JP4765944B2 - 内燃機関の異常判定装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の異常判定装置に関し、特に、燃焼室内で燃料を噴射する形式(所謂、筒内噴射形式)の内燃機関に係わる。
内燃機関においては、通常、燃焼室内の混合気の空燃比(以下、単に「空燃比」と称呼することもある。)を目標空燃比(例えば、理論空燃比等)に一致させるために燃料噴射量のフィードバック制御(空燃比フィードバック制御)が実行される。この場合において、例えば、インジェクタ、エアフローメータ等を含む燃料噴射系に係わる構成部材に何らかの異常が発生すると、インジェクタから実際に噴射される燃料の量が目標空燃比に対応する量から乖離することで空燃比が目標空燃比から乖離する傾向が発生し得る。この乖離傾向は、例えば、上記空燃比フィードバック制御において上記乖離傾向に基づいて計算されるフィードバック補正量が大きい値になることで判定され得る。
そこで、例えば、特許文献1に記載の装置では、空燃比の目標空燃比からの乖離傾向が発生したと判定された場合(例えば、上記フィードバック補正量が過度に増大した場合等)、燃料噴射系の異常が発生したと判定されるようになっている。
特開2003−322047号公報
ところで、近年、インジェクタの噴孔が燃焼室内に配置されて燃焼室内で燃料が直接噴射される筒内噴射形式の内燃機関が開発されてきている。係る筒内噴射形式の内燃機関では、インジェクタの噴孔と燃焼室内壁面との距離が極めて近いため、噴射燃料が燃焼室内壁面に直接衝突し得る。このため、噴射燃料が霧化(気化)され難い内燃機関の冷間時において、噴射燃料のうち燃焼に供されることなく燃焼室内壁面に液滴の状態で付着・残留する液滴燃料が特に多くなる。
係る未燃の液滴燃料は、ピストンの上下動に伴って、ピストンの潤滑のために燃焼室内壁面に付着している潤滑油と共にクランクケース内へ漏出する。これにより、クランクケース内では、燃料の潤滑油への混入による潤滑油の希釈(以下、単に「潤滑油の希釈」とも称呼する。)が発生する。
以上より、上記液滴燃料が多い筒内噴射形式の内燃機関では、クランクケース内に貯留された潤滑油の希釈度合いが大きくなる。クランクケース内に貯留された潤滑油の希釈度合いが大きいと、同潤滑油の温度上昇に伴って同潤滑油から多量の燃料が気化し、クランクケース内のガス(ブローバイガス)中の気化燃料の濃度(燃料濃度)が大きくなる。
このようにブローバイガスの燃料濃度が大きい場合、係るブローバイガスをブローバイガス還元装置により吸気系に戻すと、燃焼室内の混合気中の燃料量が大きく増大し得、この結果、空燃比が目標空燃比からリッチ側へ乖離する傾向が発生し得る。
以上より、空燃比の目標空燃比からのリッチ側への乖離傾向は、上述した燃料噴射系の異常のみならず、潤滑油の希釈度合いが大きいことによる潤滑油の異常(以下、「潤滑油の希釈異常」と称呼する。)によっても発生し得る。しかしながら、上記文献に記載の装置では、空燃比の目標空燃比からの乖離傾向が発生した場合、一律に燃料噴射系の異常と判定される。従って、燃料噴射系が正常であっても潤滑油の希釈異常が発生した場合、燃料噴射系の異常と誤判定され得る。
加えて、燃料噴射系の異常が発生した場合の対処方(修理方)としては、インジェクタ、エアフローメータ等の交換等が考えられる。一方、潤滑油の希釈異常が発生した場合の対処方としては、潤滑油の交換等が考えられる。このように、燃料噴射系の異常と潤滑油の希釈異常とではその後の対処方が異なる。従って、燃料噴射系の異常と潤滑油の希釈異常とを区別して判定し得る装置の到来が望まれているところである。
従って、本発明の目的は、筒内噴射形式の内燃機関の異常判定装置において、燃料噴射系の異常と潤滑油の希釈異常とを区別して判定し得るものを提供することにある。
本発明は、内燃機関の燃焼室内から潤滑油を貯留するクランクケース内に漏出した未燃燃料のうちの気化燃料を含むブローバイガスを吸気系に戻すブローバイガス還元装置と、前記クランクケース内に貯留されている前記潤滑油を圧送するポンプとを備えた筒内噴射形式の内燃機関に適用される。
本発明に係る異常判定装置の特徴は、前記燃焼室内の混合気の空燃比の目標空燃比からの乖離傾向が発生しているか否かを判定する乖離傾向判定手段と、前記ポンプにより圧送された前記潤滑油の(機関の潤滑系の所定部位における)圧力である油圧の低下傾向が発生しているか否かを判定する低下傾向判定手段と、前記乖離傾向の有無と前記油圧低下傾向の有無との組み合わせに基づいて、燃料噴射系の異常と、燃料の前記潤滑油への混入による前記潤滑油の希釈異常とを区別して判定する異常判定手段とを備えたことにある。
一般に、潤滑油の希釈度合いが大きくなるほど潤滑油の粘度が低下する。潤滑油の粘度が低下するほどポンプにより圧送された潤滑油の圧力(油圧)が低下する。即ち、潤滑油の希釈異常が発生すると油圧の低下傾向が発生し得る。一方、燃料噴射系の異常が発生しても油圧の低下傾向は発生しない。他方、上述したように、空燃比の目標空燃比からのリッチ側への乖離傾向は、燃料噴射系の異常が発生しても潤滑油の希釈異常が発生しても発生し得る。
