JP4760546B2 - 加工工程評価装置および加工工程評価方法 - Google Patents
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Description
ここで、「最適な生産ライン」は、例えば、製品の生産が容易であること、製品の生産に要する時間が短いこと、生産効率が良いこと、製品の製造コストが小さいことといった生産ラインに通常求められる複数の要件を高い次元で同時に満足する生産ラインを指すものとする。
しかし、上記方法では、製品の形状によっては生産ラインの設計者が当該設計された製品の形状をチェックするのに要する時間が長くなったり、大幅な製品の形状の修正を何度も行う必要が生じたりする場合がある。
そのため、製品の設計が開始されてから最終的な製品の形状が決定され、当該製品に対応する生産ラインの設計が完了するまでに要する時間、すなわちリードタイムを短縮することが困難であるという問題がある。
すなわち、リードタイムを短縮して製品の開発コストを削減するためには、予め製品の設計者が生産ラインの設備上の制約(加工可能な形状、設備の能力等)を十分に熟知し、製品の設計段階で製品に要求される機能と生産容易な形状とを高い次元で両立することが求められるが、このような条件を満足する製品の設計は容易でなく、製品の設計者の負担が大きいという問題がある。
また、単一の(一種類の)加工装置を複数台配置した加工工程の場合にはある程度の最適な生産ラインの設計が可能であるが、既設の生産ラインを一部改修して新たな生産ラインを設計する場合や、多軸加工装置(複数の使用工具を同時に動作(主として回転駆動)することにより、粗材に一度に複数の加工を施すことが可能な加工装置)を用いる場合には、製品の設計者の負担が更に大きくなり最適な生産ラインの設計が困難である。
粗材に所定の加工を施して製品を製造する加工工程の評価を行う加工工程評価装置であって、
前記粗材および前記製品の形状差に基づいて加工内容を抽出する加工内容抽出手段と、
前記加工内容抽出手段により抽出された加工内容に基づいて前記製品の加工工程を作成する加工工程作成手段と、
前記加工工程作成手段により作成された前記製品の加工工程に基づいて当該製品の製造コストアップ要因を抽出する製造コストアップ要因抽出手段と、
を具備し、
前記製造コストアップ要因抽出手段は、
前記加工工程作成手段により作成された加工工程と予め作成された標準加工工程とを比較し、前記加工工程のうち前記標準加工工程と一致する部分と一致しない部分とに分類し、前記標準加工工程と一致しない部分に含まれる加工内容を製造コストアップ要因として抽出する非標準加工内容抽出手段を具備し、
前記非標準加工内容抽出手段は、
前記加工工程のうち前記標準加工工程に設定されている加工内容および設備の能力を超えない部分を前記加工工程のうち前記標準加工工程と一致する部分であると分類し、前記加工工程のうち前記標準加工工程に設定されている加工内容および設備の能力のうち少なくとも一方を超える部分を前記加工工程のうち前記標準加工工程と一致しない部分であると分類するものである。
前記製造コストアップ要因抽出手段は、
予め作成されて加工工具データベースに記憶された加工工具を用いて前記加工工程に含まれる加工内容が達成できない場合に、当該加工内容を製造コストアップ要因として抽出する新規加工工具抽出手段を具備するものである。
前記製造コストアップ要因抽出手段は、
多軸加工装置により同時に加工を施すことができない加工内容を製造コストアップ要因として抽出する多軸不可加工抽出手段を具備するものである。
前記製造コストアップ要因抽出手段は、
前記加工工程に含まれる加工内容と予め作成された加工内容のリファレンスとを比較し、前記加工内容のうち所定の判定基準を満たさないものを製造コストアップ要因として抽出する加工不具合抽出手段を具備するものである。
粗材に所定の加工を施して製品を製造する加工工程の評価を行う加工工程評価方法であって、
前記粗材および前記製品の形状差に基づいて加工内容を抽出する加工内容抽出ステップと、
前記加工内容抽出ステップにおいて抽出された加工内容に基づいて前記製品の加工工程を作成する加工工程作成ステップと、
前記加工工程作成ステップにおいて作成された前記製品の加工工程に基づいて当該製品の製造コストアップ要因を抽出する製造コストアップ要因抽出ステップと、
を具備し、
前記製造コストアップ要因抽出ステップは、
