以下本発明の実施例を図を用いて説明する。
図1は、本発明の概略を示す論理システム構成図である。
本発明では、各クライアント(2)と各サーバ(1)は、サーバ(1)とクライアント(2)間の通信を中継するデータ処理中継装置(5)を介して通信路(3)で接続した構成をとる。データ処理中継装置(5)は、システム内に1台以上あり、一台以上のクライアント(2)が、各データ処理中継装置(5)に接続し、さらに、各データ処理中継装置(5)がそれぞれのサーバ(1)に接続した形をとる。すなわち、あるデータを提供する1つのサーバ(1)からみると、1つ以上のデータ処理中継装置(6)を介して、階層的に、一つ以上のクライアント(2)へサービスする形になっている。なお、ここでいう通信路(3)とは物理的な通信回線の上で実現される論理的な接続関係を表したもので、物理的な構成を限定したものではない。
例えば、図4の本発明の物理システムの一構成図に示すとおり、負荷分散装置(6)を用い、図1のクライアント(2)とデータ処理中継装置(5)との論理的な通信路(3)の設定を動的に行ってもよい。具体的には、複数のクライアント(2)からの通信回線(17)を中継装置(ルータ)(19)で束ねて負荷分散装置(6)に接続し、負荷情報等の情報を基に、負荷分散装置(6)が該負荷分散装置(6)に接続した1つ以上のデータ処理中継装置(5)とクライアント(2)との接続関係を動的に決定し、図1に示す複数クライアントと各データ処理中継装置(5)との論理的な通信路(3)を動的に構成する。また、各データ処理中継装置(5)から各サーバ(1)への接続も、図4に示すとおり、物理的には、中継装置(ルータ)(19)を介して接続する形でもよい。
また、本発明では、図1に示すとおり、サーバ(1)は、データ処理中継装置(5)から中継されたサービス要求(200)に対し、提供するデータ(21)を如何に処理し中継するかを指示したデータ処理制御情報(22)を該提供データ(21)に付加した拡張データ(20)を応答(210)として返す。なお、本拡張データ(20)は、サーバ(1)がサービス要求(200)を受信した際に自動生成してもよいし、予め元のデータの代わりにサーバ(1)の記憶部(10)に保持しておいてもよい。図1では、予め元の提供データ(21)の代わりに拡張データ(20)をサーバ(1)の記憶部(10)に保持しておいた様子を示す。
さらに、本発明のデータ処理中継装置(5)は、従来のプロキシ(4)が持つ通信の中継部(51)、キャッシング部(52)、キャッシュ領域(53)に加え、サーバ(1)から応答(210)として送られてくる拡張データ(20)のデータ処理制御情報(22)を解釈し、該データ処理制御情報(22)に従った処理を行うデータ処理部(54)を持つ。
また、データ処理中継装置(5)は、クライアント(1)のユーザ認証を行うための認証部(55)を備えても良い。さらに、各ユーザの認証情報等のユーザ管理情報(70)を保持したユーザ管理サーバ(7)を設け、通信路(3)で各データ処理中継装置(5)と接続した構成にしても良い。
図5は、ユーザ管理サーバ(7)が管理するユーザ管理情報(70)の一構成例を示す。各ユーザのユーザ管理情報(70)は、ユーザ名を示すユーザ名情報(71)、認証のためのパスワードを示すユーザパスワード(72)、性別・年齢等のユーザ属性を示したユーザ属性情報(73)、ユーザの属するグループ名を保持したユーザグループ情報(74)、さらに、サービス品質等をユーザ毎に制御する場合に用いられる、各ユーザに対して許されるサービス優先度の最小、最大、デフォルト等を示したユーザ優先度情報(75)等から構成される。
データ処理中継装置(5)でユーザ認証を行う場合は、サービス要求(100)にも、ユーザの認証情報が含まれる。図6は、サービス要求(100)の一構成例を示す。図6に示すとおり、サービス要求(100)には、アクセス対象(要求先)を示したURL(Uniform Resource Locator)情報(101)のほか、認証が必要な場合は、クライアントのユーザ名情報(121)、パスワード(122)等を示した認証情報(102)が含まれる。さらに、アクセス毎の課金等を行う場合は、課金の了解したことを示す課金了解情報(103)等が含まれる。
データ処理中継装置(5)でユーザ認証処理を行う場合は、データ処理中継装置(5)の認証部(55)が、クライアント(2)からのサービス要求(100)に含まれる認証情報(102)を、ユーザ管理サーバ(7)の対応するユーザ管理情報(70)を参照し、クライアント(2)のユーザを認証する。
なお、データ処理中継装置(5)で、特定のサーバ(1)からのデータ処理制御情報(22)を処理するという制限を設ける場合は、後述するとおり、データ処理制御情報(22)に含まれるサーバ(1)の認証情報を使い、上記認証部(55)が、サーバ(1)の認証も行う。この場合、サーバの認証情報も、例えば、一般のユーザの認証情報と同様に、ユーザ管理サーバ(7)のユーザ管理情報(70)として管理すればよい。具体的には、図5に示すとおり、サーバ(1)を擬似的なユーザとし、ユーザ管理情報(70)のユーザ属性情報(73)のユーザ種別属性により、サーバ認証用の擬似ユーザであることを表すことで、一般ユーザ用の情報とは区別する。
さらに、データ処理中継装置(5)で、有償の提供データ(21)へのアクセスに対するユーザへのアクセス課金を行う場合や、データ処理制御情報(22)に対応した処理量に応じて指示を出したサーバに課金を行う場合は、各ユーザやサーバに対する課金情報の集計処理を行う課金管理装置(8)を設け、該課金管理装置と各データ処理中継装置(5)を、通信路(3)で接続した構成にしてもよい。
各データ処理中継装置(5)は、サービス要求に対して、有償の提供データ(21)をクライアント(2)へ提供する際に、各ユーザへのアクセス課金情報(300)や、データ処理制御情報(22)に従って処理を実行した際のサーバ毎の処理課金情報(310)を、課金管理装置(8)に送付し、課金管理装置(8)に課金の集計処理を依頼する。
図7、図8は、クライアント(2)がサービス要求(100)を出し、該サービス要求(100)に対する応答(110)を受信して、表示を行うまでの処理フローを示す。以下、図1、図7、図8を使ってその処理フローを説明する。
まず、クライアント(2)がユーザからの要求を受け、サーバ(1)の提供データ(21)に対するサービス要求(100)を出す(処理1001)。
該サービス要求(100)は、クライアント(2)の設定または図4で示した負荷分散装置(7)の振分け機能等により、あるデータ処理中継装置(5)に送信され、該サービス要求(100)を受信したデータ処理中継装置(5)は、中継部(51)が要求の解析を行う(処理1002)。
