本発明は、1xEVDOシステムにおいて、特に呼情報管理に費やすことが出来るメモリ容量が小さいシステムでのUATI使用方法に関する。
近年、移動体通信端末の小型化と低価格化が進み、携帯電話やPHSなどの移動体通信端末を使用するユーザが爆発的に増加している。それに伴い3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)においても、1xEVDO(1x Evolution Data Only)システムにおける標準化が急速に進められている。
以下、1xEVDOシステムの構成と、その課題を図1ないし図5を参照し、説明する。ここで、図1は1xEVDOシステムのブロック図である。図2はPCF−SCの機能ブロック図である。図3はUATIのフォーマットである。図4および図5は2台のAT、PCF−SC、AN−AAA、PDSNとの間のシーケンス図である。
図1において、1xEVDOシステム1000は、IPネットワーク101、Internet側からのパケットの終端を行うPDSN(Packet Data Service Node)102、呼情報管理やAP 104及びPDSN 102から受信するパケットの中継を行うPCF−SC(Packet Call Function Session Controller)103、AT 107とRAN(Radio Access Network)106間の無線パケットの中継及び無線区間でのハンドオフ機能を行うAP(Access Point)104、AT 107の認証を行うAN−AAA(Access Network-Authentication Authorization Accounting)105、PCF−SC 103とAP 104で構成されるRAN 106、移動端末であるAT(Access Terminal)107とから構成される。PDSNは、IPパケット終端装置とも呼ばれる。PCF−SCは、無線パケット処理装置とも呼ばれる。AN−AAAは、端末認証サーバとも呼ばれる。
図2において、PCF−SC 103は、AP 104またはPDSN 102から送受信されるシグナリングメッセージを解析する呼処理部303と、AP 104またはPDSN 102から送受信されるデータパケットを解析するデータ処理部305と、AT毎の呼情報を管理する呼情報管理部304とから構成される。
1xEVDOシステムでは、AT 107が呼接続を開始する際に、ランダムな識別子であるRATI(Random Access Terminal Identifier)を用いて接続を行う。RATIはランダムで割り振られるため、AT 107をユニークに特定できない。このため、RAN 106はRATIを用いて接続を開始したAT 107に対し、AT 107をユニークに識別するための簡易識別子としてUATI(Unique Access Terminal Identifier)を割当てる。UATI 200について、図3を参照して説明する。図3において、3GPP2で規定されているUATI 200は、32bitで構成され、上位8bitは、RAN 106を識別するColorCode 201、下位24bitはUATI(24) 202とし、RAN 106が自由に割当てることが出来る。UATI 200を含めた、AT 107の呼情報はPCF−SC 103にて管理される。
1xEVDOシステムでも、極めて稀ではあるが、通信システムにおいて課題とされる誤課金の可能性の問題がある。誤課金は同一のUATIを複数台のATに割当ててしまうことにより、あるATの呼情報で別ATがデータ受信出来てしまうことが原因である。以下にAT 107とRAN 106でUATI管理の状態不一致が発生してしまうメカニズムを図4、それにより同一UATIを複数台に割当ててしまい誤課金が発生するメカニズムを図5を用いて説明する。
図4において、AT 107−aは新規接続を行うため、PCF−SC 103に対してUATI要求を行う(T306)。UATI要求を受信したPCF−SC 103の呼処理部303は、AT 107−aにUATIを割当てるため、呼情報管理部304に問い合わせ、UATI:Aを取得し(T307)、AT 107−aにUATI:AをUATI応答する(T308)。UATIを取得したAT 107−aは、PCF−SC 103に接続を行うために接続要求を行う(T309)。接続要求を受信したPCF−SC 103は、呼情報管理部304のUATI:AにIMSI(International Mobile Station Identifier)702が無いことを確認し、AN−AAA 105に端末認証要求を行う(T310)。