JP4756115B2 - 椎間板可動性測定手段 - Google Patents

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Description

本発明は、定量的に椎間板の変位データなどを測定することができる椎間板可動測定手段に関する。
腰痛の主な原因の一つである腰椎不安定症では、誘因として考えられる椎間退行性変化の過程を(1)一過性の機能不全期、(2)不安定期、(3)安定期の3つのフェイズに分類する考え方が提唱されている。このうち臨床的に最も問題となるのは不安定期であるが、その定義を厳密に示した報告は見当たらず、また、共通の見解も得られていない。現在、最も一般的な腰椎不安定症の評価方法として、術前に最大屈曲位、最大伸展位で単純X線腰椎側面画像(機能写像)を撮影し、椎間運動の異常を判断する方法が採用されている。このようなX線を用いた撮影装置として、第一および第二直角軸に沿って患者に対してパレットを動かすための軌道と、第一端と第二端を有し、カラーを貫いて摺動し、患者のまわりの多数の角度のうちの一つに第一端と第二端を回転させるようなC型アームを摺動自在に保持するためのパレットに取付けられたカラーと、中心のまわりに対向して第一端と第二端にそれぞれ取付けられ、多数の角度の点で、その間のビーム軸に沿ってエネルギー減衰測定値を供給する検出器と放射線源と、記憶されたプログラムに従って、C型アーム、放射線源および検出器を制御し、(a)多数の角度の点でC型アームを回転し、(b)多数の角度の点で減衰測定値を記憶し、(c)記憶された減衰測定値を断層撮影画像へと再構成するためのコンピュータとからなることを特徴とする断層撮影装置が開示されている(例えば特許文献1)。この特許文献1によれば、C型アームの回転自由度を増すことによって、完全投影データがなくても断層撮影に必要な完全投影像を得ることができるという優れた効果を有する。
特開2000−273938
しかしながら、上記した特許文献1においても、術前評価では不安定症が認められない患者であっても実際には、徒手的に椎間を動かすことによって明らかな不安定性を認める症例も存在すること等から、上記断層撮影装置による撮影画像に基づく評価方法は必ずしも十分とはいえないという懸念があった。また、疼痛を伴う患者では、運動抑制を伴うことから所定の姿勢で撮影することが困難な場合もある。
そこで本発明は上記した問題点に鑑み、運動抑制を伴う場合であっても定量的に椎間板の変位データなどを測定することができる椎間板可動測定手段を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の椎間板可動測定手段は、椎間を構成する椎骨の棘突起を把持器により把持し、前記把持器を駆動して椎間に荷重を加えて屈曲、伸展運動をさせ、前記荷重と椎間の変位とを測定する測定装置と、前記測定装置を制御すると共に、前記椎間に負荷された荷重と前記測定装置で測定した変位とを、荷重データ、変位データとして記憶する制御手段とを備え、前記把持器は、固定及び可動把持部と、前記固定及び可動把持部を支持する把持器本体を備え、前記固定及び可動把持部は、先端に設けられ前記棘突起を把持するクランプと、他端に設けられたピボット軸とを備え、前記把持器本体は、固定ピボットボスと可動ピポットボスを備え、これらピボットボスは鉛直方向に開口したリング状をなし、前記固定ピボットボスは前記把持器本体に固定され、前記可動ピボットボスは前記把持器本体の長手方向に移動可能に支持され、前記固定ピボットボスには、前記固定把持具の前記ピボット軸が挿通され、前記可動ピボットボスには、前記可動把持具の前記ピボット軸が挿通され、前記固定ピポットボスと前記ピポット軸により前記固定把持具は前記把持器本体に回動自在に支持され、前記可動ピポットボスと前記ピポット軸により前記可動把持具は前記把持器本体に回動自在に支持されるものである。
また、請求項2記載の椎間板可動測定手段は、前記制御手段により一定速度で前記荷重を加えるものである。
また、請求項3記載の椎間板可動測定手段は、前記制御手段は、前記荷重データと前記変位データに基づいて荷重−変位曲線を生成する曲線生成部を備えるものである。
また、請求項4記載の椎間板可動測定手段は、前記制御手段は、前記荷重−変位曲線から基準値を算出すると共に表示部に表示するものである。
