JP4768927B2 - 打音検査物の非破壊検査方法、及び品質管理方法 - Google Patents

打音検査物の非破壊検査方法、及び品質管理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、打音検査物(例えば、製鉄、製鋼において使用される転炉、取鍋等の工業窯炉および樋など、またアルミニューム、ダクタイル鋳鉄など溶融金属を扱う産業での取鍋等の工業窯炉および樋などの耐火物、特に不定形耐火物、或いは、土木、建築構造物の建設に用いられるシールドセグメント、ヒューム管、コンクリート杭、消波ブロックなどのプレキャストコンクリート製品の如きコンクリート部材)の健全度を検査、管理する打音検査物の非破壊検査方法、その非破壊検査装置及び品質管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
打音検査物の非破壊検査に関し、例えば、コンクリート表面を打撃してコンクリート自体を伝搬する打撃音を採取することでコンクリート構造物内部の亀裂、空隙等の反映を健全度として検査する方法が特開平5−322861号公報に記述されている。
【0003】
これによると、打撃音の受信方法を工夫することで内部空隙のある状況を受信音の周波数スペクトル解析によって周波数の振幅の大小で健全度を把握できるものとされている。空隙の有無を判定できる限界例は20cmの幅の空間を実施例で示している。また、この方法は健全度の判定方法として振幅の大小が例示的に示されているのみであり、健全度がどの程度かという指数化については言及されていない。更に、コンクリート構造物はベースコンクリート上に打設されたとの記述があるように、地上に一体固定された構造体を念頭に置いた非破壊検査方法であった。以上のように、構造体が固定されて、空隙の大きさもセンチメートルオーダーで壁状であり、健全性は指数化されていない。
【0004】
一方、耐火物、特に不定形耐火物は、耐火煉瓦に比べ使用現場での施工作業性が良好であることから、多くの場合、現場での流し込みなどで現場一体型施工が実施されてきたが、近年、品質向上の観点から、現場一体型施工ではなく、分割された成形体を事前に製造し、それを組立て、施工する方法が取り入れられて来ている。組立部品としての不定形耐火物成形体の重量は1000kg程度となる場合がある。
【0005】
現場一体型施工を実施していた従来から、不定形耐火物は成形時にラミネーション、空隙、素材の偏析などによる欠陥が発生しやすく、その解決策の一つとして組立施工が導入され、前記問題点は減少の傾向にある中で、組立部品の製造技術の向上、出荷管理による現場使用時の補修方法への反映などの観点から、組立部品としての不定形耐火物成形体個々の健全度を指数化して把握する方法が望まれていた。
【0006】
不定形耐火物の欠陥を把握する方法は特開平7−218479号公報に不定形耐火物施工体の非破壊試験方法と装置が示されている。これによると、施工体に超音波を送信し、施工体内部にある欠陥による反射波を受信することが記述されている。
【0007】
しかしながら、この方法では不定形耐火物成形体としての健全度を把握するには計測に時間が掛かり健全度を指数化する方法としては問題があった。前記特開平5−322861号公報に記述されている技術は、前述の如く、健全度を指数化する方法が不明確で、把握できる健全性も空隙の大きさがセンチメートルオーダーとみられ、不定形耐火物成形体に適用するには不適当と判断されること、また、固定されたことを前提としたコンクリート構造体での健全度把握方法であり、固定されていないと言う自由度をもつ不定形耐火物成形体へ適用する技術としては問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、打音検査物(例えば、耐火物、特に不定形耐火物、コンクリート部材、その他の非固定物)の非破壊検査において、センチメートルオーダー以下の空隙、亀裂まで短時間に検出可能な検査方法、その装置を提供し、更に不定形耐火物成形体の如き非固定打音検査物の健全度を指数化することであり、これにより組立部品等としての製造・出荷の品質を管理する手段を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これら従来の問題を解決するため、不定形耐火物やコンクリート部材が固定されていないことに着想を得て工夫された耐火物、特に不定形耐火物成形体やプレキャストコンクリート製品の如きコンクリート部材、その他の非固定打音検査物の非破壊検査方法とその装置を完成した。前記目的を達成するために、本発明は次のように構成する。
【0010】
1.打音検査物表面を打撃した際の振幅が最大となる振動数を測定し、当該振動数と打音検査物の理想固有振動数と比較し、打音検査物の健全度を指数化する非破壊検査方法であって、
前記打音検査物の振動数の測定が、前記打音検査物を有限要素に分割し、有限要素法による固有値解析を実施することにより打音検査物の振動形式を算出し、当該振動形式が得られるように、打音検査物を支持する場所、打撃する場所及び受信する場所を特定して行われる構成であり、
前記理想固有振動数が、前記有限要素法による固有値解析において、打音検査物の理想状態での動弾性率、動ポアソン比及び密度を用いて固有値解析し振動数を算出した当該振動数を理想固有振動数とする構成であり、
前記理想状態での動弾性率及び動ポアソン比を求める手段が、仮の動ポアソン比から仮の動弾性率を求め、前記打音検査物の形状から動剪断弾性率を求め、当該仮の動弾性率と当該動剪断弾性率から、新たな仮の動ポアソン比を求め、当該新たな仮の動ポアソン比から新たな仮の動弾性率を求めて、これを第1回目の動弾性率とし、これを複数回繰り返して、前の回に求めた動弾性率との差が認められなかったときの動弾性率及び動ポアソン比を理想状態での動弾性率及び動ポアソン比とする構成であり、
打音検査物の振動数の受信において、受信振動のうち、打撃による打音検査物の振動開始から1〜100ミリ秒の受信振動を解析の対象から除くこと、
を特徴とする打音検査物の非破壊検査方法。
【0016】
.打音検査物の品質を管理する品質管理方法において、上記1又は2に記載の方法により得られた打音検査物の前記健全度を表す指数を用いて、所定値を外れる場合に異常と判定することを特徴とする打音検査物の品質管理方法。
【0017】
.打音検査物が、耐火物又はコンクリート部材の如き非固定物であることを特徴とする上記1又は2に記載の打音検査物の非破壊検査方法。
【0019】
5.打音検査物が、耐火物又はコンクリート部材の如き非固定物であることを特徴とする上記に記載の打音検査物の品質管理方法。
【0020】
本発明の参考発明は、下記の通りである。
6.打音検査物表面を打撃した際の振幅が最大となる振動数を測定し、当該振動数、打音検査物の密度及び理想形状常数から打音検査物の動弾性率を算出し、当該動弾性率と打音検査物の理想状態での動弾性率と比較し、打音検査物の健全度を指数化すること。
7.前記打音検査物表面を打撃する際に、打音検査物を支持する場所、打撃する場所、及び打音検査物の振動を受信する場所を特定すること。
