JP4767597B2 - データバックアップ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フラッシュメモリを用いて、揮発性メモリに記憶されたデータの退避と復旧を行うデータバックアップ装置に関する。
従来より、例えばガス温風暖房機において、通電時に使用者により設定/変更されてRAMに保持される目標暖房温度や予約運転の開始時刻等のデータを、停電が生じたときにEEPROMに退避させ、これにより、商用電源の停電が生じても使用者により設定されたデータが消失しないようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる従来のガス温風暖房機では、ガス温風暖房機の制御用プログラムが書き込まれたマスクROMを内蔵したマイコンが備えられ、EEPROMはマイコンとは別に設けられて、マイコンとの間でシリアル通信によりデータの読み出しと書込みが行われていた。
そして、近年、フラッシュメモリを内蔵したマイコン(フラッシュマイコン)の普及が進んでおり、プログラム変更が容易なことから、制御プログラムをフラッシュメモリに書き込んで製品開発用や少量生産用に使用されている。また、フラッシュマイコンの価格が低下してマスクROMを内蔵したマイコンとの価格差が縮小してきたため、今後は量産製品においても、フラッシュマイコンを採用することが考えられる。
ここで、フラッシュマイコンにおいては、フラッシュメモリ上でプログラムを実行させながら、フラッシメモリへのデータの書込みを行うことも可能である。そこで、フラッシュマイコンを採用した場合に、従来EEPROMで行っていた停電時のデータバックアップをフラッシュメモリで行い、これによりEEPROMを不要とすることが考えられる。
しかし、EEPROMは0→1/1→0のビットデータの書き換えが可能(完全ビット変更可能性)であるのに対し、フラッシュメモリは1→0のビットデータの書き換えのみが可能である。そのため、フラッシュメモリにデータを書込む際には、予めフラッシュメモリのデータ消去処理を行って全ビットのデータを「1」にしておく必要がある。
そして、EEPROMを用いた場合には、例えば200msec程度でデータの書き換えが可能であるのに対して、フラッシュメモリを用いたときには、イレーズブロック単位での消去処理に500msec程度を要する上、データの書込みにさらに100msec程度を要する。そのため、停電時のデータ退避処理の実行時間を確保するためのバックアップ電源として、EEPROMを用いる場合よりも蓄電容量が大きなものを備える必要があり、バックアップ電源のコストが高くなると共に、バックアップ電源のサイズも大きくなってスペース的にも不利になるという不都合がある。
特開2003−248077号公報
本発明は上記背景を鑑みてなされたものであり、揮発性メモリに書込まれたデータをフラッシュメモリに転送して揮発性メモリのデータ退避処理を行う際に、該データ退避処理に要する時間を短縮することができるデータバックアップ装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、揮発性メモリと、フラッシュメモリと、該揮発性メモリ及び該フラッシュメモリのデータの読出しと書込みを行うメモリ制御手段と、該揮発性メモリと該フラッシュメモリと該メモリ制御手段とに電力供給する主電源と、該主電源からの電力供給の停止を検出する停電検出手段と、該主電源からの電力供給が停止した時から所定のバックアップ時間が経過するまで、前記揮発性メモリと前記フラッシュメモリと前記メモリ制御手段とに電力供給するバックアップ電源とを備え、前記メモリ制御手段は、前記停電検出手段により前記主電源からの電力供給の停止が検出されたときに、前記揮発性メモリに書込まれた所定データを前記フラッシュメモリに転送するデータ退避処理と、前記主電源からの電力供給が再開されたときに、前記フラッシュメモリに書込まれた前記所定データを前記揮発性メモリに転送するデータ復旧処理とを実行するデータバックアップ装置の改良に関する。
