以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の超音波内視鏡システムの構成を示す概略構成図である。図2,図3は、図1の超音波内視鏡システムに用いられる超音波内視鏡のコネクタ部近傍を拡大して示す側面図である。このうち、図2は、当該超音波内視鏡のコネクタ部に設けられる二つのコネクタ(超音波コネクタ及びビデオコネクタ)とこれに接続される二本の接続ケーブル(超音波ケーブル及びビデオケーブル)の一端の接続部とを示している。図3は、当該超音波内視鏡のコネクタ部の二つのコネクタ(超音波コネクタ及びビデオコネクタ)のそれぞれに二本の接続ケーブル(超音波ケーブル及びビデオケーブル)の一端の各接続部が接続されている状態を示している。図4は、本実施形態の超音波内視鏡システムに用いられる超音波内視鏡のコネクタ部を図2の矢印[IV]方向から見た際の正面図である。図5は、本実施形態の超音波内視鏡システムに用いられる超音波ケーブルの接続部を図2の矢印[V]方向から見た際の正面図である。図6は、本実施形態の超音波内視鏡システムに用いられる超音波ケーブルの接続部と超音波内視鏡のコネクタ部とが接続される部位を拡大して示す図であって、図2の[VI]−[VI]線に沿う断面図である。図7は、本実施形態の超音波内視鏡システムに用いられる超音波ケーブルの接続部を拡大して示す斜視図である。図8は、本実施形態の超音波内視鏡システムに用いられる超音波内視鏡のコネクタ部の一方のコネクタ(超音波コネクタ)のみを取り出して拡大して示す斜視図である。図9は、図8の超音波コネクタの一部を構成するコネクタユニットを取り出して示す斜視図である。図10は、図9のX−X線に沿う断面図である。図11は、図4の[11]−[11]線に沿う断面のうち超音波コネクタ側のみを断面で示す要部拡大断面図である。図12は、図11の[12]方向から見た際の超音波コネクタ基板を示す正面図である。図13は、図11のコネクタ部を[13]方向から見た際の平面図である。図14は、図11の[14]−[14]に沿う断面図である。図15は、本実施形態の超音波内視鏡システムにおける超音波内視鏡のコネクタ部に設けられる二つのコネクタと、これに対して装着される防水キャップの外観を示す斜視図である。
図1に示すように本実施形態の超音波内視鏡システム1は、撮像素子及び超音波振動子(後述する。特に図示せず)を備え体腔壁表面を光学的に観察し得る内視鏡機能と体腔壁より内部の断層像(超音波断層像)を観測し得る超音波内視鏡機能とを備えた超音波内視鏡2と、この超音波内視鏡2に対して照明光を供給する光源装置9と、超音波内視鏡2の超音波振動子を駆動制御し同超音波振動子から伝送される電気信号を受けて各種の信号処理を行ない超音波断層像用の映像信号を生成する第2の画像処理手段であり超音波画像処理装置である超音波観測装置4と、この超音波観測装置4と超音波内視鏡2との間を電気的に接続する接続ケーブルである超音波ケーブル15と、当該超音波内視鏡2の撮像素子を駆動制御し同撮像素子から伝送される撮像信号を受けて各種の信号処理を行ない内視鏡観察画像用の映像信号を生成する第1の画像処理手段である内視鏡観察装置3と、この内視鏡観察装置3と超音波内視鏡2との間を電気的に接続する接続ケーブルであるビデオケーブル21と、超音波観測装置4及び内視鏡観察装置3で生成された各映像信号を受けて各対応する観察用画像を表示するモニター装置5等によって主に構成されている。
超音波内視鏡2は、体腔内に挿入される細長の挿入部11と、この挿入部11の基端側に連設され当該挿入部11を操作するための操作部12と、この操作部12の側部から延出するコネクタケーブル13とによって主に構成されている。
挿入部11は、先端側から順に硬質部材で形成される先端硬質部6と、この先端硬質部6の基端側に連設され湾曲自在に構成される湾曲部7と、この湾曲部7の基端側に連設されかつ操作部12の先端側に連設され細径でかつ長尺に可撓性を有して形成される可撓管部8とによって構成されている。
先端硬質部6の先端側には、超音波を送受する超音波振動子を複数配列して超音波走査面を形成して得られ超音波断層像の生成に寄与する超音波信号を取得する超音波観測ユニット30と、観察光学系部材や照明光学系部材や撮像素子等からなり光学像による内視鏡画像の整斉に寄与する撮像信号を取得する内視鏡観察ユニット20とが設けられている。
また、挿入部11の基端部近傍には、当該超音波内視鏡2を使用する際に患者の口腔に配置されるマウスピース11aが設けられている。
操作部12は、挿入部11の湾曲部7を上下左右に自在に湾曲操作する操作部材であるアングルノブ16と、送気及び送水操作を行なうための送気送水ボタン17aと、吸引操作を行なうための吸引ボタン17bと、モニター装置5の表示切り換えをおこなったり表示画像のフリーズ指示やレリーズ指示等を行なう複数の操作部材19等、当該超音波内視鏡2の各種の操作を行なう操作部材等を具備して構成されている。また、操作部12には、当該超音波内視鏡2を使用する際に、挿入部11を挿通させて体腔内へと導入する処置具等の挿入口となる処置具挿入口18が設けられている。
コネクタケーブル13は、上述したように操作部12の側部から延出するように配設されており、その内部には電気信号等を伝達する各種複数の信号線等や照明光用の光ファイバーケーブル等が挿通されてなるケーブルである。このコネクタケーブル13の先端部には、光源装置9,超音波観測装置4,内視鏡観察装置3の各装置間の接続をそれぞれ確保するためのコネクタ部14が配設されている。
コネクタ部14の先端部には、光源装置9に接続される照明用コネクタ14aが配設されている。また、コネクタ部14の側部には、超音波ケーブル15の一端に配設される接続部15aを着脱自在に接続し得る超音波コネクタ接続部となる超音波コネクタ14cと、ビデオケーブル21の一端に配設されるビデオコネクタ接続部となる接続部21aを着脱自在に接続し得るビデオコネクタ14bとの二つのコネクタが一体に形成されている。これら二つのコネクタ14c,14bは、コネクタケーブル13のコネクタ部14の軸方向に沿う方向(長手方向)に互いが隣り合うように並べて配置されると共に、超音波コネクタ14cの開口14ccとビデオコネクタ14bの開口14bbとのそれぞれは、略同方向を向くように形成されている。
超音波コネクタ14cは、その外観形状が中空の筒形状からなっている。そして、当該超音波コネクタ14cに対して超音波ケーブル15の接続部15aが着脱自在に接続されるようになっている。
超音波コネクタ14cは、上述したようにコネクタ部14に設けられ、超音波観測ユニット30の超音波振動子からの信号を出力し得るように構成されている。即ち、この超音波コネクタ14cの内部には、図4に示すように超音波内視鏡2の超音波観測ユニット30の超音波振動子(特に図示せず)を駆動制御する信号線や同超音波振動子からの超音波信号(エコー信号)等の電気信号を伝送する複数の信号線(後述する。図6の符号71等参照)に接続される複数のコンタクト用の導電性のピン状端子(図4では図示せず。図6に示す符号74参照)を所定の位置に配列して固設する絶縁部材等により形成される雄型コネクタユニット73が配設されている。この雄型コネクタユニット73には複数の孔部73gが形成されていて、この孔部73gの内部に上記ピン状端子74が配置されている。
なお、図示は省略しているが、超音波振動子から延出される複数の信号線71は、挿入部11及びコネクタケーブル13内を挿通してコネクタ部14にまで到達している。挿入部11及びコネクタケーブル13内には、ウレタン樹脂等によって形成されるガイドチューブが設けられており、上述の複数の信号線71は、このガイドチューブ内を挿通している。これにより、超音波振動子を含む超音波観測ユニット30の交換作業が容易に行ない得るようになっている。したがって、この構造により当該超音波内視鏡システム1の保守性の向上に寄与している。
また、上述のピン状端子74の配列においては、図10に示すように、例えばマトリックス状に配列される複数のピン状端子74のうち両側辺の各一列に配置されるピン状端子(図10では特に符号74aで示す)に接続される信号線71を接地(GRD)ラインとし、この接地(GRD)ラインの接続されるピン状端子74aよりも内側の複数のピン状端子74に接続される信号線71を超音波信号を伝送する信号ラインとしている。この場合において、接地(GRD)ラインに接続されるピン状端子74aは、図10に示すように信号ラインに接続される他のピン状端子74よりも先端側に向けて長くなるように設定している。
この構成によれば、超音波ケーブル15の接続部15aを超音波コネクタ14cに接続する際には、まず接地(GRD)ラインが接続された後に、複数の信号ラインの接続が確保されることになる。また、逆に接続部15aを超音波コネクタ14cから抜去擦る際には、複数の信号ラインの接続が断たれた後にも、接地(GRD)ラインが接続している。そして、接続部15aと超音波コネクタ14cとの電気的な接続が完全に断たれる直前まで、接地(GRD)ラインの接続が確保されてるようになっている。
