本発明の画像形成装置は、入力された原稿の画像データが、紙幣や有価証券などの特殊原稿の画像データであるか否かを判定する機能を備える特殊原稿判定機能付き画像形成装置であって、モノクロコピーモード、フルカラーコピーモード、および原稿がカラー原稿であるかモノクロ原稿であるかを判別し、判別結果に応じた処理を設定する自動判定モードを含むカラーモードうちいずれか1つを指定する第1の指定手段と、画像データが、特殊原稿の画像データであるか否かを判定する特殊原稿判定手段と、画像データがカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別する原稿判別手段と、第1の指定手段の指定したカラーモードに基づいて、特殊原稿判定手段による特殊原稿判定動作を制御する制御手段とを備える。
そして、特殊原稿判定手段は、原稿判別手段による原稿判別動作が終了する前に、特殊原稿判定動作を行ない、画像データが特殊原稿の画像データであると判定した場合に、画像形成動作を中断する。
一般的に、原稿がカラー原稿であるかモノクロ原稿であるかを判別するには、一部分だけがカラー原稿である原稿を間違ってモノクロ原稿であると判定してしまうことを防ぐために、原稿をスキャナ装置などにより全て読取った後に原稿判別動作が行われる。また、画像データをHDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリなどの記憶部に格納しておき、原稿判別動作終了後に、再度コピー動作のために読出すか、あるいは再度原稿の読取りを行う必要があるため、判別動作には長時間を要してしまい、また処理が煩雑になってしまう。
本発明の画像形成装置は、上述のように処理が煩雑になり処理時間が長くなる原稿判別動作が終了する前に、特殊原稿判定手段が特殊原稿判定動作を行うことにより、画像データが特殊原稿の画像データである場合においても、原稿判別動作終了後に、再度コピー動作のために画像データを読出したり、再度原稿の読取りを行ったりすることを防ぐことができるため、パフォーマンスの低下を防ぐことができ、また処理時間を短くすることができる。
したがって、処理が煩雑にならず、パフォーマンスを低下させることなく、特殊原稿の判定動作を確実に行い、違法複写を防止することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である画像形成装置10の構成を示すブロック図であり、図2は、画像形成装置10を含むネットワーク30の構成を示す模式図であり、図3は、目標画像部50が含まれる画像データ51が読取られる原稿52を示す平面図である。
画像形成装置10は、図1に示すように、モノクロコピーモード、フルカラーコピーモード、および原稿52がカラー原稿であるかモノクロ原稿であるかを自動的に判別し、判別結果に応じた処理を設定する自動判定モードを含むカラーモードのうちいずれか1つを指定するカラーモードキーを備える操作部11と、画像データ51が、特殊原稿の画像データであるか否かを判定する特殊原稿判定部12と、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別するカラーモノクロ判別部132を備える画像処理部(以後「ICU(image Control Unit)」と略して記す場合がある)13と、カラーモードキー111の指定したカラーモードに基づいて、特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作を制御するCPU(Central Processing Unit)141を備えるカラースキャナ装置14とを備える。また、画像データ51を記録紙に印字する印字部15と、印字部15の動作を制御するプリンタ制御部(以後「PCU(Printer Control Unit)」と略して記す場合がある)16とをさらに備える。
画像形成装置10は、図2に示すように、カラースキャナ14で読取った画像データ、デジタルカメラ31で撮影した画像データ、ならびにインターネットなどのコンピュータネットワークを介して入手してパーソナルコンピュータ(以後「PC」と略して記す)32およびノート型パーソナルコンピュータ(以後「ノートPC」と略して記す)33に記憶される画像データなどが入力され、入力された画像データが、紙幣や有価証券などの特殊原稿の画像データであるか否かを判定する機能を備える特殊原稿判定機能付き画像形成装置である。
操作部11は、画像形成装置10の動作を操作するための操作手段であり、各種機能を設定または選択するファンクションキーなどのキーを備える。図4は、本発明の第1の実施形態である画像形成装置10における操作部11の構成の一例を示す概略図である。操作部11は、ファンクションキーとして、モノクロコピーモード、フルカラーコピーモードおよび自動判定モードを含むカラーモードのうちいずれか1つを指定するカラーモードキー111を備える。カラーモードキー111によるカラーモードの選択は、オペレータがカラーモードキー111をタッチすることにより行う。図4に示すように、カラーモードキー111における表示が「自動」となっている場合は、自動判定モードが指定されている状態である。モノクロコピーモードが選択されている状態では、カラーモードキー111における表示は「モノクロ」となり、フルカラーコピーモードが選択されている状態では、カラーモードキー111における表示は「フルカラー」となる。カラーモードキー111は第1の指定手段に相当する。
また、操作部11は、ファンクションキーとして、印字動作の開始を指示するスタートキー112や、画像データ51の印字倍率を指定する倍率指定キー113なども備える。
操作部11は、オペレータがキー操作を実行すると、そのキー操作に対応するキー操作検出信号を画像処理部(ICU)13や、カラースキャナ装置14やプリンタ制御部(PCU)16などに入力する。カラースキャナ装置14、画像処理部(ICU)13およびプリンタ制御部(PCU)16は、入力されたキー操作検出信号を識別し、識別結果に応じた所定の画像処理動作や印字動作などを実行する。
特殊原稿判定部12は、入力された画像データ51が、特殊原稿の画像データであるか否かを判定する特殊原稿判定手段であり、前処理部121、画像判定部122、画像確認部123および記憶部124を含んで構成される。
前処理部121は、カラースキャナ装置14ならびにネットワーク30を介して画像形成装置10に接続されるデジタルカメラ31、PC32およびノートPC33から入力される画像データ51を、たとえば解像度を100dpi以上200dpi以下程度にするとともに、所定のしきい値に基いて階調を2階調、たとえば色数を白および黒の2色とするようにして、情報量の少ない画像データ51に変換して、画像判定部122に与える。
このように、印字部15での画像形成に用いられる画像データ51を、目標画像部50を抽出するために情報量の少ない画像データ51に変換することにより、画像判定部122での判定処理および画像確認部123での確認処理を迅速に行うことができる。また画像データ51の情報量が少なくなるので、目標画像部50を抽出するために画像データ51を記憶させておく記憶部124の容量を小さくすることができる。
記憶部124は、たとえばRAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などにより構成される記憶手段であり、前処理部121によって情報量が少なくなるように変換された画像データ51、目標画像部50、特定画像部分53、テンプレート54、判定ウインドウ55、第1のテーブルデータおよび第2のテーブルデータを記憶する。
以下、図5〜図7を用いて、記憶部124に記憶される目標画像部50、特定画像部分53、テンプレート54、判定ウインドウ55、第1のテーブルデータおよび第2のテーブルデータについて説明する。図5および図6は、目標画像部50、特定画像部分53、テンプレート54、判定ウインドウ55および第1のテーブルデータについて説明するための平面図であり、図7は、第2のテーブルデータについて説明するための平面図である。
目標画像部50とは、画像データ51の中で、特殊原稿であると特定しやすい一部分の画像データを示し、たとえば画像データ51が紙幣の画像データであるときは、紙幣に記録されている印章の部分の画像データなどを示す。特定画像部分53とは、目標画像部50の特徴を最も顕著に示す部分の画像データを示し、たとえば画像データ51が紙幣の画像データであるときは、紙幣に記録されている印章の円周の一部である円弧の画像データなどを示す。
図5(a)は、本実施形態における目標画像部50および特定画像部分53を示す平面図であり、図5(b)は、特定画像部分53を用いて目標画像部候補56の形状を推測する方法を示す平面図である。本実施形態では、図3に示すように、画像データ51は機密書類である原稿52の画像データであり、目標画像部50は円の中に「秘」の文字が描かれる印章の部分の画像データである。また特定画像部分53は、図5(a)に示すように、目標画像部50の円弧の画像データである。たとえば、図5(b)に示すように、目標画像部50の円の半径がn[mm]である場合に、特定画像部分53と同じ曲率半径n[mm]を有する円弧を含む画像データである目標画像部候補56は、半径n[mm]の円を有する画像データであると容易に推測できる。したがって、目標画像部50の一部である円弧を特定画像部分53とすることによって、目標画像部候補56は目標画像部50である可能性が高いと判断することができる。
テンプレート54とは、特定画像部分53を表す画素群である。図6(a)は、テンプレート54ならびに主走査方向Aおよび副走査方向Bを示す平面図であり、図6(b)は、テンプレート54を拡大して示す平面図であり、図6(c)は、テンプレート54の各画素ラインにおける領域を示す平面図である。
テンプレート54は、前処理部121によって変換された画像データ51と同じ解像度および階調であって、図6(a)および(b)に示すように、主走査方向Aに複数の、本実施形態では42個の画素が並ぶ画素ラインを副走査方向Bに2つ以上、本実施形態では6個隣接して並べた、黒色および白色の画素で構成される画素群を有し、その画素群の各画素毎の情報によって特定画像部分53を表す。判定ウインドウ55とは、テンプレート54と同様に並ぶ画素群のことである。
より詳細に述べると、テンプレート54は、図6(b)に示すように、それぞれ主走査方向Aに並ぶ42個の画素を有し、副走査方向Bに隣接して並ぶ第1画素ライン61、第2画素ライン62、第3画素ライン63、第4画素ライン64、第5画素ライン65および第6画素ライン66を含んで構成される。また判定ウインドウ55も、テンプレート54の第1画素ライン〜第6画素ライン61〜66にそれぞれ対応する、同様の第1画素ライン、第2画素ライン、第3画素ライン、第4画素ライン、第5画素ラインおよび第6画素ラインを含んで構成される。さらに図6(c)に示すように、テンプレート54の第1画素ライン〜第6画素ライン61〜66は、各画素ライン61〜66における黒色の画素数の配列状態に応じて、複数の画素を有する第1領域61a〜66a、第2領域61b〜66bおよび第3領域61c〜66cの3種類の領域に分割され、領域毎に各領域に含まれる黒色の画素数の範囲が設定される。なお、特定画像部分53が存在する領域は黒色の画素で構成されるものとする。
