JP4766793B2 - 表面処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表面処理装置に関し、特に、半導体産業での集積回路の作製で基板への絶縁膜、配線金属、ゲート電極材等の成膜または基板表面での微細加工処理に有用なイオン、電子、中性ラジカル等を供給するプラズマ源を有し、反応容器内でプラズマ源によりプラズマを作りこのプラズマの分布をポイントカスプ磁場で制御し当該プラズマを利用して基板表面を処理する表面処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の表面処理装置の代表的構成を図8を参照して説明する。図8は表面処理装置を概略的に示している。この表面処理装置は、金属板材で作られた反応容器(真空槽または処理チャンバ)であって、付設された真空ポンプ11によって内部が所要の減圧状態に真空排気された反応容器12を備える。この反応容器12の内部には、例えば平行平板型電極構造の形式で上側に位置する電極(カソード電極)13と基板(またはウェハ)14を搭載する下側に位置する電極(基板電極)15を備えている。基板電極15の上に搭載される基板14は、基板搬入口部16から搬送装置(図示せず)によって搬入される。基板電極15上で所定の処理を行った後、基板搬出口部17から搬出される。反応容器12内で基板14を処理するときには、反応容器12の内部空間を所要の減圧状態にし、プロセスガスを導入し、さらに給電条件を満たして基板の前面空間にプラズマを生成し、このプラズマで基板表面を処理する。プロセスガスの導入機構の図示は省略されている。
【0003】
表面処理装置の反応容器12の構成として、さらに、反応容器12は接地電位18に保持される。取付け構成の上でカソード電極13と基板電極15は反応容器12から電気的に絶縁されている。図示例では絶縁のための詳細な構造は省略されている。さらに、カソード電極13と基板電極15のそれぞれには独立に高周波電源19,20が接続されており、それぞれに独立に高周波電力が給電される。高周波電力の周波数および電力量は目的に応じて任意に定められる。
【0004】
また基板電極15上に配置された基板14は、静電吸着等の固定機構15aで固定される。このように基板電極15には基板ホルダの構造が付加されている。反応容器12内の真空度は、例えばアルゴンのような基板14の表面処理用のプロセスガスが一定量導入される一方で、1〜10Pa程度の真空状態が維持される。
【0005】
カソード電極13の背面側には多数のマグネット(永久磁石)21を備えたマグネット板22が設けられている。マグネット板22は、非磁性部材で作られた板材22aに多数の棒状またはブロック状のマグネット21が固定されて形成されている。棒状のマグネット21は、すべて同じ長さでかつ同じ磁気強度を有し、両端面に反対の磁極(N極とS極)が形成され、一方の端面が板材22aに固定されている。マグネット板22において、多数のマグネット21の各々は、板材22aの面に対してその長さ方向が垂直になるように固定されている。マグネット板22において、板材22aの表面に向かう多数のマグネット21の磁極端面は最近接の隣り合うマグネット同士で異なるように配列され、図8に示すごとく板材22aの面上でN極とS極が等間隔で交互に配列されている。なお反応容器12におけるマグネット板22の配置の仕方は、板材22aをカソード電極13の側に設けてもよいし、反対にマグネット21をカソード電極13の側に設けてもよい。
【0006】
以上のような多数のマグネット21の配列に関する構造を開示した従来の技術文献としては、本出願人が先に出願した例えば特開平11−283926号公報(図1、図3、図4等を参照)を挙げることができる。さらに、その他の文献として、特開2000−144411号公報、特開平6−69163号公報、特開平6−316779号公報、特開平8−288096号公報等を挙げることができる。
【0007】
表面処理装置の反応容器12において、基板電極15に搭載された基板14の表面を処理するため、基板14の前面空間23、すなわちカソード電極13の下側空間にプラズマが生成される。このプラズマは、例えば高周波電力の静電結合に基づいて生成される。
【0008】