上記構成は、係る知見に基づくものである。即ち、例えば、空燃比の目標空燃比からのリッチ側への乖離傾向が発生していて且つ油圧の低下傾向が発生していない場合に燃料噴射系の異常が発生していると判定され得、空燃比の目標空燃比からのリッチ側への乖離傾向が発生していて且つ油圧の低下傾向も発生している場合には潤滑油の希釈異常が発生していると判定され得る。
このように、空燃比の目標空燃比からの乖離傾向の有無と油圧の低下傾向の有無との組み合わせを利用することで、燃料噴射系の異常と潤滑油の希釈異常とが区別して判定され得る。この結果、異常内容に応じて適切な対処方を採ることが可能となる。
なお、空燃比の目標空燃比からのリッチ側への乖離傾向が発生し且つ油圧の低下傾向が発生する場合として、潤滑油の希釈異常が発生している場合に加え、潤滑油が正常であって燃料噴射系の異常とポンプの異常とが同時に発生している場合も考えられる。しかしながら、燃料噴射系の異常とポンプの異常とが同時に発生する場合は稀であると考えられる。また、上記構成のように、空燃比の目標空燃比からのリッチ側への乖離傾向が発生し且つ油圧の低下傾向が発生している場合に潤滑油の希釈異常が発生していると一律に判定することで、先ず、その対処として潤滑油が調査される。その結果、潤滑油の希釈度合いが実際に大きければ判定結果が正しいことが確認され得る。また、潤滑油が正常であれば、燃料噴射系の異常とポンプの異常とが同時に発生していると判定することができる。
上記本発明に係る異常判定装置においては、前記異常判定手段は、空燃比の目標空燃比からのリッチ側への乖離傾向が発生しておらず且つ油圧の低下傾向が発生している場合にポンプの異常が発生していると判定するように構成されることが好適である。
空燃比の目標空燃比からのリッチ側への乖離傾向が発生していないことは、燃料噴射系の異常も潤滑油の希釈異常も発生していないことを意味する。従って、この場合において油圧の低下傾向が発生していることは、ポンプの異常が発生していることを意味する。上記構成は係る知見に基づく。これによれば、燃料噴射系の異常と潤滑油の希釈異常とに加えてポンプの異常をも区別して判定され得る。この結果、異常内容に応じて更なる適切な対処方を採ることが可能となる。
上記本発明に係る異常判定装置においては、前記低下傾向判定手段は、前記潤滑油の温度が所定温度以上となる暖機運転終了後(完全暖機後)の状態における前記油圧の検出値に基づいて基準油圧を設定・記憶し、前記記憶されている基準油圧に対する前記油圧の検出値の低下量が所定量よりも大きい場合に前記油圧の低下傾向が発生していると判定するように構成されることが好適である。具体的には、この基準油圧は、エンジン回転速度毎に設定・記憶され、現時点でのエンジン回転速度に対応する基準油圧に対する現時点での油圧の検出値の低下量が前記所定量よりも大きい場合に油圧の低下傾向が発生していると判定される。これは、エンジン回転速度が大きいほど、ポンプの吐出流量が大きくなることで油圧が高くなることに基づく。
一般に、潤滑油の温度が高いほど潤滑油の粘度が低下して油圧が低下する。しかしながら、完全暖機後のように潤滑油の温度が十分に高い場合(例えば、80℃以上)、潤滑油の温度の変化に対する潤滑油の粘度の変化、即ち、油圧の変化は極めて小さい。従って、上記構成のように、油圧の低下傾向の判定のために油圧の検出値と比較される基準油圧を完全暖気後における油圧の検出値に基づいて設定・記憶すれば、潤滑油の温度に殆ど影響されずに同基準油圧を安定して適切な値に設定・記憶することができる。この結果、油圧の低下傾向の判定精度を高めることができる。
この場合、前記低下傾向判定手段は、前記暖機運転終了後の状態において前記記憶されている基準油圧よりも前記油圧の検出値が大きい場合に同基準油圧を同検出値と等しい値に更新して記憶するように構成されることが好適である。これによれば、完全暖気後における油圧の検出値に基づいて、基準油圧を同検出値と同じ値に設定・記憶した後において、記憶されている基準油圧よりも現時点での油圧の検出値が大きい場合に同基準油圧が現時点での検出値と等しい値(即ち、現時点での基準油圧より大きい値)に更新・記憶され得る。換言すれば、(エンジン回転速度に対する)基準油圧は、完全暖機後における油圧の検出値の最大値(即ち、潤滑油の希釈度合いが最も小さい場合に対応する値)に更新・記憶され得る。
油圧は、エンジン回転速度、温度以外にも、内燃機関の個体のばらつき、即ち、潤滑油の性状のばらつき、内燃機関の潤滑系の各部材の形状・寸法のばらつき、ポンプの吐出特性のばらつき等の種々の因子にも影響され得る。上記構成によれば、この種々の因子に影響されることなく、内燃機関の個体毎に、基準油圧が適切な値にそれぞれ決定され得る。従って、内燃機関の個体のばらつきに影響されることなく基準油圧を安定して適切な値に個体毎に設定・記憶することができる。この結果、内燃機関の個体のばらつきに影響されることなく油圧の低下傾向の判定精度を個体毎に高めることができる。
