JP4763757B2 - ディスペンディング・パッケージ - Google Patents

Description

本発明は、物品の取り出し可能なパッケージに係り、特に食物及び飲物などのような缶入りの製品に適したパッケージに係る。但し、それに限定されるものではない。

一般に、缶入りの食物／飲物製品は、板紙または段ボール紙製の浅いトレイの中に入れられ、プラスチック・フィルムによるシュリンク包装が行われた状態で供給される。これらのシュリンク包装されたトレイの多くは、スーパーマーケットの棚の上に数段に積み重ねられた状態で置かれる。このようなトレイは、通常、その最も広い面を下にして積み重ねられるが、それは、空間的な効率性に欠け、特に、棚の上に一つのトレイしか置かれない場合には問題となる。更に、シュリンク包装は、製品の差別化のために相応しくない。

本発明により、少なくとも二つの層をなして配置される物品のための板紙製カートンが提供される。

本発明のカートンは、少なくとも二つの層をなして端と端を向き合わせて積み重ねられて配置される物品のための板紙製カートンであって：
当該カートンは６つのサイドを有し、第一のサイドは第二のサイドと第三のサイドの間に配置され、第一のサイドは第四のサイド、第二のサイド及び第三のサイドに対して垂直であり、第二のサイドと第三のサイドは互いに平行であり、且つ、分割パッドが、端と端を向き合わせて積み重ねられた互いに隣接する物品の層の間に配置され、
物品の取り出しために、第一のサイドの中に開口を規定する除去可能な部分を有し、
前記除去可能な部分に隣接してヒンジ状のフラップを有し、
このフラップは、前記除去可能な部分から延びる第一の切れ目及び第二の切れ目により少なくとも部分的に規定され、
第一の切れ目は、前記除去可能な部分に近い第一の端、及び前記除去可能な部分から遠い第二の端を有し、第二の切れ目は、前記除去可能な部分に近い第一の端、及び前記除去可能な部分から遠い第二の端を有し、
第一の切れ目の第二の端と第二の切れ目の第二の端は、第一の切れ目及び第二の切れ目が意図された長さを超えて延びることをそれぞれ防止する切れ目と交差し、
前記ヒンジ状のフラップは、それが外側へ折り曲げられたとき、前記開口を拡大して拡大された開口を作り出し、この拡大された開口が、前記開口単独の場合と比較して物品の取り出しを容易にすること、
を特徴とする。

好ましくは、前記分割パッドは、もう一方のエンドパネル・アレンジメントに対して固定される。

好ましくは、各エンドパネル・アレンジメントは、前記サイドパネルにヒンジ式に接続され、向かい合わせに配置された一対のサイドパネルの端部折り曲げ部と、前記トップパネル及びベースパネルにそれぞれにヒンジ式に接続され、向かい合わせに配置された一対のメインの端部折り曲げ部と、を備えている。

好ましい実施形態において、前記分割パッドは、固定端または各固定端に、折り曲げられた接着用パネルを有している。

好ましい実施形態において、前記トップパネルの端部折り曲げ部は、最後に折り曲げられ、次いで、その対応するエンドパネル・アレンジメントの対応する端部折り曲げ部の全て、及び、その対応する折り曲げられた接着用パネルに接着されて固定される。

好ましくは、一本の直線状の接着剤のラインが、前記トップパネルの端部折り曲げ部による、もう一方の端部折り曲げ部及び接着用パネルに対する、当該接着剤による接着をもたらす。

そのような実施形態の一つにおいて、前記ベースパネルの端部折り曲げ部は、中央突出領域を有し、それによって、前記直線状の接着剤のラインが、順に、前記サイドパネルの端部折り曲げ部の一方、前記接着用パネル、前記ベースパネルの端部折り曲げ部の前記中央領域、前記接着用パネル、及び前記サイドパネルの端部折り曲げ部のもう一方の上に、設けられるように構成される。

更に好ましい実施形態において、前記除去可能な部分は、物品の取り出しを助けるために前記トップパネル及びベースパネルの中に伸び、且つ、前記除去可能な部分は、ミシン目または脆弱化のための他のラインによって作られる。