これによって、接続部15aと超音波コネクタ14cとの着脱時においては、接地状態を確保しつつ、その着脱操作が行なわれることになるので、超音波内視鏡2や超音波観測装置4が電気的に破壊されてしまうことを防止できる。
また、雄型コネクタユニット73の外周側には、当該超音波コネクタ14cに対して超音波ケーブル15の接続部15aを接続する際の接続方向に沿ってガイド突起部73fが、各辺(四辺)のそれぞれに形成されている。
この四つのガイド突起部73fは、当該超音波コネクタ14cに対して超音波ケーブル15の接続部15aを接続する際に、当該超音波コネクタ14cに対する接続部15aの位置決めと嵌合方向とを規制するためのガイド部となっている。
そのために、四つのガイド突起部73fのうちの一つは、他の三つのガイド突起部73fとは異なる形状、例えば幅広形状に形成されている。この四つのガイド突起部73fの形状に合わせて、超音波ケーブル15の接続部15aの側の嵌合溝部(特に図示せず)の形状が形成されている。
なお、この超音波コネクタ14cの内部構成についてのさらなる詳細は後述する。
このような構成により、超音波コネクタ14cに対して接続部15aを接続する場合には、超音波コネクタ14c側の一つだけ異なる形状の例えば幅広形状のガイド突起部73fと接続部15a側の同形状のガイド溝とが嵌合したときのみ、超音波コネクタ14cに対して接続部15aが正規の状態での接続が確保されるようになっている。つまり、ガイド突起部73fとこれに対応するガイド溝とによって接続ケーブル15(の接続部15a)の超音波コネクタ14cに対する接続方向の規制がなされている。これと同時に、四つのガイド突起部73fがそれぞれ対応するガイド溝に嵌合することで、超音波コネクタ14cに対する接続部15aの接続状態における位置が規定されるようになっている。
ビデオコネクタ14bは、上述の超音波コネクタ14cと外側形状(図2参照)が同形状でかつ外径寸法(図2及び図4に示す符号G1,G2参照)が同寸法(G1=G2)となるように形成されている。そして、ビデオコネクタ14bに対してビデオケーブル21の接続部21aが着脱自在に接続されるようになっている。
この超音波コネクタ14cに対して超音波ケーブル15の接続部15aを接続する際の接続手順と、ビデオコネクタ14bに対してビデオケーブル21の接続部21aを接続する際の接続手順とは、まったく同じ手順となるように構成されている。
ビデオコネクタ14bは、上述したようにコネクタ部14に設けられ、内視鏡観察ユニット20の撮像素子からの信号を出力し得るように構成されている。即ち、このビデオコネクタ14bの内部には、図4に示すように超音波内視鏡2の内視鏡観察ユニット20の撮像素子(特に図示せず)を駆動制御する信号線や同撮像素子からの電気信号を伝送する信号線に接続される複数の端子(図示せず)を所定の位置に配置して固設する絶縁部材により形成されるコネクタ部材22が配設されている。
このコネクタ部材22には複数の孔部22aが形成されていて、この孔部22aの内部に上記複数の端子が配置されている。また、コネクタ部材22には、当該ビデオコネクタ14bに対してビデオケーブル21の接続部21aを接続する際に、当該接続部21aの位置決めをするための位置決め用孔22bが所定の位置(略中央部分)に形成されている。さらに、コネクタ部材22には、当該超音波内視鏡2のコネクタ部14の内部と外部とを連通させる通気孔22cが形成されている。
一方、図1に示すように、超音波ケーブル15の他端には接続部15bが設けられている。この接続部15bは、超音波観測装置4の接続コネクタ4aに着脱自在となるように形成されている。これと同様に、ビデオケーブル21の他端には接続部21bが設けられている。この接続部21bは、内視鏡観察装置3の接続コネクタ3aに着脱自在となるように形成されている。
つまり、超音波ケーブル15及びビデオケーブル21は、超音波内視鏡2とは別体に構成されていて、それぞれの一端(15a,21a)が超音波内視鏡2のコネクタ部14の二つのコネクタ14c,14bに対して着脱自在となっている。また、両ケーブル(15,21)の他端側には、超音波観測装置4及び内視鏡観察装置3のそれぞれの接続コネクタ4a,3aに各対応した形状でそれぞれに対して着脱自在となるように形成された接続部(15b,21b)が設けられている。
換言すれば、超音波内視鏡2(のコネクタ部14の二つのコネクタ14c,14b)は、二本の接続ケーブル(超音波ケーブル15及びビデオケーブル21)を介して超音波観測装置4及び内視鏡観察装置3のそれぞれとの間で電気的な接続を確保し得るようになっており、かつ必要に応じて互いを切り離すことができるようになっている。
なお、超音波コネクタ14cとビデオコネクタ14bとは、上述したように外側形状が同形状でかつ外径が同寸法(G1=G2)となるように形成されている。
このことから、二本の接続ケーブル(超音波ケーブル15及びビデオケーブル21)の各接続部15a,21aを両コネクタ14c,14bに接続する場合においては、誤った組み合わせで接続されてしまうことが考えられる。
例えば超音波コネクタ14cに対してビデオケーブル21の接続部21aを接続したり、ビデオコネクタ14bに対して超音波ケーブル15の接続部15aを接続したりする等の誤操作が生じてしまうことが考えられる。
そこで、本実施形態においては、二つのコネクタ14c,14bのそれぞれに対して、接続されるべき接続ケーブルの接続部以外が接続されることのないような工夫が施されている。
即ち、本実施形態における超音波内視鏡2では、超音波コネクタ14cとビデオコネクタ14bとは、上述したように外側形状が同形状でかつ外径が同寸法となるように形成されている。
その一方で、超音波コネクタ14cとビデオコネクタ14bとの内側形状は、それぞれの内径(図4に示す符号H1,H2)が異なる寸法(本実施形態ではH1>H2)となるように形成されている。つまり、各コネクタ14c,14bの内径寸法は、これに接続される二本の接続ケーブル15,21の各接続部15a,21aに対応させて設定されている。
したがって、二本の接続ケーブル15,21の接続部15a,21aを二つのコネクタ14c,14bに接続する際には、両者が対応する組み合わせでのみ接続し得るようになっており、異なる組み合わせで接続しようとしても不可能となっている。
これにより、例えば超音波ケーブル15をビデオコネクタ14bに接続したり、ビデオケーブル21を超音波コネクタ14cに接続してしまうような誤操作を防ぐことができるので、超音波内視鏡2のコネクタ部14に対して二本の接続ケーブルを接続する際には、常に正しい接続が行われるように構成されている。
以上のような構成により、超音波内視鏡2のコネクタ部14の超音波コネクタ14cに対しては、超音波ケーブル15の一端の接続部15aを、図2に示す矢印C方向に向けて接続操作をすることで、図3に示すように超音波コネクタ14cと接続部15aとを接続状態にすることができる。
これと同様に、超音波内視鏡2のコネクタ部14のビデオコネクタ14bに対しては、ビデオケーブル21の一端の接続部21aを、図2に示す矢印C方向に向けて接続操作をすることで、図3に示すようにビデオコネクタ14bと接続部21aとを接続状態にすることができる。
本実施形態においては、図1〜図3等に示すように、コネクタ部14において操作部12寄りの位置に超音波コネクタ14cを配置し、同コネクタ部14の先端側にビデオコネクタ14bを配置している。
そして、両ケーブル15,21がそれぞれ対応する二つのコネクタ14c,14bに装着された状態では、図3に示すようにコネクタ部14の側面から略直交する方向に接続部15a,21aが突出した状態となるように、超音波コネクタ14c及びビデオコネクタ14bが開口している。
なお、二本の接続ケーブル15,21のそれぞれ他端に設けられる接続部15b,21bと、これに対応する超音波観測装置4の接続コネクタ4a及び内視鏡観察装置3の接続コネクタ3aのそれぞれの内部構造については、上述の二本の接続ケーブル15,21の一端の接続部15a,21aと、これに対応する超音波コネクタ14c及びビデオコネクタ14bの構造と同様の構成としてもよい。また、各接続ケーブル15,21の一端側の接続部15a,21aとは異なる構造のものを、他端側の接続部15b,21bとして用いてもよい。
例えば、超音波観測装置については、その超音波内視鏡システムに専用のものが常に用いられるわけではなく、異なる製造者による超音波観測装置が接続されて使用される場合もある。このような場合には、それらの超音波観測装置に適用されているような形態の接続部を適用すればよい。
このことから、本実施形態の超音波内視鏡システム1においては、超音波内視鏡2と超音波観測装置4及び内視鏡観察装置3との間をそれぞれ接続する二本の接続ケーブル15,21は、コネクタ部14において着脱自在に構成し、必要に応じて超音波内視鏡2と各装置4,3との間を接続状態または切り離し状態とすることができる。したがって、これにより、例えば超音波内視鏡システム1において超音波内視鏡2のみを異なる種類のものに交換したり、買い替えたりするような場合にも、適宜、接続ケーブル15,21の各接続部15a,15b,21a,21bのそれぞれを各対応するものに変更すれば、異なる種類の超音波内視鏡でも、新規に購入した超音波内視鏡の場合にも、従来から用いているその他の各装置4,3を引き続き使用することができることになる。また、それとは逆に、超音波観測装置4や内視鏡観察装置3を新規に購入したり、異なる種類の各装置4,3を利用するといった場合にも、接続ケーブル15,21の各接続部が対応するものを用意することで、従来から用いている複数種類の超音波内視鏡を適宜交換して利用することが可能となる。
