JP4765082B2 - 造波装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水槽内に配置された模型船や構造物等に対して波を発生させる造波装置に関する。
特に、本発明は、簡易な構成を有し、前記模型船や構造物に多方向から押し寄せる多方向波、あるいは一方向の平行波を発生することができる造波装置に関する。
波を発生させる造波装置の形式として、日本の登録実用新案第30459105号に示されているような縦断面が概ね三角形の水平三角柱状のフロートを水面付近で垂直面内を上下方向に動かすプランジャー型と、日本の特許公開公報特開平9−25899号に示されているような平板で構成する造波板を水面付近で前後方向に動かすフラップ型、ピストン型等がある。
水槽内の模型船や構造物等に対して多方向から波を当てる場合は、従来は平面で構成されるフロートや造波板を幅方向に細かく分割したものを、位相をずらして順次動かすようにしていた。
また、斜め方向に進む斜め規則波を生成する場合は、やはり平面で構成されるフロートや造波板を幅方向に細かく分割したものを、位相をずらして順次動かすことで斜め規則波を造波するようにしていた。
しかし、従来の造波装置は、分割された多数の平板状のフロートを制御しながら位相をずらして揺動させることにより、多方向波や斜め規則波を発生させるため、制御が大変複雑であった。
たとえば日本の特開平8−201218号公報には斜めの規則波を発生させるための複雑な制御が開示されている。
また、従来の造波装置は、フロートが多数のフロート板に分割され、それらの分割された各フロート板を駆動する多数の駆動機構を有し、しかも、フロート板の間には必要に応じてシールを設けていた。
このため、従来の造波装置はきわめて複雑な構造を有していた。
そこで、本発明の目的は、従来複雑であった造波装置の構造や制御の問題を解決し、単純な構造を有し、簡単な制御によって多方向波や任意の方向の平行波を発生させることができる造波装置を提供することにある。
本発明に係る造波装置は、少なくとも一つの造波機を有する造波装置であって、前記造波機は、フロートと、前記フロートを上下に移動させる昇降機構と、前記フロートを水平に移動させる水平移動機構と、前記昇降機構と前記水平移動機構とを駆動する駆動装置とを有し、前記フロートは、フロート下部ほど小さな断面積を有しフロート上部ほど大きな断面積を有する、垂直方向上方から見て同心状に配列された相似形の水平断面を有し、前記水平断面は、前記フロートが前記水平移動機構によって移動した水平方向の複数の位置において外周の一部の法線が水槽の所定位置に集中するような形状を有している、ことを特徴とする。
本発明に係る造波装置は、少なくとも一つの造波機を有する造波装置であって、前記造波機は、フロートと、前記フロートを上下に移動させる昇降機構と、前記フロートを水平に移動させる水平移動機構と、前記昇降機構と前記水平移動機構とを駆動する駆動装置と、前記駆動装置を制御する制御装置とを有し、前記フロートは、フロート下部ほど小さな断面積を有しフロート上部ほど大きな断面積を有する、垂直方向上方から見て同心状に配列された相似形の水平断面を有し、前記制御装置は、前記フロートを水平方向に移動させるとともに前記フロートを下方に移動させ、平行波を生成するように前記フロートの水平方向移動速度と下方方向移動速度を制御する。
本発明に係る造波装置は、複数の造波機を線状に配列した造波装置であって、前記各造波機は、フロートと、前記フロートを上下に移動させる昇降機構と、前記昇降機構を駆動する駆動装置とを有し、
前記フロートは、フロート下部ほど小さな断面積を有しフロート上部ほど大きな断面積を有する、垂直方向上方から見て同心状に配列された相似形の水平断面を有し、前記各造波機のフロートの水平断面は、外周の一部の法線が水槽の所定位置に集中するような形状を有している、ことを特徴とする。
