以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は複数の可動体を備えたパチンコ機に本発明を適用した例であって、図1〜図12を参照しながら説明する。
図1には第1種パチンコ機であるパチンコ機10の外観を正面図で示す。図1に示すパチンコ機10の遊技盤面12上には、通過するパチンコ球を検出するゲートセンサ58を有するゲート32、パチンコ球が通過可能な通過口26,62、入賞したパチンコ球を検出する始動口センサ60を有する第1種始動口30、ソレノイド54によって開閉される蓋74を有する大入賞口34、後述する特別図柄表示器24や保留球ランプ20,22等を複合的に有する複合装置14、その他に一般の入賞口や風車,釘などが適宜に配置されている。また遊技盤面12の下方には、遊技者がパチンコ機10に対して操作を行う操作ボタン48(操作部)、賞球を含むパチンコ球を一時的に貯留する下皿44や、タバコの吸い殻等を入れる灰皿46、遊技者の手が触れているか否かを検出するタッチセンサ42を備えたハンドル40、賞球の受皿である上皿38の内部に設けて音(効果音や音楽等)を出すスピーカ50などを備える。また、ガラス枠18(他に「金枠」とも呼ぶ。)の開放を検出する枠開放センサ36や、パチンコ機10の遊技内容等に合わせて適切な位置に配置されている発光体からなるランプ類16をも備える。さらに上皿38には球貸を指令する球貸スイッチ64や、プリペイドカードの返却を指令する返却スイッチ72等を備える。
遊技盤面12上に配置された通過口26には、普通図柄を変動または停止して表示する普通図柄表示器28を備える。普通図柄表示器28は一個または複数個の発光体(例えば緑色,赤色,橙色等の複数色で発光可能なLED)を有し、ゲート32にパチンコ球が通過したときに変動が始まって所定時間経過後に停止する。具体的には発光体を点滅させて変動を行い、特定の発光体が特定の色で点灯(あるいは消灯)する状態で停止すると下部始動口68の蓋を一定期間(例えば4秒間)だけ開ける。大入賞口34は上記蓋74の他に、パチンコ球が大入賞口開放期間(例えば20秒間)内に入賞すると大当たり遊技状態を所要のラウンド数(例えば16ラウンド)内で継続可能になるVゾーン56や、単に賞球を払い出す普通入賞口などを有する。入賞したパチンコ球を検出するために、Vゾーン56にはVゾーンセンサ52を、上記普通入賞口には入賞センサ70をそれぞれ有する。大入賞口34の下方には、入賞したパチンコ球を検出する始動口センサ66を備えた下部始動口68を設ける。当該下部始動口68は第1種始動口30と同等の機能を備え、いずれもパチンコ球が入賞すると通常の入賞口と同様に賞球を払い出す。
図2(A)に拡大して示す複合装置14は、一般の入賞口に相当する天入賞口76や、画像を表示可能な特別図柄表示器24、所定方向(例えば上下方向)に移動可能であって特別図柄表示器24の表示領域内に入り込む動きが可能な可動部材80,82,84、普通図柄の変動中にゲート32を通過したパチンコ球の個数を表示する保留球ランプ20、特別図柄の変動中に第1種始動口30または下部始動口68に入賞したパチンコ球(すなわち保留球)の個数を表示する保留球ランプ22等を有する。以下、保留球ランプ22の表示によって認識できる保留球の個数を「保留球数」と呼ぶ。画像表示部に相当する特別図柄表示器24は例えば液晶表示器を用い、特別図柄に限らず、文字,記号,符号,図形,映像などを表示する。特別図柄表示器24に表示する特別図柄は、第1種始動口30や下部始動口68にパチンコ球が入賞すると変動し始め、所定時間を経過すると停止する。当該停止には完全に停止させる態様のみならず、所定方向に所定範囲で往復して動く状態を表示する態様をも含む。例えば、図柄がわずかに上下方向に揺れ動く状態も停止に含む。なお、特別図柄表示器24にはCRTやLED表示器,プラズマ表示器などのように図柄が表示可能な如何なる表示器を用いてもよい。また、普通図柄表示器28と特別図柄表示器24とを別個に用いたが、同一の表示器で双方を兼用してもよい。保留球ランプ20,22は、各々が1個または複数個の発光体(例えば4個のLED)からなる。
図2(B)に示すように、星を模した可動部材82はモータ86によって上下方向(図示する矢印D2方向)に移動可能に構成されている。可動部材82とモータ86との間はギア歯,ベルト,チェーン,ラック&ピニオン,トルクコンバータ等のようなトルク伝達部材(図示せず)を介在させており、モータ86の駆動で発生した回転運動をトルク伝達部材によって進退運動に変換して可動部材82に伝達する。こうして可動部材82は図面の上下方向に移動可能になる。このことは可動部材80,84についてもほぼ同様に構成することによって、可動部材80,82,84は互いに独立して上下方向に進退運動することができる。なお、可動部材80は例えば黄色に、可動部材82は例えば青色に、可動部材84は例えば赤色にそれぞれ着色されている。また、遊技者等が直接に可動部材80,82,84や特別図柄表示器24に触れないように、特別図柄表示器24の前面側(図2(B)の例では左側)にはカバー体88が設けられている。
次に、パチンコ機10によるパチンコ遊技を実現するメイン制御基板100(動作制御部,遊技制御部)と、当該メイン制御基板100から送られた表示指令を受けて特別図柄表示器24に画像を表示する表示制御基板200(画像制御部)とについて、これらの概略構成を示した図3を参照しながら説明する。これらのメイン制御基板100および表示制御基板200は例えばパチンコ機10の背面側に設ける。図3に示すメイン制御基板100はCPU(プロセッサ)110を中心に構成し、遊技制御プログラムや所要の遊技データ(例えば大当たり値等)を格納するROM112、各種の乱数,データ,入出力信号等を格納するRAM114、各種の入力装置から送られた信号を受けてメイン制御基板100内で処理可能なデータ形式に変換する入力処理回路102、CPU110から送られた作動データを受けて各種の出力装置を作動させる出力処理回路104、CPU110から送られた表示データを受けて各種の発光体を適宜に表示(点灯・消灯を含む)する表示制御回路106、表示制御基板200に対して所要のデータを送信する通信制御回路116等を有する。これらの構成要素は、いずれもバス118に互いに結合されている。