図9にマグネット板22の平面図を示す。図9はマグネット板22に設けられた多数のマグネット21の配列構造を平面的に示している。図9において、多数の小径の円21aは、円柱棒状のマグネット21の端面位置および磁極の極性を示している。マグネット板22の平面形状は、基板14あるいはカソード電極13の平面形状に対応してほぼ同径の円形である。円形のマグネット板22において、多数のマグネット21が正方形の4つの頂点の場所に位置するように配列されている。この配列構造は、マグネット配置位置を正方形の格子点とみなし、正方格子構造と呼ぶことにする。この正方格子構造によれば、マグネット板22の中央の領域では正方格子配列の周期性が維持されるが、周縁の領域では円形の輪郭形状に制限されて周期性が乱れ、図9に示された例では、例えば同一極性(N極)のマグネット21が一列に並ぶ領域24が4箇所形成される。最近接の隣合う任意の2つのマグネット21(対角線位置は除く)は等間隔の位置関係にある。図9において、斜線が施された円形21aのマグネット21は端面がN極であることを意味し、単なる円形21aのマグネット21は端面がS極であることを意味する。正方格子点に配置された多数のマグネット21の各々の極性は、最近接の格子点に配置された隣りの他のマグネット21の極性と反対になっている。図9において、正方形を形成する一辺の長さは例えば2cmであり、マグネット21の円形端面21aの直径は例えば8mmである。
【0009】
反応容器12の内部空間であってカソード電極13の内側空間には、カソード電極13の背面に配置されたマグネット板22における多数のマグネット21による上記配列に基づいて、カスプ磁場が形成される。このカスプ磁場は、N極から周囲のS極に向かう磁力線が形成されて成るポイントカスプ磁場である。多数のマグネット22のそれぞれは、同じ磁気力(保磁力)で同一平面内で周期的な正方格子状に配列されているので、ポイントカスプ磁場も周期的な分布形態で形成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記表面処理装置では、円形の平面形状を有するカソード電極13の上側において、マグネット板22に基づき、多数のマグネット21が板材22aの円形の取付け表面の制限を受けて正方格子構造にて配列されている。このマグネット配列によれば、反応容器12の内部空間で、正方格子構造が周期的に正しく維持されている領域に対応するカソード電極13の内側領域では上記ポイントカスプ磁場は同じ強度分布により周期的に繰り返されるが、カソード電極13の周縁部では円形の輪郭形状による制約を受けてマグネット配列の周期性が乱れ、磁力線の行き先がなくなるため、対応する内側領域に生じる磁場の強度について基板14の中心から見た径方向の分布が大きく異なるように変化する。一般的に、反応容器12の内部空間であってカソード電極13の内側領域で、プラズマ密度を広範囲に均一にするため、マグネット板22に近い領域に存在する強磁場中で生成されたプラズマを当該マグネット板22から離れた弱静磁場の中に拡散させるようにしている。しかしながら、従来の表面処理装置の構成によれば、前述のごとく、マグネット板22から離れた空間では弱静磁場が不均一になっており、かつ周縁部では磁場分布が乱れ、プラズマ中のイオン、電子の密度や拡散方向が一様でない。このために、プラズマに基づく基板14の表面処理が不均一になるという問題が生じる。
【0011】
より具体的に説明すると、マグネット21の配列が正方格子構造を有するマグネット板22によれば、マグネット板22の周縁部の当該マグネット板から例えば10mm以上離れた空間において、単位の正方格子の対角線方向25に強いラインカスプが現れる。この結果、当該空間に対応する基板領域の表面処理結果が、他の空間に対応する基板領域の表面処理結果と異なるという問題があった。
【0012】
本発明の目的は、上記問題を解決することにあり、反応容器の内部空間に作られるポイントカスプ磁場の周期性を周縁部でも可能な限り維持し、周縁部の周期性が乱れる領域で磁場分布の非対称性を小さくし、装置構成に大きな変更を加えることなくポイントカスプ磁場の対称性を維持し、均一な表面処理を行うことができる表面処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る表面処理装置は、上記目的を達成するために、次の通り構成される。
【0014】
第1の表面処理装置(請求項1に対応):内部にプラズマが生成されかつプラズマで表面を処理される処理対象物が置かれる反応容器を有し、さらに反応容器内のプラズマが生成される空間に分布されるポイントカスプ磁場を作るマグネット板を備えている。マグネット板は、処理対象物の処理面に平行に対向する円形平面の上に配置された複数のマグネットを備え、複数のマグネットの各々の一方の磁極端面が、円形平面上で複数の格子点の各々の位置に配置され、隣り合う2つのマグネットの磁極端面の極性が反対になるように配置され、かつ複数のマグネットのうち円形平面の最外周の領域に配置される一部のマグネットでは磁気力(保磁力)が低減されている。
