JP4758900B2 - 耐熱性l−ラムノースイソメラーゼ遺伝子配列とその用途 - Google Patents

耐熱性l−ラムノースイソメラーゼ遺伝子配列とその用途 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、Bacillus stearothermophilusの生産する耐熱性L-ラムノースイソメラーゼをコードする遺伝子配列を明らかにしたものである。
L-ラムノースイソメラーゼは各種の微生物から単離され、それをコードする遺伝子の配列も報告されている。本発明は、土壌より分離したバクテリア(Bacillus pallidus)のる耐熱性L-ラムノースイソメラーゼをコードする遺伝子配列を決定したところ、これまで報告されている遺伝子配列との相同性のないもので、遺伝子的にも、蛋白質的に新規なものであることが明らかとなったものである。
この配列を利用することで、遺伝子操作を利用した希少糖に生産や各種遺伝子工学的手法を用いた用途に利用できるものである。
また、本発明は、耐熱性L-ラムノースイソメラーゼ、ならびに、D-アロースなどの希少糖の製法への利用に関する。
【背景技術】
【0002】
Pseudomonas stutzeri LL172の生産するL-ラムノースイソメラーゼは、非特許文献1で発表された以下の物理化学的性質を有する公知酵素である。
(イ)作用
L-ラムノースからL-ラムニュロースへの異性化反応ならびにL-ラムニュロースからL-ラムノースへの異性化を触媒する酵素である。D-アロースとD-プシコースの間の異性化にも作用することが既知であり(非特許文献1)、D-プシコースからD-アロースを生産することができる酵素である。異性化酵素はもっとも高い活性を示す基質および酵素を誘導する単糖を元に命名されるため、L-ラムノースイソメラーゼと同一で命名された酵素は、大腸菌および枯草菌から単離され、それをコードする遺伝子の配列が報告されている。
(ロ)基質特異性
L-ラムノースおよびL-ラムニュロースを基質とする。のみならず、L-リキソースおよびL-キシルロース、L-マンノースおよびL-フラクトース、D-リボースおよびD-リブロース、D-アロースおよびD-プシコースを基質とする。
(ハ)作用pHおよび至適pH
作用pHは7.0〜10.0であり、至適pHは9.0である。
(ニ)pH安定性
種々のpHで4℃、1時間保持した場合、pH6.0〜11.0の範囲で安定である。
(ホ)作用温度および至適温度
作用温度は40〜65℃であり、反応時間10分間の場合の最高活性を示す温度は60℃である。
(ヘ)温度安定性
40℃、10分では安定しており、50℃、10分でも90%以上残存している。
(ト)キレート剤の影響
キレート剤であるEDTA、EGTAを活性測定時に共存させても、ほとんど活性は阻害されない。
(チ)金属イオンの影響
1mMのコバルトイオンにより約30%阻害される。
(リ)SDS−PAGE法による分子量
約43,000である。
【0003】
本発明者らは Pseudomonas stutzeri の生産するL-ラムノースイソメラーゼをコードする遺伝子配列を明らかにし(配列番号3)、別途特許出願をした(特許文献1)。当時、L-ラムノースイソメラーゼは各種の微生物から単離され、それをコードする遺伝子の配列も報告されていたが、これらの起源由来のL-ラムノースイソメラーゼがD-プシコースに反応してD-アロースを作るという報告はなかった。
本発明者らは、土壌より分離したバクテリア(Pseudomonas stutzeri LL172)のL-ラムノースイソメラーゼをコードする遺伝子配列を決定したところ、それまで報告されている遺伝子配列との相同性のないもので、遺伝子的にも、蛋白質的に新規なものであることが明らかとなった(図4〜図6参照)。この配列を利用することで、遺伝子操作を利用して酵素を大量生産しそれを用いる希少糖や、その他各種遺伝子工学的手法を用いた用途に利用できる。さらに、本発明者らは研究をすすめ、Pseudomonas stutzeriの生産するL-ラムノースイソメラーゼがこれまで見いだされていなかった新しい糖異性化反応を触媒する触媒機能をもつことを明らかにした。
【0004】
特許文献1に記載されたタンパク質は以下のとおりのものである。
(1) 配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、または
(2) 配列番号4に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつL-ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質、
(3) L-ラムノースイソメラーゼ活性は、以下の物理化学的性質によって特定されるものである。
(イ)作用
図7,図8,図9に太い黒線で示される異性化反応を触媒する。
(ロ)作用pHおよび至適pH
作用pHは7.0〜10.0であり、至適pHは9.0である。
(ハ)pH安定性
種々のpHで4℃、1時間保持した場合、pH6.0〜11.0の範囲で安定である。
(ニ)作用温度および至適温度
作用温度は40〜65℃であり、10分間反応の場合の最高活性を示す温度は60℃である。
(ホ)温度安定性
40℃、10分では安定しており、50℃、10分でも90%以上残存している。
(ヘ)キレート剤の影響
キレート剤であるEDTA、EGTAを活性測定時に共存させても、ほとんど活性は阻害されない。
(ト)金属イオンの影響
1mMのコバルトイオンにより約30%阻害される。
(チ)SDS−PAGE法による分子量
約43,000である。
【0005】
本発明者らによるD-プシコースのD-アロースへの変換に関する酵素反応法によるそれまでの製造法は、バイオリアクターを用いる場合にその反応の温度が重要である。すなわち、バイオリアクターの反応温度が低い場合は反応中に微生物の汚染が起こり、酵素活性の低下のみならず生産物の純度、収率をいちじるしく低下させる。そのために反応温度を上げての反応が工業的には重要な解決すべき課題である。また、バイオリアクターの温度を室温に保つことは、工業的に実施する場合に、冷却する必要が起こる。バイオリアクターを冷却することに使用するエネルギーは大きく、コストの上昇につながることになる。そのような観点から、反応温度を上昇することはD−アロースの生産にとって重要な課題となっている。
【0006】
【特許文献1】
WO2004/063369
【特許文献2】