前記加工工程作成ステップにおいて作成された加工工程と予め作成された標準加工工程とを比較し、前記加工工程のうち前記標準加工工程と一致する部分と一致しない部分とに分類し、前記標準加工工程と一致しない部分に含まれる加工内容を製造コストアップ要因として抽出する非標準加工内容抽出ステップを具備し、
前記非標準加工内容抽出ステップにおいて、
前記加工工程のうち前記標準加工工程に設定されている加工内容および設備の能力を超えない部分を前記加工工程のうち前記標準加工工程と一致する部分であると分類し、前記加工工程のうち前記標準加工工程に設定されている加工内容および設備の能力のうち少なくとも一方を超える部分を前記加工工程のうち前記標準加工工程と一致しない部分であると分類するものである。
前記製造コストアップ要因抽出ステップは、
予め作成されて加工工具データベースに記憶された加工工具を用いて前記加工工程に含まれる加工内容が達成できない場合に、当該加工内容を製造コストアップ要因として抽出する新規加工工具抽出ステップを具備するものである。
前記製造コストアップ要因抽出ステップは、
多軸加工装置により同時に加工を施すことができない加工内容を製造コストアップ要因として抽出する多軸不可加工抽出ステップを具備するものである。
前記製造コストアップ要因抽出ステップは、
前記加工工程に含まれる加工内容と予め作成された加工内容のリファレンスとを比較し、前記加工内容のうち所定の判定基準を満たさないものを製造コストアップ要因として抽出する加工不具合抽出ステップを具備するものである。
加工工程評価装置1は粗材に所定の加工を施して製品を製造する加工工程の評価を行う装置である。
「粗材」は製品の材料であり、粗材に所定の加工を施すことにより製品が製造される。
「製品」は中間製品でも良く、最終製品でも良い。
制御部2は主として加工内容抽出部21、加工工程作成部22、製造コストアップ要因抽出部23、標準加工工程データベース24、加工工具データベース25、リファレンスデータベース26等を具備する。
加工内容抽出部21は、まず、粗材の形状(通常は三次元形状)に係るデータおよび製品の形状(通常は三次元形状)に係るデータをCAD装置50から取得する。
なお、本実施例ではCAD装置50は加工工程評価装置1と別体であるが、本発明に係る加工工程評価装置はこれに限定されず、CAD装置の機能(粗材および製品の形状に係るデータを作成する機能等)を加工工程評価装置に具備する構成としても良い。
続いて、加工内容抽出部21は粗材および製品の形状差に基づいて加工内容を抽出する。
「加工内容」は、粗材に施すべき加工の内容(または加工の内容をパターン化したもの)を指す。加工内容は、例えば粗材における加工を施す部位、加工の種類、加工の種類に関する他の詳細な条件等を含む。
「加工の種類」の例としては、切削、研削、穴開け、研磨等が挙げられる。
「加工の種類に関する他の詳細な条件」の例としては、加工の種類が「穴開け」の場合には穴の直径、深さ、加工精度等が挙げられるが、他の条件を含めても良い。
「加工工程を作成する」とは、通常は粗材に施す加工の順序、各加工に用いられる設備(加工装置等)、および各加工に用いられる設備の数および配置(工程内の位置)等を設定することをいう。
「製造コストアップ要因」は、製品を加工工程作成手段により作成された加工工程にて製造した場合に、当該製品の製造コストが基準となる製造コスト(基準製造コスト)よりも増大する原因となり得るものを指す。
「標準製品」は、過去の製品の形状等に基づいて予め定められた標準的な形状を有する製品を指す。
同一の標準製品を製造する場合でも、標準製品の一ヶ月あたりの製造個数の変動に応じて「最適な」標準加工工程の加工内容、設備、および設備の数等は変動し得る。従って、標準加工工程は一つである必要はなく、標準製品の一ヶ月あたりの製造個数等に応じて複数の標準加工工程を作成することが可能である。
標準加工工程の加工内容、設備、設備の数等は、標準加工工程にて製造された標準製品の製造コストが基準製造コストを上回ることがないように定められる。
「非標準工程部分」は、加工工程作成手段により作成された加工工程のうち標準加工工程と一致しない部分を指すが、ここで、「一致しない」とは、標準加工工程に設定されている加工内容や設備の能力を超えることを指す。
非標準工程部分の例としては、(1)標準加工工程に設定されている設備を用いて達成することができない加工内容、(2)標準加工工程に設定されている設備を用いて達成することができるが、行う回数が多いために当該標準加工工程が目標とする一ヶ月あたりの製品の製造数を達成することができなくなる加工内容、等が挙げられる。
