JP4745376B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マルチスライススキャンが可能なX線CT装置に関する。
X線CT装置は、検体を透過したX線の強度に基づいて、検体についての情報を画像により提供するものであり、疾病の診断、治療や手術計画等を初めとする多くの医療行為において重要な役割を果たしている。このX線CT装置による断層画像の撮影形態は、一回転のスキャンで検体についての複数枚の投影データを収集可能なマルチスライススキャン、検体を螺旋状にスキャンして広範囲の投影データを得るヘリカルスキャン等種々のものが存在する。
通常マルチスライス対応のX線CT装置では、適切な装置環境を維持するため、適宜マルチスライス用検出器のアライメントが、例えば次の様にして行われる。
図11は、従来のX線CT装置における検出器アライメント方法を説明するための図である。図11において、例えば上部スリット200の開口幅を2mm×4スライス得られるように設定したときの検出器202の出力値をα、上部スリット200の開口幅を8mm×4スライスが得られるように設定した状態で、実際には、2mm×4スライスでデータを収集したときの検出器202の出力値をβとした場合に、各検出素子列の出力比α/βを全て1に近づけるように、検出素子列のアライメントを行っている。このアライメントでは、検出器202がX線管球204からの撮影に有効なX線照射領域に存在しているか否か(マルチ検出器の中で指定された検出素子列に本影が含まれるか否か)を調整/確認することができる。
しかしながら、上述した従来のアライメント方法では、X線管球204から照射されるX線の中心と検出器202の中心とが一致するように調節することはできない。そのため、上部スリット200の開口幅を、各データ収集モード(例えば2.0mm×4スライス)において必要な開口幅より若干広めに設定している。これにより、患者に対し余計な被爆を与える恐れがあった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、X線管球から照射されるX線の中心と検出器の中心とが一致するように精密に調節することができ、ひいては患者に対する被爆を少なくすることができるX線CT装置等を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
請求項1に記載の発明は、対象物に向けてX線ビームを曝射するX線源と、前記対象物と前記X線源との間に介挿され、前記対象物の体軸方向における前記X線ビームの幅を絞るためのコリメータと、前記対象物を透過したX線ビームを検出する検出素子列が前記体軸方向に4列以上配置されたX線検出器と、前記X線検出器の出力に基づいて前記対象物のX線画像を生成する生成手段と、前記複数の検出素子列の全てが本影領域に含まれるような第1のコリメータ幅で得られた前記検出素子列の第1の出力と、前記複数の検出素子列のうち前記体軸方向に関して両端に存在する前記検出素子列が半影領域に含まれるような第2のコリメータ幅で得られた前記検出素子列の第2の出力と、に基づいて、前記X線源と前記X線検出器との前記体軸方向に関するアライメント補正に関する情報を出力する補正情報出力手段と、を備えたことを特徴とするX線CT装置である。
以上本発明によれば、X線管球から照射されるX線の中心と検出器の中心とが一致するように精密に調節することができ、ひいては患者に対する被爆を少なくすることができるX線CT装置等を実現することができる。
以下、本発明の第1及び第2の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1の実施形態)
まず、本実施形態に係るX線CT装置10の概略構成を、図1を参照しながら説明する。
なお、X線CT装置には、X線管球と検出器システムとが1体として被検体の周囲を回転する回転/回転(ROTATE/ROTATE) タイプ、リング状に多数の検出素子がアレイされ、X線管球のみが被検体の周囲を回転する固定/回転(STATIONARY/ROTATE) タイプ、電子ビームを偏向させることで電子的にX線源の位置をターゲット上で移動するタイプ等様々なタイプが存在するが、本発明の技術的思想は、いずれのタイプにも適用可能である。すなわち、本発明の技術的思想は、X線管球とマルチスライススキャン対応の検出器を有する構成であれば、どのような装置であっても適用することが可能である。なお、以下の説明では、現在主流を占めている回転/回転タイプのX線CT装置を例として説明する。
図1は、X線CT装置10のブロック構成図を示している。また、図2は、図1のX線CT装置10による断層像撮影形態の斜視図を示している。
