JP4755351B2 - 膜モジュール用ハウジング、これを用いた膜モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

膜モジュール用ハウジング、これを用いた膜モジュールおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体の濾過を行う膜モジュール、その製造方法、および膜モジュール用ハウジングに関し、詳しくは、膜モジュールの生産性を向上させることができる膜モジュール用ハウジング、濾過膜の破損や潰れがほとんどない膜モジュールおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、中空糸膜モジュールは、無菌水、飲料水、高度純水の製造、空気の浄化等に数多く使用されてきた。これらの用途に加えて、近年では、下水処理場における2次処理、3次処理や、浄化槽における固液分離、産業廃水中のSS(懸濁物質)の固液分離など、高汚濁性水の処理用途に用いられるようになってきている。
【0003】
このような高汚濁性水の処理用途に好適に用いられる中空糸膜モジュールとしては、特開平5−261253号公報、特開平6−342号公報、特開平6−340号公報等に開示されているような、内部に中空部(集水部)を有する矩形のハウジング内部に、シート状の中空糸膜束の端部を収容し、固定用樹脂を用いて固定してなる中空糸膜モジュールが挙げられる。これら中空糸膜モジュールは、ハウジング内に固定用樹脂を注入して、中空糸膜束の端部を固定用樹脂によりハウジングに固定した後、中空糸膜の端部が開口するように固定用樹脂の一部をカットすることにより製造される。
【0004】
しかしながら、このような製造方法においては、ハウジング内にカッターを挿入するために、径の大きなハウジングを用いる必要があった。そのため、この中空糸膜モジュールを複数配列、集積させて中空糸膜モジュールユニットを組み立てた場合、ひとつの中空糸膜モジュールの設置スペースが大きくなり、中空糸膜モジュールユニットにおける、単位体積当たりの中空糸膜モジュールの集積率が低くなるといった問題点があった。
【0005】
この問題点を解決するものとしては、特開平10−57775号公報に記載された中空糸膜モジュールが挙げられる。この中空糸膜モジュールは、パイプ状のハウジング本体にスリットを形成し、スリットの周りに樹脂ポッティング用堰部を設け、予め中空糸膜の端部を開口させた中空糸膜束をそのスリット部に挿入し、樹脂ポッティング用堰部の内側に固定用樹脂を、中空糸膜の端部を塞がないように注入して、中空糸膜束を固定用樹脂により固定することにより製造される。
この中空糸膜モジュールは、その製造工程において、中空糸膜束を固定用樹脂によりハウジングに固定した後、中空糸膜の端部が開口するように固定用樹脂の一部をカットする工程を省略したことで、ハウジングの径を小さくすることが可能となっている。
【0006】
また、特開2000−84373公報には、特開平10−57775号公報に開示されている中空糸膜モジュールを改良した、中空糸膜モジュールが提案されている。図5は、この中空糸膜モジュールの斜視図であり、図6は、図5の中空糸膜モジュールにおけるハウジング部分の断面図である。
この中空糸膜モジュール31は、一対のハウジング32と、複数の中空糸膜3がシート状に束ねられた中空糸膜束4と、ハウジング32の一端に接合された、処理水出口36を有するエンドキャップ37と、ハウジング32の他端に接合された、処理水出口のないエンドキャップ38とを有して概略構成されるものである。前記中空糸膜束4は、ハウジング32内に挿入された状態で、かつ中空糸膜3の開口端部9の開口状態を保ったまま固定用樹脂5によってハウジング32に固定されている。
【0007】
前記ハウジング32は、その内部に形成された中空の内部路41と、ハウジング32の表面に形成されたスリット状の開口部42と、該開口部42の両側方に、かつ開口部42に対して平行にハウジング本体43と一体に設けられた堰44と、該堰44に挟まれた樹脂注入部45とを有して構成される断面U字形の中空柱状部材である。