通常、前記トップパネル、ベースパネル、二つのサイドパネル、及び二つのエンドパネル・アレンジメントは、実質的に矩形である。

好ましい形態によれば、一つまたはそれ以上の切れ目が、前記除去可能な部分から前記隣接する端部に向かって途中まで伸びている。

好ましくは、前記切れ目の内の二つは、前記一つのサイドパネルと前記トップパネル及びベースパネルとの間の折り目に沿って、それぞれ伸びていて、且つ、横方向の切れ目が、前記除去可能な部分から離れた切れ目または各切れ目の端部に設けられる。

次に、本発明の実施形態を、添付図面を用いて、より詳細に説明する。

図１には、カートンを作るための一対の板紙のブランク１０，１１が示されている。これらが組み立てられ、一端を下にして立てられた状態が、図７に示されている。組み立ての様々な段階は、図２から６に斜視図として示されている。

このメインブランク１０は、基本的なカートン形状を作るために使用される。このメインブランク１０は、向かい合わせに配置されたサイドパネル１４，１５にヒンジ式に接続されたトップパネル１３を有している。サイドパネル１５は、次に、ベースパネル１６にヒンジ式に接続され、ベースパネル１６は、接着用の折り曲げ部１７にヒンジ式に接続されている。メインブランク１０は、接着用の折り曲げ部１７をサイドパネル１４の自由端１８に隣接する領域に接着することにより、一般的な筒形に形成される。

サイドパネルの端部折り曲げ部１９、２０は、上記ブランク１０の各端部でそれぞれ、サイドパネル１４，１５にヒンジ式に接続されている。トップパネルの端部折り曲げ部２１は、各端部で、トップパネル１３にヒンジ式に接続され、同様に、ベースパネルの端部折り曲げ部２２は、上記ブランク１０の各端部で、ベースパネル１６にヒンジ式に接続されている。各ベースパネルの端部折り曲げ部２２は、ベースパネルの端部折り曲げ部２２に隣接する自由エッジ２４から突出する中央領域２３を有している。その理由については、後に説明する。

サイドパネル１５にはまた、例えばミシン目のような脆弱化のためのライン２５で作られた除去可能な部分３３が設けられている。この除去可能な部分３３は、符号２６の位置でベースパネル１６の中に、符号２７の位置でトップパネル１３の中に、部分的に伸びている。サイドパネル１５の僅かな部分２８は、除去可能な部分３３が取り除かれた後でも残され、それによって、停止壁として機能するように構成されている。物品の取り出しのための開口の形状については、この図に示されたもの以外の形状を用いることもできる。

第二のブランク１１、即ち分割パッドは、矩形のメインパネル２９を有し、このメインパネル２９は、メインブランク１０のトップパネル１３及びベースパネル１６のサイズ及び形状に対応している。メインパネル２９の各端部に、折り曲げられる接着用パネル３０が、ヒンジ式に接続されている。

カートン１２を組み立てるため、メインブランク１０の接着用の折り曲げ部１７が、サイドパネル１４に固定され、それにより、メインブランク１０が開放され、端部で開放された筒形を形成する。次いで、図２に示すように、缶３１の第一の層が上記筒形の中に挿入され、それにより、端部を下にしてベースパネル１６の上に横たえられる。次いで、図３に示すように、第二のブランク１１が上記筒形の中に挿入され、それにより、缶３１の層の上に横たえられる。次いで、図４に示すように、接着用パネル３０が上記筒形の両端で折り曲げられた状態で、缶３１の第二の層が上記筒形の中に挿入され、それにより、上記分割パッド１１のメインパネル２９上に横たえられ、それにより、下側の缶３１の層の上に置かれる。

