以下、本発明をパチンコ機に適用した一実施形態について、各対応図面を参照しながら説明する。
(1.パチンコ機の概要)
図1および図2は、パチンコ機1の構造を具体的に示している。パチンコ機1は主に枠体と、この枠体に支持された遊技盤4とから構成されている。枠体には外枠2や本体枠3、前面枠5等が含まれている。このうち外枠2は、上下左右の枠材を矩形に組み合わせて構成されている。外枠2の左側縁部には、ヒンジ機構7を介して本体枠3の左側端部が支持されており、本体枠3は外枠2の手前側にて開閉可能となっている。また前面枠5は、その左側端部が本体枠3にヒンジ機構を介して支持されており、本体枠3の手前側にて前面枠5が開閉可能となっている。
前面枠5は、その中央部分に円形状の開口窓30が形成されており、この開口窓30は透明な2枚のガラス板32によって閉塞されている。遊技盤4の前面(盤面)には円形状の遊技領域12が形成されており、遊技領域12は前面枠5の開口窓30を通じて前面側から視認される。なお図1および図2中、遊技領域12内の具体的な構成(盤面の構成)については図示を省略されており、便宜上、遊技領域12が空白で示されている。前面枠5には、開口窓30の上方および左右の位置にそれぞれ枠ランプ27が内蔵されており、枠ランプ27の前面側はカバー体35やレンズ34で覆われている。また、開口窓30の上部には2つの上部スピーカ36が設置されており、各スピーカ36の前面側はスピーカカバー37で覆われている。
開口窓30の中央下縁部には、7セグメントLEDを用いた度数表示部30aと、押し込み式の球貸ボタン30bおよび返却ボタン30cが設置されている。度数表示部30aには、遊技者が図示しないCRユニットに挿入したプリペイドカードの残り度数が表示される。遊技者が球貸ボタン30bを操作すると、プリペイドカードの残り度数の範囲内で球貸を要求することができる。また、遊技者が返却ボタン30cを操作することで、残り度数のあるプリペイドカードの返却を要求することができる。
前面枠5には、開口窓30の下方位置に遊技球を貯留する上皿28が形成されている。また本体枠3の前面側に下皿17が形成されており、下皿17は上皿28の下方に位置する。上皿28の右上面には押下式の返却ボタン28aが設置されており、遊技者がこの返却ボタン28aを操作すると、上皿28に貯留された遊技球が下皿17に流れ込む。また、下皿17の前面側には押込式の球抜きボタン17aが設置されており、遊技者が球抜きボタン17aを押し込み操作すると、下皿17に貯まった遊技球が落下する。なお、下皿17から落下した遊技球は適宜、下皿17の下方に置いた受け箱等に移し替えられる。
本体枠3の下前面部材16には、下皿17の右側位置に発射ハンドル18が設置されている。図1には示されていないが、前面枠5の裏側には発射装置が設置されており、遊技者が発射ハンドル18を時計回り方向に捻り操作(または回動操作)すると発射モータが作動し、上皿28に貯留された遊技球が1個ずつ遊技領域12に向けて発射される。なお、下皿17の左側位置で、前面枠5の左下隅部には演出用ボタン38が設置されている。本実施形態のパチンコ機1には、遊技者による演出用ボタン38の操作に応じて演出効果音を発生させたり、演出画像を表示したりする機能が付属している。
図2は、外枠2から前面枠5および本体枠3がそれぞれ開放された状態を示している。上記のように、本体枠3はヒンジ機構7を介して外枠2の左側縁部に支持されており、この状態で本体枠3は外枠2の手前側にて開閉可能となっている。一方の前面枠5は、別のヒンジ機構25を介して本体枠3に支持されている。
前面枠5および本体枠3は、それぞれ閉状態で施錠装置19により施錠される。施錠装置19は本体枠3の右側縁部に装着されており、この施錠装置19は、外枠2に対して本体枠3全体を施錠したり、あるいは、本体枠3に対して前面枠5を施錠したりする。施錠装置19は2種類の枠施錠ラッチ21および扉施錠ラッチ23を有しており、このうち一方の枠施錠ラッチ21は外枠2の閉止具20に対応している。例えば、図2に示されている状態から本体枠3を外枠2に対して押し込むと、上下で2つの枠施錠ラッチ21がそれぞれ対応する閉止具20に係合し、これにより本体枠3が外枠2に施錠された状態で固定される。
もう一方の扉施錠ラッチ23は、前面枠5の後面に設けられた閉止具22に対応しており、例えば図2に示されている状態から前面枠5を本体枠3に対して押し込むと、上下で3つの扉施錠ラッチ23がそれぞれ対応する閉止具22に係合し、これにより前面枠5が本体枠3に施錠された状態で固定される。
施錠装置19はシリンダー錠24を有しており、例えばホールの管理者または従業員がシリンダー錠24の鍵穴に専用鍵を挿入してこれを時計回りに捻ると、枠施錠ラッチ21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠される。また、これとは逆方向(反時計回り)に鍵を捻ると、扉施錠ラッチ23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠される。
なお本実施形態の構成では、遊技盤4の右方ではなく下方にシリンダー錠24を配置し、合わせて遊技盤4の右方に配置された施錠装置19を薄型化することで、遊技盤4に形成された遊技領域12の面積を従来よりも大きく確保することができる。これにより遊技者の見る目を大いに引きつけ、その視認に対する興趣を高めることができる。また本実施形態の構成では、遊技領域12の拡大に合わせて前面枠5の開口窓30が拡大されているため、その部分では前面枠5の剛性が低下することとなるが、本実施形態では前面枠5の下部分に上皿28が一体的に形成されているため、この上皿28の部分が補強となって前面枠5全体としての剛性の低下を抑制している。
本体枠3は前枠体8、遊技盤装着枠9および機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。このうち前枠体8は、本体枠3の前面側に位置して形成されており、その外形は、下受板6を除く外枠2の外郭形状に合致する大きさを有している。また、遊技盤装着枠9は前枠体8の後部に一体的に形成されており、遊技盤装着枠9は遊技盤4の外形を受け入れ可能な大きさを有している。機構装着枠10は前枠体8の背面側に形成され、その外形は前枠体8より一回り小さい大きさを有している。
遊技盤装着枠9には、前方から遊技盤4が嵌め込まれた状態で装着されている。遊技盤装着枠9は中部分が矩形に大きく開口しており、このため遊技盤4が取り外されると、枠内は前後方向に中抜けの状態となる。遊技盤装着枠9の上下左右の内縁(内壁)は遊技盤4の遊技板(合板材)の四辺形状を受け入れ可能に成型されており、このうち左側の内壁面には、上下で2つの係止突部9aが形成されている。2つの係止突部9aは遊技板の背面を受ける後壁面から前方に遊技板の厚み分だけ前方に離れた位置で左側壁面から内側へ突出しており、遊技盤4がその左側部分を先頭にして遊技盤装着枠9に差し込まれると、上下2つの係止突部9aの後方に遊技板の左側縁部が係止され、この状態で遊技盤4の前方への脱落が防止されている。
また、遊技盤4の右上隅部と右下隅部にはそれぞれロック部材4cが取り付けられている。ロック部材4cは遊技盤4の幅方向に細長く延びたプレート形状をなしており、その先端部は遊技盤4から右側方に突き出た状態で遊技盤4を遊技盤装着枠9に対して係止する爪の働きをする。すなわち、ロック部材4cはその先端部分が遊技盤4の右側端から側方に突出した突出位置か、もしくは遊技盤4の右側端から内側(中心方向)に引っ込んだ引込位置のいずれかで遊技盤4に係止される。
一方、図2には示されていないが、遊技盤装着枠9の右側の内壁面には上下のロック部材4cにそれぞれ対応する位置に係止穴が形成されている。このため遊技盤4を遊技盤装着枠9に嵌め込んだ状態で、上下のロック部材4cをそれぞれ突出位置で係止させれば、その先端部が係止穴に入り込んだ状態で遊技盤4を遊技盤装着枠9に係止し、その前方への脱落を防止する。逆に、上下のロック部材4cを突出位置から退出させて遊技盤装着枠9との係止を解除すれば、遊技盤4の右側縁部を先に手前側へ引き出すことで遊技盤装着枠9から遊技盤4を容易に取り外すことができる。
また、遊技盤装着枠9の下開口縁部にはキャッチロック9b(いわゆる「パチン錠」)が設けられている。一方、遊技盤4の前側の下縁部には、キャッチロック9bを受けるために締付部が形成されている。このため、遊技盤装着枠9に遊技盤4が嵌め込まれた状態でキャッチロック9bを締め付けると、遊技盤4が下方に強く押し下げられるようにして遊技盤装着枠9に固定される。キャッチロック9bは遊技盤4を遊技盤装着枠9に固定するとともに、前面枠5の発射レール15と遊技盤4の案内レール11との相対的な位置関係を正確に保持する役割を果たしている。その他、前枠体8の左下隅の位置には、装着板13を介して低音用スピーカ14が内蔵されている。
前面枠5の裏側には扉本体フレーム26が設置されており、前面枠5は扉本体フレーム26にてヒンジ機構25(上下)に連結されている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成されており、この扉本体フレーム26は前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。前面枠5を閉じると、遊技盤4を含む前枠体8の前面側が前面枠5によって覆われることとなるが、扉本体フレーム26の中央にはほぼ円形の開口窓30が形成されており、この開口窓30を通じて遊技盤4の遊技領域12を前方から視認することができる。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられており、この窓枠31に2枚のガラス板32が前後に間隔をおいて嵌め込まれている。
(2.裏側の構成)
図3は、パチンコ機1の裏側を示している(背面図)。パチンコ機1の裏側には通常、遊技者から視認されたり、触れたりされることのない各種の機構部品や電装品が設置されている。先ず、枠体に設置されている機構部品および電装品について説明する。
(2−1.枠体の電装品)
機構装着枠10には、その上部位置に球タンク40が設置されているほか、球タンク40に続いて下方にタンクレール42が設置されている。また、背面側からみて機構装着枠10の右側縁部には、タンクレール42に続いて縦長の賞球装置44が設置されている。球タンク40に貯留された遊技球は左側位置でタンクレール42に落下し、ここで2条に整列されながら賞球装置44に供給される。
また、背面側からみて機構装着枠10の左下隅位置には、発射装置の駆動源となる発射モータ46のほか、打球杆48やその駆動機構49が設置されている。さらに機構装着枠10の左下隅位置には、発射モータ46の上方に発射制御基板50が設置されている。
また、背面側からみて機構装着枠10の右上隅の位置に分電基板52が設置されている。分電基板52は、図示しない主電源ハーネスを通じて外部電源(AC24V)に接続される。また分電基板52には、主電源スイッチ52aやヒューズ(図示されていない)が設けられているほか、CRユニット(遊技機等貸出装置)に電力(AC24V)を分配するための電源ハーネスや各種アース線等が接続されている。以下、図3の参照に伴う説明において左右方向を規定している場合、それはパチンコ機1の背面側からみた左右方向を意味するものとする。
機構装着枠10の下部分に電源基板54が設置されており、上記の分電基板52と電源基板54とは図示しない電源基板ハーネスを通じて接続されている。また、機構装着枠10の左側縁部には電源中継端子板56が設置されており、電源基板54と電源中継端子板56とは図示しない電源中継ハーネスを通じて接続されている。
また、機構装着枠10の下部分には、ほぼ中央の位置に払出制御基板58が設置されている。払出制御基板58は、図示しない払出制御電源ハーネスを通じて上記の電源中継端子板56に接続されている。また払出制御基板58は、図示しない賞球ケース内ハーネスを通じて上記の賞球装置44に接続されている。
機構装着枠10の右下部分には、払出制御基板58に隣接してインタフェース基板60が設置されており、このインタフェース基板60には専用ケーブルを通じて島設備のCRユニットが接続される。またインタフェース基板60は、図示しない貸出装置接続ハーネスを通じて払出制御基板58に接続されている。
また機構装着枠10の右上隅位置には、上記の分電基板50より下方に外部端子板62が設置されており、外部端子板62には、図示しない払出外部端子板ハーネスを通じて払出制御基板58が接続されているほか、遊技盤4の電装品である主制御基板が別系統のハーネスを通じて接続されている。また外部端子板62には、パチンコ機1を外部(ホールコンピュータ)に接続するための多数の外部端子が設置されている。