本発明の請求項1記載の椎間板可動測定手段によれば、椎間に加えた荷重と、椎骨間の変位に基づいて椎間板の変位度を評価することができるので、従来のように運動抑制を伴う場合や、術前の評価では不安定症とは認められない場合であっても定量的に評価することができる。
また、請求項2に記載の椎間板可動測定手段によれば、一定速度で椎間を屈曲、伸展させることにより、安定した測定をすることができるので、確実な評価をすることができる。
また、請求項3に記載の椎間板可動測定手段によれば、評価に必要な基準値を得るための荷重−変位曲線を提供することができるので、容易に評価することができる。
また、請求項4に記載の椎間板可動測定手段によれば、評価に必要な基準値を得られるので、より容易に評価することができる。
以下図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(1)腰椎可動性測定手段の全体構成
図1に示す腰椎可動性測定手段1は、椎間2に荷重を加えて屈曲、伸展させ、その荷重と、荷重を加えたときの変位とを測定する腰椎可動性測定装置(以下、測定装置という)8と、前記測定装置8を制御すると共に、前記椎間2に負荷された荷重と前記測定装置8で測定した変位とを、荷重データ、変位データとして記憶する制御手段であるパーソナルコンピュータ9とから構成されており、パーソナルコンピュータ9によって荷重データ及び変位データを基に各種処理を実行し、これにより椎間板変性評価に有用な情報を医師に対し提供する。
測定装置8は、腰椎可動性測定の術中に露出させた患者の腰椎に取付け得るように構成されている。この測定装置は、椎間2を構成する椎骨3,3の棘突起4をそれぞれ把持する把持器5と、前記把持器5を駆動して前記椎間2に荷重を負荷する駆動部であるアクチュエータ6と、前記荷重と前記椎骨3間の変位とを測定する測定部7とからなる。パーソナルコンピュータ9は、アクチュエータ6を制御して椎間2を直接、屈曲・伸展させる。これにより、測定装置8は、荷重と変位とを逐次取得し、アンプ10により増幅しデジタル信号に変換して荷重データ、変位データを生成し、パーソナルコンピュータ9に送出する。
そして、パーソナルコンピュータ9は、これら荷重データ、変位データとして記憶し、同時に荷重データ、変位データに対し所定の演算処理を実行することにより荷重−変位曲線を作成して、リアルタイムでオペレータ(例えば腰椎可動性測定手術を行う医師や助手)に提示する。
さらに、パーソナルコンピュータ9は、荷重データ、変位データに対し所定の演算処理を実行して各基準値を算出し、患者の腰椎の状態を定量的に把握し得るようにオペレータに提示する。
一方、測定装置8では、把持器5が椎間2を確実に把持すると共に、パーソナルコンピュータ9によってアクチュエータ6が制御されることにより、再現性が高く、しかも安定した測定をすることができるようになされている。
(2)測定装置の構成
次に測定装置8の構成について説明する。測定装置8は、腰椎可動性測定の手術中に露出させた患者の腰椎に取り付け得る大きさ及び重さからなる。
測定装置8は、把持器5とアクチュエータ6とが略一直線状に連接されてなり、アクチュエータ6から把持器5に加えられる荷重、及び前記荷重によって生じる変位を測定し得るように測定部7が設けられている。
把持器5は、椎間板11を隔てて隣合う椎骨3,3の棘突起4,4をそれぞれ独立して把持し、椎間2を屈曲・伸展運動させたときに、椎骨3間の変位について再現性の高い測定をし得るように構成されている。この把持器5は、一対の把持部12と、前記把持部12を支持する把持器本体16とからなる。
把持部12は、図2に示すように椎骨3の棘突起4を損傷せずに、かつ、確実に把持し得るようになされている。この把持部12は、先端に設けられた開閉自在のクランプ13と、他端に形成されたピボット軸14とにより構成される。クランプ13は、ピボット軸14を挟んで一対設けられ、半円形状をなしている基端に対し、先端は鉛直下方に延びると共に椎骨3の棘突起4に食込む先鋭の小さな凸部13aを備え、把持部12の他端へ延びるアーム15により開閉され得るように構成される。また、クランプ13は、図示しない付勢部材により閉方向に付勢されている。
