JP4756625B2 - 流出油の回収方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、海難事故等で座礁した船舶等から流出した油を回収する方法とその回収装置であって、前記船舶の近傍で作業を行う油回収船の上から、又は海岸に近い場所に漂流している油を、その海岸や堤防等から簡単に回収できる流出油の回収方法及び装置に関する。
1997年1月2日未明、大しけの日本海(島根県隠岐島沖)で暖房用のC重油約19,000klを積んで上海からペトロパブロフスクへ曳航中のロシア船籍の老朽タンカー「ナホトカ号」の破断事故が発生し、船体は浸水し、乗員はボートで避難するが、船長は行方不明となり、後日、福井県の海岸に漂着した。船体は水深約2500mの海底に沈没し、その船体から分離した船首部分は強い北西季節風にあおられて漂流し、対馬海岸を横断して越前加賀海岸国立公園内の福井県三国町安島沖に座礁した。そして積み荷の重油は、約6240klが流出し、海底に沈んだ船体の油タンクに残る重油約12,500klの一部はその後も流出し続けている。
海上に流出した重油は福井県をはじめ、日本海沿岸の多数の府県に及ぶ海岸に漂着して環境に大打撃を与えたが、この流出重油の一部は多数の関係者やボランティアの働きによって一部が回収されたことは記憶に新しい。
前記のような海難事故は、冬の極寒の風の強い時に発生することが多いが、この時期の流出重油の回収作業は過酷なものである。つまり、流出重油は冷たい海面に浮上しながら長時間にわたって波浪に揉まれた結果、重油は次第に硬度を増して30万センチポイズ以上になり、それは柔らかいアスフアルトや布団綿のように変質している。従って、回収船の甲板から下ろした吸入ホースで真空吸引しようとしても、吸入ホースが閉止されて吸引することすらできない。
また、冬季の海面はかなり大きな波浪があり、真空吸引などで油を回収しようとしても、回収船の甲板と油が漂う波の表面との間の距離は、常に大きく変化することから断続的な吸引となり、実質的に作業ができる状態ではない。
そこで、前記のように塊り状に変化している重油に高圧水を噴射して小塊に分離させ、これを船上から伸ばしたヒシャクで掬い上げて回収する方法も採用されたが、この作業にはヒシャクの柄の長さが3.5m以上のものが必要であり、この柄の先に設けた汲取り部に重油を掬った重量は約10kg以上にも感じられる。 従って、油を入れたヒシャクを海面から船上まで持ち上げて船上のドラム缶に投入する作業には大きな体力を必要とする重労働であり、体力のある若い人でも僅か15分程度の作業が限度であったとのことである。
一方、海岸の岩場の足場の悪い場所では、柄の短いヒシャクを使用した汲取り作業が行なわれたが、一人の人の1日の作業で、せいぜいドラム缶1本分が限度の非能率さであったという。
このようにタンカーによる油流出事故がしばしば発生することから、流出油の回収には種々な装置や方法が提案されているが、前記のようにポンプで吸引・圧送する方法では、重油などのように簡単に高粘度に変質する油は真空吸引できないという本質的な問題がある。また、水中ポンプで油を吸い込む方法もあるが、水中ポンプ等の装置はかなりの重量があるので、手軽に場所を変えて作業することができない。
更に、回収船の船上より海面に下ろした吸引ホースで海面に浮上している粘性の比較的小さい油膜を吸引する時は、波浪の動きに吸引ホースの先端を追従させて上下させなければないが、重量のある吸引ホースを波の動きに追従させて操作することは大変な作業であり、従って、実際の作業では吸引ホースの先端が海水中に潜って多量の海水を吸引したり、あるいは先端が浮きあがって真空が途切れるので海面に浮き沈みしている油を効率的に吸引が困難であった。
本発明は、前記のように回収すべき重油のように粘度が高く変質し、真空吸引が困難なものでも、更に、波立つ海面に浮上している油層でも、これを簡単に回収できる、手操作式の流出油の回収方法及び装置を提供するものである。