加えて、記憶されている基準油圧が大きめに設定されて同基準油圧に対する油圧の検出値の低下量が大きめに計算されるから、油圧の低下傾向が発生しているとの判定がなされ易くなる。即ち、油圧の低下傾向が発生しているとの判定がなされるべき状態において油圧の低下傾向が発生していないという誤判定がなされる事態の発生を抑制することができる。
更には、この場合、前記低下傾向判定手段は、(エンジン回転速度に対する)前記基準油圧の初期値を、完全暖機後であって燃料の前記潤滑油への混入による前記潤滑油の希釈が発生していない場合における設計上の前記油圧の公差範囲の下限値に設定するように構成されると好ましい。
上述のように完全暖機後において基準油圧がより大きい値に更新されていくことを鑑みると、基準油圧の初期値は小さめの値に設定されることが好ましい。しかしながら、完全暖機前において基準油圧の初期値があまりに小さい値に設定されると、(完全暖機前において)油圧の低下傾向が発生しているとの判定がなされるべき状態において油圧の低下傾向が発生していないという誤判定がなされる事態が発生し易くなる。上記構成によれば、完全暖機前の段階であっても、予め基準油圧を小さ過ぎることなく適切な値に設定することができる。
また、前記乖離傾向判定手段は、前記乖離傾向に基づいて計算される前記燃焼室内の混合気の空燃比を前記目標空燃比に一致させるための空燃比フィードバック制御のフィードバック補正量における前記混合気の空燃比のリッチ側への前記乖離傾向を補償する方向の値が所定値よりも大きい場合に前記乖離傾向が発生していると判定するように構成されることが好適である。これによれば、上記背景技術の欄にて述べたように、空燃比の目標空燃比からのリッチ側への乖離傾向を簡易、且つ正確に判定することができる。
以下、本発明による内燃機関の異常判定装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明による内燃機関の異常判定装置を火花点火式多気筒(4気筒)内燃機関10に適用したシステムの概略構成を示している。
この内燃機関10は、シリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20にガソリン混合気を供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20からの排ガスを外部に放出するための排気系統50とを含んでいる。
シリンダブロック部20は、シリンダブロック21、ピストン22、コンロッド23、及びクランク軸24を含んでいる。シリンダブロック21は、その上方側にシリンダ21aを、その下方側にそのスカート部とオイルパンとにより囲まれたクランクケース21bをそれぞれ形成している。
ピストン22はシリンダ21内を周期的に往復動し、ピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランク軸24に伝達され、これにより同クランク軸24が回転するようになっている。また、シリンダ21とピストン22のヘッドは、シリンダヘッド部30とともに燃焼室25を形成している。
クランクケース21b内に貯留されているエンジンオイル(潤滑油)は、クランクケース21bの側面の所定位置に配置されたオイルポンプ26によりエンジン10の潤滑系に向けて圧送されるようになっている。このオイルポンプ26の回転速度は内燃機関10の運転速度(エンジン回転速度)に比例するようになっていて、これにより、エンジン回転速度が大きいほどオイルポンプ26の吐出流量が大きくなるようになっている。
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動するインテークカムシャフトを含むとともに同インテークカムシャフトの位相角を連続的に変更する可変吸気タイミング装置33、可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、燃焼室25に連通した排気ポート34、排気ポート34を開閉する排気弁35、排気弁35を駆動するエキゾーストカムシャフト36、点火プラグ37、点火プラグ37に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ38、及び燃料を燃焼室25内にて直接噴射するインジェクタ39を備えている。即ち、この内燃機関10は、所謂筒内噴射形式の内燃機関である。
吸気系統40は、吸気ポート31に連通し同吸気ポート31とともに吸気通路を形成するインテークマニホールドを含む吸気管41、吸気管41の端部に設けられたエアフィルタ42、吸気管41内にあって吸気通路の開口断面積を可変とするスロットルバルブ43、及びブローバイガス還元用通路45を備えている。スロットルバルブ43は、スロットルバルブアクチュエータ43aにより吸気管41内で回転駆動されるようになっている。