さらに、認証を行う場合は、サービス要求(100)は認証部(55)に渡され、サービス要求(100)に含まれる認証情報(102)のユーザ名情報(121)をキーにして、データ処理中継装置(5)の認証部(55)がユーザ管理サーバ(7)のユーザ管理情報(70)を参照する。そして、サービス要求(100)に含まれる認証情報(120)のパスワード情報(122)と、ユーザ管理情報(70)のユーザパスワード情報(72)と比較して、認証処理を行い、認証できなかった場合は、エラーとして図8処理1015に飛ぶ(処理1003)。
認証に成功した場合は、サービス要求(100)はキャッシング部(52)に渡され、キャッシング部(52)がサービス要求(100)に指定されたアクセス対象のURL情報(101)に対応した提供データ(21)、または、該提供データ(21)を含む拡張データ(20)のキャッシュ(40)がキャッシュ領域(53)に存在するかチェックする(処理1004)。
チェックの結果、対応するキャッシュ(40)が存在する場合は、キャッシュ(40)の提供データ(21)または拡張データ(20)をキャッシュ領域(53)からコピーして取り出し、処理1009に飛ぶ(処理1005)。
処理1005のキャッシュチェックの結果、対応する提供データ(21)または拡張データ(20)が存在しない場合は、クライアント(2)からのサービス要求(100)を、データ処理中継装置(5)からのサービス要求(200)として、中継部(51)がサーバ(1)に転送する(処理1006)。
データ処理中継装置(5)からのサービス要求(200)を受けたサーバ(1)は、要求を処理し、要求の提供データ(21)、または、要求の提供データ(21)に該提供データ(21)に対する配送処理方法を指示した処理制御情報(22)を付加した拡張データ(20)を、要求元の(5)に応答(210)として返す(処理1007)。
サーバ(1)から応答(210)を受信したデータ処理中継装置(5)の中継部(51)は、キャッシング部(52)に応答(210)の提供データ(21)または拡張データ(20)を渡し、プロトコル規定に従い、キャッシング可能であれば、キャッシュ領域(53)にキャッシュ(40)として格納する(処理1008)。
処理1005または処理1008で得られた提供データ(21)または拡張データ(20)は、データ処理部(54)に渡され、該データ処理部(54)が、提供データ(21)か、拡張データ(20)かどうかチェックする(処理1009)。もし、得られたデータが要求の提供データ(21)そのものの場合は、図8処理1015に飛ぶ。
処理1009の結果、得られたデータが拡張データ(20)と判明した場合は、データ処理制御情報(22)による処理指示を一部のサーバ(1)に制限しているケースでは、さらにデータ処理部(54)は、データ処理制御情報(22)に含まれるサーバの認証情報(221)(データ処理制御情報(22)の詳細は後述する)を認証部(55)に渡し、ユーザ管理サーバ(7)のユーザ管理情報(70)を使って、認証部(55)にサーバ(1)を認証してもらう。認証できなかった場合は、エラーとして処理1015に飛ぶ(処理1010)。
データ処理部(54)は、該拡張データ(20)のデータ処理制御情報(22)を参照し、データ処理制御情報(22)内に記載されたデータ処理指示(222)を一つずつ順に取り出し、データ処理指示(222)があれば、次の処理1012の処理に進み、なければ、処理1014に飛ぶ(処理1011)。
データ処理部(54)は、取り出したデータ処理指示(222)に従った処理を実行し、クライアント(2)に応答(110)として返す提供データ(21)を求める(処理1012)。
処理1012の結果、エラーを検出したか、あるいは、得られた結果が即時応答を必要とする場合は、処理1014に進み、その他の場合は、処理1011に戻る(処理1013)。
サーバ(1)に対して、データ処理に応じた課金を行う場合は、データ処理部(54)は、サーバ(1)に対する課金情報を示した処理課金情報(310)を生成し、課金管理装置(8)に送付する(処理1014)。
中継部(51)は、得られた提供データ(21)またはエラー情報(23)を応答(110)として、不要なデータ処理指示を削除した状態で、クライアント(2)に返信する(処理1015)。
最後に、クライアント(2)が応答(110)を受信し、該応答(110)を表示または装置内に格納する(処理1016)。
なお、サーバ装置(1)とクライアント装置(2)との間に複数のデータ処理中継装置(5)が配置されている構成の場合は、上記処理手順を下記のとおり変更し、提供データ(21)に対する更新処理を分担する形にしてもよい。
まず、処理1012において、当該データ処理中継装置(5)への要求者が他のデータ処理中継装置(5)の場合は、予め、データ処理指示(222)毎に、当該指示に従った処理を各データ処理中継装置で実行すべきか、それとも実行しないかを決めておき、取り出したデータ処理指示(222)が、各データ処理中継装置で実行すべき指示の場合に、指示された処理を実行する。具体的には、例えば、提供データ(21)を更新する置換・挿入指示に対する処理や、課金指示による課金処理等、全データ処理中継装置で1回しか実行してはいけない処理に関する指示は、実行せず、その他の指示は指示された処理を実行する。また、処理1015において、得られた提供データ(21)を応答(110)として返す際、要求者が他のデータ処理中継装置(5)の場合は、提供データ(21)のみではなく、データ処理制御情報(22)を含んだ拡張データ(20)を応答(110)として返す。要求者が別のデータ処理装置かどうかの判定処理は、例えば、それぞれのデータ処理中継装置(5)に、その装置に対する要求者としてなりうる他のデータ処理中継装置のIPアドレス一覧を保持し、要求者のIPアドレスと比較することで行える。
図7、図8の実施例では、処理1014でデータ処理に対する課金を行う際、毎回、課金管理装置(8)に処理課金情報(310)を送付する例を示したが、データ処理中継装置(5)で該処理課金情報(310)を一旦蓄え、ある程度纏まってから、課金管理装置(8)に、纏めて送付したり、集約した情報を送付したりしてもよい。