前記目的を達成するための本発明に係る流出油の回収方法は次のように構成されている。
1)水面に浮遊する油層に対して、高圧水ジエット流を作用させて前記油層を破砕して油水混合体を形成し、この油水混合体を前記高圧水ジエット流を利用して油水管内を移送するようにしたことを特徴としている。
2)水面に浮遊する油層の一部を水面から隔離し、この隔離された油に対して高圧水ジエット流を作用させて前記油を破砕して油水混合体を形成し、この油水混合体を前記高圧水ジエット流を利用して油水管内を移送するようにしたことを特徴としている。
3)水面に浮遊する油層の一部を柄状の支持部材の先端に支持された受け器に収容して水面から隔離し、この受け器内の油に対して高圧水ジエット流を作用させて前記油を破砕して油水混合体を形成し、この油水混合体を前記高圧水ジエット流を利用して油水管内を移送するようにしたことを特徴としている。
4)水面に浮遊する油層の一部を受け器に収容して水面から隔離し、この受け器内の油に対して高圧水ジエット流を作用させて前記油を破砕して油水混合体を形成し、この油水混合体を前記高圧水ジエット流を利用して油水管内を移送して油水粗分離装置に供給し、この油水粗分離装置で油水分離処理を行なうことを特徴としている。
本発明に係る流出油の回収装置は次のように構成したことを特徴としている。 5)柄状の支持部材の先端に支持された受け器と、この受け器内に収容された油層を貫通するように高圧水ジエット流を形成するノズルとを有し、このノズルより噴出する高圧水ジエット流によって油層を破砕して油水混合を形成するように構成したことを特徴としている。
6)前記柄状の支持部材が前記油水混合体の流れを案内する油水管であることを特徴としている。
7)前記柄状の支持部材が前記油水混合体を案内する油水管と、高圧水を前記ノズルに供給する高圧水供給管であることを特徴としている。
8)前記受け器が、前記油水混合体を案内する油水管短時間送給できる量の油水混合体を一時的に保持できることを特徴としている。
9)前記受け器は、浅底の掬い部と、この掬い部に続く深底部と、前記掬い部に設けられた仕切り板とからなり、前記深底部にジエット流用ノズルを設け、このノズルに対向して前記油水混合体を案内する油水管の下端の開口を配置したことを特徴としている。
従来の海面に浮遊する油層を直接吸引して回収する方法は油の粘度が高くなったり、波浪の大きな時には実質的に回収が不能であった。しかし、本発明に係る流出油の回収方法は、海面に漂う油層から少量の油を大型の塵取り器のような受け器に収容し、回収する油と浮遊している油層とを隔離している状態とする。そしてこの受け器の内部において、油に高圧水ジエット流を作用させて破砕して流動し易い状態とし、これを高圧水ジエット流が発生する負圧作用させて油水管内に吸引し、その押圧力で油回収船の甲板上などに移送する。そして、適当な機構を持つ油水粗分離装置によって油と水に分離し、油を回収するものである。
特に、本発明に係る流出油の回収方法は、高圧水ジエット流を使用して油層の塊り、あるいは集合体を小塊ないし小粒子状に破砕して油水混合体して油水管内に付着し難い状態にしながら、これを油水管内を移送するものである。
従って、特に冬季の冷たい水の中で長期間波に揉まれ、その結果、アスフアルト状に硬く変質して大きな塊のようになった油でも、高圧水ジエット流の貫通作用で簡易に粉砕処理し、細かくなった油と水とからなる、移動し易い混合体とすることができ、従って、これを簡単に回収,移送することができる。
このように変質した油の塊りは高圧水ジエット流によって破砕されて小塊あるいは小粒子状となる上に、高圧水ジエット流の吸引作用と押圧作用により簡単に所定の場所、例えば油回収船上まで移送できる上に、油水粗分離装置で容易に油水の粗分離処理することができるものである。