図1に示すように、X線CT装置10は、X線管球101、回転リング102、二次元検出器システム103、データ収集回路(DAS)104、非接触データ伝送装置105、前処理装置106、架台駆動部107、スリップリング108、高電圧発生装置109、ホストコントローラ110、記憶装置111、補助記憶装置112、データ処理装置113、再構成装置114、入力装置115、精度対応表記憶部116、画像処理部118、表示装置119、アライメントデータ記憶部120、ネットワーク通信装置122、データ/制御バス300を有している。また、データ/制御バス300を介して、当該装置本体100には外部の画像処理装置200が接続されている。
X線管球101は、X線を発生する真空管であり、回転リング102に設けられている。当該X線管球101には、X線の曝射に必要な電力が高電圧発生装置109からスリップリング108を介して供給される。X線管球101は、供給された高電圧により電子を加速させターゲットに衝突させることで、有効視野領域FOV内に載置された被検体Pに対してコーン状のX線を照射する。
このX線管球101は、より精度の高い撮影を実現するために、撮影の際にX線ビームの中心が二次元検出器システム103の中心と向かい合うように相対的に位置調節されていることが好ましい。これは、後述するアライメント方法によって可能となる。
なお、X線管球101から照射されるX線ビームは、図3及び図4等に図示したスリット121によってコリメートされる。
回転リング102には、X線管球101、検出器システム103、及びデータ収集回路104が設けられている。回転リング102は、架台駆動部107により駆動され、X線管球101及び検出器システム103とともに1回転あたり1秒以下という高速で被検体の回りを回転する。
二次元検出器システム103は、被検体Pを透過したX線を検出する検出器システムであり、X線管球101に対向する向きで回転リング102に取り付けられている。二次元検出器システム103には、シンチレータとフォトダイオードとの組み合わせで構成される複数の検出素子が、被検体の体軸方向とそれに直交するチャンネル方向とに関して2次元状に配列されている。例えばチャンネル方向に関しては1,000個(1,000チャンネル)程度の検出素子が配列されている(以下、この1,000個の検出素子が配列された一の列を「検出素子列」と称する)。
また、二次元検出器システム103は、より精度の高い撮影を実現するために、後述するアライメント方法によってX線管球101に対する相対的な位置が調節される。
データ収集回路(DAS)104は、複数のDASチップを有し、2次元検出器システム103で検出されたM×Nの全チャンネルに関する膨大なデータ(1ビューあたりのM×Nチャンネル分のデータを以下“投影データ”という)を入力し、増幅処理、A/D変換処理等の後、一括して光通信を応用した非接触データ伝送装置105を介して固定側のデータ処理ユニットに伝送する。
非接触データ伝送装置105は、収集したX線透過データを光学的に次段装置に伝送する。当該非接触データ伝送装置105やデータ収集回路104等については、2次元検出器システム103において、膨大且つ高速に発生する2次元投影データを時間遅れなく伝送するための超高速処理化が図られている。
すなわち、被検体を透過したX線は、2次元検出器システム103においてアナログ電気信号のに変換され、さらにデータ収集回路104でディジタル電気信号の2次元投影データに変換された後、を介して、各種補正を行う前処理装置106に送られる。
前処理装置106は、非接触データ伝送装置105から2次元投影データを入力し、感度補正やX線強度補正等の前処理を行う。前処理を受けた2次元投影データは、直接あるいは記憶装置111に一旦記憶された後、データ処理部に送られる。
架台駆動部107は、診断用開口内に挿入された被検体の体軸方向に平行な中心軸のまわりに、X線管球101と二次元検出器システム103とを一体で回転させる等の駆動制御を行う。この架台駆動部107は、X線管球101のみを中心軸のまわりに回転させるものとしても良い。
高電圧発生装置109は、X線の曝射に必要な電力をスリップリング108を介してX線管球101に供給する。X線管球101に高電圧を供給する装置であり、高電圧変圧器、フィラメント加熱変換器、整流器、高電圧切替器等から成る。この高電圧発生装置109によるX線管球101への高電圧供給は、スリップリング108により行われる。
ホストコントローラ110は、撮影処理、データ処理、画像処理等の各種処理に関する統括的な制御を行う。例えば、撮影処理においては、ホストコントローラ110は、予め入力されたスライス厚等のスキャン条件を内部メモリに格納し、患者ID等によって自動的に選択されたスキャン条件(あるいは、マニュアルモードにおいて、入力装置115から直接設定されたスキャン条件)に基づいて、高電圧発生装置109、図示しない寝台駆動部、架台駆動部107、及び寝台の体軸方向への送り量、送り速度、X線管球101及び二次元検出器システム103の回転速度、回転ピッチ、及びX線の曝射タイミング等を制御し、被検体の所望の撮影領域に対して多方向からコーン状のX線ビームを照射してX線CT画像の撮影処理を行う。