CPU110はROM112に格納された遊技制御プログラムを実行してパチンコ機10による遊技を実現するが、当該遊技制御プログラムには後述する第1種始動口処理等を実現するためのプログラムをも含む。ROM112にはEPROMを用い、RAM114にはDRAMを用いるが、他の種類のメモリを用いてもよい。当該他の種類のメモリとしては、EEPROM,SRAM,フラッシュメモリ等がある。入力処理回路102が信号を受ける入力装置としては、例えば始動口センサ60、ゲートセンサ58、入賞センサ(Vゾーンセンサ52等)あるいは他のセンサ(タッチセンサ42,枠開放センサ36等)などがある。出力処理回路104が信号を出力する出力装置としては、例えばソレノイド54等がある。表示制御回路106が表示する発光体としては、例えばランプ類16や保留球ランプ20,22、あるいは普通図柄表示器28等がある。通信制御回路116は、必要に応じてさらに図示しない枠制御基板やホールコンピュータ等に対しても所要のデータを送信することができる。
次に、表示制御基板200はCPU210を中心に構成し、表示制御プログラムや所要の表示データ(例えば表示指令に対応する表示情報や複数の変動パターン等)を格納するROM202、表示指令,表示情報,入出力信号等を格納するRAM204、メイン制御基板100から送信されたデータを受信しする通信制御回路206、所要の画像を生成するキャラクタジェネレータ212、CPU210から送られた表示情報を受けて特別図柄表示器24に対して画像を加工して表示するVDP(Video Display Processor)214等を有する。これらの構成要素は、いずれもバス208に互いに結合されている。
CPU210はROM202に格納された表示制御プログラムを実行して特別図柄表示器24に画像を表示するが、当該表示制御プログラムには後述する画像表示処理等を実現するためのプログラムをも含む。ROM202にはEPROMを用い、RAM204にはDRAMを用いるが、他の種類のメモリを用いてもよい。当該他の種類のメモリとしては、EEPROM,SRAM,フラッシュメモリ等がある。通信制御回路206は、必要に応じてさらに図示しない枠制御基板やホールコンピュータ等に対しても所要のデータを送信することができる。キャラクタジェネレータ212が生成する画像としては、例えば文字,図柄,アニメーション等の動画,静止画,映像などがある。VRAMやパレットRAM等を有するVDP214は、表示情報に対応する文字,図柄,背景等のデータをキャラクタジェネレータ212で生成して読み込み、配色指定及びスプライト処理等の画像編集を行なってVRAMやパレットRAMにデータ展開した上で、最終的に映像信号や同期信号等を特別図柄表示器24に出力する。このときスプライト処理を実行して実現されるスプライト機能によって、複数の図柄群を同時にまたは非同時に変動または停止して表示する処理を高速に実行することができる。
上記のように構成したパチンコ機10において、本発明を実現するためにメイン制御基板100や表示制御基板200で行う処理手順について図4〜図9を参照して説明する。ここで、図4には第1種始動口30に対するパチンコ球の入賞判別を実現する第1種始動口処理の内容を、図5には特別図柄表示器24に図柄群を変動または停止する表示を実現する図柄変動処理の内容を、図6には図柄群を変動し始めてから停止するまでの表示を実現する変動表示処理の内容を、図7には、リーチ表示およびリーチパターンに基づく変動を実現するリーチ処理の内容を、図8には可動部材80,82,84の動きと特別図柄表示器24に表示する画像との連動(同期,同調)を実現する連動変動処理の内容を、図9にはメイン制御基板100から送られた表示指令を受けた表示制御基板200が画像編集を行なって特別図柄表示器24に画像を表示する画像表示処理の内容をそれぞれフローチャートで示す。これらの処理のうち、第1種始動口処理,図柄変動処理,変動表示処理,リーチ処理,連動変動処理は、いずれも図3に示すメイン制御基板100においてROM112に格納されている遊技制御プログラムをCPU110が適当なタイミング(例えば4ミリ秒ごとの周期)で実行して実現する。また、画像表示処理は表示制御基板200においてCPU210とVDP214が適当なタイミングでプログラムを実行して実現する。
ここで、以下の説明において「加算する」とは通常は1だけ保留球数を増やすことを意味するが、遊技状態等に応じて適宜に2以上ずつ増やす場合を含む。これに対して「減算する」とは、保留球数を減らす点を除いて加算する場合と同様である。また、第1種始動口30と下部始動口68とは同様に機能するので、説明を簡単にするために第1種始動口30を例にして説明する。さらに、特別図柄表示器24で行う図柄群の変動または停止には、左側,中側,右側の三つの変動領域を区画してそれぞれ図柄群を変動し、左側の変動領域に左図柄を、中側の変動領域に中図柄を、右側の変動領域に右図柄を停止する態様を適用する。
図4に示す第1種始動口処理では、まず第1種始動口30にパチンコ球が入賞したか否かを判別する〔ステップS10〕。具体的には、図1,図3において始動口センサ60から検出信号を受けると入賞した(YES)と判別し、当該検出信号を受けなければ入賞していない(NO)と判別する。もし、第1種始動口30にパチンコ球が入賞すると、保留球数が上限値(例えば4)に達したか否かを判別する〔ステップS12〕。保留球数が上限値に達していなければ(NO)、その保留球数を加算する〔ステップS14〕。加算した保留球数に応じて保留球ランプ22のLEDを点灯する。その後、各種乱数を読み込んで記憶し〔ステップS16〕、第1種始動口処理を終了する。なお、第1種始動口30にパチンコ球が入賞していない場合(ステップS10のNO)や、保留球数が上限値に達した場合(ステップS12のYES)には、そのまま第1種始動口処理を終了する。
