JP4759953B2 - 冷却水供給システム - Google Patents

Description

本発明は冷却水供給システムに関し、特に、非自給式ポンプを使用して機器冷却水を供給する冷却水供給システムの改良に関する。

冷却を要する機器に冷却水を供給する場合、通常は、ポンプの故障や保守を考慮して複数（多くは２台）のポンプを並列に設け、運転ポンプの故障時等には即座に待機ポンプに切り替えて冷却水の供給が途絶えないようにしている。なお、特許文献１には、付設した真空ポンプによって呼び水を吸引するようにした渦巻きポンプが示されている。
実開平５−９９６

ところで、冷却水の受水槽はスペースの有効利用等の観点より、地中等のポンプ設置位置より低い位置に設けられることが多い。このため、非自給式ポンプでは、待機ポンプを始動する際にこれに人手で呼び水を給水する必要があって、迅速な切り替え運転ができないという問題があった。そこで、受水槽に開口する非自給式ポンプの吸引管の先端にフート弁を設けて、待機中にもポンプ内から水が失われないようにして始動時の呼び水給水を不要とすることも行われているが、待機時間が長くなるとフート弁の漏れによってポンプ内の水が失なわれてしまうおそれがある。自給式ポンプを使用すれば以上の問題は解決されるが、この場合は一般に、ポンプが大型化し、設備コストやランニングコストが高くなるという問題を生じる。

そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、非自給式ポンプを使用して安価かつ簡易な構成で、運転ポンプから運転停止中の待機ポンプへの運転切り替えを迅速に行うことができる冷却水供給システムを提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明では、複数の非自給式ポンプ（１Ａ，１Ｂ）を設けてこれらを冷却水供給路（２）へ互いに並列に接続し、運転中の非自給式ポンプ（１Ａ）から冷却水供給路（２）へ送出された冷却水の一部を、非自給式ポンプよりも高い位置に設けた呼水タンク（８）へ供給する第１供給路（８１）と、呼水タンク（８）に貯留された呼水を運転停止中の非自給式ポンプ（１Ｂ）に供給する第２供給路（８５）とを設け、かつ運転停止中の非自給式ポンプ（１Ｂ）の冷却水吸引路（６２）中の水を受水槽（５）へバイパスするバイパス路（６５）を設けるとともに、温度検出手段（７１，７２）を設けてその検出温度が所定値より低下したときに、バイパス路（６５）に設けた開閉弁（３６）を開くようにする。

本発明においては、運転中の非自給式ポンプから吐出された冷却水の一部は第１供給路によって呼水タンクへ送られてここに貯留される。そして、高い位置にある呼水タンクから、第２供給路を経て運転停止中の非自給式ポンプに呼水が供給される。これにより、運転停止状態の非自給式ポンプを、運転中の非自給式ポンプに代えて迅速に始動させることができる。また、冬季等に温度検出手段の検出温度が、水が凍結する所定温度よりも低下すると、運転停止中の非自給式ポンプのバイパス路の開閉弁が開放されてバイパス路によって冷却水吸引路中の水が受水槽へバイパスされる。これにより、呼水タンクから運転停止中の非自給式ポンプを経て冷却水吸引路、受水槽へと水が流れてその凍結が防止される。

なお、上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。

以上のように、本発明の冷却水供給システムによれば、非自給式ポンプを使用して安価かつ簡易な構成で、運転ポンプから待機ポンプへの運転切り替えを迅速に行うことができる。