8.打音検査物の健全度を指数化する非破壊検査装置において、打音検査物を支持する支持体、打音検査物表面を打撃する打撃体、打音検査物の振動を受信する1又は2以上の受信体及び前記受信体が受信した受信振動を解析する解析装置を含むこと。
【0021】
.前記打撃に使用する打撃体の振動数が20Hz〜20KHzであること。
【0022】
10.前記打撃による打音検査物の振動が20Hz〜20KHzであること。
【0023】
11.前記理想形状常数が打音検査物の理想固有振動数、動弾性率及び密度から算出されること。
【0024】
12.前記打音検査物の理想状態での動弾性率、動ポアソン比及び密度を、前記打音検査物と同一材質で製造された小形体の撓み振動数、捻り振動数、寸法及び重量の測定値に基づいて算出し、当該動弾性率、動ポアソン比及び密度を前記理想状態での動弾性率、動ポアソン比及び密度とすること。
【0025】
13.前記小形体の体積が0.03m3以下であること。
【0029】
14.前記複数の受信体は、打音検査物の振動が同位相、または180度位相の異なると特定される支持体上の該打音検査物に設置されていること。
【0030】
本発明において、振動形式とは以下のように定義する。
【0031】
均一な物質で与えられた形状において衝撃などの極短時間の外力により、振動する、所謂固有振動(非減衰自由振動)において、振動形式とは、その多数ある固有振動を形状の変化(所謂、振動の節、腹の位置などの変位(移動)の大小)する様式に着目し分類したものである。その振動形式を振動モード等と称することがある。
【0032】
尚、或る形状の振動形式(モード)を求める一般的な方法は、例えば、その形状を有限要素に分割し、有限要素法による固有値解析を実施することにより得られる。この際、均一な物質として各要素に対して、密度、動弾性率、動ポアソン比の物性値を一定値として入れるが、振動形式はこの物性値に依らず、形状により定まる。
【0033】
【発明の実施形態】
次に、本発明の実施態様について図を参照して詳細に説明する。併せて、本発明の参考発明についても説明する。
【0034】
先ず、本発明の打音検査物が耐火物である場合について、主に説明する。
図1は本発明に係る不定形耐火物成形体3の非破壊検査装置1の構成を示す一実施例である。図1によると、不定形耐火物成形体3は支持体2により地面から隔てられ、打撃体4による打撃により不定形耐火物成形体3を振動させる。この打撃による振動は特定された振動形式で固有振動を大きく振幅させるよう不定形耐火物成形体3の支持体2の場所を特定し、また打撃する場所を特定する。更に、受信体5により受信する場所も固有振動を大きく振幅させた場所におく。このようにして得られた受信信号を解析装置6で解析することで不定形耐火物成形体3の健全度を指数化できる。
【0035】
不定形耐火物成形体3の製造方法の例としては水、ピッチ等の流動材と不定形耐火原料を混合し、流し込み・振動などの方法で型へ入れ成形し、養生及び乾燥して、その後の型から取り出したものである。この成形体の重量は1000kg程度となる場合がある。
【0036】
図2は本発明に係る不定形耐火物成形体3に関し別の非破壊検査装置1の構成を示す一実施例で、受信体5が複数ある場合の例である。図2では受信体5が2個の場合(5a,5b)を示している。複数の受信体5a,5bを支持体2上の不定形耐火物成形体3に設置するに際して、特定された振動形式で固有振動が同位相、または180度位相の異なると特定される場所へ設置する。このようにして得られた受信信号を解析装置6で解析することで不定形耐火物成形体3の健全度を指数化する際に、測定される振動数の確認ができる。
【0037】
次に、実施例として溶鋼鍋の敷部を不定形耐火物成形体で分割した場合の例を示す。図3は溶鋼鍋の敷部を組み立てる不定形耐火物成形体の一つである。(a)は平面図、(b)は側面図である。この容積は0.33m3であり、嵩密度3.0t/m3の材料を使用すると、この不定形耐火物成形体の重量は約1トンになる。この不定形耐火物成形体は水と不定形耐火原料を混合し、流し込み・振動の方法で型へ入れ成形し、室温で3日養生、150℃で5日間乾燥して、その後の型から取り出したものである。
【0038】
耐火物を有限要素に分割し、有限要素法による固有値解析を実施することにより耐火物の振動形式を算出し、当該振動形式が得られるように、耐火物を支持する場所、打撃する場所及び受信する場所を特定する方法を説明する。
【0039】
図4は図3の形状を有限要素法(FEM)の汎用プログラムを用いて(例えば、計算プログラム商品名:MSC−MARC)固有値解析のコマンドを実施した場合を示す第一の振動形式の例図である。振動形式(モード)の出力には形状のみが重要な入力データであり、密度、動弾性率、動ポアソン比は均一体と仮定した各々につき或る値(一定値)を入力することで求められる。固有値解析の計算アルゴリズムは逆べき乗法で計算した。形状は解析モデル形状とするため三次元ソリッド要素により要素分割を行った。実施例では要素数2424、節点数3176で実施した。要素・節点の相対的変位(移動)は色分けでき、変位(移動)量を見極める判断ができる。
【0040】
図4(a)は平面図、(b)は立面図、(c)は側面図であり、特に図4(b)により不定形耐火物成形体が中央を対象点に左右の両端部が捻れている状況が分かる。従って、中央部分底部は変位(移動)が小さい。また、左右の端部(角)の変位(移動)が大きいことが分かる。このように変位(移動)の大小から、有限要素法により算出された振動形式が得られるように、耐火物を支持する場所、打撃する場所、受信体を置く場所を特定すればよい。この結果から図5に示す如く、図4(a)〜(c)で特定された振動形式で大きい振幅が得られるように、耐火物を支持する支持体2を置く場所(△印)、打撃体4により打撃する場所(□印)、また、受信体5a、5bを置く場所(○印)の例を示した。また、この図は受信体を2個置く場合を示している。この場合は、受信体を置く2つの場所の振動が180度位相の異なると特定される場所へ受信体を設置する場合を示している。図4の(a)、(b)、(c)から両受信体を置く場所の変位(移動)を観察すると、一方の受信体の場所が上昇方向になると、もう一方の受信体の場所が下降方向になることから、受信体の受信信号の位相が180度異なると特定される。
【0041】
図5は例であり、これにより上記の特定する考え方を制限するものではなく、図4(a)、(b)、(c)から得られた変位(移動)の小さい、大きいと判断される場所から実施しやすい場所・方法を選べる。具体的に選ぶ場所を図4(a)、(b)、(c)に示す。耐火物を支持する支持体2を置く場所は図4でA、Bの線分で示される範囲で変位(移動)が小さく適しており、この範囲で選べる。また、打撃体4により打撃する場所、受信体5を置く場所は図4でC、D、E、Fで示される範囲で変位(移動)が大きく、各々打撃する場所、受信体5を置く場所として適している。
【0042】
以上のように有限要素による固有値解析により得られた捻れを生じる振動形式の例を説明したが、耐火物の振動が点対称に捻れを生じる振動形式があることは、有限要素法による解析を行わなくとも幾何学的な対象性から判断できる場合もある。