ここで、IMSI 702は、端末固有に割当てられる識別子で、課金対象となるATを識別するために使用される。また、IMSI 702(IMSI:aaa)は、AN−AAA 105にて端末認証成功時に端末認証応答にて通知される(T311)。呼処理部303は、呼情報管理部304に、IMSI 702を通知する。呼情報管理部304は、AT 107−aのUATI:Aと、IMSI:aaaとを対応つけて記録する(T312)。IMSI 702を取得後、呼処理部303は、PDSN 102にIMSI 702:aaaとして接続要求を行う(T313)。PDSN102は、呼処理部303に新規接続応答を返信する(T314)。呼処理部303は、新規接続応答を受信後、AT 107−aに新規接続応答を返し(T315)、呼接続が完了する。呼接続が完了するとデータ通信が可能なActive状態という状態に遷移する。Active状態となったAT 107−aはPDSN 102からの下りデータを受信し、データ通信を行う。この時、IMSI 702:aaaで課金されるため、課金対象はAT 107−aのユーザとなる。Active状態でデータ通信を行わないまま一定時間経過すると、無線資源の有効利用のため使用していた無線リンクを解放するが、呼の接続用の各種情報はPCF−SC 103のみに保持する。この状態をDormant状態(休眠状態)という。
さらに一定時間経過すると、PDSN 102は、呼処理部303に対してリソース有効利用のため呼情報解放要求を行う(T320)。呼処理部303は、解放応答をPDSN102に返信し(T321)、呼情報管理部304にUATI:Aの呼情報を削除する(T322)。この時、PCF−SC 103はAT 107−aに対して、解放要求を行う(T322)。ここで、1xEVDOシステム1000において、無線状況や、ATの位置(トンネル内に入った場合など)によってRAN 106から送信する要求メッセージが届かないことは頻繁に発生する(T323)。解放要求がAT 107−aに届かない場合、PCF−SC 103のUATIを含む呼情報は解放するが、AT 107−aはUATI:Aを解放せずに保持するという状況が発生し、AT 107−aとPCF−SC 103でUATI管理の状態不一致が発生する。
図4に続いて図5において、AT 107−aがUATI:Aを保持したまま、AT 107−bが新規接続を行うため、UATI要求を行う(T401)。UATI要求を受信したPCF−SC 103の呼処理部303では、AT 107−bにUATIを割当てるため、呼情報管理部304に問い合せる(T402)。UATIは有限であるため、UATIを全て使用してしまった場合は、解放したUATIを再利用する必要があり、AT 107−bにUATI:Aを割当てる(T403)。UATI:Aが割当てられたAT 107−bは接続要求を行い(T404)、PCF−SC 103はAN−AAA105に端末認証要求を行い(T405)、端末認証応答でIMSI 702を取得する(T406)。AT 107−bのIMSI 702をbbbとする。呼情報管理部304ではUATI:AにIMSI 702:bbbを関連づけて保持する(T407)。また、IMSI 702:bbbでPDSN 102に接続要求を行う(T408)。接続応答を受信後(T409)、AT 107−bに接続応答を返し、呼接続が完了する(T410)。AT 107−bはActive状態となり、PDSN 102よりデータ通信を行う。この時、IMSI 702:bbbで課金されるため、課金対象はAT 107−bのユーザとなる。AT 107−bはデータ通信が終了し、一定時間経過後、Dormant状態に遷移する。
AT 107−aは解放要求を受信できなくても、一定時間経過すると保持しているUATIを解放するが、一定時間経過せずにAT 107−aが再度接続を行う場合は、保持していたUATI:Aを使用して再接続要求を行う(T415)。再接続要求を受信したPCF−SC 103は、UATI:AのIMSI 702はbbbであると呼情報管理テーブルに保持しているため(T416)、端末認証は行わず、PDSN 102にIMSI 702:bbbで再接続要求を行う(T417)。PCF−SC 103はPDSN 102から再接続応答を受信後(T418)、AT 107−aに再接続応答を返し(T419)、AT 107−aは再度Active状態に遷移する。この時、AT 107−aはデータ通信を行うことが出来るが、課金はIMSI 702:bbbで行われることなり、課金対象はAT 107−bのユーザとなる。
上記のような誤課金の原因となる同一UATIを複数台のATに割当てることを以下ではUATI2重アサインとする。