その他、機構装着枠10の右側縁部には、賞球装置44より下方の位置に枠装飾中継端子板63が設置されている。この枠装飾中継端子板63には、枠体(音響電飾装置29またはサイド装飾体33)に内蔵された枠ランプ27につながる電気配線が接続されている。ここでは図示されていないが、枠装飾中継端子板63から枠ランプ27につながる電気配線(ハーネス)は、1本の配線束に纏められた状態で本体枠3の前面側に取り回しされ、遊技板4の左下隅にある切欠部を通って前面枠5に到達している。また、この配線束には、インタフェース基板60から前面枠5に内蔵された度数表示基板(図示されていない)つながるハーネスが一緒の束に纏められている。度数表示基板については、パチンコ機1の制御構成と合わせて後述する。
(2−2.保護カバー)
図3に示されているように、機構装着枠10の後側開口は、その上側部分を中心としてほとんどが透明な保護カバー10aによって覆われている。保護カバー10aは、その左側縁部がヒンジ10bを介して機構装着枠10に支持されており、このヒンジ10bを中心として背面側(図3では手前)にて開閉可能となっている。一方、保護カバー10aの右側縁部には係止部10cが形成されており、機構装着枠10には係止部10cに対応した位置に受け部(符号なし)が形成されている。このため保護カバー10aは、係止部10cを機構装着枠10の受け部に係止させることで、図示のように閉位置で固定することができる。この閉位置で、保護カバー10aは遊技盤4の背面側に設置された電装品の上面および背面を覆うことで、上方の球タンク40や島設備の球補給経路等から遊技球が落下した場合、その落下球が電装品に衝突するのを防止している。なお、保護カバー10aの背面および上下左右の面には、それぞれ適宜な配列で多数のスリットが形成されており、これにより電装品の放熱性が確保されている。
(2−3.遊技盤の電装品)
遊技盤4の背面側には、最も下位の部分に主制御基板80が設置されている。また図3では視認できないが、遊技盤4の背面側には主制御基板80の前側(図3でみて奧)に重なるようにして周辺制御基板が配置されている。この周辺制御基板は、図示されていない枠装飾中継ハーネスを通じて上記の枠装飾中継端子板63に接続されている。なお、図3では主制御基板80として示しているが、主制御基板80は透明な主制御基板ボックス80aに収容されており、主制御基板ボックス80aはその上部位置にある2箇所の封止部80bが締付専用ねじ(ワンウェイねじ)により封止されている。また、上記の保護カバー10aは主制御基板ボックス80aの全体を覆い隠す大きさに形成されておらず、主制御基板ボックス80aの上部分が僅かに保護カバー10aに覆われているだけである。さらに保護カバー10aには、主制御基板ボックス80aの封止部80bに対応する2箇所の位置に開口部10dが形成されている。これにより、特に保護カバー10aを開かなくても、本体枠3の背面側から主制御基板80や封止部80bを容易に目視できる構造となっている。
その他にも、遊技盤4には保護カバー10aに覆われている電装品として液晶制御基板や各種のLED基板、駆動モータ、ソレノイド等がある(図3では示されていない)。これら電装品や相互の接続関係については後に詳しく説明する。
(3.盤面構成)
図4は、遊技盤4を単独で示している。遊技盤4は、その前面(盤面)にて遊技領域12を形成し、この遊技領域12内で遊技球を流下させながら遊技を進行させる役割を担う。通常、パチンコ機1における遊技は、遊技領域12内で遊技球が各種入賞口に入賞することで内部抽選(大当り抽選)が行われたり、あるいは賞球の払い出しが行われたりしながら進行する。
遊技盤4は矩形状に成型された遊技板4aを有しており、遊技板4aの表面に円形状の遊技領域12が形成されている。また遊技板4aは、その前面が図示しないセル板を貼着することで装飾されており、さらに遊技領域12を取り囲む上下左右および四隅はパネル装飾体4dによって装飾されている。パネル装飾体4dは装飾としての機能の他に、上記の案内レール11やロック部材4c等を支持する機能をも有している。またパネル装飾体4dの左側縁部には、遊技盤装着枠9の係止突部9aを係止させるため上下2つの凹部4eが形成されている。
遊技領域12には、遊技の進行に必要な各種構成要素の他に、演出用の構成要素が配置されている。すなわち、遊技領域12には多数の傷害釘(参照符号なし)や風車64が適宜の配列で設置されており、発射された遊技球は傷害釘や風車64等に誘導されながら遊技領域12内を流下する。また遊技領域12の中央部分から上半分には、ひときわ大きく目を引くセンター装飾体66が配置されている。センター装飾体66は遊技板4aの表面(盤面)から前面側に突出して配置されており、その上縁部および左右側縁部に沿って遊技球を案内することで、遊技球の流下方向に変化を与えることができる。なお、センター装飾体66についてはさらに後述する。
(3−1.入賞口等)
遊技領域12の下半分には、その中央に上始動口68および下始動口70が上下に並んで配置されている。本実施形態では、可変始動入賞装置69によって下始動口70が形成されており、下始動口70には、図中に実線で示されるように可変始動入賞装置69の2つの可動片70aが左右に開いた状態にあるときだけ遊技球が入賞可能となる。可変始動入賞装置69は、図示しない始動口ソレノイドを用いた駆動機構によって2つの可動片70aを左右方向(盤面に沿う方向)に開閉動作させることができる。
また遊技領域12には、可変始動入賞装置69の下方位置に可変入賞装置73が設けられている。可変入賞装置73は横長の矩形状に形成された開閉部材72aを有しており、この開閉部材72aは下縁の両端部がヒンジ機構72bに支持されている。開閉部材72aはヒンジ機構72aの働きにより下縁部を中心に前後方向に開閉動作することができる。また可変入賞装置73は、図示しない大入賞口ソレノイドを用いた駆動機構によって開閉部材72aを前後方向に開閉動作させ、これにより大入賞口72を開放したり、閉止したりすることができる。図示のように開閉部材72aが手前側へ倒れた位置まで動作すると大入賞口72が開放されて入賞可能な状態となるが、開閉部材72aが盤面に沿って直立した状態になると大入賞口72が閉止されて入賞ができなくなる。
その他、遊技領域12の下部分には、左右で一対をなすように2つの通過ゲート74が配置されている。また、遊技領域12の下部分には、大入賞口72の両側に2つずつ普通入賞口76が設置されており、これら4つの普通入賞口76は、遊技領域12の下縁部に沿って円弧を描くようにして配置されている。
(3−2.装飾関係)
センター装飾体66は全体として横長の額縁状に成型されており、その内側部分が中空となっている。前面側からみて、センター装飾体66の内側部分は演出領域(画像の表示や可動体の動作等の演出が行われる領域)として構成されており、センター装飾体66は演出領域の周囲を装飾するように配置されている。なお、演出領域や表示装置(液晶表示ユニット)、可動体等については後述する。
センター装飾体66の他に、遊技領域12の下縁部には左右で対をなすサイド装飾部材82が設置されている。4つの普通入賞口76のうち、右上および左上に位置する普通入賞口76はサイド装飾部材82と一体に形成されている。またサイド装飾部材82には、センター装飾体66のデザインコンセプトと統一感のあるデザインが施されている。なお本実施形態では、下始動口70を構成する可変入賞装置や、右下および左下に位置する普通入賞口76にも装飾的な造形が施されており、そのデザインにはセンター装飾体66やサイド装飾部材82のデザインとの統一が図られている。
(4.センター装飾体の詳細)
図5は、センター装飾体66を示している。センター装飾体66には、全体としてパチンコ機1の機種ないしそのゲームコンセプトに基づくデザインが施されている。本実施形態のパチンコ機1では、ある有名な女性歌手をイメージキャラクターとしたゲームコンセプトが採用されており、センター装飾体66に施された造形には、その女性歌手自身の持つ流麗で豪華なイメージや、その持ち唄(各種の歌謡ヒット曲)の持つ繊細なイメージを表現したデザインコンセプトが反映されている。
具体的には、先ずセンター装飾体66の上縁部に目をやると、その中央位置に宝石状の頂部装飾体66aが配置されている。この頂部装飾体66aは、多面体カットが施された紫水晶(アメジスト)を象ったものであり、その周囲には宝石を支える金台を象った上部装飾体66bが配置されている。上部装飾体66bには微細な立体紋様が形成されており、その表面には金属的な光沢のあるクロムめっき(めっきによる鏡面加工)が施されている。このため上部装飾体66bは、その微細な造形と金属的な光沢によって、宝石としての頂部装飾体66aを視覚的に引き立てている。なお、本実施形態でいうクロムめっきは、そのめっき表面が鏡のように光を反射する程度に仕上げられたものである。
またセンター装飾体66の左右の両側縁部には、左右で対をなすようにサイド装飾体66cが配置されている。これらサイド装飾体66cは架空動物(中国古代の瑞鳥)である「鳳凰」を象ったものであり、これら左右のサイド装飾体66cは、まさに「鳳凰」がこれから上空へ向かって飛翔しようとする姿を躍動的に表現したものとなっている。左右のサイド装飾体66cの表面には金めっき加工が施されており、その金色の光沢が視覚的に豪華で神秘的な雰囲気を醸し出している。
センター装飾体66の内縁(内周部分)には、上縁部から左右の内縁部および下縁部にかけて長く延びた内縁装飾体66dが配置されている。これら内縁装飾体66dは、中央位置の上部装飾体66bの両側から左右の斜め下方に延びた後、奥側へ湾曲するようにして成形されており、そして左右の内縁部の上端位置から下端位置を通り、さらに下縁部まで延びている。図5ではサイド装飾体66cの背後に隠れているが、内縁装飾体66dは左右の内縁部にて光拡散透過板120の前面に近接した位置を下方に延び、そして、下方に向かうにつれてサイド装飾体66cの後方から前方へせり出してくるように湾曲している。さらに左右の内縁装飾体66dは、サイド装飾体66cの下端(「鳳凰」の尾の先端に相当する部分)の近傍から下縁部の前面側に露出し、そのまま下縁部の前面を中央付近まで延びている。これら左右の内縁装飾体66dもまた、上部装飾体66bと同様にクロムめっき加工(鏡面加工)が施されており、このため左右の内縁装飾体66dには上部装飾体66bとの視覚的な一体感が生じ、遊技者からは、あたかも上部装飾体66bと左右の内縁装飾体66dが一続きに成形されているかのように視認される。
またセンター装飾体66の下縁部には、その内縁に沿って下部装飾体67が設置されている。この下部装飾体67は、センター装飾体66の下縁部と光拡散透過板120との間を塞ぐようにして配置されている。下部装飾体67の中央付近には左右で対をなす羽根状の装飾部が形成されている。なお、下部装飾体67の表面にもクロムメッキ加工が施されている。
一方、センター装飾体66の上縁部には、上部装飾体66bを中心として左右に広がる上縁装飾体66eが配置されている。この上縁装飾体66eは正面からみて横に並んだ2つ山形状をなしており、また全体としてある程度の奥行き(厚み)を有している。上縁装飾体66eの前面には、宝石を配列したような微細な立体的造形が施されており、その表面には全体的に金めっき加工が施されている。このため、上部装飾体66bおよび内縁装飾体66dの金属的な光沢と、隣接する上縁装飾体66eの金色の光沢とがきらびやかなコントラストをなし、そこには視覚的な高級感や優雅な雰囲気が醸し出されている。
上縁装飾体66eには複数の発光領域(L1〜L4,D1,D2,M1〜M4)が形成されており、これら発光領域では、センター装飾体66の背後に設置されたセンター上LED基板102または特別図柄・保留表示LED基板144による発光動作が行われる。
〔特別図柄表示〕