本発明に係る造波装置は、複数の造波機を線状に配列した造波装置であって、前記各造波機は、フロートと、前記フロートを上下に移動させる昇降機構と、前記フロートを垂直な軸のまわりで回転させる回転機構と、前記昇降機構と前記回転機構とを駆動する駆動装置とを有し、前記フロートは、フロート下部ほど小さな断面積を有しフロート上部ほど大きな断面積を有する、垂直方向上方から見て同心状に配列された相似形の水平断面を有し、前記各造波機のフロートの水平断面は、前記回転機構によって所定の角度に回転されたときに外周の一部の法線が水槽の所定位置に集中するような形状を有している、ことを特徴とする。
本発明の造波装置は、少なくとも一つの造波機を有し、前記造波機はフロートと該フロートの昇降機構と該フロートの水平移動機構と駆動装置とを有し、前記フロートは、フロート上部ほど大きな断面積を有する垂直方向上方から見て同心状に配列された相似形の水平断面を有し、前記水平断面はフロートが水平移動した水平方向の所定位置において外周の一部の法線が水槽の所定位置に集中するような外周形状を有している。
本発明のフロートは、水平方向に移動することができ、その水平方向の複数の位置において、水平断面の外周の一部の法線が前記所定位置の模型船や構造物に向かうような形状の水平断面を有している。
これにより、水平方向に移動する途中の所定位置において、フロートを下方に移動させれば、波がフロートの外周の法線方向に進行し、所定位置の模型船や構造物に向かって進行する。模型船や構造物から見れば、多方向から押し寄せる波を受けることになり、対象物に多方向波が押し寄せる状態をシミュレートすることができる。
本発明によれば、従来分割された多数のフロート板を制御して揺動させて多方向波を生成する装置に比して、一つのフロートの水平移動と上下動という簡易な構造と単純な制御によって多方向波を生成することができる。
本発明の造波装置は、少なくとも一つの造波機を有し、前記造波機はフロートと該フロートの昇降機構と該フロートの水平移動機構と駆動装置と制御装置を有し、前記フロートはフロート上部ほど大きな断面積を有する垂直方向上方から見て同心状に配列された相似形の水平断面を有し、前記制御装置は前記フロートを水平方向に移動させるとともに前記フロートを下方に移動させ、平行波を生成するように前記フロートの水平方向移動速度と下方方向移動速度を制御する。
本発明によれば、一つのフロートにより、任意の方向の平行波を生成することができる。
すなわち、本発明によれば、制御装置がフロートを水平方向に移動させながら下方に移動させる。フロートが下方に移動させられると、フロート上部の大きな断面積の水平断面によって波が押されて通常の水面の進行速度より速く進行させられる。
フロートの水平方向の移動速度と下方への移動速度とを制御することにより、フロートの水平移動前に生じた波と水平移動後に生じた波の位相を整合させることができ、水平移動方向と平行な平行波を生成することができる。
またフロートの水平移動前に生じた波と水平移動後に生じた波の位相をずらすことにより、任意の方向の斜めの平行波を生成することができる。
すなわち、本発明によれば、一つのフロートの水平移動と上下動という動きを実現する簡易な構造と単純な制御によって任意の方向の平行波を生成することができ、従来斜め平行波を生成させるために、たとえば日本の特許公開公報特開平8-201218号公報に記載されたような複雑な多数のフロート板の制御に比して簡単に任意の方向の平行波を生成させることができる。
本発明の造波装置は、複数の型造波機を線状に配列し、各造波機はフロートと、フロートを上下させる昇降機構と、駆動装置とを有し、フロートは上部ほど大きな断面積を有し、該フロートの水平断面は外周の一部の法線が水槽の所定位置に集中するような形状を有している。
本発明の造波装置によれば、複数の造波機を有し、各造波機のフロートを下方に駆動すると、各フロートの水平断面の外周の法線方向に波が生じる。
したがって、各フロートを上下動すると、波がフロートの水平断面外周の法線方向に進行し、所定位置の模型船や構造物に向かって集中するように進行する。模型船や構造物から見れば、多方向から押し寄せる波を受けることになり、対象物に多方向波が押し寄せる状態をシミュレートすることができる。
