JP4749448B2 - 超音波撮像装置 - Google Patents

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Description

この発明は、圧電素子を駆動させる電気信号の発生を行うパルサー(pulser)を備える超音波撮像装置に関する。
近年、超音波撮像装置において、超音波を発生する圧電素子を駆動する電気信号は、複数の同一波形を含むバースト(burst)波形が用いられる(例えば、特許文献1参照)。このバースト波形は、圧電素子の共振周波数に一致する3〜10MHz程度の周波数を有し、100V前後の振幅電圧を有する。同時駆動される圧電素子の数が数十チャネル(channel)になること、また超音波撮像装置はコンパクト(compact)であることに特徴を有することなどから、これらバースト波形を発生させる送信部は、簡易な構成であることが好ましい。
バースト波形を発生させる簡易な構成の送信部として、異なる大きさの電源電圧を有するプッシュプル(push pull)回路を並列に接続したマルチレベルパルサー(multi level pulser)が存在する。このマルチレベルパルサーは、プッシュプル回路のオンオフ(on off)により、出力電圧を段階的に切り換え、正弦波に近似する擬似正弦波からなるバースト波形を簡易に発生させる。
特開2000−005169号公報、(第1頁、第7図)
しかしながら、上記背景技術によれば、出力電圧を段階的に切り換える際に、パワー(power)の損失が発生する.すなわち、マルチレベルパルサーの出力電圧を切り換える際に、容量性の電気特性を有する圧電素子に充電された電荷の充放電が生じる。この充放電は、容量性の圧電素子に並列接続された接地抵抗との間で生じ、パワーの損失が発生する要因となる。
特に、このパワーの損失は、発熱の原因ともなり、多チャネル駆動を行う超音波撮像装置にとっては、無視できない大きさとなる。
この発明は、上述した背景技術による課題を解決するために為されたものであり、圧電素子を駆動する電気信号の発生を行うパルサーの消費電力を、低く抑えることができる超音波撮像装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、圧電素子に所定の電圧を供給して超音波を送信する超音波撮像装置であって、前記圧電素子と接続される出力ラインと、該出力ラインに出力部が接続される複数のプッシュプル回路と、前記出力ラインと接地端子との接続を複数の第1のトランジスタを用いてオンオフする接地回路とを有するパルサーを備えるとともに、前記複数のプッシュプル回路に大きさが異なる複数の電源電圧を供給する電源部を備え、前記複数のプッシュプル回路は、2つの相補トランジスタの各々が前記電源部と前記出力ラインとの間に接続される第1のプッシュプル回路と、2つの相補トランジスタの各々が前記電源部と前記出力ラインとの間に接続されるとともに、前記各相補トランジスタと直列接続されて該各相補トランジスタに逆方向電流が流れることを防止する整流素子を有する第2のプッシュプル回路とを含み、前記接地回路は、前記出力ラインと接地端子の接続を、前記第2のプッシュプル回路が有する相補トランジスタのオンに同期してオンする機能を有する複数の第2のトランジスタを有することを特徴とする。
この第1の観点による発明では、接地回路は、第2のプッシュプル回路が有する相補トランジスタのオンに同期して出力ラインと接地端子との接続をオンする機能を有する複数の第2のトランジスタを、第1のトランジスタとは別に有する。
また、第2の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第1の観点に記載の超音波撮像装置において、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタが、電界効果トランジスタであることを特徴とする。
この第2の観点の発明では、電界効果トランジスタにより、高速のスイッチングを行う。
また、第3の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第2の観点に記載の超音波撮像装置において、前記第2のトランジスタは、前記第1のトランジスタと比較して、オン抵抗が大きな値を有することを特徴とする。
この第3の観点の発明では、第2のトランジスタの増設により生じる、パルサーの設置スペースの増大を最小限に抑えることができる。
また、第4の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第1から3の観点のいずれか1つに記載の超音波撮像装置において、前記接地回路として、前記複数の第1のトランジスタが前記出力ラインと接地端子との間に並列に接続されており、さらに各第1のトランジスタと直列接続される第1の整流素子を備えることを特徴とする。
この第4の観点の発明では、第1の整流素子により、第1のトランジスタに逆方向電流が流れることを防止することができる。
また、第5の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第4の観点に記載の超音波撮像装置において、前記接地回路として、前記複数の第2のトランジスタが前記出力ラインと接地端子との間に並列に接続されており、さらに各第2のトランジスタと直列接続される第2の整流素子を備えることを特徴とする。
この第5の観点の発明では、第2の整流素子により、第2のトランジスタに逆方向電流が流れることを防止することができる。
また、第6の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第1〜5の観点に記載の超音波撮像装置において、前記複数の第2のトランジスタが、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタを含むことを特徴とする。
この第6の観点の発明では、出力ラインと接地端子間には、双方向に電流が流れるようにする。
また、第7の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第5または6の観点に記載の超音波撮像装置において、前記接地回路は、前記第2のトランジスタ及び前記第2の整流素子と直列接続された抵抗を備えることを特徴とする。
この第7の観点の発明では、第1のトランジスタと第2のトランジスタに流れる電流の最大値を、概ね等しい値にする。