上記ステップS16で読み込んでRAM114に記憶する各種乱数には、大当たりか否かの判別に用いる大当たり判定用乱数RAや、大当たり判定用乱数RAによって大当たりと判別された場合において特別図柄表示器24に停止して表示する大当たり図柄(特定図柄の組み合わせ)を特定するために用いる大当たり図柄用乱数RB、特別図柄表示器24に表示されたリーチ図柄(所定図柄の組み合わせ)等に応じてリーチに達してから変動を停止するまでの表示パターンを特定するために用いるリーチパターン用乱数RC、大当たりになった後に大当たりになる確率を変更するか否かを判別するために用いる確率変動用乱数RD、可動部材80,82,84等の連動回数nを決定するために用いる作動回数用乱数REなどがある。「リーチ」または「リーチ状態」とは、未だに変動している残りの特別図柄を除き、他の特別図柄がリーチ図柄と一致している状態を意味する。
図5に示す図柄変動処理では、まず保留球数が正数(すなわち保留球数>0を満たす)か否かを判別する〔ステップS20〕。もし、保留球数が0または負数のときは(NO)、そのまま図柄変動処理を終了する。一方、保留球数が正数のときは(YES)、次回以降の処理に備えて保留球数を減算し〔ステップS22〕、減算した保留球数に応じて保留球ランプ22のLEDを点灯する。そして、図4のステップS16で記憶した大当たり判定用乱数RAを読み込み〔ステップS24〕、変動表示処理を実行する〔ステップS28〕。変動表示処理の具体的な内容について、図6を参照しながら説明する。
図6に示す変動表示処理では、まず「大当たり」か否かを判別する〔ステップS40〕。具体的には、図5のステップS24で読み込んだ大当たり判定用乱数RAが大当たり値と一致するか否かによって判別する。大当たり値は1個または複数個であるが、遊技状態
(例えば確率変動)等が変わると大当たり値の個数を変化させてもよい。もし「大当たり」と判別されたときは(YES)、図4のステップS16で記憶した大当たり図柄用乱数RBを読み込み〔ステップS42〕、当該大当たり図柄用乱数RBの値に基づいて最終的に停止して確定する予定の図柄(以下「停止予定図柄」と呼ぶ。)を決定し、図柄群を変動させ始めるべく後述するステップS44に進む。一方、ステップS40で「はずれ」と判別されたときは(NO)、はずれ図柄を特別図柄表示器24に表示するためにはずれ図柄データをRAM114から読み込んだ後〔ステップS52〕、当該はずれ図柄にリーチ図柄を含むか否かを判別する〔ステップS54〕。リーチ図柄は例えば左図柄と右図柄の組み合わせが該当し、通常のパチンコ機10では同じ図柄(いわゆるゾロ目)である。もしリーチ図柄を含むならば(YES)、最終的には「はずれ」になるが途中でリーチに達するので後述するステップS44に進む。一方、リーチ図柄を含まなければ(NO)、ステップS44と同様に図柄群を変動し始め〔ステップS56〕、所定の変動パターンに基づいて変動を行なった後にはずれ図柄で停止し〔ステップS58〕、後述するステップS48に進む。上記ステップS56,S58ではそれぞれ対応する表示指令を表示制御基板200に送って実現する。
表示制御基板200に表示指令を送って図柄群を変動し始めた後〔ステップS44〕、リーチ処理を実行する〔ステップS46〕。表示制御基板200で行われる処理については後述することとし、まずリーチ処理の具体的な内容について図7を参照しながら説明する。図7に示すリーチ処理では、まず遊技者等にリーチ予告を報知する〔ステップS60〕。具体的には、可動部材80,82,84を特別図柄表示器24の表示領域に入り込ませた後、すぐに原位置(基準位置)に戻す。このとき、遊技者等には可動部材80,82,84が降りてきてすぐに引っ込むように見える。そして、図4のステップS16で記憶したリーチパターン用乱数RCを読み込み〔ステップS62〕、リーチパターンを決定する〔ステップS64〕。リーチパターンの決定は、例えば図6のステップS42(またはステップS52)で決定した停止予定図柄と、図7のステップS62で読み込んだリーチパターン用乱数RCとに基づいてROM112等に記憶された第1データテーブル等に従って決定する。当該第1データテーブルは、停止予定図柄(あるいはリーチ図柄と中図柄との間における図柄のずれ)とリーチパターン用乱数RCとの関係を規定する。
こうしてリーチパターンを決定した後、表示制御基板200に表示指令を送って特別図柄表示器24にリーチ図柄(第1図柄,第2図柄)を特別図柄表示器24に表示する〔ステップS66〕。第1図柄は例えば左図柄であり、第2図柄は例えば右図柄である。リーチ図柄は特別図柄表示器24のみや他の表示器のみに表示してもよく、その双方に表示してもよい。こうすれば、特別図柄表示器24以外の表示器にもリーチ図柄等が表示されるので、リーチ図柄が何であるかを認識しやすくなる。リーチ図柄を表示する際には、さらにリーチに達したことを遊技者に報知してもよい。当該報知としては、例えば「リーチ」の文字や所定のアニメーションなどを表示し、音声や特定の効果音をスピーカ50から出し、遊技者が触れるハンドル40や遊技者が座る椅子を振動させる等の態様がある。こうすれば、遊技者はリーチに達したことをより確実に認識することができる。
その後、ステップS64で決定したリーチパターンが特定のリーチパターンか否かによって処理を分ける〔ステップS68〕。もし、特定のリーチパターンでないときは(NO)、表示制御基板200に表示指令を送ってステップS64で決定したリーチパターンで変動を行い〔ステップS74〕、図柄変動を停止して最終図柄(第3図柄)を表示する〔ステップS72〕。第3図柄は例えば中図柄であり、今回の抽選における特別図柄(左図柄,中図柄,右図柄)が確定する。一方、ステップS68において特定のリーチパターンであるときは(YES)、連動変動処理を実行する〔ステップS78〕。当該連動変動処理の具体的な内容について図8を参照しながら説明する。
