検出してしまうことが判明した。そこで、M. simiaeはITS1領域を利用して同定することにした(図9)。さらに、M. kansasiiとM. gastriおよびM. chelonaeとM. abscessusは、16S rRNA遺伝子配列に明らかな違いが認められなかったことから、ともに両菌種を16S rRNA遺伝子で同定するプローブと、さらに、ITS1領域を利用してM. gastri(図10)とM. chelonae(図11)を同定するプローブを作製することにした。
各菌種につき2〜4セットのプローブを作製し、以下の検討に使用した。合成したプローブの特異性は、まず合成オリゴヌクレオチドを用いて確認した後、抗酸菌の基準株53株(M. tuberculosis H37Rv, M. tuberculosis H37Ra, M. bovis, M. microti, M. africaum, M. asiaticum, M. marinum, M. ulceranse, M. kansasii sqv.I, M. gastri, M. malmoense, M. avium subsp. avium sqv.I, M. avium subsp. silvaticum, M. intracellulare sqv.I, M. intracellulare sqv.II, M. szulgai, M. genavense, M. triplex, M. lentiflavum, M. simiae, M. heidelbergense, M. interjectum, M. kubicae, M. intermedium, M. gordonae sqv.I, M. gordonae sqv.II, M. scrofulaceum, M. xenopi, M. shimoidei, M. branderi, M. celatum, M. cookii, M. triviale, M. nonchromogenicum, M. terrae sqv.I, M. abscessus, M. chelonae, M. smegmatis, M. flavescens, M. vaccae, M. peregrinum, M. septicum, M. mucogenicum, M. fortuitum, M. alvei, M. hustonense, M. farcinogenes, M. senegalense, M. neworleansense, M. porcinum, M. chitae, M. aichiense, M. ashagni)と、MGIT培地に混入することが知られているStaphylococcus aureusなどの細菌29株を用いて検討した。さらに、臨床分離株668例を用いて、全染色体DNA塩基配列の類似性を利用したDDH法(極東製薬工業)と比較検討した。
測定は、384ウェルプレートを用いて、それぞれのインベーダーオリゴ、シグナルプローブ、FRETプローブおよびCleavase酵素と、熱変性した0.6ngのサンプルDNA(1.8×10コピー相当)を同時に混和し、66℃で1〜4時間反応させた後、蛍光プレートリーダー(CYTOFLUOR4000/Applied Biosystems)で計測した。判定基準はFOZ法を用いた(Lyamichevら、Methods in Molecular Biology、第212巻、229−240ページ、2003年)。なお、従来のインベーダー法では、反応温度は63℃であるが、本発明においては、反応温度を66℃とすることにより菌種同定の特異性をさらに高めることができた。
本発明の方法とDDH法との結果が整合しない場合には、シークエンス解析により、16S rRNA遺伝子配列あるいはITS1領域の配列を確認した。PCRプライマーは、16S rRNA遺伝子増幅用にForward: 5’- GGCGGCGTGCTTAACACATGCAAGT -3’とReverse: 5’- CTACCTTGTTACGACTTCGTCCCAATC -3’を、また、ITS1領域増幅用にForward: 5’- GTCGTAACAAGGTAGCCGT -3’とReverse: 5’- TGCCAAGGCATCCACC -3’使用し、公知の方法によりPCR増幅した後に、ダイレクトシークエンスあるいはクローニングシークエンス法により、それぞれの配列を解析した。得られた配列を元に、16S rRNA遺伝子配列に基づく菌種名をRIDOMを用いて決定した。
シークエンス解析の結果、DDH法でM. intracellulareと判定された臨床分離株には、基準株の16S rRNA遺伝子配列とは異なる配列を有する菌株(sqv.II&III&IV)が存在することが判明した(図12)。基準株検出用のプローブに、これら基準株とは異なる配列を有する臨床分離株検出用のシグナルプローブを加えミックスプローブ化することにより、M. intracellulareの同定率を高めることが可能となった。なお、「アンプリコア(登録商標)マイコバクテリウム」(ロシュ・ダイアグノスティクス社)では、これら基準株と異なる配列を有するM. intracellulareは検出不可能であった。
また、シークエンス解析の結果、M. gordonaeの臨床分離株には、基準株の16S rRNA遺伝子配列とは異なる配列を有する菌株(sqv.II&III&IV&V)が高頻度に存在することが判明した(図13)。M. intracellulare同様に、これら基準株とは異なる配列を有する臨床分離株検出用のシグナルプローブを加えミックスプローブ化することにより、M. gordonaeの同定率を高めることが可能となった。
また、M. kansasiiにも、基準株の16S rRNA遺伝子配列とは異なる配列を有する臨床分離株(sqv.II&III&VI)が存在することが判明した。3セット作製したM. kansasii/M. gastri検出用のプローブのなかで、これらの配列を有する臨床分離株も検出可能なプローブを選択することにより、M. kansasiiの同定率を高めることが可能となった。
