JP4748849B2 - 樹脂製ブレードを有する斜流ファン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般産業用、家庭用のプラスチック製ファンや自動車等における機関冷却用ファンの回転を外部周囲の温度変化あるいは入力回転変化に追随して制御せしめ、絶えず走行状態に応じた冷却風量を自動調整して機関に供給する流体式ファンカップリング装置等の樹脂製ブレードを有する斜流ファンに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車のエンジン冷却水冷却用ラジエータを冷却するエンジンファンを制御する流体式ファンカップリング装置は、冷却用ファンが取付けられたハウジングの内部を仕切板により油溜り室と駆動ディスクを内装するトルク伝達室とに区劃し、回転時の油の集溜する駆動ディスクの外周壁部に対向するハウジングの内周壁面の一部にダムと、これに連なってトルク伝達室側より油溜り室に通じる循環排出路を形成すると共に、外部周囲の温度が設定値を超えると前記仕切板に設けられた油供給調整孔を開放し、設定値以下では前記油供給調整孔を閉鎖する弁部材を、前記ハウジングに設けた感温体の温度変化に伴う変形に連動するように内部に備え、トルク伝達室におけるトルク伝達間隙部での油の有効接触面積を増減させて、回転軸体側から被駆動側のハウジング側へのトルク伝達を制御し冷却用ファンを回転させる構造となっているものが一般的である。
【0003】
このような構成の流体式ファンカップリング装置における冷却用ファンとしては、金属製のものと樹脂製のものがあるが、樹脂製ファンの方が金属製ファンより軽量で振動吸収性が高く低騒音でかつコストも安価であることから、プラスチック製ファンが多く採用されている。その樹脂製ファンとしては、環状のファンボス部の外周面に多数(通常4〜10枚)のファンブレードが配設されたものが一般的である。しかるに、この種のファンの場合は、ファンの上流側抵抗が高い場合、流速はファンの中心に近くなるにつれて遅くなるので、ファンの中心部の下流側は大気圧よりも圧力が低い領域が発生し、ファンを通過した流れの一部が逆流したり、渦流が発生し、ファン性能を低下させている。
かかる対策として、特開昭59−176499号公報には、ファンボス部を斜めに傾斜した対流外郭形状にして、気流の剥離を防止し、ファン効率を高めた斜流ファンが、特公平8−6713号公報にはボス部が円錐台形状の斜流ファンにおいて、消費動力が少なくかつ風量が大となる条件として、ボス部の傾斜角と翼部の幅その他の相関関係を特定したラジエータのファンが、それぞれ提案されている。
【0004】
図18、図19にはボス部が円錐台形状の斜流ファンを例示したもので、円錐台形状をなしたボス部111の外周面に多数(通常4〜10枚)のファンブレード112が配設されている。このファンはプラスチック(合成樹脂材)射出成形体からなり、ファンブレード112の付け根部113はボス部111の軸線に対して所定角度傾斜しある迎角をもって取付けられると共に、ファンブレード112自体が付け根部113からその先端縁にいくにしたがって捩じられ徐々に小さな迎角をもった形状になっている。このファンは前記ハウジングに取着される金属製のインサート114に取付けられる。なお金属製のインサート114は、先端部が直角に折曲げられた環状のフランジ部を有するものと、フランジ部を有しないフラットなものとがある。
なお、上記樹脂製ファンのブレードの材質としては、PP、PPG(G:グラスファイバー)、N(ナイロン)、NG(G:グラスファイバー)があり、強度はPPが最も弱くてPPG、N、NGの順に強く、コストもPPが最も安く、PPG、N、NGの順に高い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような斜流ファンにおけるテーパ付きボス部は、製造する際に成型金型が複雑になり非常に高価なものとなり成型時間も長くなるため製品コストが高くつくという欠点がある。