図8に示す連動変動処理では、まず図4のステップS16で記憶した作動回数用乱数REを読み込んで〔ステップS80〕、当該作動回数用乱数REに基づいてROM112等に記憶された第2データテーブル等に従って連動回数nを決定する〔ステップS82〕。第2データテーブルは作動回数用乱数REと連動回数nとの関係を規定する。なお、連動回数nと大当たりになり易さを表す期待度(信頼度)とに一定の関係を持たせれば(例えば連動回数nが増えると期待度も高くなる等)、遊技者は連動が行われる期間の長さによって期待度を推測できる。続いて画像と複数の可動体との連動を行うための準備として、可動部材80,82,84を動かして特別図柄表示器24の表示領域内に入り込ませるとともに、特別図柄表示器24にキャラクタ96(図11等参照)を出現させる〔ステップS84〕。当該表示領域内に入り込ませる可動部材の個数は任意である。
そして、ステップS82で決定した連動回数nが0になるまで〔ステップS90〕、連動回数nを1ずつ減らしながら〔ステップS96〕、キャラクタ96の動きと可動部材80,82,84の動きとを連動させる演出を繰り返し行う〔ステップS86〕。当該連動の演出によって、遊技者等からはキャラクタ96および可動部材80,82,84のうち一方が他方に対して作用を及ぼしたように見える。なお、必要に応じて可動部材80,82,84の動きに連動させるのはキャラクタ96だけではなく、装飾図柄(背景図柄)を含めてもよい〔ステップS88〕。こうすれば連動の態様が多様化するので、より面白味が増える。連動した演出を繰り返して連動回数nが0に達すると(ステップS90のYES)、可動部材80,82,84を原位置に戻すとともに〔ステップS92〕、キャラクタ96と可動部材80,82,84を模した図柄とを連動させる演出を行なった後〔ステップS94〕、連動変動処理を終了する。キャラクタ96と可動部材80,82,84を模した図柄との連動を期待度に応じて異ならせれば、当該連動を見た遊技者は期待度を推測することができる。
上記連動変動処理を実行すると、キャラクタ96と可動部材80,82,84との連動を見た遊技者は、望ましい特別図柄で停止することを期待しながらキャラクタ96や可動部材80,82,84の動きを見るようになる。また、ステップS82で決定する連動回数nは作動回数用乱数REの値によって毎回異なるので、遊技者はどのぐらいの期間だけ連動が続くのかを予測できない。よって遊技者は特別図柄表示器24を見る楽しみとともに、キャラクタ96と可動部材80,82,84とが連動する期間の長さによってはスリルと期待感を持って遊技することができる。なお、必要に応じて連動回数nを所定回数(例えば3回)に固定してもよい。
連動変動処理を終えると図7に戻り、図柄変動を停止して最終図柄を表示し〔ステップS72〕、リーチ処理を終了する。こうしてリーチ処理を終えると図6に戻り、確率変動か否かを判別する〔ステップS48〕。もし確率変動と判別されたときは(YES)、確率変動処理を実行した後〔ステップS50〕、変動表示処理を終了する。確率変動か否かは、図4のステップS16で記憶した確率変動用乱数RDが所定値と一致しているか否か等によって行う。確率変動処理の内容については、周知であるので図示および説明を省略する。一方、確率変動でなければ(ステップS48のNO)、そのまま変動表示処理を終了する。なお、確率変動処理が実行されると、今回の大当たり遊技終了後から次回の大当たりになるまで、変動後に大当たり図柄で停止して大当たりになる確率が高まり、特別図柄の変動期間が短縮される。また、変動後に当たり図柄で停止して当たりになる確率が高まり、普通図柄の変動期間が短縮される。
変動表示処理を終えると図5に戻り、大当たりか否かを判別する〔ステップS28〕。外来ノイズ等の影響を受けにくく信頼性が高いパチンコ機10では、上記大当たり判定用乱数RAに基づいて「大当たり」か否かを判別する。なお、必要に応じて実際に特別図柄表示器24に表示された特別図柄が大当たり図柄と一致するか否かによって大当たりか否かを判別してもよい。もし「大当たり」ならば(YES)、大当たり処理を行い〔ステップS30〕、図柄変動処理を終了する。大当たり処理は、例えば大入賞口34の蓋74を一定期間(例えば30秒間)だけ開放し、入賞したパチンコ球の数に応じて賞球を払い出す等の大当たり遊技を行う。一方、ステップS28の判別で「はずれ」ならば(NO)、そのまま図柄変動処理を終了する。
次に、表示制御基板200で行われる画像表示処理について図9を参照しながら説明する。ここで、メイン制御基板100から送られた表示指令は、受信割り込み等によって適時に実行される別個の処理プログラムによって図3に示すRAM204等に設けた受信バッファに記憶されているものと仮定する。図9に示す画像表示処理では、まずCPU210が受信バッファに記憶した表示指令を読み込み〔ステップS100〕、読み込んだ表示指令に基づいて表示データを取得しRAM204に記憶する〔ステップS102〕。より具体的には、表示指令と表示データとの関係を規定しROM202等に記憶したデータテーブルを参照して表示データを取得する。この表示データは画像編集を行うためのデータ要素(パラメータ)であり、例えばステータス番号,左図柄番号,左位置座標,中図柄番号,中位置座標,右図柄番号,右位置座標,アニメーション番号,ステータスフラグ,アニメーションタイマ等を有する。こうして取得した表示データを取得した210は、当該表示データをVDP214に伝達する。
CPU210から表示データを受けたVDP214は、当該表示データに基づいて文字,図柄,背景等のデータをキャラクタジェネレータ212から抽出し〔ステップS104〕、配色指定及びスプライト処理等の画像編集を行った後〔ステップS106〕、VRAMやパレットRAM上にデータを展開する〔ステップS108〕。そして、展開したデータを画像信号に変換して特別図柄表示器24に出力する〔ステップS110〕。こうして表示データに基づいて編集した図柄等を特別図柄表示器24に表示させることができる。また、画像編集をハードウェアとしてVDP214で行うので、画像を高速に表示することができる。