我々の検討結果では、M. terraeのsqv.IIIの配列を有する株はすべてDDH法でM. nonchromogenicumと同定された。したがって、M. terrae検出用のプローブは、M. terraeのsqv.I(基準株)とsqv.IIだけを検出するものにした(図15)。一方、M. nonchromogenicumとM. terraeを同時に検出するプローブの設定領域には、M. terraeの基準株と異なる配列を有する臨床分離株(sqv.II)が存在したことから、シグナルプローブをミックスプローブ化することで対処した。
シークエンス解析の結果、DDH法でM. fortuitumと判定される臨床分離株の中に、M. fortuitumと遺伝学的に非常に近縁なM. senegalense, M. farcinogenes, M. porcinumという菌種の16S rRNA遺伝子配列を有する株が存在した。そこで、これらの菌種を同定するプローブの作製を試みた。M. fortuitum complexと言われている菌種の16S RNA遺伝子配列を詳細に検討し慎重にプローブをデザインを行ったところ、M. fortuitumの基準株以外に、M. farcinogenesとM. senegalensとM. houstonenseの3菌種を、また、M. porcinuとM. boenickeiとM. neworleansenseの3菌種をそれぞれ検出するプローブを作製することが可能であった。
一方、M. avium、M. chelonaeおよびM. nonchromogenicumの臨床分離株には、データベースに登録されていない、基準株とは異なる配列を有する株が存在した。そこで、それぞれ3セット作製したプローブのなかで、これらの配列を有する株も検出可能なプローブを選択した。
このように、主に16S rRNA遺伝子の5’側配列の超可変領域を利用し、インベーダー法を用いることで、結核菌群(M. tuberculosis complex)、M. avium、およびM. intracellulareなど臨床的に重要な抗酸菌が同定可能となった。なお、基準株あるいは臨床分離株を使用した特異性試験の結果を図17と図18に示す。臨床分離株668株を用いた検討では、DDH法で同定できた臨床分離株612例中569例(93.0%)はインベーダー法の結果と一致した。また、インベーダー法では、混合感染も同定可能であった。
一方、DDH法で18菌種以外・判定不能となり、本インベーダー法でM. gordonaeと判定された臨床分離株が17株確認された。また、DDHでM. scrofulaceumと判定され、本インベーダー法で33菌種以外と判定されたものが5株あるなど、DDH法と本インベーダー法とで結果が乖離する臨床分離株も確認された。
「DDHマイコバクテリウム極東」(極東製薬工業)の添付書類に「相関」に関する以下のような記述がある。「保存抗酸菌236菌株を被検菌として、生化学的性状試験による「極東 抗酸菌同定キット」との間で相関を検討した。全体では、本法の同定率は89%(211/236)、従来法との一致率は84%(199/236)でした。菌種ごとでは従来法でM. scrofulaceumと同定される抗酸菌の27%(7/26)、同様にM. gordonaeの27%(4/15)、M. nonchromogenicum complexの48%(11/23)、M. fortuitumの7%(2/29)、M. chelonaeの10%(1/10)が本法では反応しませんでした。これらの菌種以外では、一致率および同定率は100%を示しました。と記載されている。
DDH法で同定できなかったM. gordonae 17例は、16S rRNA遺伝子とITS1領域のシークエンス解析の結果、すべてM. gordonaeと考えられた。M. gordonaeには、DDH法で同定されない臨床分離株が存在することが知られている。DDH法の開発者である楠木ら(JCM、第29巻、1596−1603ページ、1991年)は、その論文の中で、DDH法でM. gordonaeの同定用にプレートに固相されている基準株(ATCC 14470T)と全染色体DNAの類似度が70%以下で、DDH法では「18菌種以外」と判定されてしまう臨床分離株がいることが記述されている。さらに、伊藤ら(JCM、第41巻、1656−1663ページ、2003年)は、このようなDDH法では「18菌種以外」と判定されてしまうM. gordonaeについて、コロニーの形態・増殖温度・生化学性状・遺伝子解析(16S rRNA遺伝子、RNA polymerase遺伝子:rpoBなど)など詳細な検討を行っている。この論文によると、16S rRNA遺伝子の解析からM. gordonaeと判定された臨床分離株34株は、rpoBにより4つのクラスター(A 9株、B 4株、C 3株、D 15株)に分類された。それぞれ一株ずつしか検討がなされてないが、クラスターAとBはDDH法でM. gordonaeと判定され、一方、クラスターCとDは、18菌種以外と判定されてしまうという結果であった。こららの結果などから、筆者らは、クラスターCに属するM. gordonaeはM. gordonaeの亜種で、クラスターDの臨床分離株は「M. gordonae-like」としながらも新菌種の可能性があると述べている。
