JP4764440B2 - 洋傘 - Google Patents

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Description

この発明は、蝙蝠傘やパラソルなどの傘に関するものであり、洋傘を製造する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび販売に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
一般的な洋傘は、基端にハンドルを取り付けた中棒の中途適所に下ハジキを、上端寄りの適所に上ハジキを設け、複数本の受骨の基端を等角度間隔に配置、上下回動自在に軸着した下ロクロを、該上ハジキより上がわとなる位置から下ハジキまで中棒に沿って摺動自在となるよう装着すると共に、該中棒の上端付近には、各受骨の先端が、中途適所にダボを介して連結された複数本の親骨基端を上下回動自在に軸着した上ロクロを固定した上、該複数本の親骨上には、中央に中棒先端を貫通し、親骨の本数に相当する頂角をもつ多角形状ドーム型シート製カバーの要所々々を結着してから、該中棒先端に石突を装着したものとし、該カバーは、各親骨間毎に二等辺三角形状に裁断された三角布地同士を縫合し、緩やかなドーム型に形成される。
したがって、当該カバーは、各二等辺三角形状の三角布地の各二等辺が、中心(石突貫通位置)に近づくに従い、微妙に膨らみをもつようカーブしたものとしてあり、この曲線が洋傘を造る上で最も重要な要素であって、プリント柄の位置合わせや生地の裁断、縫製などの各製造工程に高度な技術と多大な工数とを要する部分となっていた。
また、このような従来型の洋傘は、外観に秀れ、利用者を降雨から効果的に保護することができ、受けた雨水を効率よく排水できるという利点を有しているものの、強風に煽られると親骨諸共、上向きに反転してしまう所謂「おちょこ」と呼ばれる現象が起きてしまうという欠点を有していた。
(従来の技術)
そうした事情を打開しようとして、例えば、後記する特許文献1(1)に掲載されている考案のように、洋雨傘の張布を1箇所か、または2箇所中央を切り開きチャックを縫付け、その下側の傘骨の間に風受袋を取り付けたものとし、強風を受けた場合にその風受袋がふくらみ傘中心部に移行すると同時にチャックを開き強風を通り抜けさせるようにした「強風、烈風による破損を防止する、傘」や、同特許文献1(2)に示されている、風の抵抗を軽減する傘「wimbrella」発明に見られるとおりの、カバーの複数適所に、通風孔を貫通し、雨の進入を阻止可能な覆いを装着したもの、同特許文献1(3)に開示されたもののような、雨傘の防水布の石突に相当する個所に風孔を設け、この風孔に雨水浸入防止兼用となる筒状傘袋の一端開口を連結してなる「雨傘」発明などが散見される。
しかし、前者の「強風、烈風による破損を防止する、傘」考案のようなものは、カバーの製造工程で二等辺三角形状の複数毎の防水生地を縫製する作業に留まらず、風受袋を縫着するという作業を追加しなければならいという欠点を有し、次に示した、風の抵抗を軽減する傘「wimbrella」発明のようなものでも、カバーの複数適所に通風孔を穿孔し、夫々に覆いを縫着するなど、カバーの製造工程を複雑化するものであり、また、後者の「雨傘」発明などのように、カバーの石突相当個所に風孔を穿設し、この風孔開口縁に雨浸入防止兼用となる傘袋を縫着したものも、カバーの縫製工程を複雑化してしまうという欠点を払拭できなかった。
(1)実公平6−29422号公報 (2)特開2006−296768号公報 (3)特開平11−206429号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある強風による「おちょこ」変形、防止を目的として開発された様々な傘類は何れも、洋傘の製造工程中で最も高度な技術と多大な工数とを要するとされるカバーの製造工程を、強風用の吹き抜け口を形成するために、さらに複雑なものとしてしまい、カバー用防水生地の設計、裁断(柄位置合わせ)、縫製、傘本体への装着といった各行程に要する原料や工数などを大幅に増加させ、一般的な洋傘より、格段に高価な商品になってしまうという欠点を解消できず、カバーの製造工程を簡素化して格段に低廉化できる「おちょこ」変形防止可能な洋傘を製造する技術については未だ存在しないという状況にある。
(発明の目的)
そこで、この発明は、洋傘の製造工程中、最も重要且つ複雑とされてきたカバーの製造を格段に効率化することができ、しかも強風による「おちょこ」変形現象を未然に防止可能とする新たな洋傘技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の洋傘を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の洋傘は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、先端がわ所定箇所に上ハジキ、該上ハジキから所定下方位置に下ハジキが夫々組み込まれ、基端がわにはハンドルが設けられた棒状パイプからなる中棒の、先端がわで石突基端となる箇所に固定した上ロクロに、親骨N本が、放射状配置であって夫々の基端を上下回動自在に軸着されるようにすると共に、それら親骨夫々の中途所定箇所にダボを介して上下回動自在に軸着してなる受骨N本夫々の基端を、前記した上ハジキおよび下ハジキに掛脱自在となるようにして当該中棒に摺動自在に装着した下ロクロに対して上下回動自在に軸着して傘骨格体を形成する一方、該傘骨格体におけるN本の親骨を、上ロクロ周りに放射状配置の平坦状に広げた状態としたそれら親骨先端夫々を軌道上とする円形、またはそれらを結ぶ多角形の平坦面状のものとなるよう伸縮性生地によってシートカバーに形成した上、該シートカバーで、当該親骨N本を放射状配置で平坦状に広げた状態の傘骨格体親骨上を覆うようにし、その平面中央に中棒先端を貫通させると共に、各親骨の要所々々において双方が結着されるようにした上、それらN本の親骨の中、少なくとも隣接配置となる一対の親骨間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分であって、当該両親骨に沿う位置の全長に亘る線上、またはその線上の所要箇所に相当するシートカバーの表裏面両方の夫々か、または、少なくとも表裏面の何れか一方かに、ファスナーなど仮着機構部を取り付けてなるものとした構成を要旨とする洋傘である。
