JP4748937B2 - 有効表面積が大きく、体積が小さい燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有効表面積が大きく、体積が小さい燃料電池の製造方法に関するものである。
従って、本発明は燃料電池の分野に関し、特にDMFC(直接メタノール型燃料電池)やPEMFC(プロトン交換膜型燃料電池)等の、電解質として固体高分子膜を有する燃料電池に関する。
固体高分子電解質型の燃料電池は、陸上交通、航空交通および水上交通のいずれにも使用できるが、中でも陸上車両について、電気自動車の電池の代替物を求めて開発プロジェクトが現在も数多く推進されている。
燃料電池は、一般的に、複数の個別のセルを含む積層構造によって構成される。これらのセルは、それぞれ、電解質の両側に位置するアノードとカソードを有する。燃料、すなわち水素燃料電池の場合は水素H2は、アノードで酸化されることで、プロトンと電子を生成する。電子は外部の電子回路に合流し、プロトンは一般的にイオン伝導膜である電解質を経てカソードの方向に導かれる。カソードにおいて大気中の酸素等の酸化剤による酸化が行われ、水素燃料電池の場合、還元によって発生したイオンとプロトンとの再結合によって水が生成される。
各セルによって得られる出力密度は非常に低く、通常は電気装置を稼動させるには不十分である。従って、有意な出力を得るためには、このような個別のセルを多く組合わせることが不可欠である。このような組合わせ作業は、一般的に個別のセルを積層することによって行われるが、セル間はバイポーラプレートと称する漏洩防止プレートによって隔てられている。
燃料電池の分野における従来技術では、様々な構造が既に提案されている。
従って、出力が10ないし50kW/セルであるいわゆる中出力の燃料電池は、一般的に、黒鉛またはステンレスからなるバイポーラプレートを、「フィルタプレス」によって、NAFION(登録商標)からなるプロトン伝導膜と2つの布電極をプレス加工して得られた膜電極アセンブリと組合わせることによって作製される。
出力が0.5ないし50W/セルの低出力燃料電池、すなわちマイクロ燃料電池は、マイクロ電子工学に使用される技術から導入された構造やプロセスの開発を必要とする。プロトン伝導物質の薄膜でマイクロ電極を作製することは難しい。また、マイクロ電極は、電子伝導性が高く、水素/空気燃料電池用のPEMFC構造の場合、特に水素の通気性が高く、メタノール/空気燃料電池用のDMFC構造の場合、メタノールやガスの通気性が高く、小さい表面積に薄膜の形態で存在することができ、熱機械抵抗が良好であることが必要である。また、マイクロ電極は、分散された形態で触媒を堆積するのに適した表面を有することも必要である。
文献では、膜電極アセンブリを形成するために、触媒に次いでNafion(登録商標)膜が連続的に堆積された多孔性シリコンに基づく構造によって区別される。しかし、このような装置の性能は、各層の接合の不備による強力な面間抵抗や、強力な電子伝導堆積物を得るために細かく分割された触媒の非常に低い分散率によって制限される。
非多孔性シリコンに関する技術は様々な研究所で開発されている。例えば、米国ローレンス・リバーモア国立研究所のチームは、シリコン基板上に、まず電子収集装置として機能するニッケルからなる金属製の薄膜を堆積して得られるマイクロ燃料電池を開発している。その次に、ニッケル上に触媒を堆積し、続いてプロトン伝導体を堆積する。次いで、目的とする燃料電池システムに従って水素またはメタノール等の還元剤を触媒と接触させるために化学エッチングによってニッケルに孔を穿孔する。この方法には、ニッケルの特徴に由来する幾つかの欠点が伴う。具体的に、ニッケルはプロトン伝導体の強力な酸性によって腐食し易い。さらに、穿孔ニッケル層におけるニッケルの分散率が低いため、触媒上に還元剤を均一に分散させる能力も低い。最後に、この技術では、3重点の存在確率が低い。
国際特許公開第WO97/11503号公報[1]および米国特許第5,759,712号公報[2]に、マイクロ燃料電池システムの中心的素子としてプロトン伝導材料を含浸させた微孔性基板を使用した燃料電池構造が記載されている。燃料電池を形成するために必要な材料は、通常の真空蒸着方法によってこの基板の両側に堆積される。この発明には主に2つの欠点がある。第1に、ポリマー基板を、特に攻撃的な真空蒸着法によって処理した場合、脆弱になる。第2に、有効表面積が足りず、プロトン交換膜上に直接堆積された触媒が脆弱であるため、電気化学的効果が低い。