このように構成された把持部12は、椎間2を構成する椎骨3をそれぞれ支持するように一対設けられ、一方は、固定把持部12aを構成し、他方は可動把持部12bを構成している。
把持器本体16は、椎間2に荷重を加えたときにゆがみを生じさせないで把持部12を支持し得るようになされている。この把持器本体16は、図3に示すように、長尺状の枠体で構成され、前記把持器5を支持するピボットボス17を備える。ピボットボス17は、鉛直方向に開口したリング状をなしており、把持器本体16に固定されている固定ピボットボス17aと、把持器本体16の長手方向に移動可能に支持されている可動ピボットボス17bとからなる。把持器本体16の一端には前記固定ピボットボス17aが設けられ、他端には、前記可動ピボットボス17bが形成されると共に、アクチュエータ6に連結されている。前記固定ピボットボス17aは、把持器本体16に突設されたステイ20に固定され、固定把持部12aのピボット軸14が挿通されている。また、前記可動ピボットボス17bには、可動把持部12bのピボット軸14が挿通され、アクチュエータ6に直結されている。これにより、把持部12はピボットボス17を介して把持器本体16の長手方向に対し固定されると共に、鉛直方向に延びる軸を中心として回動可能に支持されるので、椎間2を屈曲・伸展させたときにゆがみが生じるのを防いで、椎骨3間の変位について再現性の高い測定を行うことができる。
アクチュエータ6は、把持部12を介して椎間2に屈曲・伸展運動をさせるため、把持部12を把持器本体16の長手方向に直線運動させ得るように構成されている。このアクチュエータ6は、図示しない電磁石と、該電磁石によって発生する磁力により出没するプランジャ21とにより構成される。このアクチュエータ6はパーソナルコンピュータ9に接続されており、その伸縮動作は、パーソナルコンピュータ9によって制御される。前記プランジャ21は後述するロードセルを経て前記可動ピボットボス17bに直結されている。これにより可動ピボットボス17bは、把持器本体16の長手方向へ移動可能となる。このようにアクチュエータ6を構成したことにより、測定装置8を小型化することができ、設置スペースに制約されず、より容易に腰椎可動性の測定をすることができる。
測定部7は、荷重を測定する前記ロードセル22と、変位を測定するレーザ変位計23とからなる。ロードセル22は、プランジャ21と可動ピボットボス17bとの間に設けられ、プランジャ21が出没することにより可動ピボットボス17bを介して可動把持部12bに加わる荷重を、測定する。すなわち、ロードセル22には荷重に対応した歪が生じ、歪の大きさに対応して図示しない歪ゲージの抵抗が変化して対応した荷重信号が出力される。
レーザ変位計23は、把持器本体16に固設されており、前記可動ピボットボス17bに一体的に設けられた反射板24に対向する位置に照射部23aが設けられている。レーザ変位計23の具体的構成について本明細書では詳述しないが、例えば、対象物にレーザ光を照射し、反射板24に焦点が合うように焦点位置を制御することで、その制御量に基づいて対象物の表面位置までの距離(変位)を測定するレーザーフォーカス方式のものが採用される。
このようにレーザ変位計23を用いたことにより、測定部7を小型化することができると共に、椎間2の変位を容易に測定することができる。また、レーザ変位計23を用いることにより、一層精度よく測定することができる。
前記ロードセル22及びレーザ変位計23から出力されるアナログ信号としての荷重信号、変位信号は、共にアンプ10によって増幅され、図示しないA/D変換回路でデジタル信号に変換された後、荷重データ、変位データとしてパーソナルコンピュータ9へ逐次送出される。
(3)パーソナルコンピュータ9の構成
次にパーソナルコンピュータ9の構成について図4を参照して説明する。このパーソナルコンピュータ9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスクドライブなどからなるマイクロコンピュータ構成の制御部29を有し、この制御部29にバス30を介して、アクチュエータ制御インターフェース31、測定データ取得インターフェース32、データベース生成部33、評価部34、曲線生成部35、複数種類の操作キーを備えるキーボードやマウス等なからなる操作部36、液晶ディスプレイ等の表示部37、記憶手段としての荷重−変位データ記憶装置38及び評価指標を記憶する評価指標記憶装置39が接続されている。