特開2002−17392号公報
【非特許文献1】
「ジャーナル・オブ・ファーメンテーション・アンド・バイオエンジニアリング(Journal of Fermentation and Bioengineering)」第85巻、539乃至541頁(1998年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
バイオリアクターの運転温度を少しでも上昇させることで、微生物の汚染、冷却に用いるエネルギーの削減を実現することが大きな課題である。さらに、反応のpHも重要である。高濃度の反応を行うと一般に糖の転換時には、pHの低下が起こることが一般的である。その場合酵素が低いpHにさらされても失活しないで反応を続けることができるという条件を確立することも解決すべき課題といえる。
【0008】
Pseudomonas stutzeri 由来のL-ラムノースイソメラーゼはL-ラムノースとL-ラムニュロース間の異性化反応を触媒する酵素であるが、D-プシコースとD-アロース間の異性化反応も触媒することが既に分かっている。本発明では、D-プシコース、D-アロース間の反応効率がより高く、熱安定性にすぐれた新たな酵素を得ることを目的とする。
希少糖を大量に生産することは、本発明者らによる希少糖の研究にとって根幹である。本発明は、D-プシコースのD-アロースのへの変換に関する酵素反応法について反応温度を高めてD-プシコース、D-アロース間の反応効率をより高くすることである。
本発明の目的は、新規かつ有用な耐熱性L−ラムノースイソメラーゼ遺伝子の配列を提供し、遺伝子操作を利用した希少糖に生産や各種遺伝子工学的手法を用いた用途に利用できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
[0009] 従来唯一知られているD−プシコースからD−アロースを生産するに利用できるPseudomonas stutzeri由来のL−ラムノースイソメラーゼよりも、高温で反応可能な酵素を検索することが課題を解決する方法の一つとして考えられる。大腸菌の生産するL−ラムノースイソメラーゼは、Pseudomonas stutzeri由来のL−ラムノースイソメラーゼよりも高温での反応が可能であるが、本酵素はD−プシコースからD−アロースの生産活性を殆ど示さないので利用できない。
[0010] 我々は高温で生育する微生物を検索し、その中の一菌株(FERM BP−10407が生産するL−ラムノースイソメラーゼがPseudomonas stutzeri由来のL−ラムノースイソメラーゼと同様にD−プシコースからD−アロースへの反応を触媒する能力を有し、高温で反応する耐熱性酵素であることを見出し本発明を完成することができた。すなわち、本発明はBacillus stearothermophilus、後日Bacillus pallidusであることを明らかとした、の生産する耐熱性L−ラムノースイソメラーゼをコードする遺伝子配列を明らかにしたものである。土壌より分離したバクテリア(Bacillus pallidus)の耐熱性L−ラムノースイソメラーゼをコードする遺伝子配列を決定したところ、これまで報告されている遺伝子配列との相同性のないもので、遺伝子的にも、蛋白質的に新規なものであることが明らかとなったものである。
この配列を利用することで、遺伝子操作を利用した希少糖に生産や各種遺伝子工学的手法を用いた用途に利用できるものである。
[0011] L−ラムノースからL−ラムニュロースへの異性化反応ならびにL−ラムニュロースからL−ラムノースへの異性化反応を触媒するBacillus pallidus由来の耐熱性L−ラムノースイソメラーゼをコードするDNAと、該DNAを用いる組換えDNA技術によるポリペプチドの製造方法を提供することにより解決する。
【0013】
また、本発明は、以下の(1)のL-ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質を要旨としている。
Bacillus pallidus strain 14a(FERM AP-20172)由来の、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなる、以下の基質特異性および物理化学的性質によって特定されるL-ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質。
(イ)基質特異性
L-ラムノースに対する酵素活性を100%としたときの相対%は、L-リキソースで23.9%、L-マンノースで11%、D-アロースで5.5%である基質特異性を有する。
(ロ)作用
D-プシコースからD-アロースへの異性化反応を触媒する。
(ハ)作用pHおよび至適pH
作用pHは6から10、最も酵素活性の高いpH(至適pH)は6から9である。
(ニ)pH安定性
pHの酵素活性に対する影響は6から9まで安定である。
(ホ)至適温度および作用温度
最も酵素活性の高い温度(至適温度)は80℃であり、作用温度は30ないし80℃である。
(へ)温度安定性
温度の酵素活性に対する影響は1時間の熱処理条件の場合は50℃まで安定である。
(ト)金属イオンの影響
1mMのコバルトイオンにより約30%阻害される。
(チ)分子量
単量体分子量は約45,000であり、4つのサブユニットからなる分子量約180,000の4量体である。
【0018】
また、本発明は、以下の(および)のD−アロースの生産方法を要旨とする。
)上記(1)のL-ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質を触媒としてD-プシコースを含有する溶液に作用させて、D-プシコースをD-アロースに変換してD-アロースを製造するD−アロースの生産方法。
)35〜80℃で作用させる上記(2)のD−アロースの生産方法。
【0019】
L-ラムノースイソメラーゼを遺伝子工学的手法によって、大量に生産することが可能となり、本酵素を用いたD-アロースを含む各種の希少糖の大量生産法を確立できる。
本発明は、D-プシコース、D-アロース間の反応効率がより高く、熱安定性にすぐれた新たな酵素を提供することができる。
本発明は、D-プシコース等のD-アロースのへの変換に関する酵素反応法について反応温度を高めてD-プシコース、D-アロース間の反応効率をより高くすること、さらに酵素が比較的広いpHにおいて活性を有し、安定であることを利用することでこれまでのPseudomonas stutzeri 由来のL-ラムノースイソメラーゼを用いたD−アロースの生産よりも工業的な生産コストを下げるバイオリアクターを構築することが可能である。