ここに示した構造は、いずれも、完全に平面的であることを特徴とし、そのため、携帯電子装置に電力を供給することができるほどの電極表面積を得ることはできない。
そのため、従来技術では様々な非平面的幾何学が提案されている。
米国特許第6,080,501号公報[3]、米国特許第6,007,932号公報[4]および米国特許第6,001,500号公報[5]は、円筒構造の微小燃料電池を述べている。この構造は、金属フォームからなるマンドレルに、通常使用されるような平面幾何学を有する膜電極アセンブリを巻き付けることによるものである。しかし、このようなアセンブリの効果は、主に2つの理由で制限される。
−本来は平面状である幾何学膜電極アセンブリは、円筒幾何学に適せず、平面状の膜電極アセンブリを巻き付けた後にアノード−アノード、カソード−カソードおよび膜−膜の接触状態を復元することが非常に難しい。
−集電装置が、アノードとカソードと密接していないため、面間抵抗が過大である。
米国の他のチームは、同様の筒状の微小燃料電池デザインを開発している。膜電極アセンブリがシリンダ状に巻かれるものである。このシリンダを金属製の「シリンダキャリア」装置に統合することによって、電流を確実に集めることができる。しかし、このような構造は、特に「シリンダキャリア」システムを採用することによって大きくなり、携帯電子装置に適しない。
特開昭63−138667号公報[6]に、非平面状の燃料電池構造を実現するための方法が記載されており、この方法は、グリッド状に基板に形成された孔の一部の内面にセル膜を堆積するものである。このような基板を複数組立てる可能性についても述べてある。
しかし、上述の方法によって得られる装置は、次の欠点を有する。
−孔の配置によって、より具体的には孔が非常に高さの低い平行六面体の形状を成しているため、該孔の内面に均一のセル膜を堆積することが難しい。
−この文献による幾何学や孔の配置によって、グリッド状の基板の孔の一部を燃料電池の供給反応物を供給するために使用する必要があるため、セル膜を堆積することのできる表面積が少なくなり、その結果、この構造ではある程度のセルの電力損失が避けられない。
従って、総合体積をできるだけ抑えながら、電極の有効表面積を大きく維持し、電気接続系統や反応物の分配系統を形成することができる燃料電池を可能にする燃料電池の製造方法が要求されている。
また、このような燃料電池において、特に陸上交通の分野で使用されている燃料電池に対応する電力を得ることが可能であることが必要である。
国際特許公開第WO97/11503号公報 米国特許第5,759,712号公報 米国特許第6,080,501号公報 米国特許第6,007,932号公報 米国特許第6,001,500号公報 特開昭63−138667号公報
従って、本発明は、常用に適し、上述の要求に応じることができ、従来技術の欠点、短所、欠陥および制限を有せず、床占有面積より遥かに大きい有効表面積を有する燃料電池を製造することを可能にする燃料電池の製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、燃料電池内に反応物分配系統や電気接続系統を形成するために多くのスペースを節約することができる高電力燃料電池を得ることを可能にする燃料電池の製造方法を提供することを目的とする。
最後に、本発明は、体積が小さいながら、有効表面積が大きい燃料電池を提供することも目的とする。
本発明によると、これらの目的は、燃料電池の製造方法であって、該燃料電池が、電気的に接続された複数の個別のセルを有し、各個別のセルが少なくとも3つの層、すなわち第1の電極層と第2の電極層とその間に配置された膜層を有し、該方法が、順番に、
−2つの基板の間に、第1の開口部と第2の開口部を介して各基板の両側の面に開き、側面を有する複数の孔を形成する過程、
−該孔の側面に個別のセルを形成する過程、
−各基板の少なくとも1つの面に、個別のセルを互いに接続する、電気接続系統および反応物分配系統を形成し、基板、個別のセルおよび該系統からなる組立体が基礎モジュールを構成する過程、および、
−各基礎モジュールの個別のセルが隣接する基礎モジュールの個別のセルに対向配置されるようにして少なくとも2つの基礎モジュールを組合わせる過程を有し、複数の孔を形成する過程において、各孔の該第1または第2の開口部のうち少なくとも1つの表面積が、該両側の面に平行な平面に沿った該孔の少なくとも1つの断面の表面積より小さいように各孔が形成され、各孔において、第1または第2の開口部の表面積が、他の開口部の表面積より小さいことを特徴とする方法によって果たされる。