この場合、ハードディスクドライブには、基本プログラムの他に、アクチュエータ制御プログラム、荷重−変位データベース生成プログラム、荷重−変位曲線生成プログラム、評価プログラム等が格納されており、制御部29は、ハードディスクドライブに格納された各種プログラムを適宜読み出し、これをRAMに展開してパーソナルコンピュータ9の各種回路部を制御して各種処理を実行する。
制御部29は、例えば、アクチュエータ制御プログラムに従って、アクチュエータ制御インターフェース31を介してアクチュエータ6を駆動し、一定速度で椎間2を屈曲・伸展させる。
そして制御部29は、測定データ取得インターフェース32を介して、把持器5に加えた荷重と、その荷重により把持器5が椎間2を屈曲・伸展させたときの椎骨3間の変位を、それぞれ荷重データ、変位データとして取得する。
制御部29は、荷重−変位データベース生成プログラムに従って、屈曲時、伸展時のそれぞれについて、荷重データ、変位データから実際の荷重、変位を算出すると共に、荷重と変位とを関連付けた荷重−変位データベースを生成し、荷重−変位データ記憶装置38に記憶する。同時に、制御部29は、荷重−変位曲線生成プログラムを実行し、荷重−変位データ記憶装置38に記憶された荷重−変位データベースを読み出して、図5に示すような荷重−変位曲線を作成し、リアルタイムで表示部37に表示する。尚、図示しないが、記憶手段には荷重、変位の演算に必要なデータ、例えば荷重データと荷重との関係、変位データと変位との関係を示す関係式又はマップが記憶されている。
また、制御部29は、オペレータにより操作部36を介して入力される操作命令に基づいて評価プログラムを実行し、荷重−変位データ記憶装置38に記憶された所定の荷重−変位データベースを読み出して、所定の計算式により基準値を算出すると共に、表示部37に表示する。また、制御部29は、評価指標記憶装置39に記憶された評価指標を読み出して、計算式により算出した基準値と比較し、その結果を評価結果として前記基準値と共に表示部37に表示する。
ここで、基準値とは、図5に示す剛性値(図中a/b)、ニュートラルゾーン(図中c)、残留荷重(図中d)である。剛性値は、負荷が大きい時の関節の安定性を向上し、中立位から最大屈曲位までの線形部の傾きにより求める。ニュートラルゾーンは、ほとんど抵抗を生じることなく移動可能な椎間2運動の範囲と定義され、関節のぐらつきの度合いを示し、荷重が1(N)減少する間に変化する変位の最大値から求める。また、荷重−変位曲線はヒステリシスループ状となるが、荷重の向きが反転したときの安定性を示す残留荷重は、便宜上、変位0(中立位)における2点での荷重差とした。
(4)動作及び効果
次に上記構成の動作及び効果について説明する。
(4−1)測定
以上の構成において、腰椎可動性を測定する医師は、患者の後方から部分的に切開し、露出させた椎間2に把持器5を取付ける。
ここで把持器5は、把持器5の長手方向が脊椎の頭尾方向に平行となるように配置し、椎間板11を挟んで隣合う椎骨3の一方に固定把持部12aを取付け、椎骨3の他方に可動把持部12bを取付ける。把持部12は、アーム15を引いてクランプ13を開き、椎間2を構成する椎骨3の棘突起4をクランプ13で挟み、アーム15を戻すことによって棘突起4を把持する。このとき、クランプ13には先鋭の凸部13aが設けられていることにより、凸部13aが棘突起4に食込み、確実に椎骨3を把持することができる。
そして、医師はパーソナルコンピュータ9の操作部36を介してアクチュエータ6を駆動して、椎間2を屈曲・伸展させる。このときの、屈曲・伸展運動は、中立位を中心として、例えば、±1.5(mm)程度、椎間2を屈曲・伸展させることにより行われる。このように、アクチュエータ6をパーソナルコンピュータ9によって制御することにより、予め定めた速度を保ちながら、椎間2を屈曲・伸展させることができるので、安定した測定をすることができる。また、把持部12はピボットボス17に軸支されているので、鉛直方向に延びる軸を中心に回動自在に支持されるので、椎間2を屈曲・伸展させたときに把持部12と把持器本体16の連結部分でゆがみが生じるのを防いで、椎骨3間の変位について再現性の高い測定を行うことができる。