この基本的な構成からなる洋傘を換言すると、先端がわ所定箇所に上ハジキ、該上ハジキから所定下方位置に下ハジキが夫々組み込まれ、基端がわにはハンドルが設けられた棒状パイプからなる中棒の、先端がわで石突基端となる箇所に固定した上ロクロに、親骨N本が、放射状配置であって夫々の基端を上下回動自在に軸着されるようにすると共に、それら親骨夫々の中途所定箇所にダボを介して上下回動自在に軸着してなる受骨N本夫々の基端を、前記した上ハジキおよび下ハジキに掛脱自在となるようにして当該中棒に摺動自在に装着した下ロクロに対して上下回動自在に軸着して傘骨格体を形成する一方、該傘骨格体におけるN本の親骨を、上ロクロ周りに放射状配置の平坦状に広げた状態としたそれら親骨先端夫々を軌道上とする円形、またはそれらを結ぶ多角形の平坦面状のものとなるよう伸縮性生地によってシートカバーに形成した上、該シートカバーで、当該親骨N本を放射状配置で平坦状に広げた状態の傘骨格体親骨上を覆うようにし、その平面中央に中棒先端を貫通させると共に、各親骨の要所々々において双方が結着されるようにした上、それらN本の親骨の中、少なくとも隣接配置となる一対の親骨間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分であって、当該両親骨に沿う位置の全長に亘る線上、またはその線上の所要箇所に相当するシートカバーの表裏面両方の夫々か、または、少なくとも表裏面の何れか一方かに、ファスナーなど仮着機構部を取り付け、当該両親骨の基端から先端までを寄り添い状態に維持可能とし、強風時などの非常時にはそれを選択的に開放自在として親骨先端寄り部分のシートカバーがわへの弾性変形が、親骨素材強度や傘骨格体構造で許容される範囲まで開放状になるものとした構成からなる洋傘となる。
以上のとおり、この発明の洋傘によれば、従前までの洋傘は、カバーを緩やかなドーム状に形成するよう、二等辺が曲線をなす二等辺三角形状に裁断された複数枚の生地を縫製して製造するため、高度な縫製技術と相当の工数とを要しており、また、強風に煽られると、ドーム型に固定されて使用中のシートカバー内に風を溜め込むこととなって大きな圧力が蝙蝠傘全体に加わり、それを受ける骨組み構造上の耐久強度を越えたところで反転して「おちょこ」と呼ばれる現象を引き起こしてしまうか、「おちょこ」現象にならないまでも、規制して裁断、縫製されたシートカバーのドーム型立体形状に追随して強制的に湾曲させられている親骨が、それとは反対方向への変形を強制させられることに依って自由な弾性変形を阻害されたままの変形を強いられ、仕舞いに折曲変形に至ってしまうという欠点を有していたものが、上記のとおりの新規な構成から、先ず、何といっても強風時などの非常時には、当該仮着機構部を選択的且つ簡単に開放操作自在として親骨を直線状のものに復帰させてしまい、風圧に依る親骨先端寄り部分のシートカバーがわへの弾性変形が、直線状に復した親骨の状態から受けるようにし、その素材強度や傘骨格体構造で許容される範囲まで変形可能にしてあることから、従前までのような弊害を上手に回避できて耐久性を格段に増した蝙蝠傘が得られるようになるという非常に秀でた効果が得られることとなる。
また、伸縮性生地を採用したシートカバーは、円形または多角形の平坦面状のものとし、そのまま平坦状に広げた親骨上に添設、要所要所の縫合で済み、従前までの裁断、縫合のように複雑な縫製工程を大幅に削減し、製造工数を格段に低減することができる上、
N本の親骨を上ロクロ周りに放射状配置の平坦状に広げた状態として当該仮着機構部を仮着するだけで、シートカバーは強制的に緩やかなドーム型となって緊張し、従来型の蝙蝠傘と略同様の立体形状をなして十分な防雨効果が得られるようになり、しかも、このシートカバーは、基本的に縫い合わせをする必要のなく、円形状や多角形状に裁断しただけで一枚のシートとして扱えることから、刺しゅうやプリントその他の意匠的な工夫等が自由に施し得ることとなって、当該仮着機構部となる二等辺三角形部分だけに強調的なデザイン性を醸し出すだけではなく、傘布全体のデザイン面において革命的な変化をもたらす可能性を秘めるという画期的な特徴を発揮するものとなる。
したがって、このように、かってない斬新でファッショナブルな蝙蝠傘としてこの発明の蝙蝠傘を快適に使用し続けているときに、万が一強風に煽られる場面に遭遇したとすれば、慌てず、簡単な操作で速やかに当該仮着機構部を開放して各親骨を当初の平坦面状に展開し、シートカバーを元の平面状のものに復帰させてしまうようにするだけで、従前までのドーム型の立体形状に固定されたままのシートカバーであれば溜め込んでしまう風も、溜まりようがなくて自然に逃げて無くなり、しかもその立体形状を維持するために湾曲したままで溜まった風に抵抗していた従前までの親骨とは違い、元の直線上のものに復した状態から、強度上で許される範囲まで自由に反り返ることができて尚更強風を逃がす状態を助長する構成とも相俟って、従前までのような強風の煽りによる「おちょこ」状態に反転してしまう現象は確実に防止できるという実利効果が期待できるものとなる一方、強風時のこのような目的以外に当該仮着機構部を開放して使用するようにすれば、通常使用の蝙蝠傘としての形態から日除け範囲を拡大した日傘としての使用ができ、その利便性は一層広がるものになるという極めて実用的な特徴が得られることになる。