本発明において、「基礎モジュール」とは、個別の燃料セルが形成されている基板からなり、該セルが、電気接続系によって互いに電気的に接続されており、反応物分配系によって供給を受け、各系統が、孔が形成された基板の少なくとも1つの面に形成されている組立体を意味する。
本発明において、側面とは、孔を形成する壁の面を意味する。
本発明において、反応物分配系統とは、酸化剤または還元剤を電極に供給するための系統を意味する。
また、基板の両側の面に対して平行な平面に沿った孔の断面とは、上述の開口断面以外の任意の断面を意味する。
また、基板とは、実質的に平行六面体状の基板を意味することと理解することが好ましい。
上述の説明および以下の説明において、有効表面積とは、燃料電池において電気化学反応が発生する電極によって占有される表面積を意味することと理解される。
本発明において、孔とは、実質的に円錐台形状または実質的に角錐台形状の孔であることが望ましい。
このような幾何学を有する孔の形成によって、次の利点が得られる:
−上述の日本の文献による設計のように、基板に対して直角を成す壁を有する孔に比べて、垂直に対して実質的に傾斜している壁を有する輪郭の孔を形成することによって、個別のセルを形成するために必要な層の堆積の容易化に寄与する、
−基板に対して直角を成す壁を有する孔に比べて、他の開口断面の表面積より小さい開口断面表面積を有する孔を形成することで、特に最小の開口断面表面積を有する面において、孔が形成される面上のスペースを節約することができ、このスペースの節約によって、電気接続系統および反応物分配系統の形成および/または燃料電池の有効表面積を拡大するための孔の追加形成が可能になる、
−基板に対して直角を成す壁を有する孔に比べて、側面(孔の内部表面積)を大きくすることができ、側面が個別のセルを形成するための基礎として機能するため、有効表面積を拡大することができる。
上述の説明において、比較のために、基板に対して直角を成す壁を有する孔を云う時、これらの直角の壁を有する孔が、上述の第1の開口断面または第2の開口断面と同一の断面を有する。
さらに、本発明は、2つ以上の基礎モジュールを組合わせることによって得られる燃料電池の有効表面積をさらに拡大させることを可能にする点で有利である。
従って、本発明において、2つ以上の基礎モジュールを組合わせることで、孔を互いに向き合うように配置してその側面の表面積を拡大することができる点で有利である。
よって、本発明の方法によって、燃料電池の有効表面が基板を構成する物質内に位置するため、床占有面積を縮小しながら有効表面積を拡大させた燃料電池を得ることができる。
また、本発明は複数のモジュールを、所定の孔に特定の幾何学を設けて組合わせたことによって得られたシステムを実現したことによって、該孔の壁の有効層を製造し易くしたことが主な利点である。
実際、単一モジュールの燃料電池構造を考えると、例えば円錐体積を有する孔の場合に、壁の傾斜は、特に基板の厚さや孔の開口断面表面積等の幾何学によって固定される。この種のシステムにおいて、有効表面積を獲得するために、傾斜の高い壁を形成することが必要になる。一方、本発明の方法によって、複数のモジュールから組立てられたシステムは、(単一モジュールの場合に比べて)高さが低いモジュールによって構成することができるので、孔の内壁の傾斜をより浅くすることができる。その結果、このシステムでは、個別のセルを形成するために層を堆積し易くなっている。
本発明によると、各基板に形成された孔は、エッチングまたはレーザー切除によって形成することができる。
本発明によると、基板は、多孔性シリコン、黒鉛、セラミックおよびポリマーからなる群より選択された材料によって構成され得る。
例えば、セラミックとしては酸化チタンまたはアルミナ、ポリマーとしてはテフロン(登録商標)、Peek(登録商標)またはポリスルホンが考えられる。
各基板に形成される各孔が、表面積が該孔の側面より小さい第1の開口部と第2の開口部を有することが好ましいが、これによって、基板の面の多くを、電気接続系統や反応物分配系統を形成するために使うことができる。
本発明によると、各孔の側面に、第1の電極層、膜層および第2の電極層を形成するために、3つ以上の層を各孔の側面に連続的に堆積することで、各基板に形成された孔に個別のセルを形成する。