【0043】
しかし、次の例のように、より高次の振動形式で振動を大きく振幅させるように支持する場所、打撃する場所、また、その振動を大きい振幅で受信するように受信体を置く場所が特定される方法として有限要素法による固有値解析が好ましい。
【0044】
図6はこの形状を有限要素法(FEM)の汎用プログラムを用いて(例えば、計算プログラム商品名:MSC−MARC)固有値解析のコマンドを実施した場合を示す第二の振動形式の例図である。振動形式を求める計算方法は図4、図5の場合と同様である。(a)は平面図、(b)は立面図、(c)は側面図である。有限要素法による解析によれば、耐火物内周側の端部であるRの付いた角(底部)A、Bを一つの固定端とし、外周部の端部からそれぞれ1/4の場所C、Dに変位(移動)の最小のところがあることがわかる。これは側面図(c)のR付き角(底部)A、Bから外周部に水平に線を引くと外周部の曲線をほぼ2分割することからも分かる。また、この点を結ぶ線上(A−D、B−C)の変位(移動)も小さい。一方、中央部分と外周部の端部(角)の変位(移動)が大きいことが分かる。このように変位(移動)の大小から、算出された振動形式が得られるように、耐火物を支持する場所、打撃する場所、また、受信体を置く場所が特定される。この結果から図7に示す如く、図6(a)〜(c)で特定された振動形式が得られるように、耐火物を支持する支持体2を置く場所(△印)、打撃体4により打撃する場所(□印)、また、受信体5a,5bを置く場所(○印)を示した。また、この図は受信体を2個置く場合を示している。この場合は、受信体を置く2つの場所の振動が同位相となると特定される場所へ受信体を設置する場合を示している。図6の(a)、(b)、(c)から両受信体を置く場所の変位(移動)を観察すると、一方の受信体の場所が上昇方向になると、もう一方の受信体の場所も上昇方向になることから、受信体の受信信号の位相が同位相になると特定される。図7は例であり、これにより上記の特定する考え方を制限するものではなく、図6(a)、(b)、(c)から得られた変位(移動)の小さい、大きいと判断される場所から実施しやすい場所・方法を選べる。具体的に選ぶ場所を図6(a)、(b)、(c)に示す。耐火物を支持する支持体2を置く場所は図6でA−D、B−Dの線分で示される範囲で変位(移動)が小さく適しており、この範囲で選べる。また、打撃体4により打撃する場所、受信体5を置く場所は図6でE、F、G、Hで示される範囲で変位(移動)が大きく、各々打撃する場所、受信体5を置く場所として適している。
【0045】
次に、耐火物の理想状態での動弾性率、動ポアソン比、密度を算出する方法について説明する。
【0046】
前記成形体は0.33m3と大きく、嵩密度3.0t/m3の材料を使用すると、この不定形耐火物成形体の重量は約1トンになる。このように大形状では成形上のラミネーション、空隙、素材の偏析などによる欠陥が生じる可能性が回避出来ないが、成形容積を小さくすることで、例えば1/10倍の容積以下(0.03m3)に小さくすることで、成形上の前記欠陥を大きく回避できることに着目した。大きさ以外は組立部品とする不定形耐火物成形体の成形方法と同一とすることが好ましく、大きさの違いから流し込み成形の振動時間が異なることや、また、養生、乾燥の時間が異なることがあることなど、成形体の品質を変えない範囲で選定することを制限するものではない。本発明はこの方法により成形されたものを理想状態での成形体、理想状態成形体とした。
【0047】
この理想状態成形体を打撃し、打撃による成形体の振動数を測定し、理想状態での動弾性率、動ポアソン比を算出した。理想状態成形体の一例の形状として、縦15cm×横15cm×長さ53cmの0.012m3矩形体を作製した。この形状を複数個作製することで、理想状態でのバラツキを明確にすることができる。ここでは、3個(不定形耐火物A)、あるいは10個(不定形耐火物B)の成形体を作製し、重量を測定して寸法から密度を算出し、また撓み振動数、捻り振動数を測定し、それにより動弾性率(撓み)、動剪断弾性率、動ポアソン比を算出した。その後、平均値の動弾性率(撓み)、動ポアソン比、密度を求めた。この動弾性率(撓み)、動ポアソン比、密度が不定形耐火物成形体の理想状態での動弾性率、動ポアソン比、密度である。尚、JIS A 1127−1993には矩形体など簡単な形状での撓み振動数、捻り振動数の測定方法及び動弾性率(撓み)、動剪断弾性率の計算方法が示されており、今回の成形体を打撃し、打撃による成形体の振動を測定、弾性率を計算する場合においてそれに倣っており、以下に要点を説明する。
【0048】
表1に不定形耐火物Aに関し縦15cm×横15cm×長さ53cmの矩形体の撓み振動数、捻り振動数を測定した結果と計測値の密度を示す。この結果から動弾性率(撓み)Ed(N/mm2)、動剪断弾性率Gd(N/mm2)と動ポアソン比νd[−]を求める方法を説明する。
【0049】
動弾性率(撓み)Edは、長さL、幅さb、高さt、(本例では長さL=530mm、幅さb=150mm、高さt=150mm)、質量m(kg)、密度[kg/m3]で、(密度は計測値、振動数f(1/sec)は測定値)を用いて次式で求められる。
Figure 0004768927
【0050】
尚、Tは修正係数である。本実施例では矩形体であるので、t/(3.464L)と動ポアソン比νdの関数で与えられる。動ポアソン比νdを1/6とした場合の修正係数Tは表2で示されている。例えば、t=150[mm]、L=530[mm]、νd=1/6の場合、T=1.5である。
【0051】
更に、そのTを用いて、動ポアソン比がνdである場合の修正係数T'は次式で求められる。
T'=T(1+(0.26νd +3.22 (νd)2)(t/(3.464L))/(1+0.1328(t/(3.464L))
【0052】
動弾性率(撓み)Edを求める実際の手順は、先ず、動ポアソン比νdを1/6と仮定して、仮の動弾性率(撓み)Edを求め、後に述べる手順で求める動剪断弾性率Gdから得られる動ポアソン比νdを用いて再度計算し直す。これが第1回目の値となり、これを繰り返すことで精度のある動弾性率(撓み)Edが求められる。
【0053】
本例の場合は動ポアソン比を求める試行を6回繰り返した。1回目の値と2回目は有意な差が認められ、2回目から6回目までは差が認められなかった。その結果を表3に示す。
【0054】
動剪断弾性率Gd(N/mm2)は次式で与えられる。
Figure 0004768927
【0055】
ここで、Rは形状係数と呼ばれ、t/bの関数(t≦b)であり、正方形断面(本実施例は縦150mm×横150mm)の角柱の場合は、R=1.183である。そこで、動弾性率(歪み)Ed、動剪断弾性率Gdより、動ポアソン比νd
νd={Ed/(2Gd)}−1で求められる。
【0056】
上記と同様に、不定形耐火物Bについても密度、撓み振動数、捻り振動数を測定し、動弾性率(歪み)Ed、動剪断弾性率Gd、動ポアソン比νdを算出し、更にその平均値を求め、理想状態での動弾性率、動ポアソン比、密度を算出した。