本発明によれば、単に各フロートを上下に移動させることにより、各フロートから模型船や構造物に向かって直進する波を生成することができ、従来の技術に比してはるかに簡単な制御によって多方向波を生成することができる。
本発明の造波装置は、複数の造波機を線状に配列し、各造波機はフロートと、フロートを上下させる昇降機構と、フロートを垂直軸のまわりで回転させる回転機構と、駆動装置とを有し、前記フロートは上部ほど大きな断面積を有する垂直方向上方から見て同心状に配列された相似形の水平断面を有し、各造波機のフロートの水平断面は、前記回転機構によって所定の角度に回転されたときに、外周の一部の法線が水槽の所定位置に集中するような形状を有している。
本発明の造波装置によれば、フロートを回転機構によって所定の角度に回転すると、水槽の所定位置に法線が集中する形状の水平断面を有している。
これにより、模型船や構造物の位置に合わせて各造波機のフロートを回転機構によって所定の角度に回転し、フロートを上下に移動させれば、対象物の模型船や構造物に押し寄せる多方向波を実現することができる。
本発明によれば、各フロートを回転装置によって所定角度に回転し、しかる後は単に各フロートを上下に移動させることにより、各フロートから模型船や構造物に向かって直進する波を生成することができ、従来の技術に比してはるかに簡単な制御によって多方向波を生成することができる。
図1は、本発明の第一実施形態による造波装置の造波機の平面図。 図2は、本発明の第一実施形態による造波装置の造波機の側面図。 図3は、本発明の第一実施形態による造波装置の作用を説明する図。 図4は、本発明の第二実施形態による造波装置の構造と作用を説明する図。 図5は、本発明の第二実施形態による造波装置の作用を説明する図。 図6は、本発明の第三実施形態による造波装置の構造と作用を説明する図。 図7は、本発明の第四実施形態による造波装置の構造と作用を説明する図。 図8は、本発明のフロートの水平断面の一例を示す図。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1と図2は、本発明の第一の実施形態を示している。そのうち、図1は本発明の第一実施形態の造波装置が少なくとも一つ有している造波機の平面図、図2は同造波機の側面図を示している。なお、図1と図2の例の造波機はいわゆるプランジャー型造波機と呼ばれているため、以下「プランジャー型造波機」と呼ぶ。
図1と図2に示すように、本実施形態のプランジャー型造波機1は、フロート2と、フロート2を上下に昇降させる昇降機構3と、フロート2を水平に移動させる水平移動機構4と、昇降機構3と平移動機構4とを駆動する駆動装置5,6とを有している。
本実施形態のフロート2は、円錐形を垂直面で一部切断した形状を有している。従って、フロート2の水平断面は円の一部の形状を有している。フロート2は、フロート下部にいくのに従って下端部が先細りの形状を有している。
本実施形態は、上述したようにフロート2が円錐形の一部の形状を有しているが、本発明のフロートとしては、水平断面が多角形の錐形の一部、たとえば、三角錐形の一部、四角錐形の一部等でもよい。
上記フロートの「錐形」は、必ず下端部が尖端になっていることを意味するものではなく、縦断面が台形になっているように、下端部が切断されているものを含む。
本発明のフロートは、水平断面が相似形であり、該水平断面が、フロート下部ほど小さな断面積を有し、フロート上部ほど大きな断面積を有し、垂直方向上方から見て同心状に配列されている形状を有しているものであればよい。
本実施形態のフロートの水平断面は円形の一部であるが、本発明のフロートの水平断面は、フロートが水平移動機構によって移動した先の複数の位置において外周の一部の法線が水槽の所定位置に集中するような形状を有していればよい。したがって、フロートの水平断面は多角形であってもよい。
フロートが三角錐の一部である場合は、水平断面が三角形の形状を有し、フロートが四角錐の一部である場合は、水平断面は四角形の形状を有している。
また、フロートの水平断面は、模型船や構造物側の幅が大きく、フロート2を取り付ける試験槽の壁側が狭い形状であってもよい。この場合は、模型船や構造物の実験に不要な波を試験槽の壁側に差し向け、波を吸収する装置によってそれらの波を吸収できる。