また、この製造段階で、各電極層に集電装置を形成することができる。
本発明によると、2つの基礎モジュールの組立過程が、この組立過程によって、系統(すなわち電気接続系統や反応物分配系統)を有しない2つの面を対向配置させる場合、
−少なくとも1つの該系統を有しない面に接着層を設ける過程、および
−該面に基礎モジュールを接合する過程を連続的に行うものであっても良い。
本発明によると、少なくとも1つが電気接続系統および/または反応物分配系統を有する2つの面が対向するようにして2つの基礎モジュールを組合わせる過程が、
−該系統が設けられた面を、不透過性の絶縁層によってマスキングする過程、
−該系統が設けられた面を平坦化する過程、
−組合わせたい面のうち少なくとも1つに接着層を設ける過程、および
−該基礎モジュールの組合わせたい該面を接合する過程を連続的に行うものであっても良い。
接着層は、膜層と同一の組成物からなることが好ましい。
これは、1つの過程で、孔の壁に膜を形成し、表面に接着層を形成することを可能にする。
本発明の変形実施形態によると、接着層として、膜層と異なる接着剤であって、エポキシド、ポリイミド、シリコーンおよびアクリルポリマーからなる群より選択されたものであっても良い。
本発明のさらなる変形によると、接着層は、酸化シリコンと窒化シリコンより選択された材料からなる。
本発明によると、接着層が形成されると、クランプによって2つの基礎モジュールを接合することができる。
本発明のさらなる実施形態によると、2つの基礎モジュールを接着することで接合することができる。
最後に、分子付着によって接合することもできる。
マスキング過程、平坦化過程および接着層を形成する過程が、単一の層を形成することで同時に行われることが好ましい。
本発明の特に好ましい実施形態によると、単一層は、膜層と同一の組成物からなる層である。
変形によると、単一層は、酸化シリコンおよび窒化シリコンより選択された材料からなる接着層である。
本発明は、上述の方法によって得られた燃料電池を提案することをさらなる目的とする。
本発明による燃料電池の製造方法は、連続して、少なくとも1つの基板に複数の孔を形成する過程、それに続く各孔に個別のセルを形成する過程、各基板の少なくとも1つの面にカソード接続系統、アノード接続系統および反応物分配系統を形成し、その結果得られたアセンブリが基礎モジュールとなる過程、少なくとも2つの基礎モジュールを組合わせる過程を有し、該孔が、各孔の該第1および/または第2の開口部の少なくとも1つが、該対向面に対して平行な平面上の該孔の少なくとも1つの断面の表面積より表面積が小さく、各孔において、第1または第2の開口部が他方の開口部の表面積より表面積が小さい。
各基板に複数の孔を形成する過程は、例えばプラズマエッチングまたはウェットエッチング等のエッチングプロセスによって、任意の既知のプロセスによって行うことができる。孔が形成されると、例えば第1の電極層、膜層および第2の電極層、さらに適切であれば各電極層上に集電装置を各孔の側面に連続的に堆積することによって各孔の側面に個別の燃料セルが形成される。本発明によると、堆積物を薄膜の状態で得ることを可能にするあらゆる既知のプロセスによって電極層を堆積することができる。この堆積過程は、例えば、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、スピンコーティングまたは例えば白金炭素等のベース層を浸漬することによって行うことができる。
本発明によると、膜層の堆積を、例えば液体経由で行うことができる。例えば、膜を形成する材料を、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスチレンとその誘導体、ポリエーテルケトンとその誘導体、ポリベンゾキサゾール、ポリベンゾイミダゾールとその誘導体、および、パラフェニレンやポリパラキシリレン等のポリアリーレンからなる群より選択されるものであっても良い。
このようにして得られた個別のセルは、各々の個別の電力を集合するために、電気接続することが意図される。さらに、これらのセルに反応物を供給する必要がある。これをするためのプロセスは、基板の少なくとも1つの面に電気接続系統および反応物分配系統を形成する過程を有する。
これらの電気接続過程を実行するために、感光性樹脂または感光性ドライフィルム等による写真平板技術を用いることができる。また、特に強力なイオン衝撃エッチング等のエッチング技術が考えられる。