発光領域(L1〜L4,D1,D2,M1〜M4)は、中央の上部装飾体66bを中心として左右対称の位置に配列されている。このうち、最も上位に並んだ4つの発光領域L1,L2,L3,L4は、パチンコ機1において特別図柄を表示するものとして機能する。特別図柄は、パチンコ機1において特別図柄抽選(大当り抽選)が行われ、その当落の結果が出たということを外部に向けて表示する情報(抽選情報)となる。すなわち、パチンコ機1における通常遊技状態(大当り遊技でない状態)で上始動口68または下始動口70への入賞があると、それを契機に4つの発光領域L1〜L4がいろいろなパターンや発光色で点滅動作を開始し、これにより特別図柄の変動状態が表示される。このような特別図柄の変動開始(いわゆる「始動」)により、遊技者は大当り抽選が行われたこと(あるいは、これから抽選の結果が出ること)を認識することができる。この後、ある程度の時間が経過すると発光領域L1〜L4の点滅動作が停止し、そのときの抽選結果(当落結果)を表示する態様で特別図柄が停止表示される。特別図柄の停止表示の態様について、簡易な例では4つの発光領域L1〜L4が全て同色で点灯していれば当選(大当り)を表し、4つの発光領域L1〜L4のいずれか1つでも点灯色が違っているか、もしくは消灯していれば落選を表すといった態様が挙げられる(ただし、これら以外の態様もある。)。これにより、遊技者は大当り抽選に当選したか否かを視覚的に認識することができる。
〔始動記憶数表示,保留球数表示〕
反対に、最も下位に並んだ4つの発光領域M1,M2,M3,M4は、パチンコ機1において始動記憶ランプとして機能する。これら4つの発光領域M1〜M4は、そのとき発光(点灯)している個数によって特別図柄の始動記憶数(1〜4の保留球数)を表すことができる。具体的には、遊技中に上始動口68または下始動口70への入賞があると、これを契機として特別図柄の始動条件が記憶され、この状態で特別図柄が変動表示中であれば、最も左に位置する発光領域M1が発光(点灯)して始動記憶数(保留球数)が1であることが表示される。一方、始動条件が記憶されている状態で、特別図柄が変動していなければ(変動状態から停止表示状態になった場合を含む)、記憶された始動条件に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。この場合、始動記憶数「1」に対応する発光領域M1の発光が停止(消灯)される。なお、本実施形態では始動記憶数(保留球数)の上限が4であるため、上限に達した場合、それ以上の始動条件は記憶されない。また、特別図柄および始動記憶数の表示は、センター装飾体66の背後に設置された特別図柄・保留表示LED基板144により行われる。
次に、上位から2番目に並んだ2つの発光領域D1,D2は、パチンコ機1において装飾的な発光部として機能する。これら発光領域D1,D2では、センター上LED基板102による装飾的な発光動作が行われる。また、上部装飾体66bは光透過性の部材から形成されており、その全体が装飾的な発光体として機能する。この上部装飾体66bでは、センター装飾体66の背後に配置されたセンター上LED基板102による装飾的な発光動作が行われる。
一方、センター装飾体66の上縁部には、上部装飾体66bと左右のサイド装飾体66cとの間をつなぐようにして左右の上隅装飾体66fが配置されている。またセンター装飾体66の下縁部には、左右のサイド装飾体66cの下方にそれぞれ左右の下隅装飾体66gが配置されている。これら上隅装飾体66fおよび下隅装飾体66gには、「鳳凰」にちなんだ「羽衣」を想起させる立体的な造形が施されており、その波打つような形状が「鳳凰」としてのサイド装飾体66cがこれからまさに飛翔しようとする姿を視覚的に強調している。また、上隅装飾体66fおよび下隅装飾体66gはいずれも光透過性の半透明材料から成形されており、このうち左右の上隅装飾体66fでは、センター左部上LED基板104またはセンター右部上LED基板106による装飾的な発光動作が行われる。また、左右の下隅装飾体66gでは、センター左部下LED基板112またはセンター右部下LED基板114による装飾的な発光動作が行われる。
このように、本実施形態ではセンター装飾体66において各種の発光動作(装飾的な発光の他に、遊技者の利益に関わる抽選情報の表示を含む)を行って遊技者の興趣を高めたり、遊技者の利益に関わる情報を提供したりしているが、特に本実施形態では、遊技板4aの前面側に取り付けられるセンター装飾体66に多数の発光領域が設けられているにもかかわらず、その発光源となるLED基板は全て遊技板4aの背面側(背面に取り付けられるユニット)に設けられている。このため、センター装飾体66での発光動作に必要なLED基板や電気配線を全て遊技盤4の背面側で収容することができ、センター装飾体66にはLED基板や電気配線を別に設ける必要がない。
〔演出表示〕
上記のように、センター装飾体66は遊技領域12内で装飾的な存在となっているほか、その内側部分では演出的な画像や図柄の表示が行われるものとなっている。このためセンター装飾体66の背後には、比較的大型の液晶表示ユニット150が配置されている。液晶表示ユニット150は遊技盤4の背面側に取り付けられ、その表示画面がセンター装飾体66の内側部分を通して前面側から視認可能となっている。
遊技の進行に伴い、上始動口68や下始動口70に遊技球が入賞すると、上記の発光領域L1〜L4にて特別図柄の変動表示および停止表示が行われるが、このとき液晶表示ユニット150では装飾的な図柄(例えば、漢数字の一〜九を図案化したもの)を用いた変動表示やリーチ演出表示、停止表示等が行われる。
〔光拡散透過板〕
本実施形態では、センター装飾体66の背後で、かつ液晶表示ユニット150の前面側の位置に光拡散透過板120が設置されている。光拡散透過板120は透明樹脂製の板部材から構成されているため、前面側から液晶表示ユニット150による表示を透視可能となっている。
〔散光装飾部(光拡散部)〕
また本実施形態では、光拡散透過板120の両側縁部に散光装飾部121が形成されている。散光装飾部121は、光拡散透過板120の背面を彫り刻むようにして形成された立体紋様であり、光拡散透過板120の背面は、散光装飾部121にて部分的に窪んでいる。このような散光装飾部121は、光拡散透過板120を透過しようとする光を拡散したり、光拡散透過板120の内部に導入された光を拡散したりすることで、その装飾的な紋様全体を発光させることができる。このため遊技者からは、センター装飾体66の内側部分で、液晶表示ユニット150の表示画面よりも手前側の位置にあたかも光の紋様が浮かび上がっているかのように視認される。
〔周縁反射部材〕
図6および図7は、遊技盤4の構成部品を含むセンター装飾体66の断面を示している。図6および図7に示されているように、光拡散透過板120はセンター装飾体66の直ぐ背後に接するようにして位置しているが、液晶表示ユニット150は光拡散透過板120よりも後方に間隔をおいて配置されている。そして、液晶表示ユニット150と光拡散透過板120との間には、液晶表示ユニット150の周囲を縁取るようにして周縁反射部材122が配置されている。
周縁反射部材122は前面側から光拡散透過板120を透過して視認可能である。また、周縁反射部材122の表面にはクロムめっき加工が施されている。特に本実施形態では、液晶表示ユニット150の両側縁部にて、周縁反射部材122が断面円弧状をなして奥側から前方へ向けてテーパ状に広がっている。つまり、周縁反射部材122のめっき表面(反射面)は、液晶表示ユニット150の表示画面との間にある程度の角度(90°より大きく、180°より小さい角度)をおいて形成されており、周縁反射部材122のめっき表面が液晶表示ユニット150の表示画面と平行であったり、これらが互いに向き合ったりする関係にはない。このため図6,7中に一点鎖線の矢印で示されているように、周縁反射部材122のめっき表面には、液晶表示ユニット150の表示画面から周縁より外側へ発せられる光があたり、そして前面側へ反射されるものとなっている。
なお図6,7には、センター装飾体66の球誘導機能を果たすワープ通路66hやステージ部66i、球放出口66j等が示されているほか、光拡散透過板120の背後で、かつ液晶表示ユニット150の前面側で演出動作を行う可動体124が示されている。また図6,7には、遊技盤4の背面側に取り付けられる電装品として、各種LEDの配線を中継するランプ駆動基板158の他に液晶表示ユニット150を構成する液晶制御基板152およびLCDモジュール154が示されている。液晶制御基板152は、基板ボックス150aに収容された状態でLCDモジュール154の背面に設置されている。
また、光拡散透過板120の左右両側には、それぞれセンター左部中LED基板108、センター右部中LED基板110が配置されている。これらLED基板108,110は、それぞれの実装面を光拡散透過板120に対して垂直に向けるようにして配置されており、この状態で、2枚のLED基板108,110に実装されているLEDが互いに中央を向き合うようにして位置付けられている。このため、LED基板108,110の各LEDから発せられた光は、その一部がエッジライトとして光拡散透過板120の両側端面から光拡散透過板120に導入されると、その内部を全反射しながら導かれ、上記の散光装飾部121にて拡散されるものとなっている。
〔周縁反射部材による装飾効果〕
図8は、遊技盤4を斜め方向から示している。なお図8および次の図9では、遊技領域12内の構成要素について部分的に図示が省略されている。また図の煩雑化を防止するため、説明に関係のない構成要素については符号を省略している。
図8に示されているように、遊技盤4をその斜め方向(左右いずれでもよいし、左右の斜め上方あるいは斜め下方からでもよい)から見ると、センター装飾体66の内側部分の奧まった位置に液晶表示ユニット150の表示画面が視認される。そして、表示画面の両外側位置では、センター装飾体66の内側部分の奧で左側の周縁反射部材122を視認することができる。特に斜め方向からの視線に対して、光拡散透過板120の散光装飾部121が周縁反射部材122の前方をほとんど覆い隠さない位置関係にある。この状態で、周縁反射部材122のめっき表面には液晶表示ユニット150の表示画像が映り込んだり、センター装飾体66の背後にあるLEDの発する光が反射したりするため、斜め方向からの視線に対して反射画像や反射光が入り込み、遊技盤4を明るくきらびやかに見せることができる。なお図8の例では、遊技盤4に向かって右斜め前の位置からの視点に対し、向かって左側に位置する周縁反射部材122および散光装飾部121の見え方を示しているが、逆に遊技盤4に向かって左斜め前からの視点に対しては、向かって右側に位置する周縁反射部材122および散光装飾部121が対象に視認される。また図8の例では、遊技盤4に向かって右斜め前の位置からの視点に対して、向かって右側に位置する周縁反射部材122および散光装飾部121がちょうど右側のサイド装飾体66cの奧に隠れた状態にある。逆に遊技盤4に向かって左斜め前からの視点に対しては、向かって左側に位置する周縁反射部材122および散光装飾部121が左側のサイド装飾体66cの奧に隠れる位置関係にある。
図9は、遊技盤4を正面から示している。この図9に示されているように、遊技盤4をその正面(遊技者が遊技をするときの方向)から見ると、センター装飾体66の内側部分の奧に光拡散透過板120を透過して液晶表示ユニット150の表示画面を視認することができる。ただし、このようにほぼ正面からの視線に対しては、光拡散透過板120の散光装飾部121が周縁反射部材122の前方を覆い隠す位置関係にある。このため、周縁反射部材122のめっき表面には液晶表示ユニット150の表示画像が映り込んだり、センター装飾体66の背後にあるLEDの発する光が反射したりするものの、このような反射画像や反射光が散光装飾部121にて遮蔽または拡散されるため、正面からの視線に対して反射画像や反射光は全く視認されないか、あるいはほとんど視界に入らない。その一方で散光装飾部121は、LEDの発する光を拡散したり、液晶表示ユニット150から発せられる光を拡散したりしてその紋様を浮かび上がらせることにより、装飾的な機能を大きく発揮している。
図10は、本実施形態のパチンコ機1がホールの島設備(図中、参照符号Y)に設置されたときの状態を示している。この例では、島設備に複数台のパチンコ機1が幅方向に並んだ状態で設置されており、パチンコ機1で遊技をする遊技者は、例えば1台ごとに用意されている椅子に腰掛けた状態で、直立したパチンコ機1に対して正面から向き合うことになる。なお図にはパチンコ機1が3台のみ示されており、その他のパチンコ機や他の椅子席は図示を省略されている。
図10には、既に着席している遊技者の姿が示されているが、これから遊技を開始しようとしてホールに来場した他の遊技者が島設備に近寄ってきた場面を想定すると、当該他の遊技者は、島設備に設置されている複数台のパチンコ機1を斜め方向から一望することとなる。このとき、誰も遊技をしていないパチンコ機1(いわゆる空き台)においては、液晶表示ユニット150によるデモンストレーション画面(待ち受け画面)の表示が行われているが、これから遊技を開始しようとする遊技者の視点からは、上記のように表示画面やLED等から発せられた光が周縁反射部材122によって反射される様子が認められることになる。この場合、空き台のパチンコ機1の盤面が明るく、きらびやかに見えるため、これから遊技を開始するか否かを思案中の遊技者に対する視覚的な訴求力が高まり、それによって当該思案中の遊技者にパチンコ機1で遊技を開始しようとする意欲を沸き立たせることができる。