図9は、データ処理中継装置(5)、サーバ(1)、クライアント(2)、ユーザ管理サーバ(7)、課金管理装置(8)、後述する置換/挿入データ情報サーバ(9)などの各装置の物理的な一構成例を示す。これらの装置は、図9に示すとおり、一般的な情報処理装置上で実現可能である。具体的には、情報処理プログラム(18)を実行するプロセッサ(11)と、プロセッサ(11)で実行中の情報処理プログラム(18)やプロセッサ(11)から直接参照する各種データを保持するメモリ(12)と、多量の情報処理プログラム(18)や各種データを不揮発な形で格納保持する外部記憶装置(13)と、通信回線(17)に接続して他の情報処理装置や通信機器とデータの送受信を行う通信装置(14)と、オペレータとの入出力を司る入出力装置(15)が、データや指示・データ到着通知等をやり取りするためのバス(16)によってつながった構成を持つ。プロセッサ(11)で実行される情報処理プログラム(18)は、上述の各装置を実現するための手順情報を保持しており、必要に応じて入出力装置(15)を介して、ユーザまたはオペレータとやり取りを行い、ユーザまたはオペレータからの指示にも従いながら、外部記憶装置(13)に指示して外部記憶装置(13)とメモリ(12)間でデータを出入れしたり、通信装置(14)からのデータ到着通知を受け、メモリ(12)に到着したデータを読込んだり、通信装置(14)に指示して、メモリ(12)上のデータを他の情報処理装置に送信したりする。
図9の実施例では、図1で示したサーバ(1)の記憶部(10)や、データ処理中継装置(5)のキャッシュ領域(53)は、外部記憶装置(13)またはメモリ(12)の一部として実現される。
また、ユーザ管理サーバ(7)のユーザ管理情報(70)や後述する置換/挿入データ情報サーバ(9)の置換/挿入用データ(900)は、外部記憶装置(13)またはメモリ(12)上に管理保持される。
また、図1で示したデータ処理中継装置(5)の中継部(51)、キャッシング部(52)、データ処理部(54)、認証部(55)等の各部は、特別なハードウエアとして実現してもよいが、図9の一般的な情報処理装置を用いた実施例では、情報処理プログラム(18)に記述した処理手順により実現される。その他、サーバ(1)、クライアント(2)、ユーザ管理サーバ(7)、課金管理装置(8)、置換/挿入データ情報サーバ(9)の各種機能も、情報処理プログラム(18)に記述した処理手順により実現される。
上述の各情報処理プログラム(18)は、あらかじめメモリ(12)または外部記憶装置(13)に格納されているか、可搬型記憶媒体または通信媒体を介して他の装置から格納される。
次に、本発明のデータ配送方法で使用するデータ処理制御情報(22)や該データ処理制御情報(22)に従ったデータ処理部(54)の実施例を説明する。
図10は、拡張データ(20)の一構成例を示す。本実施例では、データの記述言語であるXML(eXtensible Markup Language)を使用し、例えば、データ処理制御情報(22)は<データ処理制御情報> </データ処理制御情報>というタグで、元となる提供データ(21)は、<元データ> </元データ>というタグに括ってそれぞれを区別できるようにする。また、データ処理制御情報(22)は、サーバを認証するための認証情報(221)と、アクセス制御指示情報(61)や課金指示情報(62)等、それぞれの詳細な処理を指示するデータ処理指示(222)を1つ以上指定した構成を取る。各データ処理指示(222)は、<アクセス制御指示> </アクセス制御指示>や<課金指示> </課金指示>等、それぞれデータ処理指示(222)が区別できるよう制御指示タグ(60)で括って指示する。
図11は、データ処理指示(222)の一実施例である、データ(21)に対してアクセスできるユーザを制限するアクセス制御指示情報(61)の一構成例を示す。アクセス制御指示情報(61)は、図10における制御指示タグ(60)としては、例えば、<アクセス制御指示>を用いる。<アクセス制御指示>と</アクセス制御指示>の中には、さらに、<購読者>タグまた<購読者グループ>タグを用いて、該データ(21)の購読者名情報(611)または購読者グループ名情報(612)の一覧を指示し、<非購読者>タグまたは<非購読者グループ>タグで購読を拒否する非購読者名情報(613)または非購読者グループ名情報(614)の一覧を指示し、<default>タグを用いてどちらにも属さないユーザからのアクセスに対するdefaultアクセス可否情報(615)を「購読許可」または「購読非許可」という文字列により指示する。なお、購読者名情報(611)、購読者グループ名情報(612)、非購読者名情報(613)、非購読者グループ名情報(614)は、複数個、どういう順番で指定してもよい。複数指定されている場合は、指定された順で、解釈しアクセス制御が行われる。但し、defaultアクセス可否情報(615)は、最後に指定するものとする。
図12は、図8の処理1012でのデータ処理部(54)によるデータ処理指示(222)に従った処理の具体例として、図11のアクセス制御指示情報(61)に対する詳細な処理の流れを示す。
まず、データ処理部(54)は、該アクセス制御指示情報(61)内に指定されている指示を順に取りだし、指示内容によりそれぞれの対応する処理を実行する(処理1101)。
取り出した指示内容が購読者名情報(611)の場合は、サービス要求(100)の認証情報(102)の認証済みのユーザ名情報(121)と比較する(処理1102)。一致する場合は、アクセス可能として処理1108に飛び、一致しない場合は、処理1101に戻る。
取り出した指示内容が購読者グループ名情報(612)の場合は、サービス要求(100)の認証済みのユーザ名情報(121)に対応したユーザ管理情報(70)をユーザ管理サーバ(7)から読み出し、該ユーザ管理情報(70)のユーザグループ情報(74)に購読者グループ名情報(612)で示すグループが含まれるかどうかチェックして、サービス要求を行ったユーザが、指定された購読者グループ名情報(612)で示すグループの一員であるかどうか判定する(処理1103)。該グループの一員である場合は、アクセス可能として処理1108に飛び、一致しない場合は、処理1101に戻る。
取り出した指示内容が非購読者名情報(613)の場合は、サービス要求(100)の認証情報(102)の認証済みのユーザ名情報(121)と比較する(処理1104)。一致する場合は、アクセスエラーとして処理1109に飛び、一致しない場合は、処理1101に戻る。
取り出した指示内容が非購読者グループ名情報(614)の場合は、サービス要求(100)の認証済みのユーザ名情報(121)に対応したユーザ管理情報(70)をユーザ管理サーバ(7)から読み出し、該ユーザ管理情報(70)のユーザグループ情報(74)に非購読者グループ名情報(614)で示すグループが含まれるかどうかチェックして、サービス要求を行ったユーザが、指定された非購読者グループ名情報(614)で示すグループの一員であるかどうか判定する(処理1105)。該グループの一員である場合は、アクセスエラーとして処理1107に飛び、一致しない場合は、処理1101に戻る。
取り出した指示内容がdefaultアクセス可否情報(615)の場合は、該情報(615)に従い、「購読許可」であれば、アクセス可として、処理1108に飛び、「購読非許可」であれば、アクセス不可として、処理1107に飛ぶ(処理1106)。