ロードセル22は、屈曲・伸展に伴って図示しない歪ゲージに生じる歪に応じた荷重信号をアンプ10に送出する。アンプ10では、ロードセル22から送出された荷重信号を増幅すると共にデジタル信号に変換して荷重データを生成する。
一方、レーザ変位計23は、変位に対応した変位信号をアンプ10に送出する。アンプ10ではレーザ変位計23から送出された変位信号を増幅すると共にデジタル信号に変換して変位データを生成する。このようにしてロードセル22及びレーザ変位計23によって得られた荷重データ、変位データは、パーソナルコンピュータ9に順次送出される。
パーソナルコンピュータ9では、屈曲時、伸展時のそれぞれについて、荷重と変位とを関連付けた荷重−変位データベースを生成し、荷重−変位データ記憶装置38に記憶すると同時に、荷重−変位データベースに対し、所定の演算処理を実行することにより荷重−変位曲線を生成してこれを表示部37にリアルタイムで表示する。これにより腰椎可動性測定中の医師は、取得データを容易に視認することができる。
以上の構成によれば、直接、椎間2を屈曲・伸展させることによって得られた荷重データ、変位データから定量的に腰椎の可動性を測定することができる。
また、椎間2は、屈曲・伸展させるのみであるので、過大な負荷をかける必要がなく、しかも、棘突起4にわずかな圧痕を残すだけで済むため、患者に負担をかけずに測定することができる。
また、アクチュエータ6をパーソナルコンピュータ9で制御することとしたので、一定速度で椎間2を屈曲・伸展させることができ、安定した測定をすることができる。
また、荷重をロードセル22で、変位をレーザ変位計23で測定し、測定したデータをパーソナルコンピュータ9に記憶することとしたので、リアルタイムで荷重−変位曲線を生成することができる。これにより、測定しながらデータの確認をすることができるので、腰椎可動性測定の手術を確実に行なうことができる。
また、把持部12は、アーム15でクランプ13を開閉自在としたことにより、容易に棘突起4を把持すると共に、取り外すことができ、腰椎可動性測定の手術を簡便化することができる。さらに、クランプ13には、小さな凸部13aを設けたことにより確実に棘突起4を把持することができると共に、侵襲性を低くすることができる。
(4−2)評価
次に、椎間板可動性測定手段1を用いた椎間板変性評価方法について説明する。まず、パーソナルコンピュータ9では、オペレータが操作部36を介して所定の操作命令を与えると、これに応じて測定を開始し、把持器5が椎間2を屈曲・伸展する回数をカウントする。
そして、パーソナルコンピュータ9は、カウント数が所定回数(例えば3回)に達したら、荷重−変位データ記憶装置38に記憶された所定(本実施例では3回目)の荷重−変位データベースを読み出し、所定の演算処理を実行することにより基準値を算出してこれを表示部37に表示する。これにより腰椎可動性測定中の医師は、視覚を介して定量的に腰椎の不安定性を容易に確認することができる。
また、パーソナルコンピュータ9では、荷重−変位データベースにより算出した上記基準値を、評価指標記憶装置39から読み出した評価指標と比較し、その結果を評価結果として表示部37に表示する。これにより腰椎可動性測定中の医師は、測定したデータに基づいて算出した基準値を評価指標と比較して、患者の腰椎の状態を的確に評価することができる。
以上の構成によれば、椎間2の屈曲・伸展運動が所定回数に達したときの荷重−変位データベースから基準値を算出することとしたことにより、椎間2の屈曲・伸展運動が安定したときを評価対象とするので、再現性の高い評価を行なうことができる。
以上のように本実施形態では、椎間板可動測定手段1は、椎間2を構成する椎骨3,3の棘突起4を把持器5により把持し、把持器5を駆動して椎間2に荷重を加えて屈曲、伸展運動をさせ、前記荷重と椎間の変位とを測定する測定装置8と、測定装置8を制御すると共に、椎間2に負荷された荷重と測定装置8で測定した変位とを、荷重データ、変位データとして記憶する制御手段たるパーソナルコンピュータ9とを備えるから、椎間板可動性測定手段1を用いることにより、従来のように運動抑制を伴う場合や、術前の評価では不安定症とは認められない場合であっても定量的に評価することができる。
