JP4751182B2 - 放射線被ばく管理帽子 - Google Patents

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Description

本発明は、放射線診療が施される患者や放射線照射を行なう作業者の頭部の安全性を確認するために用いられ、被ばくした線量や位置、被ばく回避位置を管理する放射線被ばく管理帽子に関する。
X線のような放射線を用いた診療は、病変を的確に判断したり局所的に治療したりするものである。放射線診療には、脳内の腫瘍病巣に体外から放射線を照射する放射線療法や、放射線画像誘導下の経皮的手技により比較的多量の放射線を後頭部側から照射する低侵襲性のインターベンショナル・ラジオロジー(Interventional Radiology:IVR)療法などの施術方法が行なわれている。
放射線診療の際、患者が過度に被ばくしたり放射線障害を引き起こしたりしないように、患者の特定な部位での被ばく線量を正確に検出したり予測したり、同一部位での過度の重複被ばくを回避したりして、被ばくを厳密に管理することが重要である。
被ばく線量を検出するのに、半導体検出器やシンチレーション検出器等の放射線線量計を用いる方法が知られている。大掛りな放射線線量計ごと、患者の頭部に取り付けたり、施術直後に頭部を揺さぶらないよう絶対安静にしなければならない患者から取り外したりするのは、面倒である。
また、特許文献1に開示されているような色調の変化によって被ばく量を表示する感放射線組成物やそれを塗布したシートを用いる方法も知られている。それらを予め患者の頭部の被ばく予想位置に塗布したり貼付したりするのは、煩雑であり、髪の所為で剥れ易い。さらに、患者の体表の凹凸に合わせて正確な被ばく線量を広範囲にわたって検出したり、放射線診療が繰り返される際に注意して管理すべき患者の照射位置近傍の頭皮の特定位置への累積被ばく量を正確かつ厳密に検出したりするのは、困難である。
特表2005−502051号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、患者等の頭部への放射線診療を施術する際に、簡便に着脱でき、頭皮の特定部位での単回施術または繰返し施術の累積の放射線被ばく量や被ばく位置を明瞭な色調の変化や数値で表示して正確に検知でき、過度の重複被ばくを回避して、被ばく管理をするための帽子を提供する。
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に記載の放射線被ばく管理帽子は、放射線被ばく量検知材が、格子状または縞状に分画されつつ、放射線被ばく量を検知すべき頭皮部位に合わせて帽子生地へ付されており、前記頭皮部位に合わせるマークと、外耳の外耳口または乳状突起に一致する覗き込み穴とである着帽位置決めマークが、前記帽子生地に付されていることを特徴とする。
放射線被ばく量検知材は、放射線呈色性組成物含有層を有する放射線被ばく量検知インジケータ、放射線被ばく量検知素子が挙げられる。
の放射線被ばく管理帽子は、前記着帽位置決めマークが、前記頭部天頂に合わせる前記マークと、外耳の外耳口または乳状突起に一致する前記覗き込み穴とであるいうものである。
請求項に記載の放射線被ばく管理帽子は、前記分画された画分ごとに、識別符号が付されていることを特徴とする。
請求項に記載の放射線被ばく管理帽子は、眼を覆う庇を有していることを特徴とする。この庇は着脱可能であることが好ましい。
請求項に記載の放射線被ばく管理帽子は、放射線被ばく忌避位置指示マークが付されていることを特徴とする。
請求項5に記載の放射線被ばく管理帽子は、前記帽子生地が、前記着帽位置決めマークによる位置決めのずれない難伸縮性の天然繊維製または合成樹脂製の素材であることを特徴とする。
本発明の放射線被ばく管理帽子は、放射線診療等の際の患者や作業者が簡便に着帽したり脱帽したりすることができるものである。また、その頭部にフィットする。