Pseudomonas stutzeri 由来のL-ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質基質特異性で示したように、少なくとも(L-キシルロース→)L-リキソース、(L-フラクトース)、L-マンノース、(D-キシルロース→)D-リキソースの活性は確認している。これはそれぞれの希少糖を生産可能であるということを示している。どれも耐熱性の酵素での生産に関しては、まだ報告はない。
それ故、本発明は、Bacillus pallidus 由来のL-ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質のもつ、幅広い特異性をもつ異性化能を利用することを特徴とする各種希少糖の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
Bacillus pallidus strain 14aは、香川県の土壌中から分離された細菌である。科学的性質は、体温ないしは低温での生育能力がなく50℃以上の生育温度を最適温度とする好熱性であり生育に酸素を要求する好気性のグラム陽性有胞子細菌である。桿菌。分類学上の位置は、Bacillaceae科のBacillus stearothermophilusに分類される、後に遺伝子工学的手法によってBacillus pallidusに分類されることが明らかとなった。
菌学的性質は以下の通りであり、これらの性質が一般に記載されているBacillus pallidus に一致することから、同定した。
・グラム染色 陽性
・形態 桿菌
・運動性 有
・カタラーゼ生産 有
・7%NaCl中で生育 不可
・澱粉分解能力 有
・胞子を形成能 有
・ぶどう糖から
酸の生産 有
ガスの生産 無
・生育温度 最高温度65℃、最低温度35℃
・胞子の形成
3日後に楕円形胞子を生産する。
・コロニーの形(培養条件 使用培地:肉エキス
培養温度:55℃ 培養日数:1日)
直径:5mm、
色調:白色、
形:円形
隆起状態:扁平状
周縁:全縁
表面の形状:スムーズ
透明度:不透明
粘稠度:バター様
コロニー形態の多形性
変異によるコロニー形態の変化:無
培養条件や生理的状態によるコロニー形態の変化:無
Bacillus stearothermophilus後にBacillus pallidusに属することがあきらかとなった菌株(Bacillus stearothermophilus strain 14a、後に遺伝子工学的手法によってあきらかとしたBacillus pallidus strain 14a)は、日本国独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1−1−1 中央第6)に2004年8月19日に国内寄託している(FERM AP−20172)。当該国内寄託から2005年8月23日に、国際寄託として移管している(FERM BP−10407)。
[0021] 本発明でいう耐熱性L−ラムノースイソメラーゼは、Bacillus pallidus strain 14a(FERM BP−10407)由来の耐熱性L−ラムノースイソメラーゼであって、配列番号2に記載されるアミノ酸配列、又はそのアミノ酸配列の中の1個以上のアミノ酸が他のアミノ酸で置換され、欠失され、1個以上のアミノ酸が付加されてなるアミノ酸配列を有する。本発明でいう遺伝子(DNA)は、上記のL-ラムノースイソメラーゼをコードする塩基配列を有する。
【0022】
すなわち、本発明の対象となるタンパク質としては、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質(耐熱性L-ラムノースイソメラーゼ)や、該配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつL-ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質を挙げることができる。
【0023】
本発明の対象となるDNAとしては、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質や、配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつL-ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAや、配列番号1に示される塩基配列又はその相補的配列並びにこれらの配列の一部または全部を含むDNAや、かかるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつL-ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを好ましいものとして例示することができる。
【0024】
これらDNAは、そのDNA配列情報等に基づき、遺伝子ライブラリーなどから公知の方法により調製することができる。また、配列番号1に示される塩基配列又はその相補的配列並びにこれらの配列の一部又は全部をプローブとして、各種細胞由来のDNAライブラリーに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションを行ない、該プローブにハイブリダイズするDNAを単離することにより、L-ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを得ることもできる。かかるDNAを取得するためのハイブリダイゼーションの条件としては、例えば、42℃でのハイブリダイゼーション、及び1×SSC、0.1%のSDSを含む緩衝液による42℃での洗浄処理を挙げることができ、65℃でのハイブリダイゼーション、及び0.1×SSC,0.1%のSDSを含む緩衝液による65℃での洗浄処理をより好ましく挙げることができる。なお、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響を与える要素としては、上記温度条件以外に種々の要素があり、種々の要素を適宜組み合わせて、上記例示したハイブリダイゼーションのストリンジェンシーと同等のストリンジェンシーを実現することが可能である。