各画素ライン61〜66における第1領域〜第3領域の黒色の画素数の範囲は以下のようにして設定する。たとえば、第1画素ライン61の第1領域61aのように、特定画像部分53である円弧上に存在する領域では、円弧上に存在しない領域に比べて黒色である画素の数が多くなるので、黒色の画素数が多くなるように画素数の範囲を設定する。一方、第1画素ライン61の第3領域61cのように、円弧から充分に離れている領域では、黒色の画素数を0に近い範囲に設定する。したがって、第1画素ライン61の第2領域61bのように、円弧の近傍に存在する領域では、第1領域61aよりも黒色の画素数が少なく、かつ0よりも多くなるように画素数の範囲を設定する。このようにしてテンプレート54の各画素ライン61〜66に対する、第1〜第3領域の黒色の画素数の範囲が、表1に示すように設定され、これらの設定値は、第1のテーブルデータとして記憶部124に記憶される。
図7(a)は、複数の分割部分に分割された目標画像部50の一例を示す平面図である。目標画像部50は、その円の中心を共通の中心とする3つの円の円周によって、第1分割部分71、第2分割部分72、第3分割部分73および第4分割部分74の4つに分割される。そして、それぞれの分割部分71〜74に含まれる黒色の画素数の範囲が、表2に示されるように設定され、これらの設定値は、第2のテーブルデータとして記憶部124に記憶される。
なお、上記構成では目標画像部50を円の中心を共通の中心とする3つの円の円周によって分割したが、これに限定されるものではなく、たとえば図7(b)に示すように、各分割部分における黒色の画素数が平均的、すなわち大略的に同数になるように、目標画像部50の円の中心を通り、互いに直交する2本の線分によって、第1分割部分71A、第2分割部分72A、第3分割部分73Aおよび第4分割部分74Aの4つに分割してもよい。
画像判定部122は、目標画像部50が有する一部の特定画像部分53が画像データ51中に含まれるか否かを判定する特定画像部分判定手段である。画像確認部123は、画像判定部122によって画像データ51中に特定画像部分53が含まれると判定されたとき、その特定画像部分53を含む目標画像部候補56が目標画像部50であるか否かを確認する確認手段である。
以下に、特殊原稿判定部12の動作を説明しながら、画像データ51が特殊原稿の画像データであるか否かを判定する特殊原稿判定方法について述べる。
前処理部121は、カラースキャナ装置14、デジタルカメラ31、PC32およびノートPC33などから入力される画像データ51を、たとえば、解像度200dpi、色数が白および黒の2色である2階調となるように変換して情報量の少ない画像データ51とし、画像判定部122に与える。
画像判定部122は、前処理部121によって変換された画像データ51中に、特定画像部分53が含まれるか否かを判定する。すなわち、画像判定部122は、画像データ51を、判定ウインドウ55で主走査方向Aに1画素単位で移動させて走査し、主走査方向Aの操作が終わると、判定ウインドウ55を副走査方向Bに1画素単位で移動させた後、さらに主走査方向Aに移動させて走査する。このような判定ウインドウ55の移動による走査を繰返して、画像データ51全体を走査しながら、判定ウインドウ55の各領域における特定色、たとえば黒色の画素数と、第1のテーブルデータとして記憶されるテンプレート54の各領域の黒色の画素数とを比較して、特定画像部分53が画像データ51中に含まれるか否かを判定する。
具体的には、画像判定部122は、判定ウインドウ55の第1画素ラインを、それに対応するテンプレート54の第1画素ライン61と同様にして第1領域、第2領域および第3領域に分割し、判定ウィンドウ55の第1画素ラインの第1領域〜第3領域における黒色の画素数が、第1のテーブルデータとして記憶されるテンプレート54の第1画素ライン61の第1領域61a、第2領域61bおよび第3領域61cにおける黒色の画素数の範囲内であるか否かを判断する。
さらに画像判定部122は同様に、判定ウィンドウ55の第2画素ライン〜第6画素ラインの第1領域〜第3領域における黒色の画素数が、テンプレート54の第2画素ライン〜第6画素ライン62〜66の第1領域〜第3領域における黒色の画素数の範囲内であるか否かを判断する。
このようにして画像判定部122は、判定ウインドウ55の第1画素ライン〜第6画素ラインの第1領域〜第3領域におけるすべての黒色の画素数が、第1のテーブルデータとして記憶されるテンプレート54の各領域の黒色の画素数の範囲内であれば、特定画像部分53が画像データ51中に含まれると判定する。
一方、判定ウインドウ55の第1画素ライン〜第6画素ラインの第1領域〜第3領域における黒色の画素数において、第1のテーブルデータとして記憶されるテンプレート54の各領域の黒色の画素数の範囲内でないものがあれば、特定画像部分53が画像データ51中に含まれないと判定する。すなわち画像データ51は、特殊原稿の画像データではないと判定され、特殊原稿判定動作は終了する。
このように画像判定部122は、判定ウインドウ55の各画素ラインの各領域におけるすべての黒色の画素数があらかじめ定める範囲内にあるとき、特定画像部分53が画像データ51中に含まれると判定する。これによって、たとえば目標画像部50に、にじみ、かすれ、ふとりおよびずれが生じて、画像データ51を判定ウインドウ55で走査したときの特定画像部分53の黒色の画素数が、にじみ、かすれ、ふとりおよびずれのない場合の目標画像部50における特定画像部分53の画素数と多少異なっていても、特定画像部分53が画像データ51中に含まれるか否かの判定を、高精度に行うことができる。
また各画素ラインを分割した各領域における黒色の画素数に範囲を設けることによって、判定処理を迅速に行うことができる。さらに判定ウインドウ55を用いて画像データ51を走査することによって、画像データ51全体を一括して走査する場合に比べて、1回の判定処理に用いる画素数が少ないので、判定処理を迅速に行うことができるとともに、画像データ51における個々の画素に基いて画像データ51を走査する場合に比べて、隣接する画素同士の関連性をも考慮して走査して判定するので、判定精度を向上することができる。
上述のようにして画像判定部122による特定画像部分判定動作が行われ、特定画像部分53が画像データ51中に含まれると判断されると、特定画像部分53である円弧を含む目標画像部候補56が設定される。このとき目標画像部候補56は、円である。
画像確認部123は、画像データ51中に特定画像部分53が含まれると判定されたとき、その特定画像部分53を含む目標画像部候補56が目標画像部50であるか否かを確認する。すなわち、画像確認部123は、目標画像部候補56を、図7(a)に示す目標画像部50と同様に、目標画像部候補56の中心を共通の中心とする3つの円の円周によって、第1分割部分〜第4分割部分の4つの分割部分に分割し、目標画像部候補56の第1分割部分における黒色の画素数が、第2のテーブルデータとして記憶される目標画像部50の第1分割部分71における黒色の画素数の範囲内であるか否かを判断する。さらに画像確認部123は、目標画像部候補56の第2分割部分〜第4分割部分における黒色の画素数が、第2のテーブルデータとして記憶される目標画像部50の第2分割部分〜第4分割部分72〜74における黒色の画素数の範囲内であるか否かを判断する。
このようにして画像確認部123は、目標画像部候補56の第1分割部分〜第4分割部分におけるすべての黒色の画素数が、第2のテーブルデータとして記憶される黒色の画素数の範囲内であれば、目標画像部候補56は目標画像部50であると確認する。すなわち画像データ51は、特殊原稿の画像データであると判定され、特殊原稿判定動作は終了する。
一方、目標画像部候補56の第1部分〜第4分割部分における黒色の画素数において、第2のテーブルデータとして記憶される黒色の画素数の範囲内でないものがあれば、目標画像部候補56は目標画像部50でないと確認する。すなわち画像データ51は、特殊原稿の画像データではないと判定され、特殊原稿判定動作は終了する。
上述のようにして特殊原稿判定部12は、画像データ51中に目標画像部50が含まれる可能性があるか否かの判定を、画像データ51中に特定画像部分53が含まれるか否かという判定によって行うので、目標画像部50全体に基いて判定する場合に比べて扱う情報量が少なく、判定を迅速に行うことができる。また扱う情報量が少ないので、このような判定動作を行うための回路構成を簡略化できるとともに、情報を記憶させるための記憶部124の容量を小さくすることができる。
また画像確認部123は、画像判定部122によって画像データ51中に特定画像部分53が含まれると判定されたとき、特定画像部分53を含む目標画像部候補56が目標画像部50であるか否かを確認するので、特殊原稿判定部12は、特殊原稿判定動作を高精度に行うことができる。
本実施の形態の画像処理装置10において、目標画像部50は、図5(a)に示すような、円の中に「秘」の文字が描かれる印章であるとしたが、これに限定されるものではない。
画像処理部(ICU)13は、カラースキャナ装置14、デジタルカメラ31、PC32およびノートPC33などから入力される画像データ51を、印字部15によって記録紙に画像形成されるのに適するように、色補正や下地調整などの所定の画像処理を施す画像処理手段であり、HDD131と、カラーモノクロ判別部132とを備える。
HDD131は、ハードディスク(以下、「HD」と記す場合がある)を内蔵しており、カラースキャナ装置14、デジタルカメラ31、PC32およびノートPC33などから入力される画像データ51をファイル単位でHDに記録する。通常HDD131に記録された画像データ51は印字後に消去されるが、操作部11のキー操作により画像データ51を保存するように指定されているときは、消去されることなくHDD131に保存される。
カラーモノクロ判別部132は、HDD131に記録された画像データ51を読出して、読出した画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別する原稿判別手段である。カラーモノクロ判別部132による原稿の判別方法としては、特に限定されるものではなく公知の方法を用いればよいが、たとえば、カラースキャナ装置14により原稿52の画像を読み取ることにより得られた3原色のRGB信号を明度信号に変換し、変換した明度信号をもとに作製されたヒストグラムに基づいて判別する方法などが挙げられる。
カラースキャナ装置14は、原稿画像を読取って、画像データ51を作成する原稿読取手段である。カラースキャナ装置14は、原稿52に光を照射して、第1方向である主走査方向Aに複数個並ぶ光電変換素子(略称:CCD)を有するスキャナヘッド(図示せず)を、前記主走査方向Aに対して垂直に交差する第2方向である副走査方向Bに変位させながら、原稿52からの反射光を電気信号に変換することで、原稿画像を読取ってデジタル化する。カラースキャナ装置14によって読取られた画像データ51は、特殊原稿判定部12、画像処理部(ICU)13のHDD131に入力される。また、ネットワーク30を介して画像形成装置10に接続されるPC32およびノートPC33に与えられる場合もある。
カラースキャナ装置14は、CPU(Cenral Processing Unit)141を備える。CPU141は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、画像形成装置10を構成する各構成部の動作を制御する制御手段である。