この中空糸膜モジュール31は、断面U字形のハウジング32を採用することで、ハウジングの径がさらに小径化され、積層率を上げることができる。それと同時に、高汚濁性水の濾過処理用途においては、中空糸膜の外面に付着した固体物質を逆洗浄する際の繰り返し圧力に対する、ハウジングの耐圧性が向上している。
【0008】
そして、この中空糸膜モジュール31の製造は以下のようにして行われる。図7に示すように、ハウジング32の開口部42に隣接する堰部44に、挿入装置の開口用上部チャック50および固定用下部チャック51を引っ掛け、開口用上部チャック50を上方に開くことにより開口部42を拡幅した後、該開口部42から中空糸膜束4の端部を挿入する。中空糸膜束4の端部が挿入されたハウジング32を挿入装置から取り外した後、中空糸膜3の開口端部9の開口状態を保ちつつ、固定用樹脂5を樹脂注入部45に充填、固化させることによって、中空糸膜束4をハウジング32に固定する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この中空糸膜モジュール31の製造方法においては、開口用上部チャック50および固定用下部チャック51が開口部42に隣接しているため、拡幅された開口部42へ中空糸膜束4の端部を挿入する場合、および挿入後に開口部42を狭めて中空糸膜束4を該開口部42に把持させる場合、開口用上部チャック50および固定用下部チャック51と中空糸膜3との接触が起こり、それによる中空糸膜3の折損や潰れが発生することがあった。特に、中空糸膜モジュール31の容積効率を上げるためにハウジング32の厚みを減少させた場合には、従来方法で製造された中空糸膜モジュール31において中空糸膜の折損や潰れによる不良品の発生が顕著になり、生産歩留りが低下していた。
【0010】
よって、本発明の目的は、膜モジュールの生産性を向上させることができる膜モジュール用ハウジング、濾過膜の破損や潰れがほとんどない膜モジュール、およびこのような膜モジュールを生産性よく製造することができる製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の膜モジュール用ハウジングは、長手方向に沿ったスリット状の開口部が形成された中空柱状の膜モジュール用ハウジングにおいて、中空部を挟んだ開口部の反対側には、長手方向に沿った2条の凸条部が形成され、ハウジングの側方から凸条部に圧力を加えることによって開口部が拡幅可能とされていることを特徴とする。
また、本発明の膜モジュール用ハウジングにおいては、2条の凸条部が平行に形成され、ハウジング本体の側面と凸条部の側面とが同一平面とされていることが望ましい。
【0012】
また、本発明の膜モジュールは、本発明の膜モジュール用ハウジングと、濾過膜とを具備し、前記濾過膜の少なくとも一方の端部が前記ハウジングの開口部から挿入された状態で、かつ濾過膜の端部の開口状態を保ちつつ固定用樹脂で前記ハウジングに固定されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の膜モジュールの製造方法は、本発明の膜モジュール用ハウジングの側方から凸条部に圧力を加えて開口部を拡幅した後、該開口部から濾過膜の端部を挿入し、濾過膜の開口端部の開口状態を保ちつつ固定用樹脂によって濾過膜を前記ハウジングに固定することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の膜モジュール用ハウジングを用いた中空糸膜モジュールの一例を示す斜視図であり、図2は、図1の中空糸膜モジュールにおけるハウジング部分の断面図である。
この中空糸膜モジュール1(膜モジュール)は、一対のハウジング2(膜モジュール用ハウジング)と、複数の中空糸膜3がシート状に束ねられた中空糸膜束4(濾過膜)と、ハウジング2の一端に接合された、処理水出口6を有するエンドキャップ7と、ハウジング2の他端に接合された、処理水出口のないエンドキャップ8とを有して概略構成されるものである。前記中空糸膜束4は、ハウジング2内に挿入された状態で、かつ中空糸膜3の開口端部9の開口状態を保ったまま固定用樹脂5によってハウジング2に固定されている。
【0015】