反応物分配系統は、基板の少なくとも1つの面にエッチングによって溝を形成し、該溝によって反応物の経路を制御し、分散層の適用によって経路を最適化することが可能である。
図1に、本発明による幾何学構造を有する孔1を示し、本発明の方法の一部を成す過程の際に、孔の壁に1つのセルを構成する層が堆積されている様子が見える。
この特定の実施形態によると、孔1が具体的には正方形の底面を有する角錐台形であり、1aで示す第1の開口部と第2の開口部1bを介して基板9の対向面9a、9bの両側に開口し、第1の開口部の表面積が、この特定の形態では、孔の上述の対向面に平行なその他のすべての平面に沿った断面積より小さく、該孔が側面1cを有する。この孔は、内部の輪郭が傾斜しており、壁が該基板の対向面に対して直角である孔に比べて個別のセルを形成する過程が容易である。
この孔の側面1cに次の層が連続的に堆積される。
−アノード集電装置2であって、トラック3の形態のアノード接続系統に表面が接続された集電装置、
−この形態ではアノードの機能を果たす第1の電極層4、
−膜層5、
−カソードの機能を果たす第2の電極層6、および
−トラック8の形態のカソード接続系統に表面が接続されたカソード集電装置7。
本発明の用語によると、個別のセルが形成された孔が設けられた基板は基礎モジュールを構成し、該モジュールを少なくとも1つのさならるモジュールと組合わせることによって少なくとも1つのキャビティレベルを形成する。
本発明の説明に使用されるこの「キャビティレベル」なる用語は、上述のような基礎モジュールを2つ組合わせることによって得られるアセンブリを意味する。
図2から、本発明のある特定の実施形態によって、9'で示す2つの基礎モジュールを組合わせる方法を理解することができる。すなわち、この図面は、実質的に同一の平行六面体の形状を有し、底面が正方形の角錐台形状の3列の孔10が設けられた2つの基板9を示す。各孔10は、図1について上述した個別のセルを構成し、各セルはトラック状の電気接続11、12(それぞれアノードとカソード)の系統によって、各個別のセルの有効表面積が累積的に組み合わされるようにして直列接続される。本発明の変形によると、各セル間の接続が並列接続であってもよいことが明らかであろう。図面を簡易化するために、反応物分配系統は図示しない。
本発明のこの特定の実施形態によると、組立前に、2つの基礎モジュールの電気接続系統や反応物分配系統を有しない面が、反応物に耐性を有する接着層13によって被覆される。この接着層は、例えば、反応物に対するシール性のために使用される膜層等であるが、例えば、エポキシド、ポリイミド、シリコーンおよびアクリル系ポリマーからなる群より選択された物質によって形成された、接着性を有する層であっても良い。
2つの基礎モジュールを組合わせる際、1つの基礎モジュールの孔が隣接する基礎モジュールの孔に対向するように配置することで、片方のモジュールの孔の有効表面積が隣接モジュールの穴の有効表面積と累積的に組み合わされるようにする。このような結果を得るために、組合わせたい基礎モジュールの位置を、例えば各モジュールに位置決め用のクロスシステムを有する二面位置決め装置を使用して決める。
位置を決定したら、2つの基礎モジュールを接合する過程によって組立を完了するが、この過程は様々な方法によって実行することができる。
従って、特にモジュールの少なくとも1つの系統を有しない面に設けられた接着層が、2つの基礎モジュールを確実に接着させるのに十分な接着性を有しない場合に、クランプによる接合が考えられる。
また、接着することで接合することもできる。考えられる接着方法として、分子付着による接着、接着剤の塗布による接着およびガラス転移温度付近における同一種類のポリマー材料の処理に続く溶接等がある。例えば、接着層が膜層と同一の構成からなるものであって、該膜がポリマー材料からなるものであれば、ポリマーのガラス転移温度以上の温度において層を熱処理することによって接合することができる。
2つの基礎モジュールを接合するこの過程によって得られる組立体は、本発明の用語で、キャビティレベルと言う。
有効表面積と該燃料電池の床占有面積との間の比率がより高い燃料電池を得るためには、本発明によると、例えば少なくとも2つのキャビティレベルを、あるいは少なくとも1つのキャビティレベルを少なくとも1つの基礎モジュールと組合わせることで、2つ以上の基礎モジュールを組合わせることが考えられる。