また、パーソナルコンピュータ9により一定速度で前記荷重を加えるから、一定速度で椎間2を屈曲、伸展させることにより、安定した測定をすることができるので、確実な評価をすることができる。
また、前記荷重と前記変位に基づいて荷重−変位曲線を生成するから、評価に必要な基準値を得るための荷重−変位曲線を提供することができるので、容易に評価することができる。
また、前記荷重−変位曲線から基準値を求めるから、評価に必要な基準値を得られるので、より容易に評価することができる。
(5)実施例
図6に基づいて本発明の実施例1について説明する。図6は測定により得たヒト腰椎の代表的な3つのケースにおける荷重−変位曲線であり、3往復の屈曲・伸展運動を与え、運動が安定した3往復目を記録したグラフである。グラフ右側が伸展位、左側が屈曲位で、伸展時の荷重の向きを正とした。荷重−変位曲線は、屈曲・伸展の往路と復路で異なる経路をとるヒステリシスループ状となる。
因みに、X線写真、MRI画像から椎間2運動の異常、椎間2変性の程度を評価すると、ケース1ではPosterior horizontal translationは0となってほとんど動きが見られない椎間2であることが分かった。また、MRIグレードは5と椎間板11変性が深刻な状態にあった。このことから、Kirkaldy−Willisらの提唱した椎間2の変性過程を適用した限りでは、ケース1は安定期であると評価できる。また、ケース2ではPosterior horizontal translationに異常が見られ、MRIグレードは3と中程度の変性であった。このことより、ケース2は不安定期に分類できる。さらに、ケース3では、Posterior horizontal translationは正常でMRIグレードは1であった。すなわち、椎間板11には変性が見られず、正常と評価できる。
この荷重−変位曲線から算出した基準値を図7に示す。負荷が大きい時の関節の安定性を示す剛性値は、ケース1の場合に最も大きく、安定である。他方、ケース2,ケース3の場合には大きな差は見られなかった。また、関節のぐらつきの度合いを示すニュートラルゾーンは、ケース2の場合には若干大きく、ぐらつきが大きいといえる。荷重の向きが反転したときの安定性を示す残留荷重は、ケース1の場合に最も大きく、それ以外では小さな値であった。このことよりケース1では剛性と残留荷重値が大きく、比較的安定した状態にあるといえる。このことは、ケース1の変性が安定期にあるとする画像所見と一致した。また、ケース2では、ニュートラルゾーンが比較的大きく、椎間2のがたつきも大きいことから不安定期にあるとした画像所見と一致した。以上より、測定装置8により測定した荷重、変位データによって得られた荷重−変位曲線から剛性値、ニュートラルゾーン、残留荷重を求めることで、変性過程を分類することができる。
次に本発明の腰椎可動性測定手段1の安定性、再現性を確認した実施例2について説明する。ここで、以下の説明における吸収エネルギとは、図5におけるヒステリシスループの内側の面積をいうものとする。また、変動係数とは、標準偏差を平均で除した値で与えられる。本実施例においては、ブタ2頭より摘出した機能的脊柱単位(以下、FSUという)を用い、内訳は、第1腰椎−第2腰椎(L1−L2)と、第3腰椎−第4腰椎(L3−L4)がそれぞれ2椎間2、第5腰椎−第6腰椎(L5−L6)が1椎間2である。
まず、腰椎可動性測定手段1の安定性を示すものとして、中立位より6往復、連続的に屈曲・伸展運動を与えて、得られた1往復目から6往復目の荷重−変位曲線6本より各基準値を算出した。この算出した各基準値の変動係数を往復回数ごとに表した結果を図8に示す。各パラメータ共に、1往復目では高い変動係数を示すが、2往復目で急激に減少し、変動係数は低い値を示し、安定した。
以上より、椎間2の屈曲・伸展運動は2往復目以降で安定するので、2往復目以降に測定した荷重、変位に基づいて荷重−変位曲線を生成して腰椎可動性の評価を行うことによって、より安定性の高い評価を行なうことができる。