カラースキャナ装置14の光学解像度および出力階調は特に限定されるものではないが、本実施形態においては、カラースキャナ装置14の主走査方向Aおよび副走査方向Bの光学解像度は600dpiであり、出力階調はRGB各色256階調の16777216階調(色数)である。
印字部15は、画像処理部(ICU)13によって画像処理が施された画像データ51を記録紙に印字する画像形成手段である。印字部15としては、公知のプリンタ装置であればよく特に限定されるものではないが、たとえば複数色のインクをノズルから噴射することで、記録紙に画像を形成するインクジェット方式のプリンタ装置などによって実現される。
プリンタ制御部(PCU)16は、印字部15の動作を制御する印字部制御手段である。プリンタ制御部(PCU)16は、たとえば、画像データ51の記録紙への印字開始動作および印字停止動作の制御や、画像データ51にノイズを付加した画像を印字させる制御などを行う。
(モノクロコピーモードが指定されたときの動作)
以下に、オペレータによるカラーモードキー111の操作により、モノクロコピーモードが指定されたときの画像形成装置10の動作について説明する。
画像形成装置10において、たとえばオペレータなどによりカラースキャナ装置14に原稿52が設置され、操作部11のスタートキー112が押下されると、カラースキャナ装置14に備えられるCPU141は、カラースキャナ装置14に原稿52の読取りを開始させる。
原稿52の読取が開始されると、CPU141は、操作部11のカラーモードキー111により指定されたカラーモードが、モノクロコピーモードであるか否かを判断する。この場合、指定されたカラーモードはモノクロコピーモードであると判断され、CPU141は、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を行わないように制御する。
CPU141によって特殊原稿判定動作が制御されると、画像処理部(ICU)13は特殊原稿検知コマンドを受信したか否かを判断する。この場合、特殊原稿判定動作が行われていないので、画像処理部(ICU)13は特殊検知コマンドを受信していないと判断する。そして、画像処理部(ICU)13に記録された画像データ51を読出し、読出した画像データ51をカラーモノクロ判別部132に入力する。
カラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別する。この場合、操作部11のカラーモードキー111によりモノクロコピーモードが指定されているので、画像データ51はモノクロ原稿の画像データであると判別され、画像処理部(ICU)13によりモノクロ原稿の画像データに応じた画像処理が施される。そして印字部15は、画像処理部(ICU)13により画像処理が施された画像データ51を記録紙に印字する。
(フルカラーコピーモードが指定されたときの動作)
次いで、オペレータによるカラーモードキー111の操作により、フルカラーコピーモードが指定されたときの画像形成装置10の動作について説明する。
画像形成装置10において、たとえばオペレータなどによりカラースキャナ装置14に原稿52が設置され、操作部11のスタートキー112が押下されると、カラースキャナ装置14に備えられるCPU141は、カラースキャナ装置14に原稿52の読取りを開始させる。
原稿52の読取が開始されると、CPU141は、操作部11のカラーモードキー111により指定されたカラーモードが、モノクロコピーモードであるか否かを判断する。この場合、指定されたカラーモードはフルカラーコピーモードであるので、モノクロコピーモードではないと判断され、CPU141は、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を行うように制御する。これにより、特殊原稿判定部12は特殊原稿判定動作を開始し、上述した特殊原稿判定方法によって画像データ51が特殊原稿の画像データであるか否かを判定する。
そして、画像データ51が特殊原稿の画像データであると判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50であると判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、原稿が特殊原稿である可能性が高いことを通知する特殊原稿検知信号を送信し、特殊原稿検知信号を受信したCPU141は、カラースキャナ装置14による原稿の読取動作を停止させ、これに同期して画像処理部(ICU)13に特殊原稿検知コマンドを送信する。なお、カラースキャナ装置14による原稿の読取動作の停止は、スキャナヘッドの動作は停止させずに画像データ51の読取りのみを停止させるようにして行われる。
一方、画像データ51が特殊原稿の画像データではないと判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50ではないと判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、特殊原稿検知信号を送信しない。
特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作が終了すると、画像処理部(ICU)13は特殊原稿検知コマンドを受信したか否かを判断する。そして、特殊原稿検知コマンドを受信したと判断した場合には、画像処理部(ICU)13に備えられるHDD131に記録される画像データ51を消去し、画像処理部(ICU)13によるすべての画像処理動作を停止させる。このとき、印字部15による印字動作が開始されている場合には、プリンタ制御部(PCU)16は、印字動作のみを停止して記録紙を白紙のまま出紙させる制御、記録紙の給紙をキャンセルさせる制御、画像データ51にノイズを付加した画像を印字させる制御のうちいずれかの制御を行う。
一方、特殊検知コマンドを受信していないと判断した場合には、画像処理部(ICU)13に記録された画像データ51を読出し、読出した画像データ51をカラーモノクロ判別部132に入力する。
カラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別する。この場合、操作部11のカラーモードキー111によりフルカラーコピーモードが指定されているので、画像データ51はカラー原稿の画像データであると判別され、画像処理部(ICU)13によりカラー原稿の画像データに応じた画像処理が施される。そして印字部15は、画像処理部(ICU)13により画像処理が施された画像データ51を記録紙に印字する。
(自動判定モードが指定されたときの動作)
次いで、オペレータによるカラーモードキー111の操作により、自動判定モードが指定されたときの画像形成装置10の動作について説明する。
画像形成装置10において、たとえばオペレータなどによりカラースキャナ装置14に原稿52が設置され、操作部11のスタートキー112が押下されると、カラースキャナ装置14に備えられるCPU141は、カラースキャナ装置14に原稿52の読取りを開始させる。
原稿52の読取が開始されると、CPU141は、操作部11のカラーモードキー111により指定されたカラーモードが、モノクロコピーモードであるか否かを判断する。この場合、指定されたカラーモードは自動判定モードであるので、モノクロコピーモードではないと判断され、CPU141は、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を行うように制御する。これにより、特殊原稿判定部12は特殊原稿判定動作を開始し、上述した特殊原稿判定方法によって画像データ51が特殊原稿の画像データであるか否かを判定する。
そして、画像データ51が特殊原稿の画像データであると判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50であると判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、原稿が特殊原稿である可能性が高いことを通知する特殊原稿検知信号を送信し、特殊原稿検知信号を受信したCPU141は、カラースキャナ装置14による原稿52の読取動作を停止させ、これに同期して画像処理部(ICU)13に特殊原稿検知コマンドを送信する。
一方、画像データ51が特殊原稿の画像データではないと判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50ではないと判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、特殊原稿検知信号を送信しない。
特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作が終了すると、画像処理部(ICU)13は特殊原稿検知コマンドを受信したか否かを判断する。そして、特殊原稿検知コマンドを受信したと判断した場合には、画像処理部(ICU)13に備えられるHDD131に記録される画像データ51を消去し、画像処理部(ICU)13によるすべての画像処理動作を停止させる。このとき、印字部15による印字動作が開始されている場合には、プリンタ制御部(PCU)16は、印字動作のみを停止して記録紙を白紙のまま出紙させる制御、記録紙の給紙をキャンセルさせる制御、画像データ51にノイズを付加した画像を印字させる制御のうちいずれかの制御を行う。
一方、特殊検知コマンドを受信していないと判断した場合には、画像処理部(ICU)13に記録された画像データ51を読出し、読出した画像データ51をカラーモノクロ判別部132に入力する。
カラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別する。この場合、操作部11のカラーモードキー111により自動判定モードが指定されているので、カラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを自動的に判別する。そして、画像データ51はモノクロ原稿の画像データであると判別された場合には、画像処理部(ICU)13によりモノクロ原稿の画像データに応じた画像処理が施される。一方、画像データ51はカラー原稿の画像データであると判別された場合には、画像処理部(ICU)13によりカラー原稿の画像データに応じた画像処理が施される。そして印字部15は、画像処理部(ICU)13により画像処理が施された画像データ51を記録紙に印字する。
以下に、図8を用いて、本発明の第1の実施形態である画像形成装置10の動作手順の一例について説明する。図8は、本発明の第1の実施形態である画像形成装置10の動作手順の一例を示すフロー図である。
画像形成装置10において、オペレータが、カラースキャナ装置14に原稿を設置し、操作部11のスタートキー112を押下すると、ステップS10からステップS11に移行し、ステップS10からステップS24までの一連の画像形成動作が開始される。
ステップS11では、カラースキャナ装置14に備えられるCPU141は、カラースキャナ装置14に原稿52の読取りを開始させる。原稿52の読取が開始されると、ステップS12に移行する。
ステップS12では、CPU141は、操作部11のカラーモードキー111により指定されたカラーモードが、モノクロコピーモードであるか否かを判断する。そして、指定されたカラーモードがモノクロコピーモードであると判断された場合には、ステップS13に移行する。一方、指定されたカラーモードがフルカラーコピーモードまたは自動判定モードであって、モノクロコピーモードではないと判断された場合には、ステップS14に移行する。