これを実現するために、この種の組立に際して、必要であれば、接着したい面上の電気接続系統および反応物分配系統を不透過性の絶縁層によってマスキングする過程と、該系統が設けられた面を平坦化する過程と、それに続く接着したい面のうち少なくとも1つに接着層を設ける過程と、最後に、当該面を接合する過程を含ませることが望ましい。
接着したい面のうち少なくとも1つに、アノードおよび/またはカソード接続系統および/または反応物分配系統が設けられている2つの基礎モジュールを組合わせることが必要な場合にも同様の過程を実行することができる。
その名の通り、マスキング過程は、2つの面の接着中の短絡の問題や反応物の漏洩の問題を避けるために、電気接続系統および反応物分配系統をマスキングするものである。
この過程は、例えば、不透過性の絶縁層を設けることで行うことができる。
平坦化過程は、接着したい系統を有する外面を、例えば平坦化層を設けたり、研磨等の機械的プロセスを施すことによって、平坦にするものである。この平坦化過程は、モジュールの組立中の表面の不連続性の問題を避けるのに必要である。
本発明の特に好ましい実施形態によると、マスキング過程、平坦化過程および接着層形成過程が、例えばNafion(登録商標)等からなる膜と同一の構成の層または例えば酸化シリコンや窒化シリコン等より選択された無機性材料の層等の単一の層、あるいは、これら様々な材料からなる複数の層を設けるものである。
図3に、本発明の特定の実施形態によって得られた2つのキャビティレベルの接合によって得られた燃料電池の断面図を示す。
これらの基礎モジュールに形成された孔14は、本発明による孔の幾何学に対応して円錐台形状である。
各孔14の側面14aに、第1の電極層15、膜層16および第2の電極層17の各層が積層されている。
不透過性の接合層に相当する層18が、組合わせることでキャビティレベル20を構成する2つの隣接する基礎モジュール19間の液密性を確保するために設けてある。本発明の特定の実施形態によるこの構造において、層18は膜層16と同一の構成からなっている。また、この実施形態によると、キャビティレベル20を作製するために2つの基礎モジュール19を組合わせる過程は、系統を有しない2つの面を組合わせるものであることに注意されたい。
付着性、液密性、絶縁性および平坦化を同時に付与する単一の層21によって、2つのキャビティレベル20を組合わせる。本発明の特定の実施形態によって得られたこの構造によると、単一層21は膜層16と同一の構成からなる。
2つのキャビティレベルのセルは、直列の電気接続22、23の系統によって電気的に接続される。
2つの基礎モジュールを組合わせてキャビティレベルを作製する過程や、2つのキャビティレベルを作製する過程は、様々な方法で実施することができる。
例えば、図4A、4Bおよび4Cに、4つの基礎モジュールの様々な組合わせの断面図を示す。これらの特定の実施形態によると、各基礎モジュールは複数の孔を有し、該孔は円錐台形状である。
図4Aにおいて、2つのキャビティレベル25はいずれも2つの基礎モジュール24を組合わせることによって得られ、特に孔26の底面27(図中、実線で示す)を対向配置し、そのようにして形成された空洞の上面28(図中、実線で示す)を対向配置することによって該レベルが作製される。
図4Bにおいて、2つのキャビティレベル25はいずれも2つの基礎モジュール24を組合わせることによって得られ、特に孔26の上面28を対向配置し、そのようにして形成された空洞の底面27(図中、実線で示す)を対向配置することによって該レベルが作製される。
最後に、図4Cによると、各キャビティレベル25は、2つの基礎モジュール24を、一方の底面27が他方の上面28と対向するようにして孔26を配置して組合わせることで得られ、該レベルは一方の底面27が他方の上面28と対向するようにして空洞を配置することで作製される。これらの異なる組み合わせ形態によって、燃料電池を構成する個別のセルの基盤となる複雑な空洞が形成されるので、空洞の開口部の表面積に比して大きい表面積が内部に得られる。その結果、このようにして作製されたアセンブリの見かけの表面積に比べて大きい有効表面積が得られる。
次に、本発明を実施例によって説明するが、これは例示的なものであり、本発明を制限するものではない。
目的は、エネルギー10Whと見かけの表面積25cm2に対して有効表面積350cm2を得ることである。