加えて、各親骨および各受骨の全てか、または、シートカバーの仮着機構部に対応する一対の親骨ならびにそれらに連結した各受骨かの何れか一方を、合成樹脂、あるいは強化素材を含む樹脂系複合材料の何れか一方からなるものとすれば、仮着機構部を仮着する場合に親骨が変形し易くなり、複雑な変形機構を必要とせずに、親骨の基端から先端までを寄り添い状態に変形、維持可能となり、さらに低廉化することができる上、仮着機構部を離脱した場合には、その弾性によって円滑且つ瞬時に展開状態に自動復帰するものとなり、使い勝手にも秀れたものとなる。
また、仮着機構部は、シートカバーの同仮着機構部に対応する一対の親骨の上ロクロ連結個所付近から、受骨の先を連結する各ダボ付近まで、各親骨に沿って設け、各ダボ付近から各親骨先端付近までは、傘開放状態で末広がり「八」文字形状に拡開された配置となるよう設定されたものとし、仮着機構部を仮着して傘を開いた状態のシートカバーのドーム形状を理想的な曲線形状とし、平面状のシートカバーであっても従来型の蝙蝠傘と同等の外観、防雨機能を得ることができる。
そして、仮着機構部をシートカバー表面がわのみに設けてなるものは、傘を開いた場合、仮着した仮着機構部間の二等辺三角形状シートカバー部分が、親骨より下がわに垂れ下がり状となり、蝙蝠傘としての外観を大きく変えてしまうことはない。また、仮着機構部をシートカバー裏面がわのみに設けてなるものは、仮着状態の仮着機構部間となる二等辺三角形状シートカバー部分が、親骨より上がわに露出するものとなり、従来型の蝙蝠傘の外観を大きく変えるものとなるが、この形状を活かしたプリントや染色などを施すことができ、新たな趣向をもった傘として市場に提供することができ、さらに、仮着機構部をシートカバー表裏面双方に夫々設けてなるものとした場合には、仮着した仮着機構部間に二等辺三角形状シートカバー部分が封じ込められてしまい、従前までの蝙蝠と略同等の外観を得ることができ、奇抜な装飾を好まない人々に最も違和感無く利用できるものとすることができる。
さらにまた、上ロクロおよび下ロクロは、各親骨および受骨の各基端軸着個所間の夫々に、互の開き角度を適宜規制可能な歯車型の歯状仕切り部を設け、少なくとも隣接配置となる一対の親骨間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分に対応する一対の親骨および受骨の各基端間には、該歯状仕切り部を設けず、該一対の親骨および受骨を開閉操作自在に軸着されたものとした場合には、中棒軸芯周り方向に弾性変形し難い親骨および受骨の場合にも、仮着機構部を容易に仮着、離脱操作できるものとすることができ、上ロクロおよび下ロクロ以外は殆ど従来構造と同様の傘骨格体を使用可能となり、傘骨格体の製造工程を殆ど変更することなく、当該発明の洋傘をより効率的に生産できるという大きな効果を奏することになる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
傘骨格体は、中棒、ハンドル、親骨、受骨などを互いに一体化し、ハンドルから所定の高さ位置に配するシートカバーをドーム形状に緊張、支持可能とすると共に、仮着機構部の着脱に応じて各親骨、受骨を変形または変位可能とし、さらに、中棒に沿って下ロクロを下方に移動して各親骨および受骨を束ねるよう折り畳み可能とする機能を果たすものであり、中棒、上ハジキ、下ハジキ、ハンドルおよび石突は従来型の洋傘と同様のものとすることができ、また、夫々の部品を、金属製、硬質樹脂製、繊維強化樹脂製、木や竹などの天然素材製のものとすることが可能であり、各親骨および各受骨の夫々の合計本数に特別な制限はなく、各親骨および各受骨の全てか、または、シートカバーの仮着機構部に対応する一対の親骨ならびにそれらに連結した各受骨かの何れか一方が、合成樹脂製、あるいは、炭素繊維やガラス繊維などの強化素材を含む樹脂系複合材料製のものとすることができる。
中棒は、その先端がわに配した上ロクロと、該上ロクロから基端がわに所定距離離れて配したハンドルとを充分な強度で一体化すると共に、その中途所定範囲に沿って下ロクロを摺動自在に支持可能とし、上ハジキおよび下ハジキを夫々の必要個所に配置、一体化可能とする機能を果たすものであり、より具体的には、内部を空洞状とした直線状パイプからなるものとしなければならず、上ロクロ先端がわに石突を結合可能なものとすべきであり、充分な強度を確保し、しかも軽量化可能な金属パイプ製とするのが望ましいが、上ハジキおよび下ハジキの出没機構やバネ類を内蔵可能とした中実棒状の金属製、硬質合成樹脂製、または、樹脂系複合材料製などとすることが可能である外、テレスコープ型に伸縮自在なものとすることができる。
上ハジキは、中棒に沿って上昇移動してくる下ロクロを、親骨が上ロクロ周りに放射状配置の平坦状に広げられた状態に支持可能な位置に係止して仮固定可能とすると共に、中棒中に没して該下ロクロが中棒に沿って降下移動自在に解放操作可能とする機能を果たし、中棒に沿って上昇移動してくる下ロクロを容易に通過可能とし、上昇通過した直後に下ロクロを係止して各親骨を放射状配置に仮固定できるものとし、中棒中に没するよう強制操作して下ロクロを中棒に沿って降下移動自在に解放可能とする形状とし、常時中棒の直径方向外側に向けて弾性的に突出するよう付勢されたものとすべきであり、より具体的には、上辺を中棒に対して直角に設定し、下端縁が中棒の外周壁に没する傾斜状縁または流線状縁に設定されたものとするのがよい。
