JP4765816B2 - 車両の後部荷室構造 - Google Patents

車両の後部荷室構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4765816B2
JP4765816B2 JP2006209350A JP2006209350A JP4765816B2 JP 4765816 B2 JP4765816 B2 JP 4765816B2 JP 2006209350 A JP2006209350 A JP 2006209350A JP 2006209350 A JP2006209350 A JP 2006209350A JP 4765816 B2 JP4765816 B2 JP 4765816B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
board
seat
state
cargo
cargo compartment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006209350A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008030720A (ja
Inventor
和英 住田
稔 豊田
修 田渕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2006209350A priority Critical patent/JP4765816B2/ja
Publication of JP2008030720A publication Critical patent/JP2008030720A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4765816B2 publication Critical patent/JP4765816B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Step Arrangements And Article Storage (AREA)

Description

この発明は、車両のフロアパネル上にシートクッションとシートバックとを備えたシートを配設し、このシートの後方に荷室空間が形成されると共に、該荷室空間には少なくとも上下方向に移動可能な荷室ボードが設けられたような車両の後部荷室構造に関する。
従来、シートクッションとシートバックとを備えたシート(リヤシート)において、シートクッションをシートバックと独立して、一対のリンクを介して車両前方に移動可能に構成すると共に、この前方に移動したシートクッションの座面上に、リクライニング軸を支点としてシートバックを略水平に前倒しすべく構成し、シートバックを倒伏させた時、リヤシート後方の後部荷室と客室とを連通させて、荷室スペースの拡大を図るように構成したものがある(特許文献1参照)。
一方、リヤシートの後部に、車幅方向に延びるケースを介してトノカバーを設けると共に、リヤシート背面のフックと上記ケースとの間にシート状部材を設け、シートバックの起立状態下においては上述のシート状部材をU字状に撓ませると共に、シートバックの前倒し時には、倒伏したシートバックとケースとの間にシート状部材を張設して、該シート状部材で荷室(後部荷室)を上下に仕切る構造が開示されている(特許文献2参照)。
この特許文献2に開示されたものは、シート状部材がシートと連動してリヤ荷室を仕切る構造であるが、上述のシート状部材の上部に荷物が搭載できるものではない。
ところで、リヤシートのシートバックをシートクッション上に倒伏させた時、フラットな荷室を形成することが要請されるが、荷室フロアと前倒しされたシートバックの上面との間には段差が形成されるのが一般的であり、シートバック倒伏時において該シートバックの上面と荷室フロアとの間の段差を解消しつつ、荷室の使い勝手を向上させることは困難であった。
特開2004−359158号公報 特開平6−270745号公報
そこで、この発明は、シートバックが倒伏してシートクッション上に折畳み可能なシートを設け、シート後方の荷室空間に上下方向に移動可能に設けられた荷室ボードは、フロアパネルに沿って平坦に収納される収納状態と、シート折畳み時におけるシートバック後端部と略同一高さに位置する使用状態とに選択的に移動可能に設けられ、該荷室ボードは複数に分割されて、その前側部にはフロア高さに位置する軸部材を有し、該軸部材が前後方向に移動することで上記収納状態と使用状態とを選択すべく構成することにより、シート折畳み時におけるシートバックと荷室フロア面との間の段差の解消と、荷室およびシートの使い勝手確保との両立を図ることができ、しかも、荷室ボードを収納状態から使用状態に移動させる時、荷室ボードをワンタッチで使用状態に上昇移動させることができる車両の後部荷室構造の提供を目的とする。
この発明による車両の後部荷室構造は、車両のフロアパネル上にシートクッションとシートバックとを備えるシートを配設し、該シートの後方に荷室空間が形成されると共に、該荷室空間には少なくとも上下方向に移動可能な荷室ボードが設けられた車両の後部荷室構造であって、上記シートはシートクッション上にシートバックが倒伏して折畳み可能に構成され、上記荷室ボードはフロアパネルに沿って平坦に収納される収納状態と、上記シートが折畳まれた状態でのシートバック後端部と略同一高さに位置する使用状態とに選択的に移動可能に設けられ、上記荷室ボードは複数に分割されて、その前側部にはフロア高さに位置する軸部材を有し、該軸部材が前後方向に移動することで上記収納状態と使用状態とを選択すべく構成し、上記荷室ボードは、メインボードと、使用状態のメインボードを支持する一方で、収納状態時には該メインボードの下部に折畳まれる前後のサブボードと、を備え、荷室ボードを収納状態から使用状態に移動させる時、前後のサブボードを押し開く駆動機構を設けたものである。
上述のシートは、リヤシートに設定してもよい。
上記構成によれば、シートバックをシートクッション上に倒伏して折畳むと共に、軸部材の前方移動により荷室ボードを使用状態に移動すると、シートバックと荷室フロア面との間の段差が解消され、シートバックと荷室ボードとが前後方向に連続したフラットな荷室面が形成されるので、この荷室面上に前後方向寸法が大きい荷物の搭載が許容される。
また、上述の軸部材の後方移動により荷室ボードをフロアパネルに沿って平坦に収納される収納状態に移動すると、上下方向の寸法が大きい荷室スペースが形成されるので、この荷室スペースに高さが大きい荷物の搭載が許容される。
このように、シート折畳み時におけるシートバックと荷室フロア面との間の段差の解消と、荷室およびシートの使い勝手確保との両立を図ることができる。
しかも、上記荷室ボードは、メインボードと、該メインボードの下部に折畳まれる前後のサブボードとを備え、荷室ボードを収納状態から使用状態に移動させる時、前後のサブボードを押し開く駆動機構を設けたものであるから、荷室ボードを収納状態から使用状態に移動させる時、上述の駆動機構が前後のサブボードを押し開くので、荷室ボードをワンタッチで使用状態に上昇移動させることができる。