更に、本発明に使用する小型の流出油の回収装置は、手で操作できる程度に小型化することが可能であり、流出油の状況に応じて、運搬と操作が容易であり、更に、特別な熟練を必要としないことから、何時でも何処でも、誰でも油回収作業を行うことができるものである。
本発明に係る流出油の回収方法は、水面に浮遊する油層の一部を水面から隔離し、この隔離された油に対して高圧水ジエット流を作用させて前記油を破砕して油水混合体を形成し、この油水混合体を前記高圧水ジエット流を利用して油水管内を移送するようにしたことを特徴としている。
従って、例えば冬季の冷たい海水に揉まれて流出油の硬度が増した油塊となったものでも、これを高圧水ジエット流で簡単に破砕して小塊ないし小粒の状態の油水混合体を形成し、これを高圧水ジエット流の圧力で搬送できるので、油の回収作業を効率的に行うことができる。
特に、油回収装置の先端に設けた受け器によって浮遊する油層の一部を掬い取って海面から分離した状態とし、これに高圧水ジエットを作用させて小塊や微粉状に破砕して油水混合体を形成して所定の油水分離装置で油水分離して油を回収することができるので、波浪により大きく上下する海面に浮上する流出油でも、単に油を小量づつ海面から掬う動作を行うだけで良いことから、波浪の状態に関係なく、効率的に回収することができる。
また、本発明に係る流出油の回収装置は、柄状の支持部材の先端に支持された受け器と、この受け器内に収容された油層を貫通するように高圧水ジエット流を形成するノズルとを有し、このノズルより噴出する高圧水ジエット流によって油層を破砕して油水混合体を形成するように構成されている。
従って、この油回収作業は季節や場所に関係なく、海面に流出している油の回収を簡単な作業で行うことができる。特に、この作業は熟練を必要としないことから、経験のない作業者でも簡単に行うことができる。
図1は、本発明に係る流出油の回収装置を使用して海面に浮上している重油などの油を回収している状態を示している。
油回収船1の甲板(あるいは岸壁や岩場など)に作業者2が立って小型油回収装置3を操作し、海面4に浮遊している油5(タンカーからの流出油など)を前記油回収装置3の受け器6内に所定量を掬い取り、一時的に海面から離脱させて関係を絶った上で、高圧駆動水ポンプ7より送り出される高圧水をホース8を経由して高圧水管9内に供給し、この高圧水管9の先端に設けてあるノズルを介して油水管10内に噴射して前記受け器6内の油5を、このノズルから噴射される高圧水のジエット流で破砕と攪拌作用を与えることによって配管内に付着し難い性質を持つ油水混合体とし、ジエット流の周囲に発生する負圧によって吸引しながら駆動力を与えて移送するものである。
高圧水ジエット流の駆動力によって油水管10内を流動した油水混合体は、この油水管10に接続されている油水ホース12で油水粗分離装置13に供給され、ここで油水の分離作用を受け、分離された水は、排水管14により前記高圧駆動水ポンプ7に供給されて加圧される。
そして高圧駆動水ポンプ7で加圧されてホース8を経由して前記高圧水管9に還流(リサイクル)させてノズルより噴射される。また、前記油水粗分離装置13で分離処理された油は、回収油として排出口16よりドラム缶等の容器17内に収容される。なお、18は油水粗分離装置13の排水バルブであり、この分離装置13内の液面を保持する場合に自動あるいは手動で操作されるものである。
また、本発明に係る小型油回収装置3は手持型である。更に操作性を良くするために肩掛けベルト15で重量を負担したり、更にスプリングバランサー20を使用して重量を吊り上げる等の方法で操作性を向上させることもできる。
小型油回収装置3は、図2(A)に全体構造を示すように、太い管からなる油水管10を回収装置の本体部分とし、これの途中から高圧水管9を平行に並べ、油水管10と高圧水管9の先端に大型の塵取り器、あるいはスコップ状の受け器6を固定している。また、図3に示すように受け器6は油水管10に対して約30度傾斜させ固定することで図1に示すように油回収船1の甲板等の上方から流出油を、スコップあるいは大型のひしゃくで掬い上げる作業を行い易いようにしてある。また、前記油水管10の根元部分10aは、図2(B)のように約15度下向きに傾斜して小脇に抱えて作業をし易くしてある。