(1)標準加工工程に設定されている設備を用いて達成することができない加工内容には、既存の設備と異なる別の設備を導入しなければ達成できない加工内容の他、既存の設備の回路変更(プログラムの書き換え)を必要とする加工内容、あるいは治具の新規設計が必要となる加工内容、搬送装置や製品の搬送姿勢の変更が必要となる加工内容も含まれる。
なお、本実施例では制御部2が標準加工工程データベース24を具備する構成としたが、本発明に係る加工工程評価装置はこれに限定されず、加工工程評価装置と標準加工工程データベースとが別体であっても良い。
加工工具の例としては、フライス、エンドミル、スレッドミル、バイト、タップ、ダイス、ドリル、リーマ、砥石等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、その他の加工工具を含めても良い。
「加工工具に係る情報」の例としては、各加工工具の種類、加工精度、使用用途、加工工具自身の形状(三次元形状)、当該加工工具を使用可能な設備の一覧等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、その他の情報を含めても良い。
なお、本実施例では制御部2が加工工具データベース25を具備する構成としたが、本発明に係る加工工程評価装置はこれに限定されず、加工工程評価装置と加工工具データベースとが別体であっても良い。
ある加工内容について複数の加工工具が選択された場合は、その中から加工工具に係る使用実績や加工精度、加工歩留まり等の情報に基づいて最も適した加工工具が選択される。
加工工程を構成する加工内容のうち、加工工具データベース25から最適な加工工具が選択できない場合には、当該加工内容に類似する加工内容に使用される加工工具で代用可能か否かが判断され、当該加工工具で代用可能であれば当該加工工具が選択される。
加工工具データベース25から最適な加工工具が選択できず、当該加工内容に類似する加工内容に使用される加工工具で代用不可能であると判断された場合には、当該加工内容を製造コストアップ要因として抽出する。このような加工内容を達成するためには新規に加工工具を製作しなければならず、加工工具の製造コストが製品の製造コストの上昇に寄与し得ること、また、新規な加工工具の信頼性(耐久性、製品の加工精度、歩留まり、加工後の不具合の発生)については不明な点が多いため製造コストの上昇に寄与し得ること、による。
「多軸加工装置」は加工工程を構成する設備に含まれ得る加工装置の一種であり、複数の回転駆動する加工軸を有し、当該複数の加工軸のそれぞれの先端部に加工工具を取り付けることにより、粗材に対して複数の加工内容を同時に(一回で)施すことが可能な加工装置を指す。
なお、上記(1)の制約は、複数の加工軸を同一の駆動源で回転駆動する場合、通常は歯車等の駆動力伝達機構を用いることとなるが、当該歯車の強度や大きさ等の制約から隣り合う加工軸の軸間距離を所定の値以下とすることができないこと等により発生する。従って、近接する複数の穴を開けようとする場合、当該複数の穴の間隔が多軸加工装置の加工軸の軸間距離未満だと多軸加工装置を用いて同時に穴開けを行うことができない。
多軸不可加工内容抽出部23cは対象となる加工内容が多軸加工装置により同時に加工を施すことができないものであると判定した場合には、当該加工内容を製造コストアップ要因として抽出する。
ある加工内容について多軸加工装置を利用することができない場合、当該加工内容は別の設備(加工装置)を用いて複数の工程を経て粗材に施されることになり、通常は製品の製造コストの上昇に寄与するからである(設備数増大、工数増大等)。
すなわち、製品の種類により加工工程に多軸加工装置を用いた加工内容が含まれない場合には、多軸加工不可加工内容抽出手段を省略することが可能である。
なお、本実施例では制御部2がリファレンスデータベース26を具備する構成としたが、本発明に係る加工工程評価装置はこれに限定されず、加工工程評価装置とリファレンスデータベースとが別体であっても良い。
まず、ある加工内容についての試作条件が提示され、当該試作条件にて製品を試作することにより、加工が可能であるか否かの判定が行われる。
その結果、試作された製品に不具合(加工精度が所定の条件を満たさない、加工歩留まりが悪い、加工工具が破損しやすい等)が発生した場合には当該不具合内容およびその改善方法に係る情報がリファレンスデータベース26に記憶される。また、不具合のない場合についても測定結果等について蓄積される。