あるいは、既に遊技者が着席して遊技を行っているパチンコ機1においては、その様子を斜め方向(図中矢印R,L等の方向)から観察している他の遊技者の視線からは、液晶表示ユニット150による演出画像が周縁反射部材122に反射する様子が認められることから、遊技を観察した他の遊技者に対して、パチンコ機1の画面表示が明るく、大きく、またきらびやかであるといった視覚的な好印象を与えることができる。このため他の遊技者に対して「自分も同じように遊技をしてみたい」という欲求を沸き立たせ、遊技を開始させるきっかけを与えやすくなる。
その一方で、実際に遊技を行っている遊技者の視線方向(図中矢印Cの方向)からは、周縁反射部材122による反射光や反射画像の大部分が散光装飾部121によって遮られるため、遊技者に過度な明るさを感じさせることがない。このため、実際に遊技を行っている遊技者の集中力を阻害したり、煩わしさを感じさせたりすることがなく、長期間にわたって遊技意欲をなかなか減退させない。
〔球誘導機能〕
上記のように、センター装飾体66はその装飾的な造形やめっき加工によって視覚的な面白みを発揮したり、背後に設置されたLEDを光源として各種の発光動作を行ったりする機能を有する。この他にセンター装飾体66は、遊技領域12内で遊技球の流下を案内し、遊技球の動きに変化を与えることで遊技に面白みを付加する機能を有している。具体的には、センター装飾体66の両側縁部には、その内側にワープ通路66hが形成されており、またセンター装飾体66の下縁部には、その上面にステージ部66iが形成されている。ワープ通路66hはセンター装飾体66の左右両側から始まって両側縁部の内側を下り、そしてステージ部66iに通じている。さらにセンター装飾体66の下縁部には、その中央位置に球放出口66jが形成されている。
〔ワープ通路〕
図11は、左側のワープ通路66hを例に挙げてその内部構造を示している。なお右側のワープ通路66hについては、その構造を左右対称として考えることができる。ワープ通路66hはセンター装飾体66の両側面にて開口しており、この開口を通じて内部に遊技球を受け入れ可能となっている。左右のワープ通路66hは、サイド装飾体66cの内部を僅かに中央方向に下りながら進むと、そこから奥側(後方)へ向けて折れ曲がり、そして真下方向に少し下った位置で中央方向に集まるようにして湾曲している。左右のワープ通路66hの下端はワープ出口として開口しており、開口から先はそのままステージ部66iにつながっている。また各ワープ通路66h内には、その途中に2つの突起部66kが段違いに形成されており、各ワープ通路66h内を流下する遊技球は、これら突起部66kに衝突しながら流下速度を緩和される。そして、遊技球がワープ通路66hの出口から放出されると、その先でステージ部66i上を転動する。
〔球受け棚〕
図12は、センター装飾体66の下縁部を示している。ステージ部66iは、左右のワープ通路66hの間を左右方向に長く延びており、その中央部分が僅かに盛り上がるようにして湾曲している。ステージ部66iの中央位置にはセンター窪み部67aが形成されており、このセンター窪み部67aは後方に向けて下り傾斜を有している。センター窪み部67aの奧で、下部装飾体67の中央位置に球落下穴67dが形成されており、センター装飾体66の下縁部には、球落下穴67dから下方に延びる球放出通路67eが形成されている。球放出通路67eは球落下穴67dから下方に下った後に前方へ折れ曲がり、そのまま下り傾斜を有したまま前面側の球放出口66jに通じている。
またステージ部66iには、センター窪み部67aの左右にそれぞれ別の窪み部67bが形成されており、これら窪み部67bはセンター窪み部67aとは逆に前方へ向けて下り傾斜を有している。そして、センター装飾体66の下縁部には、ステージ部66iより前方の位置に球放出部67fが形成されており、球放出部67fの中央位置には放出窪み部67cが形成されている。この放出窪み部67cもまた、前方へ向けて下り傾斜を有している。
左右のワープ通路66hからステージ部66iに放出された遊技球は、その上面にて左右方向に揺れながら転動する。このうち、中央のセンター窪み部67aに嵌り込んだ遊技球は、そこから球放出通路67eを経て、球放出口66jから下方に放出される。球放出口66jから放出された遊技球は、その真下位置にある上始動口68に向けて落下し、相当高い確率で上始動口68に入賞することができる。
これに対し、ステージ部66iの上面にて、左右いずれかの窪み部67bに嵌り込んだ遊技球は、そこから球放出部67fに流下し、そして放出窪み部67cを経てセンター装飾体66より下方の遊技領域12に落下する。放出窪み部67cはある程度の幅(遊技球が左右に転動できる幅)を有していることから、その落下方向は一定しておらず、あるものは上始動口68に入賞したり、あるものは上始動口68から左右に逸れて入賞しなかったりする。
なお本実施形態では、ステージ部66iや放出部67fは、いずれも遊技板4aの前面より奧、つまり開口部4fの内側に位置している。このため、遊技球が流下する遊技領域12は遊技板4aの表面から開口部4fの内側にまで広がっており、その分だけ遊技球の流下できる範囲が前後方向に拡張され、立体的で多様な遊技球の流下態様が実現されている。また、このように遊技領域12の範囲が開口部4fの内側にまで拡張されていても、本実施形態では光拡散透過板120によって遊技板4aより後方への遊技球の落下や飛び込みが確実に防止されている。
(6.遊技盤の構造)
図13は、遊技盤4を構成部品に分けた状態で示している。上記のように、遊技板4aの前面には各種入賞口等の他にセンター装飾体66やサイド装飾部材82等の装飾部品が取り付けられているが、遊技板4aには、これら装飾部品の取付位置にそれぞれ開口部4f,4gが形成されている。開口部4f,4gは遊技板4aを前後方向(厚み方向)に貫通して形成されており、このうち中央に大きく形成された開口部4fの開口縁形状はセンター装飾体66の外形に対応し、また左右に対をなして形成された開口部4gの開口縁形状は左右のサイド装飾部材82の外形に対応している。センター装飾体66および左右のサイド装飾部材82は、いずれも前面側から各開口部4f,4gに嵌め込んだ状態で遊技板4aに取り付けられる。
〔背面取付ユニット〕
一方、遊技板4aの背面には大型の背面取付ユニット100が取り付けられている。この背面取付ユニット100は、遊技領域12内での演出動作に関する全ての電装品を1つに集合させたユニットとして構成されている。ここでいう演出動作には、例えば画像の表示や各種の発光動作、可動体の動作等が含まれる。本実施形態において、背面取付ユニット100は上記のセンター装飾体66とともにパチンコ機1の演出動作を行う構成要素である。以下、本実施形態においてセンター装飾体66と背面取付ユニット100とを総称して演出装置(図中参照符号400)と呼ぶものとする。
演出装置400を構成するセンター装飾体66は、遊技板4aの前面側から開口部4fに嵌め込むようにして取り付けられている。これに対し、演出装置400のもう1つの構成要素である背面取付ユニット100は、遊技板4aの背面側に取り付けられた状態で3つの開口部4f,4gを背面側から覆うだけの大きさを有している。すなわち、背面取付ユニット100には、センター装飾体66において演出動作を行うために必要な電装品だけでなく、左右のサイド装飾部材82において演出動作(発光)を行うために必要な電装品が装備されている。
先ず図14は、背面取付ユニット100を単独で正面から示している。背面取付ユニット100は大きく分けて2つのパーツから構成されており、具体的には上側のアッパーパーツ100aおよび下側のロワーパーツ100bを有する。このうちアッパーパーツ100aはセンター装飾体66に対応する電装品が組み込まれた部分であり、一方のロワーパーツ100bは左右のサイド装飾部材82に対応する電装品が組み込まれた部分となっている。
〔センターLED基板〕
アッパーパーツ100aはセンター装飾体66の外形に合わせて横長の矩形に成型されており、その上縁部の中央位置にセンター上LED基板102が設置されているほか、左右の上隅位置にそれぞれセンター左部上LED基板104、センター右部上LED基板106が設置されている。またアッパーパーツ100aの左右の側縁部には、それぞれセンター左部中LED基板108、センター右部中LED基板110が設置されている。さらにアッパーパーツ100aの左右の下隅部には、それぞれセンター左部下LED基板112、センター右部下LED基板114が設置されている。そしてアッパーパーツ100aの下縁部の中央位置には、センター下LED基板116が設置されている。これらLED基板はセンター装飾体66の背後から前方または側方に向けて光を発することで、センター装飾体66の発光領域を装飾的に発光させることができる。また、センター下LED基板116には、光拡散透過板120の後方で上向きに光を発するLEDが実装されており、これら上向きのLEDから発せられた光は、表示画面の前面側で可動体を照射する。
〔光拡散透過板の配置〕
アッパーパーツ100aの中央位置には、上記の光拡散透過板120が設置されている。光拡散透過板120は横長の矩形状をなし、アッパーパーツ100aに対してその前面側から嵌め込むようにして取り付けられている。上記のセンター左部下LED基板112やセンター右部下LED基板114、センター下LED基板116は、アッパーパーツ100a内にて光拡散透過板120の背面側に設置されている。また、センター左部上LED基板104およびセンター右部上LED基板106は、その下側の一部分が光拡散透過板120の背面側に位置している。
〔演出用可動体〕
またアッパーパーツ100aの下縁部には、光拡散透過板120より背後の位置に左右の可動体124が設置されている。左右の可動体124は細長い板状部材から成型されており、アッパーパーツ100aの内側には、このような板状の可動体124が左右でそれぞれ前後方向に4枚ずつ重ね合わせられた状態で収容されている。なお図示の状態では、左右の可動体124が中央位置から左右対称に斜め下方へ垂れ下がったような姿勢を保持している。
また、アッパーパーツ100aの下縁部には、光拡散透過板120の下方位置に可動体駆動部モータ126が設置されているほか、ギヤボックスからなる可動体駆動部128が設置されている。可動体駆動部モータ126は、可動体124を作動させる駆動源となり、また可動体駆動部128は、可動体駆動部モータ126の駆動力を各可動体124に伝達し、実際に可動体124を予め決められた態様で作動させる機能を有する。
また可動体駆動部128には、可動体モータセンサ234が内蔵されている。可動体モータセンサ234は透過式のフォトスイッチからなり、この可動体モータセンサ234により、可動体駆動部モータ126の作動時における可動体124の位置を検出可能となっている。
〔サイドLED基板〕
もう一方のロワーパーツ100bは、ちょうどアッパーパーツ100aの下側にぶら下がるようにして連結されており、その全体的な外形がアルファベットのW字形状をなしている。すなわち、ロワーパーツ100bの左右両側部分は上方へ拡開するようにして延びており、一方、左右両側部分の間をつなぐ連結部分は、その中央位置が僅かに上方へ山形に盛り上がっている。これにより、ロワーパーツ100bを全体としてみるとW字形状をなしていることがわかる。
ロワーパーツ100bの左右両側部分には、それぞれ左サイド上LED基板130、左サイド下LED基板132、右サイド上LED基板134、右サイド下LED基板136が設置されている。これらLED基板は、左右のサイド装飾部材82の背後から前方に向けて光を発することで、各サイド装飾部材82の発光領域を装飾的に発光させることができる。
〔裏誘導通路〕
ロワーパーツ100bの連結部分には、遊技板4aの裏側で入賞球を案内するための裏誘導通路138,139が左右および中央の位置にそれぞれ形成されている。上記の普通入賞口76に入賞した遊技球が遊技板4aの裏側へ落下すると、それぞれ左右の対応する裏誘導通路138に案内される。左右の裏誘導通路138は、ロワーパーツ100bの下端位置で下方に開放されているが、その僅かに上方にそれぞれ左中・左下入賞口スイッチ140、右中・右下入賞口スイッチ142が設置されている。このため左右の裏誘導通路138内に案内された遊技球は、ロワーパーツ100bの下端から下方に落下する前にそれぞれ対応する入賞口スイッチにより検出される。