そして、前記主電源から最初に電力供給が開始されたときに、前記フラッシュメモリ内に確保された第1メモリブロックと第2メモリブロックとのうちの少なくともいずれか一方が、データが消去された状態とされ、前記メモリ制御手段は、前記停電検出手段により前記主電源からの電力供給が停止されたことが検出されたときに、前記第1メモリブロックと前記第2メモリブロックとのうち少なくとも一方がデータの消去状態にあれば、データが消去された状態にあるいずれか一方のメモリブロックに前記揮発性メモリから前記所定データを転送して前記データ退避処理を実行し、該メモリブロックに前記所定データが書込まれたことを示す書込み済マークを書込むと共に、他方のメモリブロックに以前の前記データ退避処理により前記所定データが書込まれたことを示す旧マークを書込み、また、前記第1メモリブロックと前記第2メモリブロックとが共にデータの未消去状態であれば、前記データ退避処理は取り止めとし、前記主電源からの電力供給が再開されたときに、前記第1メモリブロックと前記第2メモリブロックとのうち、前記書込み済マークが書込まれ、且つ前記旧マークが書込まれていない方のメモリブロックから前記揮発性メモリに前記所定データを転送して、前記データ復旧処理を実行し、終了してから、他方のメモリブロックのデータを消去することを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記主電源から最初に電力供給が開始されたときに、前記第1メモリブロックと前記第2メモリブロックのうちの少なくともいずれか一方のデータが消去された状態とされる。そのため、その後、前記主電源からの電力供給が停止されたときに、前記メモリ制御手段は、前記第1メモリブロック又は前記第2メモリブロックのデータを消去することなく、既にデータが消去された前記第1メモリブロック又は前記第2メモリブロックに、前記揮発性メモリから前記所定データを直ちに転送して前記データ退避処理を実行することができる。
また、前記主電源からの電力供給が再開されると、前記メモリ制御手段は、前記第1メモリブロックと前記第2メモリブロックのうち、前記書込み済マークが書込まれており、且つ前記旧マークが書込まれていない方のメモリブロックから、前記揮発性メモリに前記所定データを転送して前記データ復旧処理を実行する。ここで、前記旧マークが書込まれたメモリブロックは、以前のデータ退避処理による古い前記所定データが書込まれている。そのため、前記旧マークが書込まれていない方のメモリブロックから前記揮発性メモリに前記所定データを転送することにより、直近のデータ退避処理により前記揮発性メモリから読み出された前記所定データを、前記揮発性メモリに復旧させることができる。
そして、前記データ復旧処理を実行した後、前記メモリ制御手段は、前記旧マークが書込まれたメモリブロックのデータを消去する。そのため、前記第1メモリブロックと前記第2メモリブロックのうちのいずれか一方が、データが消去された状態となり、その後、前記主電源からの電力供給が停止したときに、前記メモリ制御手段は、メモリブロックのデータを消去することなく、直ちに前記揮発性メモリから前記第1メモリブロック又は前記第2メモリブロックに前記所定データを転送することができる。
このように、本発明によれば、前記主電源からの電力供給が停止したときに、前記メモリ制御手段は、前記第1メモリブロック又は前記第2メモリブロックのデータを消去する処理を行うことなく、直ちに前記揮発性メモリから前記第1メモリブロック又は前記第2メモリブロックに前記所定データを転送して、前記データ退避処理を実行することができる。そのため、前記データ退避処理を行うために確保する必要がある前記バックアップ時間を短縮することができ、前記バックアップ電源のコストダウンと小型化を図ることができる。
さらに、前記メモリ制御手段が、前記第1メモリブロックと前記第2メモリブロックのうち、前記旧データが書き込まれたメモリブロックのデータを消去しているときに、前記主電源からの電力供給が停止しても、前記旧マークが書込まれていない方のメモリブロックには、前回の前記データ退避処理によって前記揮発性メモリから転送された前記所定データが保持されている。そのため、その後、前記主電源からの電力供給が再開されたときに、前記メモリ制御手段は、前記第1メモリブロックと前記第2メモリブロックのうち、前記旧マークが書込まれていない方のメモリブロックから前記揮発性メモリに前記所定データを転送して、前記データ復旧処理を行うことができる。