前記ハウジング2は、図3に示すように、その内部に形成された中空の内部路11(中空部)と、ハウジング本体13の表面に長手方向に沿って形成されたスリット状の開口部12と、該開口部12の両側方に、かつ開口部12に対して平行にハウジング本体13と一体に設けられた堰14と、該堰14に挟まれた樹脂注入部15と、内部路11を挟んだ開口部12の反対側に、長手方向に沿ってハウジング本体13と一体に形成された2条の凸条部16とを有して構成される断面概略H字形の中空柱状部材である。ここで、堰14は、互いに平行になるように、かつ堰14の側面17とハウジング本体13の側面18とが同一平面となるように形成されている。また、凸条部16は、互いに平行になるように、かつハウジング本体13の側面18と凸条部16の側面19とが同一平面となるように形成されている。
【0016】
このハウジング2においては、前記開口部12は、ハウジング2の側方から凸条部16に圧力を加えることによって、図3に示すように、圧力が加わった凸条部16の側面が力点20となり、かつ内部路11を挟んだ開口部12の反対側にあるハウジング本体13の壁面の中央付近が支点21となることによって、拡幅可能とされている。
【0017】
凸条部16の高さは、特に限定はされないが、ハウジング2に上述のような開口部12の拡幅作用を発揮させるためには、好ましくは、5mm以上であり、より好ましくは10〜100mmの範囲である。凸条部16の高さが5mm未満では、開口部12を拡幅させるときにかなり高い圧力が必要となるので好ましくなく、凸条部16の高さが100mmを超えると、中空糸膜モジュール1をユニット化した際にハウジング2の設置スペースが必要以上に拡がり、その分、膜面積が減少してしまうので好ましくない。
【0018】
支点21となるハウジング本体13の壁面の厚みは、凸条部16に圧力を加えたときに、該ハウジング本体13の壁面を支点21として開口部12の拡幅が可能であり、かつ中空糸膜モジュール1に求められる耐圧性を満足できる程度の範囲内であればよく、特に限定はされないが、例えば、0.5〜10mmの範囲内とされる。
【0019】
堰14の高さは、注入される固定用樹脂5が中空糸膜モジュール1に求められる耐圧性、中空糸膜束4の固定部の安定性を満足できる程度の厚みを形成できればよく、特に限定はされないが、例えば、1〜50mmの範囲内とされる。
【0020】
開口部12のスリットの幅は、ハウジング2の外側から中空糸膜束4を挿入でき、かつ中空糸膜3が潰れない程度の圧着力で中空糸膜3を保持できる幅であることが望ましい。開口部12の最適なスリット幅は、当然、使用される中空糸膜3の外径によって異なり、特に限定はされないが、例えば、0.3〜5mmの範囲内とされる。
ハウジング2のサイズについては、固定する中空糸膜束4のサイズや中空糸膜モジュール1の用途などによって適宜調整される。
【0021】
ハウジング2の材質としては、機械的強度および耐久性を有するもののものであればよく、例えば、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、PVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル樹脂、ABS樹脂、変成PPE(ポリフェニレンエーテル)等を用いることができる。このハウジング2を用いた中空糸膜モジュール1を、その使用後に、焼却処理する必要がある場合は、有毒ガスを出さずに完全燃焼させることのできる炭化水素系の樹脂を用いることが望ましい。
【0022】
中空糸膜3としては、種々のものが使用でき、例えば、セルロース系、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)系、ポリビニルアルコール系、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)系、ポリスルフォン系、フッ素系(PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)など)等、各種材料からなる中空糸膜が使用できる。中でも、ポリエチレン等の伸度の高い材質のものが好ましい。なお、濾過膜として使用可能な中空糸であれば、孔径、空孔率、膜厚、外径等に特に制限はないが、例えば、その外径は20〜1500μm、孔径は0.01〜1μm、空孔率は20〜90%、膜厚は5〜300μmの範囲とされる。
