JP4761251B2 - 長期予測符号化方法、長期予測復号化方法、これら装置、及びそのプログラム - Google Patents

長期予測符号化方法、長期予測復号化方法、これら装置、及びそのプログラム Download PDF

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Description

音声信号の時系列信号の長期予測係数、つまりピッチの周期(時間遅れ)τおよびゲインρを用いて、その時系列信号を少ないビット数に圧縮して符号化する方法、その復号化方法、これら装置、及びそのプログラムに関するものであり、特に歪を許さない符号化に有効なものにしようとするものである。
電話音声信号の符号化ではピッチ周期ごとの波形の類似性を利用するための長期予測が行われている。電話音声信号の符号化は無線通信などで使われる可能性が高いために、ピッチ予測のパラメータτ,ρに対する符号化符号には一定の(固定)符号長が使われていた。また音響信号の歪を許さない符号化では離れたサンプルとの相関を利用する予測を使う方法として例えば特許文献1が知られている。これは高能率符号化装置及び高能率符号復号化装置があるが、ここでも乗数ρや時間遅れのパラメータτには固定長符号に符号化されている。
日本国特許第3218630号
従来の音声信号符号化において、長期予測係数、つまりピッチ周期(時間遅れ)τやゲイン(乗数)ρを固定長(一定の長さ)の符号に符号化しているため、圧縮効率を高めるのに限度があった。
この発明の目的は、従来の音声信号符号化方法より圧縮効率を高めることが可能な長期予測符号化方法、復号化方法、それらの装置を提供することである。
この発明による第1の長期予測符号化方法は、
(a) 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから所定の時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算した乗算結果を上記入力サンプル時系列信号の上記現在のサンプルから差し引いたものを誤差信号サンプルとして得るステップと、
(b) 上記誤差信号サンプルの系列を符号化して第1符号を得るステップと、
(c) 上記時間遅れを符号化して第2符号を得るステップと、
(d) 上記第1符号と上記第2符号を出力するステップ、
とを含み、上記ステップ(c) は、前のフレームの情報が利用できない場合には上記時間遅れを固定長符号化し、そうでない場合は上記時間遅れを可変長符号化して上記第2符号を得ることを特徴とする。
この発明による第2の長期予測符号化方法は、
(a) 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから所定の時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算した乗算結果を上記入力サンプル時系列信号の上記現在のサンプルから差し引いたものを誤差信号サンプルとして得るステップと、
(b) 上記誤差信号サンプルの系列を符号化して第1符号を得るステップと、
(c) 上記時間遅れを符号化して第2符号を得るステップと、
(d) 上記第1符号と上記第2符号を出力するステップ、
とを含み、上記ステップ(c) は、上記乗数が所定の基準値以下である場合は上記時間遅れを固定長符号化し、そうでない場合は上記時間遅れを可変長符号化して上記第2符号を得ることを特徴とする。
この発明による第3の長期予測符号化方法は、
(a) 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから所定の時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算した乗算結果を上記入力サンプル時系列信号の上記現在のサンプルから差し引いたものを誤差信号サンプルとして得るステップと、
(b) 上記誤差信号サンプルの系列を符号化して第1符号を得るステップと、
(c) 上記乗数を符号化して第2符号を得るステップと、
(d) 上記第1符号と上記第2符号を出力するステップ、
とを含み、
上記ステップ(c) は、前のフレームの情報が利用できない場合には上記乗数を固定長符号化し、そうでない場合には上記乗数を可変長符号化して上記第2符号を得ることを特徴とする。
この発明による第4の長期予測符号化方法は、
(a) 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから所定の時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算した乗算結果を上記入力サンプル時系列信号の上記現在のサンプルから差し引いたものを誤差信号サンプルとして得るステップと、
(b) 上記誤差信号サンプルの系列を符号化して第1符号を得るステップと、
(c) 上記乗数を符号化して第2符号を得るステップと、
(d) 上記第1符号と上記第2符号を出力するステップ、
とを含み、
上記ステップ(c) は、前のフレームの乗数が所定の基準値以下の場合には上記乗数を固定長符号化し、そうでない場合には上記乗数を可変長符号化して上記第2符号を得ることを特徴とする。
この発明による第5の長期予測符号化方法は、
(a) 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから所定の時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算した乗算結果を上記入力サンプル時系列信号の上記現在のサンプルから差し引いたものを誤差信号サンプルとして得るステップと、
(b) 上記誤差信号サンプルの系列を符号化して第1符号を得るステップと、
(c) 上記乗数を符号化して第2符号を得るステップと、
(d) 上記第1符号と上記第2符号を出力するステップ、
とを含み、
上記ステップ(c) は、前のフレームの乗数が所定の基準値以下であれば、又は前のフレームの情報が利用できない場合には上記乗数を固定長符号化し、それ以外の場合には上記乗数を可変長符号化して上記第2符号を得ることを特徴とする。
この発明による第1の長期予測復号化方法は、
(a) 入力符号中の第1符号から誤差信号を復号するステップと、
(b) 上記入力符号中の第2符号から時間遅れを復号するステップと、
(c) 再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算した乗算結果を上記誤差信号の現在のサンプルに加算したものを時系列信号として再構成するステップ、
とを含み、上記ステップ(b) は、前フレームの情報が利用できない場合は上記第2符号を固定長復号化し、そうでない場合は上記第2符号を可変長復号化して上記時間遅れを得ることを特徴とする。
この発明による第2の長期予測復号化方法は、
(a) 入力符号中の第1符号から誤差信号を復号するステップと、
(b) 上記入力符号中の第2符号から時間遅れを復号するステップと、
(c) 再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算した乗算結果を上記誤差信号の現在のサンプルに加算したものを時系列信号として再構成するステップ、
とを含み、上記ステップ(b) は、上記乗数が所定の基準値以下である場合は上記第2符号を固定長復号化し、そうでない場合は可変長復号化して上記時間遅れを得ることを特徴とする。
この発明による第3の長期予測復号化方法は、
(a) 入力符号中の第1符号から誤差信号を復号するステップと、
(b) 上記入力符号中の第2符号から乗数を復号するステップと、
(c) 再構成された時系列信号の所定の時間遅れ分だけ過去のサンプルに上記乗数を乗算した乗算結果を上記誤差信号の現在のサンプルに加算したものを時系列信号として再構成するステップ、
とを含み、上記ステップ(b) は、前フレームの情報が利用できない場合は上記第2符号を固定長復号化し、そうでない場合は可変長復号化して上記乗数を得ることを特徴とする。
この発明による第4の長期予測復号化方法は、
(a) 入力符号中の第1符号から誤差信号を復号するステップと、
(b) 上記入力符号中の第2符号から乗数を復号するステップと、
(c) 再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに上記乗数を乗算した乗算結果を上記誤差信号の現在のサンプルに加算したものを時系列信号として再構成するステップ、
とを含み、上記ステップ(b) は、前フレームの乗数が所定の基準値以下の場合には上記第2符号を固定長復号化し、そうでない場合は可変長復号化して上記乗数を得ることを特徴とする。
この発明による第5の長期予測復号化方法は、
(a) 入力符号中の第1符号から誤差信号を復号するステップと、
(b) 上記入力符号中の第2符号から乗数を復号するステップと、
(c) 再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに上記乗数を乗算した乗算結果を上記誤差信号の現在のサンプルに加算したものを時系列信号として再構成するステップ、
とを含み、上記ステップ(b) は、前のフレームの乗数が所定の基準値以下であれば、又は前フレームの情報が利用できない場合は上記第2符号を固定長復号化し、それ以外の場合は上記第2符号を可変長復号化して上記乗数を得ることを特徴とする。
この発明による第1の長期予測符号化装置は、
入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算する乗算部と、
上記乗算部の出力を上記現在のサンプルから差し引き誤差信号を出力する引き算部と、
上記誤差信号を符号化し第1符号を得る波形符号化部と、
上記時間遅れを符号化して第2符号を出力する補助情報符号化部、