また、上始動口68に入賞した遊技球が遊技板4aの裏側へ落下すると、中央の裏誘導通路139に案内される。中央の裏誘導通路139もまた、ロワーパーツ100bの下端位置で下方に開放されているが、ここでは表側の上始動口68に近接した位置に上始動口スイッチ143が設置されている。このため、上始動口68に入賞した遊技球は、中央の裏誘導通路139内に案内されると直ちに上始動口スイッチ143により検出される。
その他、ロワーパーツ100bの中央位置には、縦長に磁気検出スイッチ300が設置されている。背面取付ユニット100が遊技板4aの背面に取り付けられると、磁気検出スイッチ300はちょうど上始動口68や下始動口70の左脇に位置付けられる。磁気検出スイッチ300は、磁力を使って遊技球を外部操作する不正行為の対策として設置されている。
〔配線支持部材〕
次に図15は、背面取付ユニット100を背面側から示している。上記のように、アッパーパーツ100aおよびロワーパーツ100bには、それぞれ各種の電装品が設置されているが、図15において具体的に示されているように、背面取付ユニット100内には、これら電装品に接続される電気配線(ハーネス)が予め決められた位置に支持された状態で収容されている。
〔アッパーパーツ内の配線〕
具体的には、先ずアッパーパーツ100aの上縁部には、幅方向に並んで5箇所に配線フック101が形成されており、これら配線フック101は適度な間隔をあけてアッパーパーツ100a内に配列されている。またアッパーパーツ100aの左側縁部(図15では右側)には、上下方向に間隔をあけて2箇所に配線フック101が形成されている。
一方、アッパーパーツ100aの右側縁部(図15では左側)には配線係止具103が形成されており、この配線係止具103はちょうど横向きのT字形状をなして側方に突出している。アッパーパーツ100a内に設置されている各種電装品に接続されるハーネスは、アッパーパーツ100a内で取り回しされた後、最終的に配線係止具103に纏めて取り出されるものとなっている。
先ず上記のセンター左部下LED基板112は、前面側からみてアッパーパーツ100a内の左下隅(図15では右下隅)に位置し、このセンター左部下LED基板112につながるハーネス112hは、左側縁部で上下に並んだ2箇所の配線フック101に支持されて上方に延びている。また、その上方のセンター左部中LED基板108につながるハーネス108hは、上側の配線フック101に支持されて上方に延びている。上側の配線フック101から先でこれら2系統のハーネス112h,108hは1束に纏められ(電気的には別系統のままである)、さらにアッパーパーツ100aの上縁部に並んだ5箇所の配線フック101に順次支持されながら取り回しされた後、右側縁部の配線係止具103にまで到達している。
同様に、センター左部上LED基板104に接続されるハーネス104hは、上縁部の5箇所に並んだ配線フック101に順次支持されながら取り回しされている。また、センター上LED基板102に接続されるハーネス102hは、中央より右側(図15では左側)に並んだ3箇所の配線フック101に順次支持されながら取り回しされている。そしてセンター右部上LED基板106に接続されるハーネス106hは、右端(図15では左端)の配線フック101に支持されて右側縁部へ回り込むようにして取り回しされている。これら3系統のハーネス104h,102h,106hは順次集合するようにして纏められ、最終的に上記のハーネス112h,108hと一緒に1束に纏められた状態で配線係止具103から取り出されている。なお、5系統のハーネス112h,108h,104h,102h,106hの束は、配線係止具103の根元部分に対し、その上方から下方をくぐらせるようにして係止されている。
これに対し、アッパーパーツ100a内で下縁部に位置する可動体駆動部モータ126や可動体モータセンサ234、そして右下隅(図15では左下隅)に位置するセンター右部下LED基板114については、それぞれハーネス126h,234h,114hが下縁部から右側縁部へ回り込むようにして取り回しされた後、右側縁部で1束に纏められた状態で配線係止具103に到達している。これら3系統のハーネス126h,234h,114hは、配線係止具103の根元部分に対し、その下方から上方へ引き上げるようにして係止されている。
〔ロワーパーツ内の配線〕
またロワーパーツ100bには、下縁部の中央位置に1箇所と、左側縁部に2箇所、そして右側縁部に2箇所ずつ配線フック101が形成されている。このうち、左側縁部(図15では右側)の上方に位置する左サイド上LED基板130については、そのハーネス130hが左側縁部の2箇所に配置された配線フック101に順次支持されて下縁部に延び、そして下縁部の中央位置で配線フック101に支持され、さらに右側縁部で3箇所に並んだ配線フック101に順次支持されながら上方へ延びている。
同様に、左側縁部の下方に位置する左サイド下LED基板132は、そのハーネス132hが下側1箇所の配線フック101に支持された後、上記のハーネス130hと一緒の1束に纏められた状態で右側縁部(図15では左側)の上方まで到達している。また、右側縁部の下方に位置する右サイド下LED基板136については、そのハーネス136hが下端位置の配線フック101に引っかけられた後、その上方に並んだ2箇所の配線フック101に順次支持されながら上記2系統のハーネス130h,132hと同じ1束に纏められ、そのまま上方へ延びている。これに対し、右側縁部の上方に位置する右サイド上LED基板148については、そのハーネス148hがどこにも支持されることなく上方に延び、その他3系統のハーネス130h,132h,136hと一緒の1束に纏められている。
〔パネル中継端子板〕
また図15に示されているように、ロワーパーツ100b(連結部分)の背面側にはパネル中継端子板151が設置されている。このパネル中継端子板151には、上記の特別図柄・保留表示LED基板144や普通図柄・保留表示LED基板146、状態表示LED基板148にそれぞれ対応するハーネス144h,146h,148hが1箇所に集合した状態で接続されており、各LED基板は、パネル中継端子板151を経由して主制御基板80に接続されるものとなっている。
このため、主制御基板80の制御下にある特別図柄・保留表示LED基板144はアッパーパーツ100aの上縁部の中央位置に配置されているが、そのハーネス144hは、他の5系統(演出関係)のハーネス112h,108h,104h,102h,106hと一緒に配線係止具103には係止されておらず、そのままアッパーパーツ100aの右側縁部に沿って下方に延び、ロワーパーツ100b内に引き込まれている。そして、このハーネス144hは配線フック101に順次支持されながら下方に取り回しされ、最終的にパネル中継基板151のコネクタに接続されている。
同様に、主制御基板80の制御下にある普通図柄・保留表示LED基板146はロワーパーツ100bの左側縁部の上端に位置するが、そのハーネス146hは配線フック101に順次支持されて下縁部に取り回しされた後、最終的にパネル中継基板151のコネクタに接続されている。また状態表示LED基板148は、そのハーネス148hが配線フック101に順次支持されながら下方に延びた後、同じくパネル中継基板151のコネクタに接続されている。なおパネル中継基板151には、主制御基板80を接続するための2つのコネクタ(14ピン,16ピン)が実装されている。
〔表示ユニット〕
図16は、背面取付ユニット100を構成要素に分けた状態で示している。背面取付ユニット100には、アッパーパーツ100aの背面側に液晶表示ユニット150が組み付けられるものとなっている。また本実施形態では、基板ボックス150aの背面に放熱または冷却用のファン150bが設置されている。
液晶表示ユニット150を支持するため、アッパーパーツ100aの背面側には、その下縁部に受け部100cが形成されているほか、背面側からみて左側縁部に2つの係止部100dが形成されており、さらに右側縁部には上下スライド式のロック部材100eが設置されている。またアッパーパーツ100aの背面は、平坦な受け面として形成されており、液晶表示ユニット150がアッパーパーツ100aに対して背面側から組み付けられると、その受け面に液晶表示ユニット150の表示画面がぴったり密着する関係にある。また、合わせて周縁反射部材122の後端が液晶表示ユニット150の前面に接触し、液晶表示ユニット150を受け止める受け部材としての機能を果たす。
図16には示されていないが、基板ボックス150aの左側縁部には2つの係止部100dに対応して突起部が形成されており、液晶表示ユニット150がアッパーパーツ100aに組み付けられると、2つの係止部100dにそれぞれ突起部が入り込んだ状態で、液晶表示ユニット150がアッパーパーツ100aに係止される。また上下方向に関していえば、液晶表示ユニット150の下面はアッパーパーツ100aの受け部100cに支持され、その落下が防止されることになる。また、基板ボックス150aの右側縁部にはロック爪150cが形成されており、液晶表示ユニット150をアッパーパーツ100aの受け面に密着させた状態で上記のロック部材100eを上方へスライドさせると、ロック爪150cを介して液晶表示ユニット150がロックされ、これにより液晶表示ユニット150の後方への脱落が確実に防止される。本実施形態では、このようなロック爪150cおよびロック部材100eを用いて液晶表示ユニット150を係止することにより、背面取付ユニット100に対して液晶表示ユニット150を容易に取り付けることができる。反対に、液晶表示ユニット150を取り外す際はロック部材100eの係止を解除するだけで容易に液晶表示ユニット150の取り外しが可能となる。これにより液晶表示ユニット150の着脱が容易となり、特にパチンコ機1の中でも高価な電装品である液晶表示ユニット150のリサイクルやリユースが容易となる。
〔ランプ駆動基板(中継基板)〕
上記のように、背面取付ユニット100には各種LED基板をはじめ、可動体駆動部モータ126や液晶表示ユニット150等の演出動作に必要な全ての電装品が装備されているが、これら電装品につながる全ての電気配線(ハーネス類)は、背面取付ユニット100において1箇所にまとめた状態で周辺制御基板に中継されている。すなわち、背面取付ユニット100にはランプ駆動基板156が装備されており、演出動作を目的とした全ての電装品につながる電気配線(5系統のハーネス112h,108h,104h,102h,106h、3系統のハーネス126h,234h,114hおよび4系統のハーネス130h,132h,134h,136h)は全てランプ駆動基板156に集められ、基板上の中継回路に接続される。なおランプ駆動基板156には、周辺制御基板162に接続するためのコネクタが実装されている。
〔基板ケース、ケース支持機構〕
ランプ駆動基板156は、開閉動作式の基板ケース158に収容された状態で背面取付ユニット100に取り付けられる。基板ケース158はアッパーパーツ100aの背面側にヒンジ158aを介して開閉式の基板ケース158が取り付けられており、このため基板ケース158は、背面取付ユニット100の背面側にて開閉可能となっている。また基板ケース158の上縁部に係止部158bが形成されており、これに対応してアッパーパーツ100aの上縁部に受け部100fが形成されている。図15に示される位置から基板ケース158をアッパーパーツ100aの背面に沿うようにして閉じると、係止部158bが受け部100fに差し込まれて係止される。これにより、基板ケース158が閉位置で係止されることになる。
〔基板ケースの開閉動作〕
図16に示されているように、液晶表示ユニット150は、ランプ駆動基板156の基板ケース158を背面側へ開放させた状態で背面取付ユニット100から着脱可能となる。また、液晶表示ユニット150が組み付けられた状態で基板ケース158を閉位置に移動させると、ランプ駆動基板156は液晶表示ユニット150の背面に沿うようにして位置付けられる。なお、ここでいう「開閉」や「開放」、「閉位置」等は、いずれも本実施形態において基板ケース156の前後方向への動きを扉に見立てて表現したものである。厳密にいうと、基板ケース156そのものが何らかの開口や出入口を開閉しているわけではないが、ここでは直感的な理解を容易にするため便宜的に「開閉」等と表現している。以下の説明においても、基板ケース156や制御基板ボックス等の動きについて、扉に見立てた表現を適宜使用するものとする。