ブローバイガス還元用通路45は、クランクケース21bとスロットルバルブ43の下流の吸気管41とを連通する連通路であって、燃焼室25内からクランクケース21b内に漏出したブローバイガス(クランクケース21b内に漏出した上述した未燃の液滴燃料が気化して得られる気化燃料を含む。)を吸気系に戻すために形成されている。このブローバイガス還元用通路45には、ブローバイガスの流通を制御するための周知の制御弁が介装されてもよい。このように、このブローバイガス還元用通路45(、及び制御弁)は、ブローバイガス還元装置を構成している。
再び図1を参照すると、排気系統50は、排気ポート34に連通したエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51に接続されたエキゾーストパイプ52、及びエキゾーストパイプ52に介装された触媒コンバータ(三元触媒装置)53を備えている。
一方、このシステムは、エアフローメータ61、スロットルポジションセンサ62、カムポジションセンサ63、クランクポジションセンサ64、水温センサ65、空燃比センサ66、アクセル開度センサ67、及び油圧センサ68を備えている。
エアフローメータ61は、吸気管41内を流れる吸入空気の質量流量(吸入空気流量)を計測し、吸入空気流量Gaを表す信号を出力するようになっている。スロットルポジションセンサ62は、スロットルバルブ43の開度を検出し、スロットルバルブ開度TAを表す信号を出力するようになっている。カムポジションセンサ63は、インテークカムシャフトが90°回転する毎に一つのパルスを有する信号(G2信号)を発生するようになっている。クランクポジションセンサ64は、クランク軸24が10°回転する毎に幅狭のパルスを有するとともに同クランク軸24が360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。この信号は、エンジン回転速度NEを表す。
水温センサ65は、内燃機関10の冷却水の温度を検出し、冷却水温THWを表す信号を出力するようになっている。空燃比センサ66は、触媒コンバータ53に流入する排ガス中の酸素濃度(従って、同排ガスの空燃比)を検出し、空燃比検出値abyfを表す信号を出力するようになっている。アクセル開度センサ67は、運転者によって操作されるアクセルペダル81の操作量Accpを表す信号を出力するようになっている。油圧センサ68は、オイルポンプ26により圧送されたエンジンオイルにおけるエンジン10の潤滑系の所定部位(シリンダヘッド部30)での圧力(油圧)を検出し、油圧検出値Poil(油圧の検出値)を表す信号を出力するようになっている。
電気制御装置70は、互いにバスで接続されたCPU71、CPU71が実行するプログラム、テーブル(マップ)、定数等を予め記憶したROM72、CPU71が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM73、電源が投入された状態でデータを格納するとともに同格納したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM74、及びADコンバータを含むインターフェース75等からなるマイクロコンピュータである。インターフェース75は、前記センサ61〜68と接続され、CPU71にセンサ61〜68からの信号を供給するとともに、同CPU71の指示に応じて可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、イグナイタ38、インジェクタ39、及びスロットルバルブアクチュエータ43aに駆動信号を送出するようになっている。
(実際の作動)
次に、上記構成を有する内燃機関の異常判定装置の実際の作動について、CPU71が実行するルーチン(プログラム)をフローチャートにより示した図2〜図4を参照しながら説明する。
(燃料噴射量Fiの決定)
CPU71は、特定気筒のクランク角が、その気筒の吸気上死点から所定クランク角度だけ前の角度(例えば、BTDC90°)になると、図2の燃料噴射量Fi決定ルーチンの処理をステップ200から開始してステップ205に進み、エアフローメータ61により計測されている現時点での吸入空気流量Gaと、クランクポジションセンサ64の出力に基づくエンジン回転速度NEと、Ga、NEを引数とする筒内吸入空気量Mc(吸気行程にて燃焼室25内に吸入された空気量)を求めるテーブルMapMcとに基づいて、今回の吸気行程における上記特定気筒の筒内吸入空気量Mcを求める。
次いで、CPU71はステップ210に進み、上記求めた筒内吸入空気量Mcを目標空燃比AFref(本例では、理論空燃比)で除することで目標空燃比AFrefに対応する燃料量である基本燃料噴射量Fbaseを求める。