特開2000−112851号公報
特開平10−75244号公報
1xEVDOシステムにおいてUATIは有限であるため、UATI2重アサインは、極めて稀に発生してしまう問題である。しかし、極めて稀であっても、出来る限りUATI2重アサインを発生させないためには、UATIの有効的な利用方法を考える必要がある。
UATI2重アサインを回避できる最も有効な手段は、使用できるUATI数を増やすことである。ColorCode 201において、UATIとして割当てることが出来る数は、UATI(24) 202(24bit(16,777,215))分である。この場合、UATI毎にセッションを管理するためには、PCF−SC 103の呼情報管理部304に24bit:16,777,215セッション分の呼情報管理テーブルを必要とする。呼情報管理部304に24bit(16,777,215)だけのメモリ容量を確保できるシステムであればそれでよい。但し、PCF−SC 103の呼情報管理部304に24bit(16,777,215)だけのメモリ容量を確保できないシステムの場合は、呼情報管理テーブルのレコード数も制限されるため、使用できるUATI数を減らす必要がある。使用できるUATI数が減ればUATI2重アサインが発生する可能性が増える。
本発明は、呼情報管理部304に費やすことが出来るメモリ容量が小さくても、UATIを有効的に使用し、UATI2重アサインを回避することを目的とする。
限られた識別子を有効的に割当てるというところで、本方式に近い方式としてIPアドレスの割当てが考えられる。通常、コンピュータ端末の通信を行うためには、IP(Internet Protocol)通信が用いられる。近年、グローバルIPアドレスの不足から、ネットワーク内で独立に管理できるプライベートIPアドレスが用いられるようになった。プライベートIPアドレスの設定方法としては、IPアドレスの有効利用性やアドレス管理の容易性からDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)によるIPアドレス割当てが広く用いられている。
特許文献1に開示された技術として、DHCPサーバとDNSサーバとを連携させ、DHCPサーバによりIPアドレスを動的に割当てる方式がある。この方式では、割当てたIPアドレスとMACアドレスと対応付けてサーバ内のテーブルに設定しておき、使用中のIPアドレスを割当てないようにする。また、既知のMACアドレスからの要求に対しては、前回使用していたIPアドレスを返し、IPアドレスの重複割当を防ぐ。この方式は、端末が割当てられたIPアドレスをまだ保持しているが、サーバ側では割当てたIPアドレスとMACアドレスを保持していない状況での重複回避については考慮されていないため、1xEVDOシステムでのUATI2重アサインを回避する方式との直接的な関連性はない。
また、DHCPにおいてアドレスの重複割当てを防止するため、IPアドレス割当て前にネットワーク上に割当て予定のIPアドレスが存在するかを、該当アドレス宛にパケットを送信して確認する方式もある。しかし、無線状況から、常に端末とのセッション確立できない1xEVDOシステムでは適応できない方式である。これを解決しようとした方式として特許文献2に開示された記述がある。但し、この方式は、DHCPサーバとは別に、モビリティーエージェントという機能を装備し、モビリティーエージェントに端末の名称と割当てたIPアドレスを保持する機能があり、この機能により、電源がOFFされたセッションが確立できない端末や、無線状況によりセッションが確立できにない端末のIPアドレスも確認できることによりIPアドレスの重複割当を防ぐ。端末に割当てる識別子の有効利用により識別子の重複割り当てを防ぐ本方式との直接的な関連性はない。
本発明は、PCF−SCの呼情報管理部において、呼情報管理テーブルのレコード毎にUATIを一意に識別するための付加情報を設け、同一の呼情報管理テーブルのレコードが使用されるたびに付加情報を変更し、UATIに付加することで、同一の呼情報管理テーブルのレコードが使用されても、同一UATIが割当てられる頻度を低下させ、同一UATIを複数の端末に割当てることを回避する。
上記課題は、シグナリングメッセージを解析する呼処理部と、データパケットを解析するデータ処理部と、呼情報を管理する呼情報管理部とから構成され、無線端末と通信し、呼情報管理部は、無線端末を識別する無線端末識別子について第1の識別子と第2の識別子とに分割して、第1の識別子の数のレコードを有する呼情報管理テーブルで管理し、呼情報管理テーブルの各レコードには、第2の識別子を格納して、当該レコードを使用するとき、第2の識別子の値を更新する無線パケット処理装置により、達成できる。