ステップS13では、CPU141は、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を行わないように制御し、ステップS17に移行する。
ステップS14では、CPU141は、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を行うように制御し、ステップS15に移行する。
ステップS15では、特殊原稿判定部12は、画像データ52が特殊原稿の画像データであるか否かを判定する。そして、画像データ52が特殊原稿の画像データであると判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50であると判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、原稿が特殊原稿である可能性があることを通知する特殊原稿検知信号を送信し、ステップS16に移行する。
一方、画像データ52が特殊原稿の画像データではないと判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50ではないと判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、特殊原稿検知信号を送信せず、ステップS17に移行する。
ステップS16では、CPU141は、カラースキャナ装置14による原稿52の読取動作を停止させ、これに同期して画像処理部(ICU)13に特殊原稿検知コマンドを送信し、ステップS17に移行する。
ステップS17では、画像処理部(ICU)13は特殊原稿検知コマンドを受信したか否かを判断する。そして、特殊原稿検知コマンドを受信したと判断した場合には、ステップS18に移行する。一方、特殊検知コマンドを受信していないと判断した場合には、ステップS19に移行する。
ステップS18では、画像処理部(ICU)13に備えられるHDD131に記録された画像データ51を消去し、画像処理部(ICU)13によるすべての画像処理動作および印字動作を停止させた後、ステップS24に移行し、画像形成動作を終了する。
ステップS19では、画像処理部(ICU)13に記録された画像データ51を読出し、読出した画像データ51をカラーモノクロ判別部132に入力し、ステップS20に移行する。
ステップS20では、カラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別する。すなわち、操作部11のカラーモードキー111によりカラーコピーモードが指定される場合にはカラー原稿の画像データであると判別し、モノクロコピーモードが指定される場合にはモノクロ原稿の画像データであると判別する。また、自動判定モードが指定される場合には、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを自動的に判別する。
そして、画像データ51がカラー原稿の画像データであると判別した場合には、ステップS21に移行する。一方、画像データ51がモノクロ原稿の画像データであると判別した場合には、ステップS22に移行する。
ステップS21では、画像処理部(ICU)13によりカラー原稿の画像データに応じた画像処理が施され、ステップS23に移行する。
ステップS22では、画像処理部(ICU)13によりモノクロ原稿の画像データに応じた画像処理が施され、ステップS23に移行する。
ステップS23では、印字部15は、画像処理部(ICU)13により画像処理が施された画像データ51を記録紙に印字した後、ステップS24に移行し、画像形成動作を終了する。
このように、本発明の第1の実施形態である画像形成装置10において、操作部11のカラーモードキー11は、モノクロコピーモード、フルカラーコピーモード、および自動判定モードを含むカラーモードのうちいずれか1つを指定し、特殊原稿判定部12は、画像データ51が特殊原稿の画像データであるか否かを判定し、画像処理部(ICU)13のカラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別し、カラースキャナ装置14のCPU141は、カラーモードキー111の指定したカラーモードに基づいて、特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作を制御する。
特殊原稿判定部12は、カラーモノクロ判別部132による原稿判別動作が終了する前に、特殊原稿判定動作を行ない、画像データが特殊原稿の画像データであると判定した場合に、画像形成動作を中断させる。
このように、処理が煩雑になり処理時間が長くなる原稿判別動作が終了する前に、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を行うことにより、画像データが特殊原稿の画像データである場合においても、原稿判別動作終了後に、再度コピー動作のために画像データを読出したり、再度原稿の読取りを行ったりすることを防ぐことができるため、パフォーマンスの低下を防ぐことができ、また処理時間を短くすることができる。したがって、自動判定モードが指定された場合においても、自動判定を行なう前にカラーモードと同様の処理を行なわれるため、処理が煩雑にならず、パフォーマンスを低下させることなく、特殊原稿の判定動作を確実に行い、違法複写を防止することができる。
また、CPU141は、カラーモードキー111によりモノクロコピーモードが指定されたときには特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作を行わないように制御し、カラーモードキー111によりフルカラーコピーモードまたは自動判定モードが指定されたときには特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作を行うように制御する。このように、モノクロコピーモードが指定されたときには違法複写の可能性が低いので、特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作を行わないようにすることにより、よりパフォーマンスの低下を防ぐことができ、処理時間を短くすることができる。
なお、カラーモードや自動判定モードが指定された場合に関しては、モノクロモードが指定された場合に対して、原稿が読取られてから印字されるまでの時間が多くかかるため、原稿読取り中に特殊原稿判定動作を行なっても印字のパフォーマンスは低下しない。
(第2の実施形態)
以下に本発明の第2の実施形態である画像形成装置20について説明する。
本発明の第2の実施形態の画像形成装置20の構成は、第1の実施形態である画像形成装置10の構成と同一のものには同一の符号を付し、説明を省略する。
本発明の第2の実施形態の画像形成装置20において、第1の実施形態である画像形成装置10と異なる部分は、特殊原稿判定部12の記憶部124に記憶されるテーブルデータの部分である。
すなわち記憶部124は、前処理部121によって情報量が少なくなるように変換された画像データ51、目標画像部50、特定画像部分53、テンプレート54、判定ウインドウ55、第3のテーブルデータ、第4のテーブルデータ、第5のテーブルデータおよび第6のテーブルデータを記憶する。
以下、第3のテーブルデータ、第4のテーブルデータ、第5のテーブルデータおよび第6のテーブルデータについて説明する。
第3のテーブルデータとして記憶される設定値は、第1の実施形態において、第1のテーブルデータとして記憶部124に記憶された表1の設定値に対して、テンプレート54の各画素ライン61〜66における第1領域〜第3領域の黒色の画素数の範囲がより広くなるように設定された値である。すなわち、テンプレート54の各画素ライン61〜66に対する、第1〜第3領域の黒色の画素数の範囲が、表3に示すように設定され、これらの設定値が、第3のテーブルデータとして記憶部124に記憶される。
画像判定部122は、判定ウインドウ55の第1画素ライン〜第6画素ラインの第1領域〜第3領域におけるすべての黒色の画素数が、上述の第3のテーブルデータとして記憶されるテンプレート54の各領域の黒色の画素数の範囲内であるか否かを判定することにより、特定画像部分53が画像データ51中に含まれるか否かを判定する。このように、第1のテーブルデータよりもテンプレート54の各画素ライン61〜66における第1領域〜第3領域の黒色の画素数の範囲がより広くなるように設定された第3のテーブルデータを用いて判定することにより、目標画像部50の、にじみ、かすれ、ふとりおよびずれに対する許容範囲がより広くなるため、特定画像部分53が画像データ51中に含まれるか否かの判定動作を、より高精度に行えるようになる。
一方、第4のテーブルデータとして記憶される設定値は、第1の実施形態において、第1のテーブルデータとして記憶部124に記憶された表1の設定値に対して、テンプレート54の各画素ライン61〜66における第1領域〜第3領域の黒色の画素数の範囲がより狭くなるように設定された値である。すなわち、テンプレート54の各画素ライン61〜66に対する、第1〜第3領域の黒色の画素数の範囲が、表4に示すように設定され、これらの設定値が、第4のテーブルデータとして記憶部124に記憶される。
画像判定部122は、判定ウインドウ55の第1画素ライン〜第6画素ラインの第1領域〜第3領域におけるすべての黒色の画素数が、上述の第4のテーブルデータとして記憶されるテンプレート54の各領域の黒色の画素数の範囲内であるか否かを判定することにより、特定画像部分53が画像データ51中に含まれるか否かを判定する。このように、第1のテーブルデータよりもテンプレート54の各画素ライン61〜66における第1領域〜第3領域の黒色の画素数の範囲がより狭くなるように設定された第4のテーブルデータを用いて判定することにより、特定画像部分53のにじみ、かすれ、ふとりおよびずれに対する許容範囲がより狭くなるため、特定画像部分53が画像データ51中に含まれるか否かの判定動作の判定精度、すなわち特殊原稿の検出率は、特定画像部分53に、にじみ、かすれ、ふとりおよびずれなどがある場合においてはより低下するが、特定画像部分53が含まれない画像を、特定画像部分53が含まれる画像として誤検知する可能性は軽減される。このように、特定画像部分53に、にじみ、かすれ、ふとりおよびずれなどがある場合の判定精度を特殊原稿の検出率が低くなるようにする代わりに、特定画像部分53が含まれない画像を誤検知する可能性を軽減することができる。
また、特定画像部分53を含まないが、特定画像部分53と特徴が似ている部分を含む画像においても、特定画像部分53のにじみなどに対する許容範囲をより小さくすることで誤検知を防止することが可能である。
また、第5のテーブルデータとして記憶される設定値は、第1の実施形態において、第2のテーブルデータとして記憶部124に記憶された表2の設定値に対して、目標画像部50のそれぞれの分割部分71〜74に含まれる黒色の画素数の範囲がより広くなるように設定された値である。すなわち、目標画像部50のそれぞれの分割部分71〜74に含まれる黒色の画素数の範囲が、表5に示すように設定され、これらの設定値が、第5のテーブルデータとして記憶部124に記憶される。