次に、上記図4〜図9に示すそれぞれの処理を実行して、特別図柄表示器24に表示する画像と、可動部材80,82,84とを連動する例について、図10〜図12を参照しながら説明する。図10〜図12には画像と可動部材との連動例を示す。この例は「大当たり」になるケースの一例を示すものであって、多く発生する「はずれ」のケースについては図示と説明を省略する。
まず、図10〜図12に示す特別図柄表示器24の表示領域内には、図柄群を変動し、左図柄90,中図柄92,右図柄94を停止して表示可能な三つの変動領域を有する。図柄群の変動を開始すると(図6のステップS44,S52)、図10(A)に示すように三つ変動領域でほぼ一斉に図柄群を変動させ始める。図柄群の変動を始めてからリーチ(所要のタイミング)に達するまでの間にはリーチ予告として(図7のステップS60)、図10(B)に示す状態に可動部材80,82,84をほぼ一斉に(または個別に)降ろし、すぐに図10(A)に示す状態に可動部材80,82,84を引っ込ませる。よって当該可動部材80,82,84の動きを見た遊技者はリーチになるのを推測することができる。その後にリーチになると(図7のステップS66)、図11(A)に示すようにリーチ図柄としての左図柄90と右図柄94(この例ではともに図柄「7」)が表示される。また、可動部材80,82,84が特別図柄表示器24の表示領域内に入り込み、キャラクタ96が特別図柄表示器24に現れる(図8のステップS84)。こうしてキャラクタ96と可動部材80,82,84とが現れるのを見た遊技者は、当該出現が期待度に対応するものであれば、大当たり等の特典を期待する期待感をもって特別図柄表示器24を見るようになる。特別図柄表示器24に現れたキャラクタ96は、可動部材80,82,84のいずれかに近づいて動かしたり捕まえようとする。すなわち、キャラクタ96が可動部材80,82,84を動かそうとする。
続いて、特別図柄表示器24に出現したキャラクタ96や可動部材80,82,84は連動回数nの範囲内で連動して動く(図8のステップS86)。すなわち、図11(B)に示すようにキャラクタ96と可動部材80,82,84とが同調して動く。図11(B)の例では、可動部材80は降りた状態のままで、可動部材84は引っ込んだ状態のままであって、キャラクタ96の近傍にある可動部材82だけは上下方向(図示する矢印D4方向)に動いている。つまり、キャラクタ96が図面上方向に動くと可動部材82も図面上方向に動き、キャラクタ96が図面下方向に動くと可動部材82も図面下方向に動く。このとき、遊技者等からはキャラクタ96が可動部材80,82,84に対して作用を及ぼしたように見える。見方を変えると可動部材80,82,84が動くとキャラクタ96が動いているようにも見え、この場合には可動部材80,82,84がキャラクタ96に対して作用を及ぼしたように見える。このように相互に連動する動きは、キャラクタ96と可動部材80,84との関係においても同様に適用することが可能である。この場合には、キャラクタ96が可動部材80,82,84のいずれかの近傍に移動して上述したような連動を行うとなおよい。こうすれば、キャラクタ96が可動部材80,82,84の全部または一部を、あるいは可動部材80,82,84の全部または一部がキャラクタ96を動かしているように遊技者等からは見える。そのため、遊技者等は興味を持って見るようになる。
さらに、図12(A)に示すように図柄変動の変動速度を次第に落としてゆくと、遊技者等は図柄群を構成する図柄が移動している様子が視認できるようになる(図では図柄を破線で示す)。この時点ではまだキャラクタ96と可動部材との連動が継続しており、図12(A)の例ではキャラクタ96が可動部材84を捕まえている様子を示す。そして、連動回数nが0になると(図8のステップS90のYES)、図12(A)から図12(B)に変化するように可動部材80,82,84が原位置に引っ込んで見えなくなり(図8のステップS92)、キャラクタ96が捕まえた可動部材84を模した赤色の星図柄98と当該キャラクタ96とが特別図柄表示器24の表示領域内で連動して動く(図8のステップS94)。このように実体物の可動部材が特別図柄表示器24の表示領域内に入り込んで、しかも図柄に変化してゆく過程は斬新であるので、当該過程を見る遊技者等は見ていて面白い。よってキャラクタ96と可動部材80,82,84とを特別図柄表示器24の表示領域内で連動させて迫力のある演出を行うことができるので、遊技者等をさらに飽きさせないようにすることができる。
上記実施の形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)メイン制御基板100(動作制御部)が可動部材80,82,84(複数の可動体)を動かすと、可動部材80,82,84の動きに連動して表示制御基板200(画像制御部)が特別図柄表示器24の表示領域内にキャラクタ96(画像)を表示する{図8の連動変動処理と図11,図12を参照}。可動部材80,82,84は表示領域内外で動いたり、表示領域内に入り込んだり、表示領域内から出たりする。このとき可動部材80,82,84の動きに連動してキャラクタ96が動くように遊技者等からは見える。また、可動部材80,82,84のうちどの可動部材(可動体)が動くのかを遊技者等は知り得ない。よって可動部材80,82,84の動きに合わせてキャラクタ96が動くので迫力のある演出となり、これらを見る遊技者をさらに飽きさせない。
(2)特別図柄表示器24の表示領域内におけるキャラクタ96の動きと可動部材80,82,84の動きとが連動するように、表示制御基板200がキャラクタ96を動かし、メイン制御基板100が可動部材80,82,84を動かす{図8の連動変動処理と図11,図12を参照}。すなわち、キャラクタ96の動きに合わせて可動部材80,82,84を動かし、あるいは可動部材80,82,84の動きに合わせてキャラクタ96を動かす。よってキャラクタ96と可動部材80,82,84との連動がより多様に変化して迫力のある演出となり、これらを見る遊技者をさらに飽きさせない。