また、油水管10の途中には十字形にハンドル10bと、図2(C)に示すリング状の握り部10cを設けて持ち易くすると共に、粘性の高い油層に対して受け器6の掬い入れ方向を容易に調節できるようにしている。また、このハンドル10bの下方に塩化ビニル管10d(滑り性のあるカバー材)を設けて船の甲板のへりを滑り易くしてある。なお、10eは油水管10を流れる油水混合体の送出口であり、また、9aは高圧水の供給口である。
(硬くなった油の破砕構造)
図4(C)および図5に示すように、受け器6の深底部6bの底面には高圧水管9を接続部材9bを介して油水管10の下端の開口に対面させ、前記接続部材9bに上向きにノズル9cを設け、そのノズル9cと前記油水管10の開口部10gとの間に所定の距離dを置いて臨ませている。
この距離dは、受け器6の深底部6bに流入された油を高圧水ジエット流J(図6)で破砕すると共に油水管10に吸引させるための空間である。これが余り広いと前記ノズル9cより噴出する高圧水ジエット流Jが油の塊や海水の厚さによる抵抗を受けて弱められ、所定の送水圧力を発生しなくなる。また、逆に余り狭いと油水管10に負圧で吸引される油水混合体の量が少なくなる傾向があるので最適な値を採用する必要がある。
海面4に浮遊している油5は、図5(A)に示す仕切り板6dを乗り越えて受け器6内に掬われ、深底部6bに溜められる。そしてノズル9cより噴出する高圧水ジエット流Jにより破砕作用を受けて油水混合体となり、油水管10の開口部10gの周囲に発生する負圧により吸い込まれ、更にジエット流Jで高速で流し込まれて油水混合体の状態で油水管10中を上昇し、図2に示す送出口10eより油水ホース12内に送り込まれる。
油回収部21は図4(A)のように、油を掬い取る大型の塵取り器状あるいは大型のスコップ状の受け器6に、太径の油水管10と小径の高圧水管9が接続されている。
この受け器6は、図4に示すように受入れ部6aと深底部6bを有し、この受入れ部6aの底面は油を深底部6b側に流すように傾斜面6cを設け、更に先端部に仕切り板6dを設けて掬い取った油が排出されないようになっている。
従って、本発明に係る小型油回収装置3を使用する際の季節による油の粘度などの性状変化を考慮して、前記ノズル9cと開口部10gとの距離dを調整できる構造を採用すると、油の粘度等の性質に合わせたジエット送水効果を得ることができることになる。
図6は、受け器6の深底部6bに向けて延長されている油水管10の下端の円錐状の開口部10gに対して、高圧水管9の先端に設けられたノズル9cより噴出する高圧水ジエット流Jにより塊状の掬上油5dが破砕され、小塊5aとなって油水混合体5bを形成し、ジエット流Jに伴う負圧により油水管10の開口10gより吸込まれ、移送される様子を示している。なお、小塊5aとなった油5dは、海水によって個々に分離されるので、この海水を一種の潤滑油として油水管10内を容易に移動可能である。
図1に示すように、本発明に係る小型油回収装置3は油回収船1上に配置されている高圧駆動水ポンプ7と油水分離装置13を駆動した状態で、甲板上の作業者2が手操作して高圧水ホース8を経由して、図6に示すようにノズル9cより送出される高圧水ジエット流Jを、受け器6内の掬上油5dの下方から上方に向けて油水管10内に噴射して掬上油5dの塊を破砕しながら海水との混合体である油水混合体5bを形成しながら油水管10内を移送する。
そして前記油水分離装置13で処理して油5と水とを分離させ、この分離水を高圧駆動水ポンプ7側に還流(リサイクル)させながら前記油回収の作業を行うのである。
実際の油回収操作においては、図7に示すように海面4に波浪が発生し、海面4は大きく上下している。従って、前記のように海面4に浮遊している油5を従来の真空吸引で回収操作で行うことは困難である。