また、水平断面の水平移動する方向の先端部が流線型に形成されていてもよい。水平移動による目的以外の波の発生を最小限にすることができるからである。
本実施形態のようにフロートの水平断面の外周形状が円弧である場合は、水平移動機構によって移動した任意の水平位置において円弧の一部の法線が水槽内の所定位置に延びるが、フロートの水平断面の外周形状がたとえば三角形の場合は、三角形の斜辺の角度に対応する水平位置の決まった2カ所でフロートの水平断面の三角形の斜辺の法線が水槽内の所定位置に延びる。
昇降機構3は、フロート2を支持しながら昇降させる構造と、フロート2の上下動をガイドする構造とを有する。
具体的には、昇降機構3は、フロート2全体を支持する支持台7と、支持台7の一部に取り付けられフロート2を支持して昇降させる垂直ネジ8と、支持台7に取り付けられた垂直レール9と、前記垂直レール9と遊嵌しフロート2に取り付けられた垂直ガイド10とからなる。
水平移動機構4は、フロート2を支持しながら水平移動させる構造と、フロート2の水平移動をガイドする構造とを有する。
具体的には、水平移動機構4は、水槽の内壁等に取り付けられ昇降機構を含めてフロート2全体を支持する基台11と、基台11に取り付けられた水平ネジ12と、水平ネジ12と螺合し支持台7に取り付けられたナット部材13と、基台11に取り付けられた水平レール14と、水平レール14と遊嵌し支持台7に取り付けられた水平ガイド15とからなる。
昇降用駆動装置5は好ましくはモーターからなり、回転すると図示しないナットを回転させ、該ナットと垂直ネジ8の螺合によって垂直ネジ8を上下動させ、これによってフロート2を昇降させる。
垂直レール9と垂直ガイド10はフロート2の上下動をガイドする。
水平移動用駆動装置6は好ましくはモーターからなり、回転すると水平ネジ12を回転させ、水平ネジ12に螺合させられたナット部材13を水平移動させ、これによってフロート2を水平移動させる。
水平レール14と水平ガイド15は、フロート2の水平移動をガイドする。
このように、昇降用駆動装置5と水平移動用駆動装置6の回転と制御により、フロート2は任意の水平移動と垂直移動とを行うことができる。
フロート2を水面付近で上下動させると、フロート2の上部の水平断面が大きな断面積を有しているため、すなわちフロート2の縦断面が三角形になっているため、水面に波を発生させることができる。
上記実施形態では、昇降用駆動装置5と水平移動用駆動装置6とを別々の駆動装置としたが、一つの駆動装置を備え、歯車等の伝達機構によって昇降用駆動装置と水平移動用駆動装置を兼ねるようにしてもよい。
次に、本実施形態による多方向波の生成について説明する。
図3に示すように、フロート2の初期位置の円弧の中心点をOとし、フロート2の水平移動の方向をY方向、前記Y方向と垂直な方向をX方向として座標系を設定する。
座標(dX1,0)にある対象物(模型船や構造物)をM1、座標(dX2,0)にある対象物をM2とする。
座標(0,0)にあるフロート2から対象物M1,M2に入射する波の角度は0度である。
Y方向に水平移動し座標(0,dY)にあるフロート2から対象物M1,M2に入射する波の角度をθ1,θ2とすると、角度θ1,θ2は下式のように表される。
Figure 0004765082
上記式から明なように、任意の水槽中の位置の対象物に対して、適当なdYを選択することにより、所望の入射角の波を生成することができる。
dYを変化させることで、対象物に対して入射角が異なる波を造波することができる。
時間間隔をおいて対象物に異なる入射角の波を造波する場合は、フロート2を水平移動させて所定の位置に移動し、該水平位置で上下動させる。フロート2をY方向に連続的に移動する場合、不必要な入射角の波に対してはその水平位置ではフロート2の上下動を抑えて波が生じないようにすればよい。