さらに、DDH法とインベーダー法の結果が乖離した臨床分離株について検討した。DDH法でM. scrofulaceumと判定されるが、インベーダー法で33菌種以外と判定された5株について16S rRNA遺伝子のシークエンス解析を行ったところ、そのうち4株はM. parascrofulaceumと判定された。M. parascrofulaceumは2004年にTurenneら(IJSEM、第54巻、1543−1551ページ、2004年)によって同定された新菌種で、M. simiaeと相同性の高い16S rRNA遺伝子とITS1領域を有するが、生化学性状はM. scrofulaceumに似ている菌種である。M. parascrofulaceumは、、M. scrofulaceumには見られないが、発育の早いいわゆる迅速菌とM. simiae complexの遅速菌に見られる16S rRNA遺伝子の超可変領域(V3)に存在する12塩基を有していることが特徴的である。一方、ITS1領域の配列は、M. simiaeとM. scrofulaceumに非常に相同性の高い配列を有している。我々の検討でも、4株はM. parascrofulaceumに特徴的な16S rRNA遺伝子およびITS1配列を有していた。以上のことから、DDH法ではM. parascrofulaceumをM. scrofulaceumと間違って同定してしまうことが示唆された。
また、本インベーダー法やシークエンス解析結果から、M. farcinogenes/M. senegalense/M. houstonenseあるいはM. porcinum/M. boenickei/M. neworleansenseのいずれかの16S rRNA遺伝子の特徴を有する臨床分離株は、DDH法でM. fortuitumと判定された。これらの菌種とM. peregrinumとM. septicumなど加えたグループを「M. fortuitum complex」と称することがあるように、遺伝学的には非常に近縁な菌種である。特に、M. houstonense, M. boenickei, M. neworleansenseは、2004年に新たな菌種で登録される以前は、すべてM. fortuitumのthird biovariant complexと分類されていた(Schinskyら、IJSEM、第54巻、1653−1667ページ、2004年)。
我々の検討では、M. senegalense(ATCC 35753), M. houstonense(ATCC 49403), M. porcinum(ATCC 33776)などの基準株が、DDH法ではM. fortuitumと判定されてしまうことがあることを確認している。
さらに、M. marinumと遺伝学的に近縁なM. ulceransをM. marinumと間違って判定してしまうことが報告されている(鹿住ら、結核、第79巻、437−441ページ、2004年)。DDH法は、「全染色体DNAの絶対類似度が70%以上であれば、同じ菌種として良い」という細菌分類学の菌種同定の基準を利用した方法である。しかし、この方法では、臨床分離株がどの菌種の基準株と最も近いかという結果は得られるが、算出された数値は相対類似度であり、分類学で扱う絶対類似度とは隔たりがある場合が多い。DDH法の判定基準は、被検体から分離したDNAをビオチン標識した後、18菌種とブランクである大腸菌のDNAが固相化してあるマイクロプレートに反応させた後、630nmの吸光度を測定し、感度(最も吸光度の高かった菌種とブランクの吸光度が)1.9倍以上、相対類似度(2番目に反応性の良かった菌種の特異吸光度が感度の)70%以下のものを同定結果とする。したがって、被検検体の全染色体DNAと固相化されている基準株の類似度が70%未満でも、上記の条件を満たしてしまえば、間違った菌種と誤判定されてしまうことになる。また、この原因の一因は、抽出したDNA量を最適濃度に合わせていないことも考えられる。
以上のように、DDH法では一部の菌種を間違って同定してしまうことが少なからず起こりえることが判明した。
DDH法で18菌種以外の抗酸菌あるいは判定不能とされた臨床検体15株の16 rRNA遺伝子シークエンス解析から、M. lentiflavum(Springerら、JCM、第34巻、1100−1107ページ、1996年), M. intermedium(Meierら、IJSB,第43巻、204−209ページ、1993年)などの菌株が比較的高頻度に分離検出されることが判明した。これら2菌種をそれぞれ特異的に検出するプローブを本キットに組み込むことにより、従来のキットでは検出できなかったこれらの菌種を、本発明により同定することが可能となった。
また、これらの臨床検体から、M. mucogenicum, M. triplex, M. shimoidei, M. asiaticum, M. frederiksbergense (M. fluoroanthenivoranse), M. neoaurum, M. tokaiense/M. murale, M. chubuense, M. mageritenseなどの菌種も確認された。しかし、これらの菌種は臨床検体から分離されることは非常に稀であると考えられることから、これらの菌種検出用プローブは本発明キットに加えなかった。
一方、喀痰、気管支洗浄液あるいは胃液や、あるいはそれらの材料から培養した菌株から調製したDNAを使用して抗酸菌を同定する場合、培養の処理として、一般的にアルカリ処理を行う。アルカリ処理は、前述のように抗酸菌以外の細菌を除菌する目的で行われる。しかし、この処理を行ってもStaphylococcus aureusなどの細菌が混入してくるケースが確認されている。そこで、調製したDNAが抗酸菌属の細菌由来のものであるかどうか確認できるように、抗酸菌属特異的な16S rRNA配列を検出する「Genus」プローブを作製した。
現行のインベーダー法の場合、2種類の蛍光色素FAMおよびRedmond REDを使用することにより、1つのウェルでSNPのタイピングが可能である。本発明においても、これら2種類の蛍光色素を使用することにより、1つのウェルで複数の菌種を同定することが可能となれば、アッセイの効率化および試薬コストの削減が可能となる。
一般的なインベーダー法では、検出する遺伝子配列のセンス鎖かアンチセンス鎖のどちらか一方にハイブリダイズするプローブセット(SNPに対応する塩基のみが異なる2種類のシグナルプローブと1種類のインベーダーオリゴ)が使われる。