続いて、CPU71はステップ215に進んで、空燃比センサ66により得られる空燃比検出値abyfから目標空燃比AFrefを減じることで空燃比偏差DAF(前記乖離傾向に相当)を求め、続くステップ220にて、上記空燃比偏差DAFをPID処理して空燃比を目標空燃比AFrefに一致させるためのフィードバック補正量DFiを求める。
次に、CPU71はステップ225に進み、上記基本燃料噴射量Fbaseに上記フィードバック補正量DFiを加えて燃料噴射量Fiを求め、続くステップ230にて、燃料噴射量Fiの燃料が所定のタイミングで上記特定気筒のインジェクタ39から噴射されるように同インジェクタ39に噴射指示した後、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これにより、空燃比センサ66により得られる空燃比検出値abyfに基づいて、触媒コンバータ53の上流の排ガスの空燃比(従って、燃焼室25内の混合気の空燃比)が目標空燃比AFrefに一致するように燃料噴射量Fiがフィードバック制御されていく。
加えて、上記背景技術の欄にて述べたように、上記燃料噴射系の異常(本例では、インジェクタ39、エアフローメータ61等の異常に相当、以下、「燃料系リッチ異常」という。)、或いは、上記潤滑油の希釈異常(以下、「オイル希釈異常」という。)に起因して空燃比の目標空燃比AFrefからのリッチ側への乖離傾向が発生する場合、上記空燃比偏差DAFが継続して絶対値が大きい負の値に繰り返し計算され続けることでフィードバック補正量DFiが絶対値が極めて大きい負の値に計算される。
(基準油圧Prefの設定・更新)
CPU71は、図2のルーチンの処理が終了した直後に継続して図3の基準油圧Prefの設定・更新ルーチンの処理をステップ300から開始する。ここで、基準油圧Prefとは、後述するように、油圧の低下傾向の有無を判定するために使用される値である。
CPU71はステップ300からステップ305に進むと、現時点でのエンジン回転速度NEから値N(N=1,2,…,M)を選択する。ここで、値Nとは、図5に示すように、エンジン回転速度NEの存在し得る範囲を同じ幅をもってM個の分類に区分けした場合において現時点でのエンジン回転速度NEが属する分類を示す値である。現時点でのエンジン回転速度NEが大きいほど値Nがより大きい値に設定される。
次に、CPU71はステップ310に進み、フラグZが「1」であるか否かを判定する。ここで、フラグZは、その値が「1」のとき基準油圧Prefが既に設定されていることを示し、その値が「0」のとき基準油圧Prefが未だ設定されていないことを示す。本例では、例えば、車両の電源であるバッテリの交換時等に基準油圧Prefが設定されていない状態(Z=0)となる。フラグZの値はバックアップRAM74に記憶される。
先ず、基準油圧Prefが設定されていない場合(Z=0)について説明する。この場合、CPU71はステップ310に進んだとき「No」と判定してステップ315に進み、値Nに対応する各分類(N=1,2,…,M)について、基準油圧Pref(N)をROM72に予め記憶されている初期値Pmem(N)と等しい値に設定しバックアップRAM74に記憶する。
図5に示すように、初期値Pmem(N) (N=1,2,…,M)は、値Nに対応する各分類について、完全暖機後であって燃料(具体的には、クランクケース21b内に漏出した上記液滴燃料)によるエンジンオイルの希釈が発生していない場合における設計上の油圧の公差範囲(MIN〜MAX)の下限値MINに設定されている。このように、基準油圧Prefの初期値Pmemを、エンジン回転速度NEの複数の分類に分けて設定するのは、油圧はエンジン回転速度NEに大きく依存し、エンジン回転速度NEが大きいほどオイルポンプ26の吐出流量が大きくなることで油圧が高くなることに基づく。これにより、基準油圧Prefが設定された状態となる。
次いで、CPU71はステップ320に進み、フラグZの値を「0」から「1」に変更してバックアップRAM74に記憶し、ステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。以降、バッテリの交換が新たになされない限りにおいてフラグZの値は「1」に維持される。
次に、基準油圧Prefが設定されている場合(Z=1)について説明する。この場合、CPU71はステップ310に進んだとき「Yes」と判定してステップ325に進み、完全暖機後か否かを判定し、「No」と判定する場合、ステップ395に直ちに進む。本例では、エンジンオイルの温度と冷却水温THWとの間には強い相関があることに鑑み、「エンジンオイルの温度が所定温度(例えば、80℃)以上となる場合」に対応する「冷却水温THWが所定温度A以上となる場合」に完全暖機後と判定される。