下ハジキは、中棒に沿って降下移動する下ロクロを、各親骨が互いに中棒周囲に束ね合わせられた状態に支持可能な位置に係止、仮固定可能にすると共に、中棒中に没して該下ロクロが中棒に沿って上昇移動自在に解放操作可能とする機能を果たし、中棒に沿って下降移動してくる下ロクロを容易に許容し、下ロクロが一致した直後に下ロクロを係止して各親骨を中棒周囲に束ね合わせた状態に仮固定できるものとし、中棒中に没するよう強制操作して下ロクロを中棒に沿って上昇移動自在に解放可能とする形状とし、常時中棒の直径方向外側に向けて突出するよう弾性的に付勢されたものとすべきであり、より具体的には、下辺を中棒に対して直角に設定し、上端縁が中棒の外周壁に没する傾斜状縁または流線状縁に設定されたものとするのがよい。
ハンドルは、中棒の基端に把持部分を形成する機能を果たし、把持部分に適する形状および寸法に設定されたものとすべきであり、一般的なJ字状またはI字状の外観を呈するものとするのが望ましく、合成樹脂製、木製、竹製、金属製など様々な素材の中から適宜選択、採用することが可能である。
石突は、中棒の先端がわに配した上ロクロやシートカバーの中央付近などを保護すると共にシートカバーの中央付近を上ロクロ上端付近に結合する機能を果たし、合成樹脂製または金属製とするのが望ましい。
上ロクロは、各親骨の基端を中棒、先端がわの石突基端付近となる箇所に上下回動自在に軸着可能とする機能を果たし、各親骨の基端を充分な強度で円滑に上下回動するよう支持できるものとしなければならず、より具体的には、中棒軸芯に直交する断面形状が歯車型をなして各親骨の、放射状展開状態における互いの開き角度を規制可能とするものとすべきであり、例えば、後述する実施例に示すように、各親骨の基端軸着個所間の夫々に、互の開き角度を適宜規制可能な歯車型の歯状仕切り部を設けると共に、少なくとも隣接配置となる一対の親骨間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分に対応する一対の親骨の各基端間には、該歯状仕切り部を設けず、該一対の親骨が開閉操作自在に軸着されたものとすることができる。
下ロクロは、各受骨の基端を中棒に沿って摺動自在に装着すると共に、各受骨の基端を上下回動自在に軸着可能とする機能を果たし、各受骨の基端を充分な強度で、円滑に上下回動自在とするよう支持するものとしなければならず、より具体的には、中棒軸芯に直交する断面形状が歯車型をなし、各基端が放射状に展開された場合の、各受骨の互いの開き角度を適宜規制可能としたものとすべきであり、例えば、後述する実施例に示すように、各受骨の基端軸着個所間の夫々に、互の開き角度を適宜規制可能な歯車型の歯状仕切り部を設けると共に、少なくとも隣接配置となる一対の親骨間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分に対応する一対の受骨の各基端間には、該歯状仕切り部を設けず、該一対の受骨が開閉操作自在に軸着されたものとすることができる。
親骨は、中棒先端がわで石突基端となる箇所に固定した上ロクロを中心に、円形または多角形の平坦面状のものとなるよう伸縮性生地によって形成したシートカバーを、ドーム状に展開、緊張可能にすると共に、仮着機構部が離脱された状態では、シートカバーを平坦面状に弛緩した状態に展開、支持できるものとし、また、同シートカバーを中棒に沿って折り畳み可能とする機能を果たし、中棒の先端がわで石突基端となる箇所に固定した上ロクロに、N本が、放射状配置であって夫々の基端を上下回動自在に軸着されるようにすると共に、それら親骨夫々の中途所定箇所にダボを介して受骨Nの先端が上下回動自在に軸着されてなるものとしなければならず、金属などの硬質素材製とする外、N本全てか、または、シートカバーの仮着機構部に対応する一対の親骨かの何れか一方が、合成樹脂製、あるいは、強化素材を含む樹脂系複合材料製としたものとすることができる。
受骨は、上ロクロに軸着されたN本の親骨の各中途所定箇所と、中棒に沿って上下摺動自在な下ロクロとを、親骨より短い所定間隔を隔てて上下回動自在に連結し、中棒に沿う下ロクロの上下摺動操作力を、各親骨に伝達可能とすると共に、放射状に展開された各親骨を、夫々の所定展開姿勢に支持可能とする外、中棒に束ねるよう折り畳まれた各親骨を、夫々の所定折り畳み姿勢に支持可能とする機能を果たし、各先端をN本の親骨の各中途所定箇所夫々にダボを介して上下回動自在に軸着し、夫々の基端を、上ハジキおよび下ハジキに掛脱自在となるようにし、当該中棒に摺動自在に装着した下ロクロに対して上下回動自在に軸着したものとしなければならず、金属などの硬質素材製とする外、N本全てか、または、シートカバーの仮着機構部に対応する一対の親骨に連結した受骨かの何れか一方が、合成樹脂製、あるいは、強化素材を含む樹脂系複合材料製としたものとすることができる。