一方、本発明の場合、16S rRNA遺伝子の5’側配列の超可変領域、特にその中の40塩基に集中した領域に大半のプローブを設定している。さらには、センス鎖とアンチセンス鎖を対象としたプローブが混在している。2セットのプローブを溶液中でミックスした場合、インベーダー反応の特異性や反応性が極端に低下する現象が観察された。これは、互いのプローブがアニールし易くなった結果、プローブのハイブリダイズする効率が低下したり、また、目的とは異なる塩基でCleavase酵素が認識するような3塩基の重複構造が形成されることが原因と考えられる。
センス鎖アンチセンス鎖に関係なく、プローブがハイブリダイズする領域が極力重ならないように、また、仮に重なってもその重なり度が少なくなるように工夫するなど試行錯誤を繰り返しながら、上記のプローブの組み合わせを完成させた。
本発明により、1検体につき24ウェル(12種類のプローブでの2重測定)の使用で、計33菌種の抗酸菌属細菌を同定(グループで検出する菌種も含め)することが可能となった。解析例を図19に示す。
インベーダー反応の検出感度は、ヒトのSNPsの場合、384ウェルプレートの1ウェルあたりおよそ40ng(1.2×10コピー)である。抗酸菌の全色体DNAは、1コピーあたり3.3fgであるので、1ウェルあたりおよそ40pgのDNAがあれば検出可能な計算になる。本キットは、1検体あたり24ウェル(12種類のプローブでの2重測定)を使用するので、再検査分を考慮するとおよそ2ngのDNAがあれば本インベーダー法により抗酸菌の同定が可能であると考えられた。
抗酸菌は、脂質に富んだ硬い細胞壁に包まれていることから、そこから効率良くDNAを抽出するためには、細胞を十分に壊すために破砕ビーズが必要である。我々の検討では、破砕を十分に行えば、その後の操作は一般的なフェノール・クロロフォルム抽出とエタノール沈殿を組み合わせた方法であろうが、磁気ビーズを利用した精製法であろうとも効率良くDNAを抽出することが可能であった。以下の検討には、前者の方法を利用しているMORA−EXTRACT(極東製薬工業)を用いてDNAの抽出を行った。
小川培地で培養した、M. tuberculosis, M. avium, M. intracellulareなどを含む38菌種の抗酸菌基準株を2分の1白金時利用してDNAを抽出したところ、7.25±3.51μg(平均±標準偏差)のDNAが抽出可能であった。これは本インベーダー法で同定を行うのに十分なDNA量であった。
現在では、その迅速性からMGIT培地で分離培養を行うようになっている。しかし、DDH法で抗酸菌の同定を実施する場合、多量のDNAが必要なため、MGIT陽性直後の菌体数では十分量のDNAが抽出できない。そのため、MGIT陽性後にDDH法を実施する場合、小川培地による増菌培養が必須である。なお、MGIT陽性時の抗酸菌の菌数は、菌種により若干の違いはあるがおよそ1×10〜10CFUであることが知られている。
我々は、MGIT培養陽性後の菌体から抽出したDNAで、本インベーダー法による抗酸菌の同定が可能かどうか検討した。鏡検陽性検体87検体を用いてMGIT培養を行い、培養陽性時の菌体のおよそ半量を用いてDNA抽出を行ったところ、951±946ngと菌体によって抽出されたDNA量に大きな違いがあった。これらのDNAを用いてインベーダー法を実施したところ、81検体(93.1%)で菌種を判定することが可能であった。判定可能であった81例の内訳は、結核菌群42検体、M. avium22検体、M. intracellulare10検体、M. chelonae5検体、M. kansasii2検体、M. gordonae1検体及びM. fortuitum1検体であり、DDH法の結果とすべて一致していた。なお、MGIT陽性時に他の細菌の混入が確認された検体が5検体確認されたが、そのうち3検体はインベーダー法で同定可能であった。
本検出法では、DDH法で必要な小川培地での増菌培養は必ずしも必要なく、MGIT培養陽性時の菌株から破砕ビーズを用いた方法でDNAを抽出することにより、必要量のDNA量を得ることが可能であった。したがって、結果が得られるまでの日数は、DDH法より2週間ほど短縮できることになる。
一方、本発明で検出可能な計33菌種の抗酸菌属細菌の16S rRNA遺伝子あるいはITS1領域を同時に増幅できるようなPCRプライマーを使用することにより、喀痰などの生検体からも迅速に菌種の同定が可能となった。例えば、「アンプリコア(登録商標)マイコバクテリウム」(ロシュ・ダイアグノスティクス社)キットで得られるアルカリ変性済みのPCRプロダクトを、塩酸等で中和し、TEバッファー等で希釈したものを使用することができる。等量の0.1N塩酸で中和し、TEバッファーで10倍希釈したPCRプロダクトを用いた場合、10分の1量のCleavase酵素を使用しても、反応時間15分〜2時間で同定可能であった。なお、このキットで使用されているPCRプライマーでは、16S rRNA遺伝子のみの増幅でかつM. lentiflavumなどの菌種の16S rRNA遺伝子は増幅されないため、他の配列を有するPCRプライマーを使用する必要がある。
このように、本発明キットを使用することにより、確定診断用として、培養菌株の抗酸菌属細菌の菌種同定だけでなく、喀痰などの生検体からの迅速診断にも適応可能であった。