また、第8の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第1から4の観点のいずれか1つに記載の超音波撮像装置において、前記接地回路が、前記出力ラインと接地端子との間に前記複数の第2のトランジスタおよび抵抗を、直列に接続することを特徴とする。
この第8の観点の発明では、整流素子を無くし、第2のトランジスタのオン動作のみで出力ラインと接地端子の接続を行う。
また、第9の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第8の観点に記載の超音波撮像装置において、前記複数の第2のトランジスタが、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタを含むことを特徴とする。
この第9の観点の発明では、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタによりスイッチングを行なう。
また、第10の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第1から9の観点のいずれか1つに記載の超音波撮像装置において、前記接地回路が、前記出力ラインと接地端子を接続する抵抗を備えることを特徴とする。
この第10の観点の発明では、圧電素子に充電された電荷を、定常的に放電させる。
また、第11の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第1から10の観点のいずれか1つに記載の超音波撮像装置において、前記超音波撮像装置が、前記第1のプッシュプル回路および前記第2のプッシュプル回路の相補トランジスタ、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタをオンオフさせるパルサー制御部を備えることを特徴とする。
また、第12の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第11の観点に記載の超音波撮像装置において、前記パルサー制御部が、前記第1のトランジスタをオンオフさせる第1のドライバーおよび前記第2のトランジスタをオンオフさせる第2のドライバーを備えることを特徴とする。
この第12の観点の発明では、パルサー制御部に、トランジスタのドライブ能力に応じたドライバーを準備する。
また、第13の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第11または12の観点に記載の超音波撮像装置において、前記パルサー制御部が、前記第1のプッシュプル回路および前記第2のプッシュプル回路の相補トランジスタの順序付けられたオンオフにより、前記出力ラインに前記複数の電源電圧が正弦波状に出力される擬似正弦波発生手段を備えることを特徴とする。
この第13の観点の発明では、擬似正弦波発生手段により、正弦波状の電圧を出力する。
また、第14の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第13の観点に記載の超音波撮像装置において、前記擬似正弦波発生手段が、前記第1のプッシュプル回路のNチャネルまたはPチャネルの相補トランジスタをオンからオフにし、かつ前記第2のプッシュプル回路のNチャネルまたはPチャネルの相補トランジスタをオフからオンにするのに同期して、PチャネルまたはNチャネルの前記第2のトランジスタをオフからオンにすることを特徴とする。
この第14の観点の発明では、第1のプッシュプル回路をオフにして、第2のプッシュプル回路をオンにする時に、第2のトランジスタをオンにする。
また、第15の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第14の観点に記載の超音波撮像装置において、前記擬似正弦波発生手段が、前記第2のプッシュプル回路のNチャネルまたはPチャネルの相補トランジスタがオンからオフにするのに同期して、前記接地回路のPチャネルまたはNチャネルの第2のトランジスタをオンからオフにすることを特徴とする。
この第15の観点の発明では、第2のプッシュプル回路がオンされている間、第2のトランジスタもオンにされる。
また、第16の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第14の観点に記載の超音波撮像装置において、前記擬似正弦波発生手段が、前記第1のプッシュプル回路のNチャネルまたはPチャネルの相補トランジスタをオンからオフにし、かつ前記第2のプッシュプル回路のNチャネルまたはPチャネルの相補トランジスタをオフからオンして後の所定時間経過後に、前記接地回路のPチャネルまたはNチャネルの第2のトランジスタをオンからオフにすることを特徴とする。
この第16の観点の発明では、第1のプッシュプル回路をオフにして、第2のプッシュプル回路をオンにしてから所定時間の間だけ、第2のトランジスタをオンにする。
また、第17の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第1から16の観点のいずれか1つに記載の超音波撮像装置において、前記電源部が、大きさが等しく電圧極性が正負の電源電圧を発生することを特徴とする。
この第17の観点の発明では、出力電圧波形を、接地電位を中心とする安定したものにする。
本発明によれば、擬似正弦波を形成するパルサーで発生する定常的な電流の消費を無くし、さらに電圧が変化する過渡状態で生じる電力の消費も軽減することができ、ひいてはパルサーの発熱を低くすることができる。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる超音波撮像装置を実施するための最良の形態について説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
まず、本実施の形態1にかかる超音波撮像装置100の全体構成について説明する。図1は、本実施の形態1にかかる超音波撮像装置100の全体構成を示すブロック(block)図である。超音波撮像装置100は、超音波プローブ(probe)10、画像取得部102、画像メモリ(memory)部104、画像表示制御部105、表示部106、入力部107および制御部108を含む。
超音波プローブ10は、圧電素子アレイ(array)を内蔵し、超音波の送受信を行う。被検体2の表面に密着された超音波プローブ10は、撮像断面に超音波を照射し、被検体2の内部からその都度反射された超音波エコー(echo)を、時系列的な音線として受信する。超音波プローブ10は、超音波の照射方向を順次切り替えながら電子走査を行う。