【0057】
前記の理想状態での動弾性率、動ポアソン比、密度を表4に示す。
【0058】
尚、前記の成形体を打撃し、打撃による成形体の振動を測定する方法によらず、例えば超音波の透過時間から動弾性率を求める方法もあり、このような他の方法によって決めることを制限しない。但し、この場合は動ポアソン比を経験値などで仮定することになる。また、前記の成形体を打撃し、打撃による成形体の振動を測定し、動弾性率(撓み)を算出する実施例を示したが、縦振動を測定して動弾性率(縦)を算出し動弾性率とすることを制限するものではない。本発明の視点は小形成形体が理想状態との観点であり、その形状からの動弾性率を測定する方法を制限するものではない。
【0059】
【表1】
Figure 0004768927
【0060】
【表2】
Figure 0004768927
【0061】
【表3】
Figure 0004768927
【0062】
次に、耐火物の理想固有振動数を算出する方法を説明する。
有限要素法(FEM)の汎用プログラムを用いて(例えば、計算プログラム商品名:MSC−MARC)固有値解析のコマンドを実施した。形状の入力データのほか、表4の理想状態での密度、動弾性率、動ポアソン比を各々要素につき入力することで理想固有振動数が求められる。固有値解析の計算アルゴリズムは逆べき乗法で計算した。形状は図4と同様に三次元ソリッド要素により分割を行い、実施例では要素数2424、節点数3176で実施した。不定形耐火物Aでは、実際のデータを密度は要素No.1から要素No.2424の全要素を2270(kg/m3)、動弾性率は同じく全要素を29.0E9(意味は29.0×109)(Pa)、動ポアソン比は同じく全要素を0.25とした。不定形耐火物Bでは、実際のデータを密度は要素No.1から要素No.2424の全要素を3340(kg/m3)、動弾性率は同じく全要素を149E9(意味は149×109)(Pa)、動ポアソン比は同じく全要素を0.14とした。
【0063】
このようにして有限要素法(FEM)による固有値解析を実施して得られた理想固有振動数を表5に示す。このように、理想状態での諸物性(密度、動弾性率、動ポアソン比)と図4、図6など振動形式を特定することで理想固有振動数が決まる。
【0064】
この表5により分かるように図4、図6の理想固有振動数は不定形耐火物の種類A、Bにより大きく異なる。一方で、耐火物の種類A、Bによる理想固有振動数の比(A/B)は図4、図6のそれぞれの振動形式でほぼ一定(0.53、0.52)であり、また図4、図6の振動形式による振動数の比((1)/(2))はA、Bでほぼ一定(0.88、0.89)の関係が得られる。
【0065】
表5の同一の振動形式でA、Bの理想状態での物性値に基づく理想固有振動数の変化(例えば図6の振動形式で494Hz、950Hz)は、見方を変えると、これは耐火物の振動数を測定した結果に対する解釈を与えている。例えば、耐火物Bについて、振動数を測定した結果、理想固有振動数(950Hz)より小さい振動数(830Hz)になる場合、密度、動弾性率、動ポアソン比が反映されて、理想状態でのBの諸物性からAのほうへずれたためと解釈される。この考えに基づき、該耐火物の振動数を測定し、該耐火物の理想固有振動数と比較し健全度として、測定振動数を指数化する。
【0066】
A、B間の固有振動数の比がほぼ一定(0.53、0.52)であるので図4、図6のいずれの振動形式で評価しても、同等の健全度を表すことが分かる。
【0067】
測定された振動数と理想固有振動数との比で健全度を指数化する方法としては、上述のようであるが、測定された振動数から算出された動弾性率と理想状態での動弾性率との比が健全度の指数として好ましい。
【0068】
そこで、測定された振動数から動弾性率の算出方法について説明する。
理想状態での動弾性率E0[Pa]と密度ρ0[kg/m3]、理想固有振動数f0[1/sec]が次式の関係にある。
(E0)=(K)×(ρ0)×(f02
【0069】
ここでKを理想形状常数[m2]と称する。この理想形状常数は形状、動ポアソン比に関係する常数である。
【0070】
この関係式により、理想形状常数Kを算出し、耐火物の実測された密度ρm、測定された振動数fmを入れて、弾性率Emが求められる。
【0071】
以上の説明をまとめると
Figure 0004768927
【0072】
不定形材料Bの図6における理想形状常数は次式より、
(理想形状常数K[m2])=(動弾性率E0:149×109)/{(密度ρ0:3340)(理想固有振動数f0:950)2
K:49.4[m2]である。
【0073】
弾性率Emの一例を計算すると、密度ρm=3250[kg/m3]、測定された振動数fm=832[1/sec]を代入して、
Figure 0004768927
弾性率Emが111[GPa]となる。
【0074】
健全度の指数として測定された振動数と理想固有振動数との比、動弾性率と理想状態での動弾性率との比ではなく、測定され振動数や算出された動弾性率そのものを使うことを制限するものではない。いずれにしても、理想固有振動数、理想状態での弾性率が想定されることが好ましい。
【0075】
【表4】
Figure 0004768927
【0076】
【表5】
Figure 0004768927
【0077】
次に、耐火物の表面を打撃し、該打撃による耐火物の振動数を測定する範囲、打撃体の振動数について説明する。
【0078】
不定形耐火物成形体の振動形式と理想固有振動数は有限要素法(FEM)により固有値解析を実施して求めることは既に説明した。そこでは理想状態での物性値(密度、動弾性率、動ポアソン比)を適宜変更することで、予測される振動が算出され、表4に示すような代表的な理想状態での物性からは、図4、図6の場合で大型形状の理想固有振動数は表5に示すようにせいぜい1KHzである。一般的に、大型形状即ち、長尺なものになると周波数が小さくなる。一方、耐火物で製造する代わりに、金属で代替し、例としてアルミニューム金属製で図3の1/4サイズで約14Kgの場合で実測すると、図4、図6の振動形式の理想固有振動数はせいぜい3KHzである。
【0079】
また、振動には倍振動、3倍振動などもあり、打撃による成形体の振動が20Hzから20KHzにあると限定した。
【0080】
また、この振動を大きく振幅させるためには、打撃に使用する打撃体の加振振動数が20Hzから20KHzにあることが必要であり、ゴムは20Hz〜500Hz、プラスチックは500Hz〜3Kz、3KHz以上はスチールがその振動数の振幅を大きくさせるために適当な材質の例である。
【0081】
従って、その振動を測定するための受信体は上記20Hzから20KHzの大きく振幅された振動数が受信できる装置で有ればよく、特開平5−322861号公報に記述されている工夫された受信体であることに制限するものではなく、また通常の振動ピックアップ、加速度計であってもよい。
【0082】
次にどの振動形式を測定の対象とするかの選択方法について説明する。