ステップ325にて「Yes」と判定する場合、CPU71はステップ330に進んで、油圧現在値Pnowを、油圧センサ68により得られる現時点での油圧検出値Poilと等しい値に設定する。続いて、CPU71はステップ335に進み、油圧現在値Pnowが、現時点でのエンジン回転速度NEに対応する値Nに対応する分類についての基準油圧Pref(N)(ステップ320実行後に初めてステップ335が実行される場合にはPref(N)=Pmem(N))よりも大きいか否かを判定し、「No」と判定する場合、ステップ395に直ちに進む。
ステップ335にて「Yes」と判定する場合、CPU71はステップ340に進んで、現時点でのエンジン回転速度NEに対応する値Nに対応する分類についての基準油圧Pref(N)を、油圧現在値Pnowと等しい値に更新してバックアップRAM74に記憶した後、ステップ395に進む。
これにより、現時点でのエンジン回転速度NEに対応する値Nに対応する分類について、基準油圧Pref(N)が、完全暖機後における油圧検出値Poilに基づいて設定・記憶されることに加え、完全暖機後において、バックアップRAM74に記憶されている基準油圧Pref(N)よりも油圧検出値Poilが大きい場合に基準油圧Pref(N)がその油圧検出値Poilと等しい値に更新・記憶されていく。換言すれば、エンジン回転速度NEに対応する各分類について、基準油圧Pref(N)は、前回のバッテリ交換時から現時点までにおける、完全暖機後の油圧検出値Poilの最大値と等しい値に設定される。
(異常判定)
また、CPU71は、図3のルーチンの処理が終了した直後に継続して図4の異常判定ルーチンの処理をステップ400から開始し、ステップ405に進み、値KPを、「現時点での油圧検出値Poil」を「現時点でのエンジン回転速度NEに対応する値Nに対応する分類についての基準油圧Pref(N)の最新値(バックアップRAM74に記憶されている値)」で除して得られる値に設定する。
図6に示すように、この値KP(0≦KP≦1)は油圧の低下の程度を表し、値KPが小さいほど油圧の低下の程度が大きい。即ち、上述したように燃料によるエンジンオイルの希釈度合いが大きいほど油圧が低下することを鑑みると、(オイルポンプ26が正常な場合において)値KPが小さいほどエンジンオイルの希釈度合いが大きい。
続いて、CPU71はステップ410に進み、「油圧低下大」か否か(前記油圧の低下傾向が発生しているか否か)を判定する。本例では、値KPが値G(図6を参照)よりも小さい場合に「油圧低下大」と判定される。即ち、本例では、基準油圧Pref(N)に対する油圧検出値Poilの低下量が所定量よりも大きい場合に「油圧低下大」と判定される。
以下、先ず、「油圧低下大」と判定されない場合について説明する。ここで、「油圧低下大」と判定されないことは、オイルポンプ異常が発生していないことを意味する。この場合、CPU71はステップ410にて「No」と判定してステップ415に進み、「空燃比のリッチ側へのずれ大」か否か(前記空燃比の目標空燃比からのリッチ側への乖離傾向が発生しているか否か)を判定する。
上述したように、燃料系リッチ異常、或いはオイル希釈異常が発生していると上記フィードバック補正量DFiが絶対値が極めて大きい負の値に計算されることに鑑み、本例では、フィードバック補正量DFiが値(−H)(負の値)よりも小さい場合に「空燃比のリッチ側へのずれ大」と判定される。即ち、フィードバック補正量DFiにおける空燃比のリッチ側へ乖離傾向を補償する方向の値(=負の値)が所定値よりも(絶対値が)大きい場合に「空燃比のリッチ側へのずれ大」と判定される。
ステップ415にて「No」と判定される場合、CPU71はステップ420に進み、オイル希釈異常「無」、燃料系リッチ異常「無」、オイルポンプ異常「無」と判定する。このように、「油圧低下大」でなく「空燃比のリッチ側へのずれ大」でもない場合、「異常無」と判定される。
一方、ステップ415にて「Yes」と判定される場合、CPU71はステップ425に進み、オイル希釈異常「無」、燃料系リッチ異常「有」、オイルポンプ異常「無」と判定する。このように、「油圧低下大」でないが「空燃比のリッチ側へのずれ大」である場合、燃料系リッチ異常「有」と判定される。これは、「油圧低下大」でないことはオイルポンプ異常及びオイル希釈異常が発生していないことを意味すること、並びに、燃料系リッチ異常が発生すると「空燃比のリッチ側へのずれ大」となることに基づく。この場合、その後において、インジェクタ39の交換、エアフローメータ61の交換等の対処方が採られる。
次に、「油圧低下大」と判定される場合について説明する。この場合、CPU71はステップ410にて「Yes」と判定してステップ430に進み、ステップ415と同様に「空燃比のリッチ側へのずれ大」か否かを判定する。