この発明の一実施態様においては、上記荷室ボードの側方には上記軸部材の前後方向の移動を案内するガイド部を設けたものである。
上記構成によれば、軸部材を荷室ボード側方のガイド部にて円滑に案内することができる。
この発明の一実施態様においては、上記フロアパネルには該フロアパネルより下方に凹設された収納部が設けられ、該収納部の上方を上記荷室ボードで開閉すべく構成したものである。
上記構成によれば、荷物をシート後方の荷室空間と、収納部とに区別して格納することができると共に、荷室ボードで収納部の上方を開放すると収納部内とのアクセスが容易となり、収納部に対して荷物を簡単に出し入れすることができる。
この発明の一実施態様においては、上記荷室ボードはシートバックの起立した状態での背面に沿って上下方向に延びて配設される起立状態に移動可能に構成されたものである。
上記構成によれば、荷室ボードを起立状態に選択すると、シート後方の荷室空間と、収納部内とが上下方向に連通するので、高さ寸法が大きい大型の荷物の積載に対応することができ、また、荷室ボードは収納状態と使用状態と起立状態とに選択できるので、荷室のアレンジ性の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記荷室ボードは互いに回動可能に連結された3つのボード部から形成されたものである。
上記構成によれば、荷室ボードを3分割構造と成したので、必要最小限の分割により上記収納状態、使用状態、起立状態を確保することができる。
この発明によれば、シートバックが倒伏してシートクッション上に折畳み可能なシートを設け、シート後方の荷室空間に上下方向に移動可能に設けられた荷室ボードは、フロアパネルに沿って平坦に収納される収納状態と、シート折畳み時におけるシートバック後端部と略同一高さに位置する使用状態とに選択的に移動可能に設けられ、該荷室ボードは複数に分割されて、その前側部にはフロア高さに位置する軸部材を有し、該軸部材が前後方向に移動することで上記収納状態と使用状態とを選択すべく構成したので、シート折畳み時におけるシートバックと荷室フロア面との間の段差の解消と、荷室およびシートの使い勝手確保との両立を図ることができる効果がある。
しかも、荷室ボードを収納状態から使用状態に移動させる時、荷室ボードをワンタッチで使用状態に上昇移動させることができる効果がある。
シート折畳み時におけるシートバックと荷室フロア面との間の段差の解消と、荷室およびシートの使い勝手確保との両立を図り、しかも、荷室ボードを収納状態から使用状態に移動させる時、荷室ボードをワンタッチで使用状態に上昇移動させることができるという目的を、車両のフロアパネル上にシートクッションとシートバックとを備えるシートを配設し、該シートの後方に荷室空間が形成されると共に、該荷室空間には少なくとも上下方向に移動可能な荷室ボードが設けられた車両の後部荷室構造において、上記シートはシートクッション上にシートバックが倒伏して折畳み可能に構成され、上記荷室ボードはフロアパネルに沿って平坦に収納される収納状態と、上記シートが折畳まれた状態でのシートバック後端部と略同一高さに位置する使用状態とに選択的に移動可能に設けられ、上記荷室ボードは複数に分割されて、その前側部にはフロア高さに位置する軸部材を有し、該軸部材が前後方向に移動することで上記収納状態と使用状態とを選択するように構成し、上記荷室ボードは、メインボードと、使用状態のメインボードを支持する一方で、収納状態時には該メインボードの下部に折畳まれる前後のサブボードと、を備え、荷室ボードを収納状態から使用状態に移動させる時、前後のサブボードを押し開く駆動機構を設けるという構造にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
(実施例1)
図面は車両の後部荷室構造を示すが、まず、図1を参照して車体構造について説明する。
図1において、車室1の床面(底部)を形成するフロアパネル2を設け、このフロアパネル2の後部にはキックアップ部3を連設している。
このキックアップ部3はフロアパネル2から上方に立上がる縦壁部3aと、この縦壁部3aから後方に延びるキックアップフロア部3bとを備えている。
このキックアップフロア部3bのさらに後方には、後方に延びる凹状の荷室フロアパネル4を形成し、この荷室フロアパネル4の上方に荷室空間5を形成する一方、上述の凹状の荷室フロアパネル4には仕切り板6と収納ボックス7とを取付けている。
ここで、仕切り板6の前側にはジャッキ(図示せず)が格納され、また上述の収納ボックス7はその上方が開口された形状に構成されている。
一方、上述の凹状の荷室フロアパネル4の後端開放側には車幅方向に延びるリヤエンドパネル8を取付け、このリヤエンドパネル8のリヤ側の面には車幅方向に延びるリヤエンドメンバ9を接合固定して、このリヤエンドメンバ9と上述のリヤエンドパネル8との間には車幅方向に延びるリヤエンド閉断面9aを形成して、後部車体剛性を確保すべく構成すると共に、リヤエンドメンバ9のさらに後方にはリヤバンパ10を配設している。
さらに、荷室空間5(つまり後部荷室)の後方には後部荷室開口11を形成し、この後部荷室開口11をリヤゲート12によって開閉可能に覆うように形成して、ハッチバック型の車両を構成している。
ここで、上述のリヤゲート12は、リヤゲートインナパネル13と、リヤゲートアウタパネル14と、リヤウインド15とを備え、荷室空間5と対向する車室側の所定部が内装材としてのリヤゲートトリム16で覆われている。
一方、ルーフパネル17の後端部には車幅方向に延びるリヤヘッダ18(車体剛性部材)を接合固定し、ルーフパネル17の後端部とリヤヘッダ18との間には車幅方向に延びるヘッダ閉断面18aを形成して、後部車体剛性を確保すべく構成すると共に、このヘッダ閉断面18aの直後に設けられたヒンジ部材(図示せず)を介して、上述のリヤゲート12を開閉可能に支持している。
同様に、ルーフパネル17の前端部には車幅方向に延びるフロントヘッダ19(車体剛性部材)を接合固定し、ルーフパネル17の前端部とフロントヘッダ19との間には車幅方向に延びるヘッダ閉断面19aを形成して、前部車体剛性を確保すべく構成している。
そして、上述のフロントヘッダ19、ルーフパネル17およびリヤヘッダ18の車室1側を図1に示すように、内装材としてのトップシーリング20で一体的に覆っている。
また、上述のルーフパネル17の前後方向中間部には、車幅方向に延びるルーフレインフォースメント21(車体剛性部材)を接合固定し、このルーフレインフォースメント21とルーフパネル17との間には車幅方向に延びる閉断面21aを形成して、ルーフ部の剛性を確保すべく構成している。
さらに、上述のフロアパネル2には、ダッシュロアパネル(ダッシュパネル)とキックアップ部3の縦壁部3aとの間において車両の前後方向に延び、かつ車室1の内側へ突出したトンネル部22を設けている。