画像取得部102は、超音波プローブの圧電素子アレイを駆動する電気信号を発生すると共に、圧電素子アレイで受信された電気信号からBモード(mode)処理またはドップラ(doppler)処理を行いBモード画像情報またはドップラ画像情報を形成する。画像取得部102の詳細な機能については、後に述べる。
画像メモリ部104は、大容量メモリからなり、2次元断層画像情報、時間変化する2次元断層画像情報であるシネ(cine)画像情報等を保存する。
画像表示制御部105は、Bモード処理で生成されたBモード画像情報およびドップラ処理で生成された血流画像情報等の表示フレームレート(frame rate)変換、並びに、画像表示の形状や位置制御を行う。
表示部106は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)等からなり、Bモード画像または血流画像等の表示を行う。
入力部107は、キーボード(keyboard)等からなり、オペレータ(operator)により、操作情報が入力される。入力部107は、例えば、Bモードによる表示またはドップラ処理の表示を選択するための操作情報およびドップラ処理を行うドップラ撮像領域の設定を行う操作情報等が入力される。
制御部108は、入力部107から入力された操作情報および予め記憶したプログラム(program)やデータ(data)に基づいて、上述した超音波プローブを含む超音波撮像装置各部の動作を制御する。
図2は、画像取得部102の構成を示すブロック図である。画像取得部102は、送信ビームフォーマ(beamformer)21、送信部22、受信部23、受信ビームフォーマ24、Bモード処理部25およびドップラ処理部26を含む。送信ビームフォーマ21は、制御部108からの情報に基づいて、設定された焦点深度位置に電子フォーカス(focus)を行う様に、所定の遅延時間を有する駆動信号を発生する。
送信部22は、送信ビームフォーマ21からの駆動信号に基づいて、超音波プローブ10の圧電素子を駆動するバースト波形を形成する。なお、送信部22については、後に詳述する。
受信部23は、超音波プローブ10の圧電素子で受信された電気信号の初段増幅を行う。受信ビームフォーマ24は、受信部23で受信された電気信号に、送信時と同様の所定の遅延時間を加えた遅延加算を行い、音線上の電気信号を形成する。
Bモード処理部25は、遅延加算された音線上の電気信号に対数変換、フィルタ(filter)処理等の処理を行ってBモード画像を形成する。ドップラ処理部26は、遅延加算された音線上の電気信号に直交検波、フィルタ処理等を行い被検体2内の血流情報を、周波数スペクトル(spectrum)情報またはCFM(Colour Flow Mapping)情報として表示する。
図3は、送信部22の構成を示すブロック図である。送信部22は、パルサー電源部31、パルサー制御部32および複数のマルチレベルパルサー33を含む。パルサー制御部32は、第1のドライバー34、第2のドライバー35および擬似正弦波発生手段36を含み、送信ビームフォーマ21からの駆動信号に基づいて、マルチレベルパルサー33に所定の駆動波形を発生させる。この駆動波形は、矩形波または擬似正弦波等を含み、例えば擬似正弦波を発生させる場合には、擬似正弦波発生手段36により制御信号を形成する。
第1のドライバー34および第2のドライバー35は、図示しない複数のドライバーを含み、各々が後述するトランジスタQ1〜Q8を駆動し、オンオフ(on‐off)させる。なお、第2のドライバー35は、第1のドライバー34よりも出力電流の最大定格が小さく、ドライブ能力が低いドライバーである。
パルサー電源部31は、スイッチングレギュレータ(switching regulator)等を用いて構成される高圧の電源部である。パルサー電源部31は、発生される擬似正弦波の最大振幅に相当する正負の最大駆動電圧±HVHおよび概ね最大駆動電圧±HVHの半分程度の大きさを有する正負の中間駆動電圧±HVLを発生する。
マルチレベルパルサー33は、パルサー制御部32からの制御信号に基づいて、矩形波または擬似正弦波等を発生する。図4は、マルチレベルパルサー33の構成を示す回路図である。マルチレベルパルサー33は、圧電素子11に接続される電気導体からなる出力ライン1、第1のプッシュプル回路41、第2のプッシュプル回路42および接地回路43を含み、さらにこれらを構成するトランジスタ(transistor)Q1〜Q8、ダイオード(diode)D1〜D8、D30、D40,抵抗R1〜R4,R7およびR8、キャパシタ(capacitor)C1〜C4を含む。
トランジスタQ1〜Q8は、Pチャネルの電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor)を用いたQ1、Q3,Q5、Q8およびNチャネルの電界効果トランジスタを用いたQ2,Q4、Q6、Q7を含む。
第1のプッシュプル回路41は、相補トランジスタをなすトランジスタQ1およびQ2を含み、第2のプッシュプル回路42は、相補トランジスタをなすトランジスタQ3およびQ4を含む。接地回路43は、第1のトランジスタであるトランジスタQ5およびQ6並びに第2のトランジスタであるトランジスタQ7およびQ8を含む。ここで、トランジスタQ1〜Q6は、トランジスタ特性が同様の定格を有する相補トランジスタからなる。トランジスタQ7およびQ8は、第2のトランジスタをなし、第1のトランジスタであるトランジスタQ5およびQ6と比較して、オン抵抗が大きな値を有し、ドレイン電流の最大定格等が小さなトランジスタである。このようにトランジスタQ7およびQ8のオン抵抗をトランジスタQ5およびQ6よりも大きくすることにより、パルサーの設置スペースの増大を最小限に抑えることができる。
相補トランジスタをなすトランジスタQ1およびQ2は、出力部との間に整流素子を有しない第1のプッシュプル回路41を構成する。トランジスタQ1およびQ2は、それぞれ正負の電源電圧±HVHと出力ライン1との間に接続されていて、第1のプッシュプル回路41は、パルサー電源部31から最大駆動電圧である正負の電源電圧±HVHが供給される回路であり、トランジスタQ1およびQ2のソース(source)端子に接続される正負の最大駆動電圧±HVHと出力ライン1との接続を、トランジスタQ1およびQ2のオンオフ動作により制御する。トランジスタQ1およびQ2をオンオフする電気信号は、パルサー制御部32の第1のドライバー34で形成され、交流結合を行うキャパシタC1およびC2を介してQ1およびQ2のゲート(gate)端子に入力される。トランジスタQ1およびQ2のゲート端子は、ソース端子との間に抵抗R1およびR2、並びに、保護ダイオードD1およびD2が接続され、ゲート端子の動作電位の確定および過電圧保護を行っている。トランジスタQ1およびQ2のドレイン(drain)端子は、互いに接続され、第1のプッシュプル回路41の出力部をなす。この出力部は、出力ライン1と接続される。