画像確認部123は、目標画像部候補56の第1分割部分〜第4分割部分における黒色の画素数が、上述の第5のテーブルデータとして記憶される目標画像部50の第2分割部分〜第4分割部分72〜74における黒色の画素数の範囲内であるか否かを判断することにより、目標画像部候補56が目標画像部50であるか否かを確認する。このように、第2のテーブルデータよりも目標画像部50のそれぞれの分割部分71〜74に含まれる黒色の画素数の範囲がより広くなるように設定された第5のテーブルデータを用いて判断することにより、目標画像部50の、にじみ、かすれ、ふとりおよびずれに対する許容範囲がより広くなるため、目標画像部候補56が目標画像部50であるか否かの確認動作を、より高精度に行えるようになる。
一方、第6のテーブルデータとして記憶される設定値は、第1の実施形態において、第2のテーブルデータとして記憶部124に記憶された表2の設定値に対して、目標画像部50のそれぞれの分割部分71〜74に含まれる黒色の画素数の範囲がより狭くなるように設定された値である。すなわち、目標画像部50のそれぞれの分割部分71〜74に含まれる黒色の画素数の範囲が、表6に示すように設定され、これらの設定値が、第6のテーブルデータとして記憶部124に記憶される。
画像確認部123は、目標画像部候補56の第1分割部分〜第4分割部分における黒色の画素数が、上述の第6のテーブルデータとして記憶される目標画像部50の第2分割部分〜第4分割部分72〜74における黒色の画素数の範囲内であるか否かを判断することにより、目標画像部候補56が目標画像部50であるか否かを確認する。このように、第2のテーブルデータよりも目標画像部50のそれぞれの分割部分71〜74に含まれる黒色の画素数の範囲がより狭くなるように設定された第6のテーブルデータを用いて判断することにより、目標画像部50の、にじみ、かすれ、ふとりおよびずれに対する許容範囲がより狭くなるため、目標画像部候補56が目標画像部50であるか否かを確認する確認精度、すなわち特殊原稿の検出率は、目標画像部50に、にじみ、かすれ、ふとりおよびずれなどがある場合においてはより低下するが、目標画像部50が含まれない画像を、目標画像部50が含まれる画像として誤検知する可能性は軽減される。このように、目標画像部50に、にじみ、かすれ、ふとりおよびずれなどがある場合の判定精度を特殊原稿の検出率が低くなるようにする代わりに、目標画像部50が含まれない画像を誤検知する可能性を軽減することができる。
また、目標画像部50を含まないが、目標画像部50と特徴が似ている部分を含む画像においても、目標画像部50のにじみなどに対する許容範囲をより小さくすることで誤検知を防止することが可能である。
(モノクロコピーモードが指定されたときの動作)
以下に、オペレータによるカラーモードキー111の操作により、モノクロコピーモードが指定されたときの画像形成装置20の動作について説明する。
画像形成装置20において、たとえばオペレータなどによりカラースキャナ装置14に原稿52が設置され、操作部11のスタートキー112が押下されると、カラースキャナ装置14に備えられるCPU141は、カラースキャナ装置14に原稿52の読取りを開始させる。
原稿52の読取が開始されると、CPU141は、操作部11のカラーモードキー111により指定されたカラーモードが、モノクロコピーモードであるか否かを判断する。この場合、指定されたカラーモードはモノクロコピーモードであると判断され、CPU141は、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を、第4のテーブルデータおよび第6のテーブルデータを用いて行うように制御する。CPU141によって特殊原稿判定動作が制御されると、特殊原稿判定部12は特殊原稿判定動作を開始し、上述した特殊原稿判定方法によって画像データ51が特殊原稿の画像データであるか否かを判定する。
そして、画像データ51が特殊原稿の画像データであると判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50であると判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、原稿が特殊原稿である可能性が高いことを通知する特殊原稿検知信号を送信し、特殊原稿検知信号を受信したCPU141は、カラースキャナ装置14による原稿52の読取動作を停止させ、これに同期して画像処理部(ICU)13に特殊原稿検知コマンドを送信する。
一方、画像データ51が特殊原稿の画像データではないと判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50ではないと判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、特殊原稿検知信号を送信しない。
特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作が終了すると、画像処理部(ICU)13は特殊原稿検知コマンドを受信したか否かを判断する。そして、特殊原稿検知コマンドを受信したと判断された場合には、画像処理部(ICU)13に備えられるHDD131に記録される画像データ51を消去し、画像処理部(ICU)13によるすべての画像処理動作を停止させる。このとき、印字部15による印字動作が開始されている場合には、プリンタ制御部(PCU)16は、印字動作のみを停止して記録紙を白紙のまま出紙させる制御、記録紙の給紙をキャンセルさせる制御、画像データ51にノイズを付加した画像を印字させる制御のうちいずれかの制御を行う。
一方、特殊検知コマンドを受信していないと判断した場合には、画像処理部(ICU)13に記録された画像データ51を読出し、読出した画像データ51をカラーモノクロ判別部132に入力する。
カラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別する。この場合、操作部11のカラーモードキー111によりモノクロコピーモードが指定されているので、画像データ51はモノクロ原稿の画像データであると判別され、画像処理部(ICU)13によりモノクロ原稿の画像データに応じた画像処理が施される。そして印字部15は、画像処理部(ICU)13により画像処理が施された画像データ51を記録紙に印字する。
(フルカラーコピーモードが指定されたときの動作)
次いで、オペレータによるカラーモードキー111の操作により、フルカラーコピーモードが指定されたときの画像形成装置20の動作について説明する。
画像形成装置20において、たとえばオペレータなどによりカラースキャナ装置14に原稿52が設置され、操作部11のスタートキー112が押下されると、カラースキャナ装置14に備えられるCPU141は、カラースキャナ装置14に原稿52の読取りを開始させる。
原稿52の読取が開始されると、CPU141は、操作部11のカラーモードキー111により指定されたカラーモードが、モノクロコピーモードであるか否かを判断する。この場合、指定されたカラーモードはフルカラーコピーモードであるので、モノクロコピーモードではないと判断され、CPU141は、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を第3のテーブルデータおよび第5のテーブルデータを用いて行うように制御する。CPU141によって特殊原稿判定動作が制御されると、特殊原稿判定部12は特殊原稿判定動作を開始し、上述した特殊原稿判定方法によって画像データ51が特殊原稿の画像データであるか否かを判定する。
そして、画像データ51が特殊原稿の画像データであると判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50であると判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、原稿が特殊原稿である可能性が高いことを通知する特殊原稿検知信号を送信し、特殊原稿検知信号を受信したCPU141は、カラースキャナ装置14による原稿の読取動作を停止させ、これに同期して画像処理部(ICU)13に特殊原稿検知コマンドを送信する。
一方、画像データ51が特殊原稿の画像データではないと判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50ではないと判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、特殊原稿検知信号を送信しない。
特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作が終了すると、画像処理部(ICU)13は特殊原稿検知コマンドを受信したか否かを判断する。そして、特殊原稿検知コマンドを受信したと判断した場合には、画像処理部(ICU)13に備えられるHDD131に記録される画像データ51を消去し、画像処理部(ICU)13によるすべての画像処理動作を停止させる。このとき、印字部15による印字動作が開始されている場合には、プリンタ制御部(PCU)16は、印字動作のみを停止して記録紙を白紙のまま出紙させる制御、記録紙の給紙をキャンセルさせる制御、画像データ51にノイズを付加した画像を印字させる制御のうちいずれかの制御を行う。
一方、特殊検知コマンドを受信していないと判断した場合には、画像処理部(ICU)13に記録された画像データ51を読出し、読出した画像データ51をカラーモノクロ判別部132に入力する。
カラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別する。この場合、操作部11のカラーモードキー111によりフルカラーコピーモードが指定されているので、画像データ51はカラー原稿の画像データであると判別され、画像処理部(ICU)13によりカラー原稿の画像データに応じた画像処理が施される。そして印字部15は、画像処理部(ICU)13により画像処理が施された画像データ51を記録紙に印字する。
(自動判定モードが指定されたときの動作)
次いで、オペレータによるカラーモードキー111の操作により、自動判定モードが指定されたときの画像形成装置20の動作について説明する。
画像形成装置20において、たとえばオペレータなどによりカラースキャナ装置14に原稿52が設置され、操作部11のスタートキー112が押下されると、カラースキャナ装置14に備えられるCPU141は、カラースキャナ装置14に原稿52の読取りを開始させる。
原稿52の読取が開始されると、CPU141は、操作部11のカラーモードキー111により指定されたカラーモードが、モノクロコピーモードであるか否かを判断する。この場合、指定されたカラーモードは自動判定モードであるので、モノクロコピーモードではないと判断され、CPU141は、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を第3のテーブルデータおよび第5のテーブルデータを用いて行うように制御する。CPU141によって特殊原稿判定動作が制御されると、特殊原稿判定部12は特殊原稿判定動作を開始し、上述した特殊原稿判定方法によって画像データ51が特殊原稿の画像データであるか否かを判定する。
そして、画像データ51が特殊原稿の画像データであると判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50であると判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、原稿が特殊原稿である可能性が高いことを通知する特殊原稿検知信号を送信し、特殊原稿検知信号を受信したCPU141は、カラースキャナ装置14による原稿52の読取動作を停止させ、これに同期して画像処理部(ICU)13に特殊原稿検知コマンドを送信する。