この目的を果たすために、基板は、孔の配列がエッチングされた厚さ400ミクロン、見かけ表面積25cm2の単一結晶性のシリコンウェハである。孔はプラズマエッチングによって形成され、辺の長さが100ミクロンの正方形断面形状を有し、空洞内の表面積と総合表面積との比率である開口表面積が56%であり、孔の入口側の表面積と出口側の表面積との間の縮小率が80%である。従って、得られた表面積が見かけの表面積の7倍である。燃料セルを形成するために必要な薄膜が、孔の側面に連続的に堆積されるが、これらの薄膜は次のものからなる:
−本実施例において、有効インクをスプレーによって塗布した触媒層および集電装置を有するアノード、
−浸漬することで付設したNAFION(登録商標)の薄膜の形態の微細電解質膜、および
−カソードの反応を活性化するために膜上に設けられた触媒層とそれに続くカソードにおける電流の集電を図るための金属堆積層。
本実施例において、アノードおよびカソード接続の系統は、フォトレジストおよび感光性のドライフィルムを使用して写真平板技術によって、基板の1つの面に形成され、反応物分配系統はチャネルをエッチングすることで形成される。これらの過程が終了すると基礎モジュールが得られる。
2つの基礎モジュールは、NAFION(登録商標)層を介して組合せた後、ガラス転移温度以上の温度における熱処理によって接着される。
複数のキャビティレベルの組立は、シリカ層を使用して行われ、分子付着過程によって終了する。
組立てたいモジュールまたはキャビティレベルの細かい配置作業は、二面位置決め装置を使用して行われる。
図1は、本発明の方法によって側面に個別の燃料電池が作製され、本発明による幾何学を有する孔を示す断面図である。 図2は、2つの基礎モジュールの組合わせ(本発明の用語によると、この2つの基礎モジュールの組合わせを「キャビティレベル」と称す)を示す等測投影図である。 図3は、2つのキャビティレベルを並列に接合して得られた組合わせであって、本発明の方法によって得られた組合わせを示す断面図である。 図4に、4つの基礎モジュールの様々な組合わせ方を示す。

Claims (20)

  1. 燃料電池の製造方法であって、該燃料電池が、電気的に接続された複数の個別のセルを有し、各個別のセルが少なくとも3つの層、すなわち第1の電極層と第2の電極層とその間に配置された膜層を有し、該方法が、順番に、
    −2つの基板(9)内に、第1の開口部(1a)と第2の開口部(1b)を介して各基板の両側の面(9a、9b)に開き、側面(1c)を有する複数の孔(1、10)を形成し、側面(1c)にチャネルを形成する過程、
    −該孔の側面(1c)に個別のセルを形成する過程、
    −各基板の少なくとも1つの面に、個別のセルを互いに接続する、電気接続(11、12)系統および酸化剤または還元剤を電極へ供給する反応物分配系統を形成し、基板、個別のセルおよび該系統からなる組立体が基礎モジュール(9')を構成する過程、および、
    −各基礎モジュールの個別のセルが隣接する基礎モジュールの個別のセルに対向配置されるようにして少なくとも2つの基礎モジュール(9')を組合わせる過程を有し、複数の孔を形成する過程において、各孔の該第1または第2の開口部(1a、1b)のうち少なくとも1つの開口面積が、該両側の面に平行な平面に沿った該孔の少なくとも1つの断面の開口面積より小さいように各孔が形成され、各孔において、第1または第2の開口部の開口面積が、他の開口部の開口面積より小さいことを特徴とする方法。
  2. 各孔が、実質的に円錐台形状であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の製造方法。
  3. 各孔が、実質的に角錐台形状であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の製造方法。
  4. 各基板に形成された各孔が、該孔の側面より小さい開口面積を有する第1の開口部と第2の開口部を有することを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の燃料電池の製造方法。
  5. 各基板に形成された孔が、エッチングによって形成されることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の燃料電池の製造方法。