具体的には、例えば従来から使用している第1の超音波画像処理装置である超音波観測装置4と、この第1の超音波画像処理装置とは異なる性能もしくは形式等を備えた第2の超音波画像処理装置(第2の超音波観測装置。例えば新規に購入したものでもよく、従来からあるものでもよい)とがある場合において、超音波内視鏡の超音波コネクタに対して接続可能な第1の接続部を一端側に有し、他端側に第1の超音波画像処理装置に接続可能な第2の接続部を有する第1の超音波ケーブルと、同じ超音波内視鏡の超音波コネクタに対して接続可能な第3の接続部を一端側に有し、他端側に第2の超音波画像処理装置に接続可能な第4の接続部とを有する第2の超音波ケーブルとを用意する。
この場合において、第1の超音波ケーブルの第1の接続部と、第2の超音波ケーブルの第3の接続部とを同様の形態で構成することによって、第1の超音波ケーブルに代えて前記第2の超音波ケーブルを超音波コネクタに装着して使用することができ、かつ同じ超音波内視鏡を、第1の超音波画像処理装置と第2の超音波画像処理装置とで同様に利用することができるようになる。
そして、超音波観測装置4及び内視鏡観察装置3は、モニター装置5に対して所定の接続ケーブル等によって電気的に接続されている。
次に、超音波ケーブル15の接続部15aと、この接続部15aが接続されるコネクタ部14の超音波コネクタ14cとのそれぞれの構成について、主に図4〜図8を用いて以下に詳述する。
なお、超音波ケーブル15の接続部15aについての説明において、接続部15aと超音波コネクタ14cとが接続した状態にあるときの超音波コネクタ14c寄りの側を先端側といい、この先端側とは逆側のケーブル15寄りの側を基端側というものとする。
まず、超音波ケーブル15の一端に設けられ、雌型コネクタを構成する接続部15aの構成について説明する。
図6に示すように、接続部15a内では、接続ケーブル15内の複数の接続線51が、それぞれ雌型コネクタベース部材52を介して雌型コネクタ部材53内に設けられた複数の導電性の接触部材であるコンタクト片54に電気的に接続されている。合成樹脂等の絶縁材料からなる雌型コネクタ部材53は、雌型コネクタベース部材52に固着されている。雌型コネクタ部材53は略直方体形状をしており、図7に示すように先端面部には、マトリックス状に複数の孔53aが形成されている。その複数の孔53a内のそれぞれには、上述したようにコンタクト片54(図6参照)が配設されている。
雌型コネクタベース部材52と雌型コネクタ部材53は、図6に示すようにステンレス等の金属製のハウジング部材55内に挿入されて固定されている。ハウジング部材55は、外径が大径で貫通孔を有する環形状部(ケーブル15側)と、この環形状部より外径がやや小径で貫通孔の略筒形状部(接続部15aの開口側)とが一体に連設された形態からなり、両者に形成される貫通孔は挿通している。そして、環形状部の貫通孔は、略筒形状部の貫通孔に比べて小径に形成されている。また、略筒形状部においては、当該接続部15aの接続操作方向(図6に示す矢印X方向)に沿う軸線と直交する面の断面形状が、外周側は略円形状に、内周側は略矩形状に形成されている。これにより略筒形状部の内部は、図6の矢印X方向に沿う軸線を含む断面が凹状に形成されている。
このハウジング部材55の内周側の矩形断面の凹状部内において、環形状部寄りの部位に雌型コネクタベース部材52が固設され、この雌型コネクタベース部材52に対して直方体形状からなる雌型コネクタ部材53が固着されている。
そして、ハウジング部材55の外周面上には、ノイズ対策用のフィンガー55cが設けられている。
ハウジング部材55の内周面の各辺のそれぞれには、図6,図7に示すように先端側から基端側に向けて軸方向(矢印X方向)に沿う方向にガイド溝部55aを形成したガイド溝部材55bが配設されている。後述すように、この4つのガイド溝部55aのうち1つだけは、他のガイド溝部55aとは異なる形状に形成されている(図5において符号55aaとして示している)。これは、超音波コネクタ14c側に形成される雄型コネクタ(後述する)に対して当該接続部15aが接続される際に、両者の嵌合方向を位置決めするための措置であって、同雄型コネクタに形成されるガイド突起部73fと合わせて嵌合向きを規制する位置決め手段を構成するものである。
ハウジング部材55の外周側には、同ハウジング部材55を覆うように円筒形状のステンレス等の金属部材からなる枠部材56が配設されている。この枠部材56は、接続ケーブル15側へ抜け落ちないように、かつハウジング部材55の外周面に対して同軸上で回動自在に配設されている。この枠部材56は、先端寄りの端部に外周に向けて形成されるフランジ部56aが突設されている。また、枠部材56の一部には、2本のガイド切り欠き溝56bが矢印Xに沿う方向に形成されている。2本のガイド切り欠き溝56bは、図5に示すように当該接続部15aの正面から見たときに、互いが略対向する部位にそれぞれ形成されている。
枠部材56の基端側(ケーブル15側)は、ハウジング部材55の環形状部の一部に当接することによって、接続ケーブル15側へ抜け落ちないようになっている。
また、枠部材56には、その内周面に図示しないカム溝が形成されており、このカム溝に対してハウジング部材55の外周面上に形成された突起部が係合している。これにより、枠部材56は、ハウジング部材55の外周面に沿う方向であって、所定の方向にかつ所定の範囲内で回動自在となっている。
枠部材56の外周側には、例えばエンジニアリングプラスチック等からなるカバー部材57が、同枠部材56の外周を覆うように配設されている。そして、このカバー部材57は、その先端縁部が枠部材56のフランジ部56aに対して固定されている。
このような構成により、超音波ケーブル15(の接続部15a)の軸周りにカバー部材57及び枠部材56が回動自在となるように構成されている。
さらに、ハウジング部材55の先端側の面には、図6,図7に示すように補強用の円環状の板部材58が設けられている。板部材58の外周側は、図7に示すようにハウジング部材55の外周形状に略一致する円形となっており、内周側は、ハウジング部材55の凹状部の内周縁部に略一致する矩形状に形成されている。さらに、その内周側の矩形状は、上述の4つのガイド溝部55aのそれぞれを避けるように4つの切り欠き部58aが形成されている。
したがって、超音波ケーブル15の接続部15aには、雌型コネクタ部材53とハウジング部材55との間に第1の嵌合空間S1が、ハウジング部材55と枠部材56との間に第2の嵌合空間S2が形成されている。
このように、超音波ケーブル15の接続部15aは、雌型コネクタを構成している。
次に、コネクタ部14に設けられ、上述の接続部15a(雌型コネクタ)が接続される雄型コネクタを構成する超音波コネクタ14cの構成について以下に詳述する。
なお、超音波コネクタ14cについての説明において、接続部15aと超音波コネクタ14cとが接続した状態にあるときの接続部15a寄りの側を先端側といい、この先端側とは逆側のピン状端子74寄りの側を基端側という。
図6等に示すように、超音波コネクタ14c内には、コネクタケーブル13内を挿通した後、カバー部材70内に導かれた複数の信号線71のそれぞれが接続される複数のピン状端子74と、このピン状端子74を所定の位置に配列して固設する略直方体形状の絶縁部材からなる雄型コネクタ部材(詳細は後述する。図9,図10の符号73a,73b参照)及びこの雄型コネクタ部材が固着されるコネクタベース部材72等によって主に構成される雄型コネクタユニット73が配設されている。
即ち、複数の信号線71と複数のピン状端子74とは、カバー部材70内において電気的に接続されている。また、ピン状端子74は、コネクタベース部材72を介して雄型コネクタ部材内においてマトリックス状に配列されて設けられている。この場合において、複数のピン状端子74は、コネクタベース部材72に対して当該超音波コネクタ14cの開口14ccの側、即ち先端側に向けて突設されている。
ここで、雄型コネクタユニット73の詳細構成を図9と図10によって以下に示す。
図9,図10に示すように、雄型コネクタユニット73は、箱状枠部材73a及びこの箱状枠部材73aの内部において摺動自在に挿入されるスライド部材73bとからなる雄型コネクタ部材と、スライド部材73bを当該超音波コネクタ14cの開口14cc側に向けて付勢する付勢手段としてのバネ部材であるコイルバネ73c等によって構成されている。
箱状枠部材73aと、スライド部材73bと、コネクタベース部材72は、それぞれ合成樹脂等の絶縁材料によって形成されている。
箱状枠部材73aは、接続部15aを超音波コネクタ14cに対して接続する方向とは直交する方向の断面が略矩枠形状を成し、同方向の先端側の一面に開口を有する箱型状に形成されている。