【0025】
本発明の融合タンパク質としては、上記本発明のタンパク質と翻訳コドンタンパク質とが結合しているものであればどのようなものでもよく、翻訳コドンタンパク質としては、従来知られている翻訳コドンタンパク質であれば特に制限されるものではない。かかる融合タンパク質は、常法により作製することができ、当該分野の研究用試薬としても有用である。
【0026】
本発明はまた、上記本発明のタンパク質を発現することができる発現系を含んでなる宿主細胞に関する。かかる本発明のタンパク質をコードする遺伝子の宿主細胞への導入は、Davisら(BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY, 1986)及びSambrookら(MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 2nd Ed., Cold SpringHarbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989)などの多くの標準的な実験室マニュアルに記載される方法により行うことができる。そして、宿主細胞としては、大腸菌、ストレプトミセス、枯草菌、ストレプトコッカス、スタフィロコッカス等の細菌原核細胞等を挙げることができる。
【0027】
また、発現系としては、上記本発明のタンパク質を宿主細胞内で発現させることができる発現系であればどのようなものでもよく、染色体、エピソーム及びウイルスに由来する発現系、例えば、細菌プラスミド由来、酵母プラスミド由来、SV40のようなパポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、レトロウイルス由来のベクター、バクテリオファージ由来、トランスポゾン由来及びこれらの組合せに由来するベクター、例えば、コスミドやファージミドのようなプラスミドとバクテリオファージの遺伝的要素に由来するものを挙げることができる。この発現系は発現を起こさせるだけでなく発現を調節する制御配列を含んでいてもよい。
【0028】
上記発現系を含んでなる宿主細胞を培養して得られる本発明のタンパク質は、D-アロースの生産に用いることができる。また、かかる本発明のタンパク質を細胞培養物から回収し精製するには、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含めた公知の方法、好ましくは、高速液体クロマトグラフィーが用いられる。
【0029】
Bacillus pallidus strain 14a由来のL-ラムノースイソメラーゼの製造について説明する。
酵母エキス培地(pH7.0)にBacillus pallidus strain 14aを接種し、55℃2日間しんとう好気培養を行う。
ついで、アルミナ磨砕法で培棒を破砕しトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で粗酵素を抽出する。
酵素の精製はステップ1〜4からなる。
ステップ1:15%ポリエチレングリコール#6000で沈殿する蛋白質を除去し上清に目的の酵素を得る。
ステップ2:あらかじめ酵素液と同じトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で平衡化させたQ−Sepharose HP 16/20陰イオン交換カラムを用いて塩化ナトリウム濃度の勾配を用いて分離し、目的の酵素の存在する画分を得る。
ステップ3:あらかじめ2M硫酸アンモニウムを含むトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で平衡化させたPhenyl−Sepharose HP 16/20疎水カラムを用いて硫酸アンモニウムの勾配を用いて分離し、目的の酵素の存在する画分を得る。
ステップ4:脱塩後、あらかじめ20mMトリス−塩酸緩衝液(pH75)で平衡化させたMonoQ陰イオン交換カラムを用いて塩化ナトリウム濃度の勾配を用いて分離し、目的の酵素の存在する画分を得る。
以上の精製により、約6倍に酵素が精製され約12%の収率で精製標品を得ることができる。
[0030] Bacillus pallidus strain 14a(IPOD FERM BP−10407)由来のL−ラムノース活性を有するタンパク質と対比すべきPseudomonas stutzeri LL172(IPOD FERM BP−08593)の生産するL−ラムノースイソメラーゼについて説明する。
Pseudomonas stutzeriに属する菌株「Pseudomonas stutzeri LL172」は、上記文献に記載された公知菌であり、香川大学希少糖研究センター 何森健研究室に保存されている。本菌株は日本国独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1−1−1 中央第6)に2004年1月6日に国際寄託している(IPOD FERM BP−08593)。なお、本菌株はLL172aとも表示することがあるが、LL172とLL172aは同一菌株である。 L-ラムノースイソメラーゼは、L-ラムノースからL-ラムニュロースへの異性化反応ならびにL-ラムニュロースからL-ラムノースへの異性化を触媒する酵素である。Pseudomonas stutzeri LL172の生産するL-ラムノースイソメラーゼは、D-アロースとD-プシコースの間の異性化にも作用するので、D-プシコースからD-アロースを生産することができる酵素である。ただし、D-プシコースからD-アロースを生産するためには、Pseudomonas stutzeri LL172(IPOD FERM BP-08593)由来の酵素が必要である。Pseudomonas stutzeri LL172由来のL-ラムノースイソメラーゼをコードする遺伝子配列は、これまで報告されているL-ラムノースイソメラーゼの遺伝子配列との相同性のないもので、遺伝子的にも、蛋白質的に新規なものであることが明らかとなったものである。
【0031】
Pseudomonas stutzeri LL172(FERM BP-08593)由来のL-ラムノースイソメラーゼは、配列番号4に記載されるアミノ酸配列(図4参照)、またはそのアミノ酸配列の中の1個以上のアミノ酸が他のアミノ酸で置換され、欠失され、1個以上のアミノ酸が付加されてなるアミノ酸配列を有する。