図3から明らかなように、本実施形態のフロート2は、水平断面の外周が円弧の一部からなるため、任意の複数の水平位置で外周の一部の法線が水槽内の所定位置(M1,M2)に向かって延びている(法線が集中している)。したがって、フロート2を任意の複数の水平位置で上下動させると、対象物からみれば、対象物が多方向波を受けた状態をシミュレートすることができる。
水平断面の外周形状が多角形の場合は、該多角形の各辺の角度に対応する水平位置でフロート2を上下動させたときに対象物が多方向波を受けた状態になるので、限られた角度の多方向波をシミュレートすることができる。
いずれにしても、本実施形態によれば、フロートの水平断面が複数の水平位置で外周の法線の一部が水槽内の所定位置に集中するので、フロートを複数の水平位置で上下動すると、水槽内の所定位置の模型船や構造物等が多方向波を受けることになる。
本実施形態によれば、一つのプランジャー型造波機1の水平移動と上下動により、上述したように水槽内の模型船や構造物等の対象物に多方向波を作用させられので、従来の多数の分割フロート板を有する造波装置に比して構造が簡単であり、多方向波を生成するために多数の分割フロート板を複雑に制御していたのに比して制御を大幅に簡略化することができる。
なお、本実施形態では、プランジャー型造波機1が一つの場合について説明したが、プランジャー型造波機1を複数設けて造波装置を構成することもできる。この場合であっても、従来の分割フロート板を有する造波装置に比して構造と制御が簡単である点は変わらない。
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。
本発明の第二の実施形態は一つのフロートの水平移動と下方への移動によって平行波を発生させる実施形態である。
本実施形態の造波装置16は、プランジャー型造波機17と、制御装置18とを有している。
プランジャー型造波機17は第一実施形態のプランジャー型造波機1と同様の構成と機能を有し、図4にはフロート2のみを示し、構成と機能の説明を省略する。
制御装置18は、プランジャー型造波機17のフロート2の水平移動の速度と上下動の速度を制御することができる。
図4に示すように、本実施形態の造波装置16は、フロート2を水平方向に移動させるとともにフロート2を下方に移動させ、制御装置18により平行波を生成するように前記フロート2の水平方向移動速度と下方方向移動速度を制御する。
図5を用いて平行波生成のメカニズムを説明する。
図5において、図2と同一の構成部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図5は、紙面垂直方向で手前に位置するフロート2aとその背後に位置するフロート2bとを示している。フロート2aは、フロート2bに比して上がった状態にある。フロート2bはフロート2aから所定時間経過した状態を示している。
すなわち、図5は、フロート2が紙面の垂直方向の手前の方から奥の方に向かって移動し(本明細書にいうフロートの水平移動)、かつ、下方に移動している状態を示している。
フロート2aが下方に移動するときに波が生じ、その波は水面W上を図5の右側に進行する。
一方、フロート2bは、フロート2aに比して大きな水平断面の部分で波を生成し、その波も図5の右側に進行する。
フロート2bの波はフロート2aの波に比して所定時間経過後に発生するが、フロートの縦断面形状が上方にいくにしたがって膨出する三角形を有しているため、フロート2aより波の進行方向の前進した位置で波を発生する。
本実施形態は、制御装置18により、フロート2の水平移動と下方への移動速度を制御することにより、フロート2aとフロート2bの位相を調整することができる。
フロート2aとフロート2bの波の位相が同調する場合は、図4に示すようなフロート2の水平移動と平行な平行波を生じることができる。フロート2aの波に比してフロート2bの波の位相を遅れさせたり、進ませたりすることにより、任意の角度の斜め波を生成することができる。
すなわち、制御装置18によりフロート2の水平移動速度に対する垂直移動速度を適宜制御することにより任意の角度の平行波を生成することができる。
フロート2の一回の水平移動によって一つの波が生成されるが、フロートの水平方向の往復動によって複数の波からなる平行波を生成することができる。