箱状枠部材73aは、4つの側壁部73dを有し、その4つの側壁部73dのうち2つの側壁部73dには、当該箱状枠部材73a内に配設されるスライド部材73bの摺動を案内すると共にその摺動方向及び摺動範囲を規制するスリット部73eが形成されている。このスリット部73eの形成方向は、スライド部材73bが摺動する方向に沿う方向、すなわち接続部15aを超音波コネクタ14cに対して接続する方向となっている。また、このスリット部73eの長さ方向の範囲は、当該箱状枠部材73aの基端縁部近傍から先端側に向けた所定の長さであって、スライド部材73bが箱状枠部材73a内で摺動し先端側の開口部寄りの位置に配されるとき、当該スライド部材73bが複数のピン状端子74の先端部分を覆う状態となる位置において、スライド部材73bの摺動を規制し得る長さに設定されている。
箱状枠部材73aの4つの側壁部73dの外周面上には、ガイド突起部73fが接続部15aを超音波コネクタ14cに対して接続する方向に沿って形成されている。なお、スリット部73eが形成される2つの側壁部73dにおいては、スリット部73eの延長線上の壁面であって箱状枠部材73aの先端側寄りの部位にのみにガイド突起部73fが形成されている。また、スリット部73eが形成される二面以外の2つの側壁部73dにおいては、箱状枠部材73aの先端側から基端側にかけてガイド突起部73fが形成されている。
スライド部材73bは、箱状枠部材73aの内周側の形状に合わせて断面が略矩形形状からなる直方体形状の部材である。このスライド部材73bには、図9に示すように複数のピン状端子74のそれぞれが独立して所定の方向、即ち接続部15aを超音波コネクタ14cに対して接続する方向に沿って挿通し得る複数の孔部73gがマトリックス状に穿設されている。
また、スライド部材73bの基端側には、2つの板状の延出部73hが外側に向けて形成されている。この延出部73hは、当該スライド部材73bが箱状枠部材73aの内部に収納された状態において、スリット部73eに対応する部位に形成されている。
各延出部73hには、その先端寄りの部位にスライドガイド孔部73iが形成されている。このスライドガイド孔部73iには、コネクタベース部材72に突設されるガイドピン72aが挿通するようになっている。このガイドピン72aには、伸長性を有するバネ部材であるコイルバネ73cが巻回されている。このコイルバネ73cの両端は、コネクタベース部材72とスライド部材73bの延出部73hの間に挟まれるように設けられている。
これにより、コイルバネ73cは、スライド部材73bを箱状枠部材73aの内部において、箱状枠部材73aの基端側から先端側に向けて付勢する付勢手段となっている。
つまり、箱状枠部材73aの内部におけるスライド部材73bは、コイルバネ73cの付勢力によって先端側へと付勢されており、延出部73hがスリット部73eの先端側の端部に当接することによって、スライド部材73bは先端側における位置決めがなされるようになっている。また、この場合において、コイルバネ73cの付勢力によるスライド部材73bの摺動方向は、延出部73hがスリット部73eに沿って移動することで規制されるようになっている。
そして、後述するようにスライド部材73bがコイルバネ73cの付勢力に抗して先端側から基端側に向けて押圧されたときには、スライド部材73bは、コイルバネ73cの付勢力に抗してコネクタベース部材72の側へと向かって移動する。このとき、延出部73hはスリット部73eに沿って移動するようになっている。
つまり、スライド部材73bの延出部73hがスリット部73eの先端側の端部に当接した状態にあるときには、複数のピン状端子74は、図10に示すように各対応する複数の孔部73gの内部に埋没するようになっている。
一方、この状態から、スライド部材73bが図10の矢印Yに沿う方向に押圧されることにより、延出部73hがスリット部73eの先端側から基端側に向かって移動することでスライド部材73bは、図10において二点鎖線で示す位置へと移動する。すると、この状態において、複数のピン状端子74は、その先端部を各対応する複数の孔部73gから突出させた状態となる。
他方、スライド部材73bに対してスリット部73eの先端側から基端側に向かう方向への押圧力が加わっていない状態のときには、スライド部材73bは、コイルバネ73cの付勢力によって延出部73hがスリット部73eの先端側の端部に当接した状態となる。この状態では、複数のピン状端子74は、それぞれが複数の孔部73gから突出しない状態(図10の実線で示す状態)となっている。したがってこれにより、スライド部材73bは、複数のピン状端子74の保護部材としての役目をしている。
このように構成される雄型コネクタユニット73は、図6及び図8に示すように、ステンレス等の金属製の円筒形状からなる枠部材75の内部に配設されている。枠部材75の外周面上には、2つのガイドピン76が外側に向けて突設されている。この2つのガイドピン76は、図4に示すように当該超音波コネクタ14cを正面から見たときに、互いが略対向する部位であって、超音波ケーブル15の接続部15aを当該超音波コネクタ14cに接続する状態としたときに、接続部15a側の2本のガイド切り欠き溝56bに対応する部位に形成されている。
具体的には、超音波コネクタ14cに対して接続部15aを接続するために、接続部15aの先端面と超音波コネクタ14cの先端面とを合わせたとき、2つのガイドピン76は、2つのガイド切り欠き溝56bに係合されるよう部位に形成されている。これにより、超音波コネクタ14cに対して接続部15aを、常に正しい向きで装着することができるようになっている。
また、4つの側壁部73dの外周側に設けられた4つのガイド突起部73fの中で1つだけが、他の3つのガイド突起部73fとは異なる形状となっている。この4つのガイド突起部73fのそれぞれの形状に対応させて接続部15aの4つのガイド溝部55aの形状も形成されている。
具体的には、本実施形態においては、接続部15aの4つのガイド溝部55aのうちの1つだけが他の3つのガイド溝部55aよりも幅広溝となるように形成されている。これに合わせて、4つのガイド突起部73fのうちの1つだけが他の3つのガイド突起部73fよりも幅広となるように形成されている。
その結果、接続部15aと超音波コネクタ14cとを接続したときに、雄型コネクタユニット73が雌型コネクタ部材53に対して接続されるときの向きが常に正しい向きで接続されるようになっている。
これにより、1つだけ形状の異なるガイド突起部73fが対応するガイド溝部55aにマッチしたときのみ4つのガイド突起部73fと4つのガイド溝部55aとが全て嵌合するように構成されているので、雄型コネクタユニット73が雌型コネクタ部材53に対して接続される際の向きが異なるようなことがない。したがって、4つのガイド突起部73f及び4つのガイド溝部55aは、雄型コネクタユニット73と雌型コネクタ部材53との嵌合向きを決める手段の役目をしている。
なお、雄型コネクタユニット73,枠部材75,カバー部材70等の各部材間には、それぞれ気密を保つためのOリングが挟持されている。
このように、超音波コネクタ14cは、雄型コネクタを構成している。
なお、本実施形態においては、超音波ケーブル15の接続部15a側は、雌型コネクタ部材53にマトリックス状に設けた複数の孔53a内のそれぞれにコンタクト片54を設けた雌型コネクタとし、超音波コネクタ14c側は、ピン状端子74を配した雄型コネクタとしている。このような構成としているのは、次のような理由による。
即ち、例えば超音波観測装置4が通電状態にある場合、これに接続される超音波ケーブル15の接続部15aにも通電された状態となる。したがって、接続部15a側を雌型コネクタとして構成することによって、コンタクト片54が外部に露出しないような構造としている。これにより、通電状態のコンタクト片54に対して使用者や物が触れてしまい、これに起因して使用者が感電したり、漏電や短絡による超音波観測装置4の破壊を防止することができる。
一方、ビデオケーブル21とビデオコネクタ14bとの詳細構成については、従来の一般的内視鏡における構成と同様のものであるので、その詳細な説明は省略する。
ただし、ビデオケーブル21の接続部21aを雄型コネクタとし、ビデオコネクタ14bを雌型コネクタとしている。
また、上述の超音波ケーブル15の接続部15aにおけるカバー部材57及び枠部材56に相当する構成は、ビデオケーブル21の接続部21aにおいても全く同様の構成となっている。
これに対応する構成、即ち上述の超音波コネクタ14cにおける枠部材75及びガイドピン76に相当する構成も、ビデオケーブル21の接続部21aにおいて、全く同様の構成となっている。
つまり、超音波コネクタ14cとビデオコネクタ14bとは、上述したようにそれぞれの外側形状が同形状でかつ外径が同寸法(G1=G2)に形成されていることを示すものである。
したがって、これにより超音波コネクタ14cに対して超音波ケーブル15の接続部15aを接続させる際の操作手順と、ビデオコネクタ14bに対してビデオケーブル21の接続部21aを接続させる際の操作手順とを、同じ操作手順でおこなうことができるようにしている。