当該試作条件にて製品を試作した結果、特に不具合が発生しなかった場合には、実際の生産条件と同様の条件である程度の個数の製品を製造し、製造された製品に不具合が発生するか否かの判定が行われる。この時点で不具合が発生した場合にも、当該不具合内容およびその改善方法に係る情報がリファレンスデータベース26に記憶される。
実際の生産条件と同様の条件である程度の個数の製品を製造した結果、特に不具合が発生しなかった場合には、生産ラインが稼動し、当該生産条件で製品が製造開始される。
そして、生産ライン稼働後に不具合が発生した場合にもその都度当該不具合内容およびその改善方法に係る情報がリファレンスデータベース26に記憶される。
加工内容のリファレンスの他の用途としては、(1)利用者が当該リファレンスを検索(あるいは詳細閲覧)可能として生産ラインの設計等の改善等に有効な情報として供する、(2)当該加工内容のリファレンスを用いてリファレンスマップを作成することにより加工工程の慢性的な不具合点を視覚化し加工工程の改善を図る、(3)ある加工内容の加工性(加工のし易さ、加工精度等)を評価するロジックを作成する際に参照する、等が挙げられる。
所定の判定基準を満たすことの例としては、(1)加工のし易さ(作業性)、加工精度、信頼性等をそれぞれ数値化して所定の判定式に入力することにより得られる値が所定の閾値以上となる場合には当該加工内容が所定の判定基準を満たすものとする、(2)予めリファレンスを加工のし易さ(作業性)、加工精度、信頼性等に基づいて「良好」と「不良」の二種類に分類しておき、選択されたリファレンスが「良好」の場合には判定基準を満たすものとする、等が挙げられる。なお、所定の判定基準については製品の性状に応じて適宜設定することが可能である。
なお、所定の判定基準を満たさない場合でも、過去のノウハウにより解決可能な場合には、所定の判定基準を満たさないと判定された加工内容であってもこれを製造コストアップ要因として抽出しない。
制御部2は、より具体的にはCPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であっても良い。
また、制御部2は専用品でも良いが、市販のパーソナルコンピュータやワークステーション等を用いて達成することも可能である。さらに、制御部2は、相互に通信可能な複数台のパーソナルコンピュータやワークステーション等からなるシステムであっても良く、ワード等の経由による社内外の端末からの利用が可能な構成としても良い。
入力部3は専用品でも良いが、市販のキーボードやタッチパネル等を用いて達成することも可能である。
表示部4は専用品でも良いが、市販のモニターや液晶ディスプレイ等を用いて達成することも可能である。
本発明に係る加工工程評価方法の実施の一形態は、加工工程評価装置1を用いて粗材に加工を施して自動車のエンジンを構成する部材の一つであるシリンダブロックを製品として製造する加工工程の評価を行う方法であり、主として加工内容抽出ステップS100、加工工程作成ステップS200、製造コストアップ要因抽出ステップS300を具備する。
加工内容抽出ステップS100において、加工内容抽出部21は、粗材の形状に係るデータおよび製品の形状に係るデータをCAD装置50から取得し、粗材の形状に係るデータおよび製品の形状に係るデータに基づいて粗材および製品の形状差を検出し、当該粗材および製品の形状差に基づいて加工内容を抽出する。
加工工程作成ステップS200において、加工工程作成部22は、加工内容抽出部21により抽出された加工内容に基づいて製品の加工工程を作成する。
非標準加工内容抽出ステップS310において、非標準加工内容抽出部23aは加工工程のうち非標準工程部分に含まれる加工内容を製造コストアップ要因として抽出する。
新規加工工具抽出ステップS320において、新規加工工具抽出部23bは加工工程作成部22により作成された加工工程を構成する各加工内容について使用可能な加工工具を加工工具データベース25から選択する。
ある加工内容について複数の加工工具が選択された場合は、その中から加工工具に係る使用実績や加工精度、加工歩留まり等の情報に基づいて最も適した加工工具が選択される。
加工工程を構成する加工内容のうち、加工工具データベース25から最適な加工工具が選択できない場合には、当該加工内容に類似する加工内容に使用される加工工具で代用可能か否かが判断され、当該加工工具で代用可能であれば当該加工工具が選択される。