このトンネル部22はフロア剛性の中心となるもので、該トンネル部22の左右の側壁部と、車両の前後方向に延びるサイドシル閉断面をもった左右のサイドシル(詳しくは、サイドシルインナ)との間には、車幅方向に延び、かつ前後方向に離間した複数のフロアクロスメンバ23,24(車体剛性部材)を接合固定し、これら各フロアクロスメンバ23,24と上述のフロアパネル2との間には、車幅方向に延びる閉断面23a,24aを形成して、下部車体剛性を確保すべく構成している。
また、上述のキックアップフロア部3bの後部下面には、リヤクロスメンバ25(車体剛性部材)を接合固定し、これら両者3b,25間には車幅方向に延びる閉断面25aを形成して、下部車体剛性を確保すべく構成している。
なお、図中、26はフロントウインド、27はフロントドア、28はリヤドア、29は車体剛性部材としてのセンタピラー、30はキックアップ部3の車外側下部に設けられた大型車両補機としての燃料タンクである。
ところで、図1、図2に示すように、上述のフロアパネル2上にはシートクッション31C、シートバック31B、ヘッドレスト31Hを備えた運転席シート31と、シートクッション32C、シートバック32B、ヘッドレスト32Hを備えた助手席シート32とを配設している。
また、キックアップフロア部3b上には、シートクッション33Cと、シートバック33Bと、2つのヘッドレスト33H,33Hとを備えたベンチシート型のリヤシート33を配設し、このリヤシート33の後方に上述の荷室空間5を形成している。
ここで、上述のリヤシート33は、そのシートバック33Bがシートクッション33C上に倒伏動作を行ない折畳み状態を形成可能に構成したものである。
なお、図2において、34はインストルメントパネル、35はステアリングホイールである。
次に、図3〜図16を参照して車両の後部荷室構造について詳述する。
図3は図1の要部拡大側面図、図4は荷室ボードの拡大側面図、図5は荷室ボードの分解斜視図であって、上述の荷室空間5には、少なくとも上下方向に移動可能な荷室ボード40が設けられている。
上述の荷室ボード40は、その上部に荷物を搭載することができるように、所定剛性を有するように構成されると共に、この荷室ボード40は車幅方向つまり左右方向には非分割に形成されている。
また、この荷室ボード40は、メインボード41と該メインボード41の下部に折畳まれる前後のサブボード42,43との3つのボード部から形成され、メインボード41の前端部と前側のサブボード42の基端部とはヒンジ部44にて回動可能に連結され、メインボード41の後端部と後側のサブボード43の基端部とはヒンジ部45にて回動可能に連結されている。
図4に示す荷室ボード40の収納状態下においては、ヒンジ部44を支点として前側のサブボード42の遊端側がメインボード41の下部に折畳まれ、該サブボード42はメインボード41の前側の格納部41aに格納され、同様に、ヒンジ部45を支点として後側のサブボード43の遊端側がメインボード41の下部に折畳まれ、該サブボード43はメインボード41の後側の格納部41bに格納されており、荷室ボード40の全体が荷室フロア面4aに沿って平坦に収納されている。
図4、図5、図6(但し、図6は図4のA−A線矢視断面図)に示すように、ヒンジ部45はメインボード41の後端部と、サブボード43基端のヒンジ部材43aとをヒンジ連結するヒンジピン46を有すると共に、ヒンジ部材43aには2つの係止孔43b,43cが開口形成されている。また、メインボード41の後端部におけるヒンジ部45には上述の2つの係止孔43b,43cに択一的に係入可能な突起47が設けられていて、荷室ボード40の収納状態(図4参照)においては該突起47は一方の係止孔43cに係入されている。
さらに、メインボード41の左右両側部には、図5、図7に示すように、車幅方向に出没可能な可動ピン48,48が設けられている。この可動ピン48は荷室ボード40の側方に位置する荷室サイドトリム49に設けられて上下方向に延びるガイド部としてのガイド溝49aに沿って移動可能に設けられると共に、該メインボード41に設けられたスライダ50の操作時には、可動ピン48がガイド溝49aから外れるように構成されている。
すなわち、図5、図7に示すようにメインボード41には2つの開口部51,52を互に前後に離間して開口形成して、取手部53を形成すると共に、該取手部53には支軸54を介して2つのレバー55,56を枢支している。
これらのレバー55,56は平面視で略L字状に形成されており、2つのレバー55,56を平面視で略X字状に組合わせている。
そして、各レバー55,56の一端と上述の左右一対の可動ピン48,48とをワイヤW1,W1で連結する一方、各レバー55,56の他端を上述のスライダ50で押圧操作すべく構成している。
上述の開口部51から乗員が片手操作にてスライダ50を押圧操作すると、図7に矢印で示すように、2つのレバー55,56は支軸54を中心に回動し、これら各レバー55,56の一端に連結したワイヤW1,W1が引っ張られるので、左右一対の可動ピン48,48は、スプリング57の外方付勢力に抗して車幅方向内方に引っ張られ、ガイド溝49aから外れるように構成されている。
さらに、図5に示すように、上述の開口部51,52よりもさらに前方において上記メインボード41には取手部を兼ねる別の開口部58が形成されている。
図8は図4のB−B線矢視断面図(但し、可動ピン48をロックした状態で示す図)であって、荷室ボード40を使用状態(図13、図14参照)に保持する目的で、上述のガイド溝49aの上部にはロック部材59を配設している。
このロック部材59は、スプリング60等の付勢手段により常時ロック方向に付勢されると共に、このロック部材59と、図2に示すリヤエンドトリム61に設けられた操作部材62との間にはワイヤW2が接続されている。また上述のロック部材59の先端部下面には、図4に示すように、テーパ部59aが形成されている。
図4に示す可動ピン48が下方から上方に移動する場合、この可動ピン48がロック部材59のテーパ部59aに当接すると、可動ピン48の上方への移動力によりスプリング60の付勢力に抗してロック部材59を後退させ、可動ピン48がロック部材59の配設位置を通過した時点で、ロック部材59はスプリング60の付勢力により前進して、可動ピン48を該ロック部材59で保持し、メインボード41を所定の高さ位置に保持する(図13、図14参照)。
また、図2に示す操作部材62の押圧操作時には、ワイヤW2を介してロック部材59が後方に引っ張られるので、このロック部材59による可動ピン48のロックが解除される。
一方、図4、図5に示すように、荷室ボード40の前側部としての前側のサブボード42の遊端部には、車幅方向外方に突出する軸部材としてのピン63が設けられている。
このピン63は図4に示すようにフロア高さに位置する軸部材であって、このピン63が前後方向に移動することで荷室ボード40を収納状態(図3、図4参照)と使用状態(図13、図14参照)とに選択すべく構成している。
また、荷室ボード40の側方には上述のピン63の前後方向の移動を案内するガイド部としてのスライド溝64が荷室サイドトリム49に一体形成されている。