理想状態でのデータから得られる有限要素法による固有値解析で得た振動形式の例を図4、図6で説明したが、有限要素法による固有値解析から他にも多くの振動形式がある。振動形式と理想固有振動数は一対一の関係があるので、簡単のために、理想固有振動数で示すと、表4の不定形耐火物Aについての理想固有振動数は表6に示すようになる。表6に示す以外にも高次の振動数があるが、省略する。表6で示す振動数のうちどれを選択するかとの判断が必要であるが、振動解析の精度を重視するために、比較的小さい振動数の振動を選択することが望ましい。
【0083】
また、比較的小さい振動形式の中からは図4、図6に示すように、図4は支持する場所が2点、図6では、支持する場所が4点であり、成形体の重量が1トンにも及ぶ場合があり、安全上の配慮からも選択される。
【0084】
【表6】
Figure 0004768927
【0085】
このような観点から、以下の実施例では図6で特定される振動を大きく振幅させ、その振動を解析した例を説明する。
【0086】
図6に、表4の種類Aにより製造した不定形耐火物成形体を、図7で特定されるように支持及び打撃し、大きく振幅させ、振動を受信した場合の解析結果を示す。 解析装置は市販の高速フーリエ変換装置(FFT)を内蔵した解析装置である。
【0087】
図6(a)は、打撃体がゴムの場合、図6(b)は、打撃体がプラスチックの場合、図6(c)は、打撃体が鋼球の場合で、横軸が周波数、縦軸がその振幅を示す。理想固有振動数494Hz付近の測定値は500Hzで、これは解析装置の分解能による誤差が原因で500Hzと測定された。理想固有振動数494Hzを大きく振幅させる打撃方法としてゴム、プラスチックが適当な材質であることが分かる。何れの場合も理想固有振動数付近に明確な振動数が解析されるが、その他にも1KHz、1.4KHzなどに共通のピークがある。
【0088】
これら高次の振動数は、不定形耐火物成形体の健全度を指数化する本非破壊検査方法にとって意味がなく、除外することで解析精度が向上したり、測定振動が特定された振動を測定しているか判断する際にノイズになるので除外する。
【0089】
この高次の振動数を除外する方法としては、打撃による成形体の振動開始から1〜100ミリ秒の受信振動を解析の対象から除き、その後の受信振動を解析することを発明した。また、請求項4に記載の発明において、成形体の理想固有振動数を含みながら最も小さい測定周波数を選択する機能を有することが好ましい。
【0090】
前記請求項4に記載の発明においては、FFT解析の以前に高次の振動数を測定しないことにより、FFT解析によりスペクトル解析の精度が向上し、最も小さい測定周波数を選択する機能に100Hz、200Hz、500Hz、1KHz、2KHz、5KHz、10KHz、20KHzから測定周波数を選択する機能を有することで解析装置が容易に使用できる。また、このような目的で特定の周波数以上のフィルターを掛けFFT解析の以前に高次の振動を測定しない方法もあり、これを制限するものではない。
【0091】
高次の振動数を除外する方法の実施例として、A材質の不定形耐火物成形体を図7で示すように支持及び打撃し、大きく振幅させ、受信した場合での実施例としての解析結果を図に示す。この解析に当たり、成形体の振動開始から50ミリ秒の受信振動を解析の対象から除外した。この実施例は、また2個の受信体を配置した例であり(前記の発明)、また前記14の好ましい実施態様として、成形体の振動が同位相になる場所へ受信体を配置した場合の実施例でもある。
【0092】
図9(a)で500Hzの振動数が大きく振幅していることが確認できた。また、図8の1KHz、1.4KHzの振動数が図9では小さく押さえられていることが分かる。この結果、成形体の振動が同位相と特定される場所へ設置した受信体の受信信号を解析した結果、振動が、図9(b)で示すように同位相を主体にした状態が確認できるまでに向上した。
【0093】
このように、打撃による成形体の振動開始から50ミリ秒の受信振動を解析の対象から除き、その後の受信振動を解析することで、受信した振動が測定対象の振動であることを確認することが出来た。実施例では、打撃による成形体の振動開始から50ミリ秒の受信振動を解析の対象から除いたが、この時間は、理想固有振動数により適宜変動させ、適正な値を選定することができる。だたし、受信振動を解析の対象から除く期間が長期間になると、解析対象の振動が小さくなり、誤差が生じ易いので、上限を100ミリ秒とした。また、1ミリ秒未満では、外乱の受信振動を解析の対象から除くことが不充分である。従って、本発明において、打撃による成形体の振動開始から1〜100ミリ秒の受信振動を解析の対象から除き、その後の受信振動を解析する機能を有することとした。
【0094】
次に、不定形耐火物の成形体表面を打撃し、該打撃による不定形耐火物の成形体の振動を解析することで該不定形耐火物成形体の健全度を指数化することを実施例で説明する。
【0095】
表4の種類Bの不定形耐火物成形体を、図7で特定されるように支持及び打撃し、大きく振幅させ、振動を受信した。種類Bの不定形耐火物成形体は5個製造した。理想状態での動弾性率、密度は表4Bに示す149GPa、3340kg/m3、理想固有振動数は表5に示すとおり950Hzである。この場合の不定形材料Bの理想形状常数は(理想形状常数K[m2])=(動弾性率E0:149×109[Pa])/{(密度ρ0:3340[kg/m3])(理想固有振動数f0:950[1/sec])2}より、
K=49.4[m2]であり、これを用いて、実測した振動数から既に述べた次式で弾性率を算出した。Em=K・ρm・fm 2
尚、密度は何れも3250[kg/m3]であった。
【0096】
表7に測定された振動数と上述の式で算出した動弾性率を示す。
【0097】
【表7】
Figure 0004768927
【0098】
表7より、振動数、動弾性率が何れも理想固有振動数、理想状態での動弾性率より小さく、異なった値であった。この値を指数化した結果を表8に示す。理想固有振動数あるいは理想状態での動弾性率を1とした比の値で示されている。
【0099】
【表8】
Figure 0004768927
【0100】
表8に示すように耐火物の表面を打撃し、該打撃による耐火物の振動を最大となるように耐火物の振動数を測定する本発明によると、容易に該不定形耐火物成形体の健全度を指数化することができる。
【0101】
表8では理想固有振動数、理想状態での動弾性率を1とした比で示したが、製造の技術管理上はいくつか成形体を測定した結果で、最大のものを1とするような比で示すことや、測定された振動数そのものや、算出した弾性率そのものの値を指数にすることを制限するものではない。尚、弾性率に比べ振動数の場合は健全度が圧縮されて表現される傾向であり、理想状態での動弾性率との比を採用することが好ましい。
【0102】
本発明の目的である耐火物の非破壊検査により健全度を指数化することは表8に示された。次に、これにより耐火物の品質を管理する方法の一例を示す。
【0103】
図10は、表8の結果を母数5個としてワイブルプロットしたものである。図10中の(a)、(b)は表8中の(a)、(b)と対応している。動弾性率に比べ振動数の場合は健全度が圧縮されて表現される傾向であり、理想固有振動数との比よりも理想弾性率との比を採用することが好ましいことが分かる。