とを含み、上記補助情報符号化部は前フレームの情報が利用できない場合に上記時間遅れを固定長符号化して上記第2符号を得る固定長符号化部と、前フレームの情報が利用できる場合は上記時間遅れを可変長符号化して上記第2符号を得る可変長符号化部を備えていることを特徴とする。
この発明による第2の長期予測符号化装置は、
入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算する乗算部と、
上記乗算部の出力を上記現在のサンプルから差し引き誤差信号を出力する引き算部と、
上記誤差信号を符号化し第1符号を得る波形符号化部と、
上記時間遅れを符号化して第2符号を出力する補助情報符号化部、
とを含み、上記補助情報符号化部は、上記乗数が所定の基準値以下である場合は上記時間遅れを固定長符号化して上記第2符号を得る固定長符号化部と、そうでない場合は上記時間遅れを可変長符号化して上記第2符号を得る可変長符号化部を備えていることを特徴とする。
この発明による第3の長期予測符号化装置は、
入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算する乗算部と、
上記乗算部の出力を上記現在のサンプルから差し引き誤差信号を出力する引き算部と、
上記誤差信号を符号化し第1符号を得る波形符号化部と、
上記乗数を符号化して第2符号を出力する補助情報符号化部、
とを含み、上記補助情報符号化部は前フレームの情報が利用できない場合に上記乗数を固定長符号化して上記第2符号を得る固定長符号化部と、前フレームの情報が利用できる場合は上記乗数を可変長符号化して上記第2符号を得る可変長符号化部を備えていることを特徴とする。
この発明による第4の長期予測符号化装置は、
入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算する乗算部と、
上記乗算部の出力を上記現在のサンプルから差し引き誤差信号を出力する引き算部と、
上記誤差信号を符号化し第1符号を得る波形符号化部と、
上記乗数を符号化して第2符号を出力する補助情報符号化部、
とを含み、上記補助情報符号化部は前フレームの乗数が所定の基準値以下の場合には上記乗数を固定長符号化して上記第2符号を得る固定長符号化部と、そうでない場合には上記乗数を可変長符号化して上記第2符号を得る可変長符号化部を備えていることを特徴とする。
この発明による第5の長期予測符号化装置は、
入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算する乗算部と、
上記乗算部の出力を上記現在のサンプルから差し引き誤差信号を出力する引き算部と、
上記誤差信号を符号化し第1符号を得る波形符号化部と、
上記乗数を符号化して第2符号を出力する補助情報符号化部、
とを含み、上記補助情報符号化部は前フレームの乗数が所定の基準値以下であれば、又は前のフレームの情報が利用できない場合には上記乗数を固定長符号化して上記第2符号を得る固定長符号化部と、それ以外の場合には上記乗数を可変長符号化して上記第2符号を得る可変長符号化部を備えていることを特徴とする。
この発明による第1の長期予測復号化装置は、
入力符号中の第1符号を復号化して誤差信号を出力する波形復号化部と、
上記入力符号中の第2符号を復号して時間遅れを得る補助情報復号化部と、
再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算する乗算部と、
上記乗算部の出力を上記誤差信号の現在のサンプルに加算して上記時系列信号を再構成する加算部、
とを含み、上記補助情報復号化部は、前フレームの情報が利用できない場合に上記第2符号を固定長復号して上記時間遅れを得る固定長復号化部と、そうでない場合は上記第2符号を可変長復号して上記時間遅れを得る可変長復号化部とを含むことを特徴とする。
この発明による第2の長期予測復号化装置は、
入力符号中の第1符号を復号化して誤差信号を出力する波形復号化部と、
上記入力符号中の第2符号を復号して時間遅れを得る補助情報復号化部と、
再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算する乗算部と、
上記乗算部の出力を上記誤差信号の現在のサンプルに加算して上記時系列信号を再構成する加算部、
とを含み、上記補助情報復号化部は、上記乗数が所定の基準値以下である場合は上記第2符号を固定長復号して上記時間遅れを得る固定長復号化部と、そうでない場合は上記第2符号を可変長復号して上記時間遅れを得る可変長復号化部とを含むことを特徴とする。
この発明による第3の長期予測復号化装置は、
入力符号中の第1符号を復号化して誤差信号を出力する波形復号化部と、
上記入力符号中の第2符号を復号して乗数を得る補助情報復号化部と、
再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに上記乗数を乗算する乗算部と、
上記乗算部の出力を上記誤差信号の現在のサンプルに加算して上記時系列信号を再構成する加算部、
とを含み、上記補助情報復号化部は、前フレームの情報が利用できない場合に上記第2符号を固定長復号して上記乗数を得る固定長復号化部と、そうでない場合は上記第2符号を可変長復号して上記乗数を得る可変長復号化部とを含むことを特徴とする。
この発明による第4の長期予測復号化装置は、
入力符号中の第1符号を復号化して誤差信号を出力する波形復号化部と、
上記入力符号中の第2符号を復号して乗数を得る補助情報復号化部と、
再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに上記乗数を乗算する乗算部と、
上記乗算部の出力を上記誤差信号の現在のサンプルに加算して上記時系列信号を再構成する加算部、
とを含み、上記補助情報復号化部は、前フレームの乗数が所定の基準値以下の場合は上記第2符号を固定長復号して上記乗数を得る固定長復号化部と、そうでない場合は上記第2符号を可変長復号して上記乗数を得る可変長復号化部とを含むことを特徴とする。
この発明による第5の長期予測復号化装置は、
入力符号中の第1符号を復号化して誤差信号を出力する波形復号化部と、
上記入力符号中の第2符号を復号して乗数を得る補助情報復号化部と、
再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに上記乗数を乗算する乗算部と、
上記乗算部の出力を上記誤差信号の現在のサンプルに加算して上記時系列信号を再構成する加算部、
とを含み、上記補助情報復号化部は、前フレームの乗数が所定の基準値以下であれば、又は前のフレームの情報が利用できない場合は上記第2符号を固定長復号して上記乗数を得る固定長復号化部と、それ以外の場合は上記第2符号を可変長復号して上記乗数を得る可変長復号化部とを含むことを特徴とする。
長期予測符号化において使用される時間遅れτや乗数ρなどの補助情報は場合によるとその値の発生頻度に偏りが生じる場合があり、この発明によれば、そのような発生頻度に偏りがある場合には補助情報を可変長符号化するので、符号化効率を高めることができる。
第1実施例の符号化装置の機能構成例を示すブロック図。 図1に示した装置の処理手順例を示す流れ図。 長期予測符号化の入力と出力との関係を簡単に示す図。 乗数ρ'が小さい場合の遅れτとその発生頻度と、対応符号語の関係例をグラフと表で示す図。 乗数ρ'が大きい場合の遅れτとその発生頻度と、対応符号語との関係例をグラフと表で示す図。 第1実施例の復号化装置の機能構成例を示すブロック図。 図6に示した装置の処理手順例を示す流れ図。 第2実施例の符号化装置の要部の機能構成例を示すブロック図。 図8に示した装置の処理手順例を示す流れ図。 乗数ρ'が基準値より大きい場合の乗数ρの発生頻度と符号語の関係をグラフと表で示す図。 乗数ρ'が基準値以下の場合の乗数ρの発生頻度と符号語との関係をグラフと表で示す図。 乗数符号化部22の他の実施例を示すブロック図。 差分乗数Δρの発生頻度と符号語の関係をグラフと表で示す図。 第2実施例の復号側の乗数復号化部54の機能構成例を示すブロック図。 図14に示した装置の処理手順例を示す流れ図。 乗数とその発生頻度と符号語との他の関係例をグラフと表で示す図。 乗数の発生頻度と符号語の更に他の例を示す図。 時間遅れτの符号化手順の他の例を示す流れ図。 図18と対応する復号化の手順例を示す流れ図。 時間遅れτの符号化方法の選択処理手順の他の例を示す流れ図。 乗数符号化と波形符号化の組を最適化する符号化を説明するための要部の構成を示すブロック図。 複数の遅延タップ数を使用する場合の符号化装置の構成を示すブロック図 。 図22の符号化装置に対応する復号化装置の構成を示すブロック図。 第5実施例の符号化装置の機能構成例を示すブロック図。 複数サンプルに基づき長期予測信号を生成する場合にこの発明を適用した符号化装置の要部の機能構成例を示すブロック図。 図25の符号化装置と対応する復号化装置の要部の機能構成例を示すブロック図。
[第1実施例]
符号化側
以下図面を参照してこの発明の実施例を説明するが、図面中において対応する部分には
同一参照番号を付けて重複説明を省略する。図1に第1実施例の符号化装置の機能構成例
を図2にその処理手順例を示す。
先ずこの発明を具体的に説明する前に、長期予測符号化方法について簡単に説明する。
図1において入力端子11には、信号波形が一定周期でサンプリングされて得られたディ
ジタルサンプルの時系列信号が与えられる。このサンプル時系列信号は区間分割部12で
所定区間(フレームという)、例えば1024〜8192サンプルごとの処理単位に分割される(
ステップS1)。区間分割部12よりの時系列信号x(i) (iはサンプル番号を表す)は
遅延部13でτサンプル遅延され(遅延量をZτと表す)、信号x(i-τ)として出力され