処理1101でアクセス制御指示情報(61)の最後まで取り出し終わった場合は、あるいは、処理1104、1105、1106でアクセスエラーを検出した場合は、エラー情報(23)を応答(110)として処理1012の処理を終了する(処理1107)処理1102、1103、1106で、アクセス可能であることが判明した場合は、拡張データ(20)内にある提供データ(21)を応答(110)として処理1012を終了する(処理1108)。
図11および図12のアクセス制御指示の実施例によると、データ(21)の提供者が簡単に購読者を制限でき、しかも、ある購読者グループの一部のユーザやグループからのアクセスを拒否したり、その逆などが簡単に記述できる。
図13は、データ処理指示(222)の別の実施例として、有償のデータ(21)に対する課金指示情報(62)の一構成例を示す。課金指示情報(62)は、図10における制御指示タグ(60)としては、例えば、<課金指示>を用いる。<課金指示>と</課金指示>の中には、課金金額を示す課金金額情報(621)を指定する。課金金額情報(621)として、課金金額値そのものを用いてもよいし、図13に示すとおり、課金金額の最小値(622)、最大値(623)の組を指定し、実際の課金金額は、中継するデータ処理中継装置(5)自身が、課金金額の最小値(622)、最大値(623)の範囲内で、決定するという方法でもよい。
図14は、図8の処理1012でのデータ処理部(54)によるデータ処理指示(222)に従った処理の具体例として、図13の課金指示情報(62)に対するアクセス課金処理の詳細な処理の流れを示す。
まず、データ処理部(54)は、該課金指示情報(62)内に指定されている課金金額情報(621)を取り出す(処理1121)。次に、取り出した課金金額情報(621)に従い、課金金額を決定する(処理1122)。具体的には、課金金額情報(621)が直接課金金額値を指定している場合は、該値を課金金額とし、課金金額値情報(621)が課金金額の最小値(622)と最大値(623)の組指定の場合は、指定された最小値(622)、最大値(623)の範囲内で該データ処理部(54)の運用ポリシーに従って課金金額を決定する。
次に、サービス要求(100)にアクセス対象のデータに対応した課金了解情報(103)があるかどうか含まれるかどうか調べる(処理1123)。
もし、課金了解情報(103)が含まれない場合は、要求されたデータ(21)の代わりに、処理1122で決定した課金金額での課金を了解するか否かの応答をユーザに要求する課金了解確認用のデータをクライアント(2)への即時の応答(110)とし、処理1012の処理を終了する(処理1124)。クライアント(2)は、この課金了解確認用のデータを受け取ると表示し、該表示に対するユーザの了解応答を入力装置により得て、該データ(21)へのサービス要求(100)を課金了解情報(103)付きで再度出し直す手段を備える。
処理1123のチェックの結果、サービス要求(100)にアクセス対象のデータ(21)に対応した課金了解情報(103)が含まれていた場合は、ユーザに対してアクセス課金を行うためのアクセス課金情報(300)を課金管理装置(8)に送付し、課金管理を依頼する(処理1125)。最後に、拡張データ(20)に含まれる提供データ(21)を応答(110)とし、処理1012を終了する(処理1126)。
図15は、上記アクセス課金情報(300)の一構成例に示す。図15に示すとおり、アクセス課金情報(300)は、サービス要求(100)に含まれるURL情報101を用いたアクセス対象を示す課金URL情報(301)、サービス要求(100)に含まれる認証情報(102)を用いたユーザを識別するための課金ユーザ認証情報(302)、処理1122で決定した課金金額情報を用いた課金代金情報(303)等から構成される。
図16は、図7、図8のクライアント(2)、データ処理中継装置(5)、サーバ(1)間の処理の流れを、図14のデータ処理中継装置(5)でのアクセス課金処理に注目して示すフロー図である。
クライアント(2)がユーザの要求により、サービス要求(100)を送信する処理1001から、処理1015の応答(110)をデータ処理中継装置(5)を返す処理までは図7、図8と同じである。但し、処理1012の結果、処理1015で返される応答(110)は、処理1124で得られた課金了解確認のデータ(24)である。課金了解確認のデータ(24)を応答(110)として受けた、クライアント(2)は、図8の処理1016の処理として、該課金了解確認のデータ(24)を表示し、ユーザに課金了解確認を要求する(処理1031)。
ユーザが課金を承認した場合は、課金了解確認のデータ(24)の指示に従い、クライアント(2)は、処理1001と同様のサービス要求処理により、最初要求したデータ(21)へのサービス要求(100)を課金了解情報(103)付きでデータ処理中継装置(5)に再送信する(処理1032)。その結果、処理1002の要求受信から、処理1015のクライアント(2)への応答(110)まで同様に行われる。
再要求の処理では、課金了解情報(103)が付いているので、データ処理中継装置(5)は、処理1012で、要求したデータ(21)へのアクセスを許可し、アクセス課金情報(300)を課金管理装置(8)に送付して、処理1015において、要求のデータ(21)が応答(110)として返される。その結果、応答(110)をクライアント(2)が受信し、クライアント(2)が、該応答(110)のデータ(21)を画面に表示したり、装置内に格納したりする(処理1016)。
図15と図16の実施例では、処理1125で毎回、課金管理装置(8)にアクセス課金情報(300)を送付する例を示したが、データ処理中継装置(5)で該アクセス課金情報(300)を一旦蓄え、ある程度纏まってから、課金管理装置(8)に、纏めて送付したり、集約した情報を送付したりしてもよい。
また、図13では、課金指示情報(62)をアクセス制御指示情報(61)と異ならせた例を示したが、図17に示すとおり、アクセス制御指示情報(61)と組合せ、課金金額情報(621)を購読者名情報(611)、購読者グループ名情報(612)、defaultアクセス可否情報(615)と共に指定してもよい。
図17の実施例に対応したデータ処理中継装置(5)の処理1012としては、図12の処理に従い、アクセス可能であると判定された場合の処理1108において、さらに、購読者名情報(611)、購読者グループ名情報(612)、defaultアクセス可否情報(615)と共に指定されているそれぞれの課金金額情報(621)を使い、図14に対応する処理を実行する流れとなる。
