JP4760993B2 - 接続部材及びこれを用いた電極の接続構造 - Google Patents
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Description
請求項2に記載の発明は、上記導電粒子の粒子径が10μm以下であり、かつ、上記バインダの厚さが15μm以下である、請求項1に記載の接続部材に関する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の接続部材を用いた電極の接続構造であって、上記導電性シートが相対峙する突出電極列間に存在し、かつ対向する突出電極と上記導電材料とが接触し、接着剤層が上記突出電極の少なくとも突出する電極の周囲を覆ってなることを特徴とする電極の接続構造に関する。
(1)導電性シートの作製
マトリックスとしてアクリルゴム(ガラス転移点−10℃、分子量50万、官能基としてカルボキシル基1%含有)とマイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(エポキシ当量185)の比率を40/60とし、酢酸エチルの30%溶液を得た。この溶液に、粒径5±0.2μmのポリスチレン系粒子にNi/Auの厚さ0.2/0.02μmの金属被覆を形成した導電性粒子を5体積%添加し混合分散した。この分散液をセパレータ(シリコーン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み40μm)にロールコータで塗布し、110℃20分乾燥しマトリックス厚み5μmのシートを得た。このシートは、図2(b)に相当する。
(2)接着剤層の形成
アクリルゴムとマイクロカプセル型潜在性硬化剤含有の液状エポキシ樹脂の比率を10/90とし、導電性粒子を含有しない厚み15μmのシートを前記(1)と同様に作製した。まず(1)の導電性シート面と(2)の接着層面とをゴムロールで圧延しながらラミネートし、続いて導電性シート面のセパレータを剥離しながらこの面にさらに接着剤層面とを同様にラミネートし接続部材を得た。これらのマトリックス及び接着層の溶融粘度は図4の特性であった。ここに溶融粘度は、硬化剤を除く配合を加熱溶融し徐冷しながら求めたものである。
(3)接続
ポリイミドフィルム上に高さ18μmの銅の回路を有する2層FPC回路板(回路ピッチは100μm、電極幅50μmの平行回路の電極)同士の接続を行った。まず一方の回路板の端部電極に、前記接続部材を1.5mm幅で載置し、セパレータを剥離した後貼り付けた。この後セパレータを剥離し、他の回路板と上下回路を位置合わせし、150℃、20kgf/mm2、15秒で接続した。
(4)評価
この接続体の断面を研磨し顕微鏡観察したところ、図6相当の接続構造であった。スペースは気泡混入がなく粒子が球形であったが、電極上は粒子が圧縮変形され上下電極と接触保持されていた。相対峙する電極間を接続抵抗、隣接する電極間を絶縁抵抗として評価したところ、接続抵抗は1Ω以下、絶縁抵抗は108Ω以上であり、これらは85℃、85%RH1000時間処理後も変化が殆どなく良好な長期信頼性を示した。
参考例1と同様であるが、接着層の形成を片面のみとし、回路板の一方をガラス1.1mm上に酸化インジウム厚み0.2μm(ITO、表面抵抗20Ω/□)の薄膜回路を有する平面電極とし、平面電極側に導電性シートがくるようにした。この構成は、図5に相当する。この場合も、参考例1と同様に良好な接続特性を示した。本参考例では、平面電極のガラス側の接着力がFPC側に比べて相対的に低いことから、ガラス側から強制的に剥離した時きれいに界面剥離しその後の清浄化が容易であった。このことは、現在同様な構成で多用されている液晶パネルの接続におけるリペア性の付与に好適である。
参考例2と同様であるがFPCに変えて、ICチップ(2×10mm、高さ0.5mm、4辺周囲にバンプと呼ばれる50μm角、高さ20μmの金電極が200個形成)を用いた。ガラス側のITO電極を、前記ICチップのバンプ電極のサイズに対応するように変更した。また、導電性シートの導電材料を平均粒径3μmの導電粒子とし、添加量1体積%、マトリックスの厚み10μmのシートとし、図2(d)の構成とした。接続体は図7に相当する構成であるが、良好な接続特性を示した。本参考例では、バンプがマッシュルーム形で頂部を有していたが粒子は圧縮変形され上下電極と接触保持されていた。隣接バンプ間に気泡混入がなく、良好な長期信頼性を示した。導電粒子は相対峙する電極間距離に応じて粒子の変形度が異なり部分的にバンプに食い込むものも見られた。
参考例3の接続部材と同様であるが、接着層の厚みを片側25μm、他の面を50μmに形成した。電極は、QFP形ICのリード(厚み100μm、ピッチ300μm)でありガラスエポキシ基板上の銅の厚み35μmの端子と接続した。本構成は図8相当の片側に基板のない構成である。本参考例は、高さの大きな電極同士の接続であるが、電極ずれがなく良好な接続特性を示した。導電性シートの中の導電材料は図示していないが、粒子は圧縮変形され上下電極と接触保持されていた。隣接電極間に気泡混入がなく、良好な長期信頼性を示した。本参考例では、基板のない部分もリード高さに沿って接着層が形成され、リードを固定できた。
参考例3の接続部材と同様であるが、導電粒子の表面を図3(c)のような絶縁被覆処理を行った。すなわち平均粒径3μmの導電粒子の表面を、ガラス転移点127℃、のナイロン樹脂で厚み約0.2μm被覆し、添加量を10体積%に増加した。本実施例の接続構造を図10に示す。参考例3と同様に評価したが良好な接続特性を示した。本実施例では、電極12上の粒子数が著しく増加した。電極接続部12−12’は、接続時の熱圧による絶縁層8及びバインダ5の軟化により導通可能であるが、隣接電極列のスペース部は熱圧が少なく導電材料6の表面が絶縁層8で被覆されたままなので、絶縁性も良好であった。本構成は、導電材料6のバインダ5に対する濃度を高密度に構成できる。
導電材料が絶縁層で被覆された絶縁被覆粒子を用いた場合、参考例1〜4で示した電極の接続構造に適用でき、参考例1と同様スペース部の絶縁性が良好となり、導電材料6のバインダ5に対する濃度を高密度に構成でき電極上の粒子数を増加することができ接続抵抗を低くすることができる。
2 接着剤層−1
3 接着剤層−2
4 セパレータ
5 バインダ
6 導電材料
7 核材
8 絶縁層
11 基板
12 突出電極
13 平面電極
14 頂部を持つ電極
15 IC。
Claims (3)
- 導電材料とバインダとよりなる加圧方向に導電性を有する導電性シートの両面に、前記シートより少なくとも接続時の溶融粘度が10ポイズ以上低い絶縁性の接着剤層を形成してなる接続部材であって、
前記導電材料が前記バインダの厚みより小さい粒径の導電粒子であり、かつ、
前記接着剤層の接続時の溶融粘度が100ポイズ以下である接続部材。 - 前記導電粒子の粒子径が10μm以下であり、かつ、
前記バインダの厚さが15μm以下である、請求項1に記載の接続部材。 - 請求項1又は2に記載の接続部材を用いた電極の接続構造であって、
前記導電性シートが相対峙する突出電極列間に存在し、かつ対向する突出電極と前記導電材料とが接触し、接着剤層が前記突出電極の少なくとも突出する電極の周囲を覆ってなることを特徴とする電極の接続構造。
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JP2010187501A JP4760993B2 (ja) | 2010-08-24 | 2010-08-24 | 接続部材及びこれを用いた電極の接続構造 |
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