相補トランジスタをなすトランジスタQ3およびQ4は、整流素子を有する第2のプッシュプル回路42を構成する。トランジスタQ3およびQ4は、それぞれ正負の電源電圧±HVLと出力ライン1との間に接続されていて、第2のプッシュプル回路42は、パルサー電源部31から最大駆動電圧±HVHよりも低い電源電圧、すなわち本例では、中間駆動電圧である正負の電源電圧±HVLが供給される回路であり、トランジスタQ3およびQ4のソース端子に接続される正負の中間駆動電圧±HVLと出力ライン1との接続を、トランジスタQ3およびQ4のオンオフにより制御する。トランジスタQ3およびQ4をオンオフする電気信号は、パルサー制御部32の第1のドライバー34で形成され、交流結合を行うキャパシタC3およびC4を介して、Q3およびQ4のゲート端子に入力される。トランジスタQ3およびQ4のゲート端子には、ソース端子との間に抵抗R3およびR4、並びに保護ダイオードD3およびD3が接続され、ゲート端子の動作電位の確定および過電圧保護を行っている。
整流素子であるダイオードD30およびD40は、トランジスタQ3およびQ4のドレイン端子と出力ライン1を接続し、出力ライン1のこの接続部は、第2のプッシュプル回路42の出力部をなす。整流素子であるダイオードD30は、出力ライン1の電圧がトランジスタQ3のソース端子の電圧+HVLよりも高くなる際に、この電圧+HVLの供給側へ向かう逆電流がトランジスタQ3に流れることを防止する。同様に整流素子であるダイオードD40は、出力ライン1の電圧がトランジスタQ4のソース端子の電圧−HVLよりも低くなる際に、出力ライン1側へ向かう逆電流がトランジスタQ4に流れることを防止する。
接地回路43に含まれるトランジスタQ5およびQ6は、接地端子と出力ライン1との接続を、トランジスタQ5およびQ6のオンオフにより制御する。トランジスタQ5およびQ6のドレイン端子および出力ライン1の間には、第1の整流素子であるダイオードD5およびD6が接続される。ダイオードD5は、トランジスタQ5のドレイン端子が出力ライン1に対して正電圧の際に電流を流す様に接続され、ダイオードD6は、出力ライン1がトランジスタQ6のドレイン端子に対して正電圧の際に電流を流す様に接続される。トランジスタQ5およびQ6をオンオフする制御信号は、パルサー制御部32で形成される。
接地回路43に含まれるトランジスタQ7およびQ8は、接地端子と出力ライン1との接続を、トランジスタQ7およびQ8のオンオフにより制御する。トランジスタQ7およびQ8のドレイン端子および出力ライン1の間には、第2の整流素子であるダイオードD7およびD8並びに抵抗R7およびR8が直列接続される。
ダイオードD7は、出力ライン1がトランジスタQ7のドレイン端子に対して正電圧の際に電流を流す様に接続され、ダイオードD8は、トランジスタQ8のドレイン端子が出力ライン1に対して正電圧の際に電流を流す様に接続される。トランジスタQ7およびQ8をオンオフする制御信号は、パルサー制御部32で形成される。なお、上述した様に第2のトランジスタであるトランジスタQ7およびQ8は、第1のトランジスタであるトランジスタQ5およびQ6と比較してドレイン電流の最大定格が小さいものとされる。
抵抗R7およびR8は、トランジスタQ7およびQ8に流れる電流が、例えば第1のトランジスタであるトランジスタQ5およびQ6に流れる電流の1/10程度になる様な値にされる。トランジスタQ5およびQ6のオン抵抗が10Ω程度であり、トランジスタQ7およびQ8のオン抵抗も同程度である場合には、R7=R8=100〜300Ωとされ、トランジスタQ7およびQ8のオン抵抗が100Ω程度である場合には、R7=R8=数十Ω程度にされる。
トランジスタQ7およびQ8をオンオフする電気信号は、パルサー制御部32にあるドライブ能力の小さい第2のドライバー35で形成され、トランジスタQ7およびQ8のゲート端子に入力される。
マルチレベルパルサー33のトランジスタQ1〜Q8に対するパルサー制御部32からの制御信号は、各々DVPH、DVNH、DVPL、DVPL、DVNL、DVNL、CPPおよびCPNで現す。これら文字列では、DVはDrive、NはNチャネル、PはPチャネル、Hは最大駆動電圧HVHおよびLは中間駆動電圧HVLを略語表記し、また文字列の右肩部に*印が位置する制御信号は、第2のドライバー35でドライブされるDVPLおよびDVNLに同期する制御信号を示している。
つぎに、マルチレベルパルサー33の動作について、図5および6を用いて説明する。図5は、マルチレベルパルサー33のトランジスタQ1〜Q8を駆動する制御信号の時間変化および出力される擬似正弦波を示す図である。横軸は時間軸、縦軸は電圧を示す。なお、図5(A)および(B)に示す図は、共通の時間軸を有している。
ここで、Pチャネルの電界効果トランジスタを用いたQ3、Q1、Q5およびQ8の制御信号であるDVPL、DVPH、CPPおよびDVPLは、電圧の低いレベル(level)であるLレベルで、トランジスタがオン状態となり、電圧の高いレベルであるHレベルで、トランジスタがオフ状態となる。また、Nチャネルの電界効果トランジスタを用いたQ2,Q4、Q6およびQ7の制御信号であるDVNL、DVNH、CPNおよびDVNLは、電圧の低いレベルであるLレベルで、トランジスタがオフ状態となり、電圧の高いレベルであるHレベルで、トランジスタがオン状態となる。
図5(A)では、まず制御信号のDVPLがLレベルとされ、トランジスタQ3がオン状態にされる(ステップ1)。その他のトランジスタがすべてオフ状態として、このタイミング(timing)では、図5(B)に示すステップ1の出力電圧として、中間駆動電圧+HVLが出力される。
その後、制御信号のDVPLがHレベルとされ、トランジスタQ3がオフ状態にされると同時に制御信号のDVPHがLレベルとされ、トランジスタQ1がオン状態にされる(ステップ2)。このタイミングでは、図5(B)に示すステップ2の出力電圧として、最大駆動電圧+HVHが出力される。
その後、制御信号のDVPHがHレベルとされ、トランジスタQ1がオフ状態にされると同時に制御信号のDVPLがLレベルとされ、トランジスタQ3がオン状態にされる(ステップ3)。このタイミングでは、図5(B)に示すステップ3の出力電圧として、中間駆動電圧+HVLが出力される。ここで、同時に制御信号のDVNLがHレベルとされ、トランジスタQ7もオンにされる。なお、このタイミングでの動作は、後に詳述する。