本発明の実施の形態について、図1〜図7を参照して説明する。図1は本発明のデータバックアップ装置の全体構成図、図2は図1に示した表示操作基板が装着された操作パネルの外観図、図3は図1に示したフラッシュメモリに確保された第1メモリブロック及び第2メモリブロックのデータ配置図、図4は図1に示したメモリ制御手段によるデータ退避処理を含むフローチャート、図5は図1に示したメモリ制御手段によるデータ復旧処理を含むフローチャート、図6〜図7はデータ退避処理とデータ復旧処理を実行したときの第1メモリブロックと第2メモリブロックのデータの推移を示した説明図である。
図1を参照して、本実施の形態のデータバックアップ装置は、ガス温風暖房機のコントローラ1に備えられ、マイコン10に内蔵されたフラッシュメモリ12及びRAM13(本発明の揮発性メモリに相当する)と、フラッシュメモリ12に書込まれた制御プログラムを実行することにより構成されるメモリ制御手段11と、商用電源25のコンセント27とプラグ28により接続され、商用電源25から出力される交流電圧を整流してコントローラ1に直流電力を供給する主電源26と、主電源26からの電力供給が停止したことを検出する停電検出回路20(本発明の停電検出手段に相当する)と、主電源26からの電力供給が停止したときに、所定のバックアップ時間が経過するまでマイコン10に電力供給してマイコン10の作動を維持するバックアップ電源21とにより構成されている。
また、コントローラ1は、使用者により操作される各種スイッチ(図2参照)のインターフェース回路と表示器(図2参照)のインターフェース回路等を有する表示操作基板30と、バーナ(図示しない)と接続された燃料ガスの供給路に設けられた電磁弁(図示しない)や燃焼ファン(図示しない)等のアクチュエータ31と、室温センサやバーナの燃焼炎を検出するフレームロッド等のセンサ32と接続されている。
次に、図2を参照して、表示操作基板30が装着される操作パネル40には、使用者により操作されるスイッチとして、ガス温風暖房機の暖房運転開始と停止を指示するための入/切スイッチ57と、時刻(現在時刻及び予約時刻)合わせを行う時刻設定モードへの切換と該時刻設定モードからの復帰を指示するための時刻合せスイッチ56と、室温の設定及び時刻の変更を指示するためのUPスイッチ55及びDOWNスイッチ54と、セーブ運転(ガス温風暖房機の暖房運転開始後、所定時間が経過した時に室温の設定を下げる運転仕様)を実行する「セーブ運転モード」の設定と解除を指示するためのセーブスイッチ53aと、各スイッチの操作を不能とする「チャイルドロックモード」の設定と解除を指示するためのロックスイッチ52aと、暖房運転開始から所定時間(例えば3時間)が経過した時に暖房運転を終了する「おやすみモード」の設定と解除を指示するためのおやすみスイッチ41aと、予約時刻となったときに暖房運転を開始する「おはようモード」の設定と解除を指示するためのおはようスイッチ42aとが備えられている。
さらに、操作パネル40には、「おやすみモード」が設定されているときに点灯するおやすみLED41bと、「おはようモード」が設定されているときに点灯するおはようLED42bと、午前/午後の時刻表示を区別するための午前/午後LED43と、時刻及び温度を表示するための上位桁LED44,コロンLED45,下位桁LED46と、現在時刻の表示中に点灯する時計LED50と、予約時刻の表示中に点灯する予約時刻LED51と、「チャイルドロックモード」が設定されているときに点灯するロックLED52bと、「セーブ運転モード」が設定されているときに点灯するセーブLED53bとが備えられている。
ここで、暖房運転の実行中、上述した各操作スイッチの操作により設定される時刻や目標暖房温度、各モードの設定状態等の制御用データ(本発明の所定データに相当する)はRAM13に記憶される。そのため、商用電源25の停電や、ガス温風暖房機のプラグ28のコンセント27からの脱落等により、主電源26からコントローラ1への電力供給が停止して、マイコン10への電力供給がなされなくなるとRAM13に記憶されたこれらのデータが消失してしまう。