この帽子は、患者の頭部、特に管理すべき患者の照射位置近傍の頭皮での放射線被ばく量を正確に検知することができる。また、繰り返し放射線診療を施す際に、その累積的な放射線被ばく量および被ばく位置を正確かつ簡便に検知することができる。さらに患者の頭部の立体的な特定部位での放射線被ばく量を集計してデータ管理することができる。このデータに基づき、放射線診療の際に懸念される同一部位への被ばく量を低減することができる。頭部の中でも最も被ばくを忌避すべき眼の被ばく量を検知することができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例に対応する図1を参照しながら、放射線被ばく管理帽子1を説明する。
放射線被ばく管理帽子1は、吸水性布地製の生地でできている。放射線被ばく管理帽子1は、患者の頭頂部を覆う天井部21、そこから垂れて患者の側頭部と後頭部とを取巻く錣部22、天井部21から垂れて患者の眼を覆う庇部23、および錣部22の下端から延びる紐24からなる。
錣部22のおもて面に、放射線被ばく量検知材として、放射線呈色性組成物含有インキ層を有する放射線被ばく量検知インジケータが付されている。放射線組成物含有インキ層は、ハロゲン基とアセタール基との少なくともいずれかの基および水酸基を有する高分子化合物と、呈色性の電子供与体有機化合物と、被ばく線量に応じて前記電子供与体有機化合物を呈色させる活性種生成有機化合物と、放射線吸収剤および/または放射線蛍光剤とを含む組成物が、印刷されたものである。インジケータの放射線組成物含有インキ層上に、格子状に分画する格子線と、分画された画分11ごとの固有な識別符号「A1、A2・・・」ないし「D1、D2・・・」とが印刷されている。頭部の位置合わせをするために、錣部22に着帽位置決めマーク12(a)である穴と、天井部21の天頂に着帽位置決めマーク12(b)である穴とを、有している。
天井部21、庇部23にも同様にインジケータが付され、格子線と画分ごとの固有な識別符号「T1、T2・・・」とが印刷されている。
庇部23の眼を覆う画分に、放射線被ばく忌避位置指示マーク13である金属片が貼り付けられている。
庇部23は着脱可能となっていることが好ましく、左右の眼を覆う庇部が別々に着脱可能となっていると一層好ましい。これにより、術中に患者が安心できるよう庇部23で眼を覆い、医師が麻酔状態を把握するため患者の眼を観察する際に庇部23を外すことができる。
放射線被ばく量検知インジケータは、患者の頭頂部、側頭部、後頭部、顔面部、首筋部、または肩口部の位置に対応させて、生地のおもて面の任意の場所に、付されていてもよい。
インジケータの代わりに放射線を検知したり放射線線量を計測したりする放射線検知素子を用いてもよい。
放射線被ばく管理帽子1は、以下のようにして使用される。
放射線被ばく量インジケータを外向きにして放射線被ばく管理帽子1を、患者の頭部に被せる。着帽位置決めマーク12(b)を患者の頭部天頂に合わせる。さらに着帽位置決めマーク12(a)の穴を覗き込みながら、その穴を患者の外耳口または乳状突起に一致するように、患者と放射線被ばく管理帽子1との相互の位置を調整した後、紐24を結びんで、帽子1を患者の頭部に固定する。患者を放射線診療施術台に、仰向けで横たえる。
施術台の下に設けられた放射線照射装置から、患者へ向けて放射線31を照射する。すると、放射線の被ばく量に応じて、インジケータの各分画11の色調が、変化する。
施術後、紐24をほどき、患者の頭を僅かに持ち上げつつ、放射線被ばく管理帽子1を引抜く。
インジケータの色調を目視により観察し、各画分11の色調と被ばく量に応じた標準色とを比較して、放射線被ばく量を検知する。インジケータの画分11を色差計で測定し、各画分の色差と放射線被ばく量に応じて予め被ばくさせた別なインジケータの色差とを比較して放射線被ばく量を検知してもよい。インジケータの画分11ごとに示される被ばく量と識別符号とをカルテに書き込んだ後、放射線被ばく管理帽子1を冷暗所で保管する。
この患者に再び放射線診療を施す際、この放射線被ばく管理帽子1を同様にかぶらせ、放射線を照射すると、累積的な被ばく量に応じて、インジケータの各分画11の色調が、変化する。