このスライド溝64は図9に斜視図で示すように、前後方向に延びる上片64aと、前端に位置するストッパ片64bとを有し、車両後方側は開放されている。
図10(a)は図4のC−C線矢視断面図、図10(b)は図10(a)のD−D線に沿う要部の矢視図であって、荷室ボード40が使用状態(図13、図14参照)に移動した状態、つまり上記ピン63が前方に移動した状態下において該ピン63の後退を防止する目的で、上述のスライド溝64にはロック部材65を配設している。
このロック部材65は、スプリング66等の付勢手段により常時ロック方向に付勢されると共に、このロック部材65と、図2に示すリヤエンドトリム61に設けられた操作部材62との間にはワイヤW2が接続されている。また上述のロック部材65の先端部リヤ側面には、図10(b)に示すように、テーパ部65aが形成されている。
図4に示すピン63が後方から前方に移動する場合、このピン63がロック部材65のテーパ部65aに当接すると、ピン63の前方への移動力によりスプリング66の付勢力に抗してロック部材65を後退させ、ピン63がロック部材65の配設位置を通過した時点で、ロック部材65はスプリング66の付勢力によりロック方向に前進して、ピン63を該ロック部材65で保持し、サブボード42を所定位置(図13、図14参照)に保持する。
また、図2に示す操作部材62の押圧操作時には、ワイヤW2を介して前述のロック部材59と共に、図10に示すロック部材65がアンロック方向に引っ張られるので、このロック部材65によるピン63のロックが前述の可動ピン48と同時に解除される。
なお、上述の荷室ボード40に対して各要素46,47,48,49a,59,63,64,65は略左右対称となるように一対設けられている。また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示す。
しかも、上述の荷室ボード40は、図3、図4に示す収納状態と、図11、図12に示す起立状態と、図13、図14に示す使用状態と、図15、図16に示す起立状態とに選択的(択一的)に移動可能に設けられている。
図3、図4に示す状態(収納状態)は、メインボード41の下部に前後のサブボード42,43が折畳まれており、荷室ボード40が荷室フロア面4aに沿って平坦に収納され、かつ該荷室ボード40にて収納ボックス7の上端開口部を覆った状態であり、この収納状態下においては荷室空間5に上下寸法が大きい荷物の搭載が許容されると共に、荷室空間5と収納ボックス7とに荷物を区別して収納、搭載することができる。
図3、図4に示す荷室ボード40の収納状態から、該荷室ボード40を図11、図12に示すように跳ね上げるには、取手部53(図5参照)を持って、荷室ボード40を跳ね上げる際に、スライダ50を押圧操作して可動ピン48をガイド溝49aから外し、この状態で荷室ボード40の前端部を規制部材67で規制しつつ、ヒンジ部44を支点として跳ね上げると、この荷室ボード40は図11、図12に示すように、シートバック33Bの起立した状態での背面に沿って上下方向に延びて配設される起立状態となる。
つまり、図11、図12に示す荷室ボード40の起立状態では、リヤシート33後方の荷室空間5と、収納ボックス7内とが上下方向に連通するので、高さ寸法が大きい大型の荷物の積載に対応することができ、この荷室ボード40の起立状態は図2に示す係止手段としてのフック68にて係止保持することができる。
上述のフック68は、シートバック33Bに取付けられたゴム帯などの伸縮部材69の先端に設けたもので、このフック68を図5に示す開口部51または開口部52に係止することで、荷室ボード40の起立状態を保持することができる。
図3、図4に示す荷室ボード40の収納状態から、該荷室ボード40を図13、図14に示す使用状態と成すには、まず、リヤシート33のシートバック33Bをシートクッション33C上に倒伏して折畳むと共に、収納状態の荷室ボード40の取手部53(図5参照)または取手部53と開口部58とを持って該荷室ボード40を上方に引き上げる。
この時、メインボード41の可動ピン48はガイド溝49aに沿って上昇すると共に、サブボード42のピン63はスライド溝64に沿って前方に移動し、荷室ボード40が使用状態に達すると、メインボード41の可動ピン48はロック部材59でロックされて、その下降が防止され、サブボード42のピン63はロック部材65でロックされて、その後退が防止される。さらに後側のサブボード43を下方に回動して、突起47を他方の係止孔43bに係入させると、荷室ボード40は図13、図14に示す使用状態となる。
この図13、図14に示す荷室ボード40の使用状態では、荷室ボード40のメインボード41は、リヤシート33が折畳まれた状態でのシートバック33B後端部と略同一高さに位置し、かつ倒伏されたシートバック33Bの背面と該メインボード41の上面とが前後方向に連続したフラットな荷室面を形成するので、シートバック33Bと荷室フロア面4aとの間の段落が解消されると共に、荷室空間5と、倒伏したシートバック33B上方の車室1とが前後に連通されて荷室スペースが拡大する。この結果、前後方向の寸法が大きい荷物の搭載が許容される。
図13、図14に示す荷室ボード40の使用状態から、シートバック33Bの倒伏状態を維持したままで、後側のサブボード43を元位置に戻した後に、図2に示す操作部材62を押圧操作すると、ワイヤW2を介してロック部材59およびロック部材65が同時にアンロックされるので、メインボード41が下降して、荷室ボード40のみが図3、図4の状態となり、上下寸法が大きい荷室スペースが形成されるので、高さが高い荷物の搭載が許容される。
図13、図14に示す状態からリヤシート33のシートバック33Bを通常の乗員着座状態に復帰させて、このシートバック33Bを起立した状態に成す一方、図13、図14の使用状態下の荷室ボード40を上方に引き上げる際、後側のサブボード43を元位置に戻した後に、図5に示すスライダ50を押圧操作して、図8に示す可動ピン48をガイド溝49aから外した後に、ヒンジ部44を支点として荷室ボード40を引き上げると、この荷室ボード40は図15、図16に示すように、シートバック33Bの起立した状態での背面に沿って上下方向に延びて配設される起立状態となる。
つまり、図15、図16に実線で示す荷室ボード40の起立状態にあっても、図11、図12で示した状態と同様に、リヤシート33後方の荷室空間5と、収納ボックス7内とが上下方向に連通するので、高さ寸法が大きい大型の荷物の積載に対応することができ、この荷室ボード40の起立状態も図2に示すフック68にて係止保持することができる。
このフック68は伸縮部材69を介してリヤシート33のシートバック33Bに取付けられているので、単一のフック68にて図11に示す低位置での起立状態の荷室ボード40の係止保持と、図15に示す高位置での起立状態の荷室ボード40の係止保持とに対応できるが、それぞれの状態に対応すべく2つのフックを用いてもよいことは勿論である。