また上記した流体式ファンカップリング装置等における樹脂製斜流ファンは、一般に鋼板製のインサートに樹脂製ブレードが一体成形されている。その製造に際して、樹脂製ブレードの成形は溶融点約270℃程度で行われ、その後冷却されるが、エンジン使用時にはファンカップリング装置から発生する熱はインサートを伝わって樹脂製ブレードを高温にし、ファンカップリング装置に近い部分、すなわちブレード付根部の樹脂温度は約230℃程度の高温となる。そのため樹脂製ブレードのファンカップリング装置に近い部分には、鋼と樹脂の熱膨張係数の差(鋼の熱膨張係数は樹脂の1/10)により過大な応力が発生する。また回転中はファンブレードに遠心力や風圧による捩れ、振動による曲げモーメントなどがかかるため当該ブレードの付け根部に応力が集中する。この応力はボス部の特にブレードを回す力となる回り止め穴付近に大きく発生し、ボス部自身の大きな体積により生ずる大きな遠心力による大きな応力と相俟って強度に影響を与えブレードとブレードの間のボス部に亀裂が入る可能性があった。また、ボス部が存在するとファンカップリング装置廻りの冷却風が停滞し風量が減少し風速が低下して冷却が十分でなく、ファンカップリング装置のシリコンオイルやベアリングの温度上昇を招き耐久性低下の原因となる。
【0006】
本発明は、上記した問題を解決するためになされたもので、ファンを通過した流れが剥離したり逆流したりすることが有効に防止できるとともに、従来の斜流ファンに比し低コストでファン効率が高く、さらにファン回転中の応力集中や材料の熱収縮により発生する応力による亀裂の発生を防止しファンの耐久性と冷却性能の向上がはかられる樹脂製ブレードを有する斜流ファンを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る樹脂製ブレードを有する斜流ファンは、相手部材への取付部(ディスク)を金属製とし、ブレードを樹脂製とした斜流ファンにおいて、前記金属製の取付部に前記樹脂製ブレードをそれぞれ独立して設けた構成となしたもので、
第1発明は、相手部材への取付部を金属製とし、ブレードを樹脂製とした斜流ファンにおいて、金属製のディスクに別体の金属製のスパイダー部を独立して溶接、リベット、ボルト等で取付け、気流の流れを斜流化するためのコーン状フィンを1ないし複数個設けた樹脂製ブレードを前記スパイダー部に一体成形することを特徴とし、
第2発明は、相手部材への取付部を金属製とし、ブレードを樹脂製とした斜流ファンにおいて、金属製のディスクに別体の金属製のコーン状部材を独立して溶接、リベット、ボルト等で取付け、該コーン状部材に別体の金属製のスパイダー部を溶接、リベット、ボルト等で取付け、該スパイダー部に樹脂製ブレードを一体成形することを特徴とし、
第3発明は、相手部材への取付部を金属製とし、ブレードを樹脂製とした斜流ファンにおいて、金属製のディスクに別体の金属製のスパイダー部付きコーン状部材を独立して溶接、リベット、ボルト等で取付け、前記スパイダー部に樹脂製ブレードを一体成形することを特徴とし、
第4発明は、円周方向に隣接するスパイダー部または樹脂製ブレードの根元部分の対向部の少なくとも一方に延長部を設けて当該部分を相重ねてスパイダー部間または樹脂製ブレード間の隙間を少なくしたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る樹脂製ブレードを有する斜流ファンの参考例1を示す正面概念図、図2は図1イーイ線上の部分拡大縦断面図、図3は同じく参考例2を示す一部正面概念図、図4は図3ローロ線上の部分拡大縦断面図、図5は同じく参考例3を示す一部斜視概念図、図6は本発明に係る樹脂製ブレードを有する斜流ファンの第1実施例を示す一部正面概念図、図7は図6ハーハ線上の部分拡大縦断面図、図8は同じく第2実施例を示す一部正面概念図、図9は図8ニーニ線上の部分拡大縦断面図、図10は同じく第3実施例を示す一部正面概念図、図11は図10ホーホ線上の部分拡大縦断面図、図12は同じく第4実施例を示す図9相当図、図13は同じく第5実施例を示す一部正面概念図、図14は同じく第6実施例で、(a)は一部正面概念図、(b)は(a)のヘーヘ線上の断面図、図15は同じく第7実施例で、(a)は一部正面概念図、(b)は(a)のトート線上の断面図、図16は同じく第8実施例を示す一部斜視概念図、図17は図16の縦断側面図である。