(3)特別図柄表示器24の表示領域内に可動部材80,82,84が入り込むと、表示制御基板200がキャラクタ96を動かしたり、メイン制御基板100が可動部材80,82,84を動かす{図8の連動変動処理と図11,図12を参照}。このときキャラクタ96および可動部材80,82,84のうち一方が他方に対して作用を及ぼしたと遊技者等からは見える。こうした制御により実際にはあり得ない実体のある可動部材80,82,84から実体のないキャラクタ96に作用を及ぼしたり、あるいは逆に実体のないキャラクタ96から実体のある可動部材80,82,84に作用を及ぼす様子を演出できる。よってキャラクタ96と可動部材80,82,84との連動がより多様に変化して迫力のある演出となり、これらを見る遊技者をさらに飽きさせない。
(4)特別図柄表示器24の表示領域内における可動部材80,82,84の動きとキャラクタ96(図柄)の動きとが連動するように、表示制御基板200がキャラクタ96を動かし、メイン制御基板100が可動部材80,82,84を動かす{図8の連動変動処理と図11,図12を参照}。可動部材80,82,84の動きに合わせてキャラクタ96を動かし、あるいはキャラクタ96の動きに合わせて可動部材80,82,84を動かす。よって、キャラクタ96の動きと可動部材80,82,84の動きとが連動して動くので迫力のある演出となり、これらを見る遊技者をさらに飽きさせない。また、結果として特別図柄表示器24に大当たり図柄が表示されると大当たり遊技等の特典が与えられるので、遊技者は当該特典を期待しながら遊技することができる。
〔他の実施の形態〕
上述したパチンコ機10(遊技機)において、他の部分の構造,形状,大きさ,材質,配置および動作条件等については、上記実施の形態に限定されるものでない。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
(1)上記実施の形態では、パチンコ機10に本発明を適用した。この形態に代えて、パチンコ機以外の他の遊技機(例えばスロットマシン,パチスロ機,アレンジボール機,雀球遊技機,テレビゲーム機等)であって画像表示部と複数の可動体とを備えたものについても同様に本発明を適用することができる。当該他の遊技機であっても、可動体の動きに合わせて画像が変化するので、画像表示部を見る遊技者をさらに飽きさせない。
(2)上記実施の形態では、上下方向に往復運動が可能であって星を模した可動部材80,82,84を複数の可動体として適用した{図2,図11,図12参照}。この形態に代えて、それぞれ回転運動が可能な複数の可動部材を複数の可動体として適用してもよい。この例について図13を参照しながら説明する。図13に示す複合装置300は図1に示す複合装置14に代えて遊技盤面12上に設けるものであって、一般の入賞口に相当する天入賞口302や、画像を表示可能な特別図柄表示器312、所定方向に回動可能であって特別図柄表示器312の表示領域内に入り込む動きが可能なハンマーを模した可動部材306,308,310、普通図柄の変動中にゲート32を通過したパチンコ球の個数を表示する保留球ランプ304、特別図柄の変動中に第1種始動口30または下部始動口68に入賞したパチンコ球の個数を表示する保留球ランプ314等を有する。可動部材308は図示しないソレノイドやモータ等の駆動体からトルク伝達部材を経て上下方向(図示する矢印D6方向)に回動するように構成され、中図柄に対応する変動領域内に入り込むことが可能である。可動部材306,310についても同様に構成されており、左図柄,右図柄に対応するそれぞれの変動領域内に入り込むことが可能である。
この構成において、始めに可動部材306,308,310を二点鎖線で示す原位置に位置決めする。そして、図10(A)に示すように三つの変動領域で図柄変動を開始した後に当該図柄変動を停止する際において、停止しようとする変動領域に対応する可動部材を振り下ろす。この振り下ろしによって、実際には寸止めされる可動部材が表示画面を叩いたと遊技者等に思わせるため、対応する変動領域の図柄変動を停止する。こうして特別図柄表示器24の表示領域に表示される特別図柄(左図柄,中図柄,右図柄;画像)を変化させることができる。さらには衝撃があったと遊技者等に思わせるために、特別図柄や背景図柄をしばらく揺らし続けるアニメーションを行なったり、衝撃音や振動音等をスピーカ50から出す。こうすれば、より面白い表示を実現することができて臨場感も増す。このように可動部材306,308,310が特別図柄表示器24の表示領域内に入り込んで特別図柄や背景図柄等を変化させることにより迫力のある演出となり、遊技者をさらに飽きさせなくすることができる。
(3)上記実施の形態では、複合装置14の上部側において上下方向に往復運動が可能な可動部材80,82,84を複数の可動体として適用した{図2,図11,図12参照}。この形態に代えて、複合装置の下部側において上下方向に往復運動が可能な複数の可動部材を複数の可動体として適用してもよい。この例について図14を参照しながら説明する。図14に示す複合装置400は図1に示す複合装置14に代えて遊技盤面12上に設けるものであって、一般の入賞口に相当する天入賞口402や、画像を表示可能な特別図柄表示器406、所定方向に回動可能であって特別図柄表示器406の表示領域内に入り込む動きが可能なワニを模した可動部材408,410,412、普通図柄の変動中にゲート32を通過したパチンコ球の個数を表示する保留球ランプ404、特別図柄の変動中に第1種始動口30または下部始動口68に入賞したパチンコ球の個数を表示する保留球ランプ414等を有する。可動部材410は例えば板材を打ち抜いて装飾を施したもので構成し、複合装置400に備えた出入口418から出入りする。この可動部材410はラック436に固定され、そのラック436と噛み合うピニオン430をモータ424の回転軸に固定する。モータ424は図3に示すモータ86に代わるものであり、メイン制御基板100によって回転を制御する。よって、メイン制御基板100からモータ424の回転を制御すると、上下方向(図示する矢印D8方向)に対する可動部材410の移動量や移動速度等を制御することができる。可動部材408,412についても同様に構成されている。すなわち、それぞれラック434,438に固定されて出入口416,420から出入りし、モータ422,426回転軸にそれぞれ固定したピニオン428,432を通じてトルクが伝達されて上下方向に往復運動する。なお可動部材408,410,412は、ワニ以外の動物(例えばタヌキやキツネ等)を模して適用した場合も同様である。