また、上記L-ラムノースイソメラーゼ活性としては、好ましくはL-ラムノースからL-ラムニュロースへの異性化反応ならびにL-ラムニュロースからL-ラムノースへの異性化を触媒する酵素活性を挙げることができる。また、D-アロースとD-プシコースの間の異性化を触媒する酵素活性を挙げることができる。D-アロースをD-プシコースから生産できる活性は、Pseudomonas stutzeri LL172由来のL-ラムノースイソメラーゼ以外には報告されていない。
【0032】
D-アロースは、希少糖研究の中で特に各種生理活性を有することが判明してきた希少糖である(図7参照)。希少糖とは、自然界に微量にしか存在しない単糖および糖アルコールと定義づけることができる。自然界に多量に存在する単糖は、D-グルコース、D-フラクトース、D-ガラクトース、D-マンノース、D-リボース、D-キシロース、L-アラビノースの7種類あり、それ以外の単糖は全て希少糖である(図7から図9参照)。また糖アルコールは単糖を還元してできるが、自然界にはD-ソルビトールが比較的多いがそれ以外のものは量的には少ないので、これらも希少糖と考えられる。本発明で分離回収の対象となるD-アロース(D-アロヘキソース)は、アルドース(アルドヘキソース)に分類されるアロースのD体であり、融点が178℃の六炭糖(C6H12O6)である。
[0033] このD−アロースの製法としては、D−アロン酸ラクトンをナトリウムアマルガムで還元する方法による製法や、また、シェイクワット・ホセイン・プイヤン等による「ジャーナル・オブ・ファンメンテーション・アンド・バイオエンジニアリング」第85巻、539ないし541頁(1993年)において記載されている、L−ラムノース・イソメラーゼを用いてD−プシコースから合成する製法がある。さらに近年では、特開2002−17392号公報に記載されている。D−プシコースを含有する溶液にD−キシロース・イソメラーゼを作用させて、D−プシコースからD−アロースを生成する製法が発明されている。前記特開2002−17392号公報に記載されている製法によれば、D−アロースを生成する場合には、未反応のD−プシコースと共に、新たに生成したD−アロースを含有している酵素反応液として得られる。
本発明では、基質を含む溶液を原料にして、Bacillus pallidus strain 14a(IPOD FERM BP−10407)由来のL−ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質を用いる酵素反応で、60℃〜80℃で反応させて、効率よくD−アロースを含む溶液としてD−アロースを得ることができる。更にこのD−アロースを含む溶液から、D−アロースを分離回収することができ、また上記の反応は連続的に製造することができる。
[0034] D−アロースに変換可能な基質を酵素反応でD−アロースに変換する際に用いる酵素は、本発明ではD−プシコースからD−アロースを生産することができる酵素として上記のBacillus pallidus strain 14a(IPOD FERM BP−10407)由来のL−ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質「L−ラムノースイソメラーゼ」を用いる。
通常、得られた培養菌体からL−ラムノースイソメラーゼを抽出し、そのままで反応に用いることができるが、好ましくは固定化した形態で用いる。固定化の対象とするL−ラムノースイソメラーゼそのものは、使用目的に応じて、必ずしも高純度に精製されたものでなくてもよく、粗酵素であっても用いることができる。粗酵素の具体的例としては、上記のL−ラムノースイソメラーゼ産生能を有する微生物自体を、また、その培養物や部分精製した培養物を用いることができる。
[0035] 分離回収の原理について簡単に説明する、D−プシコース、D−アロースはともに水に易溶性である。D−プシコースはメタノール、エタノールに対して10%程度溶解性があるがD−アロースはいずれのアルコールにも難溶性である。温度の影響もある。両アルコールに対するD-プシコースの溶解度は高い温度で上がる。また、高いアルコール濃度ではD-アロースは結晶化しやすい。以上の物性を応用した分離手法である。アルコール(エタノールおよび/またはエタノール)を作用させて、アルコール(エタノールおよび/またはエタノール)に難溶性のD-アロースを結晶化させてD-アロースの結晶を分離する高純度D-アロースの製造方法である。
アルコール(エタノールおよび/またはエタノール)を作用させるに際し、酵素反応液に含まれるグリシン緩衝液(pH9.0)と1mM MnCl2を除かない場合も同様の結果が得られる。
【0036】
連続法について、簡単に説明する。
50%エタノール溶液中でも安定な固定化酵素を用いる。固定化酵素は、例えばL-ラムノースイソメラーゼを共有結合法によって固定化したものを用いる。これは、酵素を菌体から抽出したものを用いる場合は沈殿させた後に、菌体そのものを用いる場合はそのまま、グルタルアルデヒドにより架橋する。これは共有結合が起こり架橋されるもので、これにリジンを添加することでさらに強度が増すこととなる。この固定化法によって、これまで1週間ほどの安定性であったものが数ヶ月の安定性を持つ固定化酵素を得ることができる。L-ラムノースイソメラーゼを共有結合法によって固定化した固定化酵素および/または固定化微生物を使用するバイオリアクターに通液し50%エタノール溶液中でも安定な固定化酵素を用いたバイオリアクターを構築することができる。50%エタノール溶液中でも安定な固定化酵素を用いたバイオリアクターを用いて、50%エタノールを含むD-プシコース溶液を通液することで、反応時は42℃、結晶化時は4℃と温度をコントロールすることによりD-アロースの結晶を連続的に製造する。結晶化後のろ液をエタノール除去、濃縮することなしにバイオリアクターに再添加する。
D-プシコースとD-アロースの混合溶液に、エタノールを添加することでD-アロースのみを分離することができる画期的な方法である。しかも酵素反応に用いる緩衝液を除く必要もなく、分離過程を大幅に省力化し、効率化できるという非常に大きなメリットがある。50%D-プシコースを原料にして酵素反応でD-アロースを生産した場合、生産物は、35%D-プシコースと15%D-アロースの混合溶液として得られる。酵素反応産物から迅速にD-プシコースとD-アロースを分離し高純度のD-アロースを得ることが可能である。D-アロース生産における最も大きな障害を取り除くことが可能となった。