【0023】
中空糸膜束4としては、中空糸膜3を単にひき揃えたものでもよいが、中空糸膜3を例えば緯糸として用いて編み地としたもの、またはこの編み地を数枚積層した積層体が、中空糸膜モジュール1の加工性の面から好適に用いられる。なお、ここでいう編み地の積層には、編み地を切断せずに適当な長さに折り畳み、重ねたものをも包含される。編み地の積層(折り畳み)枚数は、編み地の厚さ、すなわち中空糸膜3の太さや編み地を編成する際の中空糸膜3の合糸本数によっても変化するが、通常は5枚程度までが好ましい。
【0024】
固定用樹脂5は、幅の狭い開口部12と、幅の広い樹脂注入部15に形成されることによって、その断面は凸字状となっている。固定用樹脂5の断面をこのような凸字状とすることで、中空糸膜3がハウジング2に接触することによる外傷の発生を防止することを可能とする。
【0025】
固定用樹脂5としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン系充填材、各種ホットメルト樹脂等を用いることができる。また、固化前の固定用樹脂の粘度は、特に限定されないが、500〜5000mPa・sが好ましく、より好ましくは1000〜3000mPa・sの範囲である。固定用樹脂の粘度が500mPa・s未満では、固定用樹脂が中空糸膜3の開口端部9まで流動し、該開口端部9を閉塞する要因となるおそれがある。固定用樹脂の粘度が5000mPa・sを超えると、複数の中空糸膜3間に含浸させることが困難となるので好ましくない。
【0026】
このような中空糸膜モジュール用のハウジング2にあっては、内部路11を挟んで開口部12の反対側にあるハウジング本体13の外壁面に、長手方向に沿った2条の凸条部16が形成され、ハウジング2の側方から凸条部16に圧力を加えることによって、開口部12の反対側にあるハウジング本体13の壁面の中央付近が支点21となって開口部12が拡幅可能とされているので、中空糸膜モジュール1を製造する際に、従来のような開口用チャックを用いる必要がない。これにより、開口用チャックと中空糸膜3との接触がなくなり、それによる中空糸膜3の折損や潰れが生じることがない。
【0027】
また、ハウジング2が、2条の凸条部16が平行に形成され、かつハウジング本体13の側面、堰14の側面および凸条部16の側面が同一平面とされた、断面概略H字形のものであるので、これを用いた中空糸膜モジュール1を複数平行に積層して中空糸膜モジュールユニットとする際に、隣接する中空糸膜モジュール1のハウジング2間の距離を適性範囲に保持することが可能となり、ユニットの集積率を高くすることができる。
また、このようなハウジング2を用いた中空糸膜モジュール1にあっては、中空糸膜3の折損や潰れによる不良品の発生が減少し、生産歩留りが向上する。
【0028】
なお、本発明の膜モジュール用ハウジングの形状は、図示例のように断面概略H字形の中空柱状に限定されるものではなく、円筒状のものであっても構わない。
また、本発明の膜モジュールは、図示例のように異なる2つのハウジング2に中空糸膜束4の端部をそれぞれ挿入したものに限定はされず、例えば、U字状に折り曲げられた中空糸膜束4の両端を1つのハウジング2に挿入したものであっても構わない。
また、本発明の膜モジュールにおける濾過膜は、図示例の中空糸膜束4に限定されず、中空糸膜束以外であってもシート状の形態を有するものであれば使用可能であり、例えば、単一または複数枚を積層した平膜などを使用できる。
【0029】
次に、中空糸膜モジュール1の製造方法について、図4を参照しながら説明する。
まず、挿入装置(図示略)上にあるベース22にハウジング2を装着する。次に、該ハウジング2の凸条部16にある力点20の上方に待避している開口用チャック23を力点20まで移動させ、力点20を押し下げることにより、ハウジング2の開口部12が拡幅される。
【0030】
あらかじめ各中空糸膜3の端部をカットして開口させられた中空糸膜束4の端部を、ハウジング2の開口部12に、中空糸膜3の開口端部9がハウジング2の内部路11に位置するように水平に移動させて、挿入する。