【0009】
すなわち、図1、図2に参考例として示す樹脂製ブレードを有する斜流ファンは、金属製の取付部をコーン状となし、該コーン状取付部に前記樹脂製ブレードをそれぞれ独立して設けた構成となしたもので、金属製のコーン状ディスク1のコーン部1−1に別体の金属製のスパイダー部2を各ブレードに対応する位置に溶接、リベット、ボルト等で取付け、このスパイダー部2に樹脂製ブレード3を各ブレード毎もしくは全ブレードを一括して一体成形して構成したファンであり、各樹脂製ブレード3は中心軸線に対して所定角度傾斜したある迎角をもって取付けられている。スパイダー部2には複数個の貫通孔2−1が設けられており、この貫通孔2−1がインジェクションされた樹脂に対するアンカリング効果を発揮してブレード付根に作用する遠心力に対する引張り力に耐えられるようになっている(図2)。なお先にスパイダー部2に樹脂製ブレード3をインジェクションしてからコーン状ディスク1に取付けてもよい。
【0010】
図3、図4に参考例として示す樹脂製ブレードを有する斜流ファンは、樹脂製ブレード側に気流の流れを斜流化するための遠心フィンを設けたもので、金属製の環状の平ディスク11に金属製のスパイダー部12を各ブレードに対応する位置に溶接、リベット、ボルト等で取付け、このスパイダー部12の付根に気流の流れを斜流化するための遠心フィン13−1をブレード幅にわたって突設した樹脂製ブレード13を各ブレード毎もしくは全ブレードを一括して一体成形して構成した斜流ファンであり、このファンの場合も各樹脂製ブレード13は中心軸線に対して所定角度傾斜したある迎角をもって取付けられている。またスパイダー部12には前記と同様、複数個の貫通孔12−1が設けられており、この貫通孔12−1がインジェクションされた樹脂に対するアンカリング効果を発揮してブレード付根に作用する遠心力に対する引張り力に耐えられるようになっている(図4)。なおこのファンの場合も、先にスパイダー部12に樹脂製ブレード13をインジェクションしてから平ディスク11に取付けてもよい。
この斜流ファンの場合は、樹脂製ブレード13の付根に設けた遠心フィン13−1の作用により、気流の流れに遠心成分が与えられ、全体の流れが斜流化される。
【0011】
図3、図4に示す樹脂製ブレードを有する斜流ファンは、ブレード付根のみに気流の流れを斜流化するための遠心フィン13−1を1条設けた樹脂製ブレード13を示したが、図5に参考例として示す樹脂製ブレードを有する斜流ファンは、前記遠心フィン13−1をブレードの表裏面に多数設けた樹脂製ブレード13aを用いたもので、金属製の環状の平ディスク11に金属製のスパイダー部12を各ブレードに対応する位置に溶接、リベット、ボルト等で取付け、このスパイダー部12に遠心フィン13−1をブレードの表裏面に多数設けた樹脂製ブレード13aを各ブレード毎もしくは全ブレードを一括して一体成形して構成した斜流ファンである。なお遠心フィン13−1はエンジン側、ラジエータ側の少なくとも一側に設ける。両側に設ける場合は、同一半径位置あるいは交互に位置をずらして設けてもよい。
この斜流ファンの場合は、樹脂製ブレード13の表面に多数設けた遠心フィン13−1の作用により、図3、図4に示す単一遠心フィンのものに比べ気流の流れにより多く遠心成分が与えられ、全体の流れがよりいっそう斜流化される。なおブレード全幅にわたる遠心フィン13−1は、ブレード13が捻られた場合の補強リブとしての作用もなしている。
【0012】
