JP4751955B1 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動電圧が低く、耐久性が向上した有機電界発光素子を提供すること。特に、パルス電圧を印加する駆動法のように、逆バイアスをかける駆動をした際に、耐久性が顕著に向上した有機電界発光素子を提供すること。
【解決手段】基板上2に、陽極3及び陰極9からなる一対の電極と、該一対の電極間に発光層6を有し、該発光層6と該陰極9の間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、該発光層6に両電荷輸送性材料である特定構造のカルバゾール化合物を含有し、該発光層6と該陰極9の間の少なくとも一層の有機層に、高い電子移動度を有すると考えられる特定構造のトリフェニレン誘導体を含有する、有機電界発光素子10。
【選択図】図1

Description

本発明は有機電界発光素子に関する。
有機電界発光素子(以下、「素子」、「有機EL素子」ともいう)は、低電圧駆動で高輝度の発光が得られることから活発に研究開発が行われている。有機電界発光素子は、一対の電極間に有機層を有し、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とが有機層において再結合し、生成した励起子のエネルギーを発光に利用するものである。
近年、燐光発光材料を用いることにより、素子の高効率化が進んでいる。また、発光材料をホスト材料中にドープした発光層を用いるドープ型素子が広く採用されている。
これに関連して、正孔(ホール)輸送性及び電子輸送性の両方の性質を有する両電荷輸送性材料の開発が行われており、例えば、特許文献1には、アリールカルバゾリル基又はカルバゾリルアルキレン基と、窒素含有ヘテロ芳香族環とを有する材料が記載されている。また特許文献2には、両電荷輸送性材料をホスト材料や電子輸送材料として使用することが記載されている。
その他にも、有機電界発光素子に使用可能な材料の開発が行われており、例えば、特許文献3は、有機電界発光素子に使用可能なトリフェニレン誘導体に関する発明であり、トリフェニレン誘導体をホスト材料や電子輸送材料として使用することを記載している。
有機電界発光素子の用途は様々であるが、その一つとしてディスプレイなど表示装置としての使用が挙げられる。有機電界発光素子を用いた表示装置はまだ耐久性が不十分で、高い耐久性を有する素子が求められている。
また、有機電界発光素子を用いたディスプレイの駆動方式として、アクティブマトリクス方式やパッシブマトリクス方式が挙げられる。特に、薄膜トランジスタと組み合わせて駆動する系においては、画素ごとに逆バイアスをかける時間・タイミングを設定できるので好ましい。また、特許文献4には駆動中に素子に逆バイアスを加えると素子の耐久性が上がるとされているが、まだ不十分である。従って、駆動中に素子に逆バイアスを印加する駆動法においても、高い耐久性を有する素子が求められている。
特開2009−88538号公報 特開2009−218547号公報 国際公開第09/021107号 特許3259774号公報
本発明者らは、両電荷輸送性材料である特定構造のカルバゾール化合物を発光層に、高い電子移動度を有すると考えられる特定構造のトリフェニレン誘導体を発光層と陰極の間の有機層(好ましくは、電子輸送層)にそれぞれ使用することにより、駆動電圧が低く、耐久性が向上した有機電界発光素子が提供されることを見出した。更に本発明の有機電界発光素子は、パルス電圧を印加する駆動法のように、逆バイアスをかける駆動をした際に、耐久性の向上が顕著である。
すなわち、本発明の目的は、駆動電圧が低く、耐久性が向上した有機電界発光素子の提供にあり、特にパルス電圧を印加する駆動法のように、逆バイアスをかける駆動をした際に、耐久性の向上が顕著である有機電界発光素子の提供にある。
また、本発明の別の目的は有機電界発光素子を含む発光装置、表示装置及び照明装置を提供することである。
すなわち、本発明は下記の手段により達成することができる。
<1>
基板上に、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に発光層を有し、該発光層と該陰極の間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、
該発光層に下記一般式(3)で表される化合物を含有し、
該発光層と該陰極の間の少なくとも一層の有機層に、下記一般式(E−1)、ETM1、ETM2、又はETM4で表される炭化水素化合物を含有する有機電界発光素子。
Figure 0004751955

一般式(3)中、X は水素原子が結合した炭素原子であり、X は窒素原子であり、X及びXを含む環はピリミジンである。L’は、単結合又はフェニレン基を表す。R〜Rはそれぞれ独立にフッ素原子、又はピリミジル基を表す。n1〜n5はそれぞれ独立に0又は1を表し、p’は1又は2を表し、qは1を表す。
Figure 0004751955


Figure 0004751955

一般式(E−1)中、 11 、R 14 、R 15 、R 18 、R 19 及びR 22 は水素原子を表す。R 12 、R 13 、R 16 、R 17 、R 20 及びR 21 はそれぞれ独立に水素原子、又はアルキル基、フェニル基、若しくはトリフェニレニル基で置換されていてもよいフェニル基、若しくはナフチル基を表す。ただし、R11〜R22が全て水素原子になることはない。
<2>
記炭化水素化合物が下記一般式(E−2)で表される炭化水素化合物である、上記<1>に記載の有機電界発光素子。
Figure 0004751955

一般式(E−2)中、複数のArは同一であり、アルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又はナフチル基を表す。
<3>
記炭化水素化合物が下記一般式(E−3)、ETM1、ETM2、又はETM4で表される炭化水素化合物である、上記<1>に記載の有機電界発光素子。
Figure 0004751955

Figure 0004751955

一般式(E−3)中、Lは以下のいずれかの構造で表される2価又は3価の連結基を表す。*はトリフェニレン環との結合位置を表す。nは2又は3を表す。
Figure 0004751955

<4>
記炭化水素化合物が下記一般式(E−4)、ETM1、ETM2、又はETM4で表される炭化水素化合物である、上記<1>に記載の有機電界発光素子。
Figure 0004751955

Figure 0004751955

一般式(E−4)中、複数存在する場合のArは同一であり、Ar、メタ位が炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はトリフェニレニル基で置換されたフェニル基を表す。
p及びqはそれぞれ独立に0又は1を表すが、pとqが同時に0になることはない。p及びqが0を表す場合、Arは水素原子を表す。

薄膜トランジスタと接続して、アクティブマトリクス駆動が可能な、上記<1>〜<>のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。