一方、画像データ51が特殊原稿の画像データではないと判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50ではないと判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、特殊原稿検知信号を送信しない。
特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作が終了すると、画像処理部(ICU)13は特殊原稿検知コマンドを受信したか否かを判断する。そして、特殊原稿検知コマンドを受信したと判断された場合には、画像処理部(ICU)13に備えられるHDD131に記録される画像データ51を消去し、画像処理部(ICU)13によるすべての画像処理動作を停止させる。このとき、印字部15による印字動作が開始されている場合には、プリンタ制御部(PCU)16は、印字動作のみを停止して記録紙を白紙のまま出紙させる制御、記録紙の給紙をキャンセルさせる制御、画像データ51にノイズを付加した画像を印字させる制御のうちいずれかの制御を行う。
一方、特殊検知コマンドを受信していないと判断された場合には、画像処理部(ICU)13に記録された画像データ51を読出し、読出した画像データ51をカラーモノクロ判別部132に入力する。
カラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別する。この場合、操作部11のカラーモードキー111により自動判定モードが指定されているので、カラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを自動的に判別する。そして、画像データ51はモノクロ原稿の画像データであると判別された場合には、画像処理部(ICU)13によりモノクロ原稿の画像データに応じた画像処理が施される。一方、画像データ51はカラー原稿の画像データであると判別された場合には、画像処理部(ICU)13によりカラー原稿の画像データに応じた画像処理が施される。そして印字部15は、画像処理部(ICU)13により画像処理が施された画像データ51を記録紙に印字する。
以下に、図9を用いて、本発明の第2の実施形態である画像形成装置20の動作手順の一例について説明する。図9は、本発明の第2の実施形態である画像形成装置20の動作手順の一例を示すフロー図である。
画像形成装置20において、オペレータが、カラースキャナ装置14に原稿を設置し、操作部11のスタートキー112を押下すると、ステップS30からステップS31に移行し、ステップS30からステップS44までの一連の画像形成動作が開始される。
ステップS31では、カラースキャナ装置14に備えられるCPU141は、カラースキャナ装置14に原稿52の読取りを開始させる。原稿52の読取が開始されると、ステップS32に移行する。
ステップS32では、CPU141は、操作部11のカラーモードキー111により指定されたカラーモードが、モノクロコピーモードであるか否かを判断する。そして、指定されたカラーモードがモノクロコピーモードであると判断された場合には、ステップS33に移行する。一方、指定されたカラーモードがフルカラーコピーモードまたは自動判定モードであって、モノクロコピーモードではないと判断された場合には、ステップS34に移行する。
ステップS33では、CPU141は、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を第4のテーブルデータおよび第6のテーブルデータを用いて行うように制御し、ステップS35に移行する。
ステップS34では、CPU141は、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を第3のテーブルデータおよび第5のテーブルデータを用いて行うように制御し、ステップS35に移行する。
ステップS35では、特殊原稿判定部12は、画像データ52が特殊原稿の画像データであるか否かを判定する。そして、画像データ52が特殊原稿の画像データであると判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50であると判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、原稿が特殊原稿である可能性があることを通知する特殊原稿検知信号を送信し、ステップS36に移行する。
一方、画像データ52が特殊原稿の画像データではないと判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50ではないと判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、特殊原稿検知信号を送信せず、ステップS37に移行する。
ステップS36では、CPU141は、カラースキャナ装置14による原稿52の読取動作を停止させ、これに同期して画像処理部(ICU)13に特殊原稿検知コマンドを送信し、ステップS37に移行する。
ステップS37では、画像処理部(ICU)13は特殊原稿検知コマンドを受信したか否かを判断する。そして、特殊原稿検知コマンドを受信したと判断した場合には、ステップS38に移行する。一方、特殊検知コマンドを受信していないと判断した場合には、ステップS39に移行する。
ステップS38では、画像処理部(ICU)13に備えられるHDD131に記録された画像データ51を消去し、画像処理部(ICU)13によるすべての画像処理動作および印字動作を停止させた後、ステップS44に移行し、画像形成動作を終了する。
ステップS39では、画像処理部(ICU)13に記録された画像データ51を読出し、読出した画像データ51をカラーモノクロ判別部132に入力し、ステップS40に移行する。
ステップS40では、カラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別する。すなわち、操作部11のカラーモードキー111によりカラーコピーモードが指定される場合にはカラー原稿の画像データであると判別し、モノクロコピーモードが指定される場合にはモノクロ原稿の画像データであると判別する。また、自動判定モードが指定される場合には、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを自動的に判別する。
そして、画像データ51がカラー原稿の画像データであると判別した場合には、ステップS41に移行する。一方、画像データ51がモノクロ原稿の画像データであると判別した場合には、ステップS42に移行する。
ステップS41では、画像処理部(ICU)13によりカラー原稿の画像データに応じた画像処理が施され、ステップS43に移行する。
ステップS42では、画像処理部(ICU)13によりモノクロ原稿の画像データに応じた画像処理が施され、ステップS43に移行する。
ステップS43では、印字部15は、画像処理部(ICU)13により画像処理が施された画像データ51を記録紙に印字した後、ステップS44に移行し、画像形成動作を終了する。
このように、本発明の第2の実施形態である画像形成装置20では、第1の実施形態である画像形成装置10と同一の構成を有することにより得られる第2の実施形態と同様の効果とともに、以下に示す効果を得ることができる。
画像形成装置20において、CPU141は、カラーモードキー111がモノクロコピーモードを指定したときには、特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作における判定精度を、カラーモードキー111がフルカラーコピーモードまたは自動判定モードを指定したときの判定精度よりも、特殊原稿の検出率が低くなるように制御する。このように、モノクロコピーモードが指定されたときには違法複写の可能性が低いので、特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作における判定精度を、特殊原稿の検出率が低くなるようにすることにより、その代わりに特殊原稿ではない原稿を特殊原稿として誤検知する可能性を低減することができる。
なお、本実施形態では、モノクロコピーモードが指定されたときには、特殊原稿判定動作で用いる設定値の閾値を高くする構成であったが、特にこれに限定されるものではなく、たとえば、特殊原稿の検出率がより高くなるようにするために再計算または再読み取りなどを行なう方法を用いる場合などには、モノクロコピーモードが指定されたときに、再計算または再読み取りを行なわないように制御することで特殊原稿の検出率が低くなる代わりに、上記効果を得るとともに、さらにパフォーマンスの低下を防ぐことができ、処理時間を短くすることができる。
(第3の実施形態)
以下に本発明の第3の実施形態である画像形成装置30について説明する。
本発明の第3の実施形態の画像形成装置30の構成において、第1の実施形態である画像形成装置10の構成と同一のものには同一の符号を付し、説明を省略する。
本発明の第3の実施形態の画像形成装置30において、第1の実施形態である画像形成装置10と異なる部分は、操作部11にファイリングキー114および特別機能キー115が設けられる部分である
図10は、本発明の第3の実施形態である画像形成装置30における操作部11の構成の一例を示す概略図である。図10に示すように、操作部11は、ファンクションキーとして、カラーモードキー111、スタートキー112、倍率指定キー113などとともに、カラーモードキー111によりモノクロコピーモードが指定されたときに、後述する画像処理部(ICU)13のHDD131に原稿52のカラー画像データを記録し保存させるカラー画像データ保存モードを指定するファイリングキー114を備える。また、特別機能キー115をタッチして、「お試しコピー」モードを設定しても、同様にカラー画像データ保存モードを指定できる。ファイリングキー114および特別機能キー115は、第2の指定手段に相当する。
画像形成装置10の操作部11は、上述のファイリングキー114および特別機能キー115を備えることにより、一度カラースキャナ装置14で読取ってモノクロコピーした原稿52を用いてカラーコピーするときに、HDD131に保存されるカラー画像データ51を読出して印字することができるため、再度カラースキャナ装置14で読取る手間を省くことができる。また、一回目の印字のときに、カラーモードキー111によりモノクロコピーモードが指定されていた場合であっても、2回目以降の印字のときにカラーコピーモードを指定することにより、一回目のモノクロコピーに用いたものと同じ原稿52の画像データ51をカラーコピーすることができる。
(モノクロコピーモードが指定されたときの動作)
以下に、オペレータによるカラーモードキー111の操作により、モノクロコピーモードが指定されたときの画像形成装置30の動作について説明する。なお、オペレータによるカラーモードキー111の操作により、フルカラーコピーモードまたは自動判定モードが指定されたときの画像形成装置30の動作は、第1の実施形態である画像形成装置10の動作と同じであるため、説明を省略する。