また、シグナリングメッセージを解析する呼処理部と、データパケットを解析するデータ処理部と、呼情報を管理する呼情報管理部とから構成され、無線端末と通信し、呼情報管理部は、無線端末を識別する無線端末識別子について第1の識別子と第2の識別子とに分割して、呼情報番号の数のレコードを有する呼情報管理テーブルと、第1の識別子の数のレコードを有する第1の識別子管理テーブルで管理し、第1の識別子管理テーブルの各レコードには、呼情報番号と第2の識別子とを格納して、当該レコードを使用するとき、第2の識別子の値を更新する無線パケット処理装置により、達成できる。
1xEVDOシステムにおいて、PCF−SCの呼情報管理部に費やすことが出来るメモリ容量が小さくても、UATI(24)を有効的に使用し、払い出すUATI数を増やすことで、UATI2重アサインを回避し誤課金を防ぐことが出来る。
以下本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、同一部位には同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。
呼情報管理テーブルのレコード数が限られ、管理できるセッション数が限られた場合でも、UATIを有効的に使用し、UATI払い出し数を増やすことが出来る実施例1を図6ないし図9を参照して説明する。ここで、図6はUATIのフォーマットである。図7は呼情報管理テーブルを説明する図である。図8は呼情報管理テーブルの変遷を説明する図である。図9は2台のAT、PCF−SC間のシーケンス図である。
実施例1では、呼情報管理テーブルを24bit(16,777,215)分は管理できないが、16bit(65,535)分なら保持できるシステムの場合を考える。
図6にUATIを有効的に使用するために、UATI使用方式を変更したフォーマットを示す。UATI 200Aの上位8bitは、図3と同様にColorCode 201として使用する。UATI(24) 202の下位16bitをUATI(16) 502とし、65,535分の呼情報が管理できるようにする。ここで、UATI(24) 202のColorCode 201に続く上位8bitは、UATI2重アサインを回避するためのChangebit 501として割当てる。
UATI2重アサインを回避するための機能を備えるために、呼情報管理部304に展開される呼情報管理テーブルを図7に示す。呼情報管理テーブル700は、UATI(16) 502の呼情報を65,535セッション分管理できるテーブルとなっている。呼情報管理テーブル700は、セッション毎に呼状態701、IMSI 702、割当UATI 703が管理され、またUATI2重アサインを回避するための機能を備えるため、Changebit 501もセッション毎に管理される。Changebit 501を使用方法について、UATI(16) 502が「1」のレコードで説明する。UATI(16) 502が「1」のレコードのChangebit 501はUATIが割当てられた時点で0x01(0xは16進の表示)となっているため、RAN 106を示すColorCode 201が0xFFであった場合、ATには0xFF010001がUATI200として割当てられる。
次にChangebit 501を使用し、UATI(16) 502が同じでも、同じUATIを再度割当てない方法を図8を参照して説明する。図8ではUATI(16) 502は、「1」のみ使用するケースを説明する。図8(a)において、UATI(16) 502が「1」の呼情報管理テーブル700のレコードのChangebit 501は0x01であるため、RAN 106を示すColorCode 201が0xFFである場合、ATに割当てられたUATIは0xFF010001である。ATが一定時間データ送受信を行わない場合、呼情報管理テーブルを解放し、ATに解放要求を行う。図8(b)において、この時、呼情報管理テーブル700のATに関する呼情報は解放されるが、Changebit 501は0x01が使用されたことは保持しておく。それ以降UATI(16) 502は2→3→4→…と使用されていくが、UATI数、呼情報管理テーブルのレコード数は有限であるため、別ATからのUATI要求であっても、UATI(16) 502が1を再度使用しUATIを割当てることになる。図8(c)において、この時、Changebit 501は0x01であったことから、Changebit 501をインクリメントし0x02とする。UATIは0xFF020001となり、UATI(16) 502が1を使用されたとしても、Changebit 501が0xFFとなるまで、同じUATIを払い出すことが無いため、別UATIをATに割当てることが出来る。