上記<1>〜<>のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた発光装置。

上記<1>〜<>のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた表示装置。

上記<1>〜<>のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた照明装置。
なお、本発明は、上記<1>〜<>に関するものであるが、参考のため、その他の事項(例えば下記〔1〕〜〔11〕に記載の事項等)についても記載した。
〔1〕基板上に、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に発光層を有し、該発光層と該陰極の間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、
該発光層に下記一般式(1)で表される化合物を含有し、
該発光層と該陰極の間の少なくとも一層の有機層に、下記一般式(E−1)で表される炭化水素化合物を含有する有機電界発光素子。
Figure 0004751955
一般式(1)中、Czは置換若しくは無置換のアリールカルバゾリル基又はカルバゾリルアリール基、Lは単結合、置換若しくは無置換のアリーレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は置換若しくは無置換の芳香族へテロ環、Aは置換若しくは無置換の窒素含有芳香族へテロ6員環であり、p及びqはそれぞれ独立に1〜6の整数である。
Figure 0004751955
一般式(E−1)中、R11〜R22はそれぞれ独立に水素原子、又はアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基で置換されていてもよいフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基を表す。ただし、R11〜R22が全て水素原子になることはない。
〔2〕前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である、上記〔1〕に記載の有機電界発光素子。
Figure 0004751955
一般式(2)中、Czは置換若しくは無置換のアリールカルバゾリル基又はカルバゾリルアリール基を表す。Lは単結合、置換若しくは無置換のアリーレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は置換若しくは無置換の芳香族へテロ環を表し、Ar1、Ar2、X1、X2又はX3の炭素原子と連結する。Ar1及びAr2はそれぞれ独立に置換又は無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換の芳香族へテロ環基を表し、X1、X2及びX3はそれぞれ独立に窒素原子又は水素原子若しくは置換基が結合した炭素原子を表す。p及びqはそれぞれ独立に1〜6の整数を表す。
〔3〕前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物である、上記〔2〕に記載の有機電界発光素子。
Figure 0004751955
一般式(3)中、X4及びX5はそれぞれ独立に窒素原子又は水素原子が結合した炭素原子であり、X4及びX5を含む環はピリジン又はピリミジンである。L’は、単結合又はフェニレン基を表す。R1〜R5はそれぞれ独立にフッ素原子、メチル基、フェニル基、シアノ基、ピリジル基、ピリミジル基、シリル基、カルバゾリル基、又はtert−ブチル基を表す。n1〜n5はそれぞれ独立に0又は1を表し、p’及びq’はそれぞれ独立に1又は2を表す。
〔4〕前記一般式(E−1)で表される炭化水素化合物が下記一般式(E−2)で表される炭化水素化合物である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
Figure 0004751955
一般式(E−2)中、複数のAr1は同一であり、アルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基で置換されていてもよいフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基を表す。
〔5〕前記一般式(E−1)で表される炭化水素化合物が下記一般式(E−3)で表される炭化水素化合物である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
Figure 0004751955
一般式(E−3)中、Lはアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基で置換されていてもよいフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基又はこれらを組み合わせて成るn価の連結基を表す。nは1〜6の整数を表す。
〔6〕前記一般式(E−1)で表される炭化水素化合物が下記一般式(E−4)で表される炭化水素化合物である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
Figure 0004751955
一般式(E−4)中、複数存在する場合のAr2は同一であり、Ar2はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基、又はこれらを組み合わせてなる基を表す。
p及びqはそれぞれ独立に0又は1を表すが、pとqが同時に0になることはない。p及びqが0を表す場合、Ar2は水素原子を表す。
〔7〕前記一般式(E−4)において、Ar2がフェニル基を表し、該フェニル基のメタ位がアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基、又はこれらを組み合わせてなる基で置換されている、上記〔6〕に記載の有機電界発光素子。
〔8〕薄膜トランジスタと接続して、アクティブマトリクス駆動が可能な、上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
〔9〕上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた発光装置。
〔10〕上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた表示装置。
〔11〕上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた照明装置。
本発明によれば、駆動電圧が低く、耐久性が向上した有機電界発光素子を提供することができる。本発明の有機電界発光素子は、パルス電圧を印加する駆動法のように、逆バイアスをかける駆動をした際に、耐久性の向上が顕著である。
本発明に係る有機電界発光素子の構成の一例を示す概略図である。 本発明に係る発光装置の一例を示す概略図である。 本発明に係る照明装置の一例を示す概略図である。
一般式(1)及び一般式(E−1)の説明における水素原子は同位体(重水素原子等)も含み、また更に置換基を構成する原子は、その同位体も含んでいることを表す。
本発明において、置換基群A、及び置換基群Bを下記のように定義する。
(置換基群A)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ネオペンチルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、4−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、ホスホリル基(例えばジフェニルホスホリル基、ジメチルホスホリル基などが挙げられる。)が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
(置換基群B)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、シアノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、前記 置換基群Bから選択される基を挙げることができる。また、置換基に置換した置換基は更に置換されてもよく、さらなる置換基としては、以上に説明した置換基群Bから選択される基を挙げることができる。また、置換基に置換した置換基に置換した置換基は更に置換されてもよく、さらなる置換基としては、以上に説明した置換基群Bから選択される基を挙げることができる。
本発明の有機電界発光素子は、基板上に、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に発光層を有し、該発光層と該陰極の間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、
該発光層に後述の一般式(1)で表される化合物を含有し、
該発光層と該陰極の間の少なくとも一層の有機層に、後述の一般式(E−1)で表される炭化水素化合物を含有する。
本発明の有機電界発光素子の駆動電圧が低下し、耐久性が向上する理由は定かではないが、両電荷輸送性材料である特定構造のカルバゾール化合物の発光層における使用と、高い電子移動度を有すると考えられる特定構造のトリフェニレン誘導体の発光層と陰極の間の有機層(好ましくは、電子輸送層)における使用とを組み合わせることが、素子の駆動電圧の低下、及び耐久性の向上に寄与していると考えられる。現在の有機電界発光素子は、燐光素子においてホールブロック層が設けられている場合が多いことから、ホール輸送層や発光層にホール移動度の高い材料が使われていると考えられる。そこで、電子移動度が高い電子輸送層を用い、電子も輸送する材料を発光層に用いることでキャリアバランスが改善されるものと考えられる。
〔一般式(1)で表される化合物〕
以下、一般式(1)で表される化合物について説明する。
Figure 0004751955
一般式(1)中、Czは置換若しくは無置換のアリールカルバゾリル基又はカルバゾリルアリール基、Lは単結合、置換若しくは無置換のアリーレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は置換若しくは無置換の芳香族へテロ環、Aは置換若しくは無置換の窒素含有芳香族へテロ6員環であり、p及びqはそれぞれ独立に1〜6の整数である。
以下、一般式(1)で表される化合物について説明する。
Czは、置換若しくは無置換のアリールカルバゾリル基又はカルバゾリルアリール基である。
アリールカルバゾリル基及びカルバゾリルアリール基におけるアリール基は、炭素数6〜30が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、ピレニル基、フルオレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられ、これらのうち、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基がより好ましい。
アリールカルバゾリル基及びカルバゾリルアリール基におけるカルバゾール環(カルバゾリル基)上でのアリール基の置換位置は、特に限定されないが、化学的安定性やキャリア輸送性の観点から、アリール基がカルバゾール環の2位、3位、6位、7位又は9位に置換していることが好ましく、カルバゾール環の3位、6位又は9位に置換していることがより好ましく、カルバゾール環の9位(N位)に置換していることが最も好ましい。
Czがアリールカルバゾリル基の場合、特に限定されないが、化学的安定性やキャリア輸送性の観点から、アリールカルバゾリル基のカルバゾール環の2位、3位、6位、7位又は9位(N位)でLと連結することが好ましく、カルバゾール環の3位、6位位又は9位(N位)でLと連結することがより好ましく、カルバゾール環の9位(N位)でLと連結することが最も好ましい。
具体的には、Czはフェニル基に1つ又は2つのカルバゾリル基が9位(N位)で置換してなる基が好ましく、該カルバゾリル基の3位及び6位がフッ素原子で置換されていてもよい。
また、Czとしてはカルバゾリルアリール基であることが好ましい。
Aは、置換若しくは無置換の窒素含有ヘテロ芳香族6員環であり、好ましくは炭素数2〜40の窒素含有ヘテロ芳香族6員環である。Aは複数の置換基を有してもよく、置換基が互いに結合して環を形成してもよい。
窒素含有ヘテロ芳香族6員環又は窒素含有ヘテロ芳香族6員環を含む窒素含有ヘテロ芳香族環としては、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、アザインドリジン、インドリジン、プリン、プテリジン、β−カルボリン、ナフチリジン、キノキサリン、ターピリジン、ビピリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、イミダゾピリジン等が挙げられ、これらのうち、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジンがより好ましく、ピリジン、ピリミジン、ピラジンが更に好ましく、ピリミジンが最も好ましい。
Lは、単結合、置換若しくは無置換のアリーレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のヘテロ芳香族環である。
なお、一般式(1)においてp+qが3以上を表す場合、Lは、前記アリーレン基からp+q-2個の任意の水素原子を除したp+q価の基、シクロアルキレン基からp+q-2個の任意の水素原子を除したp+q価の基、又はp+q価の芳香族ヘテロ環基を表す。
Lが有する置換基としては、前記置換基群Aとしてあげたものが適用でき、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ピリジル基、ピリミジル基、チエニル基、フルオロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、トリフェニルシリル基、トリメチルシリル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、ブチル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジル基、フルオロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基であり、更に好ましくはメチル基、フェニル基、フルオロ基である。
アリーレン基としては、炭素数6〜30のアリーレン基が好ましく、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、アントラニレン基、フェナンスリレン基、ビレニレン基、クリセニレン基、フルオランテニレン基、パーフルオロアリーレン基等が挙げられ、これらのうちフェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、パーフルオロアリーレン基が好ましく、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基がより好ましく、フェニレン基、ビフェニレン基が更に好ましい。
シクロアルキレン基としては、炭素数5〜30のシクロアルキレン基が好ましく、例えばシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基などが挙げられ、これらのうちシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基が好ましく、シクロへキシレン基がより好ましい。
ヘテロ芳香族環としては、炭素数2〜30のヘテロ芳香族環が好ましく、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル−1−インドリル基、4−t−ブチル−1−インドリル基、2−t−ブチル−3−インドリル基、4−t−ブチル−3−インドリル基等が挙げられ、これらのうち、ピリジニル基、キノリル基、インドリル基、カルバゾリル基が好ましく、ピリジニル基、カルバゾリル基がより好ましい。
Lとしては、単結合、フェニレン基、ビフェニレン基、シクロへキシレン基、シクロへキシレン基、ピリジニル基、カルバゾリル基が好ましく、単結合、フェニレン基、ビフェニレン基がより好ましく、単結合、フェニレン基が更に好ましい。
また、上記一般式(1)におけるCz、A及びLの置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、カルバゾリル基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、トリフルオロメチル基、カルボニル基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアリールアルキル基、置換若しくは無置換の芳香族基、置換若しくは無置換の芳香族ヘテロ環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルキルオキシ基等が挙げられる。これらのうち、フッ素原子、メチル基、パーフルオロフェニレン基、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、アダマンチル基、ベンジル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、トリフルオロメチル基、カルバゾリル基及びこれらのみの組み合わせからなる基が好ましく、フッ素原子、メチル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジル基、シアノ基、シリル基、カルバゾリル基、及びこれらのみの組み合わせからなる基がより好ましく、フェニル基、ピリジル基、ピリミジル基、カルバゾリル基、及びこれらのみの組み合わせからなる基が更に好ましく、カルバゾリル基で置換されていてもよいフェニル基、ジフェニルピリミジル基が最も好ましい。また、置換基を複数有する場合、該置換基は互いに結合して環を形成してもよい。
p、qは、それぞれ独立に1〜6の整数であり、それぞれ1〜4であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1〜2であることが更に好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、以下の一般式(2)で表される化合物であることが、駆動耐久性の観点でより好ましい。
Figure 0004751955
一般式(2)中、Czは置換若しくは無置換のアリールカルバゾリル基又はカルバゾリルアリール基を表す。Lは単結合、置換若しくは無置換のアリーレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は置換若しくは無置換の芳香族へテロ環を表し、Ar1、Ar2、X1、X2又はX3の炭素原子と連結する。Ar1及びAr2はそれぞれ独立に置換又は無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換の芳香族へテロ環基を表し、X1、X2及びX3はそれぞれ独立に窒素原子又は水素原子若しくは置換基が結合した炭素原子を表す。p及びqはそれぞれ独立に1〜6の整数を表す。
一般式(2)について説明する。
一般式(2)中、Cz、L、p及びqの定義は、一般式(1)におけるCz、L、p及びqと同様であり、好ましいものも同様である。
Ar1、Ar2はそれぞれ独立に置換又は無置換のアリール基、アリーレン基、又は芳香族へテロ環基である。
アリール基は置換又は無置換の炭素数6〜30のものが好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナンスリル基、ビレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、パーフルオロアリール基等が挙げられ、これらのうちフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、パーフルオロアリール基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基がより好ましく、フェニル基、ビフェニル基が更に好ましい。
アリーレン基としては置換又は無置換の炭素数6〜30のものが好ましく、具体例や好ましい基は前述の一般式(1)におけるLの説明で挙げたものと同様である。芳香族へテロ環基としては、置換又は無置換の炭素数2〜30のものが好ましく、具体例や好ましい基は前述の一般式(1)におけるLの説明で挙げたものと同様である。これらに置換基が結合する場合、置換基の具体例や好ましい基は前述の一般式(1)におけるCz、Aの置換基として挙げたものと同様である。
Ar1、Ar2は、好ましくはそれぞれ独立に、カルバゾリル基で置換されていてもよいフェニル基又はピリジル基であり、カルバゾリル基で置換されていてもよいフェニル基であることがより好ましい。
1、X2、X3は、それぞれ独立に、窒素原子又は水素原子若しくは置換基が結合した炭素原子を表す。X1、X2、X3のうち、0〜2個が窒素原子である場合が好ましく、0〜1個が窒素原子である場合がより好ましく、1個が窒素原子である場合が最も好ましい。X1、X2、X3のいずれかに窒素原子が含まれる場合、X1及びX3のいずれか一方が窒素原子であることが好ましい。一般式(2)におけるX1〜X3を含む環がピリジン又はピリミジンを表すことが好ましく、ピリミジンを表すことがより好ましい。炭素原子に結合する置換基の具体例や好ましい基は前述の一般式(1)におけるCz、Aの置換基として挙げたものと同様である。また、一般式(2)においてLの連結位置は特に限定されないが、化学的安定性やキャリア輸送性の観点からAr1の炭素原子と連結することが好ましい。
一般式(2)で表される化合物は、以下の一般式(3)で表される化合物であることが、駆動耐久性の観点で更により好ましい。
Figure 0004751955