ステップ430にて「No」と判定される場合、CPU71はステップ420に進み、オイル希釈異常「無」、燃料系リッチ異常「無」、オイルポンプ異常「有」と判定する。このように、「油圧低下大」であり「空燃比のリッチ側へのずれ大」でない場合、オイルポンプ異常「有」と判定される。これは、「空燃比のリッチ側へのずれ大」でないことは燃料系リッチ異常もオイル希釈異常も発生していないことを意味すること、並びに、オイルポンプ異常が発生すると「油圧低下大」となることに基づく。この場合、その後において、オイルポンプ26の交換等の対処方が採られる。
一方、ステップ430にて「Yes」と判定される場合、CPU71はステップ440に進み、オイル希釈異常「有」、燃料系リッチ異常「判定保留」、オイルポンプ異常「判定保留」と判定する。このように、「油圧低下大」であり「空燃比のリッチ側へのずれ大」でもある場合、燃料系リッチ異常「有」と判定される。これは、以下の理由に基づく。
即ち、「油圧低下大」であり「空燃比のリッチ側へのずれ大」でもある場合としては、オイル希釈異常が発生している場合に加え、オイル希釈異常が発生しておらず燃料系リッチ異常とオイルポンプ異常とが同時に発生している場合も考えられる。しかしながら、燃料系リッチ異常とオイルポンプ異常とが同時に発生する場合は稀であると考えられる。また、本例のように「油圧低下大」であり「空燃比のリッチ側へのずれ大」でもある場合にオイル希釈異常が発生していると一律に判定することで、先ず、その対処としてエンジンオイルが調査される。
その結果、エンジンオイルの希釈度合いが実際に大きければ判定結果が正しいことが確認され得る。この場合、その後において、エンジンオイルの交換等の対処方が採られる。また、エンジンオイルが正常であれば、燃料系リッチ異常とオイルポンプ異常とが同時に発生していると判定することができる。この場合、その後において、インジェクタ39の交換、エアフローメータ61の交換、オイルポンプ26の交換等の対処方が採られる。
以上、ステップ410が低下傾向判定手段に対応し、ステップ415、430が乖離傾向判定手段に対応し、ステップ420、425、435、440が異常判定手段に対応する。
以上説明したように、本発明による内燃機関の異常判定装置の実施形態によれば、「油圧低下大」の有無と「空燃比のリッチ側へのずれ大」の有無との組み合わせを利用して、燃料系リッチ異常と、オイル希釈異常と、オイルポンプ異常とが区別して判定される。従って、異常内容に応じて適切な対処方を採ることが可能となる。
また、「油圧低下大」を判定するために油圧検出値Poilと比較される基準油圧Prefとして、完全暖機後における油圧検出値Poilの最大値(即ち、エンジンオイルの希釈度合いが最も小さい場合に対応する値)が使用される。これにより、油圧に影響を与える種々の因子に影響されることなく、内燃機関の個体毎に、基準油圧Prefが適切な値にそれぞれ決定され得る。従って、内燃機関の個体のばらつきに影響されることなく基準油圧Prefを安定して適切な値に個体毎に設定・記憶することができる。この結果、内燃機関の個体のばらつきに影響されることなく「油圧低下大」の判定精度を個体毎に高めることができる。
加えて、基準油圧Prefが大きめに設定されて値KP(=Poil/Pref)が小さめに計算されるから、「油圧低下大」との判定がなされ易くなる。即ち、「油圧低下大」との判定がなされるべき状態において「油圧低下大」でないという誤判定がなされる事態の発生を抑制することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態においては、「油圧低下大」の有無と「空燃比のリッチ側へのずれ大」の有無との組み合わせを利用して、燃料系リッチ異常と、オイル希釈異常と、オイルポンプ異常とが区別して判定されるが、燃料系リッチ異常と、オイル希釈異常のみを区別して判定するように構成してもよい。
また、上記実施形態においては、完全暖機後のみならず完全暖機前の段階でも図4のルーチンによる異常判定がなされるようになっているが、完全暖機後においてのみ図4のルーチンによる異常判定がなされるように構成してもよい。この場合、ステップ400とステップ405の間に、図3のステップ325が挿入される。
また、上記実施形態においては、「油圧低下大」を判定するために油圧検出値Poilと比較される基準油圧Prefとして、完全暖機後における油圧検出値Poilの最大値が使用されているが、完全暖機後における油圧検出値Poilであれば何れの値であってもよい。
加えて、上記実施形態においては、「空燃比のリッチ側へのずれ大」を判定するためにフィードバック補正量DFiが使用されているが、空燃比センサ66による空燃比検出値abyf(排ガスの空燃比検出値)と目標空燃比AFrefとの差(=空燃比偏差DAF)そのものの値に基づいて「空燃比のリッチ側へのずれ大」が判定されてもよい。