〔配線係止具〕
基板ケース158の側縁部(背面側からみて左側)には、ちょうど2つのヒンジ158aの間に配線係止具158cが形成されており、この配線係止具158cには、ランプ駆動基板156に接続されるハーネスの束が一纏めにして係止されるものとなっている。図16に示される状態から基板ケース158が閉じられると、ランプ駆動基板156に接続されたハーネス束は基板実装面(閉位置で遊技板4aの背面側を向く面)からその裏側へUターンするようにして取り回しされる。そしてハーネス束は、基板ケース158の側方で配線係止具158cに纏めて係止され、そのまま背面取付ユニット100にまで直線状に延びている。
一方、図16に示されているように基板ケース158が開放されると、基板ケース158が回動する角度(約90°)に合わせて、配線係止具158cから先の位置でハーネス束がL字状に折り曲げられるが、このときハーネス束がその弾性力で基板ケース158を閉位置に押し返そうとする作用を生じる。このようなハーネス束の弾性力(反発力)により、本実施形態では係止具158cの係止が解除された状態であっても基板ケース158がむやみ勝手に開閉動作することがなく、常に基板ケース158の姿勢を閉位置で安定させることができる。
〔下裏誘導部材(基板取付ユニット)〕
次に図17は、背面取付ユニット100が遊技板4aに装着された状態を背面側から示している。背面取付ユニット100とは別に遊技板4aの背面には、その下縁部の位置に下裏誘導部材160が設置されている。下裏誘導部材160は遊技板4aの幅寸法より僅かに短い横幅を有しており、その両側端部に形成された2本の挿入部160cが遊技板4aに差し込まれた状態で前面側からねじ止めにより固定されている。下裏誘導部材160には、全ての入賞口に入賞した遊技球を誘導するための全入賞球誘導通路160aが形成されており、この全入賞球誘導通路160aには、上記の裏誘導通路138,139を通って落下した遊技球をはじめ、下始動口70または大入賞口72に入賞した遊技球が落下して回収されるものとなっている。図17には詳しく示されていないが、全入賞球誘導通路160aは遊技板4aの背面に沿って幅方向に長く延びており、そして下裏誘導部材160の下端位置で下方に開放されている。なお、全入賞球誘導通路160aから下方に放出された遊技球は本体枠3に形成されている入賞球回収経路を通り、その後、球放出部(図3中、払出制御基板58の直ぐ下方に位置する)から島設備の回収経路に向けて放出される。
〔制御基板ボックス、基板支持機構〕
上記のように遊技盤4の背面側には、主制御基板80とともに周辺制御基板162が設置されているが、これら主制御基板80および周辺制御基板162は、いずれも対応する主制御基板ボックス80aまたは周辺制御基板ボックス162aに収容されている。このうち主制御基板ボックス80aは、背面側からみて左側縁部が上下2箇所のヒンジ部80c(図18には上方1箇所のみ示されている)を介して周辺制御基板ボックス162aの背面側に回動自在に支持されている。
一方の周辺制御基板ボックス162aは、背面側からみて左側縁部が上下2箇所のヒンジ部162bを介して下裏誘導部材160に支持されている。このため図17に示されているように、周辺制御基板ボックス162aを後方へ開放すると、これと一緒に主制御基板ボックス80aが開放される。本実施形態では、周辺基板ボックス162aの右側縁部に係止部162cが形成されており、一方、下裏誘導部材160には係止部162cに対応する受け部160bが形成されている。このため周辺基板ボックス162aを遊技板4aの背面に向けて押し込むと、係止部162cが受け部160bに係止され、周辺基板ボックス162aが取付位置で固定される。また主制御基板ボックス80aの右側縁部にも係止部80dが形成されており、この係止部80dは、周辺制御基板ボックス162aの係止部162cに係止される。したがって、係止部80dの係止を解除することで、主制御基板ボックス80aが周辺制御基板ボックス162aに対して単独で開閉可能となっている。
下裏誘導部材160の下部には、左右の2箇所に突出部160d,160eが形成されている。これら突出部160d,160eは遊技板4aの後方へ向けて突出しており、このうち一方(図17でみて左側)の突出部160dは、周辺制御基板ボックス162aのヒンジ部162bを受ける部材として利用されている。本実施形態では、遊技盤4を単独で台上や床上に置いたとき、2箇所の突出部160d,160eが遊技盤4の後方で支えとなり、その後方への転倒を防止することができる。これにより、ホールでの盤替え作業時において、遊技盤4を台上や床上に仮置きしておく際の安定性が増し、作業性を向上することができる。なお、このとき突出部160d,160eと合わせて周辺制御基板ボックス162aや主制御基板ボックス80aを支えに利用してもよい。
〔背面取付ユニットの着脱性〕
図18は、遊技盤4の背面側における背面取付ユニット100の着脱を示している。図示のように、主制御基板ボックス80aとともに周辺制御基板ボックス162aを遊技板4aの後方へ回動させた状態では、下裏誘導部材160の中央部分が大きく後方へ開放されている。したがって、この状態で背面取付ユニット100は単独で遊技板4aに対して容易に着脱可能となっている。
〔構成要素の配置関係〕
以上が遊技盤4の構造と各種構成要素の配置の詳細であるが、本実施形態では、構成要素の配置関係について以下の特徴を有する。
既に図6,7に示されているように、センター装飾体66は、遊技板4aの前面側から開口部4fに嵌め込まれた状態で遊技板4aの背面側にまで突出している。これにより遊技者は、遊技板4aの前面から奥に入り込んだ位置までセンター装飾体66の立体的な装飾形状を視認することができるので、そこに視覚的な奥行きを感じることができる。
一方、背面取付ユニット100は遊技板4aの背面に取り付けられているが、センター装飾体66が遊技板4aの背面側に突出している分、上記の光拡散透過板120は遊技板4aの背面よりも後方に位置している。なお本実施形態では、背面取付ユニット100が取り付けられた状態で、光拡散透過板120の前面がちょうどセンター装飾体66の後端面に接触するか、もしくは極めて近接する構造となっており、この位置で光拡散透過板120は遊技領域12内から後方への遊技球の落下を防止し、その背後にある可動体124や液晶表示ユニット150を保護している。
また光拡散透過板120は、遊技板4aの後方で開口部4fの開口面積よりも大きい範囲に広がっているため、光拡散透過板120による開口部4fから後方への遊技球の飛び込み防止がより一層確実となる。
光拡散透過板120の前面側では、開口部4fの周囲が各種の装飾体(内縁装飾体66d,下部装飾体67等)によって縁取られており、一方、光拡散透過板120の後方では、周縁反射部材122によって液晶表示ユニット150の表示画面が縁取りされているが、前後でこれら縁取りの大きさを比較すると、光拡散透過板120の前面側の縁取りに比較して、その後方の周縁反射部材122による表示画面の縁取りの方が大きくなっている。このため、光拡散透過板120の後方で液晶表示ユニット150の表示画面サイズを開口部4fの開口面積よりも大きく確保することができ、それだけ迫力のある演出表示が可能となるし、表示画面の奥行き感が強調される。
また液晶表示ユニット150は、光拡散透過板120の後方に間隔をあけて離れた位置に設けられており、このため光拡散透過板120と液晶表示ユニット150の表示画面との間には、前後方向に厚みを有した空間部が形成されている。上記の可動体124はこの空間部内にて動作することができる。
また、背面取付ユニット100内には、空間部の周縁(特に上側と左右両側)を囲うようにして周縁反射部材122が配置されているが、図中の断面形状から明らかなように、空間部の左右両側において周縁反射部材122は奧側から前面側に向けて幅広となるテーパ形状をなしている。すなわち左右の周縁反射部材122の間には、液晶表示ユニット150の表示画面の直前でみた幅より、そこから前面側に向かう位置でみた幅の方が次第に広くなり、光拡散透過板120の直後で最も大きく幅が拡張されている。したがって空間部は、表示画面の直前から手前側へ向かうに連れて左右方向に広がる形状をなしている。
〔可動体の動作態様〕
次に図19は、空間部内での可動体124の動作態様を示している。図中に2点鎖線で示されているように、可動体124は非作動時に左右で4つずつのグループに分かれ、遊技者から視認されない位置(遊技板4aの背後で開口部4fよりも下方の位置)に隠れて待機している。そして図中に実線で示されているように、作動時に個々の可動体124はそれぞれ角度の異なる作動位置まで変位し、全体として扇を象るようにして配置される。なお、個々の可動体124の表面には「鳳凰の羽根」を象った緻密な造形が施されており、これによりセンター装飾体66のデザインとの統一が図られている。
この状態を遊技者の視点からみると、先ず最も手前側にセンター装飾体66の装飾面(前面)が位置し、これより少し奧の位置に遊技球が左右方向に揺れ動くステージ部66iや内縁部の装飾面が位置し、次に光拡散透過板120を挟んで奧の空間部内に可動体124が位置し、そして可動体124よりもさらに奧に液晶表示ユニット150の表示画面が位置することになる。したがって、遊技者が最も奧の表示画面に視線を送るとき、その手前側に空間部や可動体124、光拡散透過板120、センター装飾体66の装飾面やステージ部66i等を視界の中に認めることとなり、これらの前後方向への重なりによって視覚的な奥行き感や立体感が強調される。
〔一実施形態の構造上の利点〕
以上のような構成により、本実施形態おいて以下の利点が生じている。
(1)液晶表示ユニット150の前面側に光拡散透過板120が配置され、さらに光拡散透過板120の後方に空間部が形成されている分、遊技者の視点からみて表示画面が奥まった位置に存在することとなるため、それだけ表示に奥行きが感じられる。
(2)また、光拡散透過板120と液晶表示ユニット150の表示画面との間の空間部内に可動体124が配置されており、可動体124は液晶表示ユニット150の表示画面の前面側で作動するので、遊技者からみて表示画像と可動体124との重なりによる立体感が生じ、視覚的な奥行き感がさらに強調される。
(3)さらに、遊技板4aの開口部4fの内側にまで遊技領域12が及んでいることから、遊技球の転動する範囲が前後方向に奥行きを持ち、それだけ遊技球の多様な転動態様が遊技者に視認される。あわせて、ステージ部66iが液晶表示ユニット150の表示画面や空間部、可動体124の前面側に重なって視認されるため、遊技者は遊技球の多様な転動態様に注意を引かれつつ、その奧に位置する可動体124や表示画面の存在を視認することにより、表示の立体感を強く印象付けられる。
(4)光拡散透過板120が遊技板4aの開口部4fの開口面積よりも広い範囲に拡がって配置されているので、その後方に配置される液晶表示ユニット150の表示画面サイズを開口部4fの開口面積よりも大きく確保することができる。このため、表示画面の配置に基づく前後方向への奥行き感を強調するだけでなく、表示画面サイズを開口部4fの奥で上下左右方向や斜め方向へ拡大させた迫力のある表示が可能となる。
(5)上記の周縁反射部材122は空間部の周囲を区画することで、空間部の周囲にある構成部品や電装品等が遊技者から視認されるのを防止している。このため、空間部内での見栄えを向上し、遊技者に雑然とした印象を与えることがない。
(6)また周縁反射部材122は、空間部の左右において奥側から手前側へ向かうにつれて次第に拡張されたテーパ形状を有している。このため、空間部内では遊技者の視点からみた遠近感が強調され、空間部よりも奥にある表示画面を視認する際の奥行き感をより一層強調することができる。
(7)周縁反射部材122は装飾としての機能だけでなく、その後端にて液晶表示ユニット150の前面を受ける機能をも有する。このため、背面取付ユニット100において液晶表示ユニット150を確実に支持することができ、液晶表示ユニット150の動作中に表示画面の位置がぶれたり、がたついたりすることがなく、安定した表示を提供することができる。
(8)背面取付ユニット100には、演出動作や抽選情報の表示、内部状態の表示を目的として遊技盤4に取り付けられる全ての電装品(または大部分の電装品)が設置されており、この状態で1つのユニットとして遊技板4aの背面に取り付けられている。このため、パチンコ機1は高度に電子化された多数の部品を装備しているにもかかわらず、完成品としての状態で構造が簡素で合理的である。