加工工具データベース25から最適な加工工具が選択できず、当該加工内容に類似する加工内容に使用される加工工具で代用不可能であると判断された場合には、当該加工内容を製造コストアップ要因として抽出する。
多軸不可加工内容抽出ステップS330において、多軸不可加工内容抽出部23cは、加工工程作成ステップS200において作成された加工工程に多軸加工装置を用いた加工内容が含まれている場合、対象となる加工内容を多軸加工装置により行うことが実際に可能か否か(多軸加工装置の設備上の制約によらず達成可能か否か)を判定する。
その結果、多軸不可加工内容抽出部23cは対象となる加工内容が多軸加工装置により同時に加工を施すことができないものであると判定した場合には、当該加工内容を製造コストアップ要因として抽出する。
加工不具合抽出ステップS340において、加工不具合抽出部23dは、リファレンスデータベース26に記憶された加工内容のリファレンスから、加工工程作成部22により作成された加工工程に含まれる加工内容と同一または類似のものを選択し、当該選択されたリファレンスが有する加工のし易さ(作業性)、加工精度、信頼性等の付帯情報に基づいて、当該加工内容が所定の判定基準を満たすか否かを判定する。
加工不具合抽出部23dは加工工程作成部22により作成された加工工程の加工内容のうち、所定の判定基準を満たさないと判定された加工内容がある場合には、当該加工内容を製造コストアップ要因として抽出する。
なお、所定の判定基準を満たさない場合でも、過去のノウハウにより解決可能な場合には、所定の判定基準を満たさないと判定された加工内容であってもこれを製造コストアップ要因として抽出しない。
製造コストアップ要因抽出ステップS300が終了したら、本発明に係る加工工程評価方法の実施の一形態は終了する。
また、本実施例では製造コストアップ要因抽出ステップS300において非標準加工内容抽出ステップS310→新規加工工具抽出ステップS320→多軸不可加工内容抽出ステップS330→加工不具合抽出ステップS340の順に行う構成としたが、本発明に係る加工工程評価方法はこれに限定されず、非標準加工内容抽出ステップ、新規加工工具抽出ステップ、多軸不可加工内容抽出ステップ、加工不具合抽出ステップを行う順序を変更することも可能である。
粗材に所定の加工を施して製品を製造する加工工程の評価を行う加工工程評価装置であって、
前記粗材および前記製品の形状差に基づいて加工内容を抽出する加工内容抽出部21と、
加工内容抽出部21により抽出された加工内容に基づいて製品の加工工程を作成する加工工程作成部22と、
加工工程作成部22により作成された製品の加工工程に基づいて製品の製造コストアップ要因を抽出する製造コストアップ要因抽出部23と、
を具備するものである。
このように構成することにより、作業者は製品の製造コストの上昇に寄与し得る加工内容を短時間で容易に認識する(視覚化する)ことが可能であり、ひいては短時間で容易に最適な生産ラインの設計が可能である。
加工工程作成部22により作成された加工工程と予め作成された標準加工工程とを比較し、加工工程のうち標準加工工程と一致する部分と一致しない部分とに分類し、標準加工工程と一致しない部分に含まれる加工内容を製造コストアップ要因として抽出する非標準加工内容抽出部23aを具備するものである。
このように構成することにより、作業者は加工工程のうち製品の製造コストの上昇に寄与しない部分(標準加工部分)と製品の製造コストの上昇に寄与し得る部分(非標準加工部分)とを短時間で容易に認識する(視覚化する)ことが可能であり、ひいては短時間で容易に最適な生産ラインの設計が可能である。
予め作成されて加工工具データベース25に記憶された加工工具を用いて加工工程作成部22により作成された加工工程に含まれる加工内容が達成できない場合に、当該加工内容を製造コストアップ要因として抽出する新規加工工具抽出部23bを具備するものである。
このように構成することにより、作業者は製品の製造コストの上昇に寄与し得る加工内容を短時間で容易に認識する(視覚化する)ことが可能であり、ひいては短時間で容易に最適な生産ラインの設計が可能である。
多軸加工装置により同時に加工を施すことができない加工内容を製造コストアップ要因として抽出する多軸不可加工内容抽出部23cを具備するものである。
このように構成することにより、作業者は製品の製造コストの上昇に寄与し得る加工内容を短時間で容易に認識する(視覚化する)ことが可能であり、ひいては短時間で容易に最適な生産ラインの設計が可能である。
