JP4746299B2 - 金属酸化物粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高い発光量と短い蛍光減衰時間及び短い立ち上がり時間を兼ね備えたシンチレータ材料に関するものである。
シンチレータ材料とは、電離放射線のエネルギーを光子に変換する機能を有する発光材料であり、放射線計測の分野で広範かつ重要な役割を果たしている。
シンチレータ材料は、大きく2つに分けることができる。1つは、発光量が10,000ph/Mev以上と比較的に多いが、蛍光減衰時間が200nsec程度とやや長いものであり、もう1つは、発光量は2,000ph/Mev以下と比較的に少ないが、蛍光減衰時間が1〜30nsec程度とやや短く、立ち上がり時間が0.1nsecと短いものである。前者のシンチレータ材料としては、例えば、NaI(Tl)、CsI(Na)、BGO(Bi4Ge312)、BSO(Bi4Si312)、CdWO4などがあり、後者のシンチレータ材料としては、例えば、BaF2、CsF、CeF3、CsIなどがあり、実用化されている。
例えば、生体の断層像撮影装置PET(PositronEmissionTomography)に用いられるシンチレータ材料の場合では、高速性や高エネルギー分解能の点から、発光量が多く蛍光減衰時間の短いことが望まれ、検出効率の点から密度が高く原子番号が大きいこと(光電吸収比が高いこと)が望まれる。
しかし、シンチレーション効率が高く発光量が多いこと、および蛍光減衰時間が短く、かつ発光の立ち上がり時間も短いことを兼ね備えたシンチレータ材料は存在せず、その研究開発に多大の努力が払われている。
そして、近年、LSO(Lu2SiO5:Ce)やLaBr3(LaBr3:Ce)などのシンチレータ材料も提案されている(例えば、特許文献1および非特許文献1)。しかし、これらのシンチレータ材料は、発光量が10,000ph/Mev以上であるが、蛍光減衰時間がそれぞれ40ns、25nsであり、十分に短いとはいえない。
非特許文献2及び非特許文献3では、シンチレータ材料としてLBO(LuBO3:Ce)が開示されているが、いずれもCeのドープ量が低いため、蛍光減衰時間が24−39nsと報告されており、十分に短いとはいえず、また、発光量も26,000〜27,000ph/Mevであり、十分であるとはいえない。さらに、Luは高価であるため、Luの使用量を減らすことも求められている。
米国特許第4958080号明細書
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、大きい発光量、短い蛍光減衰時間および短い発光の立ち上がり時間を兼ね備えたシンチレータ材料を提供することを目的とする。
本第一発明に係るシンチレータ材料は、一般式:Lu1-x1+x3(ただし、0.5≦x≦0.7)で表示される硼酸ルテシウムに、Ceを、硼酸ルテシウムの全質量に対して0.8〜5質量%ドープしたことを特徴とする。
前記シンチレータ材料の結晶構造は、カルサイト構造であることが好ましい。
本第二発明に係るシンチレータ材料は、一般式:Lu1-x-yy1+x3(ただし、0.5≦x≦0.7、0<y≦(1−x)/2)で表示される、イットリウムが固溶した硼酸ルテシウムに、Ceを、イットリウムが固溶した硼酸ルテシウムの全質量に対して0.8〜5質量%ドープしたことを特徴とする。
本第三発明に係るシンチレータ材料は、一般式:Lu1-x-yGdy1+x3(ただし、0.5≦x≦0.7、0<y≦(1−x)/2)で表示される、ガドリニウムが固溶した硼酸ルテシウムに、Ceを、ガドリニウムが固溶した硼酸ルテシウムの全質量に対して0.8〜5質量%ドープしたことを特徴とする。
本第一発明に係るシンチレータ材料は、一般式:Lu1-x1+x3(ただし、0.5≦0.7)で表示される硼酸ルテシウムに、Ceを、硼酸ルテシウムの全質量に対して0.8〜5.0質量%ドープしたものであるので、大きい発光量、短い蛍光減衰時間および短い発光の立ち上がり時間を兼ね備えることができる。なお、結晶構造がカルサイト構造である場合にはさらに発光量が大きくなる。