そこで、メモリ制御手段11は、停電検出回路20により主電源26からの電力供給が停止したことが検出されたときに、RAM13に記憶された制御用データをフラッシュメモリ12に退避させて保持する「データ退避処理」を行う。また、主電源26からの電力供給が再開されたときに、フラッシュメモリ12に書き込まれた制御用データを、RAM13に転送して電力供給が停止する前の状態に復帰させる「データ復旧処理」を行う。
なお、本実施の形態では、「データ退避処理」及び「データ復旧処理」の対象とする制御用データとして、運転状態(暖房運転中/停止中、「おはようモード」の設定/解除)、現在時刻、現在時刻の設定状況(設定済/未設定)、設定温度、「セーブモード」の設定/解除、予約時刻、故障履歴、積算燃焼時間、積算燃焼回数の各データが選択されている。
そして、「データ退避処理」と「データ復旧処理」を行うために、フラッシュメモリ12には、図3に示したように第1メモリブロック60と第2メモリブロック70が、予め確保されている。なお、第1メモリブロック60と第2メモリブロック70は、一括消去が可能なイレーズブロック単位(1ブロック或いは数ブロック)で確保される。
図3を参照して、第1メモリブロック60と第2メモリブロック70のデータ配置は同様であり、制御用データが書込まれる制御用データ領域60b,70b、制御用データ領域に制御用データが書込まれたことを示す「書込み済マーク」が書込まれる書込み情報領域60a,70a、制御用データ領域60b,70bに書込まれた制御用データのチェックサム値が書込まれるチェックサム領域60c,70c、以前の「データ退避処理」により制御用データが書込まれたことを示す「旧マーク」が書込まれる新旧情報領域60d,70d、及び未使用領域60e,70eが割当てられている。
以下、主電源26からの電力供給が停止した場合、及び主電源26からの電力供給が再開された場合のメモリ制御手段11による処理について説明する。先ず、図4に示したフローチャートに従って、主電源26からの電力供給が停止したときの処理について説明する。なお、ガス温風暖房機が工場から出荷された初期状態では、図6(a)に示したように、第1メモリブロック60の制御用データ領域60bに制御用データの初期値が書込まれ、書込み情報領域60aには「書込み済マーク」であるA5が書込まれている。また、第2メモリブロック70の全領域はデータが消去された状態(全データがFFの状態)となっている。
そして、ガス温風暖房機のプラグ28が最初にコンセント27に接続されて商用電源25から主電源26の電力供給され、コントローラ1が作動を開始したときに、メモリ制御手段11は、第1メモリブロック60の制御用データ領域60bに書込まれた制御用データをRAM13に転送する。そして、その後は、使用者のスイッチ操作やガス温風暖房機の作動に応じてRAM13に保持された制御用データが書き換えられる。
コントローラ1が作動を開始した後、図4のSTEP1で、停電検出回路20により主電源26からの電力供給が停止したことが検出されると、STEP2に進み、メモリ制御手段11は、第1メモリブロック60の書込み情報領域60aに書込み済マーク(A5)が書込まれているか否かを確認することで、第1メモリブロック60のデータが消去済みであるか否かを判断する。
そして、第1メモリブロック60のデータが消去済みでなかったときはSTEP10に分岐し、メモリ制御手段11は、第2メモリブロック70の書込み情報領域70aに「書込み済マーク」(A5)が書込まれているか否かを確認することで、第2メモリブロック70のデータが消去済みであるか否かを判断する。
ここで、上述したように、初期状態では第2メモリブロック70のデータが消去されているため、STEP10からSTEP11に進む。そして、メモリ制御手段11は、RAM13に書込まれた制御用データを第2メモリブロック70の制御用データ領域70bに転送して「データ退避処理」を実行し、続くSTEP12で、第2メモリブロック70の書込み情報領域70aに「書込み済マーク」(A5)を書込む。