抗酸菌属細菌32菌種の16S rRNA遺伝子のアライメント(104番塩基〜153番塩基)と各菌種検出用プローブ設定部位を表す。四角で囲んだ塩基は、プローブのデザイン時にSNPと見立てた塩基である。センス鎖に設定したプローブは「S」で、一方、アンチセンス鎖に設定したプローブは「AS」で示した。 抗酸菌属細菌32菌種の16S rRNA遺伝子のアライメント(154番塩基〜203番塩基)と各菌種検出用プローブ設定部位を表す。四角で囲んだ塩基は、プローブのデザイン時にSNPと見立てた塩基である。センス鎖に設定したプローブは「S」で、一方、アンチセンス鎖に設定したプローブは「AS」で示した。 抗酸菌属細菌32菌種の16S rRNA遺伝子のアライメント(204番塩基〜253番塩基)と各菌種検出用プローブ設定部位を表す。四角で囲んだ塩基は、プローブのデザイン時にSNPと見立てた塩基である。センス鎖に設定したプローブは「S」で、一方、アンチセンス鎖に設定したプローブは「AS」で示した。 抗酸菌属細菌32菌種の16S rRNA遺伝子のアライメント(254番塩基〜303番塩基)と各菌種検出用プローブ設定部位を表す。四角で囲んだ塩基は、プローブのデザイン時にSNPと見立てた塩基である。センス鎖に設定したプローブは「S」で、一方、アンチセンス鎖に設定したプローブは「AS」で示した。 抗酸菌属細菌32菌種の16S rRNA遺伝子のアライメント(304番塩基〜353番塩基)と各菌種検出用プローブ設定部位を表す。 抗酸菌属細菌32菌種の16S rRNA遺伝子のアライメント(354番塩基〜403番塩基)と各菌種検出用プローブ設定部位を表す。 抗酸菌属細菌32菌種の16S rRNA遺伝子のアライメント(404番塩基〜453番塩基)と各菌種検出用プローブ設定部位を表す。四角で囲んだ塩基は、プローブのデザイン時にSNPと見立てた塩基である。アンチセンス鎖に設定したプローブは「AS」で示した。 抗酸菌属細菌32菌種の16S rRNA遺伝子のアライメント(454番塩基〜503番塩基)と各菌種検出用プローブ設定部位を表す。四角で囲んだ塩基は、プローブのデザイン時にSNPと見立てた塩基である。センス鎖に設定したプローブは「S」で示した。 M. simiaeのITS1領域のアライメントとM. simiae検出用プローブ設定部位を表す。四角で囲んだ塩基は、プローブのデザイン時にSNPと見立てた塩基である。センス鎖に設定したプローブは「S」で、一方、アンチセンス鎖に設定したプローブは「AS」で示した。シグナルプローブのアニールする塩基を下線で示した。 M. kansasiiとM. gastriのITS1領域のアライメントとM. gastri検出用プローブ設定部位を表す。四角で囲んだ塩基は、プローブのデザイン時にSNPと見立てた塩基である。センス鎖に設定したプローブは「S」で、一方、アンチセンス鎖に設定したプローブは「AS」で示した。シグナルプローブのアニールする塩基を下線で示した。 M. chelonaeとM. abscessusのITS1領域のアライメントとM. chelonae検出用プローブ設定部位を表す。四角で囲んだ塩基は、プローブのデザイン時にSNPと見立てた塩基である。センス鎖に設定したプローブは「S」で、一方、アンチセンス鎖に設定したプローブは「AS」で示した。シグナルプローブのアニールする塩基を下線で示した。 M. avium、M. intracellulareの基準株と変異株の16S rRNA遺伝子のアライメントとM. intacellulare検出用プローブ設定部位を表す。四角で囲んだ塩基は、プローブのデザイン時にSNPと見立てた塩基である。基準株(sqv.I)とsqv.Vを検出するプローブと、sqv.II〜IVを検出するプローブをセンス鎖に設定した。 M. gordonaeの基準株と変異株の16S rRNA遺伝子のアライメントとM. gordonae検出用プローブ設定部位を表す。四角で囲んだ塩基は、プローブのデザイン時にSNPと見立てた塩基である。基準株(sqv.I)を検出するプローブと、sqv.II〜Vを検出するプローブをセンス鎖に設定した。 M. kansasiiの基準株と変異株およびM. gastriの基準株の16S rRNA遺伝子のアライメントとM. kansasii/M. gastri検出用プローブ設定部位を表す。四角で囲んだ塩基は、プローブのデザイン時にSNPと見立てた塩基である。M. gastriとM. kansasiiのsqv.I〜VIすべてを検出するプローブを設定した。 M. terraeの基準株と変異株の基準株の16S rRNA遺伝子のアライメントとM. terrae検出用およびM. nonchromogenicum/M. terrae検出用プローブ設定部位を表す。四角で囲んだ塩基は、プローブのデザイン時にSNPと見立てた塩基である。M. terraeのsqv.IとIIのみを検出するプローブとアンチセンス鎖に設定した。また、M. nonchromogenicumとM. terraeのsqv.I〜IIIすべてを検出するプローブをアンチセンス鎖に設定した。 M. fortuitum complexの16S rRNA遺伝子のアライメントとM. fortuitum基準株検出用、M. farcinogene/M. senegalens/M. houstonense検出用およびM. porcinu/M. boenicke/M. neworleansense検出用プローブ設定部位を表す。四角で囲んだ塩基は、プローブのデザイン時にSNPと見立てた塩基である。M. fotuitumのみを検出するプローブをセンス鎖に設定した。M. farcinogeneとM. senegalensとM. houstonenseを検出するプローブをセンス鎖に設定した。M. porcinuとM. boenickeとM. neworleansenseを検出するプローブをアンチセンス鎖に設定した。M. peregrinumとM. septicumを検出するプローブをアンチセンス鎖に設定した。 基準株を用いたプローブの特異性試験の結果を表す。 基準株を用いたプローブの特異性試験の結果を表す。 基準株を用いたプローブの特異性試験の結果を表す。 基準株を用いたプローブの特異性試験の結果を表す。 DDH法とインベーダー法との結果相関を表す。 DDH法とインベーダー法との結果相関を表す。 インベーダー法の解析例を表す。小川培地で培養した臨床分離株4株(S1:M. intracellulare、S2:M. fortuitum、S3:M. avium、S4:M. gordonae)を解析した際のもので、12セットのプローブのうちセット1を反応させた際のグラフである。