図6、図7に示す本発明の樹脂製ブレードを有する斜流ファンは、樹脂製ブレード側に気流の流れを斜流化するためのコーン状部を設けたもので、金属製の環状の平ディスク21に金属製のスパイダー部22を各ブレードに対応する位置に溶接、リベット、ボルト等で取付け、このスパイダー部22の付根に気流の流れを斜流化するためのコーン状部23−1を形成した樹脂製ブレード23を各ブレード毎もしくは全ブレードを一括して一体成形して構成したファンであり、このファンの場合も各樹脂製ブレード23は中心軸線に対して所定角度傾斜したある迎角をもって取付けられている。前記コーン状部23−1は隣接するブレードのコーン状部と干渉しない程度の幅を有する。またスパイダー部22には前記と同様、複数個の貫通孔22−1が設けられており、この貫通孔22−1がインジェクションされた樹脂に対するアンカリング効果を発揮してブレード付根に作用する遠心力に対する引張り力に耐えられるようになっている(図7)。なおこのファンの場合も、先にスパイダー部22に樹脂製ブレード23をインジェクションしてから平ディスク21に取付けてもよい。
この斜流ファンの場合は、樹脂製ブレード23の付根に設けたコーン状部23−1の作用により、気流の流れに遠心成分が与えられ、全体の流れが斜流化される。
【0013】
図8、図9に示す本発明の樹脂製ブレードを有する斜流ファンは、前記図1、図2に参考例として示すコーン状ディスクを2種類の部材で構成したもので、金属製の環状の平ディスク31に別体で多数(複数)の金属製のコーン状部材31−1を各ブレードに対応する位置に溶接、リベット、ボルト等で取付け、このコーン状部材31−1にスパイダー部32を例えばリベット(または溶接、ボルト)で取付け、このスパイダー部32に樹脂製ブレード33を各ブレード毎もしくは全ブレードを一括して一体成形して構成したファンであり、このファンの場合も各樹脂製ブレード33は中心軸線に対して所定角度傾斜したある迎角をもって取付けられている。またスパイダー部32には前記と同様、複数個の貫通孔32−1が設けられており、この貫通孔32−1がインジェクションされた樹脂に対するアンカリング効果を発揮してブレード付根に作用する遠心力に対する引張り力に耐えられるようになっている(図8)。なおこのファンの場合も、先にスパイダー部32に樹脂製ブレード33をインジェクションしてからコーン状部材31−1に取付けてもよい。
【0014】
図10、図11に示す本発明の樹脂製ブレードを有する斜流ファンは、ディスクに別体のスパイダー部付きコーン状部材を取付けて構成したもので、金属製の環状の平ディスク41に別体の金属製のスパイダー部42付きコーン状部材41−1を各ブレードに対応する位置に例えばボルト(または溶接、リベット)で取付け、前記スパイダー部42に樹脂製ブレード43を各ブレード毎もしくは全ブレードを一括して一体成形して構成したファンである。前記スパイダー部42付きコーン状部材41−1は、1枚の金属板を用い、コーンの部分にスリットを入れ当該スリット部を折曲げてスパイダー部を形成する。この斜流ファンの場合も各樹脂製ブレード43は中心軸線に対して所定角度傾斜したある迎角をもって取付けられている。またスパイダー部42には前記と同様、複数個の貫通孔42−1が設けられており、この貫通孔42−1がインジェクションされた樹脂に対するアンカリング効果を発揮してブレード付根に作用する遠心力に対する引張り力に耐えられるようになっている(図10)。なおこの斜流ファンの場合も、先にスパイダー部42に樹脂製ブレード43をインジェクションしてから平ディスク41に取付けてもよい。
【0015】
図12に示す本発明の樹脂製ブレードを有する斜流ファンは、前記図8、図9に示す樹脂製ブレードを有する斜流ファンの変形例であり、斜流ファンの狭幅化をはかるために、金属製の環状の平ディスク51に略V字状断面に形成した別体の金属製のコーン状部材51−1を各ブレードに対応する位置に溶接、リベット、ボルト等で取付け、このコーン状部材51−1にリベット、溶接、ボルト等で取付けたスパイダー部52に樹脂製ブレード53を各ブレード毎もしくは全ブレードを一括して一体成形して構成したファンである。この斜流ファンの場合も各樹脂製ブレード53は中心軸線に対して所定角度傾斜したある迎角をもって取付けられている。またスパイダー部52には前記と同様、複数個の貫通孔52−1が設けられており、この貫通孔52−1がインジェクションされた樹脂に対するアンカリング効果を発揮してブレード付根に作用する遠心力に対する引張り力に耐えられるようになっている。この斜流ファンの場合は、略V字状断面に形成した別体の金属製のコーン状部材51−1を用いたことにより、図8、図9に示す斜流ファンや、図10、図11に示す斜流ファンより斜流ファンの幅を小さくできる。