その一方で、超音波コネクタ14cとビデオコネクタ14bとは、上述したようにそれぞれの内径(図4に示す符号H1,H2)が異なる寸法となるように形成されている(H1>H2)。
これにより、2つのコネクタ14c,14bに対して誤った接続ケーブルを接続させる操作をおこなう等の操作ミスを抑止することができるようになっている。
次に、超音波コネクタ14cの内部に配設される超音波コネクタ基板ユニットの近傍の構成について、図11及び図12を用いて以下に詳述する。
超音波コネクタ14cが設けられている部位に対応するコネクタ部14の内部には、超音波コネクタ基板ユニットが固設されている。
この超音波コネクタ基板ユニットは、図11に示すように超音波観測ユニット30から延出される複数の信号線71を束ねた形態の超音波信号ケーブル71aと、この超音波信号ケーブル71aの各信号線71が接続される複数のフレキシブルプリント基板78と、これらのフレキシブルプリント基板78が接続されるFPCコネクタ79等の各種の電気部品が複数実装される超音波基板80と、この超音波基板80上の所定の部位に対して超音波信号ケーブル71aを固設する支持金具83aと、超音波基板80の実装部品が外面側全体を覆うような形態に形成され同超音波基板80上の実装部品を電気的に外部から遮蔽するシールドケース81と、このシールドケース81の外面側を覆うように配設される外面ケース82等の各種の部材によって構成されている。
超音波基板80は、超音波コネクタ14cの内部にあって、コネクタベース部材72の裏面側(開口14ccに対向する面に対して反対側の面)に配設されている。
この超音波基板80の略中央部近傍には、上述の複数のピン状端子74がマトリックス状に配列されている。この複数のピン状端子74の各先端は、コネクタベース部材72の側に向けて実装配置(図12参照)されている。
超音波基板80の表面、即ち図12に示す側の基板表面においては、上記複数のピン状端子74の基端部が実装されている部分(略中央部分)に対して所定の隙間を置いた位置に電気接続部材83が配置されている。この電気接続部材83は、断面がL字形状に形成され、超音波観測装置4のグランド(GRD)と同電位の金属部材によって形成されている。
電気接続部材83の長腕部側は、上述のように複数のピン状端子74の実装部分に対向する部位において、基板表面との間に隙間を設けて配置されている。電気接続部材83の短腕部側は、コネクタベース部材72の外側面に対してネジ留め等の固定手段にて固設されている。なお、電気接続部材83と超音波基板80の基板表面との間には、例えば絶縁シート等が配設されている。
そして、電気接続部材83には、超音波信号ケーブル71aが支持金具83aによって固定されるようになっている。この超音波信号ケーブル71aは、コネクタ14c内において、例えば金属製の網状部材からなるシールド部材71bが外面側に被覆されている。
このシールド部材71bに被覆された超音波信号ケーブル71aは、上述したように電気接続部材83に対して固設される。このとき、電気接続部材83とシールド部材71bとが電気的に接続されることになる。したがって、これにより超音波信号ケーブル71aに対するノイズの影響を低減化することができ、よって超音波観測装置4により生成される超音波画像をノイズの少ない良好な画像とすることができる。
一方、超音波基板80の基板表面には、上述の複数のピン状端子74の実装部分(略中央部分)を取り巻くようにして、複数のFPCコネクタ79が当該基板80の周縁側に配列されている。このFPCコネクタ79には、超音波信号ケーブル71aの各信号線71がそれぞれに接続される複数のフレキシブルプリント基板78のそれぞれが接続されるようになっている。
本実施形態においては、FPCコネクタ79は、電気接続部材83を挟んで両側の基板表面上において、かつ当該電気接続部材83に固設される超音波信号ケーブル71aの接続方向(同コネクタ部14の軸方向)に沿う方向に複数が並べて配列されている。さらに、個々のFPCコネクタ79の配置方向は、同方向(コネクタ部14の軸方向)に対して略直交する方向となるように、基板表面上に実装されている。
そして、電気接続部材83を挟んで一方の側のFPCコネクタ79の基板取り付け部位と他方の側のFPCコネクタ79の基板取り付け部位であって、両側において互いに隣接する位置に配置されるFPCコネクタ79においては、各FPCコネクタ79の配置方向(コネクタ部14の軸方向とは直交する方向)を含む面が互いに重複しないように、それぞれが各FPCコネクタ79の配列方向に少なくともフレキシブルプリント基板78の厚さ寸法分(図12の符号D参照)だけずらして配設されている。
このように、複数のフレキシブルプリント基板78を接続する複数のFPCコネクタ79を、いわゆる千鳥配置に配設したことから、これを実装する超音波基板80が、FPCコネクタ79の配置方向(コネクタ部14の軸方向とは直交する方向)に大型化するのを抑止することができ、よって超音波コネクタ14cに配設する超音波基板ユニット及び雄型コネクタユニットの小型化に寄与することができる。
また、超音波基板80は、これに接続される超音波観測ユニット30の個別情報、例えばプローブID等の各種情報を表わすジャンパスイッチ80a(具体的には例えば4bit以上のスイッチ)を基板上に有している。
このように超音波基板80上に超音波観測ユニット30の個別情報を有して構成することにより、コネクタ部14に対して接続される超音波ケーブル15が、当該超音波内視鏡2の超音波観測ユニット30に対応しているものであるか否かの判別が容易にできるようになる。
また、同一種類の複数の超音波内視鏡2を交換しながら使用する際にも、その超音波内視鏡2の種類に応じた接続ケーブル15を一本用意するだけでよいので、使用者にとっては経済的であると共に、ケーブル類の保管等の空間的な余裕を得ることもできる。
ところで、本実施形態における超音波内視鏡2のコネクタケーブル13のコネクタ部14には、図13に示すように超音波コネクタ14cとビデオコネクタ14bとの間におけるビデオコネクタ14b寄りの所定の部位には、吸引装置からの吸引チューブ(いずれも図示せず)の一端が接続される吸引口金77と、E端子84とが互いに対向する部位に配設されている。
この場合において、吸引口金77とE端子84とは、コネクタ部14の外表面から外部に向けて突出するように配設されていると共に、両者の先端は、コネクタ部14の図13に示す投影面内から突出しないように設定されている。
つまり、カバー部材70の表面上に配設されており、その外部に向けて突設される送気用口金85及び送水用口金86が、同コネクタ部14の投影面内に収まるように配置したことによって、コネクタ部14自体の外形の大型化が抑止されている。
また、図14に示すようにコネクタ部14においてビデオコネクタ14bが設けられている側の面とは反対側の面に、送気及び送水用の管路を形成するチューブの各一端が接続される送気用口金85及び送水用口金86が外部に向けて(ビデオコネクタ14bの開口方向とは反対方向に向けて)突設されている。
そして、コネクタ部14のカバー部材70の内部には、送気用口金85及び送水用口金86を固定する送気送水口金固定ブロック87が配設されている。この送気送水口金固定ブロック87は、ビデオコネクタ14bの配設面に対向する面の内側空間であって、ビデオコネクタ14bの内径円(図1において符号R参照)よりも外側の空間に配置されている。
これにより、コネクタ部14の内部においては、ビデオコネクタ14bの配設面に対向する面の内側空間に比較的広い空間が確保されることになる。こうして確保された部位には、RF−ID(Radio Frequency IDentification)88が配設されている。
このような部材配置を採用することにより、コネクタ部14の内部空間を有効に利用することができる。したがって、コネクタ部14自体の外形の大型化を抑止することができる。
以上のように構成される本実施形態の超音波内視鏡システム1を使用するのに際しては、まず、超音波内視鏡2のコネクタケーブル13のコネクタ部14における照明用コネクタ14aを光源装置9の所定の接続部(特に図示せず)に接続する。
次いで、同コネクタ部14における超音波コネクタ14cに対して超音波ケーブル15の接続部15aを所定の接続手順で接続する。これとまったく同様の接続手順にて、同コネクタ部14におけるビデオコネクタ14bにビデオケーブル21の接続部21aを接続する。
ここで、超音波コネクタ14cに対して超音波ケーブル15の接続部15aを接続する際の接続手順は、次に示すようなものとなる。
即ち、まず、図2に示すように超音波コネクタ14cに対して同図矢印Cに沿う方向に超音波ケーブル15の接続部15aを近付ける。そして、超音波コネクタ14cの枠部材75の2つのガイドピン76(図8も参照)を、超音波ケーブル15の接続部15aの2つのガイド切り欠き溝56b(図1では図示せず。図6,図7参照)に係合させるように両者の位置合わせを行ないつつ、接続部15aと超音波コネクタ14cのそれぞれの先端面を合わせる。このとき、超音波コネクタ14c側の4つのガイド突起部73f(図8)と接続部15a側の4つのガイド溝部55a(図6,図7)とが合致することで、接続部15aと超音波コネクタ14cとの接続状態を確保し得る状態となる。