上記可動部材408,410,412はほぼ同一の構成であるので、簡単のために可動部材410の例について連動する動きを説明する。始めに可動部材410を可動部材408,412で示す原位置に位置決めする。そして、図10(A)に示すように三つの変動領域で図柄変動を開始してから停止した特別図柄(中図柄;画像)、あるいは間もなく停止しようとしている特別図柄について可動部材410が噛みつくように見せかけるため、対応する可動部材410を上方向に動かす。そして中図柄に噛みついたと思える位置まで可動部材410を移動させた後、可動部材410と中図柄とをほぼ同じ速度で下方向に移動させる。このとき、遊技者等にはワニを模した可動部材410が中図柄を引っ張っているように見える。こうして特別図柄表示器24の表示領域に表示される特別図柄を変化させることができる。可動部材410はワニ(動物)を模しているので、噛みついたと見える中図柄が潰れるように変化させるとなお面白い。このように可動部材408,410,412が特別図柄表示器24の表示領域内に入り込んで特別図柄や背景図柄等を変化させることにより迫力のある演出となり、遊技者をさらに飽きさせなくすることができる。
なお、上記(2)の可動部材306,308,310や、(3)の可動部材408,410,412はいずれも上下方向に作動するように構成したが、左右方向,斜め方向,回転方向などのように任意の方向に作動するように構成したり、作動方向を切り換え可能に構成した場合でも上記効果と同様の効果が得られる。また、特別図柄表示器24に表示する特別図柄やキャラクタ96等の画像によって可動部材306,308,310や可動部材408,410,412が一方的に作用を受けるように連動して動かしてもよい。例えば、特別図柄表示器24に表示した画像でいずれかの可動部材を叩くアニメーションを表示する。このとき遊技者等から見て可動部材306,308,310や可動部材408,410,412に当たったと認識できるときは、その可動部材306,308,310や可動部材408,410,412を動かす。こうして画像の変化に合わせて可動部材が動く態様が実現されるので、特別図柄表示器24を見る遊技者をさらに飽きさせない。
(4)上記実施の形態では、キャラクタ96の動きと可動部材80,82,84の動きとを連動させた{図8の連動変動処理と図11,図12を参照}。背景図柄(装飾図柄)の動きと可動部材80,82,84の動きとを連動させてもよい。例えば、表示制御基板200が背景図柄としての風景(例えば海,山,川など)を変化させると、当該変化に伴ってメイン制御基板100が可動部材80,82,84等の可動体を動かすように制御する。こうした連動であっても迫力のある演出となり、遊技者をさらに飽きさせなくすることができる。
(5)上記実施の形態では、キャラクタ96を画像または図柄として適用した{図11,図12参照}。この形態に代えて、特別図柄表示器24で表示する任意の図柄(特別図柄,チャンス図柄,第4図柄,装飾図柄等)や、文字,記号,符号,キャラクタ96以外の図形,映像などのように特別図柄表示器24に表示可能なものについて画像または図柄として適用してもよい。これらの画像であっても可動部材80,82,84と連動して変化するので、特別図柄表示器24を見る遊技者をさらに飽きさせない。また、画像表示部として特別図柄表示器24を適用したが{図2,図11,図12等を参照}、普通図柄表示器28や他の表示器を適用してもよい。これらの表示器であっても、当該表示器に表示する画像の変化と可動部材の動きとを連動させることができる。したがって、普通図柄表示器28や他の表示器を見る遊技者をさらに飽きさせない。さらに、可動部材80,82,84が入り込む表示領域は特別図柄表示器24のほぼ全部に適用したが{図11,図12等を参照}、特別図柄表示器24の一部の表示領域としてもよく、他の表示器の表示領域としてもよい。さらには、一つの表示領域だけでなく複数の表示領域についても適用することが可能である。この場合には、一方と他方の表示領域に表示するキャラクタ96は可動部材80,82,84の動きとは無関係に表示してもよく、あるいは可動部材80,82,84の動きと連動して表示してもよい。こうすればキャラクタ96と可動部材80,82,84との連動がより多様に変化するので、特別図柄表示器24を見る遊技者をさらに飽きさせない。そして、特別図柄表示器24の表示領域内でキャラクタ96を移動したり、図柄群の変動を停止する態様で画像を変化させたが{図11,図12等を参照}、他の態様で画像を変化させてもよい。他の態様としては、画像の形状,色彩,大きさ等の形態が変わる態様や、停止している画像から図柄群の変動を始める態様などがある。こうした態様であっても画像と複数の可動体との連動がより多様に変化するので、特別図柄表示器24を見る遊技者をさらに飽きさせない。
(6)上記実施の形態では、キャラクタ96と可動部材80,82,84との連動をリーチ後に実現した{図7のステップS70と図8の連動変動処理を参照}。この形態に代えて(あるいは加えて)、リーチ前に行う図柄群の変動や、確率変動、大当たり遊技中におけるアニメーション表示(装飾図柄等)などのように特別図柄表示器24で表示可能な全ての態様について、所要のタイミングに達すると画像と複数の可動部材との連動を行うように構成してもよい。例えばリーチ前に行う図柄群の変動では、リーチになる確率が高まると、画像と複数の可動部材とを連動させる。こうすれば、画像と複数の可動部材との連動がより多様に変化するので、特別図柄表示器24を見る遊技者をさらに飽きさせない。また、遊技者はリーチや確率変動等になる期待感を持って遊技することができる。