(9)さらに、背面取付ユニット100には、全ての電装品に接続される電気配線(ハーネス)が予め決められた位置に支持された状態で収容されており、これら電気配線は、全て1箇所のランプ駆動基板156に纏められ、ここを中継して周辺制御基板162に接続されている。このためパチンコ機1は、高度に電子化された多数の電装品を有するにもかかわらず、完成品の状態で配線類が背面取付ユニット100に収容された状態ですっきりと纏められているため、配線が他の部品類に干渉しないし、電気ノイズの介入にも強いという構造上の利点を有する。
(10)加えて、本実施形態では、主制御基板ボックス80aとともに周辺制御基板ボックス162aを遊技板4aの後方へ回動させた状態で、背面取付ユニット100を単独で遊技板4aに対して容易に着脱可能であることから、遊技盤4の製造工程において、背面取付ユニット100を先に取り付けてから下裏誘導部材160を取り付けることもできるし、反対に下裏誘導部材160を先に取り付けてから背面取付ユニット100を取り付けることもできる。したがって、製造現場の実情に合わせてより効率的な作業手順を際することができ、製造工程における効率化にも寄与できる合理的な構造となる。
(11)また本実施形態の遊技盤4では、パネル装飾体4dをはじめ、案内レール11や背面取付ユニット100はいずれも遊技板4aに対して強固に取り付けられる構造である。具体的には、パネル装飾体4dは遊技板4aに対して挿入式に固定され、挿入後において抜け止め用のねじによって締結されている。また、背面取付ユニット100はねじ等の締結部材によって遊技板4aの背面側に締め付けられ、容易に脱落したり、位置ずれしたりすることなく遊技板4aに確実に固定される。この点、遊技板4aに対して背面取付ユニット100を着脱容易に係止させているだけの構造では、パチンコ機1の作動時にパネル装飾体4dや背面取付ユニット100ががたついたり、位置ずれしたりしてしまうことになり、遊技球を発射したり、流下を案内したりする動作が不安定になったり、あるいは背面取付ユニット100による表示画面の安定性が悪いという欠点が生じる。これに対し、本実施形態ではいずれも強固に遊技板4aに固定されているため、極めて安定性が高く、遊技の進行に支障を来すことがない。
(12)本実施形態では、演出装置400が主にセンター装飾体66と背面取付ユニット100から構成されており、センター装飾体66には、各種の発光領域が形成されているにもかかわらず、特段の電気的な部品・配線・基板等が全く装備されておらず、発光動作を行うための電気的な構成要素(ソレノイド、LED、基板、コネクタ、ハーネス類)は全て背面取付ユニット100に設けられている。このためパチンコ機1の製造工程(特に遊技盤4の組み立て工程)では、センター装飾体66を遊技板4aに組み付ける際に電気的な構成要素を取り付ける作業を行う必要がないことから、それだけ作業工数を低減し、パチンコ機1の製造効率を大幅に向上することができる。
(7.制御構成)
図20は、パチンコ機1に装備されている各種電装品の構成を概略的に示している。パチンコ機1の制御は、主基板(主制御基板80と払出制御基板58)のグループと周辺基板(周辺制御基板162)のグループとで分担されており、このうち主基板のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。なお、図面の煩雑化防止のために便宜上、図6には基板のグループ分けを表す囲み線は示していない。
〔主制御基板〕
主制御基板80は、パチンコ機1の遊技の進行を統括的に制御するためのものである。主制御基板80には、CPU218やROM220、RAM222等(例えばROM・RAM内蔵型CPU)の電子部品が実装されており、そのCPU218において各種制御処理(プログラム)が実行される。制御処理の実行に伴い、主制御基板80は主に遊技者の利益に関わる内部抽選を行ったり、その抽選結果に基づいて可変入賞装置の作動を制御したり、内部的な遊技状態を制御したりする機能を有するほか、払出制御基板58に対して賞球の払出を指示する機能を有する。
〔スイッチ類〕
主制御基板80には、遊技の進行を制御するため各種のスイッチ類が接続されている。スイッチ類には上始動口スイッチ143の他、下始動口スイッチ200、全入賞口入賞計数スイッチ202等がある。上始動口スイッチ143は上始動口68に入賞した遊技球を検出すると、上始動口入賞検出信号を主制御基板80に入力する。また下始動口スイッチ200は、下始動口70に入賞した遊技球を検出すると、下始動口入賞検出信号を主制御基板80に入力する。また全入賞口入賞計数スイッチ202は、入賞口の種類に関わらず、入賞球となった遊技球を計数するための全入賞口入賞計数検出信号を主制御基板80に出力する。これら上始動口スイッチ143や下始動口スイッチ200、全入賞口入賞計数スイッチ202は、それぞれハーネスを通じて主制御基板80に接続されている。
本体枠3の背面側には、その上縁部で外枠2の前面が接する位置に接点式の内枠開放スイッチ204が設置されている。この内枠開放スイッチ204は内枠、つまり本体枠3が開かれると、内枠開放検出信号を主制御基板80に出力する。一方、本体枠3の前面側には、同じく上縁部で前面枠5の背面が接する位置に接点式の扉開放スイッチ206が設置されている。扉開放スイッチ206はガラス扉、つまり前面枠5が開かれると、扉開放検出信号を主制御基板80に出力する。これら内枠開放スイッチ204および扉開放スイッチ206もまた、それぞれハーネスを通じて主制御基板80に接続されている。
遊技盤4の遊技領域12には、左右の通過ゲート74にそれぞれ対応して左ゲートスイッチ208、右ゲートスイッチ210が設置されており、これら左右のゲートスイッチ208,210は、遊技球の通過を検出すると、ゲート通過検出信号を出力する。左右のゲートスイッチ208,210は、パネル中継端子板151を介して主制御基板80に接続されており、それゆえゲート通過検出信号は、パネル中継端子板151およびパネル中継ハーネス(16ピンタイプ)を経由して主制御基板に入力される。
また、上記の左中・左下入賞口スイッチ142および右中・右下入賞口スイッチ140は、背面取付ユニット100においてパネル中継基板151に接続されており、パネル中継基板151を介して入賞球検出信号を主制御基板80に入力する。
また遊技板4aの背面側には、上記の大入賞口72に入賞した遊技球を検出するためのカウントスイッチ212が設置されており、このカウントスイッチ212もまた、遊技板4aの背面側でパネル中継基板151を介して主制御基板80に接続さている。カウントスイッチ212は、大入賞口72の開放時に入賞した遊技球を検出し、大入賞口入賞カウント信号を出力する。このとき大入賞口入賞カウント信号は、パネル中継基板151を介して主制御基板80に入力される。
また遊技板4aの背面側には、大入賞口72の開閉部材72aを開閉動作させるための大入賞口ソレノイド214が設置されている。大入賞口ソレノイド214はパネル中継基板151を介して主制御基板80に接続されており、遊技の進行中(例えば大当り遊技中)に主制御基板80から駆動信号が出力されると、大入賞口ソレノイド214が励磁される。遊技板4aの背面側には、大入賞口ソレノイド214の他に開閉部材72aを開閉動作させるリンク機構が設置されており、大入賞口ソレノイド214が励磁されると、リンク機構の働きによって開閉部材72aが遊技盤4の前面側へ倒れ込むようにして開放位置に変位し、この状態で大入賞口72への入賞が可能となる。なお開閉部材72aは、開放位置で遊技球の入賞を案内する案内部材としても機能する。
同様に遊技板4aの背面側には、下始動口70に適用されている2つの可動片70aを開閉動作させるための普通電動役物ソレノイド216とリンク機構が設置されており、普通電動役物ソレノイド216は、パネル中継基板151を介して主制御基板80に接続されている。遊技の進行中に主制御基板80から駆動信号が出力されると、普通電動役物ソレノイド216が励磁されて2つの可動片70aが左右方向に倒れるようにして変位し、この状態で下始動口70への入賞が可能となる。なお可動片70aは、開放状態で遊技球の入賞を案内する案内部材としても機能する。
その他、既に説明したように、背面取付ユニット100に設置されている状態表示LED基板148や普通図柄・保留表示LED基板146、特別図柄・保留表示LED基板144は、パネル中継基板151を介して主制御基板80に接続されている。またパネル中継基板151と主制御基板80との間は、2本のパネル中継ハーネスで接続されている。
本実施形態では、実際に遊技板4aの背面側で主制御基板ボックス80aが閉位置に押し込まれると、周辺制御基板ボックス162aを挟んで直ぐ前方にパネル中継基板151が位置しているので、パネル中継ハーネスの長さは必要最小限に抑えられる。このため、配線途中での電圧降下が最小限に抑えられるし、主制御基板80につながる電気配線をノイズ環境に晒す危険性を最小限に食い止めることができる。
〔払出制御基板〕
主基板グループに属するもう一つの払出制御基板58は、既に説明したように枠体(本体枠3)に設置されている。払出制御基板58には、CPU252をはじめROM254、RAM256等の電子部品が実装されており、上記の主制御基板80と払出制御基板58との間では、互いを接続する払出制御ハーネスを通じて双方向通信が行われる。具体的には、主制御基板80から賞球信号が払出制御基板58に送信されると、これに応じてACK信号が払出制御基板58から主制御基板80に返される。その他、主電源スイッチ52aのOFF操作や瞬間的な停電等による電源供給の停止時には、払出制御基板58から主制御基板80に対して主停電予告信号が送信される。また賞球装置44において球詰まりや球切れ等が発生した場合は、エラー信号が払出制御基板58から主制御基板80に送信されるものとなっている。
本実施形態では、払出制御基板58に対し、上記の電源中継端子板56を通じて動作電力(DC+34V、+12V)が供給されており、そして払出制御基板58を経由して主制御基板80に動作電力が供給されている。また周辺制御基板162には、電源中継端子板56を通じて動作電力が供給されている。
また払出制御基板58には、上記のインタフェース基板60が接続されており、払出制御基板58はインタフェース基板60を介して島設備のCRユニット250と双方向に通信可能に接続されている。また前面枠5の内側には、開口窓30より下方の位置に度数表示基板248が設置されており、度数表示基板248もまたインタフェース基板60を通じて島設備のCRユニット250と双方向通信可能に接続されている。この他に、払出制御基板58には満タンスイッチ246が接続されている。満タンスイッチ246は下皿17が遊技球で満杯になると、下皿満杯信号を払出制御基板58に出力する。
通常、CRユニット250にプリペイドカード等が挿入されると、そこに記録された残り度数(金額に対応した数値)が読み込まれ、現在の残り度数が度数表示基板248により数値表示される。なお数値表示は、上記の度数表示部30aにおいて前面枠5の前面側から視認可能である。また、遊技者が前面枠5の貸出ボタン30bを押し込み操作すると、予め設定された度数に対応する個数の遊技球の貸出動作が行われる。一方、プリペイドカードに貸出度数が残っている状態で遊技者が返却ボタン30cを押し込み操作すると、CRユニット250に挿入されたプリペイドカードが排出(遊技者に返却)され、それ以上の貸出操作は受け付けられなくなる。なお、プリペイドカードの残り度数がなくなると、そのプリペイドカードはCRユニット250から単に排出される。
〔賞球装置、発射装置〕
また払出制御基板58には、賞球装置44の他に発射装置258が接続されている。賞球装置44は賞球ケース内基板44aを有しており、賞球ケース内基板44aにて払出制御基板58との間で双方向通信が可能となっている。賞球装置44の賞球ケース(透明な樹脂製ケース)内には、賞球ケース内基板44aの他に球切れスイッチ240や払出計数スイッチ244、賞球モータ242等が装備されている。このうち、球切れスイッチ240は賞球ケース内で遊技球が残数不足になると、球切れスイッチ信号を出力する。また払出計数スイッチ244は、実際に賞球装置44から払い出された遊技球を検出し、払出計数スイッチ信号を出力する。賞球モータ242はステッピングモータからなり、その回転によって遊技球を実際に払い出したり、貸し出したりする際の駆動力を発生する。