本実施形態の造波装置16によれば、一つのフロート2と、簡単なフロートの水平移動の速度と下方移動の速度の制御により、任意の角度の平行波を生成でき、多数の分割フロート板の複雑な揺動制御や反射波を利用する従来の技術よりはるかに簡単に任意の角度の平行波を生成することができる。
次に本発明の第三の実施形態について説明する。
本発明の第三実施形態はフロートが水平移動機構を有しておらず、その代わりにフロートを複数設ける実施形態である。
図6は、本実施形態の造波装置19の構成と作用を示した図である。
造波装置19は、複数のプランジャー型造波機20a,20b,20cを有している(図6の例では3つあるが、任意の数の造波機を備えることができる)。
各プランジャー型造波機20a,20b,20cは、図1,2のプランジャー型造波機に比して水平移動機構を有していない他は、図1,2のプランジャー型造波機と同様の構造を有している。
図6において、図1,2の同一のフロートについては同一の符号2を付して示している。
本実施形態の造波装置19のプランジャー型造波機20a,20b,20cのフロート2はそれぞれ昇降機構を有し、上下動が可能である。
また、プランジャー型造波機20a,20b,20cのフロート2は外周の一部の法線が水槽内の所定位置の模型船や構造物Mに集中する形状を有している。図6の例では円形の一部の形状を有しているが、水平断面は任意の多角形でもよい。
造波装置19において、プランジャー型造波機20a,20b,20cのフロート2を上下させると、波がフロートの外周の法線方向に進行し、所定位置の模型船や構造物Mに向かって進行する。模型船や構造物Mから見れば、多方向から押し寄せる波を受けることになり、対象物に多方向波が押し寄せる状態をシミュレートすることができる。
本実施形態によれば、従来分割された多数のフロート板を制御して揺動させて多方向波を生成する装置に比して、フロートの上下動という簡単な制御によって多方向波を生成することができる。フロートの数は複数であるが各フロートは単純な上下動であるため、制御が複雑になることはない。
また、本実施形態によれば、従来の分割された多数のフロート板を有する構成ではフロート板の間をシールしなければならないため構造が複雑であったのに対し、困難なシールを行う必要がなく、簡単な構造の造波装置を得ることができる。
次に本発明の第四の実施形態について説明する。
本発明の第四実施形態は第三実施形態の構成に各プランジャー型造波機に回転機構を加えたものである。すなわち、本第四実施形態は複数のフロートを有し、各フロートは水平移動機構を有しておらず、昇降機構と回転機構とを有している。
図7は、本実施形態の造波装置21の構成と作用を示した図である。
造波装置21は、複数のプランジャー型造波機22a,22b,22cを有している(図6の例では3つあるが、任意の数の造波機を備えることができる)。
各プランジャー型造波機22a,22b,22cは、図1,2のプランジャー型造波機に比して水平移動機構を有しておらず、図1,2のプランジャー型造波機と同様の昇降機構と、回転機構とを有している。
図7において、図1,2の同一のフロートについては同一の符号2を付して示している。
本実施形態の造波装置21のプランジャー型造波機22a,22b,22cのフロート2はそれぞれ昇降機構により上下動が可能であり、回転機構により回転が可能である。
造波装置21において、プランジャー型造波機22aと22cのフロート2を図7に示す方向に、フロート2の水平面の外周の一部の法線が水槽内の所定位置の模型船や構造物Mに集中(交差)するように、所定の角度回転する。
次に、プランジャー型造波機22a,22b,22cの各フロート2を上下動させれば、波がフロートの外周の法線方向に進行し、所定位置の模型船や構造物Mに向かって進行する。模型船や構造物Mから見れば、多方向から押し寄せる波を受けることになり、対象物に多方向波が押し寄せる状態をシミュレートすることができる。