このように、図1〜図16で示した実施例の車両の後部荷室構造は、車両のフロアパネル(キックアップフロア部3b参照)上にシートクッション33Cとシートバック33Bとを備えるリヤシートを配設し、該リヤシート33の後方に荷室空間5が形成されると共に、該荷室空間5には少なくとも上下方向に移動可能な荷室ボード40が設けられた車両の後部荷室構造であって、上記リヤシート33はシートクッション33C上にシートバック33Bが倒伏して折畳み可能に構成され、上記荷室ボード40はフロアパネル(荷室フロア面4a参照)に沿って平坦に収納される収納状態(図3、図4参照)と、上記リヤシート33が折畳まれた状態でのシートバック33B後端部と略同一高さに位置する使用状態(図13、図14参照)とに選択的に移動可能に設けられ、上記荷室ボード40は複数に分割されて、その前側部にはフロア高さに位置する軸部材(ピン63参照)を有し、該軸部材(ピン63)が前後方向に移動することで上記収納状態と使用状態とを選択すべく構成したものである。
この構成によれば、シートバック33Bをシートクッション33C上に倒伏して折畳むと共に、軸部材(ピン63参照)の前方移動により荷室ボード40を使用状態に移動すると、シートバック33Bと荷室フロア面4aとの間の段差が解消され、シートバック33Bと荷室ボード40とが前後方向に連続したフラットな荷室面が形成されるので、この荷室面上に前後方向寸法が大きい荷物の搭載が許容される。
また、上述の軸部材(ピン63参照)の後方移動により荷室ボード40をフロアパネル(荷室フロア面4a参照)に沿って平坦に収納される収納状態に移動すると、上下方向の寸法が大きい荷室スペースが形成されるので、この荷室スペースに高さが大きい荷物の搭載が許容される。
このように、リヤシート33の折畳み時におけるシートバック33Bと荷室フロア面4aとの間の段差の解消と、荷室5およびリヤシート33の使い勝手確保との両立を図ることができるうえ、多人数乗車にも対応できる。
さらに、上記荷室ボード40の側方には上記軸部材(ピン63参照)の前後方向の移動を案内するガイド部(スライド溝64参照)を設けたものである。
この構成によれば、軸部材(ピン63)を荷室ボード40側方のガイド部(スライド溝64)にて円滑に案内することができる。
また、上記フロアパネル(荷室フロア面4a参照)には該フロアパネルより下方に凹設された収納部(収納ボックス7参照)が設けられ、該収納部(収納ボックス7)の上方を上記荷室ボード40で開閉すべく構成したものである。
この構成によれば、荷物をリヤシート33後方の荷室空間5と、収納部(収納ボックス7)とに区別して格納することができると共に、荷室ボード40で収納部(収納ボックス7)の上方を開放すると収納部(収納ボックス7)内とのアクセスが容易となり、収納部(収納ボックス7)に対して荷物を簡単に出し入れすることができる。
さらに、上記荷室ボード40はシートバック33Bの起立した状態での背面に沿って上下方向に延びて配設される起立状態(図11、図12、図15、図16参照)に移動可能に構成されたものである。
この構成によれば、荷室ボード40を起立状態に選択すると、リヤシート33後方の荷室空間5と、収納部(収納ボックス7)内とが上下方向に連通するので、高さ寸法が大きい大型の荷物の積載に対応することができ、また、荷室ボード40は収納状態と使用状態と起立状態とに選択できるので、荷室のアレンジ性の向上を図ることができる。
加えて、上記荷室ボード40は互いに回動可能に連結された3つのボード部(メインボード41、サブボード42,43参照)から形成されたものである。
この構成によれば、荷室ボード40を3分割構造と成したので、必要最小限の分割により上記収納状態、使用状態、起立状態を確保することができる。
(実施例2)
図17〜図34は車両の後部荷室構造の他の実施例を示すものである。
なお、図17〜図34において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
図17は後部荷室構造を概略的に示す側面図、図18はその斜視図、図19は図17の要部拡大側面図、図20は荷室ボードの拡大側面図であって、この実施例においては荷室ボード40の前側のヒンジ部44には車幅方向外方へ突出する突軸70を設け、荷室サイドトリム49の前部において上下方向に延びるガイド部としての凹状のガイド溝49aにより上述の突軸70を上下方向に移動可能に案内すべく構成している。
図21は図20のE−E線矢視断面図(但し、突軸70をロックした状態で示す図)であって、荷室ボード40を使用状態(図31、図32参照)に保持する目的で、上述のガイド溝49aの上部にはロック部材59を配設している。
このロック部材59は、スプリング60等の付勢手段により常時ロック方向に付勢されると共に、このロック部材59と、図18に示すリヤエンドトリム61に設けられた一方の操作部材71との間にはワイヤW2が接続されている。また上述のロック部材59の先端部下面には、図20に示すように、テーパ部59aが形成されている。
図20に示す突軸70が下方から上方に移動する場合、この突軸70がロック部材59のテーパ部59aに当接すると、突軸70の上方への移動力によりスプリング60の付勢力に抗してロック部材59を後退させ、突軸70がロック部材59の配設位置を通過した時点で、ロック部材59はスプリング60の付勢力により前進して、突軸70を該ロック部材59で保持し、メインボード41を所定の高さ位置に保持する(図31、図32参照)。
また、図18に示す一方の操作部材71の押圧操作時には、ワイヤW2を介してロック部材59が後方に引っ張られるので、このロック部材59による突軸70のロックが解除される。
さらに、この実施例においては、図18、図20に示すように前後のサブボード42,43のそれぞれの遊端部に軸部材としてのピン63,73が設けられている。
図22は、荷室ボード40を収納状態(図19、図20参照)から使用状態(図31、図32参照)に移動させる時、上述の各ピン63,73を介して前後のサブボード42,43を押し開く駆動機構74を示す平面図、図23は駆動機構74のロック時の側面図、図24は駆動機構74のアンロック時の側面図、図25は図22のG−G線矢視断面図である。
図22〜図25に示すように、ホイールハウスインナ72と荷室サイドトリム49との間におけるフロア高さ位置には、前後方向に指向させてシリンダ75を配置している。図23に示すように該シリンダ75は前後一対のピストン76,76と、前後一対のピストンロッド77,77とを備えており、前後のピストン76,76間にはスプリング78を張架している。
また、図22に平面図で示すように上述の前後一対のピストンロッド77,77の先端部を、上述のピン63,73側に屈曲させて屈曲部77a,77aを一体形成し、これらの各屈曲部77a,77aには、上述のピン63,73を駆動するための作動片79,79を一体的に取付けている。
一方、ホイールハウスインナ72に固定したブラケット80には支軸81を設け、該支軸81には2つのロック部材82,83を枢支すると共に、これら両ロック部材82,83間には、該部材82,83を常時ロック方向(図23参照)に付勢するリターンスプリング84を張架している。