本発明による内燃機関の異常判定装置を火花点火式多気筒内燃機関に適用したシステムの概略構成図である。 図1に示したCPUが燃料噴射量を決定するために実行するルーチンを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが基準油圧を設定・更新するために実行するルーチンを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが異常判定を行うために実行するルーチンを示したフローチャートである。 エンジン回転速度と基準油圧の初期値との関係を示したグラフである。 油圧の低下度合いとオイル希釈度合いとの関係を示したグラフである。
符号の説明
10…火花点火式多気筒内燃機関、21…シリンダブロック、21b…クランクケース、26…オイルポンプ、39…インジェクタ、45…ブローバイガス還元用通路、61…エアフローメータ、65…水温センサ、66…空燃比センサ、68…油圧センサ、70…電気制御装置、71…CPU

Claims (5)

  1. 内燃機関の燃焼室内から潤滑油を貯留するクランクケース内に漏出した未燃燃料のうちの気化燃料を含むブローバイガスを吸気系に戻すブローバイガス還元装置と、前記クランクケース内に貯留されている前記潤滑油を圧送するポンプと、を備えた、前記燃焼室内で燃料を噴射する内燃機関の異常判定装置であって、
    前記燃焼室内の混合気の空燃比の目標空燃比からの乖離傾向が発生しているか否かを判定する乖離傾向判定手段と、
    前記ポンプにより圧送された前記潤滑油の圧力である油圧の低下傾向が発生しているか否かを判定する低下傾向判定手段と、
    前記乖離傾向の有無と前記油圧低下傾向の有無との組み合わせに基づいて、燃料噴射系の異常と、燃料の前記潤滑油への混入による前記潤滑油の希釈異常と、前記ポンプの異常とを区別して判定する異常判定手段と、
    を備えた内燃機関の異常判定装置であって、
    前記異常判定手段は、
    前記油圧低下傾向が発生しておらず且つ前記混合気の空燃比のリッチ側への前記乖離傾向が発生していないと判定されている場合に、前記潤滑油の希釈異常が発生しておらず且つ前記燃料噴射系の異常が発生しておらず且つ前記ポンプの異常が発生していないと判定し、
    前記油圧低下傾向が発生しておらず且つ前記混合気の空燃比のリッチ側への前記乖離傾向が発生していると判定されている場合に、前記潤滑油の希釈異常が発生しておらず且つ前記燃料噴射系の異常が発生しており且つ前記ポンプの異常が発生していないと判定し、
    前記油圧低下傾向が発生しており且つ前記混合気の空燃比のリッチ側への前記乖離傾向が発生していないと判定されている場合に、前記潤滑油の希釈異常が発生しておらず且つ前記燃料噴射系の異常が発生しておらず且つ前記ポンプの異常が発生していると判定し、
    前記油圧低下傾向が発生しており且つ前記混合気の空燃比のリッチ側への前記乖離傾向が発生していると判定されている場合に、前記潤滑油の希釈異常が発生していると判定するとともに、前記燃料噴射系の異常が発生しているか否かの判定、並びに前記ポンプの異常が発生しているか否かの判定を保留するように構成された、内燃機関の異常判定装置
  2. 請求項1に記載の内燃機関の異常判定装置において、
    前記低下傾向判定手段は、
    前記潤滑油の温度が所定温度以上となる暖機運転終了後の状態における前記油圧の検出値に基づいて基準油圧を設定・記憶し、前記記憶されている基準油圧に対する前記油圧の検出値の低下量が所定量よりも大きい場合に前記油圧の低下傾向が発生していると判定するように構成された内燃機関の異常判定装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の異常判定装置において、
    前記低下傾向判定手段は、
    前記暖機運転終了後の状態において前記記憶されている基準油圧よりも前記油圧の検出値が大きい場合に同基準油圧を同検出値と等しい値に更新して記憶するように構成された内燃機関の異常判定装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の異常判定装置において、
    前記低下傾向判定手段は、
    前記基準油圧の初期値を、前記暖機運転終了後の状態であって且つ燃料の前記潤滑油への混入による前記潤滑油の希釈が発生していない場合における設計上の前記油圧の公差範囲の下限値に設定するように構成された内燃機関の異常判定装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の内燃機関の異常判定装置において、
    前記乖離傾向判定手段は、
    前記乖離傾向に基づいて計算される前記燃焼室内の混合気の空燃比を前記目標空燃比に一致させるための空燃比フィードバック制御のフィードバック補正量における前記混合気の空燃比のリッチ側への前記乖離傾向を補償する方向の値が所定値よりも大きい場合に前記乖離傾向が発生していると判定するように構成された内燃機関の異常判定装置。
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