したがって、生体の断層像撮影装置PET(PositronEmissionTomography)において現在用いられているシンチレータ材料のBGO(Bi4Ge312)に替えて本発明に係るシンチレータ材料を用いれば、診断時間を短縮することができ、被験者の身体的負担を低減することができるとともに、高価な装置の稼働率を向上させることができる。また、輸送用コンテナの透視装置に応用すれば、港湾での検査時間を短縮することも可能である。
本第二発明および第三発明に係るシンチレータ材料は、一般式:Lu1-x1+x3(ただし、0.5≦0.7)で表示される硼酸ルテシウム中のLuの0〜50%(0を含まず)をそれぞれYまたはGdで置き換えた固溶体であるので、一般式:Lu1-x1+x3(ただし、0.5≦0.7)で表示される硼酸ルテシウムと近い発光特性を安価に実現することができる。
以下、本発明に係るシンチレータ材料の各構成要件における数値限定理由等について説明する。
本第一発明に係るシンチレータ材料は、一般式Lu1-x1+x3で表示される硼酸ルテシウムにCeをドープしたものである。Luの原子比は1−、Bの原子比は1+であり、LuとBの原子比が1:1の状態からBの原子比がだけ増加すると、Luの原子比がだけ減少するという関係にある。
本第一発明に係るシンチレータ材料においては、の値の範囲は0.5〜0.7であることが必要である。xの値が0.7を上回るとBの原子比が大きくなりすぎ、最大蛍光波長が、380nm以下の紫外光領域に大きくシフトし、光電子増倍管のより高感度の範囲である400〜420nmから大きく外れてしまう。最大蛍光波長が、光電子増倍管のより高感度の範囲である400〜420nmに入れば、光電子増倍管による検出感度が向上するため、最大蛍光波長は400〜420nmの範囲に入ることが好ましい。
また、本発明に係るシンチレータ材料においては、Ceをドープすることが必要である。ドープされたCeは、放射線で励起された時に発光の中心になるという働きをする。Ceのドープ量は硼酸ルテシウムの全質量に対して0.8〜5.0質量%であることが必要である。Ceのドープ量が0.8質量%より少ないと発光量が少なくなるからであり、一方、5.0質量%より多いとCeが硼酸ルテシウムの結晶中に入り切れなくなるため発光量を抑制する方向に働き、この場合も発光量が少なくなるからである。
なお、本発明に係るシンチレータ材料の結晶構造がカルサイト構造であると、発光量が大きくなるので好ましい。
本第二発明に係るシンチレータ材料は、一般式:Lu1-x1+x3(ただし、0.5≦0.7)で表示される硼酸ルテシウム中のLuの0〜50%(0を含まず)をYで置き換えた固溶体、すなわち、一般式:Lu1-x-yy1+x3(ただし、0.5≦x≦0.7、0<y≦(1−x)/2)で表示される、イットリウムが固溶した硼酸ルテシウムであって、Ceを、イットリウムが固溶した硼酸ルテシウムの全質量に対して0.8〜5質量%ドープしたものである。硼酸ルテシウム中のLuを50%を超えてYで置き換えると、密度の低下が大きくなり、好ましくない。
本第二発明に係るシンチレータ材料は、一般式:Lu1-x1+x3(ただし、0.5≦0.7)で表示される硼酸ルテシウム中の高価なLuの0〜50%(0を含まず)を安価なYで置き換えているので、本第一発明に係るシンチレータ材料の特性をある程度以上保持したまま、価格を安くすることができる。
本第三発明に係るシンチレータ材料は、一般式:Lu1-x1+x3(ただし、0.5≦0.7)で表示される硼酸ルテシウム中のLuの0〜50%(0を含まず)をGdで置き換えた固溶体、すなわち、一般式:Lu1-x-yGdy1+x3(ただし、0.5≦x≦0.7、0<y≦(1−x)/2)で表示される、ガドリニウムが固溶した硼酸ルテシウムであって、Ceを、ガドリニウムが固溶した硼酸ルテシウムの全質量に対して0.8〜5質量%ドープしたものである。硼酸ルテシウム中のLuを50%を超えてGdで置き換えると、密度の低下が大きくなり、好ましくない。
本第三発明に係るシンチレータ材料は、一般式:Lu1-x1+x3(ただし、0.5≦0.7)で表示される硼酸ルテシウム中の高価なLuの0〜50%(0を含まず)を安価なGdで置き換えているので、本第一発明に係るシンチレータ材料の特性をある程度以上保持したまま、価格を安くすることができる。