その後、制御信号のDVPLおよびDVNLがHおよびLレベルとされ、トランジスタQ3およびQ7がオフ状態にされると同時に制御信号のCPNがHレベルとされ、トランジスタQ6がオン状態にされる(ステップ4)。このタイミングでは、図5(B)に示すステップ4の出力電圧として、接地電位が出力される。
その後、制御信号のCPNがLレベルとされ、トランジスタQ6がオフ状態にされると同時に制御信号のDVNLがHレベルとされ、トランジスタQ4がオン状態にされる(ステップ5)。このタイミングでは、図5(B)に示すステップ5の出力電圧として、負の中間駆動電圧−HVLが出力される。
その後、制御信号のDVNLがLレベルとされ、トランジスタQ4がオフ状態にされると同時に制御信号のDVNHがHレベルとされ、トランジスタQ2がオン状態にされる(ステップ6)。このタイミングでは、図5(B)に示すステップ6の出力電圧として、負の最大駆動電圧−HVHが出力される。
その後、制御信号のDVNHがLレベルとされ、トランジスタQ2がオフ状態にされると同時に制御信号のDVNLがHレベルとされ、トランジスタQ4がオン状態にされる(ステップ7)。このタイミングでは、図5(B)に示すステップ7の出力電圧として、負の中間駆動電圧−HVLが出力される。また、このタイミングでは、同時に制御信号のDVPLがLレベルとされ、トランジスタQ8もオンにされる。
その後、制御信号のDVNLおよびDVPLがLおよびHレベルとされ、トランジスタQ4およびQ8がオフ状態にされると同時に制御信号のCPPがLレベルとされ、トランジスタQ5がオン状態にされる(ステップ8)。このタイミングでは、図5(B)に示すステップ8の出力電圧として、接地電位が出力される。
以上の動作により、1波長の擬似正弦波が形成される。以後、このステップ1〜8の動作を繰り返し、所定の数の擬似正弦波を有するバースト波形が形成される。
図6は、ステップ3において、トランジスタQ1がオフにされ、トランジスタQ3およびQ7がオンにされた回路の状態を模式的に示した説明図である。この図では、トランジスタQ1〜Q8は、簡略化したオンオフスイッチ(on‐off switch)として図示されている。
図7は、ステップ2からステップ3に移行する際の、出力ライン1に出力される電圧波形および電流波形を拡大して示した説明図である。図7(A)では、横軸は時間、縦軸は出力ライン1の出力電圧を示している。また、図7(B)では、横軸は図7(A)と同一の時間軸を有し、縦軸はトランジスタQ7に流れる電流の大きさを示している。
ここで、ステップ3の前段階であるステップ2では、出力ライン1に最高駆動電圧+HVHが出力されている。この状態では、容量性の負荷である圧電素子11には、+HVHの印加電圧に対応する電荷が充電されている。
その後、ステップ3では、図6に示した様にトランジスタQ1のオフと同時にトランジスタQ3およびQ7がオンにされる。この際、圧電素子11に充電された電荷により、出力ライン1の電圧は、+HVHが維持され、ダイオードD30は、オフ状態となる。一方、ダイオードD7には、順方向電圧が印加されオン状態となる。この状態で、圧電素子11に充電された+HVHの電位を有する電荷は、抵抗R7、ダイオードD7およびトランジスタQ7を通り、接地端子に放電される。
この放電は、抵抗R7の出力ライン1側の電圧である最大駆動電圧+HVHおよびトランジスタQ7の接地端子間で生じ、抵抗R7、トランジスタQ7のオン抵抗および圧電素子11の等価容量等の時定数で決まる過渡時間T1の間生じる。特に、放電を開始した直後は、最大駆動電圧+HVHおよび接地端子間の電位に比例する電流が流れるので、圧電素子11の電荷は、急速に減少し、出力ライン1の電圧も急速に降下する。
図7(B)は、ステップ2からステップ3に移行した際に、トランジスタQ7に流れる電流を示した図である。圧電素子11に充電された電荷が有する電圧は、+HVHであるので、当初トランジスタQ7に流れる電流は、抵抗R7の値およびトランジスタQ7のオン抵抗を合計した値をRQとして、+HVH/RQとなる。最大駆動電圧+HVHの値は、100Vを超える値であるので、この+HVH/RQの値も大きなものとなり、出力電圧は、短時間でもって中間駆動電圧+HVLに達する。
図7(A)は、出力ライン1の出力電圧が時間変化する様子を示したものである。出力電圧は、概ね直線的に+HVHから+HVLに減少し、出力電圧が中間駆動電圧+HVLに達すると、ダイオードD30がオン状態となり、トランジスタQ3の電源電圧である+HVLが、出力ライン1に出力される。図7(B)には、ステップ3の出力電圧が+HVLである場合に、トランジスタQ7に流れる電流が図示されている。出力電圧が+HVLである場合には、トランジスタQ7に+HVL/RQの電流が流れる。この電流は、トランジスタQ7がオン状態となるステップ3の間、定常的に流れる電流である。
ここで、ステップ2からステップ3に移行する段階で過渡的に消費される消費電力W1を求める。出力ライン1の電圧が最高駆動電圧+HVHから中間駆動電圧+HVLに変化する時間をToffおよび中間駆動電圧+HVLからステップ3の終わり迄の時間をTonとすると、W1は、Toffの時間における消費電力となる。
消費電力W1は、トランジスタQ7のオン抵抗および抵抗R7の合計抵抗RQを用いて、概ねW1=((HVH+HVL)/4×RQ)×Toffで現せる。また、Tonの時間における消費電力をW2とすると、W2=(HVL/RQ)×Tonとなる。ステップ3における全消費電力Wは、W=W1+W2となる。
また、ステップ6からステップ7に移行する場合にも、電圧極性は異なるものの、全く同様の過渡的および定常的な電力消費が生じる。この場合、ダイオードD8は、出力ライン1の電圧が負の最大駆動電圧−HVHから負の中間駆動電圧−HVLに移行する際に、オン状態となる。これにより、トランジスタQ8、ダイオードD8および抵抗R8から圧電素子11へ向かう電流が流れ、圧電素子11に充電された電荷は、過渡時間T1の間だけ放電される。
マルチレベルパルサー33で消費される電力は、例えば以下に示す構成のマルチレベルパルサー44と比較して、小さなものとなる。図8は、マルチレベルパルサー44の構成を簡略化して示した、図6と同様の説明図である。マルチレベルパルサー44のトランジスタQ1〜Q4、ダイオードD30およびD40、電源電圧±HVHおよび±HVL、図示しない接地回路であるトランジスタQ5およびQ6並びに出力ライン1は、マルチレベルパルサー33と同様である。マルチレベルパルサー44は、圧電素子11に充電された電荷を放電するために、出力ライン1と接地端子を接続する抵抗R45が配設される。ここで、抵抗R45は、100〜300Ω程度の大きさとされる。