この状態で、操作者により接続部15aが上述の図2の矢印C方向(押圧方向)へと押圧されると、接続部15aの雌型コネクタ部材53(図7)の外周部が箱状枠部材73a(図8)の内周部に嵌合し、さらに、雌型コネクタ部材53が箱状枠部材73aの内側に沿って摺動しつつ同押圧方向へと進むと、やがて、雌型コネクタ部材53の先端面がスライド部材73b(図8)の先端面に当接する。
この状態から以降、さらに操作者により接続部15aが図2の矢印C方向へと押圧されて雌型コネクタ部材53が同方向へと進むと、同雌型コネクタ部材53は、コイルバネ73cの付勢力に抗してスライド部材73bを基端側へと押圧移動させる。このスライド部材73bの基端側への移動に伴って、複数のピン状端子74は、スライド部材73bの先端面から突出する。
このとき、スライド部材73bの先端面から突出した複数のピン状端子74は、それぞれが雌型コネクタ部材53側の複数の孔53aに挿入されて、その内部に配置される複数のコンタクト片54に接触する。これにより、複数のピン状端子74と複数のコンタクト片54とが電気的に接続された状態となる。
なお、この場合においては、まず先に、複数のピン状端子74のうち両側辺の各一列に配置され接地(GRD)ラインが接続されているピン状端子74a(図10参照)が対応するコンタクト片54に接触して、接続部15aと超音波コネクタ14cとの間の接地ラインを確立した後に、信号ラインの接続されたその他のピン状端子74が対応するコンタクト片54に接触して、接続部15aと超音波コネクタ14cとの間の信号ラインが確立される。
接続部15aと超音波コネクタ14cとが接続状態となったとき、接続部15aの第1の嵌合空間S1には、4つの側壁部73dが嵌合した状態となり、第2の嵌合空間S2には、枠部材75が嵌合した状態となる。
このように、雄型コネクタユニット73と雌型コネクタ部材53とが嵌合した状態において、操作者は、カバー部材57を接続部15aの軸周りに所定の方向(図2の矢印R1方向)へ所定の位置までと回動させる。
これにより、接続部15aを先端側からみたとすると、2つのガイドピン76が2つのガイド切り欠き溝56bの位置ではなく、フランジ部56aの位置であってかつフランジ部56aの基端側に隠れた状態となる。したがって、この状態では、接続部15aと超音波コネクタ14cとが装着された状態が確保され、接続部15aが超音波コネクタ14cから抜去してしまうことが防止される。
なお、この場合におけるカバー部材57の回動は、例えばカバー部材57の側に附される合わせマークと、超音波コネクタ14cの側に附される合わせマークとを合致させるようにすればよいようになっている。
次に、接続部15aの超音波コネクタ14cに対する装着状態を解除するには、まず、カバー部材57を接続部15aの軸周りに所定の方向(図2の矢印R2方向)に回動させて、接続部15aを先端側からみたとすると、2つのガイドピン76が2つのガイド切り欠き溝56bに合致するようにする。これにより、接続部15aを超音波コネクタ14cから抜くことができる。
なお、この場合におけるカバー部材57の回動も、例えば合わせマークを合致させる手段で挿脱位置を指定してもよいし、所定の位置でカバー部材57の回動を規制するストッパ機構を設けるようにしてもよい。
また、接続部15aを超音波コネクタ14cから抜去する際には、接続部15aの雌型コネクタ部材53が抜去方向へと進むことにより、コイルバネ73cの付勢力によってスライド部材73bは先端側へと移動して、複数のピン状端子74がスライド部材73bの内部に没入する。
そして、複数のピン状端子74のそれぞれは、雌型コネクタ部材53側の複数の孔53aから抜け出ることにより、複数のコンタクト片54との接触が解除される。これにより、複数のピン状端子74と複数のコンタクト片54との電気的な接続が切断される。
この場合においては、まず先に信号ラインの接続された複数のピン状端子74とこれらに対応するコンタクト片54との接触が解除されて、接続部15aと超音波コネクタ14cとの間の信号ラインが切断される。その後に、接地(GRD)ラインが接続されているピン状端子74a(図10参照)とこれらに対応するコンタクト片54との接触が解除されて、接続部15aと超音波コネクタ14cとの間の接地ラインが切断される。
このように、接続部15aを超音波コネクタ14cに装着していないときには、スライド部材73bが複数のピン状端子74(含む符号74a。以下同様)を保護するように、孔53a内に収納した状態になる。したがって、操作者が不用意に接続部15aの複数のピン状端子74の一部に触れてしまったり、ピン状端子74自体に周囲の壁等の物が当たりピン状端子が曲がってしまう等の虞がない。
なお、上述の説明においては、スライド部材73bがスリット部73eの先端側から基端側に向かって押圧されていないときは、コイルバネ73cは、側壁部73d内において、複数のピン状端子74がそれぞれ複数の孔部73gから突出しない位置にスライド部材73bを付勢しているが、箱状枠部材73a内において、複数のピン状端子74がそれぞれスライド部材73bの複数の孔部73gからわずかに突出する位置にあってもよい。この場合においては、複数のピン状端子74の一部が曲がらない程度の長さしかスライド部材73bの複数の孔部73gから突出した状態であっても、上述の効果を充分に発揮できるからである。
次いで、ビデオコネクタ14bに対してビデオケーブル21の接続部21aを接続する際の接続手順は、従来の内視鏡において行なわれるものと略同様であり、また、両者の内部接片を接触させた後の操作手順は、上述の超音波ケーブル15を超音波コネクタ14cに接続する場合と略同様に、接続部21aのカバー部材を接続部21aの軸周りに所定の方向(図2の矢印R1方向)へと回動させる。また、両者を抜去する際には、カバー部材を接続部21aの軸周りに所定の方向(図2の矢印R2方向)へと回動させる。
このようにして、超音波ケーブル15とビデオケーブル21とを、コネクタ部14の各コネクタ14c,14bに装着する。
続いて、超音波ケーブル15の接続部15bを超音波観測装置4の接続コネクタ4aに接続し、同様にビデオケーブル21の接続部21bを内視鏡観察装置3の接続コネクタ3aに接続する。
また、超音波観測装置4及び内視鏡観察装置3のそれぞれとモニター装置5との間を所定の接続ケーブルにて接続する。
このように各構成要素である超音波内視鏡2,超音波観測装置4,内視鏡観察装置3,光源装置9,モニター装置5等をそれぞれ接続することで、本実施形態の超音波内視鏡システム1が構成される。
これにより、超音波観測装置4は、超音波内視鏡2の超音波振動子に対する所定の駆動制御信号等を超音波ケーブル15を介して供給すると共に、同超音波ケーブル15を介して超音波振動子からの超音波信号(エコー信号)等を受信する。この超音波信号(エコー信号)等を受信した超音波観測装置4は、同信号に対して各種の信号処理を施して超音波断層像用の映像信号を生成する。こうして生成された超音波断層像用の映像信号は、所定の接続ケーブルを介してモニター装置5へと伝送される。これを受けてモニター装置5は、その表示画面上に超音波断層像を所定の表示形態で表示する。
一方、内視鏡観察装置3は、超音波内視鏡2の撮像素子に対する所定の駆動制御信号等をビデオケーブル21を介して供給すると共に、同ビデオケーブル21を介して撮像素子からの撮像信号等を受信する。この撮像信号等を受信した内視鏡観察装置3は、同信号に対して各種の信号処理を施して内視鏡観察画像用の映像信号を生成する。こうして生成された内視鏡観察画像用の映像信号は、所定の接続ケーブルを介してモニター装置5へと伝送される。これを受けてモニター装置5は、その表示画面上に内視鏡観察画像を所定の表示形態で表示する。
超音波内視鏡システム1を使用した後には、当該システム1を構成する各構成要素の洗滌処理が行なわれた後に、保管または次回の検査等の使用に供されるのが普通である。特に超音波内視鏡2の挿入部11は、被検者の体腔内に直接挿入される部分であるので、確実な洗滌処理を行なう必要がある。
超音波内視鏡2に対して洗滌処理を施す際には、内部の電気部品等に水や洗滌液等が侵入してしまうと故障等の原因となる。そのために、コネクタ部14の二つのコネクタ(14c,14b)に対しては、水や洗滌液等の侵入を防ぐための防水キャップ25を装着した状態で、所定の洗滌装置(特に図示せず)を用いて洗滌処理がなされることになる。
本実施形態の防水キャップ25は、図15に示すように二つのコネクタ(14c,14b)に装着されるように形成されている。
この場合において、本実施形態にのコネクタ部14においては、二つのコネクタ14c,14bに対して同じ防水キャップ25を装着し得るようになっている。
防水キャップ25は、二つのコネクタ14c,14bの開口のそれぞれを水密的に覆うことによって、正常処理の際に各コネクタ14c,14bの内部への水や洗浄液等の侵入を抑止するものである。