しかし、本発明に係る小型油回収装置は、図7(A)のように波頭4aの油と海水の混合流体を受け器6(油回収部21)で掬い取って海面に浮遊している油層と隔離する。
しかる後、波頭4aは移動して(B)図のように谷部4bとなって受け器6は海面4より離れた状態となるが、この間は前記受け器6内の掬上油水5dは図6に示されるような高圧水ジエット流Jにより油水管10中に破砕作用を受けると共に吸引されながら強力に押し込まれ、油水ホース12を介して油水分離装置13に送り込まれる。
つまり、本発明に係る小型油回収装置3は海面4に発生する波浪と隔離された状態で、浮遊している油5を受け器6で海水と共に掬い取り、この受け器6内において高圧水ジエット流Jを作用させて破砕し、形成された油水混合体に駆動力を与えながら所定の場所(例えば回収船上)に移送し回収することができるのである。
油回収船1上に搭載する油水粗分離装置13には各種の油水分離装置を使用することができるが、簡易な装置としては、図8に示すような静置・重力分離方式のものを採用しても良い。
この油水粗分離装置13は、図8(A)及び図9に示すように、本体13aに油水供給口13bと分離水排出口13cと分離油排出口16を設け、更にその内部に静置・重力分離方式の分離素子13eが設けられている。
この分離素子13eは、図8(C,D)のように上下方向に30〜40mmの穴開板を流れに対して抵抗するように配置された整流板13fと、水平板13g(分離促進板)で構成されている。この水平板13gは移動中に浮上する油滴を付着させて捕集できるポリプロピレンやポリエチレン板等の合成樹脂板あるいは合成樹脂コート等で表面処理した金属板を所定の間隔で支持して多層板方式に配置されている。
また、前記本体13aの上層位置には液面センサー13hと油水境界面センサー13iが設けられ、油水混合体5b(図6)より分離された油の状態が常時検査され、その信号は適当な場所(例えば、図2に示した小型油回収装置3のハンドル10b部分や本体13aなど)に付けたメーターに表示されて作業者2がこれを時々監視しながら受け器6内の掬上油5dの量を調整することができる。
また、前記液面センサー13hと油水境界面センサー13iの信号によって排水弁18(図1)を電気的に制御することによってこの油水粗分離装置13の自動運転を行うことができる。
油回収部21によって高圧水ジエットJの衝撃的な作用により破砕処理されて油水粗分離装置13に供給された油水混合体5bは、本体13a内においては速度が緩やかになるが、その際に比較的大きな小塊5aは浮上して場所B(図8a)に集合して油層を形成しながら排出口16(図1)より排出され、容器17に収容される。
また、残りの油水混合体5bの小さな塊の油は分離素子13e側にゆっくりと移動し整流板13fの整流作用と、水平板13gの付着分離作用により、この水平板13gの下面に付着して油層に成長する。この油層は稼働時間を見ながら、いったん装置を停止して内部を排水し、本体13aに開口されている作業穴から高圧水や圧縮空気を噴射洗浄して分離機能を回復させることができる。
簡易型の油水粗分離装置13には各種のタイプのものを使用できるが、例えば、図9に示すようにプラスチックコンテナーやドラム缶などの容器にパッケージ化された整流板と分離促進板である水平板を入れて即席の油水粗分離装置とすることもできる。
本発明に係る小型油回収機システムは、前記のように油回収船1等の上から使用するものや、更に軽量化された簡易型のものも採用できる。
図10及び図11には本発明の変形例であって、スコップ感覚で使用できる小型油回収具3Aであって、油水管10Aと高圧水管9Aを柄部とし、この柄部の先端に受け器6Aと接続部材9Bとノズルからなる油回収部21Aを設けている。そして両管10A、9Aの先端部にはそれぞれ接続部101、91が設けられ、これに図1に示すホース8と油水ホース12を接続して油回収作業を行う。