シートカバーは、親骨N本が放射状配置で平坦状に広げられた状態の傘骨格体親骨上を覆い、親骨が広げられた範囲下を雨水から保護可能にすると共に、日除けするものとなる外、仮着機構部の着脱操作、および、弾性を有するシート素材によってドーム状の立体形状から平坦面シート状、または平坦面シート状からドーム状立体形状へと自在に変形可能とする機能を果たし、傘骨格体におけるN本の親骨を、上ロクロ周りに放射状配置の平坦状に広げた状態としたそれら親骨先端夫々を軌道上とする円形、またはそれらを結ぶ多角形の平坦面状のものとなるよう伸縮性生地によって形成されたものとし、少なくとも隣接配置となる一対の親骨間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分であって、当該両親骨に沿う位置の全長に亘る線上、またはその線上の所要箇所に相当するシートカバーの表裏面両方の夫々か、または、少なくとも表裏面の何れか一方かに、ファスナーなど仮着機構部を取り付けなければならず、下ロクロを中棒、上ハジキより先端がわに摺動移動させた場合に、直線形状のまま展開したN本の親骨各先端付近を夫々頂角とする正多角形の形状、寸法に設定された伸縮性平面シート製であって、シート自体に撥水性を有するか、またはシート表面に撥水処理が施されたものとすることができ、該仮着機構部間に相当する(少なくとも隣接配置となる一対の親骨間に位置する)二等辺三角形状のシートカバー部分のみの柄や色などを、同一シートカバーのその外のシートカバー部分の柄や色と異なるものとして、当該発明による洋傘の特徴を強調したものとしたり、外的美観を高めた斬新な洋傘としたりすることができ、該二等辺三角形状のシートカバー部分のみ別体とし、仮着機構部の取り付けと同加工で後付したものとすることも可能である。
仮着機構部は、上ロクロ周りに放射状配置の平坦状に広げた状態としたN本の親骨の少なくとも隣接配置となる一対の親骨同士を、当該両親骨の基端から先端までを寄り添い状態に維持できるようにし、また、強風時などの非常時にはそれを選択的に開放自在として親骨先端寄り部分のシートカバーがわへの弾性変形が、親骨素材強度や傘骨格体構造で許容される範囲まで開放状に操作可能とする機能を果たし、N本の親骨の中、少なくとも隣接配置となる一対の親骨間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分であって、当該両親骨に沿う位置の全長に亘る線上、またはその線上の所要箇所に相当するシートカバーの表裏面両方の夫々か、または、少なくとも表裏面の何れか一方かに設けたものとしなければならず、より具体的には、後述する実施例に示すようなファスナーまたはボタンや、面ファスナーなど着脱性が確実で、しかも着脱操作の容易なものを採用すべきであり、シートカバーの同仮着機構部に対応する一対の親骨の上ロクロ連結個所付近から、受骨の先を連結する各ダボ付近まで、各親骨に沿って設け、各ダボ付近から各親骨先端付近までは、傘開放状態で末広がり「八」文字形状に拡開された配置となるよう設定されたものとするのが望ましく、シートカバー表面がわのみに設けてなるものや、シートカバー裏面がわのみに設けてなるもの、あるいはシートカバー表裏面双方に夫々設けてなるものとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1の仮着機構部を解放した洋傘の平面図、図2の仮着機構部を解放した洋傘の側面図、図3の解放した仮着機構部の平面図、図4の仮着機構部を仮着した洋傘の平面図、図5の仮着機構部を仮着した洋傘の側面図、図6の仮着した仮着機構部の平面図、図7のシートカバー裏面に仮着機構部設けた洋傘の側面図、図8のシートカバー表裏面双方に仮着機構部設けた洋傘の側面図、図9の表裏面双方に仮着機構部設けたシートカバーの断面図、図10の表裏面双方に仮着機構部設けたシートカバー要部の斜視図、および図11の仮着機構部を複数個のボタンとしたシートカバーの断面図に示す事例は、傘骨格体1の上ロクロ(図示せず)周りに放射状配置の平坦状に広げた状態としたN本の親骨5,5,……のそれら先端夫々を軌道上とする円形、またはそれらを結ぶ多角形の平坦面状のものとなるよう伸縮性生地によってシートカバー7に形成した上、該シートカバー7で、親骨5,5,……N本を放射状配置で平坦状に広げた状態の傘骨格体1親骨5,5,……上を覆うようにし、その平面中央に中棒2先端を貫通させると共に、各親骨5,5,……の要所々々に結着した上、それらN本の親骨5,5,……の中、少なくとも隣接配置となる一対の親骨5,5間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分70であって、当該両親骨5,5に沿う位置の全長に亘る線上、またはその線上の所要箇所に相当するシートカバー7の表裏面両方の夫々か、または、少なくとも表裏面の何れか一方かに仮着機構部8を取り付けてなるものとした、この発明の洋傘における代表的な幾つかの実施例を示すものである。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明の洋傘は、所定長さに設定された金属製棒状パイプからなる中棒2を有し、その先端がわとなる外周面壁に図示しない金属製板片からなる上ハジキを出没自在に設け、該中棒2中に内蔵された弾性機構によって外がわに向けて付勢されたものとし、該上ハジキの上端縁は中棒2軸芯に直角状に形成し、その上端縁から下端縁に掛け、緩やかな曲線をなして中棒2周面壁中に至る流線形板状に形成されたものとし、同上ハジキから所定距離下方となる中棒2中途適所の外周面壁には、図示しない金属製板片からなる下ハジキが、その下端縁を中棒2軸芯に直角状に形成し、同下端縁から上端縁に掛けて緩やかな曲線をなして中棒2周面壁中に没する流線形板状に形成されたものとし、中棒2中に内蔵した弾性機構により、直径方向外側に向けて付勢するよう設定されたものとし、基端がわには合成樹脂成型品であるJ字型のハンドル20を接続、一体化したものとしてある。