次いで、サイドパネルの端部折り曲げ部１９、２０が、各端部で内側に折り畳まれ、ベースパネルの端部折り曲げ部２２が上側に折り畳まれる。次いで、図５に示すように、各端部で、一本の直線状の接着剤のライン３２が、サイドパネルの端部折り曲げ部１９、２０及び接着用パネル３０に塗り付けられ、更に、ベースパネルの端部折り曲げ部２２の中央領域２３に塗り付けられる。次いで、トップパネルの端部折り曲げ部２１が、各端部で折り曲げられ、上記の接着剤のライン３２に接触し、それにより、接着用パネル３０、ベースパネルの端部折り曲げ部２２、及びサイドパネルの端部折り曲げ部１９、２０に接着され、固定される。

この様にして、図６に示すように、カートン１２が完全に組み立てられ、全てのパネルが、製品及び販売促進情報、広告、競争のための詳細部その他を表示することが可能になる。店舗において、このカートン１２は、除去可能な部分３３に隣接する端部を下にして、除去可能な部分３３を消費者に向けて、棚の上に置くことができる。この状況が、図７に示されている。従って、サイドパネル１５は、特に、公告ロゴ及び他の情報を表示するために適している。この除去可能な部分３３は、次いで、図８に示すように、除去され、それにより、その結果形成された、取り出すための開口から、消費者が缶３１を取り出すことができるようになる。ストップ壁２８は、缶３１がカートン１２から転がり出ることを防止する。

このカートン１２は、缶のための従来のシュリンク包装されたトレイと比較して、棚の上で水平面内の比較的小さなスペースしか占めない。また、このカートン１２は、例えば、サイドパネル１５上に、かなりの広告／情報領域を確保するこができる。

図９から１１に、上記の形態の変形例を示す。しかしながら、同様な部分には、同様の参照符号が付されている。

図９及び１０に示されたブランクの詳細において、サイドパネル１５とトップパネル１３及びベースパネル１６との間の折り目が、参照符号４０及び４１で、それぞれ示されている。ストップ壁２８に隣接する脆弱化のためのライン２５は、折り目４０及び４１を横切っている。この変形例では、各折り目４０、４１に切れ目４２が設けられている。この切れ目４２は、脆弱化のためのライン２５から、サイドパネルの端部折り曲げ部２０の方向に途中まで伸びている。横方向の短い切れ目４３が、各切れ目４２の端にも設けられている。この横方向の切れ目４３は、それぞれ、ストップ壁２８及びベースパネル１６またはトップパネル１３の中に、僅かな距離伸びている。この横方向の切れ目４３とサイドパネルの端部折り曲げ部２０の間では、折り目４０、４１は切れ目がない状態で残されている。

この変形例のブランクは、図１のブランク１０と同様な方法で組み立てられ、同様な方法でブランク１１に固定される。しかしながら、パックが開けられて、除去可能な部分３３が取り除かれた後の取り扱いに、若干の相違がある。先の例では、ストップ壁２８の全体が、縦向きの姿勢にあるベースパネル１６及びトップパネル１３に対して固定されていたが、その代わりに、図１１に示すように、縦向きの姿勢にあるストップ壁２８の上側部分２８ａを外側へ折り曲げることが可能である。ストップ壁２８の下側の部分２８ｂは、ベースパネル１６及びトップパネル１３に対して固定された状態で残る。このように上側部分２８ａを外側へ曲げることは、折り目４０、４１の中に切れ目４２が設けられていることにより可能になり、その結果、カートンから缶を取り出すことがより容易になる。これらの横方向の切れ目４３は、オプションとして設けられるものではあるが、切れ目４２が当初想定されていた長さを超えて、サイドパネルの端部折り曲げ部２０の方向へ伸びることを防止する。

この特定の実施形態においては、切れ目４２は、サイドパネルの端部折り曲げ部２０の方向へ半分程度伸びているが、この寸法は設計上の選択事項であり、缶及び他のカートンの寸法によって変わる。更に、この例では、切れ目４２が折り目４０、４１に沿って伸びるように描かれているが、缶の取り出しを容易にするため、他の位置に切れ目４２を設けても良い。

円筒形の物品が、特にこのカートンに良く適しているが、円筒形の缶ばかリでなく、他の形状の製品もこのように詰めることが可能であることが分かるであろう。更に、このカートンは、３以上の層の缶を収容するように、変形することも可能である。各層は、分割パッドで分割され、この分割パッドは、取り出される開口に隣接する方のエンドパネル・アレンジメントに、少なくとも固定され、好ましくは、二つのエンドパネル・アレンジメントの双方に固定される。