また、腰椎可動性測定手段1の再現性を示すものとして、6往復の屈曲・伸展運動を与えて椎間2可動性測定を行い、3分間のインターバルをおく実験を6セット行った。得られた荷重−変位曲線より各セットの基準値を算出し、その変動係数を示したのが図9である。各FSU共に、剛性値では6%以下、ニュートラルゾーンでは7%以下と非常に低い変動係数を示し、各セットにおける測定値のばらつきが小さいことを示している。一方、吸収エネルギでは、他の基準値の変動係数よりやや大きく、10%前後の値もあった。ただし、変動係数は、標準偏差を平均値で除した値であるため、平均値が小さい場合には変動係数が大きい値を示す傾向がある。本実施例の吸収エネルギでは、平均値が0.1%以下と非常に小さな値であったため、変動係数が大きくなったものと考えられる。また、この程度の変動係数は臨床の観点からも十分低い値といえ、十分な再現性を有するものであることが分かった。
以上より、本発明に係る腰椎可動性測定手段1は、コンピュータ制御によって測定装置8を制御することによって、一定速度で椎間2に屈曲・伸展運動を与えることができ、安定した、かつ、再現性の高い測定を行うことができる。
また、把持部12がピボットボス17に挿通されて軸支されていることにより、屈曲・伸展運動に伴うゆがみが生じないので、より再現性の高い測定、評価を行なうことができる。
本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本実施例ではアクチュエータ6は電磁石によって生じる磁力によりプランジャ21を出没させる例を示したが、本発明はこれに限らず、油圧、空気圧によってプランジャ21を出没させることにより屈曲・伸展運動を与えることとしてもよい。また、駆動部は、モータの回転運動をプランジャ21の直線運動に変換するものとしてもよい。
腰椎可動性測定手段の全体構成を示す概略図である。 把持部の構成を示す斜視図である。 把持器本体の平面図である。 パーソナルコンピュータの回路構成を示すブロック図である。 腰椎可動性測定手段により生成した荷重−変位曲線である。 実施例1におけるヒト腰椎の代表的な荷重−変位曲線である。 図6における荷重−変位曲線から求めた基準値である。 安定性評価結果を示す図である。 再現性評価結果を示す図である。
1 腰椎可動性測定手段
2 椎間
3 椎骨
4 棘突起
5 把持器
8 測定装置
9 パーソナルコンピュータ(制御手段)
11 椎間板
12a 固定把持具
12b 可動把持具
13 クランプ
16a ピボット軸
19 ピボットボス
19a 固定ピボットボス
19b 可動ピボットボス
35 曲線生成部
36 表示部

Claims (4)

  1. 椎間を構成する椎骨の棘突起を把持器により把持し、前記把持器を駆動して椎間に荷重を加えて屈曲、伸展運動をさせ、前記荷重と椎間の変位とを測定する測定装置と、前記測定装置を制御すると共に、前記椎間に負荷された荷重と前記測定装置で測定した変位とを、荷重データ、変位データとして記憶する制御手段とを備え、
    前記把持器は、固定及び可動把持部と、前記固定及び可動把持部を支持する把持器本体を備え、
    前記固定及び可動把持部は、先端に設けられ前記棘突起を把持するクランプと、他端に設けられたピボット軸とを備え、
    前記把持器本体は、固定ピボットボスと可動ピポットボスを備え、これらピボットボスは鉛直方向に開口したリング状をなし、前記固定ピボットボスは前記把持器本体に固定され、前記可動ピボットボスは前記把持器本体の長手方向に移動可能に支持され、前記固定ピボットボスには、前記固定把持具の前記ピボット軸が挿通され、前記可動ピボットボスには、前記可動把持具の前記ピボット軸が挿通され、前記固定ピポットボスと前記ピポット軸により前記固定把持具は前記把持器本体に回動自在に支持され、前記可動ピポットボスと前記ピポット軸により前記可動把持具は前記把持器本体に回動自在に支持されることを特徴とする椎間板可動測定手段
  2. 前記制御手段により一定速度で前記荷重を加えることを特徴とする請求項1記載の椎間板可動測定手段
  3. 前記制御手段は、前記荷重データと前記変位データに基づいて荷重−変位曲線を生成する曲線生成部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の椎間板可動測定手段
  4. 前記制御手段は、前記荷重−変位曲線から基準値を算出すると共に表示部に表示することを特徴とする請求項3記載の椎間板可動測定手段
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