一般式(3)中、X4、X5はそれぞれ独立に窒素原子又は水素原子若しくは置換基が結合した炭素原子を表し、X4又はX5のいずれか一方は窒素原子であり、他方は水素原子若しくは置換基が結合した炭素原子である。L’は単結合、置換若しくは無置換のアリーレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は置換若しくは無置換の芳香族へテロ環を表す。R1〜R5はそれぞれ独立に置換基を表す。n1〜n5はそれぞれ独立に0〜5の整数を表す。p’、q’はそれぞれ独立に1〜4の整数を表す。
一般式(3)について説明する。
4、X5はそれぞれ独立に窒素原子又は水素原子若しくは置換基が結合した炭素原子を表す。X4又はX5のいずれか一方は窒素原子であり、他方は水素原子若しくは置換基が結合した炭素原子であることが好ましく、一方は窒素原子であり、他方は水素原子が結合した炭素原子であることがより好ましい。一般式(3)におけるX4及びX5を含む環がピリジン又はピリミジンを表すことが好ましく、ピリミジンを表すことがより好ましい。炭素原子に結合する置換基の具定例や好ましい基は前述の一般式(1)におけるCz、Aの置換基として挙げたものと同様である。
L’の定義は、前述の一般式(1)におけるLと同様であり、好ましい基もLと同様である。L’は、一般式(3)中の含窒素ヘテロ芳香族構造においてベンゼン環と連結している。
1〜R5はそれぞれ独立に置換基を表す。置換基の具体例は前述の一般式(1)におけるCz、Aの置換基として挙げたものと同様である。R1〜R6として好ましくは、フッ素原子、メチル基、t−ブチル基、フェニル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、アダマンチル基、シアノ基、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリフルオロメチル基、カルバゾリル基であり、より好ましくは、フッ素原子、メチル基、t−ブチル基、フェニル基、ピリジル基、シアノ基、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリフルオロメチル基、カルバゾリル基であり、更に好ましくはフッ素原子、メチル基、t−ブチル基、フェニル基、シアノ基、シリル基、トリフェニルシリル基、トリフルオロメチル基、カルバゾリル基であり、更に好ましくはフッ素原子、t−ブチル基、フェニル基、シアノ基、トリフェニルシリル基、カルバゾリル基である。R1〜R5が複数のとき、複数のR1〜R5はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
3はピリジル基、ピラジル基、又はピリミジル基であることが好ましく、ピリミジル基であることがより好ましい。該ピリジル基、ピラジル基、又はピリミジル基は更に置換基を有してもよく、該置換基としてはアルキル基、アリール基が好ましく、アリール基がより好ましく、フェニル基であることが最も好ましい。
n1〜n5はそれぞれ独立に0〜5の整数を表す。それぞれ0〜2であることが好ましく、0〜1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。
p’、q’はそれぞれ独立に1〜4の整数を表す。それぞれ1〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。
好ましくは、一般式(3)中、X4及びX5はそれぞれ独立に窒素原子又は水素原子が結合した炭素原子であり、X4及びX5を含む環はピリジン又はピリミジンであり、L’は、単結合又はフェニレン基を表し、R1〜R5はそれぞれ独立にフッ素原子、メチル基、フェニル基、シアノ基、ピリジル基、ピリミジル基、シリル基、カルバゾリル基、又はtert−ブチル基を表し、n1〜n5はそれぞれ独立に0又は1を表し、p’及びq’はそれぞれ独立に1又は2を表す。
一般式(1)で表される化合物は、炭素原子、水素原子及び窒素原子のみからなる場合が最も好ましい。
一般式(1)で表される化合物の分子量は400以上1000以下であることが好ましく、450以上800以下であることがより好ましく、500以上700以下であることが更に好ましい。
一般式(1)で表される化合物の膜状態での最低励起三重項(T1)エネルギーは2.61eV(62kcal/mol)以上3.51eV(80kcal/mol)以下であることが好ましく、2.69eV(63.5kcal/mol)以上3.51eV(80kcal/mol)以下であることがより好ましく、2.76eV(65kcal/mol)以上3.51eV(80kcal/mol)であることが更に好ましい。
一般式(1)で表される化合物のガラス転移温度(Tg)は80℃以上400℃以下であることが好ましく、100℃以上400℃以下であることがより好ましく、120℃以上400℃以下であることが更に好ましい。
一般式(1)が水素原子を有する場合、同位体(重水素原子等)も含む。この場合化合物中の全ての水素原子が同位体に置き換わっていてもよく、また一部が同位体を含む化合物である混合物でもよい。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記具体例中のPhはフェニル基を表す。
Figure 0004751955
Figure 0004751955
Figure 0004751955
Figure 0004751955
Figure 0004751955
Figure 0004751955
Figure 0004751955
Figure 0004751955
Figure 0004751955
Figure 0004751955
上記一般式(1)で表される化合物として例示した化合物は、国際公開第03/080760号パンフレットに記載の方法や、国際公開第03/078541号パンフレットに記載の方法、国際公開第05/085387号パンフレットに記載の方法等、種々の方法で合成できる。
例えば、上記例示化合物A4は、m−ブロモベンゾアルデヒドを出発原料に用い、国際公開第05/085387号パンフレット段落[0074]−[0075](45頁、11行〜46頁、18行)に記載の方法で合成することができる。上記例示化合物A45の化合物は、3,5−ジブロモベンゾアルデヒドを出発原料に用い、国際公開第03/080760号パンフレットの46頁、9行〜46頁、12行に記載の方法で合成することができる。また、上記例示化合物A77の化合物は、N−フェニルカルバゾールを出発原料に用い、国際公開第05/022962号パンフレットの137頁、10行〜139頁、9行に記載の方法で合成することができる。
一般式(1)で表される化合物は、前述のWO05/085387やWO03/080760に記載されるように、アリールハライドとアリールボロン酸(若しくはボロン酸エステル)又はカルバゾールをカップリングして合成することができる。この際、合成中間体であるアリールハライド(例えば、カルバゾール部位を有するアリールハライド又はピリミジン部位を有するアリールハライド)、該合成中間体を合成する出発原料、中間体で使用されるアリールハライド等が不純物として生成し得る。これらアリールハライド等の不純物(すなわち、一般式(1)で表される化合物の製造時に含まれうるハロゲン元素含有化合物)に含まれる、臭素、ヨウ素及び塩素からなる群より選択されるハロゲン元素の質量濃度の合計が、一般式(1)で表される化合物中に100ppm以下(すなわち、一般式(1)で表される化合物1kg中のハロゲン元素量が100mg以下)で存在すると、それら不純物としての臭素、ヨウ素又は塩素元素含有化合物が電荷トラップになる、反応性が高い等の理由により有機電界発光素子の外部量子効率や駆動耐久性などの素子特性に悪影響を及ぼすことを良好に抑制し、外部量子効率と駆動耐久性を高レベルで両立させることができるので好ましい。特に、一般式(1)で表される化合物中の、臭素、ヨウ素及び塩素からなる群より選択されるハロゲン元素の質量濃度の合計が、100ppm以下であることにより駆動耐久性が顕著に向上する。但し、一般式(1)で表される化合物が臭素、ヨウ素又は塩素のハロゲン元素を有する場合には、一般式(1)で表される化合物自身が有するハロゲン元素は、ここで言う“一般式(1)で表される化合物中の、臭素、ヨウ素及び塩素からなる群より選択されるハロゲン元素の質量濃度の合計”には含まれない。一般式(1)で表される化合物中の、臭素、ヨウ素及び塩素からなる群より選択されるハロゲン元素の質量濃度の合計を、50ppm以下とすることがより好ましく、より好ましくは10ppm以下とすることである。
本発明の一般式(1)で表される化合物中の不純物に含まれる、臭素、ヨウ素及び塩素からなる群より選択されるハロゲン元素の質量濃度の合計は、理想的には0ppmであることが好ましい。一方、不純物に含まれる、臭素、ヨウ素及び塩素からなる群より選択されるハロゲン元素の質量濃度の合計が0ppmであることを測定することも現実的には不可能である。また、製造工程や精製工程数の増加や使用するエネルギー増加により影響する環境負荷の観点からは、不純物の種類によっては、本発明の電荷輸送材料中に極少量存在させた方が好ましい。したがって、耐久性向上と環境負荷抑制との双方の観点から、本発明の不純物に含まれる、臭素、ヨウ素及び塩素からなる群より選択されるハロゲン元素の質量濃度の合計は、一般式(1)で表される化合物に対して0.001ppm以上100ppm以下であることが好ましく、0.005ppm以上50ppm以下であることがより好ましく、0.01ppm以上10ppm以下であることが更に好ましい。
本発明の一般式(1)で表される化合物中の、前述のアリールハライド等の不純物に含まれる、臭素、ヨウ素については誘導結合プラズマ−質量分析(ICP−MS)により又、塩素については電量滴定法によりハロゲン質量濃度を、本発明の一般式(1)で表される化合物の純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により求めることができる。本発明においては、254nmにおける吸収強度の面積比を臭素、ヨウ素及び塩素からなる群より選択されるハロゲン元素の質量濃度や純度の指標に用いる。アリールハライドのピーク位置は、本発明の一般式(1)の化合物の合成中間体であるアリールハライドと比較することで確認できる。また、その他の不純物ピークの構造は、液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)により推定できる。
また、本発明の一般式(1)で表される化合物の純度は、99.0質量%以上であることが好ましく、99.5質量%以上であることがより好ましく、99.9質量%以上であることが更に好ましい。
本発明の一般式(1)で表される化合物は、WO05/085387やWO03/080760に記載される方法などの種々の方法で合成することができる。
合成後、カラムクロマトグラフィー、再結晶等による精製を行った後、昇華精製により精製することが好ましい。昇華精製により、有機不純物を分離できるだけでなく、無機塩や残留溶媒等を効果的に取り除くことができる。
本発明において、一般式(1)で表される化合物は、その用途が限定されることはなく、発光層に加え、発光層以外の有機層内のいずれの層に含有されてもよい。一般式(1)で表される化合物の導入層としては、発光層に加え、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、励起子ブロック層、及び電荷ブロック層のいずれか、若しくは複数に含有されるのが好ましい。
本発明では、高温駆動時の色度変化をより抑えるために、一般式(1)で表される化合物を発光層に加え、発光層に隣接する層のいずれかに含有されることが好ましい。また、一般式(1)で表される化合物を発光層及び隣接する層の両層に含有させてもよい。
一般式(1)で表される化合物の発光層中の含有量は、本発明の一般式(1)で表される化合物を発光層の全質量に対して0.1〜99質量%含ませることが好ましく、1〜97質量%含ませることがより好ましく、10〜97質量%含ませることがより好ましい。
〔一般式(E−1)で表される炭化水素化合物〕
下記一般式(E−1)で表される炭化水素化合物(以下単に「炭化水素化合物」と称する場合がある)について説明する。
一般式(E−1)で表される炭化水素化合物は炭素原子と水素原子のみからなり、化学的安定性の点で優れるため、駆動耐久性が高く、高輝度駆動時の各種変化がおきにくいという効果を奏する。
一般式(E−1)で表される炭化水素化合物は、分子量が400〜1200の範囲であルことが好ましく、より好ましくは400〜1000であり、更に好ましくは400〜800である。分子量が400以上であれば良質なアモルファス薄膜が形成でき、分子量が1200以下であると溶媒への溶解性や昇華及び蒸着適性の面で好ましい。
一般式(E−1)で表される炭化水素化合物はその用途が限定されることはなく、発光層と陰極の間の少なくとも一層の有機層だけでなく有機層内のいずれの層に更に含有されてもよい。
Figure 0004751955
(一般式(E−1)において、R11〜R22はそれぞれ独立に水素原子、又はアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基で置換されていてもよいフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基を表す。ただし、R11〜R22が全て水素原子になることはない。)
11〜R22が有していてもよいアルキル基としては、置換若しくは無置換の、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、又はt−ブチル基である。
11〜R22として好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基(これらは更にアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基であることが更に好ましい。
フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基(これらは更にアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい、フェニル基であることが特に好ましい。
11〜R22は、それぞれ独立に、総炭素数が20〜50であることが好ましく、総炭素数が20〜36であることがより好ましい。この範囲とすることで、良質なアモルファス薄膜が形成でき、溶媒への溶解性や昇華及び蒸着適性が良好になる。
本発明の一の態様において、前記一般式(E−1)で表される炭化水素化合物は下記一般式(E−2)で表される炭化水素化合物であることが好ましい。
Figure 0004751955
(一般式(E−2)中、複数のAr1は同一であり、アルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基で置換されていてもよいフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基を表す。)
Ar1が表すアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基で置換されていてもよいフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基としては、R11〜R22で挙げたものと同義であり、好ましいものも同様である。
本発明の他の態様において、前記一般式(E−1)で表される炭化水素化合物は、下記一般式(E−3)で表される炭化水素化合物であることが好ましい。
Figure 0004751955
(一般式(E−3)中、Lはアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基で置換されていてもよいフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基又はこれらを組み合わせて成るn価の連結基を表す。nは1〜6の整数を表す。)
Lが表すn価の連結基を形成するアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基としては、R11〜R22で挙げたものと同義である。
Lとして好ましくは、アルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はトリフェニル基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、又はこれらを組み合わせて成るn価の連結基である。
以下にLの好ましい具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。なお具体例中*でトリフェニレン環と結合する。
Figure 0004751955
nは1〜5であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1又は2が更に好ましい。
本発明の他の態様において、前記一般式(E−1)で表される炭化水素化合物は、下記一般式(E−4)で表される炭化水素化合物であることが好ましい。
Figure 0004751955
(一般式(E−4)において、複数存在する場合のAr2は同一であり、Ar2はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基、又はこれらを組み合わせてなる基を表す。p及びqはそれぞれ独立に0又は1を表すが、pとqが同時に0になることはない。p及びqが0を表す場合、Ar2は水素原子を表す。)
Ar2として好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基を組み合わせてなる基であり、より好ましくは、メチル基、t−ブチル基、フェニル基、トリフェニレニル基を組み合わせてなる基である。
また、Ar2がフェニル基を表し、該フェニル基のメタ位がアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基、又はこれらを組み合わせてなる基で置換されていることが好ましく、Ar2は、メタ位が炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基、又はこれらを組み合わせてなる基で置換されたフェニル基であることが特に好ましい。
また、Ar2としては、下記の基(Arx)であることが好ましい。
Figure 0004751955
(基(Arx)において、Ara〜Ardはそれぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、トリフェニレン環から選択される環を表す。na、nb、ncはそれぞれ独立に0又は1を表し、ndは1を表す。na、nb、ncが0の場合、Ara〜Arcは単結合を表す。Ara〜Ardはそれぞれ独立にアルキル基又はフェニル基で置換されていてもよい。*は一般式(E−4)のトリフェニレン環への結合部位を表す。)
基(Arx)において、Ara〜Ardとしては、ベンゼン環、トリフェニレン環であることが好ましく、ベンゼン環であることが更に好ましい。
na、nb、ncのうち、1〜3つが1であることが好ましい。
本発明の他の態様において、前記一般式(E−1)で表される炭化水素化合物のR17が前記基(Arx)であり、R11〜R16及びR18〜R22が水素原子であることが好ましい。
本発明にかかる炭化水素化合物を有機電界発光素子の発光層のホスト材料や発光層に隣接する層の電荷輸送材料として使用する場合、発光材料より薄膜状態でのエネルギーギャップ(発光材料が燐光発光材料の場合には、薄膜状態での最低励起三重項(T1)エネルギー)が大きいと、発光がクエンチしてしまうことを防ぎ、効率向上に有利である。一方、化合物の化学的安定性の観点からは、エネルギーギャップ及びT1エネルギーは大き過ぎない方が好ましい。一般式(E−1)で表される炭化水素化合物の膜状態でのT1エネルギーは、2.61eV(62kcal/mol)以上3.51eV(80kcal/mol)以下であることが好ましく、2.69eV(63.5kcal/mol)以上3.51eV(75kcal/mol)以下であることがより好ましく、2.76eV(65kcal/mol)以上3.51eV(70kcal/mol)以下であることが更に好ましい。特に、発光材料として燐光発光材料を用いる場合には、T1エネルギーが上記範囲となることが好ましい。
1エネルギーは、材料の薄膜の燐光発光スペクトルを測定し、その短波長端から求めることができる。例えば、洗浄した石英ガラス基板上に、材料を真空蒸着法により約50nmの膜厚に成膜し、薄膜の燐光発光スペクトルを液体窒素温度下でF−7000日立分光蛍光光度計(日立ハイテクノロジーズ)を用いて測定する。得られた発光スペクトルの短波長側の立ち上がり波長をエネルギー単位に換算することによりT1エネルギーを求めることができる。
有機電界発光素子を高温駆動時や素子駆動中の発熱に対して安定して動作させる観点から、本発明にかかる炭化水素化合物のガラス転移温度(Tg)は80℃以上400℃以下であることが好ましく、100℃以上400℃以下であることがより好ましく、120℃以上400℃以下であることが更に好ましい。
以下に、本発明にかかる炭化水素化合物の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004751955
Figure 0004751955
上記本発明にかかる炭化水素化合物として例示した化合物は、国際公開第05/013388号パンフレット、国際公開第06/130598号パンフレット、国際公開第09/021107号パンフレットに記載の方法で合成できる。
合成後、カラムクロマトグラフィー、再結晶等による精製を行った後、昇華精製により精製することが好ましい。昇華精製により、有機不純物を分離できるだけでなく、無機塩や残留溶媒等を効果的に取り除くことができる。
本発明の発光素子において、炭化水素化合物は発光層と陰極の間の発光層に隣接する有機層に含有されるが、その用途が限定されることはなく、有機層内のいずれの層に更に含有されてもよい。本発明にかかる炭化水素化合物の導入層としては、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、励起子ブロック層、電荷ブロック層のいずれか、若しくは複数に含有することができる。
炭化水素化合物が含有される発光層と陰極の間の発光層に隣接する有機層は電荷ブロック層又は電子輸送層であることが好ましく、電子輸送層であることがより好ましい。
〔有機電界発光素子〕
本発明の素子について詳細に説明する。
本発明の有機電界発光素子は、基板上に、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に発光層を有し、該発光層と該陰極の間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、発光層に前紀一般式(1)で表される化合物を含有し、該発光層と該陰極の間の少なくとも一層の有機層に前記一般式(E−1)で表される炭化水素化合物を含有する。
本発明の有機電界発光素子において、発光層は有機層であり、発光層と陰極の間に更に少なくとも一層の有機層を含むが、更に有機層を有していてもよい。
発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明若しくは半透明であることが好ましい。
図1は、本発明に係る有機電界発光素子の構成の一例を示している。
図1に示される本発明に係る有機電界発光素子10は、支持基板2上において、陽極3と陰極9との間に発光層6が挟まれている。具体的には、陽極3と陰極9との間に正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6、正孔ブロック層7、及び電子輸送層8がこの順に積層されている。
<有機層の構成>
前記有機層の層構成としては、特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記透明電極上に又は前記背面電極上に形成されるのが好ましい。この場合、有機層は、前記透明電極又は前記背面電極上の前面又は一面に形成される。
有機層の形状、大きさ、及び厚み等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
具体的な層構成として、下記が挙げられるが本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極。
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極。
有機電界発光素子の素子構成、基板、陰極及び陽極については、例えば、特開2008−270736号公報に詳述されており、該公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
<基板>
本発明で使用する基板としては、有機層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
<陽極>
陽極は、通常、有機層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
<陰極>
陰極は、通常、有機層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
基板、陽極、陰極については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0070〕〜〔0089〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
<有機層>
本発明における有機層について説明する。
〔有機層の形成〕
本発明の有機電界発光素子において、各有機層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式成膜法、転写法、印刷法、スピンコート法、バーコート法等の溶液塗布プロセスのいずれによっても好適に形成することができる。本発明の素子において、発光層、該発光層と陰極の間の有機層、及び前記陽極と前記陰極の間に存在するその他の有機層のうちいずれか少なくとも1層が溶液塗布プロセスにより形成されたことが好ましい。
〔発光層〕
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
基板、陽極、陰極、有機層、発光層については、例えば、特開2008−270736、特開2007−266458に詳述されており、これらの公報に記載の事項を本発明に適用することができる。更に、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいても良い。
(発光材料)
本発明における発光材料としては、燐光性発光材料、蛍光性発光材料等いずれも用いることができる。
本発明における発光層は、色純度を向上させるためや発光波長領域を広げるために2種類以上の発光材料を含有することができる。発光材料の少なくとも一種が燐光発光材料であることが好ましい。
本発明における発光材料は、更に前記ホスト材料との間で、1.2eV>△Ip>0.2eV、及び/又は1.2eV>△Ea>0.2eVの関係を満たすことが駆動耐久性の観点で好ましい。ここで、△Ipは、ホスト材料と発光材料のIp値の差を、△Eaはホスト材料と発光材料のEa値の差を意味する。
前記発光材料の少なくとも一種が白金錯体材料又はイリジウム錯体材料であることが好ましく、イリジウム錯体材料であることがより好ましい。
蛍光発光材料、燐光発光材料については、例えば、特開2008−270736の段落番号〔0100〕〜〔0164〕、特開2007−266458の段落番号〔0088〕〜〔0090〕に詳述されており、これらの公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
発光効率等の観点からは、燐光発光材料が好ましい。本発明に使用できる燐光発光材料としては、例えば、US6303238B1、US6097147、WO00/57676、WO00/70655、WO01/08230、WO01/39234A2、WO01/41512A1、WO02/02714A2、WO02/15645A1、WO02/44189A1、WO05/19373A2、特開2001−247859、特開2002−302671、特開2002−117978、特開2003−133074、特開2002−235076、特開2003−123982、特開2002−170684、EP1211257、特開2002−226495、特開2002−234894、特開2001−247859、特開2001−298470、特開2002−173674、特開2002−203678、特開2002−203679、特開2004−357791、特開2006−256999、特開2007−19462、特開2007−84635、特開2007−96259等の特許文献に記載の燐光発光化合物などが挙げられ、中でも、更に好ましい発光性ドーパントとしては、Ir錯体、Pt錯体、Cu錯体、Re錯体、W錯体、Rh錯体、Ru錯体、Pd錯体、Os錯体、Eu錯体、Tb錯体、Gd錯体、Dy錯体、及びCe錯体が挙げられる。特に好ましくは、Ir錯体、Pt錯体、又はRe錯体であり、中でも金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含むIr錯体、Pt錯体、又はRe錯体が好ましい。更に、発光効率、駆動耐久性、色度等の観点で、Ir錯体、Pt錯体が特に好ましく、Ir錯体が最も好ましい。
白金錯体として好ましくは、下記一般式(C−1)で表される白金錯体である。
Figure 0004751955
(式中、Q1、Q2、Q3及びQ4はそれぞれ独立にPtに配位する配位子を表す。L1、L2及びL3はそれぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表す。)
一般式(C−1)について説明する。Q1、Q2、Q3及びQ4はそれぞれ独立にPtに配位する配位子を表す。この時、Q1、Q2、Q3及びQ4とPtの結合は、共有結合、イオン結合、配位結合などいずれであっても良い。Q1、Q2、Q3及びQ4中のPtに結合する原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子が好ましく、Q1、Q2、Q3及びQ4中のPtに結合する原子の内、少なくとも一つが炭素原子であることが好ましく、二つが炭素原子であることがより好ましく、二つが炭素原子で、二つが窒素原子であることが特に好ましい。
炭素原子でPtに結合するQ1、Q2、Q3及びQ4としては、アニオン性の配位子でも中性の配位子でもよく、アニオン性の配位子としてはビニル配位子、芳香族炭化水素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントレン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばフラン配位子、チオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子及び、それらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など))が挙げられる。中性の配位子としてはカルベン配位子が挙げられる。
窒素原子でPtに結合するQ1、Q2、Q3及びQ4としては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としては含窒素芳香族ヘテロ環配位子(ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサゾール配位子、チアゾール配位子及びそれらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾイミダゾール配位子など))、アミン配位子、ニトリル配位子、イミン配位子が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アミノ配位子、イミノ配位子、含窒素芳香族ヘテロ環配位子(ピロール配位子、イミダゾール配位子、トリアゾール配位子及びそれらを含む縮環体(例えはインドール配位子、ベンゾイミダゾール配位子など))が挙げられる。
酸素原子でPtに結合するQ1、Q2、Q3及びQ4としては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはエーテル配位子、ケトン配位子、エステル配位子、アミド配位子、含酸素ヘテロ環配位子(フラン配位子、オキサゾール配位子及びそれらを含む縮環体(ベンゾオキサゾール配位子など))が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アルコキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、アシルオキシ配位子、シリルオキシ配位子などが挙げられる。
硫黄原子でPtに結合するQ1、Q2、Q3及びQ4としては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはチオエーテル配位子、チオケトン配位子、チオエステル配位子、チオアミド配位子、含硫黄ヘテロ環配位子(チオフェン配位子、チアゾール配位子及びそれらを含む縮環体(ベンゾチアゾール配位子など))が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アルキルメルカプト配位子、アリールメルカプト配位子、ヘテロアリールメルカプト配位子などが挙げられる。
リン原子でPtに結合するQ1、Q2、Q3及びQ4としては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはホスフィン配位子、リン酸エステル配位子、亜リン酸エステル配位子、含リンヘテロ環配位子(ホスフィニン配位子など)が挙げられ、アニオン性の配位子としては、ホスフィノ配位子、ホスフィニル配位子、ホスホリル配位子などが挙げられる。
1、Q2、Q3及びQ4で表される基は、置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適宜適用できる。また置換基同士が連結していても良い(Q3とQ4が連結した場合、環状四座配位子のPt錯体になる)。
1、Q2、Q3及びQ4で表される基として好ましくは、炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、シリルオキシ配位子であり、より好ましくは、炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子、アリールオキシ配位子であり、更に好ましくは炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子である。
1、L2及びL3は、単結合又は二価の連結基を表す。L1、L2及びL3で表される二価の連結基としては、アルキレン基(メチレン、エチレン、プロピレンなど)、アリーレン基(フェニレン、ナフタレンジイル)、ヘテロアリーレン基(ピリジンジイル、チオフェンジイルなど)、イミノ基(−NR−)(フェニルイミノ基など)、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、ホスフィニデン基(−PR−)(フェニルホスフィニデン基など)、シリレン基(−SiRR’−)(ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基など)、又はこれらを組み合わせたものが挙げられる。ここで、R及びR’としては各々独立してアルキル基、アリール基等が挙げられる。これらの連結基は、更に置換基を有していてもよい。
錯体の安定性及び発光量子収率の観点から、L1、L2及びL3として好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、より好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、イミノ基であり、更に好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基であり、更に好ましくは、単結合、メチレン基、フェニレン基であり、更に好ましくは単結合、ジ置換のメチレン基であり、更に好ましくは単結合、ジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、エチルメチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、イソブチルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基、シクロペンタンジイル基、フルオレンジイル基、フルオロメチルメチレン基である。
1は特に好ましくはジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基であり、最も好ましくはジメチルメチレン基である。
2及びL3として最も好ましくは単結合である。
一般式(C−1)で表される白金錯体のうち、より好ましくは下記一般式(C−2)で表される白金錯体である。
Figure 0004751955
(式中、L21は単結合又は二価の連結基を表す。A21、A22はそれぞれ独立に炭素原子又は窒素原子を表す。Z21、Z22はそれぞれ独立に含窒素芳香族ヘテロ環を表す。Z23、Z24はそれぞれ独立にベンゼン環又は芳香族ヘテロ環を表す。)
一般式(C−2)について説明する。L21は、前記一般式(C−1)中のL1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
21、A22はそれぞれ独立に炭素原子又は窒素原子を表す。A21、A22の内、少なくとも一方は炭素原子であることが好ましく、A21、A22が共に炭素原子であることが、錯体の安定性の観点及び錯体の発光量子収率の観点から好ましい。
21、Z22は、それぞれ独立に含窒素芳香族ヘテロ環を表す。Z21、Z22で表される含窒素芳香族ヘテロ環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環などが挙げられる。錯体の安定性、発光波長制御及び発光量子収率の観点から、Z21、Z22で表される環として好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、イミダゾール環、ピラゾール環であり、より好ましくはピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環であり、更に好ましくはピリジン環、ピラゾール環であり、特に好ましくはピリジン環である。
前記Z21、Z22で表される含窒素芳香族ヘテロ環は置換基を有していてもよく、炭素原子上の置換基としては前記置換基群Aが、窒素原子上の置換基としては前記置換基群Bが適用できる。炭素原子上の置換基として好ましくはアルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルコキシ基、シアノ基、フッ素原子である。置換基は発光波長や電位の制御のために適宜選択されるが、短波長化させる場合には電子供与性基、フッ素原子、芳香環基が好ましく、例えばアルキル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、フッ素原子、アリール基、芳香族ヘテロ環基などが選択される。また長波長化させる場合には電子求引性基が好ましく、例えばシアノ基、ペルフルオロアルキル基などが選択される。窒素原子上の置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、錯体の安定性の観点からアルキル基、アリール基が好ましい。前記置換基同士は連結して縮合環を形成していてもよく、形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。
23、Z24は、それぞれ独立にベンゼン環又は芳香族ヘテロ環を表す。Z23、Z24で表される含窒素芳香族ヘテロ環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。錯体の安定性、発光波長制御及び発光量子収率の観点からZ23、Z24で表される環として好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チオフェン環であり、より好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラゾール環であり、更に好ましくはベンゼン環、ピリジン環である。
前記Z23、Z24で表されるベンゼン環、含窒素芳香族ヘテロ環は置換基を有していてもよく、炭素原子上の置換基としては前記置換基群Aが、窒素原子上の置換基としては前記置換基群Bが適用できる。炭素上の置換基として好ましくはアルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルコキシ基、シアノ基、フッ素原子である。置換基は発光波長や電位の制御のために適宜選択されるが、長波長化させる場合には電子供与性基、芳香環基が好ましく、例えばアルキル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アリール基、芳香族ヘテロ環基などが選択される。また短波長化させる場合には電子求引性基が好ましく、例えばフッ素原子、シアノ基、ペルフルオロアルキル基などが選択される。窒素原子上の置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、錯体の安定性の観点からアルキル基、アリール基が好ましい。前記置換基同士は連結して縮合環を形成していてもよく、形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。
一般式(C−2)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(C−4)で表される白金錯体である。
Figure 0004751955
(一般式(C−4)中、A401〜A414はそれぞれ独立にC−R又は窒素原子を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。L41は単結合又は二価の連結基を表す。)
一般式(C−4)について説明する。
401〜A414はそれぞれ独立にC−R又は窒素原子を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。
Rで表される置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。
401〜A406として好ましくはC−Rであり、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。A401〜A406がC−Rである場合に、A402、A405のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子であり、特に好ましくは水素原子、フッ素原子である。A401、A403、A404、A406のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子であり、特に好ましく水素原子である。
41は、前記一般式(C−1)中のL1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
407〜A414としては、A407〜A410とA411〜A414のそれぞれにおいて、N(窒素原子)の数は、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましい。発光波長を短波長側にシフトさせる場合、A408及びA412のいずれかが窒素原子であることが好ましく、A408とA412が共に窒素原子であることが更に好ましい。
407〜A414がC−Rを表す場合に、A408、A412のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ペルフルオロアルキル基、アルキル基、アリール基、フッ素原子、シアノ基であり、特に好ましくは、水素原子、フェニル基、ペルフルオロアルキル基、シアノ基である。A407、A409、A411、A413のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ペルフルオロアルキル基、フッ素原子、シアノ基であり、特に好ましく水素原子、フェニル基、フッ素原子である。A410、A414のRとして好ましくは水素原子、フッ素原子であり、より好ましくは水素原子である。A407〜A409、A411〜A413のいずれかがC−Rを表す場合に、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。
一般式(C−2)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(C−5)で表される白金錯体である。
Figure 0004751955
(一般式(C−5)中、A501〜A512は、それぞれ独立に、C−R又は窒素原子を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。L51は単結合又は二価の連結基を表す。)
一般式(C−5)について説明する。A501〜A506及びL51は、前記一般式(C−4)におけるA401〜A406及びL41と同義であり、好ましい範囲も同様である。
507、A508及びA509とA510、A511及びA512は、及びそれぞれ独立に、C−R又は窒素原子を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。Rで表される置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。A507、A508及びA509とA510、A511及びA512がC−Rである場合に、Rとして好ましくは水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルオキシ基、シアノ基、フッ素原子であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ジアルキルアミノ基、シアノ基、フッ素原子、更に好ましくは、水素原子、アルキル基、トリフルオロメチル基、フッ素原子である。また可能な場合は置換基同士が連結して、縮環構造を形成してもよい。A507、A508及びA509とA510、A511及びA512のうち少なくとも一つは窒素原子であることが好ましく、特にA510又はA507が窒素原子であることが好ましい。
一般式(C−1)で表される白金錯体のうち、より好ましい別の態様は下記一般式(C−6)で表される白金錯体である。
Figure 0004751955
(式中、L61は単結合又は二価の連結基を表す。A61はそれぞれ独立に炭素原子又は窒素原子を表す。Z61、Z62はそれぞれ独立に含窒素芳香族ヘテロ環を表す。Z63はそれぞれ独立にベンゼン環又は芳香族ヘテロ環を表す。YはPtに結合するアニオン性の非環状配位子である。)
一般式(C−6)について説明する。L61は、前記一般式(C−1)中のL1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
61は炭素原子又は窒素原子を表す。錯体の安定性の観点及び錯体の発光量子収率の観点からA61は炭素原子であることが好ましい。
61、Z62は、それぞれ前記一般式(C−2)におけるZ21、Z22と同義であり、また好ましい範囲も同様である。Z63は、前記一般式(C−2)におけるZ23と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
YはPtに結合するアニオン性の非環状配位子である。非環状配位子とはPtに結合する原子が配位子の状態で環を形成していないものである。Y中のPtに結合する原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましく、窒素原子、酸素原子がより好ましく、酸素原子が最も好ましい。
炭素原子でPtに結合するYとしてはビニル配位子が挙げられる。窒素原子でPtに結合するYとしてはアミノ配位子、イミノ配位子が挙げられる。酸素原子でPtに結合するYとしては、アルコキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、アシルオキシ配位子、シリルオキシ配位子、カルボキシル配位子、リン酸配位子、スルホン酸配位子などが挙げられる。硫黄原子でPtに結合するYとしては、アルキルメルカプト配位子、アリールメルカプト配位子、ヘテロアリールメルカプト配位子、チオカルボン酸配位子などが挙げられる。
Yで表される配位子は、置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適宜適用できる。また置換基同士が連結していても良い。
Yで表される配位子として好ましくは酸素原子でPtに結合する配位子であり、より好ましくはアシルオキシ配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、シリルオキシ配位子であり、更に好ましくはアシルオキシ配位子である。
一般式(C−6)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(C−7)で表される白金錯体である。
Figure 0004751955
(式中、A701〜A710は、それぞれ独立に、C−R又は窒素原子を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。L71は単結合又は二価の連結基を表す。YはPtに結合するアニオン性の非環状配位子である。)
一般式(C−7)について説明する。L71は、前記一般式(C−6)中のL61と同義であり、また好ましい範囲も同様である。A701〜A710は一般式(C−4)におけるA401〜A410と同義であり、また好ましい範囲も同様である。Yは一般式(C−6)におけるYと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(C−1)で表される白金錯体として具体的には、特開2005−310733号公報の〔0143〕〜〔0152〕、〔0157〕〜〔0158〕、〔0162〕〜〔0168〕に記載の化合物、特開2006−256999号公報の〔0065〕〜〔0083〕に記載の化合物、特開2006−93542号公報の〔0065〕〜〔0090〕に記載の化合物、特開2007−73891号公報の〔0063〕〜〔0071〕に記載の化合物、特開2007−324309号公報の〔0079〕〜〔0083〕に記載の化合物、特開2006−93542号公報の〔0065〕〜〔0090〕に記載の化合物、特開2007−96255号公報の〔0055〕〜〔0071〕に記載の化合物、特開2006−313796号公報の〔0043〕〜〔0046〕が挙げられ、その他以下に例示する白金錯体が挙げられる。
Figure 0004751955
Figure 0004751955
Figure 0004751955
一般式(C−1)で表される白金錯体化合物は、例えば、Journal of Organic Chemistry 53,786,(1988)、G.R.Newkome et al.)の、789頁、左段53行〜右段7行に記載の方法、790頁、左段18行〜38行に記載の方法、790頁、右段19行〜30行に記載の方法及びその組み合わせ、Chemische Berichte 113,2749(1980)、H.Lexyほか)の、2752頁、26行〜35行に記載の方法等、種々の手法で合成できる。
例えば、配位子、又はその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、若しくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる)、若しくは、塩基非存在下、室温以下、若しくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。
本発明の発光層における一般式(C−1)で表される化合物の含有量は発光層中1〜30質量%であることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが更に好ましい。
イリジウム錯体として好ましくは、下記一般式(T−1)で表されるイリジウム錯体である。
〔一般式(T−1)で表される化合物〕
一般式(T−1)で表される化合物について説明する。
Figure 0004751955
(一般式(T−1)中、RT3’、RT3、RT4、RT5及びRT6はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、ペルフルオロアルキル基、トリフルオロビニル基、−CO2T、−C(O)RT、−N(RT2、−NO2、−ORT、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Tを有していてもよい。
Eは炭素原子又は窒素原子を表す。
Qは窒素を1つ以上含む5員又は6員の芳香族複素環又は縮合芳香族複素環である。
該環Qにおいて、EとNを結ぶ線は一本の線で表されているが、結合種は問わず、それぞれ単結合でも二重結合でも良い。
T3、RT4、RT5及びRT6は隣り合う任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、該縮合4〜7員環は更に置換基Tを有していてもよい。
T3’とRT6は、−C(RT2−C(RT2−、−CRT=CRT−、−C(RT2−、−O−、−NRT−、−O−C(RT2−、−NRT−C(RT2−及び−N=CRT−から選択される連結基によって連結されて環を形成してもよい。
Tはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Tを有していてもよい。
置換基Tはそれぞれ独立に、フッ素原子、−R’、−OR’、−N(R’)2、−SR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)N(R’)2、−CN、−NO2、−SO2、−SOR’、−SO2R’、又は−SO3R’を表し、R’はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
(X−Y)は、配位子を表す。mは1〜3の整数、nは0〜2の整数を表す。m+nは3である。)
アルキル基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基Tを挙げることができる。RT3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるアルキル基として、好ましくは総炭素原子数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは総炭素原子数1〜6のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、i−プロピル基、シクロヘキシル基、t−ブチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基Tを挙げることができる。RT3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるシクロアルキル基として、好ましくは環員数4〜7のシクロアルキル基であり、より好ましくは総炭素原子数5〜6のシクロアルキル基であり、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
T3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるアルケニル基としては好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、1−プロペニル、1−イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。
T3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるアルキニル基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばエチニル、プロパルギル、1−プロピニル、3−ペンチニルなどが挙げられる。
T3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるヘテロアルキル基は前記アルキル基の少なくとも1つの炭素がO、NRT、又はSに置き換わった基を挙げることができる。
T3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
T3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるアリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基であり、より好ましくは炭素数6〜20のアリール基である。該アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、ターフェニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、トリル基などが挙げられ、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、又はターフェニル基が好ましく、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基がより好ましい。
T3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるヘテロアリール基としては、好ましくは、炭素数5〜8のヘテロアリール基であり、より好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換のヘテロアリール基であり、例えば、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、ピロリル基、インドリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、ベンズオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、チアジアゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンズイソオキサゾリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、イミダゾリジニル基、チアゾリニル基、スルホラニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基、ピリドインドリル基などが挙げられる。好ましい例としては、ピリジル基、ピリミジニル基、イミダゾリル基、チエニル基であり、より好ましくは、ピリジル基、ピリミジニル基である。
T3’、RT3、RT4、RT5及びRT6として好ましくは、水素原子、アルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ペルフルオロアルキル基、ジアルキルアミノ基、フッ素原子、アリール基、ヘテロアリール基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、フッ素原子、アリール基であり、更に好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基である。置換基Tとしては、アルキル基、アルコキシ基、フッ素原子、シアノ基、ジアルキルアミノ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
T3、RT4、RT5及びRT6は隣り合う任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、該縮合4〜7員環は更に置換基Tを有していてもよい。また、該縮合4〜7員環は更に4〜7員環により縮合していてもよい。形成されるシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールの定義及び好ましい範囲はRT3’、RT3、RT4、RT5、RT6で定義したシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基と同じである。
環Qが表す芳香族複素環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、等が挙げられる。好ましくはピリジン環、ピラジン環、ピラゾール環であり、より好ましくはピリジン環又はピラゾール環である。
環Qが表す縮合芳香族複素環としては、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環等が挙げられる。好ましくはキノリン環、イソキノリン環であり、より好ましくはキノリン環である。
mは1〜3であることが好ましく、2又は3であることがより好ましい。すなわち、nは0又は1であることが好ましい。錯体中の配位子の種類は1又は2種類から構成されることが好ましく、更に好ましくは1種類である。錯体分子内に反応性基を導入する際には合成容易性という観点から配位子が2種類からなることも好ましい。
一般式(T−1)で表される金属錯体は、一般式(T−1)における下記一般式(T−1−A)で表される配位子若しくはその互変異性体と、(X−Y)で表される配位子若しくはその互変異性体との組み合わせを含んで構成されるか、該金属錯体の配位子の全てが下記一般式(T−1−A)で表される配位子又はその互変異性体のみで構成されていてもよい。
Figure 0004751955
(一般式(T−1−A)中、RT3’、RT3、RT4、RT5、RT6、E及びQは、一般式(T−1)における、RT3’、RT3、RT4、RT5、RT6、E及びQと同義である。*はイリジウムへの配位位置を表す。)
更に従来公知の金属錯体形成に用いられる、所謂配位子として当該業者が周知の配位子(配位化合物ともいう)を必要に応じて(X−Y)で表される配位子として有していてもよい。
従来公知の金属錯体に用いられる配位子としては、種々の公知の配位子があるが、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」Springer−Verlag社 H.Yersin著 1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社 山本明夫著 1982年発行等に記載の配位子(例えば、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロアリール配位子(例えば、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)が挙げられる。(X−Y)で表される配位子として好ましくは、ジケトン類あるいはピコリン酸誘導体であり、錯体の安定性と高い発光効率が得られる観点から以下に示されるアセチルアセトネート(acac)であることが最も好ましい。
Figure 0004751955
*はイリジウムへの配位位置を表す。
以下に、(X−Y)で表される配位子の例を具体的に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0004751955
上記(X−Y)で表される配位子の例において、*は一般式(T−1)におけるイリジウムへの配位位置を表す。Rx、Ry及びRzはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。該置換基としては前記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。好ましくは、Rx、Rzはそれぞれ独立にアルキル基、ペルフルオロアルキル基、フッ素原子、アリール基のいずれかであり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基、フッ素原子、置換されていても良いフェニル基であり、最も好ましくはメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、フッ素原子、フェニル基である。Ryは好ましくは水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、フッ素原子、アリール基のいずれかであり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、置換されていても良いフェニル基であり、最も好ましくは水素原子、メチル基のいずれかである。これら配位子は素子中で電荷を輸送したり励起によって電子が集中する部位ではないと考えられるため、Rx、Ry、Rzは化学的に安定な置換基であれば良く、本発明の効果にも影響を及ぼさない。 錯体合成が容易であるため好ましくは(I−1)、(I−4)、(I−5)であり、最も好ましくは(I−1)である。これらの配位子を有する錯体は、対応する配位子前駆体を用いることで公知の合成例と同様に合成できる。例えば国際公開2009−073245号46ページに記載の方法と同様に、市販のジフルオロアセチルアセトンを用いて以下に示す方法で合成する事ができる。
Figure 0004751955
また、配位子として一般式(I‐15)に示すモノアニオン性配位子を用いる事もできる。
Figure 0004751955
一般式(I−15)におけるRT7〜RT10は、一般式(T−1)におけるRT3〜RT6と同義であり、好ましい範囲も同様である。RT7’〜R T10’は、RT3’と同義であり、好ましい範囲もRT3’と同様である。*はイリジウムへの配位位置を表す。
前記一般式(T−1)で表される化合物は、好ましくは下記一般式(T−2)で表される化合物である。
Figure 0004751955
(一般式(T−2)中、RT3’〜RT6’及びRT3〜RT6はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、ペルフルオロアルキル基、トリフルオロビニル基、−CO2T、−C(O)RT、−N(RT2、−NO2、−ORT、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Tを有していてもよい。
T3、RT4、RT5及びRT6は隣り合う任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は更に置換基Tを有していてもよい。
T3’とRT6は、−C(RT2−C(RT2−、−CRT=CRT−、−C(RT2−、−O−、−NRT−、−O−C(RT2−、−NRT−C(RT2−及び−N=CRT−から選択される連結基によって連結されて環を形成してもよい。
Tはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Tを有していてもよい。
置換基Tはそれぞれ独立に、フッ素原子、−R’、−OR’、−N(R’)2、−SR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)N(R’)2、−CN、−NO2、−SO2、−SOR’、−SO2R’、又は−SO3R’を表し、R’はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
(X−Y)は、配位子を表す。mは1〜3の整数、nは0〜2の整数を表す。m+nは3である。)
一般式(T−2)におけるRT3’、RT3〜RT6、(X−Y)、m及びnの好ましい範囲は、一般式(T−1)におけるRT3’、RT3〜RT6、(X−Y)、m及びnの好ましい範囲と同様である。
T4’は水素原子、アルキル基、アリール基、フッ素原子が好ましく、水素原子がより好ましい。
T5’及びRT6’は水素原子を表すか、又は互いに結合して縮合4〜7員環式基を形成することが好ましく、該縮合4〜7員環式基は、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであることがより好ましく、アリールであることが更に好ましい。
T4’〜R T6’における置換基Tとしてはアルキル基、アルコキシ基、フッ素原子、シアノ基、アルキルアミノ基、ジアリールアミノ基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
前記一般式(T−2)で表される化合物の好ましい形態の一つは、一般式(T−2)においてRT3’、RT4’、RT5’、RT6’、RT3、RT4、RT5及びRT6のうち、隣り合う任意の2つが互いに結合して縮合環を形成しない場合である。
前記一般式(T−2)で表される化合物の好ましい形態の一つは、下記一般式(T−3)で表される場合である。
Figure 0004751955
一般式(T−3)におけるRT3’〜RT6’、RT3〜RT6は、一般式(T−2)におけるRT3’〜RT6’、RT3〜RT6と同義であり、好ましい範囲も同様である。
T7〜RT10は、RT3〜RT6と同義であり、好ましい範囲も同様である。RT7’〜R T10’は、RT3’〜RT6’と同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記一般式(T−2)で表される化合物の好ましい別の形態は、下記一般式(T−4)で表される化合物である。
Figure 0004751955
一般式(T−4)におけるRT3’〜RT6’、RT3〜RT6、(X−Y)、m及びnは、一般式(T−2)におけるRT3’〜RT6’、RT3〜RT6、(X−Y)、m及びnと同義であり、好ましい範囲も同様である。RT3’〜RT6’及びRT3〜RT6のうち、0〜2つがアルキル基又はフェニル基で残りが全て水素原子である場合が特に好ましく、RT3’〜RT6’及びRT3〜RT6のうち、1つ又は2つがアルキル基で残りが全て水素原子である場合が更に好ましい。
前記一般式(T−2)で表される化合物の好ましい別の形態は、下記一般式(T−5)で表される化合物である。
Figure 0004751955
一般式(T−5)におけるRT3’〜RT7’、RT3〜RT6、(X−Y)、m及びnは、一般式(T−2)におけるRT3’〜RT6’、RT3〜RT6、(X−Y)、m及びnと同義であり、好ましいものも同様である。
一般式(T−1)で表される化合物の好ましい別の形態は、下記一般式(T−6)で表される場合である。
Figure 0004751955
一般式(T−6)中、R1a〜R1iの定義や好ましい範囲は一般式(T−1)におけるRT3〜RT6におけるものと同様である。またR1a〜R1iのうち、0〜2つがアルキル基又はアリール基で残りが全て水素原子である場合が特に好ましい。(X−Y)、m、及びnの定義や好ましい範囲は一般式(T−1)における(X−Y)、m、及びnと同様である。
一般式(T−1)で表される化合物の好ましい別の形態は、下記一般式(TC−1)で表される場合である。
Figure 0004751955
(一般式(TC−1)中、RT3’〜RT5’及びRT3〜RT6はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、ペルフルオロアルキル基、トリフルオロビニル基、−CO2T、−C(O)RT、−N(RT2、−NO2、−ORT、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Tを有していてもよい。
T3、RT4、RT5及びRT6は隣り合う任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は更に置換基Tを有していてもよい。
T3’、RT4’、及びRT5’は隣り合う任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は更に置換基Tを有していてもよい。
T3’とRT6は、−C(RT2−C(RT2−、−CRT=CRT−、−C(RT2−、−O−、−NRT−、−O−C(RT2−、−NRT−C(RT2−及び−N=CRT−から選択される連結基によって連結されて環を形成してもよい。
Tはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Tを有していてもよい。
置換基Tはそれぞれ独立に、フッ素原子、−R’、−OR’、−N(R’)2、−SR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)N(R’)2、−CN、−NO2、−SO2、−SOR’、−SO2R’、又は−SO3R’を表し、R’はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
(X−Y)は、配位子を表す。mは1〜3の整数、nは0〜2の整数を表す。m+nは3である。)
一般式(TC−1)におけるRT3’、RT3〜RT6、(X−Y)、m及びnの好ましい範囲は、一般式(T−1)におけるRT3’、RT3〜RT6、(X−Y)、m及びnの好ましい範囲と同様である。
T4’は水素原子、アルキル基、アリール基が好ましく、水素原子又はアリール基がより好ましい。該アリール基として、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基であり、より好ましくは炭素数6〜20のアリール基である。該アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、ターフェニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、トリル基などが挙げられ、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、ビフェニル基、トリフェニレニル基、アントリル基、又はターフェニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基がより好ましい。
T5’は水素原子、アルキル基、又はアリール基が好ましく、水素原子又はアルキル基がより好ましい。該アルキル基として、好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ネオペンチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基であり、より好ましくはメチル基である。
前記一般式(TC−1)の好ましい形態の一つは、RT4、RT5及びRT6のうち、隣り合う任意の2つが互いに結合して縮合環を形成する場合である。該環としてはシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであることがより好ましい。特に、RT4、RT5が互いに結合してヘテロアリールを形成することが好ましい。
一般式(TC−1)において、mは3であることが好ましく、nは0であることが好ましい。
一般式(TC−1)は、好ましくは下記一般式(TC−2)である。
Figure 0004751955
(一般式(TC−2)中、RT3’〜RT5’、RT3、RT6、及びRTC1〜RTC4はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、ペルフルオロアルキル基、トリフルオロビニル基、−CO2T、−C(O)RT、−N(RT2、−NO2、−ORT、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Tを有していてもよい。
T3’、RT4’、及びRT5’は隣り合う任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は更に置換基Tを有していてもよい。
T3’とRT6は、−C(RT2−C(RT2−、−CRT=CRT−、−C(RT2−、−O−、−NRT−、−O−C(RT2−、−NRT−C(RT2−及び−N=CRT−から選択される連結基によって連結されて環を形成してもよい。
Tはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Tを有していてもよい。
置換基Tはそれぞれ独立に、フッ素原子、−R’、−OR’、−N(R’)2、−SR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)N(R’)2、−CN、−NO2、−SO2、−SOR’、−SO2R’、又は−SO3R’を表し、R’はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
Wは、水素原子若しくは置換基Tが結合した炭素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表す。
(X−Y)は、配位子を表す。mは1〜3の整数、nは0〜2の整数を表す。m+nは3である。)
一般式(TC−2)におけるRT3’〜RT5’、RT3及びRT6、(X−Y)、m及びnの好ましい範囲は、一般式(TC−1)におけるRT3’〜 RT5’、RT3及びRT6、(X−Y)、m及びnの好ましい範囲と同様である。
TC1〜RTC4の好ましい範囲はRT3の好ましい範囲と同様であり、水素原子、アルキル基、アリール基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
Wは置換基Tを有する炭素原子であることが好ましく、該置換基Tとしてはアルキル基が好ましく、該アルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基であり、より好ましくはメチル基である。
一般式(T−1)で表される化合物の好ましい具体例を以下に列挙するが、以下に限定されるものではない。
Figure 0004751955
Figure 0004751955
Figure 0004751955
Figure 0004751955
Figure 0004751955
上記一般式(T−1)で表される化合物として例示した化合物は、特開2009−99783号公報に記載の方法や、米国特許7279232号等に記載の種々の方法で合成できる。合成後、カラムクロマトグラフィー、再結晶等による精製を行った後、昇華精製により精製することが好ましい。昇華精製により、有機不純物を分離できるだけでなく、無機塩や残留溶媒等を効果的に取り除くことができる。
一般式(T−1)で表される化合物は、発光層に含有されるが、その用途が限定されることはなく、更に有機層内のいずれの層に更に含有されてもよい。
イリジウム錯体として、一般式(T−1)で表される化合物以外に、下記一般式(T−7)で表される化合物や、カルベンを配位子として有するものも好ましく用いることができる。
Figure 0004751955
一般式(T−7)中、RT11〜RT17は、一般式(T−2)におけるRT3〜RT6と同義であり、好ましい範囲も同様である。また、(X−Y)、n、及びmは一般式(T−2)における(X−Y)、n、及びmと同義であり、好ましい範囲も同様である。
これらの好ましい具体例を以下に列挙するが、以下に限定されるものではない。
Figure 0004751955
発光層中の発光材料は、発光層中に一般的に発光層を形成する全化合物質量に対して、0.1質量%〜50質量%含有されるが、耐久性、外部量子効率の観点から1質量%〜50質量%含有されることが好ましく、2質量%〜40質量%含有されることがより好ましい。
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、2nm〜500nmであるのが好ましく、中でも、外部量子効率の観点で、3nm〜200nmであるのがより好ましく、5nm〜100nmであるのが更に好ましい。
本発明の素子における発光層は、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でも良い。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であっても良く、ドーパントは一種であっても二種以上であっても良い。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は一種であっても二種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料と正孔輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。更に、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいても良い。
また、発光層は一層であっても二層以上の多層であってもよい。また、それぞれの発光層が異なる発光色で発光してもよい。
<ホスト材料>
本発明に用いられるホスト材料は、前記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。一般式(1)で表される化合物は、正孔(ホール)と電子の両電荷を輸送可能な化合物であり、一般式(E−1)で表される炭化水素化合物と組み合わせることで、前述の本発明の効果が得られる。
本発明に用いられるホスト材料として、一般式(1)で表される化合物の他、以下の化合物を含有していても良い。
ホスト材料は電子輸送材料及び正孔輸送性材料を挙げることができ、電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料と正孔輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。
例えば、ピロール、インドール、カルバゾール(例えばCBP(4,4’−ジ(9−カルバゾリル)ビフェニル)、3,3’−ジ(9−カルバゾリル)ビフェニル))、アザインドール、アザカルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾ−ル、オキサゾ−ル、オキサジアゾ−ル、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、フッ素置換芳香族化合物、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノ−ル誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾ−ルやベンゾチアゾ−ルを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体及びそれらの誘導体(置換基や縮環を有していてもよい)等を挙げることができる。
本発明における発光層において、前記ホスト材料三重項最低励起エネルギー(T1エネルギー)が、前記燐光発光材料のT1エネルギーより高いことが色純度、発光効率、駆動耐久性の点で好ましい。
また、本発明におけるホスト化合物の含有量は、特に限定されるものではないが、発光効率、駆動電圧の観点から、発光層を形成する全化合物質量に対して15質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
(電荷輸送層)
電荷輸送層とは、有機電界発光素子に電圧を印加した際に電荷移動が起こる層をいう。具体的には正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層又は電子注入層が挙げられる。好ましくは、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層又は発光層である。塗布法により形成される電荷輸送層が正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層又は発光層であれば、低コストかつ高効率な有機電界発光素子の製造が可能となる。また、電荷輸送層として、より好ましくは、正孔注入層、正孔輸送層又は電子ブロック層である。
(正孔注入層、正孔輸送層)
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。
正孔注入層には電子受容性ドーパントを含有することが好ましい。正孔注入層に電子受容性ドーパントを含有することにより、正孔注入性が向上し、駆動電圧が低下する、効率が向上するなどの効果がある。電子受容性ドーパントとは、ドープされる材料から電子を引き抜き、ラジカルカチオンを発生させることが可能な材料であれば有機材料、無機材料のうちいかなるものでもよいが、例えば、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)、酸化モリブデンなどが挙げられる。
正孔注入層中の電子受容性ドーパントは、正孔注入層を形成する全化合物質量に対して、0.1質量%〜50質量%含有されることが好ましく、0.1質量%〜40質量%含有されることがより好ましく、0.5質量%〜30質量%含有されることがより好ましい。
(電子注入層、電子輸送層)
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。これらの層に用いる電子注入材料、電子輸送材料は低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
電子注入層、電子輸送層については、例えば、特開2008−270736、特開2007−266458に詳述されており、これらの公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
電子注入層には電子供与性ドーパントを含有することが好ましい。電子注入層に電子供与性ドーパントを含有させることにより、電子注入性が向上し、駆動電圧が低下する、効率が向上するなどの効果がある。電子供与性ドーパントとは、ドープされる材料に電子を与え、ラジカルアニオンを発生させることが可能な材料であれば有機材料、無機材料のうちいかなるものでもよいが、例えば、テトラチアフルバレン(TTF)、テトラチアナフタセン(TTT)、リチウム、セシウムなどが挙げられる。
電子注入層中の電子供与性ドーパントは、電子注入層を形成する全化合物質量に対して、0.1質量%〜50質量%含有されることが好ましく、0.1質量%〜40質量%含有されることがより好ましく、0.5質量%〜30質量%含有されることがより好ましい。
正孔注入層に電子受容性ドーパントを、電子注入層に電子供与性ドーパントを含有させることで、一般に電極からの電荷注入を促進し、駆動電圧を低下させることが可能となるが、それらにより素子内での電荷バランスがくずれると、発光位置が変化し、発光効率の低下や駆動耐久性の低下、高輝度駆動時の各種変化が促進される場合がある。本発明の素子は陰極側の発光層隣接層/発光層界面での電荷注入障壁や発光層や陰極側の発光層隣接層における電荷トラップが小さいため素子中での電荷の蓄積が起こりにくい、陰極側の発光層隣接層の電子移動度と発光層の正孔移動度及び電子移動度のバランスが良い、等の理由により、電荷注入量の変化に対して電荷のバランスがくずれにくい素子であるため、正孔注入層に電子受容性ドーパントを、電子注入層に電子供与性ドーパントを含有させることで、効率、耐久性、高輝度駆動時の各種変化等を悪化させることなく駆動電圧を低下させることができる。
(正孔ブロック層)
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、本発明における一般式(1)で表される化合物のほか、アルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナト)4−フェニルフェノレート(Aluminum (III)bis(2−methyl−8−quinolinato)4−phenylphenolate(BAlqと略記する))等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(2,9−Dimethyl−4,7−diphenyl−1,10−phenanthroline(BCPと略記する))等のフェナントロリン誘導体、トリフェニレン誘導体、カルバゾール誘導体等が挙げられる。
前記トリフェニレン誘導体は例えば国際公開第05/013388号、国際公開第06/130598号、国際公開第09/021107号に記載されている。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
(電子ブロック層)
電子ブロック層は、陰極側から発光層に輸送された電子が、陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陽極側で隣接する有機層として、電子ブロック層を設けることができる。
電子ブロック層を構成する有機化合物の例としては、例えば前述の正孔輸送材料として挙げたものが適用できる。
電子ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
電子ブロック層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
(保護層)
本発明において、有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
保護層については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0169〕〜〔0170〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
(封止容器)
本発明の素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
封止容器については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0171〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、ペルフルオロアルカンやペルフルオロアミン、ペルフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
(駆動)
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、直流電流、又は逆バイアス電圧を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の直流電圧又は直流電流の印加による駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書等に記載の駆動方法を適用することができる。
本発明の有機電界発光素子は、0V以下の逆バイアスの電圧を印加して駆動することが、素子の耐久性の顕著な向上のため好ましい。逆バイアスの電圧の印加方式としては、例えば発光する電圧をパルス状に印加し、それ以外の時間に逆バイアスを印加する方式が挙げられる。
ここで、パルス状とは、矩形波(立ち上がり・立ち下りが多少なまることがある)を指す。逆バイアスの電圧は0V以下で、マイナス側の印加電圧は一般的に−10V〜0V、好ましくは−5V〜0Vであるのが好ましい。マイナス側の印加電圧の絶対値が大きすぎると、素子が破壊される恐れがある。
また、Duty比(素子に発光する電圧を加えている時間の割合)は逆バイアスの電圧を加えるので100%未満となり、1%以上であるのが好ましい。Duty比が少なすぎると、必要な輝度を得るのに高い輝度が必要となり、素子の破壊の可能性がある。
周波数は一般的なディスプレイで使われている周波数と同程度で駆動するのが好ましく、50〜300Hzで駆動することが好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、薄膜トランジスタと接続して、例えば、一つ一つの画素を薄膜トランジスタで選択し、画素ごとのコンデンサに輝度情報を電荷量として書き込んで素子を発光させる、アクティブマトリクス駆動が可能な有機電界発光素子であることも好ましい。
なお、薄膜トランジスタは、例えば、シリコン又は酸化物半導体を原料とし、絶縁膜・電極をつけて電界効果トランジスタとしたものである。
本発明の有機電界発光素子の外部量子効率としては、5%以上が好ましく、7%以上がより好ましい。外部量子効率の数値は20℃で素子を駆動したときの外部量子効率の最大値、若しくは、20℃で素子を駆動したときの100〜300cd/m2付近での外部量子効率の値を用いることができる。
本発明の有機電界発光素子の内部量子効率は、30%以上であることが好ましく、50%以上が更に好ましく、70%以上が更に好ましい。素子の内部量子効率は、外部量子効率を光取り出し効率で除して算出される。通常の有機EL素子では光取り出し効率は約20%であるが、基板の形状、電極の形状、有機層の膜厚、無機層の膜厚、有機層の屈折率、無機層の屈折率等を工夫することにより、光取り出し効率を20%以上にすることが可能である。
本発明の有機電界発光素子は、350nm以上700nm以下に極大発光波長(発光スペクトルの最大強度波長)を有するものが好ましく、より好ましくは350nm以上600nm以下、更に好ましくは400nm以上520nm以下、特に好ましくは400nm以上465nm以下である。
(本発明の発光素子の用途)
本発明の発光素子は、発光装置、ピクセル、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、又は光通信等に好適に利用できる。特に、照明装置、表示装置等の発光輝度が高い領域で駆動されるデバイスに好ましく用いられる。
(発光装置)
次に、図2を参照して本発明の発光装置について説明する。
本発明の発光装置は、前記有機電界発光素子を用いてなる。
図2は、本発明の発光装置の一例を概略的に示した断面図である。
図2の発光装置20は、基板(支持基板)2、有機電界発光素子10、封止容器16等により構成されている。
有機電界発光素子10は、基板2上に、陽極(第一電極)3、有機層11、陰極(第二電極)9が順次積層されて構成されている。また、陰極9上には、保護層12が積層されており、更に、保護層12上には接着層14を介して封止容器16が設けられている。なお、各電極3、9の一部、隔壁、絶縁層等は省略されている。
ここで、接着層14としては、エポキシ樹脂等の光硬化型接着剤や熱硬化型接着剤を用いることができ、例えば熱硬化性の接着シートを用いることもできる。
本発明の発光装置の用途は特に制限されるものではなく、例えば、照明装置のほか、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電子ペーパ等の表示装置とすることができる。
(照明装置)
次に、図3を参照して本発明の実施形態に係る照明装置について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る照明装置の一例を概略的に示した断面図である。
本発明の実施形態に係る照明装置40は、図3に示すように、前述した有機EL素子10と、光散乱部材30とを備えている。より具体的には、照明装置40は、有機EL素子10の基板2と光散乱部材30とが接触するように構成されている。
光散乱部材30は、光を散乱できるものであれば特に制限されないが、図3においては、透明基板31に微粒子32が分散した部材とされている。透明基板31としては、例えば、ガラス基板を好適に挙げることができる。微粒子32としては、透明樹脂微粒子を好適に挙げることができる。ガラス基板及び透明樹脂微粒子としては、いずれも、公知のものを使用できる。このような照明装置40は、有機電界発光素子10からの発光が光散乱部材30の光入射面30Aに入射されると、入射光を光散乱部材30により散乱させ、散乱光を光出射面30Bから照明光として出射するものである。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例10〜18、22〜28、30、32、34、36、38、40、42、44及び46は、それぞれ参考例10〜18、22〜28、30、32、34、36、38、40、42、44及び46と読み替えるものとする。
上記一般式(1)で表される化合物として例示した化合物は、国際公開第03/080760号パンフレットに記載の方法や、国際公開第03/078541号パンフレットに記載の方法、国際公開第05/085387号パンフレットに記載の方法等、種々の方法を参考に合成した。
一般式(E−1)で表される炭化水素化合物は、国際公開第09/021107号に記載の方法を参考に合成した。
なお、本実施例に用いた有機材料は全て昇華精製したものを用い、高速液体クロマトグラフィー(東ソーTSKgel ODS−100Z)により分析し、254nmの吸収強度面積比で99.9%以上のものを用いた。
〔実施例1〕
<有機電界発光素子の作製>
ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を100nm堆積し、パターニングしたもの(ジオマテック社製)を陽極として用いた。前記ITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行って、真空蒸着装置内に設置し、蒸着装置内の真空度が2.7×10-4Pa以下になるまで排気した。
続いて、上記真空蒸着装置内にて、CuPcを加熱し、膜厚10nmの正孔注入層を形成した。
有機材料の層の形成は、るつぼに有機材料を入れ、そのるつぼをフィラメント上に載せておき、真空にした後でフィラメントを加熱する方法で形成した。
次いで、上記により形成された正孔注入層の上に、下記に示す、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)をあらかじめるつぼに入れておき、ヒーターで加熱して、膜厚30nmの正孔輸送層を形成した。
引続き、上記により形成された正孔輸送層の上に、発光層に含有されるホスト材料として、下記構造式で表されるホスト材料H1と、発光材料として、下記構造式で表される緑色燐光材料Ir(ppy)3とを同時に加熱し、発光層の成膜を行った。Ir(ppy)3が発光層全体に対して5質量%含有されるよう蒸着速度を調整し、膜厚30nmの発光層を正孔輸送層の上に積層した。
更に、下記に示す化合物ETM1を蒸着し、膜厚10nmの第1電子輸送層を発光層の上に積層した。
最後に、下記に示す化合物(Alq)を蒸着し、膜厚40nmの第2電子輸送層を第1電子輸送層の上に積層した。
その後、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚で第2電子輸送層の上に蒸着により成膜して電子注入層を形成し、更に、アルミニウムを100nmの膜厚で蒸着により成膜して陰極を形成した。
酸化カルシウムを主成分とする乾燥剤を用意し、これを凹部に貼り付けたガラス基板を用意した。このガラス基板の縁に紫外線硬化樹脂を載せ、先ほど作成した、素子が形成された基板と貼り合わせ、紫外線をあてて封止した。なお、陽極のITOと陰極のアルミニウムには引き出し線をつけて、電圧をかけられるようにした。
また、蒸着時は、所望の膜厚が得られるよう、水晶発振式成膜コントローラ(ULVAC社製CRTM6000)を用いてモニターした。
Figure 0004751955
Figure 0004751955
〔実施例2〜18及び比較例1〜7〕
実施例1で作成した素子において、発光層のホスト材料、及び第1電子輸送層の材料を、下記表1中に示す材料に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜18及び比較例1〜7の有機電界発光素子を得た。
<有機電界発光素子の性能評価>
上記のように得られた各素子の性能は以下のように評価した。
(評価方法1)
電圧をDuty比50%とし、マイナス側には−5V、プラス側には10,000cd/m2で発光する電圧をかけ、120Hzでパルス駆動をした。輝度が80%になるまでの時間(LT80)(Hour)を測定した。素子の駆動には、例えばエヌエフ回路設計ブロック社のマルチファンクションシンセサイザを用いることが出来る。
Figure 0004751955
表1から明らかのように、実施例の素子は比較例の素子と比べて、輝度劣化が遅く、駆動電圧が低いという結果が得られた。
前掲の材料以外の表1に示される材料の構造を以下に示す。
Figure 0004751955
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Figure 0004751955
〔実施例19〜28〕
実施例1で作成した素子において、発光層のホスト材料H1を、下記表2中に示す材料に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例19〜28の有機電界発光素子を得た。以上のように得られた各素子の性能を、上記評価方法1に従い評価した。
Figure 0004751955
このように、本発明の構成によれば、駆動電圧が低く、輝度劣化が遅い素子が得られる。
前掲の材料以外の表2に示される材料の構造を以下に示す。
Figure 0004751955
Figure 0004751955
〔実施例29及び30、並びに比較例8及び9〕
実施例1及び10、並びに比較例1及び5で作成した素子において、発光層の発光材料を、Ir(ppy)3から下記に示す構造のFirpicに変更した以外は、実施例1及び10、並びに比較例1及び5とそれぞれ同様にして、実施例29及び30、並びに比較例8及び9の有機電界発光素子を得た。
<有機電界発光素子の性能評価>
上記のように得られた各素子の性能は以下のように評価した。結果を表3に示す。
(評価方法2)
電圧をDuty比50%とし、マイナス側には−5V、プラス側には1,000cd/m2で発光する電圧をかけ、100Hzで駆動した。輝度が80%になるまでの時間(LT80)(Hour)を測定した。
Figure 0004751955
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このように、本発明の構成によれば、発光材料を変更した場合においても、駆動電圧が低く、輝度劣化が遅い素子が得られる。
〔実施例31及び32、並びに比較例10及び11〕
実施例1及び10、並びに比較例1及び5で作成した素子において、発光層の発光材料を、Ir(ppy)3から下記に示す構造のREM1に変更した以外は、実施例1及び10、並びに比較例1及び5とそれぞれ同様にして、実施例31及び32、並びに比較例10及び11の有機電界発光素子を得た。
<有機電界発光素子の性能評価>
上記のように得られた各素子の性能は以下のように評価した。結果を表4に示す。
(評価方法3)
電圧をDuty比50%とし、マイナス側には−5V、プラス側には2,000cd/m2で発光する電圧をかけ、100Hzで駆動した。輝度が80%になるまでの時間(LT80)(Hour)を測定した。
Figure 0004751955
Figure 0004751955
このように、本発明の構成によれば、発光材料を変更した場合においても、駆動電圧が低く、輝度劣化が遅い素子が得られる。
〔実施例33〜36及び比較例12〜15〕
<周波数を変化させたときの評価>
実施例33及び34、並びに比較例12及び13として、実施例1及び10、並びに比較例1及び5で作成した素子を、前述の評価方法1の方法で、駆動周波数を120Hzから240Hzに変えて駆動させた。輝度が80%になるまでの時間(LT80)(Hour)を測定した。
また実施例35及び36、並びに比較例14及び15として、実施例1及び10、並びに比較例1及び5で作成した素子を、前述の評価方法1の方法で、駆動周波数を120Hzから60Hzに変えて駆動させた。輝度が80%になるまでの時間(LT80)(Hour)を測定した。
以上の結果を表5に示す。
Figure 0004751955
このように、本発明の構成によれば、周波数が変化した場合においても、駆動電圧が低く、輝度劣化が遅い素子が得られる。
〔実施例37〜42及び比較例16〜21〕
<Duty比を変化させたときの評価>
実施例37及び38、並びに比較例16及び17として、実施例1及び10、並びに比較例1及び5で作成した素子を、評価方法1の方法で、プラス側には5,000cd/m2で発光する電圧をかけ、定常駆動(Duty比を100%)に変えて駆動させた。輝度が80%になるまでの時間(LT80)(Hour)を測定した。
また実施例39及び40、並びに比較例18及び19として、実施例1及び10、並びに比較例1及び5で作成した素子を、評価方法1の方法で、プラス側には5,260cd/m2で発光する電圧をかけ、Duty比を95%に変えて駆動させた。輝度が80%になるまでの時間(LT80)(Hour)を測定した。
更に、実施例41及び42、並びに比較例20及び21として、実施例1及び10、並びに比較例1及び5で作成した素子を、評価方法1の方法で、プラス側には50,000cd/m2で発光する電圧をかけ、Duty比を10%に変えて駆動させた。輝度が80%になるまでの時間(LT80)(Hour)を測定した。
なお、プラス側に電圧をかけたときの各素子の輝度は、平均輝度が5,000cd/m2になるよう設定した。
以上の結果を表6に示す。
Figure 0004751955
上記表6に記載の結果から、Duty比を100%、つまり順方向に電圧をかけたままにしても、本発明の効果は得られるが、逆バイアスをかけた方がより大きな効果が得られることがわかる。順方向に電圧をかけたままにしても本発明の効果が得られる理由は定かではないが、両電荷が入るホスト材料を利用し、かつ、電子輸送性が良い材料を隣接させることによりキャリアバランスが良くなったため、駆動電圧が低く、耐久性が向上したものと推測される。逆バイアスをかけた際に、耐久性がより顕著に向上する理由は定かではないが、以下のように推測される。
本発明の両電荷輸送性材料はカルバゾリル基を持つため正孔輸送性を持ち、更に含窒素複素環(ピリジン、イミダゾールなど)を持つため、電子輸送性も持つ。そのため、発光層におけるホスト材料として用いると、電子輸送層と発光層との間で電子が輸送されやすくなり、正孔輸送層のそばで電子が蓄積する傾向になると考えられる。同様に、正孔輸送層と発光層との間で正孔が輸送されやすくなり、電子輸送層のそばで正孔が蓄積する傾向になると考えられる。また、トリフェニレン誘導体のような電子輸送材料を用いると電子が多く移動してこの傾向が強くなる(すなわち、正孔輸送層のそばでの電子の蓄積量、及び電子輸送層のそばでの正孔の蓄積量が多くなる)と考えられる。
一方、本発明のような両電荷輸送性を持たない、その他のホスト材料を発光層に用いた場合では、本発明の両電荷輸送性材料と異なり、電子及び正孔の両輸送性が無いため、発光層の手前で電荷(電子、正孔)がそれぞれたまると考えられる。換言すると、電子輸送層のそばで電子が蓄積し、正孔輸送層のそばで正孔が蓄積する傾向にあると考えられる。
一般的に正孔輸送層は電子の蓄積により劣化しやすく、電子輸送層は正孔の蓄積により劣化しやすいと言われている。そのため、本発明の系は、両電荷輸送性を持たないようなホスト材料を使用した系に比べて劣化しやすいと考えられる。
ここで、本発明の系に逆バイアスをかけことにより、前述の理由で蓄積された電子及び正孔が、それぞれ電子輸送層及び正孔輸送層へと引き戻されるため、正孔輸送層のそばでの電子の蓄積と、電子輸送層のそばでの正孔の蓄積とが解消され、素子の劣化の速度が遅くなって寿命が長くなると考えられる。
〔実施例43〜46及び比較例22〜25〕
<逆バイアス電圧を変えたときの評価>
実施例43及び44、並びに比較例22及び23として、実施例1及び10、並びに比較例1及び5で作成した素子を、評価方法1の方法で、逆バイアスの電圧を0V(アース)に変えて駆動させた。輝度が80%になるまでの時間(LT80)(Hour)を測定した。
また実施例45及び46、並びに比較例24及び25として、実施例1及び10、並びに比較例1及び5で作成した素子を、評価方法1の方法で、逆バイアスの電圧を−10V(アース)に変えて駆動させた。輝度が80%になるまでの時間(LT80)(Hour)を測定した。
以上の結果を表7に示す。
Figure 0004751955
上記表7に記載の結果から、電圧をかけなくても(すなわち、接地でも)、逆バイアスで−10Vをかけても、駆動電圧はほぼ変わらず、駆動劣化を遅くする効果があることがわかった。
〔実施例47、48及び比較例26、27〕
<薄膜トランジスタ(TFT)を用いたときの評価>
実施例47として、ガラス基板上に、移動度200cm2/Vsの電子移動度を持つ低温ポリシリコン(LTPS)でTFT、金属配線を作成した後、平坦化膜を設けた。その後、前記平坦化膜にコンタクトホールをあけ、実施例1と同様の構成を持つ有機電界発光素子を作成し、前記薄膜トランジスタを接続させた。この素子を封止し、アクティブマトリクス駆動パネルを駆動するときの1画素と同様な素子を作成した。この素子に対し、Duty比50%、マイナス側電圧−5V、輝度計測定したときに5,000cd/m2(素子は10,000cd/m2)で発光するようにし、120Hzでパルス駆動をした。輝度が80%になるまでの時間(LT80)(Hour)を測定した。
また、実施例48として、7cm2/Vsの電子移動度を持つInGaZnOx(IGZO)でTFTを作成した以外は実施例47と同様にして測定を行った。
更に、比較例26、27として、実施例47に用いた実施例1と同様の構成を持つ有機電界発光素子を、比較例1、5と同様の構成を持つ有機電界発光素子に変更した以外は、実施例47と同様にして測定を行った。
Figure 0004751955
これらの結果から、薄膜トランジスタを用いたときでも同様の効果が得られることがわかった。
OLEDディスプレイの駆動方式として、アクティブマトリクス駆動を用いた場合、発光前に通電をきる(すなわち、アースにおとす)ことがあり、本発明の有機電界発光素子によれば、これを利用して寿命を延ばすことが出来、また従来の素子と比較してその効果が顕著であると考えられる。
2・・・基板
3・・・陽極
4・・・正孔注入層
5・・・正孔輸送層
6・・・発光層
7・・・正孔ブロック層
8・・・電子輸送層
9・・・陰極
10・・・有機電界発光素子
11・・・有機層
12・・・保護層
14・・・接着層
16・・・封止容器
20・・・発光装置
30・・・光散乱部材
31・・・透明基板
30A・・・光入射面
30B・・・光出射面
32・・・微粒子
40・・・照明装置

Claims (8)

  1. 基板上に、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に発光層を有し、該発光層と該陰極の間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、
    該発光層に下記一般式(3)で表される化合物を含有し、
    該発光層と該陰極の間の少なくとも一層の有機層に、下記一般式(E−1)、ETM1、ETM2、又はETM4で表される炭化水素化合物を含有する有機電界発光素子。
    Figure 0004751955


    一般式(3)中、X は水素原子が結合した炭素原子であり、X は窒素原子であり、X及びXを含む環はピリミジンである。L’は、単結合又はフェニレン基を表す。R〜Rはそれぞれ独立にフッ素原子、又はピリミジル基を表す。n1〜n5はそれぞれ独立に0又は1を表し、p’は1又は2を表し、qは1を表す。
    Figure 0004751955

    Figure 0004751955

    一般式(E−1)中、 11 、R 14 、R 15 、R 18 、R 19 及びR 22 は水素原子を表す。R 12 、R 13 、R 16 、R 17 、R 20 及びR 21 はそれぞれ独立に水素原子、又はアルキル基、フェニル基、若しくはトリフェニレニル基で置換されていてもよいフェニル基、若しくはナフチル基を表す。ただし、R11〜R22が全て水素原子になることはない。
  2. 記炭化水素化合物が下記一般式(E−2)で表される炭化水素化合物である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
    Figure 0004751955


    一般式(E−2)中、複数のArは同一であり、アルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又はナフチル基を表す。
  3. 記炭化水素化合物が下記一般式(E−3)、ETM1、ETM2、又はETM4で表される炭化水素化合物である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
    Figure 0004751955

    Figure 0004751955

    一般式(E−3)中、Lは以下のいずれかの構造で表される2価又は3価の連結基を表す。*はトリフェニレン環との結合位置を表す。nは2又は3を表す。
    Figure 0004751955
  4. 記炭化水素化合物が下記一般式(E−4)、ETM1、ETM2、又はETM4で表される炭化水素化合物である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
    Figure 0004751955

    Figure 0004751955

    一般式(E−4)中、複数存在する場合のArは同一であり、Ar、メタ位が炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はトリフェニレニル基で置換されたフェニル基を表す。
    p及びqはそれぞれ独立に0又は1を表すが、pとqが同時に0になることはない。p及びqが0を表す場合、Arは水素原子を表す。
  5. 薄膜トランジスタと接続して、アクティブマトリクス駆動が可能な、請求項1〜のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた発光装置。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた表示装置。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた照明装置。
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