この放射線被ばく管理帽子1の呈色のメカニズムは以下のように推察される。まずインジケータ中の放射線吸収剤が、インジケータに照射された放射線を吸収・散乱し、光電効果、コンプトン効果、電子を放出した電子対生成の現象を起こす。放射線励起蛍光剤でも同様な現象とともに蛍光リン光発光現象を起こす。これら現象により活性種生成有機化合物から電子受容性を有する活性種が生成され、混在している呈色性の電子供与体有機化合物の電荷移動を誘発する。すると電子供与体化合物は、その電子密度が変化するため呈色し、これによりインジケータが変色する。
この呈色したインジケータは、退色せず、色相が変化しないため、被ばく線量を示す証拠として、長期間保存できる。そのメカニズムの詳細は不明だが、高分子化合物の水酸基が放射線照射によって水素イオン等の電子受容体を生じさせ、呈色した電子供与体化合物等を安定化させるため、退色しなくなるものと考えられる。特に高分子化合物中の水酸基は、ハロゲン基またはアセタール基が共存することで、水素イオン等の電子受容体をより一層生成させ易くする。
このインジケータは、0.05〜25,000Gyの広範囲の放射線被ばく量を表示でき、従来よりも低線量での変色が可能である。その詳細は不明であるが、高分子化合物が、呈色した電子供与体有機化合物等を安定化させ、また組成物中に比較的多量に含まれているため低被ばく線量でも明瞭な呈色を引き起こすためと考えられる。
放射線被ばく管理帽子1を構成する原材料の具体例は、以下の通りである。
生地は、術中の患者から発生する汗を吸収できる素材であり、患者の体表にフィットし、かつ施術する際の位置決めがずれないように伸縮し難い天然繊維製や合成樹脂製の素材、例えばガーゼのような織布、不織布が挙げられる。
紐24にかえて、マジックテープ(株式会社クラレの登録商標)のような面ファスナー、スライドファスナー、ホック、ボタンを用いてもよい。中でも患者の体型に応じて調整できる紐が好ましい。
放射線被ばく量検知材は、IVR施術中の画像の妨げとならないものが好ましい。
その一例であるインジケータは、放射線呈色性組成物をプラスチックフィルムや紙のような基材へ層状に印刷して、この基材を生地に貼付したものであってもよく、放射線呈色性組成物を生地に印刷したものであってもよい。画分11は、格子線が印刷されることにより分画されていてもよく、隣り合う画分11間が僅かに隙間を空けて格子状または縞状に並べられていてもよい。画分11は、一辺0.5〜40cmの正方形、長方形、菱形または三角形で格子状に分画されたものであることが好ましく、0.5〜40cmの間隔で横縞状または縦縞状に分画されたものであってもよい。画分11に付された識別符号は、文字、数字、記号、模様が印刷されたものであってもよい。格子線や識別符号を印刷するインキは、放射線照射を阻害しないものであれば特段限定されない。
インジケータの任意の位置の画分11、特に庇部23にある画分11に、放射線被ばく回避位置指示マーク13、例えば金属小片を取り付けてもよい。金属は放射線を吸収する。そのため、金属小片の取り付け位置では放射線被ばくが避けられる。また金属は、放射線による画像診断中、画像上に黒い陰として映る。そのため、放射線による画像誘導下に放射線を照射したり繰り返し放射線を照射したりする診療の際に、以前に照射した場所に金属小片を取り付けておき、この場所を回避して、放射線照射を行なえば、患者体表の同一部位での過度の放射線被ばくを避けることができる。
放射線呈色性組成物は、高分子化合物と、呈色性の電子供与体有機化合物と、活性種生成有機化合物と、放射線吸収剤および/または放射線蛍光剤とを含む組成物に代えて、ポリアセチレン化合物とジアリールエテン化合物とフルギド化合物との少なくともいずれかを含む組成物であってもよい。
Figure 0004751182
(上記式中、Xはハロゲン原子、−Rは水素原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アセトキシ基のような脂肪族カルボニルオキシ基、カルボキシル基、アリールオキシ基、アラルキル基、またはアラルコシ基を示し、l、m、nは任意の比率。)で示される高分子化合物、および、下記式(2)
Figure 0004751182
(上記式中、−Rおよび−Rは、同一または異なり、水素原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アセトキシ基のような脂肪族カルボニルオキシ基、カルボキシル基、アリールオキシ基、アラルキル基、またはアラルコシ基を示し、p、q、rは任意の比率。)で示される高分子化合物から選ばれるものであることが好ましい。これらの高分子化合物は、単独でも、複数混合して用いてもよいし、また他の高分子化合物を混合してもよい。
前記呈色性の電子供与体有機化合物は、通常無色または淡色で、ブレンステッド酸、ルイス酸等の活性種、すなわち電子受容体の作用で発色する性質を有するものである。具体的には、トリフェニルメタンフタリド類例えばクリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン;フルオラン類例えば3−ジエチルアミノベンゾ−α−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン;フェノチアジン類例えば3,7−ビスジメチルアミノ−10−(4’−アミノベンゾイル)フェノチアジン;インドリルフタリド類例えば3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド;ロイコオーラミン類例えばN−(2,3−ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N−フェニルオーラミン;ローダミンラクタム類例えばローダミン−β−o−クロロアミノラクタム;ローダミンラクトン類例えばローダミン−β−ラクトン;インドリン類例えば2−(フェニルイミノエタンジリデン)−3,3’−ジメチルインドリン、p−ニトロベンジルロイコメチレンブルー、ベンゾイルロイコメチレンブルー;トリアリールメタン類例えばビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタンが挙げられる。それらは、単独で用いられてもよく、複数種混合して用いられてもよい。
前記活性種生成有機化合物は、放射線の照射により不可逆的に活性種が生じるもので、ハロゲン基を有する化合物例えば四臭化炭素、トリブロモエタノール、トリブロモメチルフェニルスルホン等のハロゲン化アルキルやトリブロモメチル誘導体が挙げられる。
前記放射線吸収剤は、バリウム、イットリウム、銀、スズ、ハフニウム、タングステン、白金、金、鉛、ビスマス、ジルコニウム、ユウロピウム、セリウムの金属、および前記金属を含む化合物例えばそれらの金属の硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩が挙げられる。それらは、単独で用いられてもよく、複数種混合して用いられてもよい。
前記放射線励起蛍光剤は、CaWO4、MgWO4、HfP207で示される塩、ZnS:Ag、ZnCdS:Ag、CsI:Na、CsI:Tl、BaSO4:Eu2+、Gd2O2S:Tb3+、La2O2S:Tb3+、Y2O2S:Tb3+、Y2SiO5:Ce、LaOBr:Tm3+、BaFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+で示される焼成物が挙げられる。ZnS:Agの焼成物は、硫化亜鉛を主成分とし、重金属賦活剤である銀を加えて焼成したものである。他の焼成物も同様にして得られる。それらは、単独で用いられてもよく、複数種混合して用いられてもよい。
放射線呈色性組成物は、高分子化合物5〜50重量部と、呈色性の電子供与体有機化合物0.01〜50重量部と、活性種生成有機化合物0.1〜50重量部と、放射線吸収剤や放射線励起蛍光剤0.1〜500重量部とを含んでいることが好ましい。
放射線呈色性組成物は、物質の種類及び配合比を調整することにより、変色後の色相、色の濃淡及び変色速度の調節が可能である。
放射線呈色性組成物は、前記高分子化合物を溶剤に溶解させて媒体とし、インキや塗料にして用いてもよい。媒体は、高分子化合物5〜50重量部に対し、溶剤50〜95重量部を含むことが好ましい。
溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサン、イソホロン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、2−へキサン、イソオクタン、ソルベントナフサ、メチレンクロライド、プロピレンクロライド、エチレンクロライド、クロロホルム、ジクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタン、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、酢酸から選ばれる少なくとも一種類の化合物が好ましい。これらの溶剤は、単独で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。また、高分子化合物を溶解させる溶剤はすべて使用可能である。
放射線呈色性組成物は、消泡剤、界面活性剤、凝固剤のような添加剤を含んでいてもよい。
インジケータは、透明または半透明の保護フィルム層で被覆されていてもよい。
保護フィルムは紫外線を遮断するためのもので、例えばポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、またはポリエステルのフィルム、およびこれらのフィルムに紫外線吸収剤を混入もしくは積層させたものが挙げられる。
インジケータの傍に、前記インキ層の変色前または放射線被ばく量に応じた変色後の色相に近似する色素が付されていてもよい。
インジケータの基材は、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリプロピレンの樹脂製または紙製であることが好ましい。
放射線呈色性組成物は、ポリアセチレン化合物やジアリールエテン化合物やフルギド化合物を含むものであってもよく、さらに縮合多環芳香族化合物を含むものであってもよい。
ポリアセチレン化合物として、例えば、ジアセチレン化合物、より具体的にはジアセチレン基を有するカルバゾール類が挙げられる。
ジアリールエテン化合物として、アルキル基やアルコキシ基やハロゲン基やアリール基やヘテロアリール基のような置換基で置換されていてもよいアリール基を1、2位に有するジアリールペルフルオロシクロペンテンで例示されるジアリールエテン類;アルキル基やアルコキシ基やハロゲン基やアリール基やヘテロアリール基のような置換基で置換されていてもよいヘテロアリール基を1、2位に有するジヘテロアリールペルフルオロシクロペンテン、より具体的には、1,2−ビス[2−メトキシ−5−フェニル−3−チエニル]ペルフルオロシクロペンテンのようなジヘテロアリールエテン類が挙げられる。
フルギド化合物として、ビスメチレン無水コハク酸類が挙げられる。
縮合多環芳香族化合物として、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、フルオレン、ベンゾフラン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドールが挙げられる。
放射線被ばく量検知材として、放射線被ばく量検知インジケータを用いた例を示したが、放射線を検知したり放射線線量を計測したりする線量計に用いられる放射線被ばく量検知素子を用いてもよい。放射線被ばく量検知インジケータと放射線被ばく量検知素子とを組み合わせて用いてもよい。放射線被ばく量検知材の形状は、シート状、カード状、チップ状、箱状の何れであってもよい。
放射線被ばく量検知素子の具体例は、次の通りである。例えば、放射線で被ばくしたガラスに紫外線を照射すると蛍光するというラジオフォトルミネセンス(RPL:Radio Photo Luminescence )現象を利用した蛍光ガラス線量計に用いられるガラスのようなRPL素子;固体の熱ルミネセンス現象を利用した熱ルミネセンス線量計(TLD:Termo Luminescence Dosimeter)に用いられるTLD素子;放射線との相互作用によりそのエネルギーを蓄積した物質に光照射を加えると蛍光する光刺激ルミネセンス現象を利用した光刺激ルミネセンス線量計(OSL:Optically Stimulated Luminescence Dosimeter)に用いられるOSL素子;フィルタ付きの写真フィルムが放射線で黒化する現象を利用した感放射線フィルムバッチ;放射線が絶縁性固体を通過する際に損傷させる現象を利用した固体飛跡検出器に用いられる絶縁性固体素子;予め電荷を充電した電離箱内に入射した放射線での電離作用によって放電する現象を利用した電離箱式線量計に用いられる電極素子;半導体の電離作用を利用した半導体検出器に用いられる半導体素子;イメージングプレートのような輝尽発光検出素子(IP素子)が挙げられる。