白の棒グラフは蛍光色素FAMのFOZ値を、また、黒の棒グラフは蛍光色素Redmond REDのFOZ値を示している。 インベーダー法の解析例を表す。小川培地で培養した臨床分離株4株(S1:M. intracellulare、S2:M. fortuitum、S3:M. avium、S4:M. gordonae)を解析した際のもので、12セットのプローブのうちセット2を反応させた際のグラフである。白の棒グラフは蛍光色素FAMのFOZ値を また、黒の棒グラフは蛍光色素Redmond REDのFOZ値を示している。S3のみMAVのプローブと反応している。 インベーダー法の解析例を表す。小川培地で培養した臨床分離株4株(S1:M. intracellulare、S2:M. fortuitum、S3:M. avium、S4:M. gordonae)を解析した際のもので、12セットのプローブのうちセット3を反応させた際のグラフである。白の棒グラフは蛍光色素FAMのFOZ値を、また、黒の棒グラフは蛍光色素Redmond REDのFOZ値を示している。S1のみMINのプローブと反応している。 インベーダー法の解析例を表す。小川培地で培養した臨床分離株4株(S1:M. intracellulare、S2:M. fortuitum、S3:M. avium、S4:M. gordonae)を解析した際のもので、12セットのプローブのうちセット4を反応させた際のグラフである。白の棒グラフは蛍光色素FAMのFOZ値を、また、黒の棒グラフは蛍光色素Redmond REDのFOZ値を示している。4株とも、Genusプローブと反応している。 インベーダー法の解析例を表す。小川培地で培養した臨床分離株4株(S1:M. intracellulare、S2:M. fortuitum、S3:M. avium、S4:M. gordonae)を解析した際のもので、12セットのプローブのうちセット5を反応させた際のグラフである。白の棒グラフは蛍光色素FAMのFOZ値を、また、黒の棒グラフは蛍光色素Redmond REDのFOZ値を示している。S4のみMGOのプローブと反応している。 インベーダー法の解析例を表す。小川培地で培養した臨床分離株4株(S1:M. intracellulare、S2:M. fortuitum、S3:M. avium、S4:M. gordonae)を解析した際のもので、12セットのプローブのうちセット6を反応させた際のグラフである。白の棒グラフは蛍光色素FAMのFOZ値を、また、黒の棒グラフは蛍光色素Redmond REDのFOZ値を示している。S2のみMFOのプローブと反応している。 インベーダー法の解析例を表す。小川培地で培養した臨床分離株4株(S1:M. intracellulare、S2:M. fortuitum、S3:M. avium、S4:M. gordonae)を解析した際のもので、12セットのプローブのうちセット7を反応させた際のグラフである。白の棒グラフは蛍光色素FAMのFOZ値を、また、黒の棒グラフは蛍光色素Redmond REDのFOZ値を示している。 インベーダー法の解析例を表す。小川培地で培養した臨床分離株4株(S1:M. intracellulare、S2:M. fortuitum、S3:M. avium、S4:M. gordonae)を解析した際のもので、12セットのプローブのうちセット8を反応させた際のグラフである。白の棒グラフは蛍光色素FAMのFOZ値を、また、黒の棒グラフは蛍光色素Redmond REDのFOZ値を示している。 インベーダー法の解析例を表す。小川培地で培養した臨床分離株4株(S1:M. intracellulare、S2:M. fortuitum、S3:M. avium、S4:M. gordonae)を解析した際のもので、12セットのプローブのうちセット9を反応させた際のグラフである。白の棒グラフは蛍光色素FAMのFOZ値を、また、黒の棒グラフは蛍光色素Redmond REDのFOZ値を示している。 インベーダー法の解析例を表す。小川培地で培養した臨床分離株4株(S1:M. intracellulare、S2:M. fortuitum、S3:M. avium、S4:M. gordonae)を解析した際のもので、12セットのプローブのうちセット10を反応させた際のグラフである。白の棒グラフは蛍光色素FAMのFOZ値を、また、黒の棒グラフは蛍光色素Redmond REDのFOZ値を示している。 インベーダー法の解析例を表す。小川培地で培養した臨床分離株4株(S1:M. intracellulare、S2:M. fortuitum、S3:M. avium、S4:M. gordonae)を解析した際のもので、12セットのプローブのうちセット11を反応させた際のグラフである。白の棒グラフは蛍光色素FAMのFOZ値を、また、黒の棒グラフは蛍光色素Redmond REDのFOZ値を示している。 インベーダー法の解析例を表す。小川培地で培養した臨床分離株4株(S1:M. intracellulare、S2:M. fortuitum、S3:M. avium、S4:M. gordonae)を解析した際のもので、12セットのプローブのうちセット12を反応させた際のグラフである。白の棒グラフは蛍光色素FAMのFOZ値を、また、黒の棒グラフは蛍光色素Redmond REDのFOZ値を示している。

Claims (3)

  1. 下記塩基配列の組:
    配列番号1と2、配列番号3と4、配列番号5と6、配列番号7と8、配列番号9と10、配列番号11と12、配列番号13と15、配列番号14と15、配列番号16と17、配列番号18と19、配列番号20と21、配列番号22と23、配列番号24と25、配列番号26と29、配列番号26と30、配列番号27と29、配列番号28と30、配列番号31と32、配列番号33と35、配列番号34と35、配列番号36と37、配列番号38と39、配列番号40と37、配列番号41と42、配列番号43と42、配列番号44と45、配列番号46と47、配列番号48と50、配列番号49と50、配列番号51と52、配列番号53と54、配列番号55と56、配列番号57と58、配列番号59と60、配列番号61と62、配列番号63と64、配列番号65と66、配列番号67と68、配列番号69と70、配列番号71と72、配列番号73と74、配列番号75と76、配列番号77と78及び配列番号79と80