上述したように二つのコネクタ14c,14bの外側形状が同形状でかつ外径が同寸法となるように形成されている。また、本実施形態に適用される防水キャップ25は、コネクタ14c,14bの外側形状に適合するように、その嵌合面が形成されている。したがって、これにより、二つのコネクタ14c,14bに対して共通の防水キャップ25を装着することができるようになっている。
防水キャップ25のコネクタ14c,14bとの嵌合面の構成は、例えば超音波ケーブル15の接続部15a及びビデオケーブル21の接続部21aのコネクタ14c,14bとの嵌合面の構成と全く同様の構成となっている。なお、上述の説明においては、ビデオケーブル21の接続部21aのコネクタ14bの構成については、その説明を省略しているが、超音波ケーブル15側の構成と同様である。よって、以下の説明においても、超音波コネクタ14c側のみを例に上げて説明する。
防水キャップ25の嵌合面には、コネクタ14cの枠部材75の外周面上の2つのガイドピン76に対応する2本のガイド切り欠き溝(特に図示せず)が形成されている。この2本のガイド切り欠き溝は、超音波ケーブル15の接続部15aにおけるガイド切り欠き溝56bに相当するものである。
使用に供された状態の超音波内視鏡システム1における超音波内視鏡2に対しては、洗滌処理を施した後に、保管または次の検査等の使用に供されることになる。
この場合において、超音波内視鏡2を洗滌処理するのに際しては、まず、超音波コネクタ14c及びビデオコネクタ14bのそれぞれに接続されている超音波ケーブル15及びビデオケーブル21の接続部15a,21aを所定の手順にて切り離す。これにより、二本の接続ケーブル(15,21)は、超音波内視鏡2のコネクタ部14からを取り外された状態になる。
次いで、超音波コネクタ14c及びビデオコネクタ14bのそれぞれに対して、図15に示すように防水キャップ25を装着する。このときの装着手順は、上述の二本の接続ケーブル(15,21)の各接続部(15a,21a)を接続する際の接続手順と略同様である。
このようにして二つのコネクタ14c,14bのそれぞれに防水キャップ25を装着した状態とした後、この状態の超音波内視鏡2を所定の洗滌装置の洗滌槽(特に図示せず)へと収納し所定の洗滌処理を行なう。
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、超音波内視鏡2の側部から延出するコネクタケーブル13のコネクタ部14に、外側形状が同形状でかつ外径が同寸法となるように形成されたコネクタ14c,14bをそれぞれ有する超音波コネクタ14c及びビデオコネクタ14bを設け、この二つのコネクタ(14c,14b)のうち一方の超音波コネクタ14cに対しては、超音波観測装置4に他端が接続されている超音波ケーブル15の一端の接続部15aを着脱自在とし、また他方のビデオコネクタ14bに対しては、内視鏡観察装置3に他端が接続されているビデオケーブル21の一端の接続部21aを着脱自在として構成している。
これにより、超音波内視鏡2に対して超音波観測装置4及び内視鏡観察装置3は、超音波ケーブル15及びビデオケーブル21を介して着脱自在となっている。
したがって、超音波内視鏡2は、特定の超音波観測装置4だけではなく、他の複数種類の超音波観測装置に対しても、各観測装置に応じた超音波ケーブルを用意するだけで容易に対応することができる。これにより、一つの超音波内視鏡2を、複数種類の超音波観測装置のうちから選択的に接続して使用することができる。
また、超音波内視鏡2に対して超音波観測装置4及び内視鏡観察装置3を超音波ケーブル15及びビデオケーブル21を介して接続するのに際して、超音波内視鏡2のコネクタ部14において、超音波コネクタ14cとビデオコネクタ14bとを、コネクタ部14の軸方向に沿う方向(長手方向)に互いが隣り合うように並べて配置されると共に、超音波コネクタ14c及びビデオコネクタ14bが略同じ方向に向けて開口するように配設している。これに加えて、超音波コネクタ14cとビデオコネクタ14bとの各外側形状が同形状でかつ外径が同寸法となるように形成し、かつそれぞれの内径が異なる寸法となるように形成している。
これにより、超音波ケーブル15及びビデオケーブル21の各接続部15a,21aを二つのコネクタ14c,14bに対して接続するのに際しては、略同じ部位に並べて配設されており、かつ同じ接続手順にて接続操作をおこなうことができるので、手早く容易に二本の接続ケーブル15,21を各対応するコネクタ14c,14bに対して取り違えることなく確実に接続することができる。
また、超音波内視鏡2の洗滌処理を行なう際には、二本の接続ケーブル15,21を取り外すことができるので、超音波内視鏡2を小型化することができ、よって持ち運びが容易となり、かつ小型の洗滌装置にも対応することができる。したがって、操作性及び洗滌性の向上に寄与することができる。
そして、洗滌処理を行なう前にコネクタ部14の二つのコネクタ14c,14bに対して防水キャップ25をそれぞれに装着することになる。このとき、防水キャップ25は各コネクタ14c,14bに対して同じ種類(形状)のものを用いることができるので、各コネクタに対応させた専用の防水キャップを装着する場合と比べて、装着手順を簡易化することができる。
また、二つの防水キャップ25を両コネクタ14c,14bに装着する際には、二本の接続ケーブル15,21を両コネクタ14c,14bに接続する場合と同様に、略同じ部位に並べて配設される両コネクタ14c,14bに対して同じ装着手順にて装着することができるので、手早く容易にかつ確実な装着操作に寄与することができる。これと同時に、両コネクタ14c,14bは、互いに隣り合う部位に配設してあるので、防水キャップ25を装着し忘れたまま洗滌処理を実行してしまうといった失敗を抑止することができる。
したがって、洗滌処理の準備作業を円滑に容易にかつ迅速におこなうことができ、よって操作性の向上に寄与することができる。
さらに、二つのコネクタ14c,14bは、それぞれの開口14cc,14bbが略同方向に向けて開口している。したがって、これに接続される二本の接続ケーブル15,21は共に同じ方向、即ち、コネクタ部14に対して略直交する方向に突出するように配設されることになる。このことから、コネクタ部14に対して二本の接続ケーブル15,21を接続した状態におけるコネクタ部14近傍の大きさを小型化することができる。
つまり、コネクタ部14に対して接続された状態の二本の接続ケーブル15,21は共にコネクタ部14から略直交する方向に延出するように配設されることになる。したがって、両ケーブル15,21の接続部15a,21aは、コネクタ部14の幅寸法からはみ出すことがないので、この状態におけるコネクタ部14近傍の占有容積を小さく収めることができる。
また、両ケーブル15,21の延出方向が同じになるので、超音波内視鏡2の取り回しを阻害することもなく、操作性の向上に寄与することができる。
これに加えて、各コネクタ14c,14bが略同方向に向けて開口していることから、防水キャップ25を装着し忘れてしまうといった誤操作を抑止することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について、以下に説明する。
図16,図17は、本発明の第2の実施形態の超音波内視鏡システムの超音波内視鏡のコネクタケーブルにおけるコネクタ部を拡大して示す要部拡大図であって、図16は、コネクタ部における2つのコネクタが配設されている面を示す正面図である。図17は、図16の[17]−[17]線に沿う断面図である。ただし、ビデオコネクタ14bの内部については、図16の[17A]−[17A]線に沿う断面を示している。
なお、本実施形態は、上述の第1の実施形態と略同様の構成からなるものであるが、吸引及び送気送水機能が省略されているものである。したがって、図16,図17に示すようにコネクタ部14Aには、吸引口金,E端子,送気口金,送水口金及びそれらに接続されるべき内部管路を省略して構成している点が異なる。
また、本実施形態においては、後述するように超音波コネクタ14cの内部に通気孔(90a)を形成し、この通気孔(90a)からの水等の内部への浸入を抑止する通気ユニット(90)を設けている点と、その構造が従来とは異なる点に特徴がある。その他の構成については、上述の第1の実施形態と略同様である。したがって、同様の構成については、同じ符号を附して、その図示及び詳細な説明は省略し、上述の第1の実施形態を説明するのに用いた図面(図1〜図15)を参照する。
従来の内視鏡システムにおいては、内視鏡の防水性を確認するためのいわゆるリークテストが実施されている。
このリークテストとは、例えば別体の加圧装置からの加圧空気を送気チューブを介して防水キャップを装着した内視鏡の内部へと送り込みながら、同内視鏡を水没させた状態とし、そのときの気泡の発生の有無を確認することによって、内視鏡の防水性の確認を行なう試験である。
そのために、防水キャップ(図15の符号25参照)には、送気チューブ(図示せず)が接続されるための送気チューブ用の弁付きの口金25a(図15)が配設されている。
また、従来の内視鏡におけるコネクタ部の内部においては、内視鏡の外部と内部を連通させる通気孔を形成する通気口金が設けられている。