図13ないし図17で示した課金指示の実施例によると、データ(21)の提供者は、容易にアクセス課金金額を設定できる他、課金金額の最小情報(622)、最大情報(623)を用いることで、データ処理中継装置の管理者に実際の課金金額の決定権を与えることができる。また、ユーザの了解のもとで、課金が行える。さらに、図17の実施例では、購読者や購読者グループ毎に課金金額を変えた課金が可能になる。
データ処理指示(222)の他の実施例として、提供データ(21)に対する一部変換を指示する例を以下に示す。変換の具体的処理例として、書換えまたは挿入を挙げるが、これに限定されるものではない。
図18は、指示した置換または挿入指示情報(63)の一例を示す。置換または挿入指示情報(63)は、図10における制御指示タグ(60)としては、例えば、<置換挿入指示>を用いる。<置換挿入指示>と</置換挿入指示>の中には、データ(21)の置換または挿入個所を示す置換/挿入位置情報(631)と、置換サイズを示す置換サイズ情報(632)と、置換または挿入するデータを指定するための置換/挿入データ種別情報(633)と、置換または挿入するデータ種別に応じて必要な置換/挿入パラメータ情報(634)を指定する。
置換/挿入データ種別情報(633)としては、例えば、以下のものがある。
アクセス時刻への置換または挿入を示す「アクセス時刻置換/挿入」、サービス要求をしたユーザ名情報への置換または挿入を示す「ユーザ名置換/挿入」、中継を行うデータ処理中継装置(5)側で決めたあるアドレスへの置換または挿入を示す「中継アドレス置換/挿入」、置換/挿入パラメータ(634)としてデータ分類情報(641)を伴い、置換または挿入用データを格納するデータ情報サーバ(9)に予め登録されている指定のデータ分類の置換/挿入用データへの置換または挿入を示す「分類別データ置換/挿入」、置換/挿入パラメータ(634)として、提供データ(21)に対して演算を行う個所を示した演算対象位置情報(642)と演算対象サイズ情報(643)と、演算種別を指定した演算種別情報(644)とを伴い、該置換/挿入パラメータ(634)で指定した演算対象に対して、指定した演算を施した結果の演算結果データを置換/挿入用データとして、置換/挿入位置情報(631)、置換サイズ情報(632)で指定された個所に対して、置換または挿入を行うことを示す「演算置換/挿入」などである。
図19は、図8の処理1012でのデータ処理部(54)によるデータ処理指示(222)に従った処理の具体例として、図18の置換/挿入指示情報(63)に対する置換/挿入処理の処理の流れを示す。
データ処理部(54)は、該置換/挿入指示情報(63)内に指定されている置換/挿入データ種別情報(633)に従い、置換/挿入用データを求める(処理1131)。
例えば、置換/挿入データ種別情報(633)が「アクセス時刻置換/挿入」の場合は、現在のサービス要求を処理した時刻情報を得て、置換/挿入用データとする(処理1141)。
置換/挿入データ種別情報(633)が「ユーザ名置換/挿入」の場合は、サービス要求(100)の認証情報(102)に含まれる認証済みのユーザ名情報(121)を置換/挿入用データとする(処理1142)。
置換/挿入データ種別情報(633)が「中継アドレス置換/挿入」の場合は、データ処理中継装置(5)が、予め決められた(用意した)アドレス群の中からアドレスを1つ選び出し置換/挿入用データとする(処理1143)。
置換/挿入データ種別情報(633)が「分類別データ置換/挿入」の場合は、置換/挿入用のデータを格納したデータ情報サーバ(9)を参照し、置換/挿入パラメータ(634)で指定したデータ分類情報(641)に従い、指定のデータ分類のデータを1つ取りだし、置換/挿入用データとする(処理1144)。
置換/挿入データ種別情報(633)が「演算置換/挿入」の場合は、置換/挿入パラメータ(634)として指定された演算対象位置情報(642)と演算対象サイズ情報(643)で示されたデータ(21)の個所に対し、演算種別情報(644)で指定された演算を施し、その演算結果データを置換/挿入用データとする(処理1145)。
以上の処理によって置換/挿入データを求めた後、応答(110)用の提供データ(21)を対象とし、置換/挿入位置情報(631)、置換サイズ情報(632)で指定された部分に対し、処理1131で求めた置換/挿入用データを用いて置換/挿入を行い、その結果を新たな応答(110)用のデータ(21)とし、処理1012を終了する(処理1132)。
処理1132の置換/挿入処理において、置換サイズ情報(632)が処理1131で求めた置換/挿入用データのデータサイズより小さい場合は、置換/挿入個所以降を後ろにずらし、置換/挿入用データのデータサイズ分を確保して置換/挿入する。逆に置換サイズ(632)が置換/挿入用データのデータサイズより大きい場合は、置換/挿入位置情報(631)で指定された位置から置換/挿入用データのデータサイズ分だけ、置換する。従って、置換サイズ情報(632)が0の場合は、挿入処理になる。
図18と図19に示すデータ置換/挿入指示方法を用いれば、サーバ1から提供される同じデータを使って、データ処理中継装置側で個別のデータを生成が可能になる。
以下に応用例を示す。各応用例は択一ではなく、一以上を自由に組み合わせることが可能である。
図20は、アクセス時刻置換/挿入の一応用例を示す。例えば各種ソフトウェアのお試しプログラムの入ったデータ(21)の中に記述したお試し期間開始時刻情報(801)部を、置換/挿入位置情報(631)と置換サイズ情報(632)により、置換/挿入対象と指定することで、お試し期間開始情報(801)にアクセス時刻置換/挿入を設定できる。図20の例では、置換/挿入の結果、お試し期間開始情報(801)には、アクセス処理をした「2000/01/01 01:23:45」という時刻情報が設定されている。
また、図21は、アクセス時刻置換/挿入の他の応用例を示す。アクセス時刻置換/挿入を、データ(21)がいつ配送されてきたデータであるかの配送履歴情報(802)部を、置換/挿入位置情報(631)と置換サイズ情報(632)により、置換/挿入対象と指定することで、配送履歴情報(802)にアクセス時刻置換/挿入を設定できる。図21の例では、置換/挿入の結果、配送履歴情報(802)には、アクセス処理をした「2000/01/01 01:23:45」という時刻情報が挿入されている。
図22は、ユーザ名置換/挿入の一応用例を示す。メニュー等の他のデータを参照するためのリンク用データにおいて、ユーザ毎に個別のデータを参照するための個別URLリンク情報(803)部を置換/挿入対象と指定することで、個別URLリンク情報(803)の一部をアクセス要求(100)に含まれるユーザ名情報(121)で書きかえて、ユーザ別にリンク用データを生成できる。図22の例では、置換/挿入の結果、サービス要求を行ったユーザである「ユーザA」という名前が、個別URLリンク情報(803)の中に挿入されている。