次にUATI2重アサインが回避されたことにより、誤課金が発生しないメカニズムを図9を参照して説明する。図9において、AT 107−aが新規接続のため、呼処理部303に対してUATI要求を行う(T901)。PCF−SC 103の呼処理部303は、呼情報管理部304にUATIを要求する。呼情報管理部304は、UATI(16) 502として1を使用し、Changebit 501を0x01とし、UATI 200として0xFF010001を払い出す(T902)。呼処理部303は、UATI割当を行い、AT 107−aにはUATIが0xFF010001を割当てる(T903)。
AT 107−aがデータ通信を行わずに一定時間経過後、リソースの有効利用のため、AT 107−aを解放する。この時、PCF−SC 103の呼情報管理テーブルのUATI(16) 502は解放されるが(T904)、無線状況により解放要求がAT 107−aに届かず、AT 107−aはUATI:0xFF010001を保持する(T905)。
さらに一定時間経過後、AT 107−bが新規接続のため、UATI要求を行う(T906)。UATI(16) 502が1の呼情報管理テーブルが使用された場合(T907)、AT 107−bにはChangebit 501を0x02とし、UATI:0xFF020001が割当てられる(T908)。
その後、AT 107−aが保持しているUATIを解放する前に、接続要求を行った場合、UATI:0xFF010001で接続要求する(T909)。PCF−SC 103の呼処理部303は0xFF010001で接続要求を受信したため、呼情報管理部304に問い合せる(T910)。呼情報管理部304では、接続要求が0xFF010001であったため、UATI(16) 502が1の呼情報管理テーブルのChangebit 501:0x02と、接続要求のUATIのChangebit 501:0x01を比較し、接続要求が別ATからの要求であることを認識し、呼処理部303はAT 107−aからの接続要求に対し、解放要求を行う(T911)。解放要求を受信したAT 107−aはUATI:0xFF010001を解放する。上記により、同じUATI(16) 502を保持したUATIでの接続要求を受信しても、別ATからの接続要求であることを認識し拒否できるため、誤課金を防ぐことが出来る。
実施例1ではChangebit 501を8bitとして、UATI(24)の有効利用を示した。実施例2は、Changebitの使用方法を拡張した実施例であり、図10ないし図12を参照して説明する。ここで、図10はPCF−SCのブロック図である。図11はUATIのフォーマットである。図12は2台のAT、2組のPCF−SCとの間のシーケンス図である。
図10は、PCF−SCとして、図2に示すPCF−SC 103の機能が2組格納するPCF−SC 103Aを採用する。図10に示すPCF−SC 103A内に、Sub−PCF−SC 103−1とSub−PCF−SC 103−2があり、それぞれのSub−PCF−SCが16bit(65,535)分の呼情報管理テーブルを保持する。
実施例2で使用されるUATIのフォーマットについて、図11を用いて説明する。図11において、UATI 200Bの上位8bitは同様にRAN 106を示すColorCode 201とする。Sub−PCF−SCそれぞれが16bit(65,535)分の呼情報管理テーブルを保持することが出来るため、UATI(24) 202の下位16bitをUATI(16) 502とする。ここで、UATI(24) 202の上位8bitは、Subbit 503を1bit、Changebit 501Aを7bitとし、Subbit 503はSub−PCF−SCを示し、1bitであるため、0また1を示す。Sub−PCF−SC 103−1がUATIを割当てるときは必ずSubbit 503を0、Sub−PCF−SC 103−2がUATIを割当てるときは必ずSubbit 503を1とする。Changebit 501Aは、UATI2重アサインを回避するために使用する。7bitであるため、0〜127の数値となる。