【0037】
D-プシコース等のD-アロースのへの変換に関する酵素反応法による本発明者らによるこれまでの製造法は、D-アロースの分離回収に関して完全に満足できるものではなく、従って工業的製造をするには未だ不経済な作業を必要としている。これまでD-アロースの生産はD-プシコースからL-ラムノースイソメラーゼを用いて、D-プシコースとD-アロースの混合した反応液から、緩衝液を除く操作の後に、擬似移動層クロマトグラフィーを用いて分離する方法によって行われてきた。D-プシコースは分離カラム中での挙動が幅広いブロードなピークとなるため分離する際に多量の水を要するため、濃縮を多量の水を蒸発させるという全体として非常にコストが高く一番エネルギーを消費する過程である。また酵素反応溶液から緩衝液などの分離工程も煩雑であり、脱イオン反応はエネルギーを要する操作である。この過程を改善すべく、本発明者らは、最もエネルギーの必要な過程をいかに効率よく行うかを検討するという、希少糖生産に最も重要な課題を解決する研究開発の中で生まれた。この発明の特徴は、濃縮という過程をほとんど経ないこと、および酵素反応における緩衝液を除く操作も必要でないということ、操作全体が非常に簡便であると言う大きな利点がある。
【0038】
バイオリアクターを用いた酵素反応の生産物を直接エタノール溶液に滴下することにより、D-アロースの結晶を得ることが可能であり、一定時間ごとにエタノール溶液を入れ換えるシステムにより、D-プシコースを通液する段階からD-アロースの結晶を得る段階までの全自動化が可能である。さらに、50%アルコール溶液中でも安定な固定化酵素を用いたバイオリアクタを構築できれば、50%エタノールを含むD-プシコース溶液を通液することで、反応時は42℃、結晶化時は4℃と温度をコントロールだけでD-アロースの結晶を連続的に得ることができるとともに、結晶化後のろ液をアルコール除去、濃縮することなしにバイオリアクターに再添加できるようになる。
D-プシコースからD-アロースへの反応を行った後、適当な温度に冷却することでD-アロースのみが析出する。上清のエタノールを含む緩衝液中に存在するD-プシコースを再び反応に用いることができる。この時に新たに原料となるD-プシコースを添加することで連続的にD-アロースが生産可能である。
【0039】
本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0040】
〈酵素の調製〉
<方法および結果>
微生物の培養条件
酵母エキス培地(pH7.0):(0.5%酵母エキス、0.5%ペプトン、0.5%NaCl、3%L-グルタミン酸ナトリウム、0.5%L-ラムノース)にBacillus stearothermophilus strain 14a(= Bacillus pallidus strain 14a )を接種し、55℃2日間しんとう好気培養を行った。
粗酵素の抽出
微生物からの酵素の抽出は、アルミナ磨砕法によって行った。すなわち、乳鉢中でアルミナと菌体7.59gを混合し30分間乳棒で破砕し20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で酵素を抽出し粗酵素50mlを得た。
酵素の精製
ステップ1
粉状に粉砕した15%ポリエチレングリコール#6000を粗酵素液に徐々に添加することで沈殿する蛋白質を除去した。上清に目的の酵素の大部分が存在し、それを次の精製に用いた。
ステップ2
あらかじめ酵素液と同じ20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で平衡化させたQ-Sepharose HP 16/20陰イオン交換カラムを用いて塩化ナトリウム濃度の勾配法を用いて分離し、目的の酵素の存在する画分を集めた。
ステップ3
あらかじめ2M硫酸アンモニウムを含む20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で平衡化させたPhenyl-Sepharose HP 16/20疎水カラムを用いて硫酸アンモニウムの勾配を用いて溶出分離し、目的の酵素の存在する画分を集めた。
ステップ4
脱塩後、あらかじめ20mMトリス−塩酸緩衝液(pH75)で平衡化させたMonoQ陰イオン交換カラムを用いて塩化ナトリウム濃度の勾配を用いて分離し、目的の酵素の存在する画分を得た。
以上の精製により、表1に示すとおり、約6倍に酵素が精製され約12%の収率で精製標品を得ることができる。
【0041】
<酵素活性の測定法>
反応液組成は、酵素液50μl、0.05M L−ラムノース50μl、0.01M塩化マンガン50μl,0.05M グリシン-NaOH緩衝液(pH 9.0)を用いた。反応温度は50℃で10分間行った。生産されたL−ラムニュロースをシステイン・カルバゾール法で測定し、一分間に1μmoleのL−ラムニュロースを生産する酵素量を1単位(U)とした。
【表1】
【実施例2】
【0042】
目的:Pseudomonas stutzeri 由来のL-ラムノースイソメラーゼはL-ラムノースとL-ラムニュロース間の異性化反応を触媒する酵素であるが、D-プシコースとD-アロース間の異性化反応も触媒することが既に分かっている。本研究では、よりD-プシコース、D-アロース間の反応効率が高く、熱安定性にすぐれた新たな酵素を得ることを目的としてBacillus pallidus 由来のL-ラムノースイソメラーゼの諸性質を検討した。
(1)分子量
単量体分子量は約45,000であり、4つのサブユニットからなる分子量約180,000の4量体である。
分子量の決定方法:酵素の分子量は、高速液体クロマトグラフィーを用いた分子量の検定を行った。測定条件は機器として、アマシャム社製AKTAシステム、カラムにSuperdex200pg16/60を用い、流速1ml/min、溶媒0.3M塩化ナトリウム水溶液を用いた。標凖の分離量マーカーとして、牛由来カタラーゼ(分子量240000)、兎由来アルドラーゼ(分子量160000)、牛血清アルブミン(分子量67000)および卵由来アルブミン(分子量45000)を標準物質として用い、溶出位置から分子量を約180,000であることが判明した。
サブユニットである単量体の分子量はSDS−PAGEのバンドの位置と標準物質の移動度から分子量を測定し、約45,000であった。
この結果をもとに本酵素は、サブユニットの分子量が約45,000であり、4つのサブユニットからなる分子量約180,000であることが明らかとなった。