加工工程作成部22により作成された加工工程に含まれる加工内容と予め作成されてリファレンスデータベース26に記憶された加工内容のリファレンスとを比較し、加工工程作成部22により作成された加工工程に含まれる加工内容のうち所定の判定基準を満たさないものを製造コストアップ要因として抽出する加工不具合抽出部23dを具備するものである。
このように構成することにより、作業者は作業性(作業のし易さ)等の観点から製品の製造コストの上昇に寄与し得る加工内容を短時間で容易に認識する(視覚化する)ことが可能であり、ひいては短時間で容易に最適な生産ラインの設計が可能である。
粗材に所定の加工を施して製品を製造する加工工程の評価を行う加工工程評価方法であって、
粗材および製品の形状差に基づいて加工内容を抽出する加工内容抽出ステップS100と、
加工内容抽出ステップS100において抽出された加工内容に基づいて製品の加工工程を作成する加工工程作成ステップS200と、
加工工程作成ステップS200において作成された製品の加工工程に基づいて製品の製造コストアップ要因を抽出する製造コストアップ要因抽出ステップS300と、
を具備するものである。
このように構成することにより、作業者は製品の製造コストの上昇に寄与し得る加工内容を短時間で容易に認識する(視覚化する)ことが可能であり、ひいては短時間で容易に最適な生産ラインの設計が可能である。
加工工程作成ステップS200において作成された加工工程と予め作成された標準加工工程とを比較し、加工工程のうち標準加工工程と一致する部分と一致しない部分とに分類し、標準加工工程と一致しない部分に含まれる加工内容を製造コストアップ要因として抽出する非標準加工内容抽出ステップS310を具備するものである。
このように構成することにより、作業者は加工工程のうち製品の製造コストの上昇に寄与しない部分(標準加工部分)と製品の製造コストの上昇に寄与し得る部分(非標準加工部分)とを短時間で容易に認識する(視覚化する)ことが可能であり、ひいては短時間で容易に最適な生産ラインの設計が可能である。
予め作成されて加工工具データベース25に記憶された加工工具を用いて加工工程作成ステップS200において作成された製品の加工工程に含まれる加工内容が達成できない場合に、当該加工内容を製造コストアップ要因として抽出する新規加工工具抽出ステップS320を具備するものである。
このように構成することにより、作業者は製品の製造コストの上昇に寄与し得る加工内容を短時間で容易に認識する(視覚化する)ことが可能であり、ひいては短時間で容易に最適な生産ラインの設計が可能である。
多軸加工装置により同時に加工を施すことができない加工内容を製造コストアップ要因として抽出する多軸不可加工内容抽出ステップS330を具備するものである。
このように構成することにより、作業者は製品の製造コストの上昇に寄与し得る加工内容を短時間で容易に認識する(視覚化する)ことが可能であり、ひいては短時間で容易に最適な生産ラインの設計が可能である。
加工工程作成ステップS200において作成された加工工程に含まれる加工内容と予め作成されてリファレンスデータベース26に記憶された加工内容のリファレンスとを比較し、加工工程作成ステップS200において作成された加工工程に含まれる加工内容のうち所定の判定基準を満たさないものを製造コストアップ要因として抽出する加工不具合抽出ステップS340を具備するものである。
このように構成することにより、作業者は作業性(作業のし易さ)等の観点から製品の製造コストの上昇に寄与し得る加工内容を短時間で容易に認識する(視覚化する)ことが可能であり、ひいては短時間で容易に最適な生産ラインの設計が可能である。
21 加工内容抽出部(加工内容抽出手段)
22 加工工程作成部(加工工程作成手段)
23 製造コストアップ要因抽出部(製造コストアップ要因抽出手段)
Claims (8)
- 粗材に所定の加工を施して製品を製造する加工工程の評価を行う加工工程評価装置であって、
前記粗材および前記製品の形状差に基づいて加工内容を抽出する加工内容抽出手段と、
前記加工内容抽出手段により抽出された加工内容に基づいて前記製品の加工工程を作成する加工工程作成手段と、
前記加工工程作成手段により作成された前記製品の加工工程に基づいて当該製品の製造コストアップ要因を抽出する製造コストアップ要因抽出手段と、
を具備し、
前記製造コストアップ要因抽出手段は、