ここで、ステップ3の前段階であるステップ2では、図6と同様に出力ライン1に最高駆動電圧+HVHが出力されている。この状態では、容量性の負荷である圧電素子11には、+HVHの印加電圧に対応する電荷が充電されている。
その後、図8に示した様にトランジスタQ1のオフと同時にトランジスタQ3がオンにされる。この際、圧電素子11に充電された電荷により、出力ライン1は+HVHの電圧が維持され、ダイオードD30はオフ状態となる。この状態で、圧電素子11に充電された+HVHの電位を有する電荷は抵抗R45を通り接地端子に電流が流れ、過渡時間T2の間過渡電流が発生する。
図9は、マルチレベルパルサー44を用いた場合の動作を示す説明図である。図9(A)は、横軸をステップ2〜4と変化する時間軸とし、縦軸をマルチレベルパルサー44の出力電圧の変化を示す電圧軸とする。図9(B)は、図9(A)と同様の時間軸を有し、縦軸に抵抗R45に流れる電流を示した図である。図8に示す様な抵抗R45に流れる過渡電流は、図9(A)の電圧波形では、ステップ2からステップ3に移行する際の過渡時間T2の間に流れる。
その後、出力ライン1の出力電圧は、圧電素子11に蓄積された電荷の放電により+HVHから低下し、+HVLの電圧になる。ここで、ダイオードD30はオン状態となり、トランジスタQ3がオン状態にある間、出力ライン1は中間駆動電圧+HVLに維持される。図9(A)の電圧波形では、ステップ3で過渡時間T2が経過した後に、ステップ4に移行する迄の間、+HVLの電圧が出力ライン1に出力される。なお、この間、抵抗R45では、電流+HVL/R45が流れる。
マルチレベルパルサー44のステップ1〜8で生じる消費電力は、マルチレベルパルサー33で生じる消費電力よりも大きなものとなる。すなわち、マルチレベルパルサー44では、ステップ1〜8の出力電圧が0Vでない期間において、抵抗R45に定常的に流れる電流が生じる。この電流は、抵抗R45を用いたマルチレベルパルサー44の消費電力を大きなものとする。一方、マルチレベルパルサー33は、ステップ3およびステップ7で生じる圧電素子11の放電および定常的な電流を除いて、電力消費は存在しない。
また圧電素子11に充電された電荷を放電する場合には、トランジスタQ7またはQ8を接地端子にオン状態として高速に放電することができるので、W1の式におけるToff時間を短くし、消費電力を一層低いものにすることができる。なお、圧電素子11に充電する場合に発生する電力の消費は、マルチレベルパルサー44およびマルチレベルパルサー33で共に同一となる。
上述してきたように、本実施の形態1では、マルチレベルパルサー33の出力ライン1および接地端子間に接続される、直列接続される抵抗R7、ダイオードD7およびトランジスタQ7並びに抵抗R8、ダイオードD8およびトランジスタQ8を並列に接続し、トランジスタQ7およびQ8をステップ3およびステップ7でオン状態とし、定常的に消費される電流をなくし、圧電素子11に充電された電荷を高速に放電することとしているので、消費電力を低減し、ひいてはマルチレベルパルサー33の発熱を少なくすることができる。
また、本実施の形態1では、マルチレベルパルサー33の接地回路43の一部として、出力ライン1と接地端子との間を接続する抵抗をさらに設けることもできる。この場合、抵抗の値は、マルチレベルパルサー44の抵抗R45と比較して大きな値の500Ω以上とされる。これにより、簡易な構成のマルチレベルパルサー44と比較して、消費電力の増加が軽減されたマルチレベルパルサーを構成することができる。
また、本実施の形態1では、接地回路43のトランジスタQ7を、第2のプッシュプル回路42のトランジスタQ3に同期してオンオフすることとしたが、トランジスタQ7のオン時間を、トランジスタQ3がオンしてから、時間Toffを越える50nsec程度の所定時間の間だけとすることもできる。これにより、例えばステップ3のTonの時間に生じる定常的な電力消費を無くすことができ、一層の消費電力の低下を図ることができる。また、同様に、トランジスタQ8のオン時間についても、トランジスタQ4がオンしてから所定時間の間だけとしてもよい。
また、本実施の形態1では、トランジスタQ7およびQ8を、第2のプッシュプル回路42のトランジスタQ3およびQ4に同期してオンオフすることとしたが、トランジスタQ3およびQ4をオフ状態のままとし、トランジスタQ1およびQ2をオンオフさせて矩形波の電気信号を発生させる場合等に、トランジスタQ7およびQ8を全くオン状態とせず、動作させない様にすることもできる。
また、本実施の形態1では、出力ライン1の出力電圧が接地電位となるステップ4およびステップ8において、トランジスタQ6またはトランジスタQ5のいずれか一方をオンオフさせることとしたが、トランジスタQ6およびトランジスタQ5を同時にオンオフすることもできる。これにより、例えばステップ3からステップ4に移行する電圧変化の際に発生するリンギング(ringing)等の過渡的な電圧変化を軽減する。
また、本実施の形態1では、出力ライン1の出力電圧が接地電位となるステップ4およびステップ8において、トランジスタQ6またはトランジスタQ5のいずれか一方をオンオフさせることとしたが、トランジスタQ6またはトランジスタQ5のオンオフに同期して、トランジスタQ7またはQ8をオンオフすることもできる。これにより、出力電圧を接地電位にする際の立ち上がりまたは立ち下がり等の過渡特性を、高速化することができる。
(実施の形態2)
ところで、上記実施の形態1では、出力ライン1および接地端子間にダイオードが接続されたトランジスタQ7およびトランジスタQ8を並列に接続し、接地端子とのオンオフを行うこととしたが、この場合出力ライン1は、接地電位に対して概ね±0.6Vに相当するダイオードのアノード(anode)およびカソード(cathode)間電位が重畳される。この残留電位を除去するために、ダイオードを除去し、トランジスタを2つ直列に接続し、同時にオンオフ動作を行うこともできる。そこで本実施の形態2では、ダイオードを除去し、2つのトランジスタを直列に接続した場合を示すことにする。