    で示されるオリゴヌクレオチドを全て含む、抗酸菌属細菌同定キット、
    ただし、配列番号1、3、5、7、9、11、13、14、16、18、20、22、24、26、27、28、31、33、34、36、38、40、41、43、44、46、48、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77及び79で示されるオリゴヌクレオチドは、それぞれ配列番号81又は82で示されるオリゴヌクレオチドをその5’側に有している。
  2. 下記塩基配列の組:
    配列番号5と6、配列番号7と8および11と12、配列番号13〜17、配列番号24〜30、配列番号31〜35、配列番号36と37および40、配列番号41〜43、配列番号44と45および48〜50、配列番号51と52および55と56、配列番号57と58および61と62、配列番号65〜68及び配列番号71と72および79と80
    で示されるオリゴヌクレオチドを全て含む、抗酸菌属細菌同定キット、
    ただし、配列番号5、7、11、13、14、16、24、26、27、28、31、33、34、36、40、41、43、44、48、49、51、55、57、61、65、67、71及び79で示されるオリゴヌクレオチドは、それぞれ配列番号81又は82で示されるオリゴヌクレオチドをその5’側に有している。
  3. 請求項1又は2に記載のキットを用いる抗酸菌属細菌を同定するための方法。
JP2005218754A 2004-07-28 2005-07-28 抗酸菌属細菌同定キット Expired - Fee Related JP4769041B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005218754A JP4769041B2 (ja) 2004-07-28 2005-07-28 抗酸菌属細菌同定キット

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004220647 2004-07-28
JP2004220647 2004-07-28
JP2005218754A JP4769041B2 (ja) 2004-07-28 2005-07-28 抗酸菌属細菌同定キット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006061155A JP2006061155A (ja) 2006-03-09
JP4769041B2 true JP4769041B2 (ja) 2011-09-07

Family

ID=36108150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005218754A Expired - Fee Related JP4769041B2 (ja) 2004-07-28 2005-07-28 抗酸菌属細菌同定キット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4769041B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007129628A1 (ja) * 2006-05-02 2007-11-15 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. マイコバクテリウム・イントラセルラーレ検出用プライマー及びプローブ、並びにこれを用いたマイコバクテリウム・イントラセルラーレの検出方法
JP5299986B2 (ja) 2007-11-01 2013-09-25 国立大学法人山口大学 核酸の定量方法
US10359424B2 (en) 2008-05-28 2019-07-23 Fujifilm Wako Pure Chemical Corporation Primer and probe for detection of Mycobacterium intracellulare, and method for detection of Mycobacterium intracellulare using the primer or the probe
TWI470083B (en) * 2012-10-23 2015-01-21 Oligonucleotide probe and biochip for identifying mycobacteria and the identification method thereof

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0272009B2 (en) * 1986-11-24 2007-10-03 Gen-Probe Incorporated Nucleic acid probes for detection and/or quantitation of non-viral organisms
DK0528306T3 (da) * 1991-08-15 2000-04-25 Hoffmann La Roche Mycobacterium-primerpar
JPH07155200A (ja) * 1993-12-10 1995-06-20 Toyobo Co Ltd 抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定用オリゴヌクレオチド