また、ホストコントローラ110は、スキャン条件に基づいて、二次元検出器システム103のスイッチ群の各スイッチ切り換え制御を行う。すなわち、ホストコントローラ110は、二次元検出器システム103が有する各検出素子とデータ収集素子との接続状態を切り換え、各検出素子で検出されたX線透過データを所定の単位で束ねる。そして、スキャン条件に対応した複数スライスのX線透過データとして後段のデータ収集回路104に送り出し、所定の処理を実行する。
さらに、ホストコントローラ110は、後述するアライメント処理において、所定の出力信号比を計算し、予め作成された精度対応表と比較することでX線管球101或いは検出器システムの検出素子列103のスライス方向の移動量を演算する。
補助記憶装置112は、再構成装置114により生成された再構成画像データを記憶可能な大容量の記憶領域を有する装置である。
データ処理装置113は、例えばCPUなどを有するコンピュータ回路を搭載しており、2次元検出器システム103により収集された所定のスライス分の投影データを保持する。そして、データ処理装置113は、撮影系(X線管球及び2次元検出器システム)の回転による多方向から得られた同一スライスのすべての投影データを加算する処理や、その加算処理により得られた多方向データに対して必要に応じて補間処理、補正処理などを施すようになっている。
再構成装置114は、データ処理装置113によりデータ処理されて得られた投影データを再構成処理して、所定のスライス分の再構成画像データを生成する。具体的には、再構成装置114は、二次元画像再構成、或いはFeldkamp法に代表される3次元画像再構成アルゴリズムによる再構成を行い、体軸方向を横切る複数断面毎のX線吸収系数の2次元的分布データ、或いは体軸方向に広い対象領域(ボリューム)内におけるX線吸収系数の3次元的分布データ(ボクセルによる三次元ボリュームデータの集まりであり、「ボクセルボリュームデータ」と称される。)を再構成する。なお、当該再構成装置114は、一枚の断層像の再構成に必要な多方向の投影データを収集するのに要する時間より、短時間で多方向の投影データから断層像を再構成する、所謂リアルタイム再構成を行う。
入力装置115は、キーボードや各種スイッチ、マウス等を備え、オペレータを介してスライス厚やスライス数等の各種スキャン条件を入力可能な装置である。
精度対応表記憶部116は、後述するアライメント処理において使用されるアライメント精度対照表を格納する。このアライメント精度対照表は、予めシュミレーション等によって作成され、X線管球101或いは検出器システム103の調節移動量を演算するために使用される。
画像処理部118は、再構成装置114により生成された再構成画像データに対して、ウィンドウ変換、RGB処理等の表示のための画像処理を行い、表示装置119に出力する。また、画像処理部118は、オペレータの指示に基づき、任意断面の断層像、任意方向からの投影像、3次元表面画像等のいわゆる疑似3次元画像の生成を行い、表示装置119に出力する。出力された画像データは、表示装置119においてX線CT画像として表示される。
アライメントデータ記憶部120は、後述するアライメント処理において取得されるデータを記憶する。
ネットワーク通信装置122は、院内LAN、インターネット等のネットワークを介して、通信機能を持つ他の装置と情報のやり取りをする。特に、ネットワーク通信装置122は、第2の実施形態で示すように、インターネット等を介して当該本X線CT装置10のメンテナンスサービスプロバイダの通信端末に、後述するアライメント処理が必要である旨等を送信する。
なお、再構成、断面変換などのデータ処理、表示オペレーション、後述するアライメント処理に関する演算処理等は、X線CT装置10内で行われるのが一般的である。しかし、ワークステーション等の外部画像処理装置において、これらの各処理を実行する構成であってもよい。この場合、X線CT装置10の本体から、外部画像処理装置に送られるデータは、再構成前でも、再構成後でも、データ処理後の表示直前でも、いずれの状態でも本実施形態の効果を妨げるものではない。
(アライメント処理)
次に、上記のように構成したX線CT装置10のアライメント方法について説明する。当該アライメント方法は、X線管球101から照射されるコーン形状のX線ビームの中心軸と、検出器システム103の中心位置とが揃うように、X線管球101と検出器システム103との相対的な位置を調節するものである。