このような構成とすることで、送気ポンプ(図示せず)から延出される送気チューブ(図示せず)を防水キャップの口金に接続した状態で、送気ポンプを作動させると、口金の弁が開状態となって、内視鏡(コネクタ部)の内部と外部とを連通状態とすることができるようになっている。
ところが、コネクタ(14c,14b)自体の近傍に上述のような通気孔が形成されているために、例えば誤って防水キャップを装着するのを忘れて内視鏡の洗滌処理をしてしまうと、コネクタ(14c,14b)を構成する接点部材のみでなく、通気孔を介してコネクタ部14の内部にまで水や洗滌薬液等が侵入し、水没してしまうこともあり得る。この場合には、コネクタ部14の内部に配設される各種の電気部材等を損傷してしまうという問題点がある。
そこで、従来においては、通気孔を形成する通気口金の内部に、通気防水シートを配設した構造のものがある。この通気防水シートは、気体を通過させつつ液体は通過させないように構成されるシート状部材であって、例えばゴアテックス(登録商標)等が用いられている。
本実施形態においても、図16,図17に示すように、ビデオコネクタ14bの側においては、通気防水シート89bを内部に備えた従来タイプの通気口金89が用いられている。
即ち、この従来タイプの通気口金89は、図16,図17に示すようにビデオケーブル(21;図1等を参照)側の各接点部材(図示せず)に接続されるコネクタ14b側の各種の接点ピンと並列する部位に設けられ、通気孔89aが内部に形成されかつ通気防水シート89bを備えた構造となっている。
このような従来タイプの通気口金89に適用される通気防水シート89bを用いて、充分な通気性を確保するためには、ある程度広い面積が必要となることがわかっていた。したがって、従来タイプものを用いる場合には、通気孔89aの断面積を大きくとる必要があることから、コネクタ(14b)自体が大型化する傾向があった。
また、従来タイプの通気口金89を用いるものでは、コネクタ(14b)の開口(14bb)の近傍に通気防水シート89bが配置される構造となっている。このことから、例えば通気口金89の通気孔89a内に塵埃等の異物が入り込んだ場合、これらの塵埃等の異物は通気防水シート89bによって内部への侵入が阻まれることになるが、その反面、通気防水シート89bによって侵入が阻まれた異物が、その場に滞留してしまうと、これによって、通気性を阻害してしまう要因にもなるという問題点があった。
これに加えて、超音波コネクタ14cの側においては、その内部に設けられる接点部材等は、ビデオコネクタ14bに比べて多数存在することから、従来タイプの通気口金89を、そのままの形態で超音波コネクタ14cの内部に配設することは、コネクタ(14c)のサイズを考慮すると、採用し得ないものであるという問題点がある。
そこで、本実施形態においては、図16に示すようにコネクタ部14Aのビデオコネクタ14bの側には、従来タイプの通気口金89を適用する一方、超音波コネクタ14cの側には、従来のものとは異なる新規の形態の通気ユニット90を設けて構成している。
即ち、ビデオコネクタ14b側の通気口金89は、上述したように従来のものと同様の構成からなり、図16,図17に示すようにビデオコネクタ14bの内部に形成されている。
この通気口金89には、通気孔89aが内部に形成されていて、かつ通気防水シート89bが設けられている。この通気口金89に設けられU通気孔89aは、通気性を確保するのに充分な大きさの断面積を有するように設定されている。
一方、超音波コネクタ14c側においては、図16,図17に示すように内部に配設される雄型コネクタユニット73の外周縁近傍に、同コネクタ14cの外部と内部とを連通させる通気孔90aが形成されている。
この通気孔90aは、同コネクタ14cの内部において管状部材であるパイプ90bに連設されており、このパイプ90bには、さらに所定の長さ寸法を有する管状部材であるチューブ90cが連設されている。そして、このチューブ90cは、シールドケース81及び外面ケース82の内部から外部へと延出され、その先端部には、通気防水シート(特に図示せず)を内部に配したユニットケースとなる口金部材90dが配設されている。
この口金部材90dには、貫通孔が形成されていて、その一端側にチューブ90cが連設され、通気防水シートを介して口金部材90dの内部を貫通し、他端側はコネクタ部14の内部に開口している。
つまり、パイプ90b及びチューブ90cの管状部材によって通気孔90aから口金部材90d(貫通孔及び通気防水シート)までの間の通気路が形成されている。これにより、超音波コネクタ14cの内部と外部とが連通するようになっている。
なお、チューブ90cの長さ寸法は、例えばパイプ90bの一端からシールドケース81及び外面ケース82の内部から外部へと引き出され、同外面ケース82の外面側の部位に固設される口金部材90dに至るまでの長さが設定されている。
また、上述したように、シールドケース81及び外面ケース82の内部から外部へとチューブ90cを延出させることによって、通気防水シートを有する口金部材90dは、周囲に電気接点等が配置されておらず、たとえ浸水したとしても支障がない部位であって、かつ比較的広い空間を有する位置に配設されている。
ところで、本実施形態における超音波内視鏡のコネクタ部14Aは、例えば樹脂製等の外装部材と、その内側に設けられる金属製等の導電性部材からなるコネクタ部本体96等によって構成されている。
コネクタ部本体96は、内視鏡観察装置3や光源装置9の患者GND接続されている。コネクタ部本体96の内側面の所定の部位には、断面が略L字形状の金属部材94が固設されている。この金属部材94には、リード線93が電気的に接続されている。このリード線93は、超音波コネクタ14cの内部空間の所定の部位に配設されるコンデンサ95に接続されている。
一方、超音波コネクタ14cの枠部材75は、金属部材等の導電性部材によって形成され、超音波観測装置4の接地GND金属となっている。この枠部材75には、超音波コネクタ14cのに内部空間において、断面が略L字形状の金属部材91(上述の第1の実施形態では電気接続部材83に相当する)が接続されている。この金属部材91には、上述の第1の実施形態と同様に、シールド部材71bに被覆された超音波信号ケーブル71aが支持金具83aによって固設されている。これにより、金属部材91とシールド部材71bとは電気的に接続されている。また、金属部材91には、リード線92が電気的に接続されている。このリード線92は、上述のコンデンサ95に接続されている。
このように、内視鏡観察装置3がわの患者GNDに接続される金属であるコネクタ部本体96と、超音波観測装置4がわの接地GND金属である枠部材75に接続される金属部材91とは、超音波内視鏡のコネクタ部14内において電気的に分離されている。
これと同時に、両者は、コネクタ部14内において、コンデンサ95を介して高周波的に電気接続されている。
したがって、これにより、超音波信号ケーブル71aに対する内視鏡観察装置3側からのノイズの影響を低減化することができるので、超音波観測装置4により生成される超音波画像をノイズの少ない良好な画像とすることができる。これと同時に、電気的な安全性を確保している。
以上説明したように、上記第2の実施形態によれば、コネクタ部14Aにおいて、比較的広い配置空間を必要とする通気防水シートを備える口金部材90dを、超音波コネクタ14cの接点部材の配設部位から離れた部位であって、周囲に電気接点等が配置されておらず、たとえ浸水したとしても支障がなく、比較的広い空間を有する位置に配設されている。
このような構成により、コネクタ部14Aの超音波コネクタ14cの内部において、接点部材の配設部位を拡張することなく、通気孔を設けることができるので、コネクタ部14Aの小型化に寄与することができる。
また、超音波コネクタ14cにおける接点部材を増加させる必要がある場合にも、超音波コネクタ14cの内部の拡張を抑えながら、通気孔を容易に設けることができる。
超音波コネクタ14cの接点部材の配設部位から通気防水シートの配設部位(口金部材90d)までの間にパイプ90bやチューブ90c等からなる管路を設けることによって、塵埃等の異物が通気防水シートの通気性を阻害する部位にまで侵入することを抑えることができるので、通気防水シートの目詰まりを抑止することができる。
万一の場合、例えば通気防水シートの劣化等に起因して水等が透過するようになってしまったり、洗滌処理を行なうのに際して所定の部位(コネクタ14c,14b等)に対して防水キャップ25を装着せずに洗滌処理を実行してしまった場合等において、通気孔90aから水や洗滌薬液等がコネクタ部14Aの内部に侵入したとしても、通気防水シートが配設される口金部材90dは、通気孔90aから離れた位置にあり、周囲に電気接点等が配置されておらず、たとえ浸水したとしても支障がなく、比較的広い空間を有する位置に配設されているので、浸水による被害を最小限に抑えることができる。
このことは、例えば超音波プローブの基板接点等の比較的高価な部品を、腐食や損傷等から守ることになるので、浸水に起因する保守修理を行なうのに際しては、超音波プローブユニット自体の交換をする必要がなく、最小限度の修理及び保守作業を行なえばよいことになる。したがって、修理にかかるコストを抑えることができる。