また上記のように、発射装置は発射制御基板50の他に発射モータ46やタッチスイッチ236、発射停止スイッチ238等の電装品を含んで構成される。本実施形態では、タッチスイッチ236は発射ハンドル18のケースに内蔵されており、この位置で遊技者の身体が発射ハンドル18に触れていることを検出すると、タッチスイッチ信号を出力する。
発射停止スイッチ238もまた発射ハンドル18のケースに内蔵されており、これに対応して、発射ハンドル18には押込式の単発スイッチが設置されている。発射ハンドル18を捻った状態で遊技者が単発スイッチを操作している間は発射モータ46による打ち出しが止まり、いわゆる単発打ちが可能となる。
〔周辺制御基板〕
周辺制御基板162は、CPU224やROM226、RAM228、音ROM230、音源IC232等を備えており、周辺制御基板162は、主制御基板80から送信される指令信号に基づいて、枠体については左右の上部スピーカ36および下部スピーカ14の作動を制御するほか、枠ランプ27の発光動作を制御する。また遊技盤4ついては、周辺制御基板162は液晶表示ユニット150による画像の表示や、各種LED基板(符号省略)による発光動作、可動体駆動部モータ126による可動体124の作動を制御している。ただし、周辺制御基板162は主制御基板80から指令信号を受け取る一方であり、その逆は行われない。
また周縁制御基板162は、パチンコ機1の待ち受け状態(遊技者が着席していない状態)において、液晶表示ユニット150において行われるデモンストレーション表示を制御する。例えば、主制御基板80のCPU218において、予め設定された時間にわたり遊技者による遊技の進行が見られない状態(例えば、CRユニット250との間で通信が行われない、遊技球の発射が行われない等の状態)が続くと、主制御基板80から周辺制御基板162に対して待ち受け状態である旨を表すコマンドが送信される。これを受けて周辺制御基板162では、デモンストレーション表示を実行する制御が行われる。デモンストレーション表示では、例えばパチンコ機1の機種に関する情報や製造メーカーに関する情報、演出的な画像等が表示される。このため主制御基板80および周辺制御基板162は、周縁反射部材122による反射光を用いた遊技者への訴求力の向上を実現するために必要な機能を発揮する構成要素となる。
枠体については、左右の上部スピーカ36や下部スピーカ14、枠ランプ27等は、全て枠装飾中継端子板63を介して周辺制御基板162に接続されている。また上記のように遊技盤4については、液晶表示ユニット150を除く全ての電装品(センターLED基板102,104,106,116、サイドLED基板108,110,112,114、可動体駆動部モータ128、可動体モータセンサ234)はランプ駆動基板156を介して周辺制御基板162に接続されている。
液晶表示ユニット150の具体的な表示動作は液晶制御基板152により制御されており、液晶制御基板152にはVDP(Video Display Processor)や各種の画像データを格納したキャラクタROM等が装備されている。
(8.制御処理の例)
次に、主制御基板80のCPU218により実行される基本的な制御処理の例について説明する。
〔メイン処理〕
図21は、メイン処理(電源投入により実行される処理)の一例を示している。主電源スイッチ52aのON操作によりパチンコ機1に電力の供給が開始されると、主制御基板80のCPU218は電源投入時処理を実行する(ステップS100)。この電源投入時処理では、CPU218は内蔵のレジスタを初期化するとともに、RAM222のチェックデータ(予め固定された値)が正常であるか否か、前回の停電時にバックアップされたサムデータが正常であるか否か等を判断する。
これらバックアップデータが正常であれば、CPU218はバックアップデータに基づいて前回の停電時の状態を復旧する処理(復電時処理)を実行する。特に、前回の停電時に遊技が進行途中であったような場合(ゲーム中の停電等)、そのとき実行された停電時処理において停電時の遊技状態を表す情報(大当り中、確変中、特別図柄変動中、始動記憶数等の情報)がRAM222にバックアップデータとして記憶されている。この場合、CPU218は前回の停電時におけるスタックポインタを設定すると、前回の停電時にバックアップ領域に退避しておいたデータを元にレジスタの内容を復元し、CPU218は電源投入時処理を終了する。これにより、ステップS200,S300のループに飛んで停電前の状態から引き続き遊技が続行されることになる。
これに対し、バックアップデータが異常であると判断すると、CPU218はRAM222をクリアして作業領域の初期設定や割込み初期設定等を行う。あるいは、電源投入時処理においてRAM消去スイッチが操作されていれば、CPU218はRAM222をクリアし、通常どおり作業領域の初期設定や割込み初期設定等を行う。なお、RAM消去スイッチは払出制御基板58に設けられており、ホールの従業員が本体枠3を前面側へ開放させると、この状態で電源スイッチとともにRAM消去スイッチが操作可能となる。
電源投入時処理を終えると、CPU218はステップS200,S300のループ処理を実行する。なお、上記のように停電時の状態が復旧(復電)された場合には、停電前の状態からループ処理が続行される。
ループ処理の中で、CPU218は定常的に停電予告信号がONになっているか否かを判断する(ステップS200)。主電源スイッチ54aのOFF操作等により、電源基板54において供給電力の電圧低下が検出されると、電源基板54から払出制御基板58に主停電予告信号が出力され、そして払出制御基板58から主制御基板80に停電予告信号が送信される。停電予告信号は、CPU218のNMI端子に入力されているため、この場合、CPU218はマスク不能割込み(NMI)処理として電源断時処理(ステップS400)を実行する。
ループ処理の中で特に停電予告信号がONになっていなければ、CPU218は乱数更新処理(2)を繰り返し実行する。この乱数更新処理(2)では、抽選の当落に関係しない各種の乱数(リーチ判定乱数、変動表示パターン乱数等)の更新が行われる。
〔電源断時処理〕
図22は、電源断時処理の一例を示している。電源断時処理では、CPU218は最初に割込禁止設定(ステップS402)を行い、INT端子への入力を無視する。この他に、CPU218は各種レジスタの内容をRAM222のレジスタ退避領域に退避させ、同じくスタックポインタを退避させる。次回の電源投入によって実行される電源投入時処理では、これら退避された内容にもとづいてレジスタ内容が復元される。またCPU110は出力ポートのクリア処理を行い、これによって各出力ポートをOFFの状態にする。これにより、停電予告信号の入力後において遊技の進行状態に変化が生じることはなくなる。
また、CPU218は、RAM222の記憶情報からサムデータを作成し、これを保存する(ステップS404)。すなわちCPU218は、チェックサムの算出対象となるRAM222のバックアップ領域の算出開始アドレスをポインタにセットし、合わせてチェックサムの算出回数をセットする。そしてCPU218は、チェックサムデータ領域の値に対し、ポインタによって順次指示されるバックアップ領域の値を順番に足し込み(排他的論理和)、その演算結果を順次チェックサムデータ領域に更新して最終的にチェックサムを算出する。このようにして作成されたサムデータは、次回の電源投入時処理においてサムチェックに使用される。
そして、CPU218はバックアップフラグの設定を行い(ステップS406)、RAM222のアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定してアクセスを禁止すると(ステップS408)、CPU218は電源投入時処理を終了する。そして、CPU218は電源投入処理(図21)に戻ると、無限ループを実行したまま待機状態になる。なお、この後は電源基板54においてコンデンサに蓄えられた電力が尽きるのを待つだけとなる。
〔タイマ割込処理〕
図23は、タイマ割込処理の一例を示している。主制御基板80のCPU218では、一例として4ms毎にタイマ割込が発生してタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理では、先ずCPU218はレジスタを退避した後(ステップS1000)、以下の処理(ステップS1100〜ステップS2000)を実行する。そして最後にレジスタを復帰して(ステップS2100)、電源投入処理のループに戻る。
レジスタ退避後、CPU218はスイッチ入力処理(ステップS1100)を行う。このスイッチ入力処理では、主制御基板80に接続された各種スイッチ(パネル中継基板151を介して接続されたスイッチを含む)からのスイッチ信号を監視する処理が行われる。
次の払出動作処理(ステップS1200)では、CPU218は先のスイッチ入力処理(ステップS1100)で入力された各種スイッチ信号(上始動口入賞検出信号、下始動口入賞検出信号、入賞球検出信号、大入賞口入賞カウント信号等)に基づき、それぞれ対応する個数分の賞球の払い出しを払出制御基板58に指示する。
次に乱数更新処理(1)では、CPU218は抽選の当落に関係する乱数を更新する。例えば、抽選の当落に関係する乱数として大当り乱数が規定されている場合、その全乱数値(0〜16383)の範囲内で乱数値が1つインクリメントされる。このように、4ms毎のタイマ割込処理において乱数を更新することにより、大当り確率の正確性が保証されている。
また遊技処理(ステップS1400)では、CPU218は大当りの当落に関する内部抽選を実行する。すなわち、この遊技処理においてCPU218は、上始動口68または下始動口70への入賞を契機として各種の乱数を抽出し、この乱数に基づいて当り判定を行ったり、図柄の変動パターンを決定したりする処理を行う。
次の普通図柄遊技(ステップS1500)では、CPU218は普図表示LED146aおよび普図始動記憶LED146bの発光動作を制御する。そして、次の普通電動役物遊技(ステップS1600)では、CPU218は普通電動役物ソレノイド216の作動を制御する。本実施形態では、遊技領域12に設置されている左側のサイド装飾部材82の上部位置に6つの発光領域が形成されており、これら発光領域は、それぞれ2つの普図表示LED146aまたは4つの普図始動記憶LED146bに対応している。
例えば、普通図柄遊技(ステップS1500)において、普通図柄を表す発光領域が当り図柄を表す態様で停止表示される制御が行われると、次の普通電動役物遊技(ステップS1600)において普通電動役物ソレノイド216が規定の時間だけ励磁され、これにより下始動口70が規定時間(例えば0.5秒)だけ開放される。
次の特別図柄遊技(ステップS1700)では、CPU218は特図表示LED144aおよび特図始動記憶LED144bの発光動作を制御する。そして、次の特別電動役物遊技(ステップS1800)では、CPU218は大入賞口ソレノイド214の作動を制御する。上記のように、本実施形態ではセンター装飾体66の上縁部に特図表示LED144aおよび特図始動記憶LED144bに対応する発光領域L1〜L4,M1〜M4が形成されている。
例えば、特別図柄遊技(ステップS1700)において、特別図柄を表す発光領域L1〜L4が大当り図柄を表す態様で停止表示される制御が行われると、次の特別電動役物遊技(ステップS1800)において大入賞口ソレノイド214が一定時間(例えば30秒間)、規定回数(例えば16回)だけ励磁され、これにより大入賞口72が決まったパターンで開放される(いわゆる大当り遊技)。
次にコマンド伝送出力処理(ステップS1900)では、CPU218は先の遊技処理(ステップS1400)で決定した変動パターンコマンドを周辺制御基板162に送信する処理を実行する。これを受けて、周辺制御基板162のCPU224は演出パターンを決定し、液晶表示ユニット150や各種LED、スピーカ等の動作を制御することになる。
そしてI/Oポート出力処理(ステップS2000)では、CPU218はパチンコ機1の外部に向けて遊技状態を表す状態信号を出力する処理を行う。状態信号は、主制御基板80に接続された外部端子板62を通じてホールコンピュータに送信される。また、合わせてCPU218は、特図始動記憶LED144bに対して点灯信号を出力する処理を実行する。
以上のステップS1100〜ステップS2000を実行すると、CPU218はステップS2100においてレジスタを復帰させた後、タイマ割込処理をリターンする。
以上が一実施形態のパチンコ機1における制御処理の例である。この他にも、パチンコ機1においては各種の制御処理が実行されているが、ここではその具体的な内容について省略する。