図23は、ユーザ名置換/挿入の他の応用例を示す。データ(21)の配送先を示すライセンス先情報(804)部をユーザ名情報(121)による置換/挿入対象とすることで、データ(21)にライセンス先のユーザ名情報(121)の埋め込みが行え、不正コピーのチェックに利用できる。図22の例では、置換/挿入の結果、サービス要求を行ったユーザである「ユーザA」という名前が、ライセンス先情報(804)の中に設定されている。
図24は、中継アドレス置換/挿入の一応用例として、サーバにあるデータを参照するための中継ネットワーク内のローカルURLリンク情報(805)を動的に生成する例を示す。本応用例では、サーバ(1)のデータのコピー(41)を予め中継ネットワーク内にある一つ以上のローカルサーバ(31)に持たせておき、データ処理中継装置(5)は、該ローカルサーバ(31)の負荷等に応じて、該ローカルサーバ(31)から1つ選択して該ローカルサーバ(31)のアドレスで置換/挿入対象部を置換/挿入する。
図24の例では、ローカルサーバ(31)のアドレス「1.ccc.ddd」、「2.ccc.ddd」、「n.ccc.ddd」の中から「2.ccc.ddd」が選択され、「2.ccc.ddd」がローカルURLリンク情報(805)に挿入されている。本応用例によると、データ処理中継装置(5)側で動的な負荷分散処理が可能になる。
この応用例によれば、データセンタにおける負荷分散が可能になる。すなわち、コンテンツプロバイダが、アクセス頻度の高いデータをデータセンター等に配置し、データセンタ側では、契約額等に応じて、必要な数だけ、複数の内部サーバに複製データを持たせて負荷分散を行うことが可能になる。負荷分散の数を柔軟に変えたり、また、地域的に離れたところに分散させる等、単純な負荷分散装置では実現しにくいような負荷分散も、データセンター側の権限で柔軟に実現できる。
図25は、分類別データ置換/挿入の一応用例を示す。置換/挿入用データ(900)を格納・管理したデータ情報サーバ(9)を設け、各データ処理中継装置(5)と通信路(3)で接続する。該データ情報サーバ(9)には、置換/挿入用データ(900)が、データの種別を示す分類情報(901)と、情報の対象地域を示す地域情報(902)と、対象の性別や年齢等を示した対象ユーザ属性情報(903)と共に格納・管理されている。
また、各データ処理中継装置(5)は、予め地域別のクライアント(2)と対応付けられており、担当地域情報(806)を保持している。データ処理中継装置(5)は、処理1144で、データ情報サーバ(9)からある1つの置換/挿入用データ(900)を取りだす際、「分類別データ置換/挿入」指示の置換/挿入パラメータ(634)で指定されたデータ分類情報(641)だけでなく、各データ処理中継装置(5)の持つ担当地域情報(806)と、ユーザ管理サーバ(7)を参照して得られるサービス要求(100)のユーザ名情報(121)に対応したユーザ管理情報(70)のユーザ属性情報(73)もキーとして、置換/挿入用データ(900)を検索し、得られた置換/挿入データ用(900)の1つを、置換/挿入用データとする。図25では、データ分類情報(641)として「A」が指定され、大阪地区で、20才以上の女性からサービス要求された場合の例として、置換/挿入領域(807)にデータ2が置換/挿入されている。
なお、図25の実施例では、データ処理中継サーバ(5)があらかじめ担当地域情報(806)を保持する例を示したが、ユーザ等の指示によりサービス要求(100)の一部として送られてきた地域情報を用いて置換/挿入データ情報サーバ(9)を検索してもよい。
図25の実施例によると、サーバ(1)の提供データ(21)の作成者は、予め、データ情報サーバ(9)に必要な置換/挿入用データを登録しておくことで、地域や性別・年齢に合ったデータをデータ(21)に置換または挿入させることができる。また、予めデータ(21)の作成者が置換/挿入用データをデータ情報サーバ(9)に登録しておくのではなく、データ処理中継装置(5)(またはその管理者)側が様々な置換/挿入用データを集め、ある分離別に登録しておき、各データ(21)作成者が、適当な分類を選んで、データ処理中継装置(5)(またはその管理者)の権限で挿入/置換用データを選ぶというサービスも可能である。
図26は、演算置換/挿入の一応用例を示す。例えば、ユーザ名置換/挿入やアクセス時刻置換/挿入と組合せ、置換/挿入したユーザ名が入ったライセンス先情報(804)やアクセス時刻情報が入った配送履歴情報(802)に対し、演算種別として指定した暗号化処理を行って置換または挿入した内容を第三者にわからないようにしたり、暗号化処理結果を別の場所の改ざん検出情報(808)に置換/挿入し、ライセンス先情報(804)や配送履歴情報(802)が後で改ざんされた場合、改ざんされたことを検出できるようにするという使い方もできる。
図26の例では、置換/挿入の結果、ライセンス先情報(804)にはサービス要求を出した「ユーザA」という情報が設定され、配送履歴情報(802)には、サービス要求を処理した時刻である「2000/01/01 01:23:45」が設定され、改ざん検出情報(808)には、「ユーザA」と「2000/01/01 01:23:45」を暗号化した結果である「XXXXYYYYZZZZ」が設定されている。
図27は、データ処理指示(222)の別の実施例として、同一データに対するサービス要求を振り分ける振分け先指示情報(65)の一詳細例を示す。振分け先指示情報(65)は、図10における制御指示タグ(60)としては、例えば、<振分け先指示>を用いる。<振分け先指示>と</振分け先指示>の中には、データ(21)に対する以降のアクセスに対して、どこに転送するかを示した転送アドレス情報(651)と該転送アドレス情報(651)のアドレスに転送する条件を示した転送条件情報(652)の組である振分け情報(650)のリストを指定する。転送条件情報(652)としては、地域、性別、年齢等、サービス要求者の属性等を指定する。
図28は、図8の処理1012でのデータ処理部(54)によるデータ処理指示(222)に従った処理の具体例として、図27の振分け先指示情報(65)に対するサービス要求の転送振分け処理の詳細を示す。
まず、得られた拡張データ(20)がキャッシュ(40)から得たデータか、サーバ(1)から返ってきた応答(210)から得たデータかどうか判定する(処理1151)。
得られた拡張データ(20)が、サーバ(1)から返ってきた応答(210)から得たデータの場合は、該拡張データ(20)に含まれるデータ(21)を応答(110)として処理1012を終了する(処理1152)。