JPH10323189A (ja) * 1997-05-23 1998-12-08 Toyobo Co Ltd 抗酸菌属細菌の検出または菌種同定用オリゴヌクレオチドおよびその用途
CA2396010A1 (en) * 1999-12-28 2001-07-05 Glaxo Group Limited Detection of single nucleotide polymorphisms
JP4422019B2 (ja) * 2002-06-14 2010-02-24 日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 微生物同定用プローブ及びそれを用いた同定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006061155A (ja) 2006-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5521300A (en) Oligonucleotides complementary to mycobacterial nucleic acids
CN102634575B (zh) 一种分枝杆菌菌种快速鉴定方法及试剂盒
CN102471806B (zh) 检测结核性分枝杆菌复合群和分枝杆菌属的组合物以及使用该组合物用多重实时pcr同时检测结核性分枝杆菌复合群和分枝杆菌属的方法
US20230040474A1 (en) Methods for identifying microbes in a clinical and non-clinical setting
US20130210005A1 (en) Method for detecting mycobacterium tuberculosis and nontuberculous mycobacteria by using dual real-time polymerase chain reaction
EP1922415B1 (en) Use of both rd9 and is6110 as nucleic acid targets for the diagnosis of tuberculosis, and provision of multiplex-compliant is6110 and rd9 targets
KR20090078341A (ko) Dnaj 유전자를 사용한 박테리아의 검출, 및 그의 용도
KR20100031188A (ko) 결핵균군 또는 마이코박테리아 속 검출용 조성물 및 이를 이용한 실시간 다중 중합효소 연쇄반응에 의한 결핵균 및 마이코박테리아 속의 동시 분석 방법
WO2010030049A1 (en) Composition for detection of m. tuberculosis complex or mycobacteria genus and simultaneous detection method for m. tuberculosis complex and mycobacteria genus with multiplex real time pcr using the same
JP4769041B2 (ja) 抗酸菌属細菌同定キット
US7271781B2 (en) Multiplex hybridization system for identification of pathogenic mycobacterium and method of use
US6218107B1 (en) Compositions and methods for detecting the presence of Mycobacterium kansassii
KR101425149B1 (ko) 원-튜브 네스티드 실시간 피시알을 이용한 개선된 결핵균 진단방법
Chikamatsu et al. Evaluation of PyroMark Q24 pyrosequencing as a method for the identification of mycobacteria
US7749696B2 (en) Method and kit for the specific detection of M. tuberculosis
KR20120113119A (ko) 실시간 중합효소연쇄반응법과 융해곡선분석을 이용하는 마이코박테리아의 동정 방법
KR20110130335A (ko) 이중 실시간 중합효소연쇄반응법과 융해곡선분석을 이용하는 결핵균과 항산성비결핵균의 검출 방법
WO2023187166A1 (en) Primers and probes for detecting mycobacteria
TW201416454A (zh) 用於鑑定分枝桿菌之寡核苷酸探針、生物晶片及鑑定方法
Stepanshina et al. Susceptibility testing to rifampicin of M. tuberculosis clinical isolates by the methods of microbiology and molecular biology
KR20000075181A (ko) 마이코박테리아균종의 진단프로브 및 진단방법
KR20000075178A (ko) 마이코박테리움 포튜이튬의 내부전사지역의 염기서열
KR20000075179A (ko) 마이코박테리움 첼로네의 내부전사지역의 염기서열
KR20000075180A (ko) 마이코박테리아의 진단도구 및 진단방법
KR20000075182A (ko) 마이코박테리아 및 그 균종의 진단 방법 및 진단하기 위한 프로브

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110208

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees