JP4748516B2 - 回転体と固定体間の伝送装置 - Google Patents
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Description
そしてこの固定体と回転体とが作る空間(以下保持空間という)内部に所定長のフラットケーブルを巻回状態で収納し、その内端側を回転体の胴部に、外端側を固定体側に接続し、車体側とステアリングホイール側との電気的接続を行っている(特許文献1)。
また、図8は、図7に示されているような一般的な回転体と固定体間の伝送装置の拡大半断面図(左半分が断面図)である。図7でその断面位置を示すならば、A−A線の位置になる。尚、図7においては、図を判り易くするため、フラットケーブル2を1枚のみ図示しているが、複数枚用いて、各々にU字状の巻き方向反転部2cを設けるものがより一般的である。
このように内側ケース1の胴部1aと蓋部1b、外側ケース3の外筒部3a及び底板3bとで形成される保持空間内に、フラットケーブル2がその幅方向の一端部を底板3bに接触させ、かつ幅方向が底板3bに対して略垂直になるようにして収納されている。
より具体的には、図8に示すように、内側ケース1の胴部1aと外側ケース3の底板3bとの間に形成されている隙間9の下部に、底板3bの表面に残されているエジェクターピンの跡6が突出した状態で覗いている。
そのため、この隙間9にフラットケーブル2の幅方向の下端が落ち込んだ場合、その下端が底板3bの表面から突出しているエジェクターピンの跡6と擦れて、大きな異音(騒音)を発生させる原因になる。
前記エジェクターピンの跡を、前記隙間に落ち込んだ前記フラットケーブルと前記エジェクターピンの跡との接触を回避する範囲において、前記底板の径方向における前記胴部の外表面位置より径内側であるとともに、前記底板の径方向における前記胴部の外表面位置の近傍に配置したことを特徴とする。
ここで図1は本発明の回転体と固定体間の伝送装置の内側ケースの蓋部を除いた状態を示す平面図、図2は図1のB−Bにおける半断面図(左側半断面図)、図3は図2における左側半断面図の一部拡大図、図4は図3におけるE部の拡大図である。尚、従来の回転体と固定体間の伝送装置の一例を示す図7、図8と同一機能を有するものには同一符号を附してある。
そして、フラットケーブル2の外端側は内端側と巻き方向が逆になるように外筒部3aの内側に巻き込み、これによってフラットケーブル2の中間部にU字状の巻き方向反転部2cが形成されている。尚、符号7はコネクタ部を示し、このコネクタ部7を介して回転体と固定体間の伝送装置は外部の機器類と電気的に接続される。
そしてこの底板3bは樹脂製で、それ故、通常、射出成形法で製造されるが、射出成形され、金型から外部に放出される際使用されるエジェクターピンの跡6は、図3や図4に示すように内側ケース1の胴部1aの外表面の位置よりも内側に形成されている。
その結果、隙間9を上から覗いても、エジェクターピンの跡6は内側ケース1の胴部1aに隠れて見えない状態になっている。
具体的には、例えば、フラットケーブル2の厚さを0.3mmとした場合、底板3bの角部に面取り半径r1のR面取りを施した。もちろんこの角部下方の底の部分にも面取り半径r2のR面取りを施せば、より一層の異音(騒音)発生を抑制することができる。
ところでこれら面取り半径r1及びr2としては、それぞれフラットケーブル2の厚さと等しいか、それよりの大きい値にするとよい。いまもし、フラットケーブル2の厚さを0.3mmとするならば、面取り半径r1及びr2を0.3mm以上にするとよい。
そこで本発明の別の実施例として、図5、図6に示すように、フラットケーブル2のU字状の巻き方向反転部2cのケーブル幅方向の下端と底板3bとの間に、例えば深さhを1mm以上にした間隙10を設けた。
具体的には、リング状の底板3bの上面に、例えば図5に示すように断面皿状の凹部状の間隙10を、また図6では単に均一深さhの凹部状の間隙10をその周方向に連続して形成してある。
尚、間隙10を図5のように皿状にすると、U字状の巻き方向反転部2cのケーブル幅方向の下端と、外側ケース3の底板3bとの間の接触をより少なくできる。
尚、間隙10の形状は図5、図6に示すものに限らず、他の形状でも問題はない。いずれにせよ、フラットケーブル2のU字状の巻き方向反転部2cのケーブル幅方向の下端と底板3bの表面との接触は、例えば図5、図6に示すように、できるだけその両端部に限定するようにして、両者の接触面積を可能な限り少なくすることが好ましい。
さらには隙間9に面している底板3bの角部にR面取りを施したり、さらにまた、フラットケーブル2のU字状の巻き方向反転部2cのケーブル幅方向の下端と、外側ケース3の底板3bの表面との間に間隙10を設けたことにより、より一層フラットケーブル2と底板3bとの接触に起因する異音(騒音)のレベルを下げることができた。
具体的には、従来の回転体と固定体間の伝送装置では、内側ケース1が外側ケース3に対して回転した場合、最大で47〜48dBあった異音(騒音)を、本発明のものでは38〜40dBまで下げることができた。
また前記実施例では、フラットケーブル2がその中間部で巻き方向が反転する回転体と固定体間の伝送装置についてのみ説明したが、本発明はこれに限定されず、フラットケーブル2の巻き方向が一定方向で、U字状の巻き方向反転部2cのない回転体と固定体間の伝送装置にも適用できることは言うまでもない。
1a 胴部
2 フラットケーブル
2c 巻き方向反転部
3 外側ケース
3a 外筒部
6 エジェクターピンの跡
9 隙間
10 間隙
Claims (3)
- 胴部を有する内側ケースと、前記胴部の外方に位置する外筒部を有する外側ケースとを相対的に回転できるように組み合わせ、前記胴部にフラットケーブルの内端を固定するとともに前記外筒部に前記フラットケーブルの外端を固定し、かつ前記フラットケーブルの内端側を前記胴部に巻き付けて成る回転体と固定体間の伝送装置において、
前記外側ケースの底部にあって、前記内側ケースの前記胴部と前記外側ケースの前記外筒部とともに前記フラットケーブルを内包保持する保持空間を形成するリング状の底板を設け、
前記底板を、射出成形により成形し、
射出成形の際に生じるエジェクターピンの跡を、前記保持空間側の面から前記胴部と前記底板との間に形成される隙間に突出する態様で構成し、
前記エジェクターピンの跡を、
前記隙間に落ち込んだ前記フラットケーブルと前記エジェクターピンの跡との接触を回避する範囲において、
前記底板の径方向における前記胴部の外表面位置より径内側であるとともに、
前記底板の径方向における前記胴部の外表面位置の近傍に配置した
回転体と固定体間の伝送装置。 - 前記底板における前記エジェクターピンの跡と対向し、前記隙間に落ち込んだ前記フラットケーブルの幅方向の下端部を、前記エジェクターピンの跡とともに挟み込む部分を対向部とし、
該対向部と、前記底板の底面の部分との角部にR面取りを施した
請求項1に記載の回転体と固定体間の伝送装置。 - 前記フラットケーブの内端側を前記胴部に一方向に巻き付けるとともに、前記フラットケーブの外端側を前記内端側とは巻き方向が逆になるように前記外側ケースの外筒部の内側に巻き込むことで、前記フラットケーブの中間部に前記内側ケースまたは外側ケースの回転によって移動する巻き方向反転部を形成し、
該巻き方向反転部のケーブル幅方向下端と前記底板との間に間隙を設けた
請求項1または請求項2に記載の回転体と固定体間の伝送装置。
Priority Applications (1)
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JP2005294244A JP4748516B2 (ja) | 2005-10-07 | 2005-10-07 | 回転体と固定体間の伝送装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005294244A JP4748516B2 (ja) | 2005-10-07 | 2005-10-07 | 回転体と固定体間の伝送装置 |
Publications (2)
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Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005294244A Active JP4748516B2 (ja) | 2005-10-07 | 2005-10-07 | 回転体と固定体間の伝送装置 |
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2005
- 2005-10-07 JP JP2005294244A patent/JP4748516B2/ja active Active
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