得られた拡張データ(20)がキャッシュ(40)から得たデータの場合は、データ処理制御情報(22)に指定された振分け情報(650)のリストを検索し、上記分類別データ置換/挿入の場合と同様にして、ユーザ管理情報(70)に含まれるサービス要求者のユーザ属性情報(73)や、各データ処理中継サーバ(5)が保持する担当地域情報(806)またはサービス要求(100)に含まれる地域情報を参照し、転送条件情報(652)に指定された条件を満足する振分け情報(650)の中から1つ選び出し、選び出した振分け情報(65)の転送先アドレス(651)を要求先のサーバ(1)のアドレスとして、処理1006に飛び、サーバ(1)に要求する(処理1153)。
図27、図28の実施例によると、あるデータ(21)へのサービス要求がトランザクション処理に対応している場合や、サービス要求毎に動的にデータ(21)生成しなければならない場合等において、該サービス要求を処理するサーバ(1)を複数個用意し、地域やユーザの性別、年齢等の条件に従って、該複数のサーバ(1)間での振分け先指定をサーバ側からデータ処理中継装置(5)に指定し、データ処理中継装置(5)側で振分けてもらうことが可能になる。
図29は、図11のアクセス制御指示を拡張して、データ(21)を配送する際の配送優先度、配送帯域等を指定する配送品質指示情報(66)の例を示す。
図30は、図8の処理1012でのデータ処理部(54)によるデータ処理指示(222)に従った処理の具体例として、図29の配送品質指示情報(66)に対する詳細な処理の流れを示す。
本処理は、図12の処理1101〜処理1107までは同じである。アクセス可能であると判定された場合の処理1108においては、さらに、購読者名情報(611)、購読者グループ名情報(612)、defaultアクセス可否情報(615)などと共に指定されているそれぞれの配送品質指示情報(66)の指示に従い、ユーザに対応した配送品質指示を求め、求めた配送品質指示を中継部(51)に伝えてから、提供データ(21)を応答(110)とし、処理1012の処理を終了する。
なお、上記配送品質指示情報(66)からユーザに対応した配送品質指示を求める方法としては、単純に配送品質指示情報(66)をそのまま使用するという方法を用いても良い。また、サーバからの指示をチェックして必要な修正を行うという方法を用いてもよい。例えば、配送品質指示情報(66)として、サービス優先度値を用い、さらに、ユーザ管理サーバ(7)に保持したユーザ管理情報(70)に、図5に示すようなユーザ優先度情報(75)が含まれる場合は、ユーザのユーザ優先度情報(75)を参照する。配送品質指示情報(66)で指定されたサービス優先度値が、そのユーザに許された優先度値の最小、最大の範囲に収まる場合は、配送品質指示情報(66)で指定されたサービス優先度値をそのまま使用し、範囲外の場合は、指定されたサービス優先度値から一番近い許された範囲内の優先度値に修正するという方法を用いる。
上記中継部(51)に対する配送品質指示により、中継部(51)は、処理1015で応答(110)をクライアント(2)に返す際、IPパケットの配送優先度を表すIPヘッダの優先情報等を指定された値に設定する等の操作により、指示された品質での応答(110)の返信を行う。
たとえば、図4に示すシステム構成においてデータ通信を中継する中継装置(ルータ)(19)が、IPパケットに優先順位を割り当て中継処理の順番を制御できる技術であるDiffservに対応している場合、中継部(51)は上記配送品質指示情報に従い配送優先度を求め、その値をデータの配送単位である各IPパケットのヘッダ部のToSフィールド(配送優先度情報等を指定するフィールド)に設定する。Diffserv対応ルータは、各IPパケットを、ToSフィールドに設定された配送優先度情報に応じた優先度で中継することにより、上記配送優先度を用いた配送が可能になる。
なお、配送品質指示情報(66)からDiffservの配送優先度値等を求める方法については、配送品質指示情報(66)からDiffservの配送優先度値等への変換方法を記述した変換テーブル用意しておき、同変換テーブルを用いて求めるという方法でもよいし、また、通信路上の通信量を監視する監視装置等から得られたトラフィック情報を用い、同トラフィック情報を考慮して、動的に変換方法を調整するという方法でもよい。
図29、図30の実施例によれば、ユーザやデータに応じて、配送品質を変えることができる。たとえば、証券取引等、アクセスが集中するサービスや動画・音声等のストリーム配信サービスにも、重要な利用者を優先したり、ストリームデータを優先することで、対応可能になる。
図31は、サーバ(1)のデータ処理指示に対応した課金情報として課金管理装置(8)に送付される処理課金情報(310)の一構成例を示す。本実施例では、処理課金情報(310)は、要求されたデータ(21)のURLを示す対象URL情報(311)、サーバの認証するためのサーバ認証情報(312)、実行した処理の内容を示す処理内容情報(313)から構成される。
課金管理装置(8)に送付されたアクセス課金情報(300)や処理課金情報(310)は、課金管理装置(8)に一旦蓄えられ、定期的あるいは不定期に、纏めて集計処理が行われる。図32は、課金管理装置(8)での、アクセス課金情報(300)、処理課金情報(310)に対する定期的な集計処理の流れを示す。
まず、蓄えたアクセス課金情報(300)を参照し、課金ユーザ認証情報(302)をキーとして、同一ユーザ別に、課金代金情報(303)で示された代金情報を加算し、ユーザ毎のアクセス代金を求める(処理2001)。
次に、蓄えたアクセス課金情報(300)を参照し、課金URL情報(301)をキーとして、同一URL別に、課金代金情報(303)で示された代金情報を足し算し、URL毎のアクセス代金を求める(処理2002)。
最後に、蓄えた処理課金情報(310)を参照し、サーバ認証情報(312)をキーとして、サーバ別に、処理内容情報(313)で示された処理に対応する代金を加算し、サーバ毎の処理代金を求め集計処理を終了する(処理2003)。
図32の課金集計結果を用いることで、データ処理中継装置側の運用管理者が、サーバ側に代って、各ユーザからアクセス代金を徴収し、徴収した代金を、対応するURLのデータを持つサーバの運用管理者に支払い、さらに、データ処理指示に従って処理した内容に応じて、サーバ側の運用管理者から代金を得るという代行サービスを提供できる。
上記実施例において、各タグは、たとえばデータの記述言語であるXML(eXtensible Markup Language)を使うことで実現できる。