本発明に係る流出油回収装置の説明図である。 (A)は回収装置の正面図、(B)は油水管からなる柄部の側面図、そして(C)は握り部の正面図である。 受け器と油水管との状態を示す側面図である。 (A)は油水回収部の平面図、(B)同側面図、(C)は(A)図におけるC−C断面図である。 (A)は油回収部の説明用側面図、(B)同平断面図である。 油回収部の作用説明図である。 (A)は流出油を受け器で掬う作業の波頭で油を掬う状態の説明図、(B)は波の谷部と受け器との関係を示す図である。 (A)は油水粗分離装置の一例の説明図における横断面図、(B)は同平面図、(C)は分離素子の横面図、(D)は整流板の正面図である。 プラスチックコンテナーを使用した油水粗分離装置の要部を示す斜視図である。 別の実施の形態に係る小型油回収機の正面図である。 同小型油回収機の側面図である。
符号の説明
1 油回収船
3 小型油回収装置
5 油
5a 油の小塊
5b 油水混合体
5d 掬上油
6 受け器
6a 受入れ部
6b 深底部
6c 傾斜面
6d 仕切り板
7 高圧水ポンプ
8 ホース
9 高圧水管
9a 供給口
9b 接続部材
9c ノズル
10 油水管
10b ハンドル
10c 握り部
10d 握り部
10e 送出口
10g 開口部
10h 拡開部
12 油水ホース
14 排水管
16 排出口
20 スプリングバランサー
21 油回収部
J 高圧水ジエット

Claims (9)

  1. 水面に浮遊する油層に対して、高圧水ジエット流を作用させて前記油層を破砕して油水混合体を形成し、この油水混合体を前記高圧水ジエット流を利用して油水管内を移送するようにしたことを特徴とする流出油の回収方法。
  2. 水面に浮遊する油層の一部を水面から隔離し、この隔離された油に対して高圧水ジエット流を作用させて前記油を破砕して油水混合体を形成し、この油水混合体を前記高圧水ジエット流を利用して油水管内を移送するようにしたことを特徴とする流出油の回収方法。
  3. 水面に浮遊する油層の一部を柄状の支持部材の先端に支持された受け器に収容して水面から隔離し、この受け器内の油に対して高圧水ジエット流を作用させて前記油を破砕して油水混合体を形成し、この油水混合体を前記高圧水ジエット流を利用して油水管内を移送するようにしたことを特徴とする請求項2記載の流出油の回収方法。
  4. 水面に浮遊する油層の一部を受け器に収容して水面から隔離し、この受け器内の油に対して高圧水ジエット流を作用させて前記油を破砕して油水混合体を形成し、この油水混合体を前記高圧水ジエット流を利用して油水管内を移送して油水粗分離装置に供給し、この油水粗分離装置で油水分離処理を行なうことを特徴とする流出油の回収方法。
  5. 柄状の支持部材の先端に支持された受け器と、この受け器内に収容された油層を貫通するように高圧水ジエット流を形成するノズルとを有し、このノズルより噴出する高圧水ジエット流によって油層を破砕して油水混合体を形成するように構成したことを特徴とする流出油の回収装置。
  6. 前記柄状の支持部材が前記油水混合体の流れを案内する油水管である請求項5記載の流出油の回収装置。
  7. 前記柄状の支持部材が前記油水混合体を案内する油水管と、高圧水を前記ノズルに供給する高圧水供給管であることを特徴とする請求項5記載の流出油の回収装置。
  8. 前記受け器が、前記油水混合体を案内する油水管に短時間で送給できる量の油水混合体を一時的に保持できることを特徴とする請求項5記載の流出油の回収装置。
  9. 前記受け器は、浅底の掬い部と、この掬い部に続く深底部と、前記掬い部に設けられた仕切り板とからなり、前記深底部にジエット流用ノズルを設け、このノズルに対向して前記油水混合体を案内する油水管の下端の開口を配置したことを特徴とする請求項5記載の流出油の回収装置。
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