る(ステップS2)。乗算部14は遅延部13の出力である、現サンプルよりτサンプル
過去のサンプル(時間遅れτのサンプルとも呼ぶ)x(i-τ)に対し量子化された乗数(以
下、量子化乗数と呼ぶ)ρ'を乗算し、この乗算結果が長期予測信号として現サンプルx(i
)から引算部15で引算され、誤差信号y(i)が得られる。
通常、τとρ'は符号化する時系列信号の自己相関関数から求める。x(i)を符号化する
時系列信号とし、フレーム内のサンプル数をNとして、そのフレームの時系列信号x(i)の
ベクトルをX=(x(0), …, x(N-1))、このベクトルに対応する、τサンプル遅延したベク
トルをXτ=(x(-τ), …, x(N-1-τ))、とすると、下記の歪dを最小化するτを求めれ
ばよい。
d=|X−ρXτ| (1)
そのために、まず、式(1) に対しρで偏微分を行って得られた式をゼロとおくことにより
次式を得る。
Figure 0004761251
τ X及びXτ τは内積であり、次式により求まる。
Figure 0004761251
次に式(2) を式(1) に代入して次式
Figure 0004761251
を得る。式(5) から、歪dを最小化するには、τを予め設定した探索範囲内で変化させて
(Xτ X)/|Xτ|が最大となるτを見つければよい。これによって得られる時間遅
れτはピッチ周期に相当する。
図3に入力サンプル系列信号x(i)と、引算部15からの誤差サンプル系列信号y(i)=x(
i)-ρ'x(i-τ)との時間軸上における関係を示す。図1の説明に戻って、ベクトルX(入
力サンプル系列信号)と遅延部13よりτサンプルだけ遅延されたベクトルXτとが遅れ
探索部17に入力され、(Xτ X)/|Xτ|が最大となるτの探索が行われる(ステ
ップS3)。この探索範囲は例えばサンプル点256〜511などのように決めておいてもよい
し、前のフレームの時間遅れτ(以下、前フレーム時間遅れτ0と呼ぶ)に依存して、例
えば探索範囲をτ0-200≦τ≦τ0+200などと設定し、フレーム毎に前フレーム時間遅れτ
0に応じて実質的な探索範囲が変更されるようにしてもよい。この場合はフレーム遅れ記
憶部33に保持されている前フレーム時間遅れτ0を遅れ探索部17に与える。探索され
たτは次のフレームにおける時間遅れτの符号化に利用するためτ0としてフレーム遅れ
記憶部33に記憶される。また、ベクトルX、及びτサンプル遅延されたベクトルXτ
から、乗数計算部18で式(2) により乗数ρを計算する(ステップS4)。
(Xτ X)2/|Xτ|2を最大とするときの式(2) による乗数ρの取り得る値は-1≦ρ
≦1の範囲であり、負の値をとることが可能であるが、通常は正の値をとることが多い。
引算部15からの誤差サンプル系列信号は波形符号化部21で例えばフレーム間予測符
号化により可逆符号化され、符号Cが出力される。全体の符号化が非可逆でもよい場合
はこの誤差サンプル系列信号の符号化は非可逆符号化でもよい。また乗数ρが乗数符号化
部22で符号Cρに符号化され、時間遅れτが遅れ符号化部23で符号Cτに符号化され
る。乗数符号化部22と遅れ符号化部23は補助情報符号化部27を構成している。合成
部24で符号Cの他に補助符号として符号CρとCτが合成されて、1フレームごとに
出力される。なお乗数符号化部22内で符号Cρが復号化された量子化乗数ρ'が乗算部
14へ供給され、Xτとの乗算が行われる。
従来においては補助符号Cρ及びCτはいずれも、符号長が一定の固定長符号であった
が、この発明は補助符号Cρ及びCτの少くとも一方は可変長符号化により得るものとし
、これにより符号化圧縮率を向上させる。この第1実施例では時間遅れτを可変長符号化
するが可変長符号化のみではなく、固定長符号化とフレームごとに適応的に選択するよう
にした場合である。
所で入力信号が例えばピッチ成分を含まない背景音(雑音)信号の場合のフレームでは
図4中の左側のグラフ35Aに示すように各種の時間遅れτ(縦軸上で表している)の発
生頻度(横軸上で表している)には規則性は少なく、大きな偏りはない。しかし入力信号
がピッチ成分を含む場合は、図5中の左側のグラフ34Aに示すように、時間遅れτが前
フレーム時間遅れτ0と同じ、τ0の2倍、あるいは1/2倍、またτ0-1と等しいなどの場合
の時間遅れτの発生頻度が著しく大きい。この傾向は入力信号のフレーム間の相関が大き
く、乗数ρが大きい場合に強い。一方図4のグラフ35Aに示した傾向はフレーム間の相
関が小さく、乗数ρが小さい場合が多い。そこでこの第1実施例では乗数ρが大きいか否
かより、時間遅れτの符号化方法を選択する。
図1中に示すように乗数計算部18で計算された乗数ρは乗数符号化部22で乗数符号
ρに符号化される(ステップS5)。乗数符号化部22内で乗数ρの符号化時に得られ
る量子化乗数ρ'が符号化選択部31内の判定部31aに入力され、ρ'が所定の基準値、
例えば0.2より大であるかの判定が行われる(ステップS6)。ρ'が0.2より大であれば
時間遅れτが可変長符号化される。この可変長符号化においては、前フレーム時間遅れτ
0と前述のような特定な関係にある時間遅れτに対しては短い符号長の符号を割り当て、
それ以外の時間遅れτには前記特定な関係の場合の符号長より長く、かつτ0に近いほど
短い符号を割り当てる。あるいは一定符号長の異なる符号を割り当ててもよい。
この実施例ではρ'が0.2より大であれば判定部31aにより切替部31bは可変長符号
化部34側に切替えられ、時間遅れτが可変長符号化部34に与えられる。可変長符号化
部34には切替部31bからのτとフレーム遅れ記憶部33からのτ0とが入力され、そ
の入力されたτの値に対し、例えば図5の右側の可変長符号表34Tを参照して対応する
可変長符号の遅れ符号Cτを出力する(ステップS8)。
図5に示す可変長符号表34Tによる可変長符号のτに対する割り当てについて説明す
る。図5のグラフ34Aは、前フレームの時間遅れがτ0の場合に現フレームの時間遅れ
τの取り得る各値の出現頻度を学習により求めた結果を示している。この例に示すように
、時間遅れτが前フレーム時間遅れτ0と等しい頻度が突出して大であり、時間遅れτが2
τ0,τ0/2,τ0-1となる頻度はτ0の頻度とτ0を除くそれ以外の時間遅れの頻度との中
間程度である。そこで、図5の可変長符号表34Tに示す符号割り当てでは、τがτ0
同じ値になる可能性が最も大きいので、τ0=τの符号語(遅れ符号)Cτとして最も短
い1ビット長の符号"1"を割り当て、さらにτがτ0/2,τ0-1,2τ0となる可能性が同程
度に高いので、それぞれの場合に同じ3ビット長の異なる符号語"001","010","011"を
符号Cτとして割り当て、残りのτの値に対しては、先頭(上位)3桁を"000"とし、下
位3桁をτの発生頻度が少ないほど大きい値とする6ビット長の符号をそれぞれ割り当て
ている。つまり、入力信号が音声信号の場合のようにピッチ成分を含んでいると、時間遅
れτが前フレーム時間遅れτ0と上述のような特定関係のある値となる頻度が高いので短
い符号長の符号Cτを割り当て、その他の場合は、予め実験(学習)により求めたτの発
生頻度に基づいて上述の符号を割り当てるように図5の符号表34Tを作成しておく。た
だし、実際には値τの出現頻度は前フレーム時間遅れτ0の値により異なるので、τ0の値
に応じた複数の表34Tを用意しておく必要があるが、τ0の取り得る全ての値(例えば
、τの探索範囲が256〜511であれば256〜511の全ての値)に対しそれぞれ表を用意する必
要はなく、例えばτ0の取り得る値の範囲を複数の領域に分割し、それぞれの領域ごとに
1つの表を用意してもよい。その場合、前フレーム時間遅れτ0がどの領域であるかを判
定し、対応する1つの表を選択する。
また、図5に示すような時間遅れτの可変長符号表34Tを、τとτ0との関係が特定
のものである場合とそれ以外の場合に分けて可変長符号化部34に格納しておいてもよい
。その場合は、図1中に点線で示すように、時間遅れτが比較部32にも与えられ、τ0
も比較部32に与えられる。比較部32内の演算部32aでは2τ0、τ0/2、τ0-1の各演
算が行われ、時間遅れτがτ0、2τ0、τ0/2、τ0-1のいずれかと等しいか否かの比較が
行われ、その比較結果も可変長符号化部34に出力される。つまり、時間遅れτとτ0
が特定関係にあるか否かが決定される(ステップS7’)。可変長符号化部34には切替
部31bからのτとフレーム遅れ記憶部33からのτ0に加えて比較部32での比較結果
が入力され、比較結果がτ0,τ0/2,τ0-1,2τ0のいずれかと等しい場合は、それぞれ
符号Cτとして"1","001","010","011"を符号化部34aが出力し、その他の場合は時
間遅れτで可変長符号化部34内の前記表が参照されて、対応する6ビットの符号Cτ
符号化部34bより出力されることになる(ステップS8’)。つまり、図2のステップ
S8の代わりに、ステップS7’とS8’とを実行することになり、また、可変長符号化
部34内にはτ0との比較結果でτに対応する符号が決まる符号化部34aと、τの発生
頻度でτに対応する符号が決まる符号化部34bとを備えていることになる。
ステップS6でρ'が0.2より大でなければ判定部31aにより切替部31bは固定長符
号化部35に切替えられ、時間遅れτは固定長符号化部35で固定長符号の遅れ符号Cτ
に変換される(ステップS9)。この場合は前述したように時間遅れτの発生頻度には規
則性は少なく、大きな偏りはないから、時間遅れτ対符号語表として例えば図4にτのと
り得る範囲の値を固定長符号化する固定長符号表35Tが使用される。この固定長符号表
35Tが固定長符号化部35に格納されており、固定長符号化部35は入力されたτに対
応する符号Cτをこの時間遅れτの固定長符号表35Tを参照して出力する。