また、これらの各ロック部材82,83の下端側は、シリンダ75に開口形成された開口部75a,75aから該シリンダ75内に挿入され、図23に示すロック状態下の前後一対のピストン76,76を、スプリング78の押し開き力に抗して、その前後両側から挟持するように構成している。
さらに、上述の各ロック部材82,83の上端側と、図18に示すリヤエンドトリム61の他方の操作部材85との間には、ワイヤW3を接続し、この操作部材85の押圧操作時にワイヤW3を図24に示すように上方に引っ張って、支軸81を中心として2つのロック部材82,83をアンロック方向に回動操作すべく構成している。
2つのロック部材82,83が図24に示すようにアンロック方向に操作されると、スプリング78の押し開き力により、ピストン76およびピストンロッド77が突出動作するので、作動片79を介して各サブボード42,43のピン63,73を押し開き方向に駆動し、前後のサブボード42,43を図32に示すように立設方向に押し開くものである。
ここで、上述の駆動機構74は各要素75〜84から構成されたものである。
また、上述の各ピン63,73は、図26に示すスライド溝64に沿って前後方向に移動するが、同図に示すように該スライド溝64の上片64aには、図20に示す収納状態下の荷室ボード40におけるピン63,73の位置に対向してスリット64c,64cが形成されている。
図27は図24のH−H線矢視断面図であって、作動片79によりピン73を介して後側のサブボード43を立設状に押し開いた時、このサブボード43が内倒れするのを防止する目的で、荷室サイドトリム49にはロック部材86を設けている。
このロック部材86は、スプリング87等の付勢手段により常時ロック方向に付勢されると共に、このロック部材86と、図18に示すリヤエンドトリム61に設けられた一方の操作部材71との間にはワイヤW2が接続されている。また上述のロック部材86の先端部前面には図27に示すようにテーパ部86aが形成されている。
作動片79によりピン73が前方から後方に移動する場合、作動片79がロック部材86のテーパ部86aに当接すると、作動片79の後方への押し開き力によりスプリング87の付勢力に抗してロック部材86を後退させ、作動片79がロック部材86の配設位置を通過した時点で、ロック部材86はスプリング87の付勢力により前進して、作動片79を該ロック部材86で保持し、後側のサブボード43の内倒れを防止するものである。
なお、図27に示す構造に加えて、図28に示すように荷室フロア面4aにストッパブラケット88を固定して、作動片79によるピン73の押し開き時に、該ピン73が過度に後方へ移動する所謂オーバーランを防止するように構成してもよい。
上述の荷室ボード40に対して各要素49a,59,63,64,70,73,74,86は略左右対称となるように一対設けられている。また、図中、矢印OUTは車両外方を示し、矢印INは車両内方を示す。
しかも、上述の荷室ボード40は図19、図20に示す収納状態と、図29、図30に示す起立状態と、図31、図32に示す使用状態と、図33、図34に示す起立状態とに選択的(択一的)に移動可能に設けられている。
図19、図20に示す状態(収納状態)は、メインボード41の下部に前後のサブボード42,43が折畳まれており、荷室ボード40が荷室フロア面4aに沿って平坦に収納され、かつ該荷室ボード40にて収納ボックス7の上端開口部を覆った状態であり、この収納状態下においては荷室空間5に上下寸法が大きい荷物の搭載が許容されると共に、荷室空間5と収納ボックス7とに荷物を区別して収納、搭載することができる。
図19、図20に示す荷室ボード40の収納状態から、該荷室ボード40を図29、図30に示すように跳ね上げるには、取手部53(図18参照)を持って、該荷室ボード40を、ヒンジ部44の突軸70を支点として跳ね上げると、ピン63,73がスリット64c,64cを通り抜けるので、この荷室ボード40は図29、図30に示すように、シートバック33Bの起立した状態での背面に沿って上下方向に延びて配設される起立状態となる。
つまり、図29、図30に示す荷室ボード40の起立状態では、リヤシート33後方の荷室空間5と、収納ボックス7内とが上下方向に連通するので、高さ寸法が大きい大型の荷物の積載に対応することができ、この荷室ボード40の起立状態は図18に示す係止手段としてのフック68にて係止保持することができる。
上述のフック68は、シートバック33Bに取付けられたゴム帯などの伸縮部材69の先端に設けたもので、このフック68を図18に示す開口部51または開口部52に係止することで、荷室ボード40の起立状態を保持することができる。
図19、図20に示す荷室ボード40の収納状態から、該荷室ボード40を図31、図32に示す使用状態と成すには、まず、リヤシート33のシートバック33Bをシートクッション33C上に倒伏して折畳む。
次に、図18に示すリヤエンドトリム61の他方の操作部材85を押圧操作すると、図23に示すワイヤW3が引っ張られ、ロック部材82,83が図23のロック状態から図24のアンロック状態となるので、スプリング78の押し開き力が作動片79,79を介して各サブボード42,43のピン63,73に付勢され、これらの各ピン63,73はスライド溝64に沿って移動し、また突軸70はガイド溝49aに沿って上昇する。
このため、前後の各サブボード42,43はヒンジ部44,45を支点に立設状に変位すると共に、メインボード41が上昇するので、図18に示す取手部53を把持して、荷室ボード40を移動させ、突軸70が図21に示すロック部材59でロックされる位置まで、また作動片79が図27に示すロック部材86でロックされる位置まで引き上げると、荷室ボード40は各ロック部材59,86でロックされて、図31、図32に示す使用状態となる。
この図31、図32に示す荷室ボード40の使用状態では、荷室ボード40のメインボード41は、リヤシート33が折畳まれた状態でのシートバック33B後端部と略同一高さに位置し、かつ倒伏されたシートバック33Bの背面と該メインボード41の上面とが前後方向に連続したフラットな荷室面を形成するので、シートバック33Bと荷室フロア面4aとの間の段落が解消されると共に、荷室空間5と、倒伏したシートバック33B上方の車室1とが前後に連通されて荷室スペースが拡大する。この結果、前後方向の寸法が大きい荷物の搭載が許容される。
図31、図32に示す荷室ボード40の使用状態から、シートバック33Bの倒伏状態を維持したままで、図18に示す操作部材71を押圧操作すると、ワイヤW2を介してロック部材59およびロック部材86が同時にアンロックされるので、図24に示すスプリング78の付勢力に抗して荷室ボード40を図20に示す収納状態の方向に強制的に押圧操作し、この押圧操作完了時に、図23に示す2つのロック部材82,83でピストン76,76を挟持させると、荷室ボード40のみが図19、図20の状態となり、上下寸法が大きい荷室スペースが形成されるので、高さが高い荷物の搭載が許容される。