【0015】
上記の表面処理装置では、反応容器の内部空間でプラズマ源によりプラズマが生成され、当該プラズマが生成される空間にポイントカスプ磁場を周期的に形成するマグネットの配列構成において、周期的な格子構造においてその最外周の領域に磁気力(保磁力)を低減させた他のマグネットを配置させることで、反応容器の磁場の周期性を高め、磁場の均一性を保持する。
【0016】
第2の表面処理装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは上記の格子点は正方形を形成する格子点であることを特徴とする。
【0017】
第3の表面処理装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、前記最外周の領域に配置される一部のマグネットの長さは短くされていることを特徴とする。断面積は他のマグネットと同じとし、長さを短くすることによりマグネットの磁気力を低減させるようにしている。
【0018】
第4の表面処理装置(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは、磁極端面が他のマグネットの磁極端面と同じ高さに位置するように長さが短いマグネットを取り付けることを特徴とする。多数のマグネットを備えて形成されるマグネット板のマグネット板表面を同一の平面内に揃えることにより例えば正方格子構造に基づくポイントカスプ磁場の分布における周期性を高め、かつ周縁部の磁場を適切に低減することができる。
【0019】
第5の表面処理装置(請求項5に対応)は、上記の構成において、好ましくは、上記格子点の各々の位置に少なくとも2個以上のマグネットが配置されることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
実施形態で説明される構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、以下に説明される実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【0022】
本発明に係る表面処理装置の基本的な構成は図8に示した従来の構成と同じであるので、本実施形態での装置構成の説明も図8に基づく。装置構成は図8を参照して既に説明したので、ここで再度説明を行わない。本発明に係る表面処理装置の特徴的構成は、カソード電極13の背面側に設けられたマグネット板22における多数のマグネット21の配列構造にある。従って本実施形態の説明は、マグネット21の配列構造と、当該配列構造によってもたらされる磁場の分布特性を説明する。
【0023】
図1と図2は本発明に係る表面処理装置におけるマグネット配列構造の第1実施形態を示す。図1は、図9と同様な図であり、マグネット板22の平面図である。
【0024】
本実施形態によるマグネット板22では、基本的な構成として、図9に説明した正方格子構造に基づくマグネット配列を有している。マグネット板22の中心部から周縁部の近傍に至る領域では前述の正方格子構造に基づいて多数のマグネット21が配列されている。当該領域では多数の正方格子31が周期性をもって並んでいる。これらの正方格子構造によるマグネット21の配列では、最近接する隣り合う任意の2つのマグネット21の磁極の極性は反対になっており、N極とS極が交互に並んでいる。この正方格子構造によってポイントカスプ磁場が形成されている。図1で、多数のマグネット21は、それぞれ、円形の端面21aとして示されている。また円形端面21aのうち、斜線で示された円形端面はN極端面を示し、単なる円形の端面波S極端面を示している
【0025】
さらに上記正方格子構造によるマグネット配列の外側であって、マグネット板22の最外周領域の周期性の乱れる領域に、すなわち板材22aの周縁部の最も外側に、マグネット22と同じように両端部に磁極を有する円柱棒状であって、かつマグネット22に比較してその長さが短いマグネット32が所要の箇所に複数設けられる。具体的に、マグネット32の長さはマグネット21の長さの好ましくは2分の1である。マグネット板22の周縁部に近いマグネット32が作り出す磁場は、マグネット板22の中心部に配置されるマグネット21で作り出される磁場よりも弱くなっている。マグネット32によって弱い双極子磁場が作られる。
【0026】