中棒2の、先端外周面壁には、歯車型に成型された合成樹脂製上ロクロ(図示せず)を固定し、同上ロクロの歯車型の歯状仕切り部間夫々に、合計11本(N本)の炭素繊維強化樹脂製親骨5,5,……の各基端を遊嵌して放射状となるよう配置すると共に、該上ロクロの外周壁面に沿って各親骨5,5,……の基端を順次、周回りに貫通した金属線(図示せず)の両端を強固に結束するか、または、それに代わる線状体を用いるかの何れかにより、各親骨5,5,……の先端がわが上下回動自在となるよう軸着したものとすると共に、それら親骨5,5,……夫々の中途所定箇所には一体化、結合された金属製ダボ(図示せず)を介して、合計11本(N本)の炭素繊維強化樹脂製受骨6,6,……の先端を上下回動自在に軸着したものとなっている。
各受骨6,6,……の基端は、前記上ハジキおよび下ハジキに夫々掛脱自在となるようにして当該中棒2に沿って摺動自在に装着した短尺筒型の合成樹脂製下ロクロ4の上端縁に形成した歯車型の歯状仕切り部間夫々に、遊嵌状に配して前記親骨5,5,……各基端の上ロクロへの軸着と同様の構造によって上下回動自在に軸着し、金属部品および可撓性を有する炭素繊維強化樹脂製部品との組み合わせからなるものとした傘骨格体1を有するものである。
そして、図1および図2中に示すように、当該傘骨格体1の上ロクロ周りに放射状配置の平坦状に広げた状態とした11本(N本)の親骨5,5,……の先端夫々を結ぶ正11(N)角形の平坦面状のものとするよう伸縮性生地を裁断し、必要に応じて外周縁を折り返し、解れ留めを施すなどしてシートカバー7に形成し、表面に適宜の柄をプリントすると共に、撥水処理を施したものとしてから該シートカバー7で、当該親骨5,5,……N本を放射状配置で平坦状に広げた状態の傘骨格体1親骨5,5,……上を覆うようにし、その平面中央に中棒2先端を貫通させると共に、各親骨5,5,……の各ダボ近傍先端がわ付近、各先端、および、先端とダボとの中間付近などの要所々々において双方を結着した上、該中棒2先端に補強用の環状当て布(図示せず)を介在させて石突21を同心状に固着、立設したものとする。
さらに、それら1本(N本)の親骨5,5,……中の、隣接配置となる一対の親骨5,5間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分70であって、当該両親骨5,5に沿う位置の全長に亘る線上に相当するシートカバー7の表面に、親骨5,5の先端がわに解放可能であり、解放端にストッパー部を有するファスナーからなる仮着機構部8を取り付けたものとし、図1および図3中に示すよう該仮着機構部8は、シートカバー7の同仮着機構部8に対応する一対の親骨5,5の上ロクロ(図示せず)連結個所である基端付近から、受骨6,6の先を連結する各ダボ(図示せず)付近まで、各親骨5,5に沿って設け、各ダボ付近から各親骨5,5先端付近までは、傘開放状態で末広がり「八」文字形状に拡開された配置となるよう設定してある。
図7中に示すように、当該仮着機構部8は、シートカバー7の裏面に設けたものとし、該仮着機構部8間に相当し、一対の親骨5,5間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分70の表面を、それ以外のシートカバー7表面範囲とは別の色にプリントまたは染色したものとすることが可能であり、また、図8ないし図10に示すように、当該仮着機構部8を、シートカバー7の表裏面双方に設けたものとすることが可能である外、図11中に示すように、仮着機構部8が一対の親骨5,5間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分70裏面の二等辺に沿って点在状配置とした複数個のスナップボタン(商品名)8,8,……からなるものとすることができる。
図12の上ロクロ要部の平断面図に示す事例は、この発明の洋傘における代表的な他の実施例を示すものであり、上ロクロ3が、各11本の親骨5,5,……の各基端軸着個所間の夫々に、互の開き角度を適宜規制可能な歯車型の歯状仕切り部30,30,……を設けると共に、隣接配置となる一対の親骨5,5間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分70に対応する一対の親骨5,5の各基端間には、この歯状仕切り部30を設けず、軸着用環状金属線31に沿って、これら一対の親骨5,5同士を寄り添い状態に閉鎖自在に軸着されたものとした上、各歯状仕切り部30,30,……の厚さ寸法を、各親骨5,5,……の移動域Mに応じて適宜設定し、同図12図中に二点鎖線で示すように、当該一対の親骨5,5同士を寄り添い状態に閉鎖した場合に、それらに近接する親骨5,5,……ほど、より大きく移動可能とするよう設定してなるものとしたものであり、図示しない下ロクロについても同様の歯車型の歯状仕切り部形状に設定したものとする。
(実施例1の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明の洋傘は、図4ないし図6中に示すように、仮着機構部であるファスナー8を全閉し、二等辺三角形状のシートカバー部分70に対応する一対の親骨5,5同士を寄り添う状態に閉鎖した状態で、下ハジキを中棒2中に押し込むよう操作して仮固定状態を解放させた下ロクロ4を、中棒2に沿って上ハジキ通過位置まで上昇し、弾性的に突出する上ハジキに係合させ、10本(N−1本)の親骨5,5,……を等間隔、放射状配置に広げた緩やかな湾曲形に開いた状態にしてシートカバー7をドーム型に緊張させ、雨傘として理想的な形状を呈するものとし、この状態では、親骨5,5,……11本(N本)の中、隣接配置となる一対の親骨5,5が、その基端から先端までを寄り添い状態に維持されて、図5中に示すように、それら一対の親骨5,5間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分70が、親骨5,5間下方に垂れ下がり状となり、シートカバー7裏面への雨漏りを確実に防止するものとなる。