図１には冷却水供給システムの配管系統図を示す。図１において、非自給式のポンプ１Ａ，１Ｂが２台設けられ、これらの吐出ポート１１はそれぞれ、図１の矢印方向にのみ通水する逆止弁３１，３２を設けた供給支管２１，２２を経て冷却水供給管２に連通している。冷却水供給管２は、冷却を要する例えば溶融炉の炉蓋等の機器４に至っている。機器４内を循環した冷却水は返送管４１を通って冷却水受水槽５へ戻される。各ポンプ１Ａ，１Ｂの吸引ポート１２はそれぞれ、手動開閉弁３３，３４を設けた吸引管６１，６２を経て、これらポンプ１Ａ，１Ｂよりも低い位置に設けられた冷却水受水槽５に連通している。各吸引管６１，６２の先端（下端）にはフート弁６３が装着されている。各吸引管６１，６２からは冷却水受水槽５に近い位置でバイパス管６４．６５が分岐して冷却水受水槽５へ至っている。各バイパス管６４，６５には開閉弁３５，３６が設けてあり、これら開閉弁３５，３６は温度計７の出力信号で開閉されるようになっている。温度計７には、各吸引管６１，６２に設けた温度検出素子７１，７２からの検出信号が入力している。

冷却水供給管２からは図１の矢印方向にのみ通水する逆止弁８２を設けた供給管８１が分岐し、供給管８１はフロート８４を付設した水位調節弁８３を経て、ポンプ１Ａ，１Ｂよりも高い位置に設けた呼水タンク８に接続されている。呼水タンク８からは供給管８５が延出し、これは、図１の矢印方向にのみ通水する逆止弁８８，８９を設けた供給支管８６，８７に分岐して、それぞれ上記供給支管２１，２２の、逆止弁３１，３２の上流側に接続されている。なお、呼水タンク８には工業用水等が補給水として供給される。

このような構成の冷却水供給システムにおいて、ポンプ１Ａを運転し、ポンプ１Ｂは運転停止の待機中であるとする。ポンプ１Ａから吐出された冷却水は供給枝管２１から冷却水供給管２を経て機器に送給される一方、その一部は供給管８１を経て呼水タンク８へ送られてここに貯留される。そして、高い位置にある呼水タンク８から、供給管８５と供給枝管８７を経てフート弁６３から漏れた分だけポンプ１Ｂに呼水が供給される。これにより、ポンプ１Ｂが比較的長い待機状態にあった後も、呼水をポンプ１Ｂに人手で供給することなく、ポンプ１Ａの故障時等にはこれに代えてポンプ１Ｂを迅速に始動させることができる。

冬季等に待機中のポンプ１Ｂの吸引管６２の温度が水凍結温度近くまで下ると、温度検出素子７２の検出信号を受けた温度計７によって開閉弁３６が開放される。これにより、呼水タンク８から供給枝管８７，２２、ポンプ１Ｂを経て吸引管６２、バイパス管６５へと呼水が流れて、待機ポンプ１Ｂの供給枝管２２や吸引管６２内で水が凍結するのが防止される。

なお、上記実施形態において、温度検出素子７１，７２は必ずしも各吸引管６１，６２に設けられる必要はなく、検出素子を１個だけ設けて、水凍結のおそれがある雰囲気温度を検出するようにしても良い。また、供給枝管８６，８７の接続位置は、水凍結のおそれがある供給枝管２１，２２部分の最上流位置とする。

本発明の一実施形態を示す、冷却水供給システムの配管系統図である

符号の説明

１Ａ，１Ｂ...非自給式ポンプ、２...冷却水供給管、３５，３６...開閉弁、６１，６２...冷却水吸引管、６５...バイパス管、７...温度計、７１，７２...温度検出センサ、８...呼水タンク、８１，８５...供給管。

Claims (1)

1. 複数の非自給式ポンプを設けてこれらを冷却水供給路へ互いに並列に接続し、運転中の前記非自給式ポンプから前記冷却水供給路へ送出された冷却水の一部を、前記非自給式ポンプよりも高い位置に設けた呼水タンクへ供給する第１供給路と、呼水タンクに貯留された呼水を運転停止中の前記非自給式ポンプに供給する第２供給路とを設け、かつ運転停止中の前記非自給式ポンプの冷却水吸引路中の水を受水槽へバイパスするバイパス路を設けるとともに、温度検出手段を設けてその検出温度が所定値より低下したときに、前記バイパス路に設けた開閉弁を開くようにした冷却水供給システム。

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