参考例1)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu23)1モルと99.99%以上の純度の硼酸(B23)1モルにドーパントとして硝酸セリウム六水和物(Ce(NO33・6H2O)をCeのドープ量が硼酸ルテシウムの全質量に対して2%となるよう混合した。その混合物をジルコニア坩堝中で270〜300℃に加熱して、熱分解し、乾燥混合物を得た。その後、900℃で10〜15時間予備加熱した後、徐冷した。そして、プレス成型をし、その後1250℃で10時間加熱して、LuBO3:Ceタブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、その特性を測定した。
X線回折により、このLuBO3:Ceタブレットの結晶構造がカルサイト(Calcite)構造であることを確認した。その確認後、このタブレットを用いて、X線ルミネッセンススペクトル、蛍光減衰曲線および融点を測定した。
X線ルミネッセンススペクトルの測定結果から、発光量、最大蛍光波長について解析し、蛍光減衰曲線の測定結果から、蛍光減衰時間、立ち上がり時間について解析した。それらの解析結果および融点を、既知のシンチレータ材料のものとともに表1に示す。また、X線ルミネッセンススペクトルを図1に示す。
Figure 0004746299
表1からわかるように、LuBO3:Ce(参考例1)は他の既知のシンチレータ材料(従来例1〜5)と比べ、高い発光量と短い蛍光減衰時間及び短い立ち上がり時間を兼ね備えている。
また、シンチレータ材料の最大蛍光波長が、光電子増倍管のより高感度の範囲(波長400〜420nm)に入れば、分解能が向上する点で望ましいところ、参考例1の最大蛍光波長は410nmであり、この範囲に入っている。
(実施例および
ルテシウムとホウ素の比をホウ素の比率が多くなるように、酸化ルテシウムと硼酸の混合比だけを変えて、参考例1と同等の方法でLu0.51.53:Ce(実施例)とLu0.31.73:Ce(実施例)のタブレットを作成し、その特性を参考例1と同様に測定・解析した。測定・解析結果を表2に示す。
Figure 0004746299
表2からわかるように、Bの含有量を増加させることにより、発光量を増加させることができる。
また、参考例1および実施例1、2となるにしたがいBの含有量が増えているが、それに伴い最大蛍光波長が410nmから360nmに減少している。このように本発明はB量を変化させることにより、発光量を大きく保ち、かつ蛍光減衰時間を短く保ったまま、最大蛍光波長を変化させることが可能であり、求められる最大蛍光波長に応じて材料設計をすることができる点でもシンチレータ材料として優れる。
なお、光電子増倍管のより高感度の範囲(波長400〜420nm)に最大蛍光波長が入る参考例1および実施例1の方が、最大蛍光波長360nmの実施例よりも、光電子増倍管をディテクターとして用いた場合の分解能は高くなる。
参考
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu23)1モルと99.99%以上の純度の硼酸(B23)1モルにドーパントとして硝酸セリウム六水和物(Ce(NO33・6H2O)をCeのドープ量が硼酸ルテシウムの全質量に対して2%となるよう混合した。その混合物をジルコニア坩堝中で270〜300℃に加熱して、熱分解し、乾燥混合物を得た。その後、900℃で10〜15時間予備加熱した後、徐冷した。そして、プレス成型をし、その後900℃で5時間加熱して、LuBO3:Ceタブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、その特性を測定した。なお、プレス成型をするまでの工程は参考例1と同様である。
X線回折により、このLuBO3:Ceタブレットの結晶構造がファテライト(Vaterite)構造であることを確認した。その確認後、このタブレットを用いて、X線ルミネッセンススペクトルを測定した。X線ルミネッセンススペクトルを図1に示す。
(比較例1)
Ceがドープされていない点以外は参考例1と同様にして、LuBO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、X線ルミネッセンススペクトルを測定した。X線ルミネッセンススペクトルを図1に示す。
図1は、参考例1、参考および比較例1についてのX線ルミネッセンススペクトルを同時に示している。縦軸はルミネッセンスの強さ(相対単位)、横軸は発せられた蛍光の波長である。
前述したように、X線回折による測定の結果、プレス成型後に1250℃で10時間加熱したLuBO3:Ce(参考例1)の結晶構造は、カルサイト(Calcite)構造であり、プレス成型後に900℃で5時間加熱したLuBO3:Ce(参考)の結晶構造はファテライト(Vaterite)構造であった。図1から、カルサイト構造のもの(参考例1)の方がファテライト構造のもの(参考)より発光量が多いことがわかる。また、CeがドープされていないLuBO3(undoped)は発光量が少ない上に、最大蛍光波長が360nm程度であり、光電子増倍管のより高感度の範囲(波長400〜420nm)から外れており、好ましくない。
参考
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu23)1モルと99.99%以上の純度の硼酸(B23)1モルにドーパントとして硝酸セリウム六水和物(Ce(NO33・6H2O)をCeのドープ量が硼酸ルテシウムの全質量に対して2%となるよう混合した。その混合物をジルコニア坩堝中で270〜300℃に加熱して、熱分解し、乾燥混合物を得た。その後、900℃で10〜15時間予備加熱した後、徐冷した。そして、プレス成型をし、その後1200℃で8時間加熱して、LuBO3:Ceタブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、その特性を測定した。なお、プレス成型をするまでの工程は参考例1と同様である。
X線回折により、このLuBO3:Ceタブレットの結晶構造がカルサイト構造であることを確認した。その確認後、このタブレットを用いて、X線ルミネッセンススペクトルを測定した。X線ルミネッセンススペクトルを図2に示す。
(実施例
ルテシウムとホウ素の比をホウ素の比率が多くなるように、酸化ルテシウムと硼酸の混合比だけを変えて、参考と同等の方法でLu0.31.73:Ceのタブレットを作成し、その特性を測定した。実施例のCeのドープ量は参考と同じで、硼酸ルテシウムの全質量に対して2%となるようした。
X線回折により、このLu0.31.73:Ceタブレットの結晶構造がカルサイト構造であることを確認した。その確認後、このタブレットを用いて、X線ルミネッセンススペクトルを測定した。X線ルミネッセンススペクトルを図2に示す。
図2には、参考および実施例3についてのX線ルミネッセンススペクトルを同時に示す。縦軸はルミネッセンスの強さ(相対単位)、横軸は発せられた蛍光の波長である。
図2からわかるように、B含有量を増加させると最大蛍光波長はLu/B比が1の時に比べ、410nmから360nmにシフトするが、発光量は増加する。
参考
99.99%以上の純度の硝酸ルテシウム六水和物(Lu(NO3)3・6H2O)2.345g、99.99%以上の純度の硝酸イットリウム六水和物(Y(NO3)3・6H2O)1.915g、99.99%以上の純度の硼酸(B23)1.4gに、さらにドーパントとして硝酸セリウムIII六水和物(Ce(NO3)3・6H2O)をCeのドープ量がLuYBO3の全質量に対して1.0質量%となるように混合した。この混合物を、硝酸アンモニウム(NH4NO3)5gを入れたジルコニア坩堝中に投入して、温度180〜200℃で、完全に溶解するまで攪拌混合した。その後、600〜800℃に昇温し、6時間保持した後、室温まで冷却して粉末を得た。
得られた粉末をX線回折により分析したところ、一般式Lu 0.5 0.5 BO3:Ceで表され、かつ、ファテライト構造を有する化合物であって、LuとYの比が1:1の固溶体であることを確認した。その確認後、この粉末を用いて、X線ルミネッセンススペクトルを測定した。X線ルミネッセンススペクトルを図3に示す。
参考
99.99%以上の純度の硝酸ルテシウム六水和物(Lu(NO3)3・6H2O)2.345g、99.99%以上の純度の硝酸ガドリウム六水和物(Gd(NO3)3・6H2O)2.255g、99.99%以上の純度の硼酸(B23)1.4gに、さらにドーパントとして硝酸セリウムIII六水和物(Ce(NO3)3・6H2O)をCeのドープ量がLuGdBO3の全質量に対して1.0質量%となるように混合した。この混合物を、硝酸アンモニウム(NH4NO3)5gを入れたジルコニア坩堝中に投入して、温度180〜200℃で、完全に溶解するまで攪拌混合した。その後、600〜800℃に昇温し、6時間保持した後、室温まで冷却して粉末を得た。
得られた粉末をX線回折により分析したところ、一般式Lu 0.5 Gd 0.5 BO3:Ceで表され、かつ、ファテライト構造を有する化合物であって、LuとGdの比が1:1の固溶体であることを確認した。その確認後、この粉末を用いて、X線ルミネッセンススペクトルおよび蛍光減衰曲線を測定した。X線ルミネッセンススペクトルを図3に示す。
参考
99.99%以上の純度の硝酸ルテシウム六水和物(Lu(NO3)3・6H2O)1モル、99.99%以上の純度の硼酸(B23)1モルに、さらにドーパントとして硝酸セリウムIII六水和物(Ce(NO3)3・6H2O)をCeのドープ量がLuBO3の全質量に対して1.0質量%となるように混合した。この混合物を、硝酸アンモニウム(NH4NO3)5gを入れたジルコニア坩堝中に投入して、温度180〜200℃で、完全に溶解するまで攪拌混合した。その後、600〜800℃に昇温し、6時間保持した後、室温まで冷却して粉末を得た。
得られた粉末をX線回折により分析したところ、一般式LuBO3:Ceで表され、かつ、ファテライト構造を有する化合物であることを確認した。その確認後、この粉末を用いて、X線ルミネッセンススペクトルを測定した。X線ルミネッセンススペクトルを図3に示す。
図3には、参考およびについてのX線ルミネッセンススペクトルを同時に示す。縦軸はルミネッセンスの強さ(相対単位)、横軸は発せられた蛍光の波長である。
図3からわかるように、参考およびの発光量は参考の発光量の50%程度である。また、参考およびの最大蛍光波長は420nm程度であり、光電子増倍管のより高感度の範囲(波長400〜420nm)に入っている。したがって、高価なLuの50%を安価なYおよびGdに置き換えても、シンチレータ材料として、参考よりもやや劣る程度の発光特性は実現できると考えられる。
従って、参考およびはシンチレータ材料としての特性を少々犠牲にしているものの、コストを重視する応用分野用の安価なシンチレータ材料として産業上の意義があると考えられる。
本発明は、具体的には、X線放射、γ線放射、α線放射の記録および測定、固い物体の構造のスペアリング(非破壊)制御、写真フィルムを使用しない三次元陽電子−電子コンピュータ断層撮影法(PET)およびX線コンピュータ間接撮影法(X線CT)等への適用が考えられる。
LuBO3:Ceの結晶構造が、カルサイト構造のもの(参考例1)、ファテライト構造のもの(参考)、およびCeがドープされていないLuBO3(比較例1)のものについてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。 LuBO3:Ce(参考)とLu0.31.73:Ce(実施例)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。 参考およびについてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。

Claims (4)

  1. 一般式:Lu1-x1+x3(ただし、0.5≦x≦0.7)で表示される硼酸ルテシウムに、Ceを、硼酸ルテシウムの全質量に対して0.8〜5質量%ドープしたことを特徴とするシンチレータ材料。
  2. 結晶構造がカルサイト構造であることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータ材料。
  3. 一般式:Lu1-x-yy1+x3(ただし、0.5≦x≦0.7、0<y≦(1−x)/2)で表示される、イットリウムが固溶した硼酸ルテシウムに、Ceを、イットリウムが固溶した硼酸ルテシウムの全質量に対して0.8〜5質量%ドープしたことを特徴とするシンチレータ材料。
  4. 一般式:Lu1-x-yGdy1+x3(ただし、0.5≦x≦0.7、0<y≦(1−x)/2)で表示される、ガドリニウムが固溶した硼酸ルテシウムに、Ceを、ガドリニウムが固溶した硼酸ルテシウムの全質量に対して0.8〜5質量%ドープしたことを特徴とするシンチレータ材料。
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