  6. 各基板に形成された孔が、レーザー切除によって形成されることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の燃料電池の製造方法。
  7. 基板が、多孔性シリコン等のシリコン、黒鉛、セラミックおよびポリマーからなる群より選択された物質からなることを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の燃料電池の製造方法。
  8. 個別のセルが、各孔の側面上に少なくとも3つの層を連続的な堆積処理によって、第1の電極層、膜層および第2の電極層を形成することで作製されることを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の燃料電池の製造方法。
  9. 個別のセルを形成する過程が、さらに、各電極層に集電装置を堆積する過程を含むことを特徴とする請求項8に記載の燃料電池の製造方法。
  10. 電気接続(11、12)系統および反応物分配系統を有しない2つの面が対向するようにして2つの基礎モジュールを組合わせる過程が、次の過程:
    −少なくとも1つの該系統を有しない面に接着層(13)を設ける過程、および
    −該面に基礎モジュールを接合する過程を含むことを特徴とする請求項1ないし9のうちいずれか1項に記載の燃料電池の製造方法。
  11. 少なくとも1つが電気接続系統および/または反応物分配系統を有する2つの面が対向するようにして2つの基礎モジュールを組合わせる過程が、次の過程:
    −該系統が設けられた面を、不透過性の絶縁層によってマスキングする過程、
    −該系統が設けられた面を平坦化する過程、
    −組合わせたい面のうち少なくとも1つに接着層を設ける過程、および
    −該基礎モジュールの組合わせたい該面を接合する過程を含むことを特徴とする請求項1ないし9のうちいずれか1項に記載の燃料電池の製造方法。
  12. 接着層(13)が、膜層と同一の構成からなる層あるいは酸化シリコンまたは窒化シリコンからなる群より選択された材料からなる層であることを特徴とする請求項10または11に記載の燃料電池の製造方法。
  13. 接着層が、エポキシド、ポリイミド、シリコーンおよびアクリルポリマーより選択された接着剤に相当することを特徴とする請求項10または11に記載の燃料電池の製造方法。
  14. 接合過程がクランプによって行われることを特徴とする請求項10ないし13のうちいずれか1項に記載の燃料電池の製造方法。
  15. 接合過程が分子付着によって行われることを特徴とする請求項10ないし13のうちいずれか1項に記載の燃料電池の製造方法。
  16. 接合過程が接着剤による接着によって行われることを特徴とする請求項10ないし13のうちいずれか1項に記載の燃料電池の製造方法。
  17. マスキング過程、平坦化過程および接着層を形成する過程が、単一の層を形成することで同時に行われることを特徴とする請求項11に記載の燃料電池の製造方法。
  18. 単一の層が膜層と同一の構成からなることを特徴とする請求項17に記載の燃料電池の製造方法。
  19. 単一の層が酸化シリコンおよび窒化シリコンからなる群より選択される材料からなることを特徴とする請求項17に記載の燃料電池の製造方法。
  20. −複数の孔(1、10)を有する少なくとも2つの基板(9)であって、各基板の各孔が第1の開口部(1a)と第2の開口部(1b)を介して、各基板の両側の面(9a、9b)に開口し、各孔が側面(1c)を有し、側面(1c)にチャネルが形成された2つの基板(9)、
    −各孔の側面(1c)に形成された個別のセル、および
    −各基板の両側の面のうち少なくとも一方に形成され、個別のセルを互いに接続する電気接続系統(11、12)および反応物分配系統を具備する燃料電池であって、
    基板、個別のセルおよび該系統からなる組立体が基礎モジュールを構成し、少なくとも2つの基礎モジュールが、各基礎モジュールの個別のセルが隣接する基礎モジュールの個別のセルに対向配置されるように組立てられ、
    各孔の第1または第2の開口部(1a、1b)のうち少なくともいずれか一方の開口面積が、両側の面に対して平行な平面に沿った該孔の少なくとも1つの断面の開口面積より小さく、各孔において、第1または第2の開口部の開口面積が、他方の開口部の開口面積より小さいことを特徴とする燃料電池。
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