【0104】
右側上方にあるほど理想に近く、左側下方にあるほど健全度が悪化していることを示す。理想から離れた品質がこのように順位付けられ、製造技術との関連性を容易に把握でき、優れた製造技術の管理が実施できるばかりでなく、使用上の品質を把握して使用中の補修箇所、時期を予測する方法へ活用できるなどの面で有益な作用を奏することができる。
【0105】
この他にも組立部品として品質を管理する統計上の方法はあり、それを制限するものではない。
【0106】
以上の実施態様においては、不定形耐火物成形体の非破壊検査方法、その非破壊検査装置及びそれによる品質管理方法を実施例に説明しているが、本発明は不定形耐火物成形体に限定されるものではなく、定形耐火物、ノズル煉瓦、炉底用カーボン煉瓦、炭化珪素、窒化珪素などのセラミック焼結体、各種セラミックスなどの固定されていない耐火物、成形体へも適用可能なものである。
【0107】
次に、本発明の打音検査物がコンクリート部材である場合について説明する。
尚、図は前記耐火物の説明で用いたものを使用する。
【0108】
図1は本発明に係るコンクリート部材3の非破壊検査装置1の構成を示す一実施例である。図1によると、コンクリート部材3は支持体2により地面から隔てられ、打撃体4による打撃によりコンクリート部材3を振動させる。この打撃による振動は特定された振動形式で固有振動を大きく振幅させるようコンクリート部材3の支持体2の場所を特定し、また打撃する場所を特定する。更に、受信体5により受信する場所も固有振動を大きく振幅させた場所におく。このようにして得られた受信信号を解析装置6で解析することでコンクリート部材3の健全度を指数化できる。
【0109】
図2は本発明に係るコンクリート部材3に関し別の非破壊検査装置1の構成を示す一実施例で、受信体5が複数ある場合の例である。図2では受信体5が2個の場合(5a,5b)を示している。複数の受信体5a,5bを支持体2上のコンクリート部材3に設置するに際して、特定された振動形式で固有振動が同位相、または180度位相の異なると特定される場所へ設置する。このようにして得られた受信信号を解析装置6で解析することでコンクリート部材3の健全度を指数化する際に、測定される振動数の確認ができる。
【0110】
次に、実施例として或る形状のコンクリート部材を示す。(a)は平面図、(b)は側面図である。この容積は0.33m3であり、嵩密度2.3t/m3の材料を使用すると、このコンクリート部材の重量は約0.76トンになる。
【0111】
コンクリート部材を有限要素に分割し、有限要素法による固有値解析を実施することによりコンクリート部材の振動形式を算出し、当該振動形式が得られるように、コンクリート部材を支持する場所、打撃する場所及び受信する場所を特定する方法を説明する。
【0112】
図4は図3の形状を有限要素法(FEM)の汎用プログラムを用いて(例えば、計算プログラム商品名:MSC−MARC)固有値解析のコマンドを実施した場合を示す第一の振動形式の例図である。振動形式(モード)の出力には形状のみが重要な入力データであり、密度、動弾性率、動ポアソン比は均一体と仮定した各々につき或る値(一定値)を入力することで求められる。固有値解析の計算アルゴリズムは逆べき乗法で計算した。形状は解析モデル形状とするため三次元ソリッド要素により要素分割を行った。実施例では要素数2424、節点数3176で実施した。要素・節点の相対的変位(移動)は色分けでき、変位(移動)量を見極める判断ができる。
【0113】
図4(a)は平面図、(b)は立面図、(c)は側面図であり、特に図4(b)によりコンクリート部材が中央を対象点に左右の両端部が捻れている状況が分かる。従って、中央部分底部は変位(移動)が小さい。また、左右の端部(角)の変位(移動)が大きいことが分かる。このように変位(移動)の大小から、有限要素法により算出された振動形式が得られるように、コンクリート部材を支持する場所、打撃する場所、受信体を置く場所を特定すればよい。
【0114】
この結果から図5に示す如く、図4(a)〜(c)で特定された振動形式で大きい振幅が得られるように、コンクリート部材を支持する支持体2を置く場所(△印)、打撃体4により打撃する場所(□印)、また、受信体5a、5bを置く場所(○印)の例を示した。
【0115】
また、この図は受信体を2個置く場合を示している。この場合は、受信体を置く2つの場所の振動が180度位相の異なると特定される場所へ受信体を設置する場合を示している。図4の(a)、(b)、(c)から両受信体を置く場所の変位(移動)を観察すると、一方の受信体の場所が上昇方向になると、もう一方の受信体の場所が下降方向になることから、受信体の受信信号の位相が180度異なると特定される。
【0116】
図5は例であり、これにより上記の特定する考え方を制限するものではなく、図4(a)、(b)、(c)から得られた変位(移動)の小さい、大きいと判断される場所から実施しやすい場所・方法を選べる。具体的に選ぶ場所を図4(a)、(b)、(c)に示す。コンクリート部材を支持する支持体2を置く場所は図4でA、Bの線分で示される範囲で変位(移動)が小さく適しており、この範囲で選べる。また、打撃体4により打撃する場所、受信体5を置く場所は図4でC、D、E、Fで示される範囲で変位(移動)が大きく、各々打撃する場所、受信体5を置く場所として適している。
【0117】
以上のように有限要素による固有値解析により得られた捻れを生じる振動形式の例を説明したが、コンクリート部材の振動が点対称に捻れを生じる振動形式があることは、有限要素法による解析を行わなくとも幾何学的な対象性から判断できる場合もある。
【0118】
しかし、次の例のように、より高次の振動形式で振動を大きく振幅させるように支持する場所、打撃する場所、また、その振動を大きい振幅で受信するように受信体を置く場所が特定される方法として有限要素法による固有値解析が好ましい。
【0119】
図6はこの形状を有限要素法(FEM)の汎用プログラムを用いて(例えば、計算プログラム商品名:MSC−MARC)固有値解析のコマンドを実施した場合を示す第二の振動形式の例図である。振動形式を求める計算方法は図4、図5の場合と同様である。(a)は平面図、(b)は立面図、(c)は側面図である。有限要素法による解析によれば、コンクリート部材内周側の端部であるRの付いた角(底部)A、Bを一つの固定端とし、外周部の端部からそれぞれ1/4の場所C、Dに変位(移動)の最小のところがあることがわかる。これは側面図(c)のR付き角(底部)A、Bから外周部に水平に線を引くと外周部の曲線をほぼ2分割することからも分かる。また、この点を結ぶ線上(A−D、B−C)の変位(移動)も小さい。一方、中央部分と外周部の端部(角)の変位(移動)が大きいことが分かる。
【0120】