図31、図32に示す状態からリヤシート33のシートバック33Bを通常の乗員着座状態に復帰させて、このシートバック33Bを起立した状態に成す一方、図31、図32の使用状態下の荷室ボード40を上方に引き上げる際、後側のサブボード43を元位置に戻しながら、ヒンジ部44の突軸70を支点として荷室ボード40を引き上げると、この荷室ボード40は図33、図34に示すように、シートバック33Bの起立した状態での背面に沿って上下方向に延びて配設される起立状態となる。
つまり、図33、図34に示す荷室ボード40の起立状態にあっても、図29、図30で示した起立状態と同様に、リヤシート33後方の荷室空間5と、収納ボックス7内とが上下方向に連通するので、高さ寸法が大きい大型の荷物の積載に対応することができ、この荷室ボード40の起立状態も図18に示すフック68にて係止保持することができる。
このフック68は伸縮部材69を介してリヤシート33のシートバック33Bに取付けられているので、単一のフック68にて図29、図30に示す低位置での起立状態の荷室ボード40の係止保持と、図33、図34に示す高位置での起立状態の荷室ボード40の係止保持とに対応できるが、それぞれの状態に対応すべく2つのフックを用いてもよいことは勿論である。
このように、図17〜図34で示した実施例の車両の後部荷室構造は、車両のフロアパネル(キックアップフロア部3b参照)上にシートクッション33Cとシートバック33Bとを備えるリヤシート33を配設し、該リヤシート33の後方に荷室空間5が形成されると共に、該荷室空間5には少なくとも上下方向に移動可能な荷室ボード40が設けられた車両の後部荷室構造であって、上記リヤシート33はシートクッション33C上にシートバック33Bが倒伏して折畳み可能に構成され、上記荷室ボード40はフロアパネル(荷室フロア面4a参照)に沿って平坦に収納される収納状態(図19、図20参照)と、上記リヤシート33が折畳まれた状態でのシートバック33B後端部と略同一高さに位置する使用状態(図31、図32参照)とに選択的に移動可能に設けられ、上記荷室ボード40は複数に分割されて、その前側部にはフロア高さに位置する軸部材(ピン63参照)を有し、該軸部材(ピン63)が前後方向に移動することで上記収納状態(図19、図20参照)と使用状態(図31、図32参照)とを選択すべく構成したものである。
この構成によれば、シートバック33Bをシートクッション33C上に倒伏して折畳むと共に、軸部材(ピン63)の前方移動により荷室ボード40を使用状態に移動すると、シートバック33Bと荷室フロア面4aとの間の段差が解消され、シートバック33Bと荷室ボード40とが前後方向に連続したフラットな荷室面が形成されるので、この荷室面上に前後方向寸法が大きい荷物の搭載が許容される。
また、上述の軸部材(ピン63)の後方移動により荷室ボード40をフロアパネル(荷室フロア面4a参照)に沿って平坦に収納される収納状態に移動すると、上下方向の寸法が大きい荷室スペースが形成されるので、この荷室スペースに高さが大きい荷物の搭載が許容される。
このように、リヤシート33の折畳み時におけるシートバック33Bと荷室フロア面4aとの間の段差の解消と、荷室およびシートの使い勝手確保との両立を図ることができる。
さらに、上記荷室ボード40の側方には上記軸部材(ピン63)の前後方向の移動を案内するガイド部(スライド溝64参照)を設けたものである。
この構成によれば、軸部材(ピン63)を荷室ボード40側方のガイド部(スライド溝64)にて円滑に案内することができる。
また、上記フロアパネル(荷室フロア面4a参照)には該フロアパネルより下方に凹設された収納部(収納ボックス7参照)が設けられ、該収納部(収納ボックス7)の上方を上記荷室ボード40で開閉すべく構成したものである。
この構成によれば、荷物をリヤシート33後方の荷室空間5と、収納部(収納ボックス7)とに区別して格納することができると共に、荷室ボード40で収納部(収納ボックス7)の上方を開放すると収納部(収納ボックス7)内とのアクセスが容易となり、収納部(収納ボックス7)に対して荷物を簡単に出し入れすることができる。
加えて、上記荷室ボード40はシートバック33Bの起立した状態での背面に沿って上下方向に延びて配設される起立状態(図29、図30、図33、図34参照)に移動可能に構成されたものである。
この構成によれば、荷室ボード40を起立状態に選択すると、リヤシート33後方の荷室空間5と、収納部(収納ボックス7)内とが上下方向に連通するので、高さ寸法が大きい大型の荷物の積載に対応することができ、また、荷室ボード40は収納状態(図19、図20参照)と使用状態(図31、図32参照)と起立状態(図29、図30、図33、図34参照)とに選択できるので、荷室のアレンジ性の向上を図ることができる。
また、上記荷室ボード40は互いに回動可能に連結された3つのボード部(メインボード41、サブボード42,43参照)から形成されたものである。
この構成によれば、荷室ボード40を3分割構造と成したので、必要最小限の分割により上記収納状態、使用状態、起立状態を確保することができる。
さらに、上記荷室ボード40は、メインボード41と、該メインボード41の下部に折畳まれる前後のサブボード42,43とを備え、荷室ボード40を収納状態(図19、図20参照)から使用状態(図31、図32参照)に移動させる時、前後のサブボード42,43を押し開く駆動機構74を設けたものである。
この構成によれば、荷室ボード40を収納状態から使用状態に移動させる時、上述の駆動機構74が前後のサブボード42,43を押し開くので、荷室ボード40をワンタッチで使用状態に上昇移動させることができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のシートは、実施例のリヤシート33に対応し、
以下同様に、
シートを配設するフロアパネルは、キックアップフロア部3bに対応し、
軸部材は、ピン63に対応し、
軸部材の前後方向の移動を案内するガイド部は、スライド溝64に対応し、
3分割されたボード部は、メインボード41、サブボード42,43に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
本発明の車両の後部荷室構造を示す側面図 図1の要部の斜視図 図1の要部拡大側面図 荷室ボードの収納状態を示す側面図 荷室ボードの分解斜視図 図4のA−A線矢視断面図 可動ピンの出没構造を示す平面図 図4のB−B線矢視断面図 軸部材の前後移動構造を示す斜視図 (a)は図4のC−C線矢視断面図、(b)は図10(a)のD−D線に沿う部分矢視図 荷室ボードの起立状態を示す側面図 図11の要部拡大図 荷室ボードの使用状態を示す側面図 図13の要部拡大図 荷室ボードの起立状態を示す側面図 図15の要部拡大図 車両の後部荷室構造の他の実施例を示す側面図 図17の要部斜視図 図17の要部拡大断面図 荷室ボードの収納状態を示す側面図 図20のE−E線矢視断面図 駆動機構を示す平面図 駆動機構のロック状態を示す側面図 駆動機構のアンロック状態を示す側面図 図22のG−G線矢視断面図 ガイド部の斜視図 図24のH−H線矢視断面図 ピンのオーバーラン防止構造を示す平面図 荷室ボードの起立状態を示す側面図 図29の要部拡大図 荷室ボードの使用状態を示す側面図 図31の要部拡大図 荷室ボードの起立状態を示す側面図 図33の要部拡大図