カートンを上記以外の方法により組み立てることも、容易に思いつくことができる。

本発明に基づくカートンを作るための二つの板紙のブランクを示す。 本発明に基づくカートンを作るための図１のブランクの組み立て段階を示す、端面から見た斜視図である。 本発明に基づくカートンを作るための図１のブランクの組み立て段階を示す、端面から見た斜視図である。 本発明に基づくカートンを作るための図１のブランクの組み立て段階を示す、端面から見た斜視図である。 本発明に基づくカートンを作るための図１のブランクの組み立て段階を示す、端面から見た斜視図である。 本発明に基づくカートンを作るための図１のブランクの組み立て段階を示す、端面から見た斜視図である。 一端を下にして立てられた状態での、組み立てられたカートンの、側面から見た斜視図である。 一端を下にして立てられた状態での、組み立てられたカートンの、もう一方の側面から見た斜視図であって、除去可能な部分が除去されて、製品が取り出される開口が形成された状態を示している。 本発明に基づくカートンを作るための、好ましいブランクの部分拡大図である。 図９の詳細の更なる拡大図である。 図１０の詳細部が設けられたブランクを用いて組み立てられたカートンの使用中の状態を示し、下側の部分のみを示す。

Claims (7)

1. 少なくとも二つの層をなして端と端を向き合わせて積み重ねられて配置される物品のための板紙製カートンであって：
   当該カートンは６つのサイドを有し、第一のサイドは第二のサイドと第三のサイドの間に配置され、第一のサイドは第四のサイド、第二のサイド及び第三のサイドに対して垂直であり、第二のサイドと第三のサイドは互いに平行であり、且つ、分割パッドが、端と端を向き合わせて積み重ねられた互いに隣接する物品の層の間に配置され、
   物品の取り出しために、第一のサイドの中に開口を規定する除去可能な部分を有し、
   前記除去可能な部分に隣接してヒンジ状のフラップを有し、
   このフラップは、前記除去可能な部分から延びる第一の切れ目及び第二の切れ目により少なくとも部分的に規定され、
   第一の切れ目は、前記除去可能な部分に近い第一の端、及び前記除去可能な部分から遠い第二の端を有し、第二の切れ目は、前記除去可能な部分に近い第一の端、及び前記除去可能な部分から遠い第二の端を有し、
   第一の切れ目の第二の端と第二の切れ目の第二の端は、前記除去可能な部分から離れた位置にあり且つ前記第二のサイド及び前記第三のサイドの中にそれぞれ伸びる切れ目の線と交差し、これらの切れ目の線は、第一の切れ目及び第二の切れ目が意図された長さを超えて延びることを防止し、
   前記ヒンジ状のフラップは、それが外側へ折り曲げられたとき、前記開口を拡大して拡大された開口を作り出し、この拡大された開口が、前記開口単独の場合と比較して物品の取り出しを容易にすること、
   を特徴とする板紙製カートン。
   
2. 下記特徴を備えた請求項１に記載のカートン：
   前記分割パッドは、当該カートンの内側に固定されている。
3. 下記特徴を備えた請求項１に記載のカートン：
   前記除去可能な部分は、第二のサイド及び第三のサイドの両方の中へ延びている。
4. 下記特徴を備えた請求項１に記載のカートン：
   前記分割パッドは、折り曲げられた接着用パネルを有している。
5. 下記特徴を備えた請求項１に記載のカートン：
   前記開口が形成されたとき、当該カートンの中の全ての容器が転がり出ることが防止される。
6. 下記特徴を備えた請求項１に記載のカートン：
   前記第一の切れ目及び第二の切れ目は、それらの間で、前記ヒンジ状のフラップが旋回されることを可能にするように整列されている。
7. 下記特徴を備えた請求項１に記載のカートン：
   前記６つのサイドは、実質的に矩形に配置されている。

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