次に上記の図1および図2、さらに対比のための従来の構成を示した図3を参照して上記のマグネット板22の磁場に関する特性を説明する。図1に示したマグネット板22では、一例として、使用するマグネット21は長さ24mm、直径8mmの円柱棒状のマグネット(例えば住友特殊金属社製のNEOMAX−35(型名))が使用され、かつ円形板材22aにおいて最近接する2つのマグネット21の間隔d1が20mmである正方格子構造で配列されている。またマグネット板22の一部の側面図を示した図2と図3において、マグネット板表面33が定義される。このマグネット板表面33から垂直方向にて例えば22mmの距離d2に位置する平面34を定め、この平面34を磁場測定を行う平面領域として定義する。図3に示した構成では、マグネット板22におけるすべてのマグネット21は同じ長さ(同じ形状および材質)を有する。従って、マグネット板表面33は板材22aに平行な平面となる。これに対して図2に示された本実施形態に係る構成では、前述のごとく最外周の領域には長さが短いマグネット32が配置されている。従ってマグネット板22の周縁部のマグネット32はマグネット板表面33に到達しない状態で配置されている。
【0027】
図4と図5を参照して、図1と図2に示した構成を有する本実施形態によるマグネット板22と、図9と図3に示された従来のマグネット板22に基づく磁場強度分布を具体的な測定例を比較する。本実施形態によるマグネット板22は図1と図2に示した正方格子構造のマグネット配列を有するものであり、従来のマグネット板22は図9と図3に示した従来の正方格子構造のマグネット配列を有するものである。磁場強度分布は、図2と図3に示したようにマグネット板表面33から22mm離れた平面34で測定されたマグネット板22に垂直な方向の磁場強度に関する分布である。図4はY軸方向の磁場強度分布を示し、図5は対角線方向(36)の磁場強度分布を示す。図4と図5において、分布特性Aが本実施形態によるマグネット板22に関する磁場強度分布を示し、分布特性Bが従来のマグネット板22に関する磁場強度分布を示す。
【0028】
図4に示されるように、マグネット板22の中心部の領域(中心から径方向で0〜140mm近くの範囲)では分布特性A,Bでは−2.0〜2.0mTの範囲で磁場が変化し、140mmより外側では、分布特性Bでは6.0mT程度に大きく変化しているのに対して、分布特性Aでは−3.0〜2.0mT程度の範囲で変化している。また図5に示されるように、マグネット板22の中心部の領域(中心から径方向で0〜140mm近くの範囲)では分布特性A,Bでは0.0〜2.0mT程度の範囲で磁場が変化し、140mmより外側では、分布特性Bでは6.0mT程度に大きく変化しているのに対して、分布特性Aでは−2.0〜1.0mT程度の範囲で変化している。
【0029】
以上により、最外周領域の所要場所にマグネット32を配置した正方格子構造のマグネット配列を有するマグネット板22の周縁部の磁場強度は、従来の正方格子構造のマグネット配列を有するマグネット板22の周縁部の磁場強度に比較して改善されたことがわかる。
【0030】
上記のごとき本実施形態による正方格子構造で配列された多数のマグネット21を備えたマグネット板22を利用して構成される表面処理装置で、図8に示すごとく構成で基板14上のシリコン酸化膜の微細加工処理を行ったところ、マグネット板22の周縁部に対応する所定空間の磁場強度分布が改善されたので、従来の正方格子構造のマグネット配列が原因で問題になった基板周縁部の処理不均一性の問題を解消することができた。
【0031】
上記の実施形態は次のように変形させることができる。前述の実施形態では、最外周領域のマグネット32に関してその長さを短くしたが、その代わりに、マグネットの長さは同じで、かつマグネットの断面積を小さくするようにすることもできる。またマグネット32に関してマグネット21と同じ形状であっても、保磁力が小さい材質でマグネットを作ることにより弱い磁場を作るマグネットを作ることもできる。さらに保磁力の大きさはマグネット21と同等にしておいて、マグネット配列の周期性が乱れる領域に用いるマグネットのマグネット板表面33からの距離を、マグネット配列の周期性が維持される領域に用いるマグネットのマグネット板表面33からの距離よりも長くすることで反応容器12の内部空間のポイントカスプ磁場の均一化を達成することもできる。さらに上記の各構成を適宜に組み合わせ同時に実施することにより、前述した効果と同等な効果を達成することができる。
【0032】
また長さが短くされたマグネット32について、図6に示されるごとく、その板材22a側にアルミニウム製の支持台37を付設して、長さの長い他のマグネット21と同じ長さとして用いることもできる。