本実施形態によれば、水槽内の任意の位置の対象物に対して多方向波を当てることができる。すなわち、水槽内の対象物の位置に合わせてプランジャー型造波機22a,22b,22cのフロート2の角度をあらかじめ回転し、しかる後に上下動させればよい。図7の例では、プランジャー型造波機22bは回転していないので、プランジャー型造波機22bは回転機構を省略することができるが、好ましくは各プランジャー型造波機22a,22b,22cは回転機構を有するようにすることができる。
また、図7の例では、フロート2の水平断面は円弧と直線を有する外周形状としたが、円形の一部とすることも、多角形とすることも可能である。
本実施形態によれば、従来分割された多数のフロート板を制御して揺動させて多方向波を生成する装置に比して、フロートの回転と上下動によって多方向波を生成することができる。
以上の本発明の第三実施形態と第四実施形態は、いずれもプランジャー型造波機が水平移動機構を有していないが、本発明の第三実施形態と第四実施形態に水平移動機構を備えることにより、さらに便利な造波装置を得ることができる。
図8は、本発明のフロートの水平断面の一例を示している。
このフロートの水平断面例は、外周の中心部分が直線から成り、両端部が円弧からなり、造波装置の中心部分に位置するときは直線部によってその正面に位置する対象物に直進する波を生成し、造波装置の両端部に位置するときは両端部の円弧により前記対象物に直進する波を生成することができる。

Claims (4)

  1. 少なくとも一つの造波機を有する造波装置であって、
    前記造波機は、フロートと、前記フロートを上下に移動させる昇降機構と、前記フロートを水平に移動させる水平移動機構と、前記昇降機構と前記水平移動機構とを駆動する駆動装置とを有し、
    前記フロートは、フロート下部ほど小さな断面積を有しフロート上部ほど大きな断面積を有する、垂直方向上方から見て同心状に配列された相似形の水平断面を有し、前記水平断面は、前記フロートが前記水平移動機構によって移動した水平方向の複数の位置において外周の一部の法線が水槽の所定位置に集中するような形状を有している、ことを特徴とする造波装置。
  2. 少なくとも一つの造波機を有する造波装置であって、
    前記造波機は、フロートと、前記フロートを上下に移動させる昇降機構と、前記フロートを水平に移動させる水平移動機構と、前記昇降機構と前記水平移動機構とを駆動する駆動装置と、前記駆動装置を制御する制御装置とを有し、
    前記フロートは、フロート下部ほど小さな断面積を有しフロート上部ほど大きな断面積を有する、垂直方向上方から見て同心状に配列された相似形の水平断面を有し、
    前記制御装置は、前記フロートを水平方向に移動させるとともに前記フロートを下方に移動させ、平行波を生成するように前記フロートの水平方向移動速度と下方方向移動速度を制御する、ことを特徴とする造波装置。
  3. 複数の造波機を線状に配列した造波装置であって、
    前記各造波機は、フロートと、前記フロートを上下に移動させる昇降機構と、前記昇降機構を駆動する駆動装置とを有し、
    前記フロートは、フロート下部ほど小さな断面積を有しフロート上部ほど大きな断面積を有する、垂直方向上方から見て同心状に配列された相似形の水平断面を有し、前記各造波機のフロートの水平断面は、外周の一部の法線が水槽の所定位置に集中するような形状を有している、ことを特徴とする造波装置。
  4. 複数の造波機を線状に配列した造波装置であって、
    前記各造波機は、フロートと、前記フロートを上下に移動させる昇降機構と、前記フロートを垂直な軸のまわりで回転させる回転機構と、前記昇降機構と前記回転機構とを駆動する駆動装置とを有し、
    前記フロートは、フロート下部ほど小さな断面積を有しフロート上部ほど大きな断面積を有する、垂直方向上方から見て同心状に配列された相似形の水平断面を有し、前記各造波機のフロートの水平断面は、前記回転機構によって所定の角度に回転されたときに外周の一部の法線が水槽の所定位置に集中するような形状を有している、ことを特徴とする造波装置。
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