また、次のSTEP13で、メモリ制御手段11は、第1メモリブロック60の新旧情報領域60dに、制御用データ領域60bに書込まれた制御用データが古いデータであることを示すために「旧マーク」(A5)を書込む。これにより、第1メモリブロック60と第2メモリブロック70は、図6(b)に示した状態となり、主電源26からの電力供給の停止が検出された時点における制御用データが、第2メモリブロック70に退避される。
また、STEP10で第2メモリブロック70のデータが消去されていなかったとき(第1メモリブロック60のデータと第2メモリブロック70のデータが共に消去済みでないとき)は、RAM13のデータを転送することができないため、STEP6に進んで処理を終了する。
また、STEP2で第1メモリブロック60のデータが消去されていたときはSTEP3に進み、メモリ制御手段11は、RAM13に書込まれた制御用データを第1メモリブロック60の制御用データ領域60bに転送して「データ退避処理」を実行する。そして、続くSTEP4で、第1メモリブロック60の書込み情報領域60aに「書込み済マーク」(A5)を書込む。
また、次のSTEP5で、メモリ制御手段11は、第2メモリブロック70の新旧情報領域70dに、制御用データ領域70bに書込まれた制御用データが、古いデータであることを示すために「旧マーク」(A5)を書込む。これにより、主電源26からの電力供給が停止した時点における制御用データが、第1のメモリブロック60に退避される。
ここで、「データ退避処理」は、主電源26からの電力供給が停止した時から、バックアップ電源21によりマイコン10に電力が供給されている間に実行される。そして、第1メモリブロック60と第2のメモリブロック70のうちのいずれかを、データ消去済みの状態としておくことにより、主電源26からの電力供給が停止したときに、第1メモリブロック60又は第2メモリブロック70のデータ消去処理を行うことなく、直ちにRAM13に記憶された制御用データをデータ消去済みの第1メモリブロック60又は第2メモリブロック70に転送して「データ退避処理」を実行することができる。
そのため、主電源26からの電力供給が停止した時から制御用データの退避が完了するまでの時間が短縮され、バックアップ電源21に要求される電力供給時間(バックアップ時間)が短くて済むため、バックアップ電源21のコストダウンと小型化を図ることができる。
次に、図5に示したフローチャートに従って、主電源26からの電力供給が再開されたときの処理について説明する。主電源26からの電力供給が再開されてマイコン10が起動すると、メモリ制御手段11は、先ず、STEP20で、第1メモリブロック60の書込み情報領域60aに「書込み済マーク」(A5)が書込まれているか否かを確認することで、第1メモリブロック60に制御用データが書込まれているか否かを判断する。そして、第1メモリブロック60に制御用データが書込まれていたときはSTEP21に進み、メモリ制御手段11は、第1メモリブロック60の新旧情報領域60dに「旧マーク」(A5)が書込まれているか否かを判断する。
ここで、新旧情報領域60dに「旧マーク」が書込まれていなかったときは、第1メモリブロック60に最新の制御用データ(前回の「データ退避処理」によりRAM13から転送された制御用データ)が書込まれていると判断できる。そのため、この場合はSTEP22に進み、メモリ制御手段11は、第1メモリブロック60の制御用データ領域60bに書込まれた制御用データを、RAM13に転送する。これにより、RAM13は、主電源26からの電力供給が停止した時の状態に復旧する。
そして、メモリ制御手段11は、続くSTEP23でマイコン10が起動してから所定時間Tw(例えば5秒)が経過するのを待って、前々回の「データ退避処理」により古い制御用データが書込まれた第2メモリブロック70のデータを消去する。なお、このように所定時間Twの経過を待つのは、主電源26の出力が安定してから第2メモリブロック70のデータを消去するためである。これにより、図7(a)に示したように、第1メモリブロック60の全領域のデータが消去され、第2メモリブロック70の制御用データ領域70bに前回の「データ退避処理」によりRAM13から転送された制御用データが書込まれた状態となる。