加えて、該ファスナー(仮着機構部)8は、図1および図3中に示すように、シートカバー7の一対の親骨5,5の基端付近から、受骨6,6の先を連結する各ダボ(図示せず)付近まで各親骨5,5に沿って設け、各ダボ付近から各親骨5,5先端付近までは、傘開放状態で末広がり「八」文字形状の湾曲状に拡開された配置とするよう設定してあり、図6中に示すよう該ファスナー8を閉鎖すると、図5中に示すような理想的なドーム形状をなすものとなっており、同ファスナー8の解放端に設けた図示しないストッパー部が不用意な解放を阻止するものとなる。
このように開放した洋傘が強風に曝されたときには、利用者自らがファスナー8を解放操作するか、または、突然による風圧を受けたストッパー部が自動的に外れ、開いてしまうかの何れかによってファスナー8が開放し、図1ないし図3中に示すように、ファスナー8の閉鎖によって寄り添い状に束ねられていた一対の親骨5,5が解放されてその間の、二等辺三角形状のシートカバー部分70が現れ、当該親骨5,5,……11本(N本)を等間隔、放射状配置で平坦状に広げた状態となり、図2中の二点鎖線に示すよう強風に曝されて「おちょこ」に変形しそうになった場合にも、平面状に弛緩されたシートカバー7が、同図2中の実線矢印に示すよう上下微動しながら、強風を柔軟に去なしてしまい、各親骨5,5,……の弾性復帰力または傘骨格体1それ自体の剛性によって、自動的に正常な拡開状態を維持するものとなる。
また、ファスナー8を解放した洋傘は、遮光面積を拡大した日傘として利用することも可能である。
さらに、図7に示した洋傘のように、シートカバー7の裏面がわに仮着機構部8を設けた場合には、開いたシートカバー7の下方空間に二等辺三角形状のシートカバー部分70垂れ下がらず、一般的な洋傘と同様の使用が可能であり、シートカバー7の表面がわに露出した二等辺三角形状のシートカバー部分70を、新たな意匠として外観の向上および差別化に利用することができる。
そして、図8ないし図10に示すように、シートカバー7の表裏面がわ双方に仮着機構部8,8を設けたものは、表裏面双方の仮着機構部8,8を閉鎖した空間中に、二等辺三角形状のシートカバー部分70を収納してしまい、通常の雨傘と略同様の外観を確保することができ、強風時や日傘として利用する場合には、両仮着機構部8,8を解放して親骨N本を放射状配置で平坦状に開放し、シートカバー7が多角形の平坦面状に開かれた状態とすることができる。
また、図11中に示したように、仮着機構部8を複数個のスナップファスナーからなるものとすれば、そのスナップファスナーの種類や採用個数を吟味することにより、設定した風圧程度に応じて自動的に解放してしまうようにすることも可能であり、ファスナー製のものとは違い、設定風圧以上の強風が吹けば、使用者の意思に無関係で、10本(N−1本)の親骨5,5,……を開いた状態で普通の傘として使用中、その状態から瞬時に11本(N本)の親骨5,5,……が開いた状態へと変化することとなる。
(実施例2の作用)
図12に示したように、上ロクロ3および下ロクロの歯車型の歯状仕切り部30,30,……の形状を改良したものは、同図12中に実線で示すように、11本(N本)の親骨5,5,……が開いてしまって略平坦になってしまっている状態から、仮着機構部8を作動して閉鎖してしまい、同図12中に二点鎖線で示すような10本(N−1本)の親骨5,5,……にして通常使用状態における開いた状態へと変化させる場合に、一対の親骨5,5間に歯状仕切り部30が無く、同一対の親骨5,5の基端から先端まで完全な寄り添い状に揃えることが可能となり、図13の従来型上ロクロ要部の平断面図に示した従来型の上ロクロ3形状のものに比較して、一対の親骨5,5に不要な変形ストレスを掛けることなく円滑に拡開するものとなる。
また、一対の親骨5,5以外の各親骨5,5,……についても、それらの移動域Mに応じて基端間の歯状仕切り部30,30,……の周方向厚みを設定してあり、ドーム形状化、および、平坦面形状化の操作がより円滑なものとなる。
(実施例1の効果)
図11に示したように、仮着機構部8を複数個のスナップボタンからなるものとしてあることから、ファスナーや面ファスナーなどを用いた場合に比較し、設定した風圧に応じて自動的に解放し得るものにすることができ、使用者が意識しないでも瞬時に一対の親骨5,5間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分70を解放するようにし、使用が不慣れであったり、機構を上手に使えないような老人、子供、あるいは身障者などにあっても解放操作を不要とし、傘の安全が自然に保たれ得るものにすることができるという秀れた特徴を発揮するものとなる。
(実施例2の効果)
図12中に示すように、上ロクロ3の歯車型の歯状仕切り部30,30,……の中、一対の親骨5,5間の歯状仕切り部30を廃止すると共に、それ以外の親骨5,5,……の移動域Mに応じて各歯状仕切り部30,30,……の周回り方向の厚みを設定した構造によって仮着機構部8の開閉に応じて全ての親骨5,5,……が、同図12中に実線で示す位置と、二点鎖線で示す位置との間を円滑に移動するようにしてあり、その操作性をより高めることができるという利点が得られる上、下ロクロも同様の構造のものとすれば、傘骨格体1全体の耐久強度を一段と高めることができるという効果を奏するものになる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の洋傘は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの洋傘製造技術に比較して、その製造作業を大幅に効率化することができ、耐久強度を高め、軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができることから、新たな機能や新鮮な意匠の開発に苦慮している洋傘の製造および販売業界はもとよりのこと、強風に煽られて度々の「おちょこ」現象を経験してきていて半ば観念している一般使用者においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この発明の洋傘の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例、および従来例を示すものである。