次に、開口用チャック23を力点20の上方に待避させる。これによりハウジング2が自動的に中空糸膜束4を挟握する。
この後、ハウジング2と中空糸膜束4からなる組立体を挿入装置から取り出す。なお、該組立体の挿入装置からの離脱を容易にするため、必要に応じて、開口用チャック23をハウジング2の上方より自動的に待避させてもよい。
【0031】
組立体を挿入装置から取り出した後、ハウジング2の両端にエンドキャップ7,8を取り付ける。
次いで、中空糸膜3の開口端部9の開口状態を保ったまま、液状の固定用樹脂をハウジング2の外側から樹脂注入部15および開口部12に充填する。この固定用樹脂を固化させることにより、中空糸膜束4がハウジング2に固定される。
【0032】
ハウジング2の開口部12を拡幅する際の、開口部12のスリットの幅は、使用する中空糸膜束4の厚みにより調整され、中空糸膜束4の厚みよりも0.5mm以上広いことが好ましい。拡幅された開口部12のスリットの幅と中空糸膜束4の厚みとの差が0.5mm以上であれば、拡幅された開口部12のスリットへ中空糸膜束4を容易に挿入を行うことが可能となる。一方、拡幅された開口部12のスリットの幅と中空糸膜束4の厚みとの差が0.5mmより小さければ中空糸膜束4を開口部12のスリットへ挿入するときに中空糸膜束4が開口部12との摩擦などで引っ掛かりやすくなり、挿入をスムーズに行えなくなるので好ましくない。
【0033】
また、開口部12の拡幅の際に力点20に加えられる圧力は、ハウジング2の材質(ハウジング材)の弾性限度を超えない範囲であることが好ましい。ハウジング材の弾性限度の範囲内であれば、力点20への加圧をやめた際に、支点21のあるハウジング2の壁面が弾性回復することができ、ハウジング2による中空糸膜束4の把持を必要十分に行うことが可能となる。一方、ハウジング材の弾性限度を超えて開口部12の拡幅を行うと、支点21のあるハウジング2の壁面が塑性変形を起こすので、中空糸膜束4の把持を十分行えなくなり、さらには、ハウジング2の破壊もしくは強度低下にもつながり中空糸膜モジュール1の生産歩留りが低下するので好ましくない。
【0034】
前記開口用チャック23は、ハウジング2と接触する部分がフリーロール24で構成されている。開口用チャック23が力点20を押さえた際に、開口用チャック23とハウジング2の凸条部16との間に滑りが発生したとしても、該フリーロール24の回転がそれを吸収するので、ハウジング2の側面を傷つけなくてすむ。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を示して、本発明を詳しく説明する。
(実施例1)
中空糸膜モジュールを製造し、中空糸膜束の折損、潰れの有無を観察した。中空糸膜モジュール1の製造方法は以下の通りである。
スリット幅が1mm、スリット全長が1000mmの開口部8が形成された、図3に示すような断面概略H字型のハウジング2に、中空糸膜3が1インチあたり96本の割合で引き揃えられた中空糸膜束4を挿入、配置した。このとき、凸条部16の力点20に開口用チャック23を押し当てて開口部12の拡幅を行った。また、ここで用いた中空糸膜3は、三菱レイヨン(株)製ポリエチレン中空糸膜(外径540μm)であった。
【0036】
ついで、ハウジング2の両端部を、一端を通水可能とした状態でエンドキャップ7,8で封止し、その後、固定用樹脂5を、ハウジング2の樹脂注入部15に厚さ5mmになるように注入、固化して、中空糸膜モジュール1を得た。同様にして、中空糸膜モジュール1を100サンプル作製した。
中空糸膜束4の折損、潰れの有無の観察を100サンプルについて実施したところ、中空糸膜束の折損、潰れのある中空糸膜モジュールは1本もなく、極めて良好な結果であった。
【0037】
(比較例1)
断面形状が図6に示すようなU字型であるハウジングを使用し、ハウジングの開口部に隣接する堰部を開口用チャックで引っ掛けて拡幅し、拡幅された開口部へ中空糸膜束の端部を挿入を行った以外は、実施例1と同一の製造条件で中空糸膜モジュールを100サンプル製造した。
得られた中空糸膜モジュールについて、実施例1と同様に中空糸膜束の折損、潰れの有無を観察した。