画像形成装置30において、たとえばオペレータなどによりカラースキャナ装置14に原稿52が設置され、操作部11のファイリングキー114または特別機能キー115によりカラー画像データ保存モードが指定され、操作部11のスタートキー112が押下されると、カラースキャナ装置14に備えられるCPU141は、カラースキャナ装置14に原稿52の読取りを開始させる。
原稿52の読取が開始されると、CPU141は、操作部11のカラーモードキー111により指定されたカラーモードが、モノクロコピーモードであるか否かを判断する。この場合、指定されたカラーモードはモノクロコピーモードであると判断され、CPU141は、操作部11のファイリングキー114または特別機能キー115の操作により、カラー画像データ保存モードが指定されたか否かを判断する。そして、カラー画像データ保存モードが指定されていないと判断された場合には、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を行わないように制御する。一方、カラー画像データ保存モードが指定されたと判断された場合には、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を行うように制御する。これにより、特殊原稿判定部12は特殊原稿判定動作を開始し、上述した特殊原稿判定方法によって画像データ51が特殊原稿の画像データであるか否かを判定する。
そして、画像データ51が特殊原稿の画像データであると判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50であると判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、原稿が特殊原稿である可能性が高いことを通知する特殊原稿検知信号を送信し、特殊原稿検知信号を受信したCPU141は、カラースキャナ装置14による原稿の読取動作を停止させ、これに同期して画像処理部(ICU)13に特殊原稿検知コマンドを送信する。
一方、画像データ51が特殊原稿の画像データではないと判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50ではないと判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、特殊原稿検知信号を送信しない。
特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作が終了すると、画像処理部(ICU)13は特殊原稿検知コマンドを受信したか否かを判断する。そして、特殊原稿検知コマンドを受信したと判断した場合には、画像処理部(ICU)13に備えられるHDD131に記録される画像データ51を消去し、画像処理部(ICU)13によるすべての画像処理動作を停止させる。このとき、印字部15による印字動作が開始されている場合には、プリンタ制御部(PCU)16は、印字動作のみを停止して記録紙を白紙のまま出紙させる制御、記録紙の給紙をキャンセルさせる制御、画像データ51にノイズを付加した画像を印字させる制御のうちいずれかの制御を行う。
一方、特殊原稿判定動作が行われておらず、特殊検知コマンドを受信していないと判断した場合には、画像処理部(ICU)13に記録された画像データ51を保存すると同時に読出し、読出した画像データ51をカラーモノクロ判別部132に入力する。
カラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別する。この場合、操作部11のカラーモードキー111によりモノクロコピーモードが指定されているので、画像データ51はモノクロ原稿の画像データであると判別され、画像処理部(ICU)13によりモノクロ原稿の画像データに応じた画像処理が施される。そして印字部15は、画像処理部(ICU)13により画像処理が施された画像データ51を記録紙に印字する。
以下に、図11を用いて、本発明の第3の実施形態である画像形成装置30の動作手順の一例について説明する。図11は、本発明の第3の実施形態である画像形成装置30の動作手順の一例を示すフロー図である。
画像形成装置30において、オペレータが、カラースキャナ装置14に原稿を設置し、操作部11のスタートキー112を押下すると、ステップS50からステップS51に移行し、ステップS50からステップS65までの一連の画像形成動作が開始される。
ステップS51では、カラースキャナ装置14に備えられるCPU141は、カラースキャナ装置14に原稿の読取りを開始させる。原稿の読取が開始されると、ステップS52に移行する。
ステップS52では、CPU141は、操作部11のカラーモードキー111により指定されたカラーモードが、モノクロコピーモードであるか否かを判断する。そして、指定されたカラーモードがモノクロコピーモードであると判断された場合には、ステップS53に移行する。一方、指定されたカラーモードがフルカラーコピーモードまたは自動判定モードであって、モノクロコピーモードではないと判断された場合には、ステップS54に移行する。
ステップS53では、CPU141は、操作部11のファイリングキー114または特別機能キー115の操作により、カラー画像データ保存モードが指定されたか否かを判断する。そして、カラー画像データ保存モードが指定されていないと判断された場合には、ステップS55に移行する。一方、カラー画像データ保存モードが指定されたと判断された場合には、ステップS54に移行する。
ステップS54では、CPU141は、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を行うように制御し、ステップS56に移行する。
ステップS55では、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を行わないように制御し、ステップS58に移行する。
ステップS56では、特殊原稿判定部12は、画像データ52が特殊原稿の画像データであるか否かを判定する。そして、画像データ52が特殊原稿の画像データであると判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50であると判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、原稿が特殊原稿である可能性があることを通知する特殊原稿検知信号を送信し、ステップS57に移行する。
一方、画像データ52が特殊原稿の画像データではないと判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50ではないと判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、特殊原稿検知信号を送信せず、ステップS58に移行する。
ステップS57では、CPU141は、カラースキャナ装置14による原稿52の読取動作を停止させ、これに同期して画像処理部(ICU)13に特殊原稿検知コマンドを送信し、ステップS58に移行する。
ステップS58では、画像処理部(ICU)13は特殊原稿検知コマンドを受信したか否かを判断する。そして、特殊原稿検知コマンドを受信したと判断した場合には、ステップS59に移行する。一方、特殊検知コマンドを受信していないと判断した場合には、ステップS60に移行する。
ステップS59では、画像処理部(ICU)13に備えられるHDD131に記録された画像データ51を消去し、画像処理部(ICU)13によるすべての画像処理動作および印字動作を停止させた後、ステップS65に移行し、画像形成動作を終了する。
ステップS60では、画像処理部(ICU)13に記録された画像データ51を保存すると同時に読出し、読出した画像データ51をカラーモノクロ判別部132に入力し、ステップS61に移行する。
ステップS61では、カラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別する。すなわち、操作部11のカラーモードキー111によりカラーコピーモードが指定される場合にはカラー原稿の画像データであると判別し、モノクロコピーモードが指定される場合にはモノクロ原稿の画像データであると判別する。また、自動判定モードが指定される場合には、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを自動的に判別する。
そして、画像データ51がカラー原稿の画像データであると判別した場合には、ステップS62に移行する。一方、画像データ51がモノクロ原稿の画像データであると判別した場合には、ステップS63に移行する。
ステップS62では、画像処理部(ICU)13によりカラー原稿の画像データに応じた画像処理が施され、ステップS64に移行する。
ステップS63では、画像処理部(ICU)13によりモノクロ原稿の画像データに応じた画像処理が施され、ステップS64に移行する。
ステップS64では、印字部15は、画像処理部(ICU)13により画像処理が施された画像データ51を記録紙に印字した後、ステップS65に移行し、画像形成動作を終了する。
このように、本発明の第3の実施形態である画像形成装置30は、第1の実施形態である画像形成装置10と同一の構成を有することにより得られる第1の実施形態と同様の効果とともに、以下に示す効果を得ることができる。すなわち、画像形成装置30は、カラーモードキー111によりモノクロコピーモードが指定されたときに、入力された画像データをカラー画像データとして保存するカラー画像データ保存モードを指定するファイリングキー114および特別機能キー115を備え、CPU141は、カラーモードキー111がモノクロコピーモードを指定したときであって、かつファイリングキー114または特別機能キー115がカラー画像データ保存モードを指定したときに、特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作を行うように制御する。これにより、保存されるカラー画像データの2次利用による違法複写を防止することができ、より確実に違法複写を防止することができる。
(第4の実施形態)
以下に本発明の第4の実施形態である画像形成装置40について説明する。
本発明の第4の実施形態の画像形成装置40の構成において、第1の実施形態である画像形成装置10の構成と同一のものには同一の符号を付し、説明を省略する。
本発明の第4の実施形態の画像形成装置40において、第1の実施形態である画像形成装置10と異なる部分は、操作部11にファイリングキー114および特別機能キー115が設けられる部分と、特殊原稿判定部12の記憶部124に記憶されるテーブルデータの部分である。
操作部11は、ファンクションキーとして、カラーモードキー111、スタートキー112、倍率指定キー113などとともに、ファイリングキー114および特別機能キー115を備える。ファイリングキー114および特別機能キー115の構成については、第3の実施形態である画像形成装置30のものと同一である。
また記憶部124は、前処理部121によって情報量が少なくなるように変換された画像データ51、目標画像部50、特定画像部分53、テンプレート54、判定ウインドウ55、第3のテーブルデータ、第4のテーブルデータ、第5のテーブルデータおよび第6のテーブルデータを記憶する。第3のテーブルデータ、第4のテーブルデータ、第5のテーブルデータおよび第6のテーブルデータについては、第2の実施形態である画像形成装置20の記憶部124に記憶されるもの同一である。
(モノクロコピーモードが指定されたときの動作)