なお、この状態で主電源26からの電力供給が再び停止すると、「データ退避処理」が実行されるが、この場合は図4のSTEP3でRAM13からデータ消去済みの第1メモリブロック60に制御用データが転送されて、STEP4で第1メモリブロック60の書込み情報領域60aに「書込み済マーク」が書込まれる。そして、STEP5で第2メモリブロック70の新旧情報領域70dに「旧マーク」(A5)が書込まれて、図7(b)の状態となる。
また、図5のSTEP20で第1メモリブロック60に制御用データが書込まれていないとき、及びSTEP21で第1メモリブロック60に「旧マーク」が書込まれていたときはSTEP30に分岐する。そして、メモリ制御手段11は、STEP30で、第2メモリブロック70の書込み情報領域70aに「書込み済マーク」(A5)が書込まれているか否かを確認することで、第2メモリブロック70に制御用データが書込まれているか否かを判断する。
第2メモリブロック70に制御用データが書込まれていたときはSTEP31に進み、メモリ制御手段11は、第2メモリブロック70の制御用データ領域70bに書込まれている制御用データをRAM13に転送する。これにより、RAM13は、主電源26からの電力供給が停止した時の状態に復旧する。
そして、メモリ制御手段11は、続くSTEP32でマイコン10の起動から所定時間Tw(例えば5秒)が経過するのを待って、STEP33で前々回の「データ退避処理」により古い制御用データが書込まれた第1メモリブロック60のデータを消去する。なお、このように所定時間Twの経過を待つのは、主電源26の出力が安定してから第1メモリブロック60のデータを消去するためである。これにより、図6(a)に示したように、第2メモリブロック70の全領域のデータが消去され、第1メモリブロック60の制御用データ領域に前回の「データ退避処理」でRAMから転送された制御用データが書込まれた状態となる。
また、STEP30で第2メモリブロック70に制御用データが書込まれていなかったときはSTEP25に分岐し、「データ復旧処理」は実行されない。この場合、メモリ制御手段11は、例えば、フラッシュメモリ12の第1メモリブロック60及び第2メモリブロック70以外のメモリブロックに予め書込まれた制御用データの初期値をRAM13に転送する。
以上説明したように、主電源26からの電力供給が再開されて「データ復旧処理」が実行されると、第1メモリブロック60のデータが消去されて、第2メモリブロック70に前回の「データ退避処理」よりRAM13から転送された制御用データが書込まれた図7(a)の状態か、第2メモリデータ70のデータが消去されて、第1メモリブロック60に前回の「データ退避処理」によりRAM13から転送された制御用データが書込まれた図6(a)の状態となる。
そのため、次に主電源26からの電力供給が停止されたときに、メモリ制御手段11は、データが既に消去された状態にある第1メモリブロック60又は第2メモリブロック70に直ちにRAM13の制御用データを転送することができる。
さらに、STEP24で第2メモリブロック70のデータが消去されているときに、主電源26からの電力供給が停止しても、第1メモリブロック60には図6(a)に示したように、前回の「データ退避処理」により書込まれた制御用データが保持されている。そのため、次に主電源26からの電力供給が再開されたときに、メモリ制御手段11は、「データ復旧処理」により第1メモリブロック60に書込まれた制御用データをRAM13に転送することができる。
同様に、STEP33で第1メモリブロック60のデータを消去しているときに、主電源25からの電力供給が停止しても、第2メモリブロック70には図7(a)に示したように、前回の「データ退避処理」により書込まれた制御用データが保持されている。そのため、次に主電源26からの電力供給が再開されたときに、メモリ制御手段11は、「データ復旧処理」により第2メモリブロック70に書込まれた制御用データをRAM13に転送することができる。