なお判定部31aでは、時間遅れτを可変長符号化するか固定長符号化するかの判断条
件として量子化乗数ρ'が基準値0.2より大か否かにより判定したが、基準値は0.3程度の
値でもよい。また遅れ探索部17では、前フレーム量子化乗数ρ'0が大きい場合にはτ探
索範囲自体をτ0を含む近傍、例えば-3≦τ0≦3程度と、2τ0、τ0/2の各近傍とのみに
限定することも可能で、演算量を軽減できる。しかしながら、情報の符号化開始時には前
フレームは存在しないし、また符号系列に符号化された情報(例えば楽曲)の途中から復
号化を開始可能にするランダムアクセスポイント(アクセス開始位置)となるべきフレー
ムに対しては前フレームの情報を使用しないで符号化を行う必要がある。
ランダムアクセスは符号系列の指定された位置(アクセスポイント)のフレームから過
去のフレームの影響なく信号を再構成できる機能であり、複数フレームごとにアクセスポ
イントが設定され、その単位で信号を再構成できるし、パケット化を行うことができる。
例えばネットワークを通して放送される符号化されたオーディオ情報及び/又はビデオ
情報などへのアクセスがランダムな時点で開始できるような符号化の手法として、情報の
開始フレームと、それに続くフレームの一定数おきの各フレームに、その前後のフレーム
に依存しないフレーム内符号化(intra-frame coding)されたフレームをアクセスポイント
として設け、隣接アクセスポイント間の各フレームでは符号化効率の高いフレーム間予測
符号化により情報を符号化する手法が使われる。このような符号化情報を使えば、任意の
アクセスポイントから直ちに復号を開始することができる。本発明においては、例えば波
形符号化部21において引算部15からの誤差信号をフレーム間予測符号化により符号化
する場合、情報の開始フレームと、それに続く一定フレーム数おきに挿入されるアクセス
ポイントにおけるフレームでは前フレームの情報を用いず、フレーム内予測符号化を行う
。そのアクセスポイントのフレームを指定する信号としては、例えば音声符号化装置に適
用された本発明の符号化装置と共に使用される、図示してないビデオ情報符号化装置にお
いてアクセスポイントを指定する信号Fが生成され、そのアクセスポイント信号F
この発明の符号化装置に与えられてもよい。あるいは、図1において区間分割部12によ
り生成された一連のフレームに対し、破線で示すアクセスポイント設定部25により開始
フレームと、それに続く一定フレーム数おきの各フレームをアクセスポイントとして指定
するアクセスポイント信号Fを生成し、波形符号化部21はそのアクセスポイント信号
が与えられているか否かにより誤差信号に対しフレーム内予測符号化を行うか、フレ
ーム間予測符号化を行う。
そこで、判定部31aは図2中に破線で示すように、ステップS2の次にアクセスポイ
ント信号Fが与えられていないかいるかにより前フレーム時間遅れτ0が利用可能か否
かを判定し(ステップS14)、利用可能であれば前フレームの量子化乗数ρ'(以下、
前フレーム量子化乗数ρ'0と呼ぶ)を記憶部(図示せず)から読み出し(ステップS15
)、その前フレーム量子化乗数ρ'0が所定の基準値、例えば0.2より大であるかを判定し
(ステップS16)、ρ'0が所定値より大であれば例えば前述したように前フレーム時間
遅れτ0を基準とした狭い範囲に限定して時間遅れτを探索してステップS7に移り(ス
テップS17)、ステップS16でρ'0が基準値より大でなければ従来と同様に広い範囲
で時間遅れτを探索してステップS9に移る(ステップS18)。ステップS14で前フ
レーム時間遅れτ0を利用できないと判定されると、ステップS3に移る。また破線ステ
ップS5'で示すように乗数ρを計算し、符号化すると共に、符号化にともなう量子化乗
数ρ'の記憶を行う。なお、アクセスポイントのフレームの場合には、フレーム内の情報
のみでτを探索し、ρを求める必要がある。このため、符号化装置ではアクセスポイント
信号Fを遅延部13にも入力し、遅延部13ではアクセスポイント信号Fが入力され
た場合には、前フレーム部分のx(i)は0とした上で(すなわち、x(i)(i<0)を0に置き
換え)、時間遅延信号のベクトルXτを作り、このベクトルXτを遅れ探索部17と乗数
計算部18と乗算部14とに入力する。アクセスポイント信号Fは図示してない上記ビ
デオ情報符号化装置が符号化ビデオ信号と共に復号側に送出してもよいし、あるいはアク
セスポイント設定部25が生成したアクセスポイント信号Fを復号側に送ってもよい。
あるいは、システムとして符号化側に、アクセスポイント情報を生成する手段を設け、音
声信号やビデオ信号の符号とは別の階層で復号化側にアクセスポイント情報を送信しても
よい。
入力サンプル時系列信号を遅延部13でτだけ遅延させ、その遅延された信号に量子化
乗数ρ′を乗算して長期予測信号を生成し(ステップS10)、その長期予測信号を入力
サンプル時系列信号x(i)から引算部15で引算し(ステップS11)、その残差波形信号
(誤差信号)y(i)を波形符号化部21で波形符号Cに符号化する(ステップS12)。
合成部24で符号C,Cρ,Cτを合成して出力する(ステップS13)。
この第1実施例では時間遅れτに対し、量子化乗数ρ'に応じて固定長符号化または可
変長符号化を選択し、しかも可変長符号化の場合は、そのτ対符号語表においてτが前フ
レーム時間遅れτ0と同じ、τ0の整数倍、τ0の整数分の1、τ0の隣接近傍値であるもの
に短い符号長の符号を割り当てているため、従来より符号化圧縮率を向上させることがで
きる。この可変長符号化部34にはτ0、2τ0、τ0/2、τ0-1が入力されて符号Cρを出
力する部分34aと、τが入力されて符号Cρを出力する部分34bとがある点で通常の
可変長符号の符号表と異なる構成となっている。
復号化側
図1及び図2に示した符号化装置及びその処理手順と対応する復号化装置の機能構成例
を図6にその処理手順例を図7にそれぞれ示す。入力端子51よりの入力符号は1フレー
ムごとに分離部52で波形符号Cと時間遅れ符号Cτと乗数符号Cρとに分離される(
ステップS21)。アクセスポイント信号Fは、例えば図示してないビデオ情報復号化
装置から与えられてもよいし、あるいはシステムとして別の階層で受信したアクセスポイ
ント情報を利用してもよい。この復号化装置の実施例では、分離部52により分離された
符号中にアクセスポイント信号Fが存在することをアクセスポイント判定部69が検出
すると、その時点のフレームから復号を開始する。波形符号Cは波形復号化部53で誤
差信号に復号される(ステップS22)。また乗数符号Cρも乗数復号化部54で量子化
乗数ρ'に復号化される(ステップS22)。
量子化乗数ρ'は条件判定部55で所定値、つまり図1中の判定部31aにおける判定
条件の基準値と同一値、前記例では0.2より大きいか否かの判定が行われ(ステップS2
3)、ρ'が0.2より大であれば切替部56が可変長復号化部57側に切替えられ、遅れ符
号Cτが可変長復号化部57により復号化され、時間遅れτが得られる(ステップS24
)。この復号化部57には図1中の可変長符号化部34に格納されている時間遅れτの可
変長符号表34Tと同一のものが格納されている。ステップS23でρ'が0.2以下である
と判定されると、切替部56が固定長復号化部58に切替えられ、遅れ符号Cτは固定長
復号化部58により復号化されて、時間遅れτが得られる(ステップS25)。固定長復
号化部58には図1中の固定長符号化部35に格納されている時間遅れτの固定長符号表
35Tと同一のものが格納されている。
加算部59よりの出力復号波形信号は遅延部61で、復号された時間遅れτだけ遅延さ
れ(ステップS26)、そのτサンプル遅延された復号信号に、復号化された量子化乗数
ρ'が乗算部62で掛算され(ステップS27)、その掛算結果が加算部59で、復号さ
れた誤差信号と加算されて復号波形信号サンプル時系列信号が得られる(ステップS28
)。なお、アクセスポイントのフレームの場合には、符号化装置の場合と同様に、遅延部
61では前フレーム部分のx(i)は0とした上で、時間遅延信号を作り、乗算部62に入力
する。これらサンプル時系列信号はフレームごとに得られ、これらフレームのサンプル時
系列信号を連結部63で連結して出力する(ステップS29)。可変長復号化部57、固
定長復号化部58、条件判定部55、切替部56は遅れ復号化部60を構成している。ま
た、遅れ復号化部60と乗数復号化部54は補助情報復号化部64を構成している。
[第2実施例]
第1実施例では時間遅れτを条件に応じて可変長符号化した。この第2実施例では乗数
ρを条件に応じて可変長符号化し、時間遅れτの符号化部23は第1実施例と同様に条件
に応じて可変長符号化してもよく、あるいは従来と同様に固定長符号化のみとしてもよく
、この符号化方法に応じて、復号化装置の遅れ復号化部60は可変長復号化又は従来と同
様な固定長復号化とされる。
従って以下においては第1実施例や従来技術と異なる乗数ρの符号化についてのみ説明
する。ここでも時間遅れτに対する符号表の選択と同様に、乗数ρに対する符号表の適応
的選択を明示する補助情報を使う場合もあるが、以下では選択を明示しない場合を述べる
図8は図1に示した符号化装置における乗数符号化部22に適用する第2実施例による
乗数符号化部22の機能構成例を、図9はその処理手順を示す。前フレーム乗数記憶部7
0には乗数符号化部22において前フレームで符号化されることにより量子化された量子
化乗数ρ'が記憶されている。その量子化乗数ρ'が前フレーム量子化乗数ρ'0として前フ
レーム乗数記憶部70から取り出され(ステップS30)、ρ条件判定部71で前フレー
ム量子化乗数ρ'0が所定の基準値、例えば0.2以下か否か、あるいはρ'0が得られなかっ
たか否かが判定され(ステップS31)、ρ'0が基準値以下またはρ'0が得られなかった