図10は、本実施の形態2にかかるマルチレベルパルサー53の構成を示す説明図である。マルチレベルパルサー53は、図6に示すマルチレベルパルサー33に対応するものであり、その他の構成は超音波撮像装置100と全く同様である。また、トランジスタQ1〜Q6は、簡略化したオンオフスイッチ(on‐off switch)として図示されているが、図4に示すトランジスタと全く同様であり、特にトランジスタQ1〜Q4は、ベースおよびソース間に抵抗R1〜R4、ダイオードD1〜D4およびキャパシタC1〜C4を有し、パルサー制御部32からの制御信号により擬似正弦波等を形成する。
マルチレベルパルサー53は、マルチレベルパルサー33の接地回路43を、新たな接地回路54に置き換えたものであり、第1のプッシュプル回路41および第2のプッシュプル回路42は、マルチレベルパルサー33のものと全く同様であるので説明を省略する。
接地回路54は、ダイオードD5およびD6、トランジスタQ5およびQ6、抵抗R9並びにトランジスタQ9およびQ10を含む。ダイオードD5およびD6並びにトランジスタQ5およびQ6は、マルチレベルパルサー33と全く同様であるので説明を省略する。
トランジスタQ9およびQ10は、各々NチャネルおよびPチャネルの電界効果トランジスタである。ここで、トランジスタQ9およびQ10は、第2のトランジスタをなし、トランジスタQ5およびQ6と比較して、例えばドレイン電流の最大定格が小さい(オン抵抗が大きい)ものとされる。
抵抗R9の端子並びにトランジスタQ9およびトランジスタQ10の各ドレイン、ソース端子は、直列接続され、出力ライン1と接地端子間に接続される。トランジスタQ9のゲートには、パルサー制御部32から出力される制御信号のDVNLが入力され、トランジスタQ10のゲートには、パルサー制御部32から出力される制御信号であるDVPLが入力される。
つぎに、マルチレベルパルサー53の動作について、図11を用いて説明する。図11は、マルチレベルパルサー53のトランジスタQ1〜Q6、Q9およびQ10を駆動する制御信号の時間変化および出力される擬似正弦波を示す図である。横軸は時間軸、縦軸は電圧を示す。なお、図11(A)および(B)に示す図は、共通の時間軸を有している。
ここで、Pチャネルの電界効果トランジスタを用いたQ3、Q1、Q5およびQ10の制御信号であるDVPL、DVPH、CPPおよびDVPLは、電圧の低いレベル(level)であるLレベルで、トランジスタがオン状態となり、電圧の高いレベルであるHレベルで、トランジスタがオフ状態となる。また、Nチャネルの電界効果トランジスタを用いたQ2,Q4、Q6およびQ9の制御信号であるDVNL、DVNH、CPNおよびDVNLは、電圧の低いレベルであるLレベルで、トランジスタがオフ状態となり、電圧の高いレベルであるHレベルで、トランジスタがオン状態となる。
図11に示したステップ1〜8の各ステップは、ステップ3および4並びにステップ7および8を除いて、実施の形態1の図5を用いて説明したステップ1〜8と全く同様である。ここでは、異なるステップ3および4についてのみ説明する。ステップ7および8は、電圧極性が反転することを除いて、ステップ3および4と全く同様の動作を行う。
ステップ3では、制御信号DVPHがHレベルにされ、トランジスタQ1がオフ状態にされると同時に、制御信号DVPLがHレベルにされ、トランジスタQ3がオン状態にされる。トランジスタQ9およびQ10の制御信号であるDVNLおよびDVPLは、各々HレベルおよびLレベルとされ、共にオン状態とされる。ここでは、実施の形態1で示したと同様の動作で、出力ライン1の出力電圧は、+HVLとなる。
ステップ4では、制御信号DVPLがHレベルにされ、トランジスタQ3がオフ状態にされると同時に、制御信号CPNがHレベルにされ、接地回路54のトランジスタQ6がオン状態にされる。トランジスタQ9およびQ10の制御信号であるDVNLおよびDVPLは、各々ステップ3と同様の状態とされ、共にオン状態とされる。ここでは、出力ライン1の出力電圧は、接地電位となる。
図12は、ステップ2〜4で出力ライン1に出力される擬似正弦波の出力電圧を図示したものである。図12(A)および(B)は、共に横軸を時間、縦軸を出力ライン1の出力電圧とした図である。図12(A)は、ステップ2〜4の出力電圧が図示され、特に、ステップ4では、出力電圧が接地電位となっている。この接地では、抵抗R9の接地側の端子は接地電位とされ、抵抗R9に電流が流れない場合には、出力ライン1の出力電圧は、接地電位となる。
図12(B)は、実施の形態1で示した図6の回路を用いた場合に、ステップ2〜4で出力ライン1に出力される出力電圧を図示したものである。特にステップ4では、出力電圧が零にならず、残留電位が出力されている。図6で示したトランジスタQ6をオン状態とした場合には、ダイオードD6を介して出力ライン1に接続される。従って、出力ライン1の出力電圧は、ダイオードD7のアノード(anode)およびカソード(cathode)間の概ね0.6V程度の残留電位が、接地電位に重畳された電圧となり、正確な接地電位とはならない。
上述してきたように、本実施の形態2では、直列接続されたNチャネルのトランジスタQ9およびPチャネルのトランジスタQ10を、出力ライン1および接地端子間に接続し、トランジスタQ9およびQ10を同期してオンオフさせることとしているので、トランジスタを破壊することなく、出力ライン1の出力電圧を、残留電位を含まない、接地電位とすることができる。
以上、本発明を前記実施の形態によって説明したが、本発明はこれに限られないことはもちろんであり、図4に示したマルチレベルパルサー33の構成を示す回路図は、本発明の主旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
超音波撮像装置の全体構成を示すブロック図である。 超音波撮像装置の画像取得部の構成を示すブロック図である。 超音波撮像装置の送信部の構成を示すブロック図である。 実施の形態1にかかるマルチレベルパルサーの構成を示す回路図である。 実施の形態1にかかるマルチレベルパルサーの出力動作を示す説明図である。 実施の形態1にかかるマルチレベルパルサーの回路動作を示す説明図である。 実施の形態にかかるマルチレベルパルサーの出力電圧およびトランジスタに流れる電流を示す説明図である。 簡易な構成のマルチレベルパルサーの構成および動作を示す説明図である。 簡易な構成のマルチレベルパルサーの出力電圧および抵抗に流れる電流の変化を示す説明図である。 実施の形態2にかかるマルチレベルパルサーの構成を示す説明図である。 実施の形態2にかかるマルチレベルパルサーの出力動作を示す説明図である。 実施の形態2にかかるマルチレベルパルサーの出力電圧および実施の形態1にかかるマルチレベルパルサーの出力電圧を示す説明図である。
符号の説明
1 出力ライン
2 被検体
10 超音波プローブ