Sub−PCF−SC 103−1とSub−PCF−SC 103−2が、呼情報管理テーブルのUATI(16) 502が1で、Changebit 501が1のUATIを払い出してもUATI2重アサインを防止することについて、図12を参照して説明する。図12において、AT 107−aが新規接続のため、Sub−PCF−SC 103−1にUATI要求を行う(T501)。RAN 106を示すColorCode 201が0xFFであった場合、Sub−PCF−SC 103−1からAT 107−aに割当てられるUATIは、Subbit 503が0、Changebitが1であるためUATIが0xFF010001 となり(T502)、AT 107−aに割当てられる(T503)。また、AT 107−bが新規接続のため、Sub−PCF−SC 103−2にUATI要求を行う(T504)。Sub−PCF−SC 103−2からAT 107−bに割当てられるUATIは0xFF810001となり(T505)、Sub−PCF−SC 103−2からAT 107−bに応答される(T506)。
すなわち、同じUATI(16) 502、Changebit 501を使用してもSub−PCF−SC 103−1とSub−PCF−SC 103−2では、同じUATIを割当てることが無い。よって、AT 107−aがSub−PCF−SC 103−2に接続要求を行った場合でも(T507)、Sub−PCF−SC 103−2の呼情報管理部304にて、UATI(16) 502が1で、Changebit 501も1で一致するが、Subbit 503が1でないため、Sub−PCF−SC 103−2で割当てられたUATIでないことを認識し(T508)、接続を拒否することができ(T509)、誤課金を防ぐことができる。
実施例3では、呼情報管理テーブルとは別にUATI管理テーブルを設けたUATI(24)について、図13ないし図17を参照して説明する。ここで、図13はUATIのフォーマットである。図14は呼情報管理テーブルを説明する図である。図15はUATI割当管理テーブルを説明する図である。図16は2台のAT、PCF−SCとの間のシーケンス図である。図17はUATI割当管理テーブルと呼制御管理テーブルとの変遷を説明する図である。
図13において、UATI200Cの上位8bitは、同様にRAN 106を示すColorCode 201とする。下位24bitのうち、上位3bitはUATI(21) 504毎に管理されるChangebit 501Bである。Changebit 501Bは、3bitであるため、0〜7の数値となる。下位21bitはUATI(21) 504とし、1〜2,097,151でUATI割当に使用されるレコードの数となる。
実施例3の呼情報管理テーブルを図14、UATI管理テーブルを図15を用いて説明する。呼情報管理テーブル700AとUATI管理テーブル800は、ともにPCF−SC 103の呼情報管理部304で展開される。
図14において、呼情報管理テーブル700Aは、呼情報番号704、UATI(21)504、呼状態701、IMSI 702から構成され、65,535分の呼情報を管理する。呼情報管理テーブル700Aは、呼情報番号704毎にATの情報を含めた呼情報が管理され、またUATI管理テーブルとの整合を取るため、どのUATI管理テーブル番号(UATI(21) 504)が使用されているかを管理する。
図15において、UATI管理テーブル800は、ATの呼情報とは別に、払い出したUATIを管理するテーブルである。UATI管理テーブル800は、UATI(21)504と、呼情報番号704と、割当UATI 703と、Chabgebit 501Bとから構成され、UATI(21) 504毎に管理し、Changebit 501BはUATI(21) 504が使用されるたびにインクリメントされてUATIに割当てられる。呼情報番号704は、呼情報管理テーブルと整合を取るために設定される。
図16において、AT 107−aは、PCF−SC 103に新規接続のためUATI要求を送信する(T601)。これを受信した呼情報管理部304は、UATI管理テーブル800のUATI(21) 504は2、呼情報管理テーブル700Aの呼情報番号704は65,535が使用できるとして(T602)、UATI(21) 504が2のChangebit 501Bは4であるため、RAN 106を示すColorCode 201が0xFFであった場合は、UATIとして0xFF800002を割当てる(T603)。呼情報管理部304は、呼情報管理テーブル700AとUATI管理テーブル800との整合を取るため、呼情報管理テーブル700Aの呼情報番号704の65,535のUATI(21) 504に2、UATI管理テーブル800のUATI(21) 504の2の呼情報番号704に65,535を設定する。UATIはUATI管理テーブル番号のみで決まるため、呼情報管理テーブル700AはUATI割当には関与せず、呼情報を管理するだけのテーブルとなる。この時点での、呼情報管理テーブル700AとUATI管理テーブル800の状態を図17(a)に示す。