(7)上記実施の形態では、発光(発色)させて画像を表示する特別図柄表示器24を画像表示部として適用した。この形態に代えて、表示面に表した画像を表示するドラム表示器等のような機械的表示器を画像表示部として適用することもできる。例えばドラム表示器は一または複数の回転体を有し、その回転体の表面(すなわち表示面)に複数の画像を適切に配置して表す。こうして回転体に表された画像を遊技者が認識できる部位が表示領域に相当する。そして、モータ等の駆動体によって回転体を正回転,逆回転,正逆回転や回転速度等を回転制御することにより図柄群の変動等を実現する。この構成によれば可動部材の動きに連動させて回転体の回転制御を行うと、表示領域内の画像を変化させることができる。したがって、画像表示部を見る遊技者を飽きさせない。
(8)上記実施の形態では、リーチ予告として可動部材80,82,84を降ろしてすぐに引っ込ませる動きを連動して行なった{図7のステップS60,図10(A),図10(B)参照}。リーチ予告に限らず、単図柄の再変動や全図柄の再変動,大当たり,確率変動等について予告(報知)を行う際に可動部材80,82,84を連動させてもよい。例えば、以下に示す形態を実現できる。
(8a)単図柄の再変動を予告する場合について図10〜図12に示した例に適用すると、次のようになる。すなわち、変動している左図柄90が間もなく停止しようとすると可動部材80が特別図柄表示器24の表示領域内に入り込み、その後に左図柄90が停止するとき以後に可動部材80が引っ込む。この動作を右図柄94と可動部材84との関係についても同様に行う。続いて、左図柄90と右図柄94とが所定の組み合わせ(例えば図柄「77」)でリーチになると、中図柄92の変動が次第にゆっくりとなる。このとき、ゆっくり変動する中図柄92が特別図柄表示器24のほぼ中央部を通過する際の動きに合わせて、可動部材82が上下動して特別図柄表示器24の表示領域内に入り込んでは引っ込む。すなわち特別図柄と可動部材との動きを連動させる。そして、左図柄90,中図柄92,右図柄94がはずれ図柄(例えば図柄「767」)で停止したときに、可動部材82が特別図柄表示器24の表示領域内に入り込むと、再変動を開始する。ゆっくり変動する中図柄92に連動して可動部材82を動かして再変動を予告すれば、より迫力のある演出となる。一方、中図柄92の動きを見た遊技者は再変動を予測でき、特典を得る期待感が高まる。また、図14に示すワニを模した可動部材408,410,412等を用いれば、より臨場感が高まる。
(8b)また、単図柄の再変動を予告する場合については次のように行なってもよい。すなわち、上記(8a)のケースにおいて左図柄90と右図柄94とが所定の組み合わせでリーチにならなかったとき(例えば図柄「75」)、可動部材80と可動部材84の少なくとも一方を特別図柄表示器24の表示領域内に入り込ませる。その後、入り込ませた可動部材を引っ込ませるとともに、当該可動部材に対応する図柄について再変動を開始する。リーチに達しなくても可動部材が現れて再変動が始まるという連動を行えば、より迫力のある演出となる。また、この態様を見た遊技者は特典を得る期待感が高まる。
(8c)全図柄の再変動を予告する場合について図10〜図12に示した例に適用すると、次のようになる。すなわち、図柄群の変動を開始した後、左図柄90,中図柄92,右図柄94が大当たり図柄(例えば図柄「666」)で停止したとき、図10(B)に示す状態に可動部材80,82,84をほぼ一斉に(または個別に)降ろす。その後、図10(A)に示す状態に可動部材80,82,84を引っ込ませるとともに、左図柄90,中図柄92,右図柄94を同期させながら変動を行う全図柄変動を開始する。この場合、変動開始のタイミングは左図柄90,中図柄92,右図柄94についてほぼ一斉であってもよく、異ならせてもよい。変動開始のタイミングを異ならせる例としては、最初に左図柄90が変動し始めてほぼ1周すると中図柄92を変動し始め、さらに中図柄92が変動し始めてほぼ1周すると右図柄94を変動し始める。変動開始のタイミングを切り換えて行えば変動態様が多様化して面白味が増す。
(9)上記実施の形態では、大当たりになり易さを表す期待度(信頼度,大当たりの確率)とは無関係にキャラクタ96(画像)と可動部材80,82,84(可動体)とを連動させた{図7のステップS70と図8の連動変動処理を参照}。この形態に代えて(あるいは加えて)、期待度に関係させてキャラクタ96と可動部材80,82,84とを連動させてもよい。例えば可動部材80,82,84について、全く出現しないときの期待度を0%とし、いずれか一つが出現するときの期待度を30%とし、いずれか二つが出現するときの期待度を60%とし、全て出現するときの期待度を90%とする。あるいは、可動部材80が出現するときの期待度を10%とし、可動部材82が出現するときの期待度を30%とし、可動部材84が出現するときの期待度を50%とし、実際に出現した可動部材にかかる期待度を演算(例えば四則演算や関数演算等)した値を最終的な期待度としてもよい。特別図柄表示器24の表示領域内に入り込む可動部材を見た遊技者は期待度を推測でき、特典を期待する期待感が高まる。このことは、連動させる他方側のキャラクタ96(すなわち種類や個数等)や他の画像(例えば特別図柄や装飾図柄等)についても同様に適用することができる。また、リーチや単図柄の再変動,全図柄の再変動,大当たり,確率変動等についても予告(報知)を行う際にキャラクタ96と可動部材80,82,84とを連動させる場合についても同様に適用することができる。これらの場合であっても、遊技者は期待度を推測でき、特典を期待する期待感が高まる。
(10)その他に、可動部材80,82,84(可動体)自身の色彩を変化させる機能や、図柄を表示する機能(表示器)、点灯可能な機能(発光体)等のいずれか一つの機能を備えると、可動部材80,82,84の作動形態をより多様化することができる。また、期待度に応じて可動部材80,82,84の動き方,色彩,図柄の内容,点灯/消灯の状態等を変化させると、可動部材80,82,84の状態を見た遊技者は期待度をより的確に推測でき、特典を期待する期待感がさらに高まる。