【0033】
さらに、正方形の各格子点に対応させて少なくとも2個以上のマグネット21等が配置されるように構成することもできる。
【0034】
次に図7を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。この実施形態でも、マグネット板22の最外周の周期性が乱れる領域の所要の箇所にマグネット32を複数配置している。図7はマグネット板22の平面図であり、図9と同等の図である。
【0035】
本実施形態では、マグネット板22の中心部の領域ではハニカム格子構造によるマグネット配列に基づいて多数のマグネット21が配列されている。このマグネット板22では、同じ形状でかつ同じ磁気強度を有する多数のマグネット21の配列構造は、マグネット配置位置を格子点とみなすと、6個の格子点で正六角形を構成するハニカム格子41を単位として多数並べて成るハニカム格子構造となっている。前述のごとく、マグネット板22は円板形状を有しているため、円板状の板材22aの表面に取り付けられるマグネット21は、板材22aの円形面に単位のハニカム格子41を隙間なくかつはみ出すことなく敷き詰めて固定されている。
【0036】
マグネット板22に関し、上記のハニカム格子構造によるマグネット21の配列によれば、前述した従来の正方格子構造によるマグネット21の配列に比較して、マグネット板22のマグネットを固定するための円形の板材22aで、板材22aに類似した円形形状で板材22aの全表面を可能な限り覆うごとく取り付けることができる。図7に示すごとく、円形の板材22aの中央部の領域では周期性を持たせてハニカム格子31を配列させることができ、さらに円形の板材22aの周縁部でも領域32で示されるようにN極端面21aを有するマグネット21とS極端面21aを有するマグネット21がそれぞれ一列を形成するように配列されかつ正方格子構造に比較してより狭い間隔で近接して配置されている。このように本実施形態による表面処理装置のマグネット板22では、多数のマグネット21をハニカム格子構造によって配列し、従来の正方格子構造に比較してマグネット板22の周縁部(最外周マグネット領域)における磁力線の分布状態に関する対称性の形態を可能な限り保持するようにしている。その上に前述のごとく最外周の領域にマグネット32を複数配置している。
【0037】
上記の平面34で磁場強度を測定したところ、本実施形態によるハニカム格子構造のマグネット配列を有するマグネット板22によれば、マグネット板22の中心部の磁場強度は代表的に0〜2mT程度の範囲で変化し、周縁部の磁場強度は代表的に0〜6mT程度の範囲で変化する。これを、従来の正方格子構造のマグネット配列(最近接のマグネット間隔は例えば20mm)を有しかつマグネット長さはすべて同じ長さであるマグネット板22に基づき同じ条件で測定した磁場強度と比較すると、従来のマグネット板によればマグネット板22の中心部の磁場強度は代表的に0〜2mT程度の範囲で変化し、周縁部の磁場強度は代表的に0〜10mT程度の範囲で変化するものであった。すなわち、正方格子構造の従来のマグネット板では、周縁部のマグネット板表面33から10mm以上離れた空間で、中心部に対応する空間よりも5倍程度の強い磁場強度分布が、マグネット配列における単位の正方格子の対角線方向の直線状に現れているのに対して、ハニカム格子構造のマグネット配列を有するマグネット板22では、周縁部のマグネット板表面33から10mm以上離れた空間で、中心部に対応する空間よりも3倍程度に磁場強度が抑制された磁場強度分布が円周状に現れる。本実施形態によるマグネット板22では、最外周のマグネット領域は、平面形状が円形である本実施形態によるマグネット板22の周縁の円周部に沿ってほぼ円形の形状を有する。前述の中心部の磁場強度よりも3倍程度に抑制された磁場強度が分布する領域に対応する。加えて最外周に設けられたマグネット32によってさらにポイントカスプ磁場の分布は周期性および均一性の点で改善される。
【0038】
前述の各実施形態によるマグネット板22では、一枚の所要の厚みを有する板材22aの一方の表面上に多数のマグネット21を配列するように構成したが、マグネット21は、板材22aの厚みを厚くして当該板材の中に配列してもよいし、また板材22aを使用せず、マグネット21だけを設置することで同様なマグネット配列構造を作ることも可能である。またマグネット板22の配置位置は、カソード電極13の背面であってもよいし、反応容器12の内部空間側であってもよい。さらには反応容器12の外側に配置することもできる。