[0043](2)酵素学的諸性質
測定方法、示されている技術的な結果についての評価などを説明する。
Bacillus pallidusのL−ラムノースイソメラーゼの至適pHについて実験した。結果を図1Aに示した。精製した酵素をもちいてそれぞれのpHにおいてL−ラムノースを基質として50℃反応を行い、最も高い活性を示すpH6を100%とする相対活性を各pHでの活性を示した。最も高い活性を示すpHは、燐酸緩衝液pH6であった。活性はpH6からpH9まで広い範囲で活性を示した。
stutzeriのL−ラムノースイソメラーゼの至適pHについて実験した。結果を図1Bに示した。図1Aと同様の酵素反応条件で各pHで反応をし、最も高い活性を示したグリシン−NaOH緩衝液pH9の時の活性を100%とする相対活性でしめした。最も高い活性を示すpHはグリシン−NaOH緩衝液pH9であった。活性はpH7からpH9付近に至適pHが存在した。
[0044] Bacillus pallidusのL−ラムノースイソメラーゼの安定pHについて検討した。結果を図2Aに示している。精製酵素を各pHに4℃で1時間保ち、残存活性を測定した。pH7での残存活性を100%とする相対活性で示した。この結果が示すように、本酵素はpH6からpH9までの広い範囲で安定であった。
[0045] stutzeriのL−ラムノースイソメラーゼの安定pHについて実験した。結果を図2Bに示した。実験条件は図2Aと同様である。本酵素の安定pHは、7か9に存在することが明らかである。
[0046](3)Bacillus pallidus strain 14a(IPOD FERM BP−10407)由来のL−ラムノース活性を有するタンパク質「L−ラムノースイソメラーゼ」とPseudomonas stutzeri LL172(IPOD FERM BP−08593)の生産するL−ラムノースイソメラーゼとを対比する。
基質特異性(相対活性%)の測定方法について説明する。
反応液組成は、精製酵素液50μl、0.05M各基質糖50μl、0.01M塩化マンガン50μl,0.05Mグリシン−NaOH緩衝液(pH9.0)を用いた。反応温度は50℃で10分間行った。生産されたそれぞれの基質に対応するケトースをシステイン・カルバゾール法で測定した。各基質において一分間に1μmoleのケトースを生産する活性を測定した。
表2に示すとおり、L−ラムノースに対する酵素活性を100%としたときの相対活性%は、L−リキソースで23.9%(上記LL172は43.9%)、L−マンノースで11%(上記LL172は33.4%)、D−アロースで5.5%(上記LL172は7.2%)とほぼ同じ基質特異性を有する。
以上の通りであり、Bacillus pallidus strain 14a(IPOD FERM BP−10407)由来のL−ラムノース活性を有するタンパク質「L−ラムノースイソメラーゼ」は、少なくとも(L−キシルロース→)L−リキソース、(L−フラクトース)、L−マンノース、(D−キシルロース→)D−リキソースの活性は確認している。これはそれぞれの希少糖を生産可能であるということを示している。どれも耐熱性の酵素での生産に関しては、まだ報告はない。
それ故、本発明は、Pseudomonas stutzeri由来のL−ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質のもつ、幅広い特異性をもつ異性化能を利用することを特徴とする各種希少糖の製造方法を提供することができる。
【表2】
[0047] (a)最も酵素活性の高い温度(最適温度)は反応時間10分間において80℃であり、上記LL172の60℃と比較して20℃高く、温度の酵素活性に対する影響は1時間の熱処理条件の場合は50℃まで安定、LL172の酵素の40℃と比較してやはり10℃高い。
(b)最も酵素活性の高いpH(最適pH)は6から9であり、上記LL172の8から9と比較して酸性域においても活性が高いという特徴を有している。pHの酵素活性に対する影響は6から9まで安定であり、LL172の酵素の7から9と比較して酸性域においても安定であるという特徴を有している。
【実施例3】
[0048] Bacillus pallidus strain 14a(IPOD FERM BP−10407)の生産するL−ラムノースイソメラーゼを用いるD−アロースの製造
D−プシコースからD−アロースの生産は、Bacillus pallidus strain 14a(IPOD FERM BP−10407)の生産するL−ラムノースイソメラーゼの生産するL−ラムノースイソメラーゼをグルタルアルデヒドを用いた架橋法で固定化酵素を作成したのち、約20000単位の固定化酵素を100mlの50%D−プシコース溶液(1mM MnClを含むグリシン緩衝液pH9に溶解したもの)へ添加して60℃で反応させ酵素反応液を得る。この反応液は終濃度35%のD−プシコースと15%のD−アロースを含有する。
このように、50%D−プシコースを原料にして酵素反応でD−アロースを生産した場合、生産物は、35%D−プシコースと15%D−アロースの混合溶液として得られる。
この酵素反応産物から迅速にD−プシコースとD−アロースを分離し高純度のD−アロースを得る。
[0049] 分離作業例
(1)あらかじめ高純度の99%エタノールを十分冷却しておく。糖濃度は50%以上が必要であるのでD−プシコースからD−アロースを生産するバイオリアクターを確認しておく。
(2)バイオリアクターの出口に、1Lのビーカーを置き、あらかじめ冷99%エタノール500mlを添加して氷中で撹拌しておく。
(3)バイオリアクターで生産される産物の溶液を直接冷エタノール中に滴下し、十分に撹拌することにより沈殿が生じる。
(4)エタノールの終濃度が60%以下になると沈殿は溶解するので、結晶化を促進するためにD−アロースの種結晶を一粒冷エタノールに加える。終濃度が50%を下回らない条件で、新しいエタノール溶液に取り換える。
(5)作業の終わったエタノールと糖液の混合溶液は4℃で一晩置く。生じた糖の結晶を3G1ガラスフィルターでろ集し、99%エタノールで数回洗浄後、減圧乾燥してエタノールを完全除く。
(6)得られた糖の結晶の純度はHPLCで分析し99%以上のD-アロースの結晶が得られる。ろ過したろ液にはD-プシコースが含まれるのでエタノールを除去、濃縮後バイオリアクターに再利用する。