なお環状の平ディスク51と略V字状断面に形成した別体のコーン状部材51−1は、図面ではそれぞれ別体で構成したものを示したが、両者は一体物で構成してもよい。
【0016】
また、上記図6〜図12に示した斜流ファンにおいて、気流の流れをより整流化して能力向上をはかるためには、各スパイダー部間または樹脂製ブレード間の隙間を可及的に少なくすることが望ましい。そこで、本発明例として示す図13〜図17は円周方向に隣接するスパイダー部または樹脂製ブレードの対向部のどちらか一方もしくは両方に延長部を設けて当該部分を相重ねて各スパイダー部間または樹脂製ブレード間の隙間を少なくした斜流ファンを例示したもので、図13に示す斜流ファンは樹脂製ブレード間の隙間を小さくした斜流ファンであり、前記図6、図7に示す斜流ファンに適用したもので、金属製の環状の平ディスク61に取付けた金属製のスパイダー部62に、一端側に延長部63−1を設けた樹脂製ブレード63を予め成形しておき、該隣接する樹脂製ブレード63の一端が延長部63−1に相重なるように、各ブレードをリベット、溶接、ボルト等にて取付けて構成したファンである。各樹脂製ブレード63の端部の重ね方としては、双方の端部をそれぞれ上下方向に屈曲させて延長部を形成して重ねてもよい。
【0017】
また図14、図15に示す本発明の斜流ファンは、前記図8、図9に示す斜流ファンに適用したもので、金属製の環状の平ディスク71に、一端側に延長部71−1aを設けた金属製のコーン状部材71−1を隣接するコーン状部材71−1の一端が延長部71−1aに相重なるようにリベット、溶接、ボルト等で取付け、このコーン状部材71−1に例えばリベット(または溶接、ボルト)で取付けたスパイダー部72に樹脂製ブレード73を各ブレード毎もしくは全ブレードを一括して一体成形して構成したファンである。この斜流ファンの場合も、各コーン状部材71−1の重ね方としては、双方の端部をそれぞれ上下方向に屈曲させて延長部を形成して重ねてもよい。
【0018】
さらに図16、図17に示す本発明の斜流ファンは、金属製の環状の平ディスク81に、一端側に延長部81−1aを設けた金属製のコーン状部材81−1を隣接するコーン状部材81−1の根元部分の一端が延長部81−1aに相重なるようにリベット、溶接、ボルト等で取付け、このコーン状部材81−1に例えばリベット(または溶接、ボルト)で取付けたスパイダー部82に樹脂製ブレード83を各ブレード毎もしくは全ブレードを一括して一体成形して構成したファンである。この斜流ファンの場合も、各コーン状部材81−1の重ね方としては、双方の端部をそれぞれ上下方向に屈曲させて延長部を形成して重ねてもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明に係る樹脂製ブレードを有する斜流ファンは、以下に記載する効果を奏する。
(1)従来のファンのような連続した環状ボスがないので、各ブレードが個々に変形可能で温度変化や速度変化に追随できるので、遠心力によりボス部から破壊することもなく、ファンの耐久性が向上する。
(2)連続した環状ボス部がないことに加え、ディスクと一体また別体のコーン部、あるいはブレードに形成した遠心フィンやコーン部の作用によりファンカップリング装置廻りの冷却風が斜流に整流化され、風量や風速が増加して冷却性能が向上する。
(3)ブレード毎に成形(モールディング)する場合は、使用するインジェクションマシンを小型化でき、金型が小さく製作容易でコストが安くつく。
(4)コストの高い金属プレートおよびナイロンなど高強度樹脂の使用量を少なくできることによりコスト低減が可能である。
(5)材料間の熱線膨張率の差が少ないことによる熱応力の低減、衝撃や振動などの外力に対する応力集中の軽減がはかられる。