場合は切替部72が単独符号化部73に切替えられ乗数ρは固定長符号語または可変長符
号語の符号Cρに符号化される(ステップS32)。ステップS31でρ'0が基準値より
大であると判定されると、切替部72は可変長符号化部74に切替えられ、乗数ρは可変
長符号語Cρに符号化される(ステップS33)。
前フレーム量子化乗数ρ'0が基準値より大の場合の現フレームの乗数ρの値の出現頻度
分布は、例えば図10のグラフ74Aに示すようにρ=0.2〜0.3で最も頻度が高く、従っ
て、図10に示す乗数の可変長符号表74Tに示すように、例えば0.3の値に最も短い符
号"1"を割り当て、それより大きくまたは小さくなるにつれ、順次長い符号を割り当てる

符号化部73または74により符号化された乗数符号Cρと符号化により量子化された
量子化乗数ρ'とが乗数符号化部22から出力されると共に、量子化された乗数ρ'が前フ
レーム乗数記憶部70に記憶され、次のフレームで前フレーム量子化乗数ρ'0として使用
される。
この乗数ρ'0が小さい場合の符号化について更に説明する。前フレーム量子化乗数ρ'0
が小さいとき、あるいは前のフレームの情報が利用できない場合には単独の符号化を単独
符号化部73で行う。前のフレームの情報が利用できない例としては、前述のように先頭
のフレームあるいはランダムアクセスのアクセスポイント(アクセス開始)のフレームが
ある。
単独符号化部73は、乗数ρを固定長符号語の符号Cρに符号化してもよいし、以下の
ように可変長符号語の符号Cρに符号化してもよい。この単独符号化部73において可変
長符号化を行う場合の乗数ρの可変長符号表の例を図11の表73Tに示す。図11のグ
ラフ73Aに前フレーム量子化乗数ρ'0が基準値より小さい場合の、現フレームの乗数ρ
の各値の出現頻度を示すように、アクセスポイントのフレームのような場合は小さい値の
乗数ρの発生頻度が極めて高いので、“1”を割り当てる。乗数ρの値が大きくなるほど
発生頻度が下がるので長い符号を割り当てる。この例ではいずれも符号語の2進数値は1
であるが発生頻度が小さくなるに従って上位に0を付加して、符号語の桁数が大とされて
いる。
図8に示した乗数符号化部22の実施例を図1の符号化装置に適用する場合、遅れ符号
化部23は図1に示されている通り可変長符号化と固定長符号化を選択的に実行する構成
でもよいし、量子化乗数ρ'に基づく符号化選択を行わず、時間遅れτを常に固定長符号
化する構成としてもよいし、あるいは時間遅れτを常に可変長符号化する構成としてもよ
い。
乗数符号化部22の他の実施例として、図8においてρの符号化の代わりに現フレーム
の乗数ρと前フレーム量子化乗数ρ'0の差分を符号化する構成を図12に示し、その処理
手順を図9中に破線ブロックS34を加えたものとして示す。前フレーム乗数記憶部70
からの前フレーム量子化乗数ρ'0と現フレームの乗数ρとの差分Δρ=ρ−ρ'0を計算す
る差分計算部75が切替部72と可変長符号化部74との間に設けられており、ステップ
S31で前フレーム量子化乗数ρ'0が所定値より大でないと判定されると、切替部72が
差分計算部75に切替えられその前フレーム量子化乗数ρ'0と現フレームの乗数ρとの差
分Δρ=ρ-ρ'0が差分計算部75で計算される(ステップS34)。可変長符号化部7
4はその計算結果Δρを符号Cρに符号化すると共に、その符号化時に得られる量子化差
分Δρ'を加算部76に与える(ステップS33)。また、加算部76は量子化差分Δρ'
と前フレーム量子化乗数ρ'0とを加算して現フレームの量子化乗数ρ'を生成し、これを
次フレームに対する前フレーム量子化乗数ρ'0として前フレーム乗数記憶部70に保持す
る。その他の構成と動作は図8の場合と同様である。
前フレーム量子化乗数ρ'0が大きいときには現フレームの乗数ρも大きい可能性が高い
。従って現フレームの乗数ρが前フレーム量子化乗数ρ'0から離れるほど、即ち差分Δρ
の絶対値が大きくなるほど発生頻度が下るので、図13の可変長符号表74Tに示すよう
に符号Cρは図10と同様にρとρ'0との差分値の発生頻度が小さくなるに従って長い符
号語を割り当てる。図13の例では差分Δρが大きくなるにつれ、符号語の0の桁数を上
位側に1ずつ増加させた場合をしめしている。
乗数ρ又は差分Δρの符号化においては、これらの値は一般には整数ではない。従って
、例えばρの変化範囲が複数の小範囲に分割され、小さい値のρが属する各分割された小
範囲程、短い符号長の符号が割り当てられ、また各分割された小範囲ごとにその代表値(
一般に整数)がそれぞれ決められている。入力されたρが属する小範囲の符号語が符号C
ρとして出力されるとともに、その小範囲の代表値が復号された量子化乗数ρ'として出
力される。この量子化乗数ρ'が例えば図1中の乗算部14、判定部31aへ入力される
ことになる。
次に以上に述べた図8の乗数符号化部22と対応する復号側における乗数復号化部54
の機能構成例を図14に、処理手順例を図15に示す。
分離部52よりの乗数符号Cρは切替部81に入力される。一方、前フレーム乗数記憶
部82より前フレーム量子化乗数ρ'0が取り出され(ステップS41)、このρ'0は判定
部83で所定基準値以下であるかまたは前フレーム量子化乗数ρ'0が存在しないか否かの
判定が行われる(ステップS42)。この基準値は符号化側におけるステップS31にお
ける判定に用いられた基準値と同一値とされる。前フレーム量子化乗数ρ'0が基準値以下
、または存在しないと判定されると、切替部81は単独復号化部84に切替えられ、入力
された符号Cρが単独復号化部84で復号される(ステップS43)。
ステップS42でρ'0が基準値以下でないと判定されると、切替部81は可変長復号化
部85側に切替えられ、符号Cρは可変長復号化部85で復号される(ステップS44)
。単独復号化部84及び可変長復号化部85は符号化側の単独符号化部73及び可変長符
号化部74と対応するものであり、この例では可変長復号化部84に図10に示した表7
4Tと同じものが格納される。
符号化側で図12の乗数符号化部22を用いてρとρ'0の差分Δρを可変長符号化した
場合は、図14及び図15中に破線で示すように可変長復号化部85で復号化された差分
信号に、前フレーム量子化乗数ρ'0が加算部86で加算されて、量子化乗数ρ'が得られ
る(ステップS45)。この場合の可変長復号化部85には図13に示した表74Tと同
じものが格納されている。
図11に示した単独符号化の符号割り当ての他の例を図16に示す。この例に示すよう
に、頻度の減少に従って符号の桁数を順次増加させるのではなく、頻度が比較的接近して
いる部分は図中に"001", "010", "011"として示すように符号の桁数は同一として、2進
数値として値1ずつずらしてもよい。ρが大きい場合は、ρが波形信号に大きな影響を与
える。よって図17に示すようにρが特に大きい部分は乗数ρの刻みを小さくしてもよい
。この場合は符号語数と桁数が多くなるが、そのように特に大きなρとなる頻度は著しく
少ないため、全体としての符号量にほとんど影響を与えることなく、復号波形信号の精度
を上げることができる。
変形例
前述では可変長符号化する場合はパラメータ(τまたはρ,Δρ)と符号語との関係を
符号表として保持し、符号化や復号化を行った。しかし、例えば図5、図11、図13、
図16、図17に示した例では、パラメータの大きさと符号語との関係に規則性があり、
例えばρの値がわかれば、1の上位に0を規則に従った数だけ付けた符号語とすればよく
、逆に符号語から規則に従って、ρ'の値を求めることができる。つまりこれらの場合は
、可変長符号化、復号化部にパラメータの符号表を用いなくてもよい。
図5に示した符号表による符号化では、τ=τ0、τ=τ0-1、τ=τ0/2、τ=2τ0
いずれであるかを比較部32で判定し、これらのいずれかと一致すると、対応した短い符
号長(ここでは例えば1ビットまたは3ビット)の符号Cρを可変長符号化部34から出
力した。この比較判定としては、これらの他に例えばτ=τ0+1、τ=τ0/3、τ=τ0/4
、τ=3τ0、τ=4τ0などのいずれとなるかを比較部32で判定し、これらのいずれかと
一致すれば、そのことを表わす予め決めた符号長が短い符号Cρを可変長符号化部34か
ら出力させるようにしてもよい。
第1実施例では乗数ρ′が大きいか小さいかにより、図5に示した時間遅れτの可変長
符号表34T(可変長符号化)を用いるか、図4に示した時間遅れτの固定長符号表35
T(固定長符号化)を用いるかを区別した。
あるいは次のようにしてもよい。現フレームを独立して符号化すべきか否か、すなわち
現フレームをアクセスポイントのフレームとして符号化するか否か、で時間遅れτの符号
化方法を選択する。例えば図18に示すように前フレームの情報を利用できるか否かを判
定する(ステップS51)。ここでは図1に破線で示すように、アクセスポイント設定部2
5からアクセスポイント信号Fが判定部31aに与えられているか否かにより現フレー
ムを独立して符号化するか否かの判定を行う。この信号Fが判定部31aに与えられた
場合は、現フレームがアクセスポイントのフレームであることを示し、前フレームの情報
を使用せずに時間遅れτを単独符号化する(ステップS52)、この符号化は例えば図4に
示した符号表35Tを用いる。ステップS51で信号Fが与えられてない場合は、前フ
レームの情報を使用して符号化すべきと判定し、現フレームの時間遅れτは可変長符号化
する(ステップS53)。この場合の符号表は例えば図5に示した符号表34Tが用いら
れる。この場合の図6における復号化は例えば図19に示すように、まず現フレームを独
立復号を示す情報つまり前フレーム情報が有るかを判定し(ステップS61)、なければ