前記加工工程作成手段により作成された加工工程と予め作成された標準加工工程とを比較し、前記加工工程のうち前記標準加工工程と一致する部分と一致しない部分とに分類し、前記標準加工工程と一致しない部分に含まれる加工内容を製造コストアップ要因として抽出する非標準加工内容抽出手段を具備し、
前記非標準加工内容抽出手段は、
前記加工工程のうち前記標準加工工程に設定されている加工内容および設備の能力を超えない部分を前記加工工程のうち前記標準加工工程と一致する部分であると分類し、前記加工工程のうち前記標準加工工程に設定されている加工内容および設備の能力のうち少なくとも一方を超える部分を前記加工工程のうち前記標準加工工程と一致しない部分であると分類する、
ことを特徴とする加工工程評価装置。 - 前記製造コストアップ要因抽出手段は、
予め作成されて加工工具データベースに記憶された加工工具を用いて前記加工工程に含まれる加工内容が達成できない場合に、当該加工内容を製造コストアップ要因として抽出する新規加工工具抽出手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の加工工程評価装置。 - 前記製造コストアップ要因抽出手段は、
多軸加工装置により同時に加工を施すことができない加工内容を製造コストアップ要因として抽出する多軸不可加工抽出手段を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加工工程評価装置。 - 前記製造コストアップ要因抽出手段は、
前記加工工程に含まれる加工内容と予め作成された加工内容のリファレンスとを比較し、前記加工内容のうち所定の判定基準を満たさないものを製造コストアップ要因として抽出する加工不具合抽出手段を具備することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の加工工程評価装置。 - 粗材に所定の加工を施して製品を製造する加工工程の評価を行う加工工程評価方法であって、
前記粗材および前記製品の形状差に基づいて加工内容を抽出する加工内容抽出ステップと、
前記加工内容抽出ステップにおいて抽出された加工内容に基づいて前記製品の加工工程を作成する加工工程作成ステップと、
前記加工工程作成ステップにおいて作成された前記製品の加工工程に基づいて当該製品の製造コストアップ要因を抽出する製造コストアップ要因抽出ステップと、
を具備し、
前記製造コストアップ要因抽出ステップは、
前記加工工程作成ステップにおいて作成された加工工程と予め作成された標準加工工程とを比較し、前記加工工程のうち前記標準加工工程と一致する部分と一致しない部分とに分類し、前記標準加工工程と一致しない部分に含まれる加工内容を製造コストアップ要因として抽出する非標準加工内容抽出ステップを具備し、
前記非標準加工内容抽出ステップにおいて、
前記加工工程のうち前記標準加工工程に設定されている加工内容および設備の能力を超えない部分を前記加工工程のうち前記標準加工工程と一致する部分であると分類し、前記加工工程のうち前記標準加工工程に設定されている加工内容および設備の能力のうち少なくとも一方を超える部分を前記加工工程のうち前記標準加工工程と一致しない部分であると分類する、
ことを特徴とする加工工程評価方法。 - 前記製造コストアップ要因抽出ステップは、
予め作成されて加工工具データベースに記憶された加工工具を用いて前記加工工程に含まれる加工内容が達成できない場合に、当該加工内容を製造コストアップ要因として抽出する新規加工工具抽出ステップを具備することを特徴とする請求項5に記載の加工工程評価方法。 - 前記製造コストアップ要因抽出ステップは、
多軸加工装置により同時に加工を施すことができない加工内容を製造コストアップ要因として抽出する多軸不可加工抽出ステップを具備することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の加工工程評価方法。 - 前記製造コストアップ要因抽出ステップは、
前記加工工程に含まれる加工内容と予め作成された加工内容のリファレンスとを比較し、前記加工内容のうち所定の判定基準を満たさないものを製造コストアップ要因として抽出する加工不具合抽出ステップを具備することを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか一項に記載の加工工程評価方法。
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