このように変位(移動)の大小から、算出された振動形式が得られるように、コンクリート部材を支持する場所、打撃する場所、また、受信体を置く場所が特定される。この結果から図7に示す如く、図6(a)〜(c)で特定された振動形式が得られるように、コンクリート部材を支持する支持体2を置く場所(△印)、打撃体4により打撃する場所(□印)、また、受信体5a,5bを置く場所(○印)を示した。また、この図は受信体を2個置く場合を示している。この場合は、受信体を置く2つの場所の振動が同位相となると特定される場所へ受信体を設置する場合を示している。
【0121】
図6の(a)、(b)、(c)から両受信体を置く場所の変位(移動)を観察すると、一方の受信体の場所が上昇方向になると、もう一方の受信体の場所も上昇方向になることから、受信体の受信信号の位相が同位相になると特定される。図7は例であり、これにより上記の特定する考え方を制限するものではなく、図6(a)、(b)、(c)から得られた変位(移動)の小さい、大きいと判断される場所から実施しやすい場所・方法を選べる。具体的に選ぶ場所を図6(a)、(b)、(c)に示す。
【0122】
コンクリート部材を支持する支持体2を置く場所は図6でA−D、B−Dの線分で示される範囲で変位(移動)が小さく適しており、この範囲で選べる。また、打撃体4により打撃する場所、受信体5を置く場所は図6でE、F、G、Hで示される範囲で変位(移動)が大きく、各々打撃する場所、受信体5を置く場所として適している。
【0123】
次に、コンクリート部材の理想固有振動数を算出する方法を説明する。
有限要素法(FEM)の汎用プログラムを用いて(例えば、計算プログラム商品名:MSC−MARC)固有値解析のコマンドを実施した。形状の入力データのほか、表9の理想状態での密度、動弾性率、動ポアソン比を各々要素につき入力することで理想固有振動数が求められる。固有値解析の計算アルゴリズムは逆べき乗法で計算した。形状は図4と同様に三次元ソリッド要素により分割を行い、実施例では要素数2424、節点数3176で実施した。コンクリート部材では、実際のデータを密度は要素No.1から要素No.2424の全要素を2270(kg/m3)、動弾性率は同じく全要素を29.0E9(意味は29.0×109)(Pa)、動ポアソン比は同じく全要素を0.25とした。
【0124】
このようにして有限要素法(FEM)による固有値解析を実施して得られた理想固有振動数を表10に示す。このように、理想状態での諸物性(密度、動弾性率、動ポアソン比)と図4、図6など振動形式を特定することで理想固有振動数が決まる。
【0125】
そこで、測定された振動数から動弾性率の算出方法について説明する。
理想状態での動弾性率E0[Pa]と密度ρ0[kg/m3]、理想固有振動数f0[1/sec]が次式の関係にある。
(E0)=(K)×(ρ0)×(f02
【0126】
ここでKを理想形状常数[m2]と称する。この理想形状常数は形状、動ポアソン比に関係する常数である。
【0127】
この関係式により、理想形状常数Kを算出し、コンクリート部材の実測された密度ρm、測定された振動数fmを入れて、弾性率Emが求められる。
【0128】
以上の説明をまとめると
Figure 0004768927
【0129】
コンクリート部材の図6における理想形状常数は次式より、
(理想形状常数K[m2])=(動弾性率E0:29×109)/{(密度ρ0:2270)(理想固有振動数f0:494)2
K:52.35[m2]である。
【0130】
弾性率Emの一例を計算すると、密度ρm=2000[kg/m3]、測定された振動数fm=300[1/sec]を代入して、
Figure 0004768927
弾性率Emが9.42[GPa]となる。
【0131】
健全度の指数として測定された振動数と理想固有振動数との比、動弾性率と理想状態での動弾性率との比ではなく、測定され振動数や算出された動弾性率そのものを使うことを制限するものではない。いずれにしても、理想固有振動数、理想状態での弾性率が想定されることが好ましい。
【0132】
次に、コンクリート部材の表面を打撃し、該打撃によるコンクリート部材の振動数を測定する範囲、打撃体の振動数について説明する。
【0133】
コンクリート部材の振動形式と理想固有振動数は有限要素法(FEM)により固有値解析を実施して求めることは既に説明した。そこでは理想状態での物性値(密度、動弾性率、動ポアソン比)を適宜変更することで、予測される振動が算出され、表9に示すような代表的な理想状態での物性からは、図4、図6の場合で大型形状の理想固有振動数は表10に示すようにせいぜい1KHzである。一般的に、大型形状即ち、長尺なものになると周波数が小さくなる。一方、コンクリートで製造する代わりに、金属で代替し、例としてアルミニューム金属製で図3の1/4サイズで約14Kgの場合で実測すると、図4、図6の振動形式の理想固有振動数はせいぜい3KHzである。
【0134】
また、振動には倍振動、3倍振動などもあり、打撃による成形体の振動が20Hzから20KHzにあると限定した。
【0135】
また、この振動を大きく振幅させるためには、打撃に使用する打撃体の加振振動数が20Hzから20KHzにあることが必要であり、ゴムは20Hz〜500Hz、プラスチックは500Hz〜3Kz、3KHz以上はスチールがその振動数の振幅を大きくさせるために適当な材質の例である。
【0136】
従って、その振動を測定するための受信体は上記20Hzから20KHzの大きく振幅された振動数が受信できる装置で有ればよく、特開平5−322861号公報に記述されている工夫された受信体であることに制限するものではなく、また通常の振動ピックアップ、加速度計であってもよい。
【0137】
次にどの振動形式を測定の対象とするかの選択方法について説明する。
理想状態でのデータから得られる有限要素法による固有値解析で得た振動形式の例を図4、図6で説明したが、有限要素法による固有値解析から他にも多くの振動形式がある。振動形式と理想固有振動数は一対一の関係があるので、簡単のために、理想固有振動数で示すと、表9のコンクリート部材についての理想固有振動数は表11に示すようになる。表11に示す以外にも高次の振動数があるが、省略する。表11で示す振動数のうちどれを選択するかとの判断が必要であるが、振動解析の精度を重視するために、比較的小さい振動数の振動を選択することが望ましい。
【0138】
また、比較的小さい振動形式の中からは図4、図6に示すように、図4は支持する場所が2点、図6では、支持する場所が4点であり、コンクリート部材の重量が1トンにも及ぶ場合があり、安全上の配慮からも選択される。
【0139】
次に、コンクリート部材の成形体表面を打撃し、該打撃によるコンクリート部材の成形体の振動を解析することで該コンクリート部材の健全度を指数化することを実施例で説明する。
【0140】
表9のコンクリート部材を、図6で特定されるように支持及び打撃し、大きく振幅させ、振動を受信した。コンクリート部材は5個製造した。理想状態での動弾性率、密度は表9に示す29GPa、2270kg/m3、理想固有振動数は表10に示すとおり494Hzである。この場合のコンクリート部材の理想形状常数は(理想形状常数K[m2])=(動弾性率E0:29×109[Pa])/{(密度ρ0:2270[kg/m3])(理想固有振動数f0:494[1/sec])2}より、K=52.35[m2]であり、これを用いて、実測した振動数から既に述べた次式で弾性率を算出した。Em=K・ρm・fm 2