【0038】
中空糸膜束の折損、潰れの有無の観察を100サンプルについて実施したところ、中空糸膜束の折損、潰れのある中空糸膜モジュールは30サンプルあり、結果は良好でなかった。また、折損、潰れのあった中空糸膜モジュールは、その折損、潰れた部分を観察すると、開口用チャックとの接触により、折損、潰れたものであることが確認された。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の膜モジュール用ハウジングは、長手方向に沿ったスリット状の開口部が形成された中空柱状の膜モジュール用ハウジングにおいて、中空部を挟んだ開口部の反対側には、長手方向に沿った2条の凸条部が形成され、ハウジングの側方から凸条部に圧力を加えることによって開口部が拡幅可能とされているので、膜モジュールの生産性を向上させることができる。
【0040】
また、本発明の膜モジュール用ハウジングにおいては、2条の凸条部が平行に形成され、ハウジング本体の側面と凸条部の側面とが同一平面とされていれば、このハウジングを用いた膜モジュールをユニット化した際の集積率を高くすることができる。
また、本発明の膜モジュールは、本発明の膜モジュール用ハウジングと、濾過膜とを具備し、前記濾過膜の少なくとも一方の端部が前記ハウジングの開口部から挿入された状態で、かつ濾過膜の端部の開口状態を保ちつつ固定用樹脂で前記ハウジングに固定されているので、濾過膜の破損や潰れがほとんどなく、不良品の発生が極めて少ない。
【0041】
また、本発明の膜モジュールの製造方法は、本発明の膜モジュール用ハウジングの側方から凸条部に圧力を加えて開口部を拡幅した後、該開口部から濾過膜の端部を挿入し、濾過膜の開口端部の開口状態を保ちつつ固定用樹脂によって濾過膜を前記ハウジングに固定する方法であるので、濾過膜の破損や潰れがほとんどない膜モジュールを、生産性よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の膜モジュールの一例を示す斜視図である。
【図2】 図1の膜モジュールにおけるハウジング部分の断面図である。
【図3】 本発明の膜モジュール用ハウジングの一例を示す斜視図である。
【図4】 本発明の膜モジュールの製造方法を説明するための概略図である。
【図5】 従来の膜モジュールの一例を示す斜視図である。
【図6】 図5の膜モジュールにおけるハウジング部分の断面図である。
【図7】 従来の膜モジュールの製造方法を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1 中空糸膜モジュール(膜モジュール)
2 ハウジング(膜モジュール用ハウジング)
4 中空糸膜束(濾過膜)
5 固定用樹脂
9 開口端部
11 内部路(中空部)
12 開口部
16 凸条部
18 ハウジング本体の側面
19 凸条部の側面

Claims (4)

  1. 長手方向に沿ったスリット状の開口部が形成された中空柱状の膜モジュール用ハウジングにおいて、
    中空部を挟んだ開口部の反対側には、長手方向に沿った2条の凸条部が形成され、
    ハウジングの側方から凸条部に圧力を加えることによって開口部が拡幅可能とされていることを特徴とする膜モジュール用ハウジング。
  2. 2条の凸条部が平行に形成され、ハウジング本体の側面と凸条部の側面とが同一平面とされていることを特徴とする請求項1記載の膜モジュール用ハウジング。
  3. 請求項1または請求項2記載の膜モジュール用ハウジングと、濾過膜とを具備し、
    前記濾過膜の少なくとも一方の端部が前記ハウジングの開口部から挿入された状態で、かつ濾過膜の端部の開口状態を保ちつつ固定用樹脂で前記ハウジングに固定されていることを特徴とする膜モジュール。
  4. 請求項1または請求項2記載の膜モジュール用ハウジングの側方から凸条部に圧力を加えて開口部を拡幅した後、該開口部から濾過膜の端部を挿入し、
    濾過膜の端部の開口状態を保ちつつ固定用樹脂によって濾過膜を前記ハウジングに固定することを特徴とする膜モジュールの製造方法。
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