時間遅れ符号Cτを単独復号化する(ステップS62)。ステップS61で前フレーム情
報が有ると判定されると、時間遅れ符号Cτを可変長復号化する(ステップS63)。
時間遅れτの符号化方法の選択としては、現フレームを独立に符号化するか否かと、量
子化乗数ρ'の大きさとの組合わせにより決定することもできる。この場合は図1中の判
定部31aには現フレームが独立符号化か否かを示すアクセスポイント信号Fと乗数符
号化部22よりの量子化乗数ρ'とが入力される。判定部31aでは例えば図20に示す
ように、まず現フレームに独立符号化のアクセスポイント信号Fが有るかの判定がなさ
れ(ステップS71)、Fがあれば、時間遅れτを単独符号化し(ステップS72)、
ステップS71でFがなければ、つまり前フレーム情報があれば量子化乗数ρ'が基準
値より大であるか否かが判定され(ステップS73)、基準値より大であれば、時間遅れ
τは可変長符号化され(ステップS74)、基準値より大でなければ、時間遅れτは固定
長符号化される(ステップS75)。
この場合の復号化側の処理は符号化側と同様である。つまり、図20中に括弧書きで示
すように、受信符号中にFがあるかが判定され、あればCτは単独復号化され、なけれ
ば復号化されたρ'が所定値より大であればCτは可変長復号化され、所定値より大でな
ければCτは固定長復号化される。
図13においてρとρ'0の差分値の発生頻度を学習することなく、差分値の絶対値が小
さい程度発生頻度が高いことは予め知られているから、差分値の絶対値が大きくなるに従
って符号長が長くなる、例えば図13に示したような符号語を割り当てて乗数ρの可変長
符号表74Tを作成してもよい。
[第3実施例]
図8の乗数符号化部22を図1に適用した場合、更に波形符号化部21による符号化と
乗数符号化部22による符号化の組を最適化させるように構成してもよい。その構成は図
1の構成に対し、更に最適化部が追加された構成であり、その場合の構成の主要部を図2
1に示す。
図21の構成は、最適化部26に波形符号化部21の出力符号Cと乗数符号化部22
の出力符号Cρが与えられ、それらの符号量の合計(ビット数の合計)が計算され、その
合計符号量が小さくなるように乗数符号化部22の選択された可変長符号化による量子化
乗数ρ'を変化させる(すなわち符号表におけるρ'の選択を変える)。更に、選択された
ρ'により乗算部14の乗算、その乗算結果による引算部15での引き算、その引算結果
に対する波形符号化部21による符号化を行う。このようにρ'を変化させてCとCρ
の合計の符号量が最小となるρ'を決定する。この合計符号量が最小と成るときのC
ρとを符号化結果として合成部24に与える。その他の構成と動作は図1の場合と同様
である。このような最適化した符号化に対応する復号化は図14の乗数復号化部54を適
用した図6の復号化装置により実施できる。
同様に、図1の波形符号化部21からの符号Cと遅れ符号化部23からの符号Cτ
の符号量の合計が最小と成るように遅れ符号化部23からの符号Cτを決定してもよい。
具体的には、符号Cと符号Cτとの符号量の合計が小さくなるように遅れ探索部17の
時間遅れτを変化させて遅延部13以降の処理を行い、符号Cと符号Cτとの符号量の
合計が最小となるときの符号Cと符号Cτとを符号化結果として合成部24に与える。
前述のとおり、時間遅れτを変化させた場合は、乗数ρに影響を与えるため符号Cρ
影響を与え、更には、誤差信号y(i)にも影響を与えるため符号Cにも影響を与える。従
って、符号C、符号Cρ、符号Cτの3者を組み合わせて全体の符号量を最小とするよ
うに量子化乗数ρ’と時間遅れτのそれぞれまたは両方を調整することも可能である。
[第4実施例]
前述した実施例では、図3で説明したように1つの時間遅れτ(即ち1つの遅延タップ
)の信号Xτに対し1つの乗数ρ'を乗算して信号Xに対する予測信号ρ'Xτを生成した
が、時間遅れτとそれに隣接する複数の時間遅れの信号に基づいて予測信号を生成しても
よい。その場合の符号化装置の構成を図22に示す。図22の構成は、遅延タップ数が3
の場合であり、図1の構成における遅延部13をτ-1サンプル遅延部(Zτ-1)13Aと
、2つの単位遅延部13B,13Cとの直列接続で構成している。遅延部13は時間遅れ
探索部17から与えられた時間遅れτに対し、遅延部13Aにτ-1サンプルの遅延を設定
する。従って、入力信号Xに対し遅延部13A,13B,13Cのそれぞれの出力にはτ
-1サンプル遅延した信号Xτ-1、τサンプル遅延した信号Xτ、τ+1サンプル遅延した信
号Xτ+1がそれぞれ出力される。
乗算部14は、乗算器14A,14B,14Cとそれらの出力を加算して、加算結果を
予測信号として引算部15に与える加算器14Dとより構成されている。乗数計算部18
は入力信号Xと遅延された信号Xτ-1、Xτ、Xτ+1から3つの遅延タップに対する最適
な3つの乗数ρ-1、ρ、ρ+1を後述のように計算し、乗数符号化部22に与える。乗数符
号化部22は3つの乗数ρ-1、ρ、ρ+1をまとめて符号化し、乗数符号Cρとして出力す
ると共に、その符号化による量子化乗数ρ-1'、ρ'、ρ+1'を乗数計算部18の乗算器1
4A,14B,14Cに与える。また、量子化乗数ρ'を符号化選択部31の判定部31
aに与える。
乗数計算部18における乗数の計算は以下のように行う。
3つの遅延タップの信号に対する乗数は次式の歪dが最小となるように決める。
Figure 0004761251
そのような乗数ρ-1、ρ、ρ+1は次式により計算することができる。
Figure 0004761251
このように、複数遅延タップからの信号を使って予測信号を生成した場合、より予測精度
が高くなり、従って引算部15で得られる誤差信号のエネルギーが小さくなり、より効率
の高い符号化が可能になる。図22では遅延タップ数が3の場合を示したが、これに限ら
ず所望の複数のタップ数で実現できる。
図22の符号化装置に対応する復号化装置の構成例を図23に示す。この構成において
、遅延部61を図22の遅延部13と同様にτ-1サンプル遅延部61Aと、2つの単位遅
延部61B,61Cの直列接続で構成し、乗算部62を図22の乗算部14と同様に3つ
の乗算器62A,62B,62Cと、加算器62Dとにより構成している。分離部52か
らの乗数符号Cρは乗数復号化部54で3つの量子化乗数ρ-1'、ρ'、ρ+1'に復号され
る。これらの量子化乗数はそれぞれ乗算器62A,62B,62Cに与えられ、遅延部6
1A,61B,61Cからの出力とそれぞれ乗算される。乗算結果は加算器62Dで加算
され、加算結果は予測信号として加算部59に与えられる。量子化乗数ρ'は条件判定部
55にも与えられ、時間遅れ符号Cτに対する復号化部57,58の選択判定に使用され
る。その他の構成及び動作は図6の場合と同様である。
[第5実施例]
ひとつのフレームを4個の副フレームに分割して符号化する第5の実施例を説明する。
この場合、量子化乗数ρ'と時間遅れτのパラメータの出力のやり方として、下記4通り
が考えられる。
(1)ρ'とτをフレームで1回だけ出力する。
(2)量子化乗数ρ'だけ、各副フレームごとに出力する。
(3)時間遅れτだけ、各副フレームごとに出力する。
(4)ρ'とτを各副フレームごとに出力する。
これらの場合いずれも符号化して出力するが、この切替方法、つまりこの4通りのいずれ
であるかを別途符号化し、この切替符号と補助符号とを波形符号Cも総合して最も符号
量が小さくなる組み合わせ、あるいは符号化歪が小さい組み合わせをフレームごとに選択
する。図24に簡単に示すように入力信号xは前述した4通りに応じた(1)〜(4)と対応す
る第1〜第4符号化部91〜91によりそれぞれ符号付される。これら第1〜第4符
号化部91〜91より各出力符号C、Cτ、Cρはそれぞれ符号量計算部92
92に入力されて、総合符号量がそれぞれ計算される。これら計算された総合符号量中
の最小値が最小値選択部93で選択される。第1〜第4符号化部91〜91と対応す
るゲート94〜94が設けられ、最小値選択部93で選択したその最小値と対応した
ゲートが開かれそのゲートと対応する符号化部よりの符号C、Cτ、Cρが合成部24
に入力される。また最小値選択部93で選択した第1〜第4符号化部91〜91のい
ずれであるかを示す信号が切替符号化部95で符号化され、切替符号Cとして合成部2
4に入力される。
各副フレームごとにパラメータを出力する場合には前の副フレームの値を条件にして、
符号化することもできるし、例えば4個のパラメータをまとめて、結合頻度を反映させた
算術符号で圧縮することも可能である。例えば4個のパラメータが同時に発生する頻度の
積とその4個のパラメータとの関係表を頻度差が小さい程、小さい符号語としたものを用
いてもよい。(1)〜(4)の可能性のうち、例えば(1)、(2)、(4)、あるいは(1)、(4)のみを
使うことも可能である。また副フレーム数は4個に限定されず、また例えば4個の場合と
8個の場合の好ましいものを選択することもできる。
更に第1及び第2実施例においては乗数に依存して時間遅れτあるいは乗数ρの符号化
方法を変更したが、時間遅れτを例えば第1実施例で述べたように前記固定長符号化し、
また前記可変長符号化し、それぞれにおける波形符号 Cも含めた符号量を求め符号量
が少ない方の符号を出力し、かつどの符号化方法を選択したかを表わす切替符号(1ビッ
トでよい)も出力するようにしてもよい。乗数の符号化も予め決めた2通りの符号化につ
いて同様に選択してその符号を出力すると共に切替符号を出力するようにしてもよい。
要するに、この発明は時間遅れτ、乗数ρと符号語との関係を量子化乗数ρ′に依存し
て、あるいは切替符号により切り替え、つまり適応的に切り替えるものである。同様に復
号化側においても復号化された情報に基づき、時間遅れτや、量子化乗数ρ'と符号語と
の関係を適応的に替えるものである。