尚、密度は何れも2200[kg/m3]であった。
【0141】
表12に測定された振動数と上述の式で算出した動弾性率を示す。
表12より、振動数、動弾性率が何れも理想固有振動数、理想状態での動弾性率より小さく、異なった値であった。この値を指数化した結果を表13に示す。理想固有振動数あるいは理想状態での動弾性率を1とした比の値で示されている。
【0142】
表13に示すようにコンクリート部材の表面を打撃し、該打撃によるコンクリート部材の振動を最大となるようにコンクリート部材の振動数を測定する本発明によると、容易に該コンクリート部材の健全度を指数化することができる。
【0143】
表13では理想固有振動数、理想状態での動弾性率を1とした比で示したが、製造の技術管理上はいくつか成形体を測定した結果で、最大のものを1とするような比で示すことや、測定された振動数そのものや、算出した弾性率そのものの値を指数にすることを制限するものではない。尚、弾性率に比べ振動数の場合は健全度が圧縮されて表現される傾向であり、理想状態での動弾性率との比を採用することが好ましい。
【0144】
本発明の目的であるコンクリート部材の非破壊検査により健全度を指数化することは表13に示された。
【0145】
【表9】
Figure 0004768927
【0146】
【表10】
Figure 0004768927
【0147】
【表11】
Figure 0004768927
【0148】
【表12】
Figure 0004768927
【0149】
【表13】
Figure 0004768927
【0150】
以上、耐火物及びコンクリート部材に関して本発明の説明を行ったが、本発明は、非固定の打音検査物であればこれらに限らず、いずれのものにも適用できる。
【0151】
【発明の効果】
本発明によれば、耐火物、コンクリート部材、その他の非固定打音検査物の非破壊検査により、耐火物、コンクリート部材、その他の非固定打音検査物の健全度を容易に指数化することでき、これにより組立部品等としての製造・出荷の品質を管理することで、製造技術との関連性を容易に把握でき、優れた製造技術の管理が実施できるばかりでなく、使用上の品質を把握して使用中の補修箇所、時期を予測する方法へ活用できるなどの面で有益な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る不定形耐火物成形体(又はコンクリート部材)の非破壊検査装置の一実施例を示す概略図
【図2】受信体が複数ある場合の本発明に係る不定形耐火物成形体(又はコンクリート部材)の非破壊検査装置の一実施例を示す概略図
【図3】(a)不定形耐火物成形体(又はコンクリート部材)の実施例の平面図
(b)不定形耐火物成形体(又はコンクリート部材)の実施例の側面図
【図4】固有値解析(第一の例)
(a)有限要素法による固有値解析で第一の例(支持点2ヶ)の平面図
(b)有限要素法による固有値解析で第一の例(支持点2ヶ)の立面図
(c)有限要素法による固有値解析で第一の例(支持点2ヶ)の側面図
【図5】固有値解析(第一の例)において、特定された支持する場所、打撃する場所、受信する場所を示す図
【図6】固有値解析(第二の例)
(a)有限要素法による固有値解析で第二の例(支持点4ヶ)の平面図
(b)有限要素法による固有値解析で第二の例(支持点4ヶ)の立面図
(c)有限要素法による固有値解析で第二の例(支持点4ヶ)の側面図
【図7】固有値解析(第二の例)において、特定された支持する場所、打撃する場所、受信する場所を示す図
【図8】A材質の不定形耐火物成形体を図7に示すように支持及び打撃し、振動を受信した場合の解析結果を示す図
(a)打撃体がゴムの場合
(b)打撃体がプラスチックの場合
(c)打撃体が鋼球の場合
【図9】A材質の不定形耐火物成形体を図7に示すように支持及び打撃し、振動を受信した場合の解析結果を示す図
(a)受信から50ミリ秒の受信振動を解析対象から除いた解析結果
(b)2個の受信体が受信した振動の位相関係を示す図
【図10】打音による成形体の健全度を表す指数で品質を管理する一例の図
【符号の説明】
1 非破壊検査装置
2 支持体
3 不定形耐火物成形体(又はコンクリート部材)
4 打撃体
5 受信体
5a 受信体
5b 受信体
6 解析装置

Claims (5)

  1. 打音検査物表面を打撃した際の振幅が最大となる振動数を測定し、当該振動数と打音検査物の理想固有振動数と比較し、打音検査物の健全度を指数化する非破壊検査方法であって、
    前記打音検査物の振動数の測定が、前記打音検査物を有限要素に分割し、有限要素法による固有値解析を実施することにより打音検査物の振動形式を算出し、当該振動形式が得られるように、打音検査物を支持する場所、打撃する場所及び受信する場所を特定して行われる構成であり、
    前記理想固有振動数が、前記有限要素法による固有値解析において、打音検査物の理想状態での動弾性率、動ポアソン比及び密度を用いて固有値解析し振動数を算出した当該振動数を理想固有振動数とする構成であり、
    前記理想状態での動弾性率及び動ポアソン比を求める手段が、仮の動ポアソン比から仮の動弾性率を求め、前記打音検査物の形状から動剪断弾性率を求め、当該仮の動弾性率と当該動剪断弾性率から、新たな仮の動ポアソン比を求め、当該新たな仮の動ポアソン比から新たな仮の動弾性率を求めて、これを第1回目の動弾性率とし、これを複数回繰り返して、前の回に求めた動弾性率との差が認められなかったときの動弾性率及び動ポアソン比を理想状態での動弾性率及び動ポアソン比とする構成であり、
    打音検査物の振動数の受信において、受信振動のうち、打撃による打音検査物の振動開始から1〜100ミリ秒の受信振動を解析の対象から除くこと、
    を特徴とする打音検査物の非破壊検査方法。
  2. 前記打音検査物の振動数の受信において、受信振動のうち、前記打音検査物の理想固有振動数を含みながら、最も小さい測定周波数を選択し、該選択の際に、100Hz、200Hz、500Hz、1KHz、2KHz、5KHz、10KHz、20KHzの何れかから測定周波数を選択することを特徴とする請求項1に記載の打音検査物の非破壊検査方法。
  3. 打音検査物の品質を管理する品質管理方法において、請求項1又は2に記載の方法により得られた打音検査物の前記健全度を表す指数を用いて、所定値を外れる場合に異常と判定することを特徴とする打音検査物の品質管理方法。
  4. 打音検査物が、耐火物又はコンクリート部材の如き非固定物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の打音検査物の非破壊検査方法。
  5. 打音検査物が、耐火物又はコンクリート部材の如き非固定物であることを特徴とする請求項3に記載の段検査物の品質管理方法。
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