また、何らかの要因による異常によって、第1メモリブロック60と第2メモリブロック70のいすれにも制御用データが書込まれていない状態となったときには、コントローラ1は、予め設定された制御用データの初期値を用いてガス温風暖房機の運転を行う。
なお、本実施の形態では、ガス温風暖房機に本発明のデータバックアップ装置を備えた例を示したが、本発明の適用対象はこれに限られず、フラッシュメモリを用いて「データ退避処理」と「データ復旧処理」を実行する装置であれば、本発明の適用が可能である。
本発明のデータバックアップ装置の全体構成図。 図1に示した表示操作基板が装着された操作パネルの外観図。 図1に示したフラッシュメモリに確保された第1メモリブロック及び第2メモリブロックのデータ配置図。 図1に示したメモリ制御手段によるデータ退避処理を含むフローチャート。 図1に示したメモリ制御手段によるデータ復旧処理を含むフローチャート。 データ退避処理及びデータ復旧処理を実行したときの第1メモリブロック及び第2メモリブロック70のデータの推移を示した説明図。 データ退避処理及びデータ復旧処理を実行したときの第1メモリブロック及び第2メモリブロック70のデータの推移を示した説明図。
符号の説明
1…コントローラ、10…マイコン、11…メモリ制御手段、12…フラッシュメモリ、13…RAM、20…停電検出回路、21…バックアップ電源、25…商用電源、26…主電源、60…第1メモリブロック、70…第2メモリブロック、60a,70a…書込み情報領域、60b,70b…ブロックデータ領域、60c,70c…チェックサム領域、60d,70d…新旧情報領域

Claims (1)

  1. 揮発性メモリと、フラッシュメモリと、該揮発性メモリ及び該フラッシュメモリのデータの読出しと書込みを行うメモリ制御手段と、該揮発性メモリと該フラッシュメモリと該メモリ制御手段とに電力供給する主電源と、該主電源からの電力供給の停止を検出する停電検出手段と、該主電源からの電力供給が停止した時から所定のバックアップ時間が経過するまで、前記揮発性メモリと前記フラッシュメモリと前記メモリ制御手段とに電力供給するバックアップ電源とを備え、
    前記メモリ制御手段は、前記停電検出手段により前記主電源からの電力供給の停止が検出されたときに、前記揮発性メモリに書込まれた所定データを前記フラッシュメモリに転送するデータ退避処理と、前記主電源からの電力供給が再開されたときに、前記フラッシュメモリに書込まれた前記所定データを前記揮発性メモリに転送するデータ復旧処理とを実行するデータバックアップ装置において、
    前記主電源から最初に電力供給が開始されたときに、前記フラッシュメモリ内に確保された第1メモリブロックと第2メモリブロックとのうちの少なくともいずれか一方が、データが消去された状態とされ、
    前記メモリ制御手段は、前記停電検出手段により前記主電源からの電力供給が停止されたことが検出されたときに、前記第1メモリブロックと前記第2メモリブロックとのうち少なくとも一方がデータの消去状態にあれば、データが消去された状態にあるいずれか一方のメモリブロックに前記揮発性メモリから前記所定データを転送して前記データ退避処理を実行し、該メモリブロックに前記所定データが書込まれたことを示す書込み済マークを書込むと共に、他方のメモリブロックに以前の前記データ退避処理により前記所定データが書込まれたことを示す旧マークを書込み、また、前記第1メモリブロックと前記第2メモリブロックとが共にデータの未消去状態であれば、前記データ退避処理は取り止めとし
    前記主電源からの電力供給が再開されたときに、前記第1メモリブロックと前記第2メモリブロックとのうち、前記書込み済マークが書込まれ、且つ前記旧マークが書込まれていない方のメモリブロックから前記揮発性メモリに前記所定データを転送して、前記データ復旧処理を実行し、終了してから、他方のメモリブロックのデータを消去することを特徴とするデータバックアップ装置。
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