3b…キックアップフロア部(フロアパネル)
5…荷室空間
7…収納ボックス(収納部)
33…リヤシート(シート)
33B…シートバック
33C…シートクッション
40…荷室ボード
41…メインボード
42,43…サブボード
63…ピン(軸部材)
64…スライド溝(ガイド部)
74…駆動機構

Claims (5)

  1. 車両のフロアパネル上にシートクッションとシートバックとを備えるシートを配設し、
    該シートの後方に荷室空間が形成されると共に、該荷室空間には少なくとも上下方向に移動可能な荷室ボードが設けられた車両の後部荷室構造であって、
    上記シートはシートクッション上にシートバックが倒伏して折畳み可能に構成され、
    上記荷室ボードはフロアパネルに沿って平坦に収納される収納状態と、
    上記シートが折畳まれた状態でのシートバック後端部と略同一高さに位置する使用状態とに選択的に移動可能に設けられ、
    上記荷室ボードは複数に分割されて、その前側部にはフロア高さに位置する軸部材を有し、
    該軸部材が前後方向に移動することで上記収納状態と使用状態とを選択すべく構成し
    上記荷室ボードは、メインボードと、使用状態のメインボードを支持する一方で、収納状態時には該メインボードの下部に折畳まれる前後のサブボードと、を備え、
    荷室ボードを収納状態から使用状態に移動させる時、前後のサブボードを押し開く駆動機構を設けた
    車両の後部荷室構造。
  2. 上記荷室ボードの側方には上記軸部材の前後方向の移動を案内するガイド部を設けた
    請求項1記載の車両の後部荷室構造。
  3. 上記フロアパネルには該フロアパネルより下方に凹設された収納部が設けられ、該収納部の上方を上記荷室ボードで開閉すべく構成した
    請求項1または2記載の車両の後部荷室構造。
  4. 上記荷室ボードは、シートバックの起立した状態での背面に沿って上下方向に延びて配設される起立状態に移動可能に構成された
    請求項1〜3の何れか1に記載の車両の後部荷室構造。
  5. 上記荷室ボードは互いに回動可能に連結された3つのボード部から形成された
    請求項1〜4の何れか1に記載の車両の後部荷室構造。
JP2006209350A 2006-08-01 2006-08-01 車両の後部荷室構造 Expired - Fee Related JP4765816B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006209350A JP4765816B2 (ja) 2006-08-01 2006-08-01 車両の後部荷室構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006209350A JP4765816B2 (ja) 2006-08-01 2006-08-01 車両の後部荷室構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008030720A JP2008030720A (ja) 2008-02-14
JP4765816B2 true JP4765816B2 (ja) 2011-09-07

Family

ID=39120576

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006209350A Expired - Fee Related JP4765816B2 (ja) 2006-08-01 2006-08-01 車両の後部荷室構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4765816B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5065945B2 (ja) * 2008-03-04 2012-11-07 本田技研工業株式会社 車両用収納装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4441285B2 (ja) * 2004-02-09 2010-03-31 ダイキョーニシカワ株式会社 車両の仕切板支持機構

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008030720A (ja) 2008-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7527315B2 (en) Seat device for vehicle
WO2010098196A1 (ja) 車両用シート装置
US20070182227A1 (en) Remote Release Seat Cushion Lock With One Hand Operation
JP4293208B2 (ja) 自動車後部の荷室構造
JP4793142B2 (ja) 車両の後部荷室構造
JP2008037299A (ja) 車両の後部荷室構造
JP4765816B2 (ja) 車両の後部荷室構造
JP4770612B2 (ja) 車両の後部荷室構造
JP4626402B2 (ja) 車両用後部荷室構造
JP4556498B2 (ja) 車両用シート装置
JP4997797B2 (ja) 車両用シート装置
JP4756364B2 (ja) 車両の後部荷室構造
JP5119731B2 (ja) 車両用シート装置
JP4765832B2 (ja) 車両の後部荷室構造
JP4626396B2 (ja) 車両用後部荷室構造
JP5023613B2 (ja) 車両用シートの収納構造
JP2006335164A (ja) 車両用後部荷室構造
JP5017920B2 (ja) 車両の後部荷室構造
JP2007302144A (ja) 車両の後部荷室構造
JP2008018878A (ja) 車両用シート装置
JP2007230488A (ja) 車両用シート装置
JP4513700B2 (ja) 車両用荷室構造
JP5007521B2 (ja) 車両の後部荷室構造
JP2007230487A (ja) 車両用シート装置
JP2008238858A (ja) 車両の車室内構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110517

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110530

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4765816

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees