JP4746685B2 - ケミカルタンクのベーパの回収方法及びそのタンクの洗浄方法 - Google Patents

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Description

この発明は、各種の設備から排出されるベーパ、例えば、揮発性有機化合物(VOC)の回収方法、原油、ガソリン等のその精製油、各種の化学薬品液等を収容したケミカルタンク(化学品タンク)の洗浄方法及びそれらに使用する洗浄ノズルに関するものである。
今日、地球規模で温暖化が進み、その要因の一つとして、光化学オキシダントと浮遊粒子物質(SPM)がある。光化学オキシダントとは、オゾン、パーオキシアセチルナイトレートその他の光化学反応により生成される酸化性物質を言う。
この光化学オキシダントは、大気中の窒素酸化物とVOC(揮発性有機化合物=Volatile Organic Compounds)の混合系が太陽光(特に、紫外線)の照射を受けて光化学反応を起こして生成される汚染物質で、光化学スモッグの原因となり、高濃度では、粘膜を刺激し、呼吸器への影響を及ぼす他、農作物などの植物への影響も観測されている。
SPM(Suspended Particulate Matter)とは、大気中に浮遊する粒子状物質で、その粒径が10マイクロメートル以下のものを言い、大気中に長時間滞留し、高濃度で肺や気管等に沈着して呼吸器に影響を及ぼす危険がある。
このSPMは、発生源から排出された時点で粒子となっている一次粒子と、排出された時点ではガス状であるが、大気中における光化学反応などによって粒子化する二次粒子とに分類される。
その一次粒子は、工場・事業所から排出される煤塵、粉塵、自動車、ボイラー等から排出される粒子状物質などがあり、土壌の巻き上げ粒子や海塩粒子など自然起源のものも含まれる。
二次粒子は、工場・事業所、自動車等から排出されるVOC、硫黄硫化物、窒素酸化物などが原因物質となる。火山灰などから排出される硫黄酸化物など自然起源のものも考えられる。
このように、光化学オキシダントとSPMの生成にVOCが関係しており、そのVOCの代表的な物質に、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどがあり、主なもので約200種類ある。
このVOCは、塗料溶剤(シンナー)、接着剤、インキ、一部の洗浄剤等に含まれ、今日、年間150万トンが大気中に放出されている。このため、そのVOCを排出する施設である塗装ブースを有する塗装関係施設、接着剤のロールコーターの乾燥施設を有する接着関係施設、グラビア印刷などの印刷関係施設、樹脂乾燥器を有する化学製品製造関係施設、洗浄槽等を有する工業用洗浄関係施設、及び固定屋根式タンク等を有するVOCの貯蔵関係施設には、そのVOCの排出規制の法律が定められようとしている。
このため、その大気中に放出していたVOCの回収をする必要にせまられるが、そのVOC等のベーパの回収技術は、従来から種々のものが提案されており、その多くは、ベーパを冷却液化して回収している(特許文献1、2参照)。
特開昭51−144395号公報 国際公開WO00/25900号公報
また、溶剤ガスをその溶剤液に吸着して回収する技術として、エゼクタに溶剤液を流通させ、その流通によるエゼクタ効果によって溶剤ガスを吸引混合し、その吸引混合によって、溶剤液に溶剤ガスを吸着するものがある(特許文献3 図1符号34参照)。
特開平10−128046号公報
さらに、そのベーパが発生するケミカルタンクの一つであるガソリンタンクの洗浄は、従来、タンクからガソリン残液を抜き取った後、マンホールを開放状態にしてタンク内のベーパを大気中に放出し、そのベーパ濃度が許容値以下になった後、防護服を着用した作業者がタンク内に入って洗浄液等により洗浄している。
上記塗装関係施設等の施設では、従来、VOCを大気中に放出しており、規制法が施行されると、その放出が行ない得ないこととなり、その対策が必要であるが、上記冷却液化して回収する手段は、その設備が大掛かりとなってコスト的な問題が生じる。
一方、ケミカルタンク施設において、上記ベーパの大気中への放出による除去は十分になされず、勢い、ベーパが残ったタンク内に入って作業を行う場合が多く、その場合、防護服を着用しているといえども、ベーパは有害物質(ガス)のため、そのベーパによる人的災害の危険は常にある。人的災害は、洗浄作業を請負った者(会社)のみならず、施工者(タンクの所有者)のデメリットが大きい。このため、そのような危険な作業は極力行わないことが好ましい。
また、このケミカルタンクは、数年(通常、10年)に一度、洗浄を行う必要があるが、その洗浄作業は繁雑なものとなって、無駄も多く、改善が望まれている。
さらに、ケミカルタンク施設におけるベーパの大気中への放出は、環境破壊に繋がり、近年では国際的にも問題となっており、上記のように規制が進んでいる。このため、このような施設においても、ペーパの安価な処理手段が求められ、上記冷却液化して回収する手段は、同様に、その設備が大掛かりとなってコスト的な問題が生じる。
また、ノルマルブチルアルデヒド(NBD)等、悪臭防止法による規制物質、又はプロピレンオキサイト等の低温引火物は、大量のベーパが発生し、そのベーパの回収作業を行なう必要があるが、その場合においても、円滑なベーパ回収及びそのタンク洗浄がなされていないのが実情である。
この発明は、上記の実情の下、ベーパの回収を円滑かつ安価にすることを第1の課題、ケミカルタンクの洗浄作業を、安全かつ円滑に行うようにすることを第2の課題とする。
上記第1の課題を達成するために、この発明は、ケミカルタンクからベーパを引き出し、そのベーパを、吸着槽を循環する吸着液にエゼクタミキサにより混合吸着させて回収するようにしたのである。
ベーパと吸着液との混合をエゼクタミキサにより行えば、エゼクタミキサは大容量を処理する場合に優れているため、その回収作業を円滑に行なうことができる。また、その吸着液の循環による回収設備は、従来の冷却回収設備に比べれば、はるかに安価なものとなる。
そのケミカルタンクがアスファルトタンクの場合、そのタンクから引き出したベーパを加熱して流動化した後、上記エゼクタミキサに送り込むようにする。
アスファルトの場合、通常、貯蔵タンクは加熱されて流動化が図られているが、そのタンクからアスファルトを引き出すと、その加熱が無くなるため、その輸送中に徐々に固まることとなる。このため、その輸送途中において、加熱することによって流動性を維持してエゼクタミキサによる混合吸着を円滑に行うためである。
また、吸着槽内の気体は、回収開始から大気中に放出することもできるが、開始当初は、ペーパの濃度が高いため、タンク内に返送してタンクと吸着槽を循環するようにすると良い。
さらに、エゼクタミキサと吸着槽の循環液は水など非爆発性(非可燃性)の液体を使用すると、静電気が生じても爆発の心配がなく、安全である。このとき、その吸着槽において、循環液から吸着液にベーパを回収する。
また、ベーパ回収開始時はベーパ濃度が高いため、上記吸着槽内上部から未回収のベーパをタンク内に戻すようにして、ベーパ吸収(吸着)不足を補うようにするとよい。
上記第2の課題を達成するために、この発明は、まず、ケミカルタンクからケミカル残液を抜き取り、そのケミカルタンクから出る各配管を閉じて縁切りしてそのケミカルタンクを密封した後、不活性ガスをそのケミカルタンク内に封入して、ケミカルタンク内のベーパによる爆発を回避することとしたのである。
縁切りすれば、タンク内は密閉状態となり、不活性ガスの封入によって、容易に爆発の恐れを無くすことができ、爆発の恐れが無くなれば、安全性は向上する。
つぎに、この発明は、その状態の上記ケミカルタンク内にノズルにより噴水して洗浄することとしたのである。
この水洗浄によって、タンク内の残液及び残渣が洗い落とされて排出されるとともに、ベーパも少なからず回収される。
さらに、この発明は、その洗浄されたタンクからベーパを引き出してそのベーパを循環する吸着液に混合させて吸着させて、タンク内の残留ベーパを除去することとしたのである。
ノズル洗浄後のタンク内の残留ベーパは少なくなっており、そのベーパは吸着作用によって回収されるため、その回収率は高いものとなる。
この発明の構成としては、ケミカルタンクからケミカル残液を抜き取り、そのケミカルタンクから出る各配管を閉じて縁切りしてそのケミカルタンクを密封した後、不活性ガスをそのケミカルタンク内に封入して、ケミカルタンク内のベーパによる爆発を回避し、その状態の前記ケミカルタンク内にノズルにより噴水して洗浄し、その洗浄されたケミカルタンクからベーパを引き出してそのベーパを循環する吸着液に混合吸着させて、ケミカルタンク内の残留ベーパを除去する構成を採用する。
この構成において、タンク内にスラッジ、エマルジョン等の残渣が多い場合には、上記不活性ガスのケミカルタンクへの封入により爆発を回避した状態の前記ケミカルタンク内に給水して水張りを行うとともにその排水を行い、その水張り・排水を繰り返して、その残渣及び残液を除去した後、上記ノズルによる洗浄を行うようにすると良い。
水張り・水抜きを繰り返すと、スラッジ等の残渣がタンク内面に浮き上がり始めるとともに、多くの油分を含む残渣が除去されるため、その残渣が浮き上がり、かつ除去されたタンク内をノズル洗浄すれば、タンク内を容易かつ円滑に洗浄し得る。この水張りは、タンク内の収容物の種類によって適宜に行えばよいが、ガソリンタンクの場合は、スラッジ、エマルジョン等の残渣が多いため、水張りを行うことが好ましい。
上記ノズル洗浄において、その洗浄水に加圧した不活性ガスを流入して、その不活性ガスの加圧度を調整可能とすれば、その調整をすることにより、洗浄水の飛距離を調整することができて、洗浄水を無駄にすることなく、タンク内を容易かつ円滑に洗浄し得る。また、ケミカルタンク内にさらに不活性ガスが送り込まれることとなるため、不活性ガスによるタンク封止はより確実となる(封入補助がなされる)。
また、その洗浄ノズルを、その噴水口が上下方向の軸周りに回転するものとすれば、タンク内の全周囲に満遍なく洗浄水を至らすことができて、より円滑な洗浄を行い得る。
その回転する洗浄ノズルは、例えば、ケミカルタンクの側壁に、その配管取付孔を介して挿し込まれる給水管と、この給水管の先端に回転自在に設けられた噴水部と、前記給水管内を貫通して前記噴水部を回転させる回転軸と、前記給水管の後端に設けられた前記回転軸の回転用モータとからなる構成等のものを適宜に採用する。
この構成の洗浄ノズルの場合、上記給水管に流入口を設けて、この流入口から上記加圧した不活性ガスを流入させることができる。
上記ノズルの取付位置は、タンク内の洗浄効率が高い所を適宜に選択すれば良いが、タンクの側壁に設ける(取付ける)ことが好ましく、その際、配管取付孔を介して設けると良い。従来は、天井から下方にノズルを吊り下げる等して取付けていることから(図3a参照)、ノズルの修理はタンク内に入って行っており、その作業が煩雑かつ危険であった。これに対し、タンク側壁に配管取付孔を介してノズルを取付ければ、既設の孔を使用するため、ノズルの取付が容易であると共に、修理も、タンク外側からノズルを引き出して行うことが出来て円滑かつ安全である。
上記ケミカルタンクがインナーフロート(CFRT)型の場合には、上記ノズルには、噴出口の上側にその噴出流の上方への流出を防止する遮蔽板を設けたものを採用して、噴出流がインナーフロートに当ってその損傷を招かないようにすることが好ましい。
上記ベーパの吸着は、そのベーパと吸着液との混合を、エゼクタミキサにより行ったり、ラインミキサにより行ったりすることができる。エゼクタミキサは大容量を処理する場合に優れている。
ラインミキサは、例えば、ベーパが流入するアウターチューブと、そのアウターチューブの内に挿通された同一軸方向のインナーチューブとからなり、前記アウターチューブはその両端が前記インナーチューブに連続して閉塞され、その閉塞スペース内のインナーチューブ全長周囲にはベーパの流入口がその長さ方向に亘って形成されている構成のものとすることができる。
この構成のラインミキサによる混合吸着は、インナーチューブのその長さ方向に亘る複数の流入口から、吸着液にベーパが吸引されてその流れに巻き込まれてミキシングがなされるため、上記の単純なエゼクタ効果に比べれば、その混合効率は遙かに優れたものとなって、ベーパの吸着液への吸着効率も高いものとなる。
このとき、ベーパをインナーチューブ内に強制的に送り込むようにすれば、その混合吸着効率もさらに向上する。因みに、バブリングによる混合吸着に比べても、ミキシングによる混合吸着はその作用が遙かに優れたものとなる。
上記ケミカルタンクには、上記インナーフロート型以外に、コーンルーフ(CRT)型、ドームルーフ(DRT)型、フローティング(FRT)型等があり、そのフローティング型、又はインナーフロート型の場合、ケミカルタンクからケミカル残液を抜き取った後、そのケミカルタンク内に給水して水張りを行うとともにその排水を行い、その排水を密封分離槽に送り込んでケミカル液分と水に分離し、その水は前記水張り給水用に循環させ、ケミカル液分は回収し、その後、前記ケミカルタンクからベーパを引き出してそのベーパを循環する吸着液に混合吸着させて、ケミカルタンク内の残留ベーパを除去し、さらにケミカルタンク内を洗浄する構成を採用できる。
フローティング型又はインナーフロート型の場合、フロートによって、タンク内は密封されてそのフロートと液面の間も密閉されているため、不活性ガスの封入による爆発回避の必要がない。また、水張りと水循環によってタンク内の浮上油(ベーパ発生源)は回収され、ベーパの新たな発生が少なくなる。このため、タンク内の残留ベーパは回収するごとに減少し、その回収率は高いものとなる。
このとき、上記給水に水スチームを加えれば、洗浄効果が向上する。また、その洗浄には、上記各洗浄ノズルを採用できるとともに、ベーパの吸着には上記ラインミキサやエゼクタミキサを採用できる。
ベーパの処理が必要なケミカルは上述の各洗浄方法を採用できるが、DOP(フタル酸ジオクチル)やDINP(フタル酸ジイソノニル)等の可塑剤は、大量のベーパが発生しないため、そのベーパの回収作業を行わなくても良いが、特定の溶剤(メタノール等)による洗浄が必要である。
これらのケミカルタンクの洗浄においては、例えば、ケミカルタンクからケミカル残液を抜き取った後、そのケミカルタンク内に不活性ガスを送り込んでそのタンク内の酸素濃度を例えば5%以下とし、溶剤による下記マシン洗浄を行った後、洗浄溶剤のべーパをタンク外に送り出し、その送り出されたケミカルを吸着液の封入された密封分離槽に送り込んでケミカル液分を吸着するとともに、その密封分離槽からの気体分を水槽に送り込んで吸着し、吸着液は循環させて、その循環する吸着液に前記送り出されたケミカルを混合吸着させ、その後、ケミカルタンク内に給水して水張りを行うとともにその排水を行い、その排水を密封分離槽に送り込んでケミカル液分と水に分離し、その水はタンク内に循環させ、ケミカル液分は回収する構成を採用できる。
この場合、最終洗浄として水による下記マシン洗浄を行う。
この発明は、以上のように、ケミカルタンクから引き出したベーパを、吸着槽を循環する吸着液にエゼクタミキサにより混合吸着させて回収するようにしたので、その回収作業を円滑に行なうことができる、その設備も安価なものとなる。
また、この発明は、爆発を回避した密封タンク内において、ノズル洗浄、水張りをしたり、フロート型タンク等にあっては、水張り・水循環をしたりし、その後、ベーパ吸着を行うようにしたので、ケミカルタンクの洗浄作業を、安全かつ円滑に行うことができる。
この発明に係る一実施形態の概略図 同実施形態の水張り説明図 同実施形態の水噴射洗浄説明図 同実施形態の水噴射洗浄説明図 同実施形態の水噴射洗浄説明図 同実施形態の密封分離槽の正面図 同実施形態のベーパ回収設備の拡大図 同実施形態のラインミキサの断面図 同実施形態の洗浄ノズルの斜視図 同実施形態の水噴射洗浄作用説明図 同実施形態の各エゼクタミキサの断面図 同実施形態の洗浄ノズルの他例の一部を断面した正面図 図10の洗浄ノズルの先端噴水部を示し、(a)は一部切り欠き断面図、(b)は(a)のX−X線断面図 他の実施形態の概略図 同実施形態の残液回収説明図 同実施形態のタンク水張り洗浄説明図 同実施形態のベーパ回収説明図 同実施形態の他のベーパ回収説明図 他の実施形態の概略図 他の実施形態の概略作用図 同実施形態の他の作用概略図 ベーパ回収の他の実施形態の概略図 ベーパ回収の他の実施形態の概略図 ベーパ回収の他の実施形態の概略図 ベーパ回収の他の実施形態の概略図 ベーパ回収の他の実施形態の概略図
この発明の一実施形態を図1〜図8に示し、この実施形態は、520キロリットルのガソリンタンク1内の洗浄に係るものである。
この洗浄機材は、図1に示すように、残液回収設備10、気液分離設備20、ベーパ回収設備30、洗浄設備40及びそれらの駆動源となるコンプレッサ50等からなり、これらの各設備は4トントラック車に載せて移動できるものである。コンプレッサ50は内燃機関により駆動するものとすると、電源設備の無い場所での作業が容易となる。
図中、Pはマノメータ、Mはマンホール、S1、S2は赤外線式高濃度用測定器であり、タンク1内の上下の2個所において測定する。この測定器S1、S2は、可燃ガス(ベーパ)濃度及び酸素濃度を測定(検出)し、その可燃ガス濃度が一定以上になると、及び酸素濃度が一定以下になると、それぞれその旨をランプで表示する。その測定点位置及び数は適宜に、例えば、一個所、3個所などに設定して、複数の場合には、その各点を所定のタイミングでスキャンして測定する。
残液回収設備10は、コンプレッサ50により駆動されるエアポンプ11と、マイクロフィルタ12と、ストレーナ13とからなり、洗浄対象のタンク1とそのタンク1内の残油aを送り込むタンク2とを接続し、ポンプ11により、タンク1内の残油aをタンク2に送り込んでタンク1内の残油aを出来る限り無くす。残油aはタンクローリやドラム缶等に移し替えるようにすることもできる。図中、Vは開閉弁である。また、タンク1内の残油aの除去後、タンク1からタンク2等への配管には後述の不活性ガス(窒素ガス)bを送り込んでその配管内の残油aを回収することができる。このとき、そのガスで移動させるPIG洗浄とすることができる。
気液分離設備20は、密封分離槽21、クッションタンク22、吸着槽23及び廃油缶24等からなる。密封分離槽21は、図4に示すように、密封タンク21a内に当板21bを設けたものであり、気液混合体(油分e、気体f、水w)が流入すると、それが当板21bに当り、気体(ガス)f及び油分eの一部は上方に移行し、液体(油分eの一部、水w)は下方に移行する。その液体は、さらに油分eと水wに分離する。この密封分離槽21への気液混合体の流入は満液状態で行い、その液量は強化ガラス製の透明目盛窓21cで確認したり、図示しない圧力式液面計で確認したりする。
気体f、油分e及び水wは各開閉弁Vの開閉によって適宜に送り出す。このとき、後述のように、ポンプ11により、気液混合体が送り込まれるため、油分e及び気体fはクッションタンク22に送られ、水wは後述のノズル41に送られる。水wの層下部の油分を含む沈殿物w1は吸着槽23に送り込む。
クッションタンク22は、密封分離槽21からの気体f及び油分eが流入して静置されることにより、それらが分離し、開閉弁Vの適宜な開閉によって、気体fはベーパ回収設備30に送り込まれ、油分eは吸着槽23に送られ、その油層の上澄み油は廃油缶(ドラム缶)24に送られる。
吸着槽23は、吸着材23aが装填されており、密封分離槽21及びクッションタンク22からの油分eが送り込まれて、油分eが吸着され、その吸着後の排水は外部に放出される。吸着槽23の液面にはスキーマ23bが設けられ、このスキーマ23bは筒状体からなり、その長さ方向の溝を有して、その軸心周りに少し回転することによって、前記溝を液面の油層に臨ますことにより、油層の上澄み油を筒状体内に流入させ、その油を廃液として外部の廃油槽23cに送り込む。通常は、油層の上澄み油がオーバフローによりスキーマ23b内に入る。その廃油はこの廃油槽23cから廃油缶24に送られる。
ベーパ回収設備30は、吸着液となる灯油dを充填した回収槽(吸着槽)31と、ラインミキサ32と、エアポンプ33と、エアムーバ(ファン)34から成る。図中、35はチャッキ弁である。
回収槽31は、図5に示すように、ラインミキサ32からの気液混合液が多孔管31aから槽内に流出され、その中の吸着液(灯油)dに気液混合液中のベーパcが接触して吸着がさらに促進される。回収槽31にも吸着材31bが装填されており、この吸着材31bによっても油分e及びベーパcが吸着される。このため、このベーパ回収槽31から放出されるガスgは、ベーパc及び油分eが完全に除去されたものであるため、臭気の問題もない。
ラインミキサ32は、図6に示すように、ベーパcが流入するアウターチューブ32aと、そのアウターチューブ32aの内に挿通された同一軸方向のインナーチューブ32bとからなる。そのアウターチューブ32aはその両端が前記インナーチューブ32bに連続して閉塞され、その閉塞スペース内のインナーチューブ32b全長周囲にはベーパcの流入口32cがその長さ方向に亘って形成されている。この流入口32cの流通方向は、インナーチューブ32bの軸心に対して45度傾いており、その傾き、位置及び数は混合率を考慮して適宜に設定する。
このインナーチューブ32bに吸着液(灯油)dが流通すると、アウターチューブ32a内のガス(ベーパc)が流入口32cからインナーチューブ32b内に吸引されて吸着液dに混合し、吸着される。
洗浄設備40は、ノズル41からなって、このノズル41に水道水w等を導く。別途のポンプによってノズル41に給水することもできる。
ノズル41は、例えば、図7に示すように、円筒状部41aの両側部の前後にズレて噴出口41bが形成されたものである。また、ノズル41には、その上面を被う遮蔽板42が設けられている。このノズル41は、水平設置の場合、その水平に対して上向きに5度程度傾いて取付けられ、左右に動くようになっている。
なお、ポンプ11、33、各配管等はアース(接地)して静電気対策を行う。また、配管にはSUSを使用して酪酸による酸化を防止する。
この実施形態の洗浄設備は以上の構成であり、つぎに、この洗浄設備によるガソリンタンク1の洗浄について、図1に基づき説明する。
まず、この設備を搭載したトラックとともに、窒素ガスタンクを搭載した車Tをタンク1近くまでもって行く。この後又は前もって、タンク1から残液aを抜き取り、そのタンク1から出る各配管を閉じて縁切りしてそのタンク1を密封する。この密封タンク1に不活性ガス(窒素ガス)bを封入してベーパcによる爆発を回避する。その窒素ガスbの封入度合は、酸素濃度が10%以下、好ましくは5%になるようにする。その濃度は測定器S1、S2により検出する。また、その窒素ガスbの封入により、タンク1内は、大気に対して1ヘクトパスカル程度加圧された微圧状態として、空気(酸素)が流入しないようにする。その微圧状態はマノメータPで検出する。
この不活性ガスbの封入時、ベーパ回収設備30を駆動させて、タンク1から排出されるベーパcを回収することもできる。このとき、タンク1の上部、例えば天井からもベーパcを回収するようにすることもできる。なお、不活性ガスbの封入量とベーパc等の排出量は同量とする。
つぎに、その微圧状態のタンク1内に給水して水張りを行う。この水張りにより、タンク1内の油分・残渣(沈殿錆等)の浮き上がりを図る。このとき、その浮き上がり効果等を考慮して、その水張り時間を適宜に設定し、その時間の経過後、排水を行う。水張り時間が長くなれば、比重差分離が促進される。このため、夜間等の作業のない時間は、その全時間に亘って水張りをすることが好ましい。
水張り用の給水は適宜な配管取付孔に工場用水等の水配管を接続して行い、排水は密封分離槽21に送り込む。作業が夜間に及ぶ場合には、その夜間中、水張りをして置く。その水張り高さは、処理油aの種類、タンク1の形状等によって適宜に決定すれば良いが、一般的に、水位が低い方が油分等の回収がされ易いが、例えば、100mm程度とする。
この水張り・排水の作用を図2に示し、この作用を繰り返して、タンク1内の残油・残渣が十分に除去されれば、ノズル41をタンク1の側面(側壁)周り等に所要間隔で取付ける。その取付けには、配管取付孔を使用する。このとき、通常、その取付孔は内径:200mmφであり、ノズル41は外径:40〜100mmφであるため、その取付孔でもってノズル41をタンク側壁に取付けることは容易である。
所要数のノズル41を取付け後、各ノズル41から噴水して、圧力水wによるタンク1内の水洗浄を行う。このとき、ノズルのヘッド(円筒状部41a)は噴出流(水流)によって図7矢印のように回転し、噴水はその回転軸周囲になされてタンク1内面が洗浄される。
このノズル41による洗浄時(マシン洗浄時)、図8に示すように、中心部より低位となったタンク1内の周縁部において、その周囲に噴水が叩き付けられて、水w、油分e、気体fの混合雰囲気となる。また、ドレン弁v1の吸水口が水面下にあって、ポンプ11により、水wとともに、油分e及び気体f(空気及びベーパc)が送り出され(吸引され)、その気体fには空気に加えてベーパcが混入している。このため、ドレン弁v1を介して密封分離槽21にその混合液が流れ込み、この分離槽21において、水w、油分e、気体f(空気およびベーパc)に分離され、水wはノズル41に循環されて再使用され、油分e及び気体fはクッションタンク22に送り込まれて分離する。
そのクッションタンク22内に気体fが溜まれば、ラインミキサ32を適宜に駆動させてベーパcを回収する。クッションタンク22内の油分(液)eは吸着槽23に送られ、液面に浮き上がった廃油分は廃油缶24に送られる。このノズル洗浄時、ベーパ回収設備30を駆動させて、タンク1の上部(例えば天井)からベーパcを回収するようにすることもできる。
このノズル洗浄が十分に行われた後、さらに、ベーパ回収設備30を駆動させて、タンク1内のベーパcを回収する。このとき、エアムーバ34により、タンク1内の気体fを強制的に吸引してラインミキサ32に送り込む。この強制送り込みによって、ベーパcの灯油dへの混合吸着がより効率的に行われる。このベーパcの混合吸着は、タンク1内のベーパcの濃度が許容値になるまで続ける。このベーパ回収は、ノズル洗浄時に少なからずタンク1内のベーパcの除去を行っているため、短時間で行うことができる。このベーパ回収は、タンク1内の窒素bとベーパcを大気と置換することとなる。このため、ベーパcがタンク1外に洩れないようにするとともに、大気の吸入に際して風道ができないようにする。
これまでの作業はタンク1が密封状態において行われるため、環境的に優れ、安全性も高いものであり、タンク1内のベーパcが十分に回収されれば、マンホールMからタンク1内に作業者が入って、最終の洗浄仕上げを行う。このとき、タンク1内には、ベーパcが全く残っていないため、安全な作業となる。また、密封状態であるため、大気への放出ガスは、ベーパ回収槽31からのみとなり、そのガスgはベーパcが吸着液dによって完全に除去されたものであるため、臭気の問題もない。
なお、1000キロリットルのガソリンタンク1において、0.6キロリットルの灯油dでもって十分なベーパcの吸着を行うことができた。
上記の洗浄作業において、タンク1がコーンフール型(CRT)、ドームルーフ型(DRT)の場合、図3aに示すように、ノズル41は天井に取付けて、周囲全域に洗浄水wが至るようにする。このとき、ノズル41には、図7に示すものに代えてそのような作用を行う周知のものを適宜に使用する。タンク1がフローティング型(FRT)の場合は、図3bに示すように、ノズル41はタンク1の側面に設けた態様とする。また、タンク1がインナーフロート型(CFRT)の場合は、図3cに示すように、同様に、ノズル41はタンク1の側面に設けた態様とする。このフロート型の場合、図7に示すノズル41によると、上方への噴水は遮蔽板42により遮られてフロート43に強く当らないため、そのフロート43の損傷を招くことがない。
上記ベーパ回収設備30における灯油dの循環量が多い場合は、例えば、図9(a)、同(b)に示すエゼクタミキサ36を使用することができる。図中、37は、入り口内面周囲等間隔に設けた螺旋状突条であって、この突条37により、エゼクタミキサ36内に入る灯油dが螺旋状になって、ベーパcの灯油dへの吸着が促進される。
上記洗浄ノズルとしては図10〜図11に示すものを使用することもできる。
その洗浄ノズル60は、給水管61と、この給水管61の先端に回転自在に設けられた噴水部70と、給水管61内を貫通して噴水部70を回転させる回転軸62と、給水管61の後端に設けられた回転軸62の回転用モータ63とからなる。
給水管61はL字状をして、その途中に上記不活性ガス(窒素ガス)bの流入口64が設けられており、一端開口から水wが送り込まれる。その一端開口部に上記モータ63が固定され、このモータ63は上記エアコンプレッサ50からの圧縮空気によって駆動する。モータ63からの回転力はギヤ機構65を介してクラッチ66に伝達される。このクラッチ66は、電磁又は手動であって、その出力は上記回転軸62に伝えられ、そのON、OFFによって上記噴水部70の回転・停止が選択される。
上記回転軸62は筒状カバー67内に挿通され、そのカバー67の一端は上記給水管61の開口部に支持され、他端は回転軸62他端の軸受68に固定されている(図11(a)参照)。この軸受68は脚69でもって給水管61に支持されており(図11(a)、(b)参照)、この支持と前記給水管61の開口部の支持68aによって回転軸62は給水管61内において大きく揺れることなく回転する。カバー67は省略することもできる。
上記噴水部70は、図11(a)に示すように、有蓋の筒状部材71が給水管61の先端エルボ部に嵌っており、パッキン72によって水密とされているとともに、リング73を介して回転自在になっている。この噴水部70の給水管への取付は、リング73を嵌めた筒状部材71を給水管61に嵌めて、そのリング73を給水管61にビス止めすることにより行う。
筒状部材71の軸心には連結軸74が設けられ、この連結軸74が2つのフック継手75を介して回転軸62に転結されている。このため、回転軸62の横方向における回転力が、その対のフック継手75を介して筒状部材71の上下方向における回転力として伝達される。
筒状部材71の周囲にはノズル管76が設けられている。このノズル管76は、周囲等間隔が好ましく、また、その数も洗浄能力を考慮して適宜に設定する。ノズル管76の噴水口77は斜め上方に向いており、給水管61から送られた水wがこの各ノズル管76に流入し、その噴水口77から斜め上方に噴出する。その噴出角度も洗浄能力を考慮して適宜に設定する。例えば、上向き45度とする。
この洗浄ノズル60は、ケミカルタンク1の側壁にその配管取付孔を介して水密に挿し込み固定し、給水管61に給水するとともに、噴水部70を回転させると、タンク1内に位置する噴水部70のノズル管76から斜め上方に噴水されて、タンク1内が洗浄される。
このとき、噴水距離は水圧の調整で行うことができるが、上記流入口64から加圧した不活性ガスbを流入して、その不活性ガスbの加圧度を調整することによって、洗浄水の飛距離(噴水距離)を調整する。この不活性ガスbの送り込みは、仮に、タンク1内にベーパc等のガスが残っていても、そのガスを封じ込める効果もある。すなわち、ケミカルタンク1の不活性ガス封入による密封を確実とする。
図7に示した洗浄ノズル41においても、その洗浄水wの通路に加圧した不活性ガスbを流入して、その不活性ガスbの加圧度を調整することによって、洗浄水の飛距離(噴水距離)を調整することもできる。また、図10〜図11で示した洗浄ノズル60においても、噴水部70の回転は、噴出流(水流)によって行うようにすることもできる。
ガソリンタンク1がフローティング型又はインナーフロート型の場合、フロート43によって、タンク1内はほぼ密封されているため、不活性ガスbの封入による爆発回避の必要がない。このため、例えば、図12及び図13(a)〜(c)に示すようにしてタンク1の洗浄を行う。
すなわち、まず、図13(a)に示すように、上述と同様に、タンク1からガソリン残液aを抜き取る。このとき、タンク1の底部から残液aを抜き取ることによって水分が多く、その水分除去が必要な場合、気液分離設備20を設けて、この設備20を介してタンク2に残液aを送り込む。
この残液aの回収が終われば、図13(b)に示すように、そのタンク1内に給水wして水張りを行うとともにその排水を行い、その排水wを密封分離槽21に送り込んで液分(油分)eと水wに分離し、その水wは水張り給水用に循環させ、油分eは回収する。
その後、図13(c)に示すように、タンク1からベーパcを引き出してそのベーパcをベーパ回収設備30において循環する吸着液dに混合吸着させて、そのタンク1内の残留ベーパcを除去する。
このベーパcの処理としては、図13(d)に示すように、タンク1からベーパ回収槽31の間に吸収槽(密封分離槽)31’、ストレーナ33’を介設したものとし得る。この回収回路では、エゼクタミキサ36による吸引作用により、タンク1からベーパcが吸着槽31’、ストレーナ33’を介してエゼクタミキサ36に送り込まれる。
このとき、タンク1からのベーパcは吸収槽31’の灯油液中に送り込まれるようにするとともに、その液面は搬送レベル(図13(d)破線参照)とし、バキュームタンクである吸着槽31’において、ベーパcと灯油のバブリングが起きてその混合吸着が円滑に行われるようにするとよい。ストレーナ33’は40メッシュの金属製として、静電気の除去を行うが、設けなくても良い。回収槽31はスピンドル油と水の層からなるものとする。
また、このベーパ回収開始時のベーパ濃度が高い場合,回収槽31内上部の気体c’’をタンク1に送り返す循環方式を採用して吸収(吸着)不足を補うようにする。その気体c’’のタンク1への送り込みは、タンク1内からのベーパcの引き出しによるタンク内負圧によって行われる。
さらに、回収槽31とエゼクタミキサ36の間は水wを循環させて静電気が生じないようにするとよい。
この図13a、同b、同dの全体フロートは図14のごとくなり、この図13dのように、吸着槽31’と回収槽31等の複数段の吸着作用によってベーパcを回収するようにすれば、回収効率は自ずと向上する。この回路はアセトン等に好ましい。
このベーパcの除去後、タンク1内の洗浄を行いこととなるが、上記の洗浄ノズル41によっても良いが、従来のように、タンク1内に作業者が入ってその洗浄作業をすることもできる。単純な大気中へのベーパc放出によるベーパ除去ではなく、水張り・水循環によるベーパ除去のため、その除去がほぼ完全に行われているからである。
このとき、上記給水wに水スチームを加えれば、洗浄効果が向上する。この水スチームの送り込みは、上記各洗浄水wの送り込み時にも採用できる。また、何れの洗浄作業においても、スチームによる洗浄(スチィーミング)を行うことができる。
上記実施形態は、ガソリンタンク1の場合であったが、この発明は、原油、その各種の精製油、及び各種の化学製品等のケミカルタンクに使用できる。例えば、ノルマルブチルアルデヒド(NBD)やイソブチルアルデヒド(IBD)等のアルデヒド類、又はプロピレンオキサイト等は、図15、図16に示すようにタンク1の洗浄及びベーパ回収を行う。
すなわち、上述と同様にして、ケミカルタンク1からケミカル残液aを抜き取った後、図15に示すようにそのケミカルタンク1内に窒素ガス(不活性ガス)bを送り込んでそのタンク1内のケミカル(NBD、IBD)ベーパc’をタンク1外に送り出し、その送り出されたケミカルベーパc’をラインミキサ32(エゼクタミキサ36)を介して吸着液(アセトン)dの封入された密封分離槽21に送り込んでケミカル液分(油分)eを吸着するとともに、その密封分離槽21からの気体分fを水槽25に送り込んで吸着する。
その吸着液dは循環させて、その循環する吸着液dに前記送り出されたケミカルベーパc’を混合吸着させる。また、各配管60において、残液aを抜き取る必要があれば、その接続部にエアムーバ34を設け、このエアムーバ34によってその残液a(ケミカルベーパc’)を回収回路に送り込む。
その後、図16に示すように、ケミカルタンク1内に給水wして水張りを行うとともにその排水を行い、その排水wを密封分離槽21に送り込んでケミカル液分eと水wに分離し、その水wはタンク1内に循環させ、ケミカル液分eはドラム缶24に回収する。図中、26はエアー弁であって、このエアー弁26を介して密封分離槽21からの気体fをタンク1に返送する。
これらの作用によって、NBD等のアルデヒド類の臭気は殆ど解消され、タンク1内に作業者が入って仕上げ清掃を行う。なお、給水wに水スチームを加えることによって洗浄効果が増し、臭気もさらになくすことが出来る。
ベーパcの回収方法としては、上記各実施形態において、例えば、ノルマルブチルアルデヒド、プロピレンオキサイト等の第一石油類においては、図17a〜cに示す方法も採用することができる。
図17aに示す方法は、アセトン封入の密封分離槽21にタンク1からのベーパcを送り込み、循環する吸着液(アセトン)eとラインミキサ32(エゼクタミキサ36)を介して混合吸着させ、その密封分離槽21から発生するベーパc’は水槽25に送り込んで溶解吸着させる。
図17bに示す方法は、上記同図aにおいて、二次側(水槽25側)を循環回路としたものである。この場合、密封分離槽21は吸着材23aを内封したものとする。
図17cに示す方法は、上記同図bにおいて、真空ポンプ23’によってベーパc’を水槽25に送り込むようにしたものである。
上記各実施形態において、タンク1内に、各種の油脂の溶媒として優れた上記アセトンを適宜量、例えば、タンク1容量:500〜750キロリットル程度であれば、2キロリットル程度を注入する(張り込む)ことができる。
また、上記吸着液dは、上記のものに限らず、そのタンク1への収納物に応じて適宜に選択する。例えば、メタノールタンク1であれば水を、発煙硫酸のタンク1であれば濃硫酸を、原油のタンク1であればA重油を、エピクロルヒドリンタンク1であればメタノールを、酢酸ビニルモノマーであれば灯油を、シクロヘキサノールであればターペンを、それぞれ使用する。このとき、エピクロルヒドリン及び酢酸ビニルモノマーは、臭気を完全に除去できないため、その臭気対策として、エピクロルヒドリンはエアーケム665M((株)日本シ−アールシー製商品名)、酢酸ビニルモノマーはエアーケム951M(同商品名)を使用する。
このため、例えば、密封式分離槽21の吸着液dはアセトンを水とすることができる。アセトンに代えて2エチルヘキサノールを採用し、密封式分離槽21の吸着液及び水封槽(クッションタンク)22の液をその2エチルヘキサノールとすることもできる。
さらに、各ポンプ11、33等は各型式のもの、例えば、ウエルデン型、スクリュウ型などが適宜に採用できるが、スクリュウポンプは脈動がない等の利点がある。また、ポンプ等の各機器への各配管には適宜にストレーナ13を設けてその機器への障害物の流入を阻止することが好ましい。
上記タンク1の洗浄方法において採用したペーパ回収は、既存のタンクから排出されるVOCなどの各種のベーパ回収に採用できる。そのペーパ回収の他の実施形態を次に説明する。
その一実施形態を図18に示し、この実施形態は、アスファルトタンク1aから排出されるベーパcを回収する設備であって、各タンク1aからベーパ導入管3を介して保温加熱された加熱管(この実施形態では蒸気が循環する管)4に送り込まれる。このとき、その送り込まれ量はチャッキバルブV1等の吸引調整弁等によって制御する。
回収槽31は、例えば、スピンドル油などの吸着液dが充填されており、耐圧防爆ポンプ33でもってその吸着液dは上記加熱容器4に接続されたエゼクタミキサ36に循環され、その循環によって加熱容器4内のベーパcがエゼクタミキサ36に吸引されて吸着液dと混合して吸着され、回収槽31に送り込まれる。
この作用によって、各タンク1a内のベーパcが回収される。加熱容器4の容量(管径)は各タンク1aから送り込まれるベーパc及びロータリ車による張込量(20〜30KL/h)により適宜に決定し、例えば、エゼクタミキサ36への循環量:10KL/h、ガス吸収:30KL/h、ポンプ23の耐圧:0.2Mpa、回収槽31の容量:1〜2KL等とする。
図19には、ガソリンスタンドの第1石油類のタンク解体に伴うそのタンク1cのベーパ回収工事の実施形態を示す。
この工事では、エアコンプレサー駆動のウエルデンポンプ23’’でもってタンク1c内の残油を回収後、そのポンプ23’’でもって、吸着槽(回収槽)31とエゼクタミキサ36の間にA重油と潤滑油からなる吸着液dを循環させ、その循環によってタンク1c内のベーパcがエゼクタミキサ36に吸引されて吸着液dと混合して吸着され、回収槽31に送り込まれる。
この作用によって、タンク1cのベーパcが回収される。このとき、サクション配管5を介してタンク1c内のベーパcが吸引される。また、開始時等のベーパ濃度が高く、ベーパcの十分な回収(吸着)が行えない場合には、循環配管6を設けて、エアー抜き管7を介してタンク1cと回収槽31間に循環路を形成するとよい。このとき、例えば、エゼクタミキサ36の流量:5KL/h、吸引量:15KL/h等とする。
1、1a、1c、2 タンク
4 加熱容器
10 残液回収設備
11 ポンプ
20 気液分離設備
21 密封分離槽
22 クッションタンク
23 吸着槽
24 廃油缶
30 ベーパ回収設備
31 ベーパ回収槽(吸着槽)
32 ラインミキサ
33 ポンプ
34 エアムーバ
36 エゼクタミキサ
40 洗浄設備
41 ノズル
50 コンプレッサ
60 洗浄ノズル
61 給水管
62 回転軸
70 噴水部
71 有蓋筒状部材
76 ノズル管
77 噴水口
a 残油
b 窒素ガス(不活性ガス)
c ベーパ
d 灯油
e 油分
f 気体(空気、ベーパ)
w 水

Claims (6)

  1. ケミカルタンク(1)からケミカル残液(a)を抜き取り、そのケミカルタンク(1)から出る各配管を閉じて縁切りしてそのケミカルタンク(1)を密封した後、不活性ガス(b)をそのケミカルタンク(1)内に封入して、ケミカルタンク(1)内のベーパ(c)による爆発を回避し、その状態の前記ケミカルタンク(1)内にノズル(41)により噴水して洗浄し、その洗浄されたケミカルタンク(1)からベーパ(c)を引き出してそのベーパ(c)を循環する吸着液(d)に混合吸着させて、ケミカルタンク(1)内の残留ベーパ(c)を除去することを特徴とするタンクの洗浄方法。
  2. フローティング型又はインナーフロート型のケミカルタンク(1)からケミカル残液(a)を抜き取った後、そのケミカルタンク(1)内に給水して水張りを行うとともにその排水を行い、その排水を密封分離槽(21)に送り込んでケミカル液分と水に分離し、その水は前記水張り給水用に循環させ、ケミカル液分は回収し、その後、前記ケミカルタンク(1)からベーパ(c)を引き出してそのベーパ(c)を循環する吸着液(d)に混合吸着させて、ケミカルタンク(1)内の残留ベーパ(c)を除去し、さらに前記ケミカルタンク(1)内を洗浄することを特徴とするタンクの洗浄方法。
  3. 上記不活性ガス(b)のケミカルタンク(1)への封入により爆発を回避した状態の前記ケミカルタンク(1)内に給水して水張りを行うとともにその排水を行い、その水張り・排水を繰り返して、ケミカルタンク(1)内の残油・残渣を除去し、その後に、上記ノズル(41)による洗浄を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載のタンクの洗浄方法。
  4. 上記洗浄水に加圧した不活性ガス(b)を流入して、その不活性ガス(b)の加圧度を調整することによって、洗浄水の飛距離を調整することを特徴とする請求項1又は3に記載のタンクの洗浄方法。
  5. 上記ケミカルタンク(1)の側壁に、その配管取付孔を介して上記ノズル(41)を取付けたことを特徴とする請求項1、3又は4の何れかに記載のタンクの洗浄方法。
  6. 上記ベーパ(c)と吸着液(d)の混合をエゼクタミキサ(36)により行ったことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のタンクの洗浄方法。
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