本発明を適用する放射線被ばく管理帽子を試作した例を以下に示す。
(実施例1)
高分子化合物である塩化ビニル・酢酸ビニル・ポリビニルアルコール共重合体を、溶剤であるトルエン/エタノール(1:1)に溶解させて25%溶液の媒体を調製した。調製した媒体100重量部に呈色性の電子供与体有機化合物として、フルオラン類である2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン10重量部、放射線活性剤としてトリブロモエタノール10重量部、放射線吸収剤として酸化セリウム20重量部を混合してインクとし、放射線照射量履歴インジケータ用組成物を得た。うら面に粘着剤が付されたポリエチレンフィルム製基材のおもて面に、得られた組成物を層状に塗布した後、乾燥し、被ばく線量検知インジケータを調製した。
このインジケータを、帽子生地に貼付した。図1に示すような形状に縫製し、庇部23にあるインジケータの画分11の一つに、ばつ印が印字された放射線照射忌避位置指示マークである金属片13を貼り付け、放射線被ばく管理帽子1を得た。
この帽子1を患者にかぶらせ、着帽位置決めマーク12(a)・12(b)で患者の位置を調整し、紐24を結び、数分で放射線照射診療の準備が完了した。金属片13近傍を避けて、X線によるIVR施術を行なった。その後紐をほどき、患者を数センチ持ち上げて、帽子を引抜いて僅か数秒で取り外すことができた。
IVR施術を行なうことにより放射線が照射された分画は、放射線被ばく量に応じて色調が黒っぽく変化していたが、金属片周辺の画分は色調が変色していなかった。
放射線診療の際の放射線写真により、放射線を吸収する金属片と、病巣や頭皮の特定部位や眼の位置とを、正確に把握して、放射線被ばくの位置と量とを厳密に検知できた。
なお、放射線被ばく量検知インジケータに代えて、RPL素子、TLD素子、OSL素子、感放射線フィルムバッチ、絶縁性固体素子、電極素子、半導体素子、IP素子のような放射線被ばく量検知素子を用いても、放射線被ばく量を、デジタル量、または色調の変化として、検知することができた。
また、X線の他、ガンマ線、中性子線、陽子線、重粒子線、電子線等の放射線を照射する放射線療法でも同様の結果が得られた。
放射線被ばく管理帽子は、放射線診療の際の患者や、放射線計測の際の作業者の放射線被ばく量を、検知するために用いられる。
本発明を適用する放射線被ばく管理帽子の使用途中を示す斜視図である。
符号の説明
1は放射線被ばく量検知帽子、11は画分、12(a)・12(b)は着帽位置決めマーク、13は放射線被ばく忌避位置指示マーク、21は天井部、22は錣部、23は庇部、24は紐、31は放射線である。

Claims (5)

  1. 放射線被ばく量検知材が、格子状または縞状に分画されつつ、放射線被ばく量を検知すべき頭皮部位に合わせて帽子生地へ付されており、前記頭皮部位に合わせるマークと、外耳の外耳口または乳状突起に一致する覗き込み穴とである着帽位置決めマークが、前記帽子生地に付されていることを特徴とする放射線被ばく管理帽子。
  2. 前記分画された画分ごとに、識別符号が付されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線被ばく管理帽子。
  3. 眼を覆う庇を有していることを特徴とする請求項1に記載の放射線被ばく管理帽子。
  4. 放射線被ばく忌避位置指示マークが付されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線被ばく管理帽子。
  5. 前記帽子生地が、前記着帽位置決めマークによる位置決めのずれない難伸縮性の天然繊維製または合成樹脂製の素材であることを特徴とする請求項1に記載の放射線被ばく管理帽子。
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