以下に、オペレータによるカラーモードキー111の操作により、モノクロコピーモードが指定されたときの画像形成装置40の動作について説明する。なお、オペレータによるカラーモードキー111の操作により、フルカラーコピーモードまたは自動判定モードが指定されたときの画像形成装置40の動作は、第2の実施形態である画像形成装置20の動作と同じであるため、説明を省略する。
画像形成装置40において、たとえばオペレータなどによりカラースキャナ装置14に原稿52が設置され、操作部11のファイリングキー114または特別機能キー115によりカラー画像データ保存モードが指定され、操作部11のスタートキー112が押下されると、カラースキャナ装置14に備えられるCPU141は、カラースキャナ装置14に原稿52の読取りを開始させる。
原稿52の読取が開始されると、CPU141は、操作部11のカラーモードキー111により指定されたカラーモードが、モノクロコピーモードであるか否かを判断する。この場合、指定されたカラーモードはモノクロコピーモードであると判断され、CPU141は、操作部11のファイリングキー114または特別機能キー115の操作により、カラー画像データ保存モードが指定されたか否かを判断する。そして、カラー画像データ保存モードが指定されていないと判断された場合には、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を、第4のテーブルデータおよび第6のテーブルデータを用いて行うように制御する。一方、カラー画像データ保存モードが指定されていると判断された場合には、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を、第3のテーブルデータおよび第5のテーブルデータを用いて行うように制御する。
CPU141によって特殊原稿判定動作が制御されると、特殊原稿判定部12は特殊原稿判定動作を開始し、上述した特殊原稿判定方法によって画像データ51が特殊原稿の画像データであるか否かを判定する。
そして、画像データ51が特殊原稿の画像データであると判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50であると判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、原稿が特殊原稿である可能性が高いことを通知する特殊原稿検知信号を送信し、特殊原稿検知信号を受信したCPU141は、カラースキャナ装置14による原稿の読取動作を停止させ、これに同期して画像処理部(ICU)13に特殊原稿検知コマンドを送信する。
一方、画像データ51が特殊原稿の画像データではないと判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50ではないと判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、特殊原稿検知信号を送信しない。
特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作が終了すると、画像処理部(ICU)13は特殊原稿検知コマンドを受信したか否かを判断する。そして、特殊原稿検知コマンドを受信したと判断した場合には、画像処理部(ICU)13に備えられるHDD131に記録される画像データ51を消去し、画像処理部(ICU)13によるすべての画像処理動作を停止させる。このとき、印字部15による印字動作が開始されている場合には、プリンタ制御部(PCU)16は、印字動作のみを停止して記録紙を白紙のまま出紙させる制御、記録紙の給紙をキャンセルさせる制御、画像データ51にノイズを付加した画像を印字させる制御のうちいずれかの制御を行う。
一方、特殊検知コマンドを受信していないと判断した場合には、画像処理部(ICU)13に記録された画像データ51を保存すると同時に読出し、読出した画像データ51をカラーモノクロ判別部132に入力する。
カラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別する。この場合、操作部11のカラーモードキー111によりモノクロコピーモードが指定されているので、画像データ51はモノクロ原稿の画像データであると判別され、画像処理部(ICU)13によりモノクロ原稿の画像データに応じた画像処理が施される。そして印字部15は、画像処理部(ICU)13により画像処理が施された画像データ51を記録紙に印字する。
以下に、図12を用いて、本発明の第4の実施形態である画像形成装置40の動作手順の一例について説明する。図12は、本発明の第4の実施形態である画像形成装置40の動作手順の一例を示すフロー図である。
画像形成装置40において、オペレータが、カラースキャナ装置14に原稿を設置し、操作部11のスタートキー112を押下すると、ステップS70からステップS71に移行し、ステップS70からステップS85までの一連の画像形成動作が開始される。
ステップS71では、カラースキャナ装置14に備えられるCPU141は、カラースキャナ装置14に原稿52の読取りを開始させる。原稿52の読取が開始されると、ステップS72に移行する。
ステップS72では、CPU141は、操作部11のカラーモードキー111により指定されたカラーモードが、モノクロコピーモードであるか否かを判断する。そして、指定されたカラーモードがモノクロコピーモードであると判断された場合には、ステップS73に移行する。一方、指定されたカラーモードがフルカラーコピーモードまたは自動判定モードであって、モノクロコピーモードではないと判断された場合には、ステップS75に移行する。
ステップS73では、CPU141は、操作部11のファイリングキー114または特別機能キー115の操作により、カラー画像データ保存モードが指定されたか否かを判断する。そして、カラー画像データ保存モードが指定されていないと判断された場合には、ステップS74に移行する。一方、カラー画像データ保存モードが指定されたと判断された場合には、ステップS75に移行する。
ステップS74では、CPU141は、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を第4のテーブルデータおよび第6のテーブルデータを用いて行うように制御し、ステップS76に移行する。
ステップS75では、CPU141は、特殊原稿判定部12が特殊原稿判定動作を第3のテーブルデータおよび第5のテーブルデータを用いて行うように制御し、ステップS76に移行する。
このように、前述のように、第3のテーブルデータおよび第5のテーブルデータを用いて特殊原稿判定動作を行うことにより、特殊原稿の判定精度、すなわち特殊原稿の検出率が高くなる。また第4のテーブルデータおよび第6のテーブルデータを用いて特殊原稿判定動作を行うことにより、特殊原稿の判定精度、すなわち特殊原稿の検出率は低下するが、その代わりに、特殊原稿ではない原稿を特殊原稿として誤検知する可能性を低減することができる。
ステップS76では、特殊原稿判定部12は、画像データ52が特殊原稿の画像データであるか否かを判定する。そして、画像データ52が特殊原稿の画像データであると判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50であると判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、原稿が特殊原稿である可能性があることを通知する特殊原稿検知信号を送信し、ステップS77に移行する。
一方、画像データ52が特殊原稿の画像データではないと判定された場合、すなわち画像データ51の目標画像部候補56が目標画像部50ではないと判定された場合には、特殊原稿判定部12はCPU141に、特殊原稿検知信号を送信せず、ステップS78に移行する。
ステップS77では、CPU141は、カラースキャナ装置14による原稿52の読取動作を停止させ、これに同期して画像処理部(ICU)13に特殊原稿検知コマンドを送信し、ステップS78に移行する。
ステップS78では、画像処理部(ICU)13は特殊原稿検知コマンドを受信したか否かを判断する。そして、特殊原稿検知コマンドを受信したと判断した場合には、ステップS79に移行する。一方、特殊原稿検知コマンドを受信していないと判断した場合には、ステップS80に移行する。
ステップS79では、画像処理部(ICU)13に備えられるHDD131に記録された画像データ51を消去し、画像処理部(ICU)13によるすべての画像処理動作および印字動作を停止させた後、ステップS85に移行し、画像形成動作を終了する。
ステップS80では、画像処理部(ICU)13に記録された画像データ51を保存すると同時に読出し、読出した画像データ51をカラーモノクロ判別部132に入力し、ステップS81に移行する。
ステップS81では、カラーモノクロ判別部132は、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判別する。すなわち、操作部11のカラーモードキー111によりカラーコピーモードが指定される場合にはカラー原稿の画像データであると判別し、モノクロコピーモードが指定される場合にはモノクロ原稿の画像データであると判別する。また、自動判定モードが指定される場合には、画像データ51がカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを自動的に判別する。
そして、画像データ51がカラー原稿の画像データであると判別した場合には、ステップS82に移行する。一方、画像データ51がモノクロ原稿の画像データであると判別した場合には、ステップS83に移行する。
ステップS82では、画像処理部(ICU)13によりカラー原稿の画像データに応じた画像処理が施され、ステップS84に移行する。
ステップS83では、画像処理部(ICU)13によりモノクロ原稿の画像データに応じた画像処理が施され、ステップS84に移行する。
ステップS84では、印字部15は、画像処理部(ICU)13により画像処理が施された画像データ51を記録紙に印字した後、ステップS85に移行し、画像形成動作を終了する。
このように、本発明の第4の実施形態である画像形成装置40は、第2の実施形態である画像形成装置20と同一の構成を有することにより得られる第2の実施形態と同様の効果とともに、以下に示す効果を得ることができる。すなわち、画像形成装置40は、カラーモードキー111によりモノクロコピーモードが指定されたときに、入力された画像データをカラー画像データとして保存するカラー画像データ保存モードを指定するファイリングキー114および特別機能キー115を備え、CPU141は、カラーモードキー111がモノクロコピーモードを指定したときであって、かつファイリングキー114または特別機能キー115がカラー画像データ保存モードを指定したときに、特殊原稿判定部12による特殊原稿判定動作の判定精度を、カラーモードキー111がモノクロコピーモードを指定したときであって、かつファイリングキー114または特別機能キー115がカラー画像データ保存モードを指定しないときの判定精度よりも、特殊原稿の検出率が高くなるように制御する。これにより、保存されるカラー画像データの2次利用による違法複写を防止することができ、より確実に違法複写を防止することができる。
なお、本発明の画像形成装置において、特殊原稿判別方法は上記構成に限定されるものではなく、公知のパターンマッチング法を用いるものであってもよい。