モバイル等でアドレスの変わる利用者や、データの性質に応じた優先配送等、従来のルータだけでは実現できない木目細やかな制御を行い、差別化したサービスの提供が可能となる。
本発明では、タグというデータの付加情報で処理指示が行え、かつ処理が行われた後にタグが取り外されたデータがクライアント装置(2)に届けられるため、クライアント装置(2)やサーバ(1)のプログラムに影響を与えず新たなサービスを提供できる。
また、本発明のデータ処理中継装置は、提供されたデータを、キャッシュとして保持する手段を備え、上記の通りアクセス制御を指示する制御指示タグによって、キャッシュを利用した分散サービス処理を可能としている。クライアントからのサービス要求は、最寄りのデータ処理中継装置が対応し、キャッシュ済の提供データはアクセスチェックをしながら、同データ処理中継装置が直接クライアントに返す。これにより、多数の利用者(クライアント装置)からの要求に対しても、迅速な応答が可能となる。
なお、上記のデータ処理指示(222)を応用して、特定の提供データ(21)に対する優先キャッシュを指示することも可能である。優先キャッシュ指示に対しては、データ処理部(54)は、キャッシング部(52)に指示して、当該提供データ(21)を他のデータに比べて優先的にキャッシュする処理をさせる。キャッシング部(52)が優先的にキャッシュする方法としては、例えば、以下の方法がある。
まず、キャッシュ領域(53)を予め複数の領域に分割し、一般データ向けのキャッシュ領域のほかに、予め、契約等により、ある特定のサーバ(1)からの優先キャッシュ指示で指示されたデータ(21)だけを格納する優先キャッシュ領域を決めておく。キャッシング部(52)が優先キャッシュ指示を受けた場合は、データ制御処理情報(22)のサーバ認証情報(221)によりサーバを特定し、特定されたサーバ向けの上記優先キャッシュ領域に、指示されたデータ(21)を格納し、優先キャッシングを実現する。
この方法により、効果的なデータを効果的な場所に優先的にキャッシングすることが可能になる。
また、図33に示すように本発明の処理中継装置(5)を、ユーザやグループ情報、優先度情報等を管理したユーザ管理サーバ(7)等と連動させることにより、ユーザやグループ単位で、コンテンツの優先配送やアクセス制御ができるようになる。図5のように、ユーザに対応した優先度情報(75)をユーザ管理サーバ(7)に持つ実施例では、データ処理中継装置(5)のデータ処理部(54)は、制御指示タグ(60)による優先配送制御がない場合でも、ユーザ管理サーバ(7)から得られたユーザ優先度情報(75)のデフォルトの優先度値に従って、中継部(51)に配送品質指示を行い、ユーザ毎の優先度配送を実現する。
また、データに制御指示タグ(60)として、配送品質指示情報(66)が付加されている場合は、上記のとおり、ユーザ管理サーバ(7)に指定されたユーザ優先度情報(75)を考慮しながら配送するので、さらに、細やかでかつ統合的な処理が行える。
さらに、クライアントの利用者グループ情報を管理するディレクトリサーバを、中継装置を管理するデータベースと共通化し、中継装置と処理中継装置とを併せて管理できるようになる。
また、通信トラフィックの計測技術を併用することにより、ネットワーク負荷に応じた動的な品質制御も可能になる。
図1や図33の構成を利用することによりデータセンターによる大規模データ配布サービスが可能になる。例えばゲームソフトメーカはゲームソフトにライセンス条件等を制御指示タグとして付加したデータを用意する。データセンタはその条件に従い、利用者管理、課金管理、お試し期間の管理やライセンス管理を行いながら、コンテンツ提供者に代わって利用者への配布を行う。これにより、コンテンツ提供者は、ライセンス管理等の手間を省くことができて、簡単な設備で、多くの利用者に対してコンテンツ配布が行える。
また、データセンタによるイントラ・エクストラネットのホスティングサービスにおいて、データセンタと企業側サイトとを結ぶネットワーク(インターネットや専用線)が低帯域な通信回線の場合には、一部の利用者が多量のデータを転送し始めると、他の要求はほとんど受付けられなくなるという問題が生じる。これに対し、本発明のデータ処理中継装置をセンタとサイトの出入口に配置し、重要な業務処理を優先させることにより上記問題を解決したスムーズな業務処理が可能になる。
1…サーバ、2…クライアント、3…通信路、4…プロキシ、5…データ処理中継装置、6…負荷分散装置、7…ユーザ管理サーバ、8…課金管理装置、9…置換/挿入データ情報サーバ、10…サーバの記憶部、11…プロセッサ、12…メモリ、13…外部記憶装置、14…通信装置、15…入出力装置、16…バス、17…通信回線、18…情報処理プログラム、19…中継装置(ルータ)、20…拡張データ、21…データ、22…データ処理制御情報、23…エラー情報、24…課金了解確認のデータ、31…ローカルサーバ、41…データのコピー、40…キャッシュ、51…中継部、52…キャシング部、53…キャッシュ領域、54…データ処理部、55…認証部、60…制御指示タグ、61…アクセス制御指示情報、62…課金指示情報、63…置換/挿入指示情報、65…振分け先指示情報、66…配送品質指示情報、70…ユーザ管理情報、71…ユーザ名情報、72…ユーザパスワード、73…ユーザ属性情報、74…ユーザグループ情報、75…ユーザ優先度情報、100…サービス要求、101…URL情報、102…認証情報、103…課金了解情報、110…応答、121…ユーザ名情報、122…パスワード、200…データ処理中継装置からのサービス要求、210…応答、221…サーバの認証情報、222…データ処理指示、300…アクセス課金情報、301…課金URL情報、302…課金ユーザ認証情報、303…課金代金情報、310…処理課金情報、311…対象URL情報、312…サーバ認証情報、313…処理内容情報、611…購読者名情報、612…購読者グループ名情報、613…非購読者名情報、614…非購読者グループ名情報、615…defaultアクセス可否情報、621…課金金額情報、622…課金銀額の最小値、623…課金金額の最大値、631…置換/挿入位置情報、632…置換サイズ情報、633…置換/挿入データ種別情報、634…置換/挿入パラメータ情報、641…データ分類情報、642…演算対象位置情報、643…演算対象サイズ情報、644…演算種別情報、650…振分け情報、651…転送アドレス情報、652…転送条件情報、801…お試し期間開始時刻情報、802…配送履歴情報、803…個別URLリンク情報、804…ライセンス先情報、805…ローカルURLリンク情報、806…担当地域情報、807…置換/挿入領域、808…改ざん検出情報、900…置換/挿入用データ、901…分類情報、902…地域情報、903…対象ユーザ属性情報。