(6)円周方向に隣接するコーン状部材または樹脂製ブレードの根元部分のコーン状部の対向部の少なくとも一方に延長部を設けて当該部分を相重ねてコーン状部材間または樹脂製ブレードのコーン状部間の隙間を少なくした場合には、気流の流れがより整流化されてさらに能力向上がはかられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る樹脂製ブレードを有する斜流ファンの参考例1を示す正面概念図である。
【図2】 図1イ−イ線上の部分拡大縦断面図である。
【図3】 同じく参考例2を示す一部正面概念図である。
【図4】 図3ロ−ロ線上の部分拡大縦断面図である。
【図5】 同じく参考例3を示す一部斜視概念図である。
【図6】 本発明に係る樹脂製ブレードを有する斜流ファンの第1実施例を示す一部正面概念図である。
【図7】 図6ハ−ハ線上の部分拡大縦断面図である。
【図8】 同じく第2実施例を示す一部正面概念図である。
【図9】 図8ニ−ニ線上の部分拡大縦断面図である。
【図10】 同じく第3実施例を示す一部正面概念図である。
【図11】 図10ホ−ホ線上の部分拡大縦断面図である。
【図12】 同じく第4実施例を示す図9相当図である。
【図13】 同じく第5実施例を示す一部正面概念図である。
【図14】 同じく第6実施例で、(a)は一部正面概念図、(b)は(a)のへ−へ線上の断面図である。
【図15】 同じく第7実施例で、(a)は一部正面概念図、(b)は(a)のト−ト線上の断面図である。
【図16】 同じく第8実施例を示す一部斜視概念図である。
【図17】 図16の縦断側面図である。
【図18】 従来の樹脂製斜流ファンの一例を示す正面図である。
【図19】 図18のチ−チ線上の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 コーン状ディスク
1−1 コーン部
2、12 22、32、42、52、62、72、82 スパイダー部
2−1、12−1、22−1、32−1、42−1、52−1 貫通孔
3、13、23、33、43、53、63、73、83 樹脂製ブレード
13−1 遠心フィン
11、21、31、41、51、61、71、81 平ディスク
23−1 コーン状部
31−1、41−1、51−1、71−1、81−1 コーン状部材
63−1、71−1a、81−1a 延長部
Claims (4)
- 相手部材への取付部を金属製とし、ブレードを樹脂製とした斜流ファンにおいて、金属製のディスクに別体の金属製のスパイダー部を独立して溶接、リベット、ボルト等で取付け、気流の流れを斜流化するためのコーン状フィンを1ないし複数個設けた樹脂製ブレードを前記スパイダー部に一体成形した構成となしたことを特徴とする樹脂製ブレードを有する斜流ファン。
- 相手部材への取付部を金属製とし、ブレードを樹脂製とした斜流ファンにおいて、金属製のディスクに別体の金属製のコーン状部材を独立して溶接、リベット、ボルト等で取付け、該コーン状部材に別体の金属製のスパイダー部を溶接、リベット、ボルト等で取付け、該スパイダー部に樹脂製ブレードを一体成形した構成となしたことを特徴とする樹脂製ブレードを有する斜流ファン。
- 相手部材への取付部を金属製とし、ブレードを樹脂製とした斜流ファンにおいて、金属製のディスクに別体の金属製のスパイダー部付きコーン状部材を独立して溶接、リベット、ボルト等で取付け、前記スパイダー部に樹脂製ブレードを一体成形した構成となしたことを特徴とする樹脂製ブレードを有する斜流ファン。
- 円周方向に隣接するスパイダー部または樹脂製ブレードの根元部分の対向部の少なくとも一方に延長部を設けて当該部分を相重ねてスパイダー部間または樹脂製ブレード間の隙間を少なくした構成となしたことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の樹脂製ブレードを有する斜流ファン。
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JP2002195190A (ja) | 2002-07-10 |
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