【0039】
先に説明された実施形態について、本発明に係る表面処理装置のマグネット板22は、いずれの実施形態による構成を任意に組み合わせても、実現することができるのは勿論である。またマグネットは通常の永久マグネットの外、電磁的な作用で生じるマグネットであってもよい。電磁的なマグネットを利用すれば、個々のマグネットが作り出す磁場強度を任意に調節できるという利点を有する。
【0040】
上記の実施形態では、マグネット板に設けられる多数のマグネットについて、マグネット板における中心部では代表的に正方格子構造による配列を行い、その最外周領域の適宜な場所に例えば長さのみを短くして磁気力を低減した異なるマグネットを配列するようにしたが、すべてのマグネットの形を同じとし、かつ保持力を同じとしても、最外周部のマグネットを遠ざけることで前述の実施形態と同様の効果を得るようにすることもできる。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、カソード電極の近傍に多数のマグネットを配列して成るマグネット板を備え、プラズマが生成される空間にポイントカスプ磁場を周期的に作ってプラズマを制御し、基板の表面に処理を施す表面処理装置において、上記のマグネット板における中心部では例えば正方格子構造による配列を行いかつその最外周領域の適宜な場所に磁気力を低減したマグネットを配列するようにしたため、反応容器の内部空間に作られるポイントカスプ磁場の周期性を周縁部でも可能な限り維持し、周縁部の周期性が乱れる領域で磁場分布の非対称性を小さくし、装置構成に大きな変更を加えることなくポイントカスプ磁場の対称性を維持し、基板の表面を均一に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表面処理装置に備えられるマグネット板におけるマグネット配列の具体例を示す平面図である。
【図2】第1実施形態によるマグネット板の部分側面図である。
【図3】従来のマグネット板の部分側面図である。
【図4】第1実施形態に係るマグネット板と従来のマグネット板を対比するための磁場強度分布特性(Y軸方向)を示すグラフである。
【図5】第1実施形態に係るマグネット板と従来のマグネット板を対比するための磁場強度分布特性(対角線方向)を示すグラフである。
【図6】第1実施形態の変形例を示すマグネット板の部分側面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る表面処理装置に備えられるマグネット板におけるマグネット配列の具体例を示す平面図である。
【図8】表面処理装置の内部構成を示す縦断面図である。
【図9】従来の表面処理装置に用いられているマグネット板におけるマグネット配列を示す平面図である。
【符号の説明】
12 反応容器
13 カソード電極
14 基板
15 基板電極
21 マグネット
22 マグネット板
22a 板材
31 正方格子
32 他のマグネット
33 マグネット板表面
37 支持台
41 ハニカム格子

Claims (5)

  1. 内部にプラズマが生成されかつ前記プラズマで表面を処理される処理対象物が置かれる反応容器を有し、さらに前記反応容器内の前記プラズマが生成される空間に分布されるポイントカスプ磁場を作るマグネット板を備える表面処理装置において、
    前記マグネット板は、前記処理対象物の処理面に平行に対向する円形平面の上に配置された複数のマグネットを備え、前記複数のマグネットの各々の一方の磁極端面が、前記円形平面上で複数の格子点の各々の位置に配置され、隣り合う2つの前記マグネットの前記磁極端面の極性が反対になるように配置され、かつ前記複数のマグネットのうち前記円形平面の最外周の領域に配置される一部の前記マグネットでは磁気力が低減されていることを特徴とする表面処理装置。
  2. 前記格子点は正方形を形成する格子点であることを特徴とする請求項1記載の表面処理装置。
  3. 前記最外周の領域に配置される前記一部のマグネットの長さは短くされていることを特徴とする請求項1記載の表面処理装置。
  4. 磁極端面が他の前記マグネットの磁極端面と同じ高さに位置するように長さが短い前記マグネットを取り付けることを特徴とする請求項3記載の表面処理装置。
  5. 前記格子点の各々の位置に少なくとも2個以上の前記マグネットが配置されることを特徴とする請求項1記載の表面処理装置。
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