この後、一定時間経過し、AT 107−aの呼情報が解放される。AT 107−aに解放要求が届かず、PCF−SC 103の呼情報管理部304で呼情報を解放したが(T604)、AT 107−aではUATIを保持している状態となる(T605)。PCF−SC 103の呼情報管理部304では、AT 107−aの呼情報を解放するため、UATI管理テーブル800のUATI(21) 504の2を解放し、また呼情報管理テーブル700Aの呼情報番号の65,535を解放する。この時点での、呼情報管理テーブル700AとUATI管理テーブル800の状態を図17(b)に示す。
この後、AT 107−bから新規接続でUATI要求があると(T606)、呼処理部303は呼情報管理部304にUATIを要求する(T607)。ここで呼情報管理部304では呼情報管理テーブル700Aの呼情報番号704の65,535の1つのみしか使用出来ない状況であったとする。次に使用出来るUATI管理テーブル800のUATI(21) 504は3とすると、UATI(21) 504が3のChangebit 501Bをインクリメントして3とし、AT 107−bにUATIとして0xFF600003を割当てる(T608)。呼情報管理部304内では、呼情報管理テーブル700AとUATI管理テーブル800との整合を取るため、呼情報管理テーブル700Aの呼情報番号704の65,535のUATI(21) 504に3、UATI管理テーブルのUATI(21) 504の3の呼情報番号704に65,535を設定する。この時点での、呼情報管理テーブル700AとUATI管理テーブル800の状態を図17(c)に示す。
UATI管理テーブルのレコード数は2,097,151、呼情報管理テーブルのレコード数は65,535と、UATI管理テーブルのレコード数が呼情報管理テーブルのレコード数より多いため、呼情報管理テーブルの使用出来るレコード数が少なくなったとしても、UATI管理テーブルは使用出来るレコードが多数あることとなる。これは同じ呼情報番号704しか使用できなくても、別のUATI(21) 504を使用してUATIを割当てることが出来ることを示している。
実施例1、実施例2では、UATIはUATI(16) 502が解放されない限り、該当のUATI(16) 502が使用されることがないため、同じUATI(16) 502が空いていることが多くなれば、同じUATIが払い出される頻度が高くなった。実施例3では、呼情報管理テーブルとは別に、UATIをUATI管理テーブルで管理する。UATI管理テーブルのレコード数が呼情報管理テーブルのレコード数よりも格段に大きいので、同じUATI(21) 504が使用される頻度が低くなり、同じUATIを払い出す頻度も低くなるため、UATI2重アサインが発生する可能性がさらに低くなり、誤課金を防ぐことができる。
1xEVDOシステムのブロック図である。
PCF−SCの機能ブロック図である。
UATIのフォーマットである。
2台のAT、PCF−SC、AN−AAA、PDSNとの間のシーケンス図(その1)である。
2台のAT、PCF−SC、AN−AAA、PDSNとの間のシーケンス図(その2)である。
UATIのフォーマットである。
呼情報管理テーブルを説明する図である。
呼情報管理テーブルの変遷を説明する図である。
2台のAT、PCF−SCとの間のシーケンス図である。
PCF−SCのブロック図である。
UATIのフォーマットである。
2台のAT、2組のPCF−SCとの間のシーケンス図である。
UATIのフォーマットである。
呼情報管理テーブルを説明する図である。
UATI割当管理テーブルを説明する図である。
2台のAT、PCF−SCとの間のシーケンス図である。
UATI割当管理テーブルと呼制御管理テーブルとの変遷を説明する図である。
符号の説明
101…IPネットワーク、102…PDSN、103…PCF−SC、104…AP、105…AN−AAA、106…RAN、107…AT、200…UATI、201…ColorCode、202…UATI(24)、303…呼処理部、304…呼情報管理部、305…データ処理部、501…Changebit、502…UATI(16)、503…Subbit、504…UATI(21)、700…呼情報管理テーブル、701…呼状態、702…IMSI、703…割当UATI、704…呼情報番号、800…UATI割当管理テーブル、1000…1xEVDOシステム。