長期予測信号としては、遅延された複数サンプルの重み付き加算として生成してもよい
。その符号化装置の要部の機能構成例を図25に示す。この例は3つのサンプルを利用す
る場合でフレームに分割された入力時系列信号Xは遅延部13Aでτ−1サンプル遅延さ
れ、更に単位遅延部13B、13Cで順次1サンプル遅延される。遅延部13A、13B
、13Cの各出力は乗算部65、65、65でそれぞれ予め決めた重み、例えばw
−1=0.25,w0=0.5,w=0.25が乗算され、これらの乗算結果が加算部66で加算さ
れて遅れ探索部17に入力される。遅れ探索部17では加算部66の加算結果が、図1中
の遅れ探索部17の入力Xτとして処理される。
図1中の乗数符号化部22からの量子化乗数ρ′が乗算部67、67、67でそ
れぞれ重みw−1,w0,w+1が乗算され、これら乗算結果が、遅延部13A 、13
B、13Cの各出力サンプルに対し、乗数として乗算部14A、14B、14Cでそれぞ
れ乗算される。これら乗算部14A、14B、14Cの和が長期予測信号として、入力時
系列信号Xから引算部15で引算される。
この場合の復号化装置の要部の機能構成例を図26に示す。図6中の乗数復号化部54
よりの復号化された量子化乗数ρ'が乗算部68、68、68でそれぞれ重みw
,w0,w+1が乗算される。加算部59よりの復号化された時系列信号は遅延部61
を構成するτ-1サンプル遅延部61Aでτ−1サンプル(τは遅れ復号化部60より入力
される)遅延され、更に遅延部61を構成する単位遅延部61B、61Cにより順次1サ
ンプル遅延される。遅延部61A、61B、61Cの各出力に対し、乗算部68、68
、68の各乗算結果がそれぞれ乗数として乗算部62、62、62で乗算され
る。これら乗算部62、62、62の出力の和が復号化された長期予測信号として
加算部59で波形復号化部53からの復号化された誤差信号に加算される。
これまでの説明は1チャネルの信号を対象としたが、多チャネル信号の符号化において
、別のチャネルの信号から長期予測信号を生成することも可能であり、つまりρ、τは別
チャネル信号を用いて生成してもよく、この生成で特徴とするρ、τの符号化、復号化に
ついては同様である。ただし、1チャネルの場合の復号化では、同じフレーム内の自分自
身の過去の信号を回帰的に参照する場合があるが、別のチャネル信号を用いる場合はそう
ならない点が異なる。
前記各実施例で示した符号化装置、復号化装置はそれぞれコンピュータにより機能させ
ることができる。この場合は、前述した各装置について、その装置としてコンピュータを
機能させるためのプログラムを、CD−ROM、磁気ディスク、半導体記録装置などの記
録媒体からそのコンピュータにインストールし、または通信回線を介してダウンロードし
て、そのプログラムをコンピュータに実行させればよい。

Claims (25)

  1. (a) 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから所定の時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算した乗算結果を上記入力サンプル時系列信号の上記現在のサンプルから差し引いたものを誤差信号サンプルとして得るステップと、
    (b) 上記誤差信号サンプルの系列を符号化して第1符号を得るステップと、
    (c) 上記時間遅れ符号化して第2符号得るステップと、
    (d) 上記第1符号と上記第2符号出力するステップ、
    とを含む長期予測符号化方法において、上記ステップ(c) は、前のフレームの情報が利用できない場合には上記時間遅れを固定長符号化し、そうでない場合は上記時間遅れを可変長符号化して上記第2符号を得ることを特徴とする長期予測符号化方法。
  2. (a) 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから所定の時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算した乗算結果を上記入力サンプル時系列信号の上記現在のサンプルから差し引いたものを誤差信号サンプルとして得るステップと、
    (b) 上記誤差信号サンプルの系列を符号化して第1符号を得るステップと、
    (c) 上記時間遅れ符号化して第2符号得るステップと、
    (d) 上記第1符号と上記第2符号出力するステップ、
    とを含む長期予測符号化方法において、上記ステップ(c) は、上記乗数が所定の基準値以下である場合は上記時間遅れを固定長符号化し、そうでない場合は上記時間遅れを可変長符号化して上記第2符号を得ることを特徴とする長期予測符号化方法。
  3. 請求項2の長期予測符号化方法において、上記ステップ(a) は前のフレームの上記乗数が所定の基準値より大の場合は、予め決めた第1の範囲で上記時間遅れを探索し、そうでなければ上記第1の範囲より広い予め決めた第2の範囲で上記時間遅れを探索するステップを含むことを特徴とする長期予測符号化方法
  4. (a) 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから所定の時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算した乗算結果を上記入力サンプル時系列信号の上記現在のサンプルから差し引いたものを誤差信号サンプルとして得るステップと、
    (b) 上記誤差信号サンプルの系列を符号化して第1符号を得るステップと、
    (c) 上記乗数を符号化して第2符号を得るステップと、
    (d) 上記第1符号と上記第2符号を出力するステップ、
    とを含む長期予測符号化方法において
    上記ステップ(c) は、前のフレームの情報が利用できない場合には上記乗数を固定長符号化し、そうでない場合には上記乗数を可変長符号化して上記第2符号を得ることを特徴とする長期予測符号化方法。
  5. (a) 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから所定の時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算した乗算結果を上記入力サンプル時系列信号の上記現在のサンプルから差し引いたものを誤差信号サンプルとして得るステップと、
    (b) 上記誤差信号サンプルの系列を符号化して第1符号を得るステップと、
    (c)記乗数を符号化して第2符号を得るステップと、
    (d) 上記第1符号と上記第2符号を出力するステップ、
    とを含む長期予測符号化方法において
    上記ステップ(c) は、前のフレームの乗数が所定の基準値以下の場合には上記乗数を固定長符号化し、そうでない場合には上記乗数を可変長符号化して上記第2符号を得ることを特徴とする長期予測符号化方法。
  6. (a) 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから所定の時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算した乗算結果を上記入力サンプル時系列信号の上記現在のサンプルから差し引いたものを誤差信号サンプルとして得るステップと、
    (b) 上記誤差信号サンプルの系列を符号化して第1符号を得るステップと、
    (c)記乗数を符号化して第2符号を得るステップと、
    (d) 上記第1符号と上記第2符号を出力するステップ、
    とを含む長期予測符号化方法において
    上記ステップ(c) は、前のフレームの乗数が所定の基準値以下であれば、又は前のフレームの情報が利用できない場合には上記乗数を固定長符号化し、それ以外の場合には上記乗数を可変長符号化して上記第2符号を得ることを特徴とする長期予測符号化方法。
  7. 請求項4乃至6の何れかに記載の長期予測符号化方法において、上記乗数の可変長符号化は、上記乗数と前フレームの乗数との差分を可変長符号化することにより行うことを特徴とする長期予測符号化方法。
  8. (a) 入力符号中の第1符号から誤差信号を復号するステップと、
    (b) 上記入力符号中の第2符号から時間遅れ復号するステップと、
    (c) 再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算した乗算結果を上記誤差信号の現在のサンプルに加算したものを時系列信号として再構成するステップ、
    とを含み、上記ステップ(b) は、前フレームの情報が利用できない場合は上記第2符号を固定長復号化し、そうでない場合は上記第2符号を可変長復号化して上記時間遅れを得ることを特徴とする長期予測復号化方法。
  9. (a) 入力符号中の第1符号から誤差信号を復号するステップと、
    (b) 上記入力符号中の第2符号から時間遅れ復号するステップと、
    (c) 再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算した乗算結果を上記誤差信号の現在のサンプルに加算したものを時系列信号として再構成するステップ、
    とを含み、上記ステップ(b) は、上記乗数が所定の基準値以下である場合は上記第2符号を固定長復号化し、そうでない場合は可変長復号化して上記時間遅れを得ることを特徴とする長期予測復号化方法。
  10. (a) 入力符号中の第1符号から誤差信号を復号するステップと、
    (b) 上記入力符号中の第2符号から乗を復号するステップと、
    (c) 再構成された時系列信号の所定の時間遅れ分だけ過去のサンプルに上記乗数を乗算した乗算結果を上記誤差信号の現在のサンプルに加算したものを時系列信号として再構成するステップ、