11 圧電素子
21 送信ビームフォーマ
22 送信部
23 受信部
24 受信ビームフォーマ
25 Bモード処理部
26 ドップラ処理部
31 パルサー電源部
32 パルサー制御部
33 マルチレベルパルサー
34、35 ドライバー
36 擬似正弦波発生手段
41 第1のプッシュプル回路
42 第2のプッシュプル回路
43、54 接地回路
44 マルチレベルパルサー
53 マルチレベルパルサー
100 超音波撮像装置
102 画像取得部
104 画像メモリ部
105 画像表示制御部
106 表示部
107 入力部
108 制御部
C1〜C4 キャパシタ
D1〜D8、D30、D40 ダイオード
Q1〜Q10 トランジスタ
R1〜R9、R45 抵抗

Claims (17)

  1. 圧電素子に所定の電圧を供給して超音波を送信する超音波撮像装置であって、
    前記圧電素子と接続される出力ラインと、該出力ラインに出力部が接続される複数のプッシュプル回路と、前記出力ラインと接地端子との接続を複数の第1のトランジスタを用いてオンオフする接地回路とを有するパルサーを備えるとともに、前記複数のプッシュプル回路に大きさが異なる複数の電源電圧を供給する電源部を備え、
    前記複数のプッシュプル回路は、2つの相補トランジスタの各々が前記電源部と前記出力ラインとの間に接続される第1のプッシュプル回路と、2つの相補トランジスタの各々が前記電源部と前記出力ラインとの間に接続されるとともに、前記各相補トランジスタと直列接続されて該各相補トランジスタに逆方向電流が流れることを防止する整流素子を有する第2のプッシュプル回路とを含み、
    前記接地回路は、前記出力ラインと接地端子の接続を、前記第2のプッシュプル回路が有する相補トランジスタのオンに同期してオンする機能を有する複数の第2のトランジスタを有することを特徴とする超音波撮像装置。
  2. 前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタは、電界効果型トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の超音波撮像装置。
  3. 前記第2のトランジスタは、前記第1のトランジスタと比較して、オン抵抗が大きな値を有することを特徴とする請求項2に記載の超音波撮像装置。
  4. 前記接地回路として、前記複数の第1のトランジスタが前記出力ラインと接地端子との間に並列に接続されており、さらに各第1のトランジスタと直列接続される第1の整流素子を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の超音波撮像装置。
  5. 前記接地回路として、前記複数の第2のトランジスタが前記出力ラインと接地端子との間に並列に接続されており、さらに各第2のトランジスタと直列接続される第2の整流素子を備えることを特徴とする請求項4に記載の超音波撮像装置。
  6. 前記複数の第2のトランジスタは、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタを含むことを特徴とする請求項1〜5に記載の超音波撮像装置。
  7. 前記接地回路は、前記第2のトランジスタ及び前記第2の整流素子と直列接続された抵抗を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の超音波撮像装置。
  8. 前記接地回路は、前記出力ラインと接地端子との間に前記複数の第2のトランジスタおよび抵抗を、直列に接続することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波撮像装置。
  9. 前記複数の第2のトランジスタは、PチャネルおよびNチャネルの電界効果トランジスタを含むことを特徴とする請求項8に記載の超音波撮像装置。
  10. 前記接地回路は、前記出力ラインと接地端子を接続する抵抗を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の超音波撮像装置。
  11. 前記超音波撮像装置は、前記第1のプッシュプル回路および前記第2のプッシュプル回路の相補トランジスタ、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタをオンオフさせるパルサー制御部を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の超音波撮像装置。
  12. 前記パルサー制御部は、前記第1のトランジスタをオンオフさせる第1のドライバーおよび前記第2のトランジスタをオンオフさせる第2のドライバーを備えることを特徴とする請求項11に記載の超音波撮像装置。
  13. 前記パルサー制御部は、前記第1のプッシュプル回路および前記第2のプッシュプル回路の相補トランジスタの順序付けられたオンオフにより、前記出力ラインに前記複数の電源電圧が正弦波状に出力される擬似正弦波発生手段を備えることを特徴とする請求項11または12に記載の超音波撮像装置。
  14. 前記擬似正弦波発生手段は、前記第1のプッシュプル回路のNチャネルまたはPチャネルの相補トランジスタをオンからオフにし、かつ前記第2のプッシュプル回路のNチャネルまたはPチャネルの相補トランジスタをオフからオンにするのに同期して、PチャネルまたはNチャネルの前記第2のトランジスタをオフからオンにすることを特徴とする請求項13に記載の超音波撮像装置。
  15. 前記擬似正弦波発生手段は、前記第2のプッシュプル回路のNチャネルまたはPチャネルの相補トランジスタがオンからオフにするのに同期して、前記接地回路のPチャネルまたはNチャネルの第2のトランジスタをオンからオフにすることを特徴とする請求項14に記載の超音波撮像装置。
  16. 前記擬似正弦波発生手段は、前記第1のプッシュプル回路のNチャネルまたはPチャネルの相補トランジスタをオンからオフにし、かつ前記第2のプッシュプル回路のNチャネルまたはPチャネルの相補トランジスタをオフからオンして後の所定時間経過後に、前記接地回路のPチャネルまたはNチャネルの第2のトランジスタをオンからオフにすることを特徴とする請求項14に記載の超音波撮像装置。
  17. 前記電源部は、大きさが等しく電圧極性が正負の電源電圧を発生することを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の超音波撮像装置。
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