D-アロースの分離と同時に脱塩、脱イオン、そして濃縮、結晶化が行え、従来、すべて別々の工程で行っていた分離方法をワンステップに統合処理できる。したがって、短時間に大量の処理が可能である。
希少糖D-アロースの生産法としての用途が大きい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
遺伝子配列は明確になったことで、この遺伝子配列を利用した分子生物学的手法による各種の実験が可能となる。
例えば、この遺伝子を大腸菌に形質転換し、大量に生産することが可能である。その他この遺伝子にさらに何か新たな遺伝子を結合させるなどして、新しい性質を持つ酵素を生産することが可能となる。
【0051】
単糖を展開して新しい素材を生産するには、一般にバイオリアクターを用いて生産することが最も有利である。例えば甘味度の高いD-フラクトースを甘味度の低いD-グルコースから異性化反応で生産する場合は、D-キシロースイソメラーゼを固定化してバイオリアクターを構築して用いている。この工業的な生産においても耐熱性D-キシロースを利用することで、安定なバイオリアクターを構築することが可能となり利用されている。
今回得た耐熱性のL-ラムノースイソメラーゼは、従来報告されているL-ラムノースイソメラーゼよりも約20℃至適温度が高い耐熱性を有する酵素であった。しかも大腸菌の生産するL-ラムノースイソメラーゼがD-アロースに活性を殆ど示さないのに対し、本発明によって得たBacillus pallidus strain 14aの生産するL-ラムノースイソメラーゼは、耐熱性を有するとともにD-アロースに活性を示すという極めて有利な性質を持っている。
この酵素を用いることでこれまで我々が発見して報告しているPseudomonas stutzeri LL172a を用いるD-アロース生産方法よりもさらに効率的にD-アロースその他の希少糖を生産可能になった。
本酵素は耐熱性に優れているばかりではなく、幅ひろいpHにおいて活性を示すこと、および幅ひろいpHにおいて酵素が安定である。このことはバイオリアクターでの希少糖の生産においてpHの変動にも対応することができることを示しており希少糖の工業生産上さらに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1A】B. steanthermophilusのL-ラムノースイソメラーゼの至適pH
【図1B】P. stutzeriのL-ラムノースイソメラーゼの至適pH
【図2A】B. steanthermophilusのL-ラムノースイソメラーゼの安定pH
【図2B】P. stutzeriのL-ラムノースイソメラーゼの安定pH
【図3A】B. steanthermophilus およびP. stutzeriのL-ラムノースイソメラーゼの至適反応温度
【図3B】B. steanthermophilus およびP. stutzeriのL-ラムノースイソメラーゼの温度安定性
【図4】Pseudomonas stutzeri LL172(FERM BP-08593) 由来のL-ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子(DNA)の塩基配列とアミノ酸配列を示す図面である。
【図5】Pseudomonas stutzeri LL172菌(FERM BP-08593)由来のL-ラムノースイソメラーゼと公知のBacillus subtilis由来のL-ラムノースイソメラーゼのアミノ酸配列を比較する図面である。
【図6】Pseudomonas stutzeri LL172 菌(FERM BP-08593)由来のL-ラムノースイソメラーゼと公知のStreptmyces coelicolorまたはThermotoga maritima由来の未同定の推定イソメラーゼの相同性を説明する図面である。
【図7】イズモリングを用いて示した、L−ラムノースイソメラーゼが触媒するヘキソースの異性化反応である。太い黒線が触媒することが確認された異性化反応である。太い点線が触媒反応が確認されなかった異性化反応である。
【図8】イズモリングを用いて示した、L−ラムノースイソメラーゼが触媒するペントースの異性化反応である。太い黒線が触媒することが確認された異性化反応である。全ての異性化反応が確認された。
【図9】イズモリングを用いて示した、L−ラムノースイソメラーゼが触媒するヘテトロースの異性化反応である。太い黒線が触媒することが確認された異性化反応である。全ての異性化反応が確認された。

Claims (3)

  1. Bacillus pallidus strain 14a(FERM AP-20172)由来の、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなる、以下の基質特異性および物理化学的性質によって特定されるL-ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質。
    (イ)基質特異性
    L-ラムノースに対する酵素活性を100%としたときの相対%は、L-リキソースで23.9%、L-マンノースで11%、D-アロースで5.5%である基質特異性を有する。
    (ロ)作用
    D-プシコースからD-アロースへの異性化反応を触媒する。
    (ハ)作用pHおよび至適pH
    作用pHは6から10、最も酵素活性の高いpH(至適pH)は6から9である。
    (ニ)pH安定性
    pHの酵素活性に対する影響は6から9まで安定である。
    (ホ)至適温度および作用温度
    最も酵素活性の高い温度(至適温度)は80℃であり、作用温度は30ないし80℃である。
    (へ)温度安定性
    温度の酵素活性に対する影響は1時間の熱処理条件の場合は50℃まで安定である。
    (ト)金属イオンの影響
    1mMのコバルトイオンにより約30%阻害される。
    (チ)分子量
    単量体分子量は約45,000であり、4つのサブユニットからなる分子量約180,000の4量体である。
  2. 請求項1のL-ラムノースイソメラーゼ活性を有するタンパク質を触媒としてD-プシコースを含有する溶液に作用させて、D-プシコースをD-アロースに変換してD-アロースを製造するD−アロースの生産方法。
  3. 35〜80℃で作用させる請求項D−アロースの生産方法。
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