    とを含み、上記ステップ(b) は、前フレームの情報が利用できない場合は上記第2符号を固定長復号化し、そうでない場合は可変長復号化して上記乗数を得ることを特徴とする長期予測復号化方法。
  11. (a) 入力符号中の第1符号から誤差信号を復号するステップと、
    (b) 上記入力符号中の第2符号から乗を復号するステップと、
    (c) 再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに上記乗数を乗算した乗算結果を上記誤差信号の現在のサンプルに加算したものを時系列信号として再構成するステップ、
    とを含み、上記ステップ(b) は、前フレームの乗数が所定の基準値以下の場合には上記第2符号を固定長復号化し、そうでない場合は可変長復号化して上記乗数を得ることを特徴とする長期予測復号化方法。
  12. (a) 入力符号中の第1符号から誤差信号を復号するステップと、
    (b) 上記入力符号中の第2符号から乗を復号するステップと、
    (c) 再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに上記乗数を乗算した乗算結果を上記誤差信号の現在のサンプルに加算したものを時系列信号として再構成するステップ、
    とを含み、上記ステップ(b) は、前のフレームの乗数が所定の基準値以下であれば、又は前フレームの情報が利用できない場合は上記第2符号を固定長復号化し、それ以外の場合は上記第2符号を可変長復号化して上記乗数を得ることを特徴とする長期予測復号化方法。
  13. 請求項10乃至12の何れかに記載の長期予測復号化方法において、上記復号化された乗数は前のフレームの乗数との差分であり、上記ステップ(b) は前のフレームの乗数に復号された上記差分を加算して現フレームの乗数を得るステップを含むことを特徴とする長期予測復号化方法。
  14. 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算する乗算部と、
    上記乗算部の出力を上記現在のサンプルから差し引き誤差信号を出力する引き算部と、
    上記誤差信号を符号化し第1符号を得る波形符号化部と、
    上記時間遅れ符号化して第2符号を出力する補助情報符号化部、とを含み、上記補助情報符号化部は前フレームの情報が利用できない場合に上記時間遅れを固定長符号化して上記第2符号を得る固定長符号化部と、前フレームの情報が利用できる場合は上記時間遅れを可変長符号化して上記第2符号を得る可変長符号化部を備えている長期予測符号化装置。
  15. 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算する乗算部と、
    上記乗算部の出力を上記現在のサンプルから差し引き誤差信号を出力する引き算部と、
    上記誤差信号を符号化し第1符号を得る波形符号化部と、
    上記時間遅れ符号化して第2符号を出力する補助情報符号化部、
    とを含み、上記補助情報符号化部は、上記乗数が所定の基準値以下である場合は上記時間遅れを固定長符号化して上記第2符号を得る固定長符号化部と、そうでない場合は上記時間遅れを可変長符号化して上記第2符号を得る可変長符号化部を備えていることを特徴とする長期予測符号化装置。
  16. 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算する乗算部と、
    上記乗算部の出力を上記現在のサンプルから差し引き誤差信号を出力する引き算部と、
    上記誤差信号を符号化し第1符号を得る波形符号化部と、
    記乗数符号化して第2符号出力する補助情報符号化部、
    とを含み、上記補助情報符号化部は前フレームの情報が利用できない場合に上記乗数を固定長符号化して上記第2符号を得る固定長符号化部と、前フレームの情報が利用できる場合は上記乗数を可変長符号化して上記第2符号を得る可変長符号化部を備えていることを特徴とする長期予測符号化装置。
  17. 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算する乗算部と、
    上記乗算部の出力を上記現在のサンプルから差し引き誤差信号を出力する引き算部と、
    上記誤差信号を符号化し第1符号を得る波形符号化部と、
    記乗数符号化して第2符号出力する補助情報符号化部、
    とを含み、上記補助情報符号化部は前フレームの乗数が所定の基準値以下の場合には上記乗数を固定長符号化して上記第2符号を得る固定長符号化部と、そうでない場合には上記乗数を可変長符号化して上記第2符号を得る可変長符号化部を備えていることを特徴とする長期予測符号化装置。
  18. 入力サンプル時系列信号の現在のサンプルから時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算する乗算部と、
    上記乗算部の出力を上記現在のサンプルから差し引き誤差信号を出力する引き算部と、
    上記誤差信号を符号化し第1符号を得る波形符号化部と、
    記乗数符号化して第2符号出力する補助情報符号化部、
    とを含み、上記補助情報符号化部は前フレームの乗数が所定の基準値以下であれば、又は前のフレームの情報が利用できない場合には上記乗数を固定長符号化して上記第2符号を得る固定長符号化部と、それ以外の場合には上記乗数を可変長符号化して上記第2符号を得る可変長符号化部を備えていることを特徴とする長期予測符号化装置。
  19. 入力符号中の第1符号を復号化して誤差信号を出力する波形復号化部と、
    上記入力符号中の第2符号を復号して時間遅れ得る補助情報復号化部と、
    再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算する乗算部と、
    上記乗算部の出力を上記誤差信号の現在のサンプルに加算して上記時系列信号を再構成する加算部、
    とを含み、上記補助情報復号化部は、前フレームの情報が利用できない場合に上記第2符号を固定長復号して上記時間遅れを得る固定長復号化部と、そうでない場合は上記第2符号を可変長復号して上記時間遅れを得る可変長復号化部とを含むことを特徴とする長期予測復号化装置。
  20. 入力符号中の第1符号を復号化して誤差信号を出力する波形復号化部と、
    上記入力符号中の第2符号を復号して時間遅れを得る補助情報復号化部と、
    再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに乗数を乗算する乗算部と、
    上記乗算部の出力を上記誤差信号の現在のサンプルに加算して上記時系列信号を再構成する加算部、
    とを含み、上記補助情報復号化部は、上記乗数が所定の基準値以下である場合は上記第2符号を固定長復号して上記時間遅れを得る固定長復号化部と、そうでない場合は上記第2符号を可変長復号して上記時間遅れを得る可変長復号化部とを含むことを特徴とする長期予測復号化装置。
  21. 入力符号中の第1符号を復号化して誤差信号を出力する波形復号化部と、
    上記入力符号中の第2符号を復号して乗数を得る補助情報復号化部と、
    再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに上記乗数を乗算する乗算部と、
    上記乗算部の出力を上記誤差信号の現在のサンプルに加算して上記時系列信号を再構成する加算部、
    とを含み、上記補助情報復号化部は、前フレームの情報が利用できない場合に上記第2符号を固定長復号して上記乗数を得る固定長復号化部と、そうでない場合は上記第2符号を可変長復号して上記乗数を得る可変長復号化部とを含むことを特徴とする長期予測復号化装置。
  22. 入力符号中の第1符号を復号化して誤差信号を出力する波形復号化部と、
    上記入力符号中の第2符号を復号して乗数を得る補助情報復号化部と、
    再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに上記乗数を乗算する乗算部と、
    上記乗算部の出力を上記誤差信号の現在のサンプルに加算して上記時系列信号を再構成する加算部、
    とを含み、上記補助情報復号化部は、前フレームの乗数が所定の基準値以下の場合は上記第2符号を固定長復号して上記乗数を得る固定長復号化部と、そうでない場合は上記第2符号を可変長復号して上記乗数を得る可変長復号化部とを含むことを特徴とする長期予測復号化装置。
  23. 入力符号中の第1符号を復号化して誤差信号を出力する波形復号化部と、
    上記入力符号中の第2符号を復号して乗数を得る補助情報復号化部と、
    再構成された時系列信号の上記時間遅れ分だけ過去のサンプルに上記乗数を乗算する乗算部と、
    上記乗算部の出力を上記誤差信号の現在のサンプルに加算して上記時系列信号を再構成する加算部、
    とを含み、上記補助情報復号化部は、前フレームの乗数が所定の基準値以下であれば、又は前のフレームの情報が利用できない場合は上記第2符号を固定長復号して上記乗数を得る固定長復号化部と、それ以外の場合は上記第2符号を可変長復号して上記乗数を得る可変長復号化部とを含むことを特徴とする長期予測復号化装置。
  24. 請求項1乃至7の何れかに記載の長期予測符号化方法の各過程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  25. 請求項8乃至13の何れかに記載の長期予測復号化方法の各過程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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