親骨を平面放射状に開き仮着機構部を解放した洋傘を示す平面図である。 親骨を平面放射状に開き仮着機構部を解放した洋傘を示す側面図である。 解放状態にある仮着機構部を示す平面図である。 仮着機構部を仮着し親骨をドーム型に開いた洋傘を示す平面図である。 仮着機構部を仮着し親骨をドーム型に開いた洋傘を示す側面図である。 仮着状態にある仮着機構部を示す平面図である。 シートカバー裏面に仮着機構部設けた洋傘を示す側面図である。 シートカバー表裏面双方に仮着機構部設けた洋傘を示す側面図である。 表裏面双方に仮着機構部設けたシートカバーを示す断面図である。 表裏面双方に仮着機構部設けたシートカバー要部を示す斜視図である。 仮着機構部が複数個のボタンからなるシートカバーを示す断面図である。 上ロクロ要部の断面形状を示す平面図である。 従来型上ロクロ要部の断面形状を示す平面図である。
符号の説明
1 傘骨格体
2 中棒
20 同 ハンドル
21 同 石突
3 上ロクロ
30 同 歯状仕切り部
31 同 軸着用環状金属線
M 同 親骨基端の移動域
4 下ロクロ
5 親骨
6 受骨
7 シートカバー
70 同 シートカバー部分
8 仮着機構部

Claims (8)

  1. 先端がわ所定箇所に上ハジキ、該上ハジキから所定下方位置に下ハジキが夫々組み込まれ、基端がわにはハンドルが設けられた棒状パイプからなる中棒の、先端がわで石突基端となる箇所に固定した上ロクロに、親骨N本が、放射状配置であって夫々の基端を上下回動自在に軸着されるようにすると共に、それら親骨夫々の中途所定箇所にダボを介して上下回動自在に軸着してなる受骨N本夫々の基端を、前記した上ハジキおよび下ハジキに掛脱自在となるようにして当該中棒に摺動自在に装着した下ロクロに対して上下回動自在に軸着して傘骨格体を形成する一方、該傘骨格体におけるN本の親骨を、上ロクロ周りに放射状配置の平坦状に広げた状態としたそれら親骨先端夫々を軌道上とする円形、またはそれらを結ぶ多角形の平坦面状のものとなるよう伸縮性生地によってシートカバーに形成した上、該シートカバーで、当該親骨N本を放射状配置で平坦状に広げた状態の傘骨格体親骨上を覆うようにし、その平面中央に中棒先端を貫通させると共に、各親骨の要所々々において双方が結着されるようにした上、それらN本の親骨の中、少なくとも隣接配置となる一対の親骨間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分であって、当該両親骨に沿う位置の全長に亘る線上、またはその線上の所要箇所に相当するシートカバーの表裏面両方の夫々か、または、少なくとも表裏面の何れか一方かに、ファスナーなど仮着機構部を取り付け、当該両親骨の基端から先端までを寄り添い状態に維持可能とし、強風時などの非常時にはそれを選択的に開放自在として親骨先端寄り部分のシートカバーがわへの弾性変形が、親骨素材強度や傘骨格体構造で許容される範囲まで開放状になるものとしたことを特徴とする洋傘。
  2. シートカバーは、下ロクロを中棒、上ハジキより先端がわに摺動移動させた場合に、直線形状のまま展開したN本の親骨各先端付近を夫々頂角とする正多角形の形状、寸法に設定された伸縮性平面シート製であって、シート自体に撥水性を有するか、またはシート表面に撥水処理が施されたものとしてなる、請求項1記載の洋傘。
  3. 各親骨および各受骨の全てか、または、シートカバーの仮着機構部に対応する一対の親骨ならびにそれらに連結した各受骨かの何れか一方が、合成樹脂製、あるいは、強化素材を含む樹脂系複合材料製である、請求項1または2何れか一項記載の洋傘。
  4. 仮着機構部は、シートカバーの同仮着機構部に対応する一対の親骨の上ロクロ連結個所付近から、受骨の先を連結する各ダボ付近まで、各親骨に沿って設け、各ダボ付近から各親骨先端付近までは、傘開放状態で末広がり「八」文字形状に拡開された配置となるよう設定されたものとしてなる、請求項1ないし3何れか一項記載の洋傘。
  5. 仮着機構部は、シートカバー表面がわのみに設けてなるものとした、請求項1ないし4何れか一項記載の洋傘。
  6. 仮着機構部は、シートカバー裏面がわのみに設けてなるものとした、請求項1ないし4何れか一項記載の洋傘。
  7. 仮着機構部は、シートカバー表裏面双方に夫々設けてなるものとした、請求項1ないし4何れか一項記載の洋傘。
  8. 上ロクロおよび下ロクロは、各親骨および受骨の各基端軸着個所間の夫々に、互の開き角度を適宜規制可能な歯車型の歯状仕切り部を設けると共に、少なくとも隣接配置となる一対の親骨間に位置する二等辺三角形状のシートカバー部分に対応する一対の親骨および受骨の各基端間には、該歯状仕切り部を設けず、該一対の親骨および受骨を開閉操作自在に軸着されたものとしてなる、請求項1ないし7何れか一項記載の洋傘。

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