すなわち、本X線CT装置10にて例えば4列のマルチ(4列マルチとは、4列の断層像が同時に収集されるものを言い、実際には検出素子列が8列、16列、34列、40列、250列等多数配列される。)によってマルチスライススキャンを行う場合、図2に示す様に、X線管球101と検出器システム103とが被検体Pを挟んで対向しながら回転し、複数枚の断層像が収集される。この場合、例えば図3に示すように、スライス方向の検出器システム103の中心AとX線ビームの中心軸Bとがずれていると、X線が各検出素子列に有効に照射されないことがあり、適切な断層画像を撮影することができない。患者の余分な被爆を防止する観点から、近年では上部スリットは必要最小限の開口幅とする傾向が顕著である。従って、スライス方向の検出器システム103の中心とX線ビームの中心軸とを一致させることは、重要である。
なお、図3に示すように、X線管球101から照射されたX線が直接通過する領域(言い換えると、X線ビームの中心軸Bを境界として、片側のX線管球101のX線照射口端と同片側のスリットの開口端とを結んだ直線で挟まれるX線照射領域)は、本影領域と称される。一方、図4に示すように、X線管球101から照射されたX線が間接的に通過する領域(言い換えれば、X線ビームの中心軸Bを境界として、片側のX線管球101のX線照射口端と反対側のスリットの開口端とを結んだ直線で挟まれるX線照射領域)は、半影領域と称される。本影領域では、X線強度は均一であり、一方、半影領域とでは、X線強度が位置によってことなる。従って、検出器システム103の中心AとX線ビームの中心Bとがずれており、図4示すように撮影に使用される検出素子列が本影領域内に対称に存在しない場合には、適切な画像収集ができない。
図5は、本実施形態の×4スライス、X線CT装置10のアライメント方法の手順を示したフロチャートである。
図5において、まず、X線管球101と上部スリット121とを適当に固定し、上部スリット121を例えば0.5mm×4スライスが得られる様な開口幅に設定した状態で、この開口幅より広い開口幅でデータを収集するように、検出器システム103のスライス幅を例えば2mm×4スライススライスに設定する(ステップS1)。
図6は、検出器システム103のスライス幅設定を説明するための図であり、検出器システム103を構成する検出器ブロック1031の一例を示している。図6に示すように、検出器ブロック1031は、回転軸上において0.5mmスライス厚のデータを収集出来るような検出素子列を32列配置し、この0.5mmスライス厚用検出素子列を体軸方向において挟むように1.0mmスライス厚のデータを収集するための検出素子列が片側に8列すつ配置される。また、実際には、この検出器ブロック1031は、チャンネル方向に数十列配置される。いまの場合、ステップS1においてスライス幅を2mm×4スライスに設定したことより、中心Aを境界としてスライス方向に対称な0.5mm幅の検出素子列a、b、c、dの16列が使用される。
次に、X線管球101からX線を照射して、検出素子列aの出力値Va1及び検出素子列dの出力値Vd1を取得する(ステップS2)。このとき、上部スリット121の開口幅は検出器システム103の検出範囲より狭く設定されているため、例えば図7に示すように検出素子列b及びcには本影が、検出素子列a及びdには一部半影が照射される。
なお、本実施形態においては、上記ステップS2、及び後述するステップS4におけるX線検出においては、X線管球101及び検出器システム103を回転していない場合を想定している。この様に、回転させずとも十分なアライメントが可能であるが、より広範囲な検出素子列を使用したアライメントを希望する場合等には、ステップS2及びステップS4においてX線管球101及び検出器システム103を回転させる構成であってもよい。
次に、検出素子列a,b,c,dの全てに本影が照射されるように、上部スリットを、回転軸上において8mm×4スライスのデータ収集ができるようなスリット幅に設定する(ステップS3)。
次に、X線管球101からX線を照射して、検出素子列aの出力値Va2及び検出素子列dの出力値Vd2を取得する(ステップS4)。このとき、上部スリット121の開口幅は検出素子列a,b,c,dの全てに本影が照射されるように、スライス幅に対して十分広く設定されているため、例えば図8に示すように検出素子列a,b,c,dの全てに本影が照射される。
次に、X線管球101の中心Bと検出器システム103の中心Aとに調節すべき量のずれがあるか否かを判別する(ステップS5)。当該判別には、上記Va1、Va2、Vd1、Vd2の各出力値より、検出素子aの位置と検出素子dの位置とが中心Aに対して対称か否かを判別するための指標(値)を演算し、当該指標に基づいて行われる。この指標は、対称であるか否かが判別可能であるものであれば特に限定はなく、例えば次の様な指標が考えられる。すなわち、ステップS2における各列の出力値から、出力比R=Va1/Vd1を、また、ステップS4における各列の出力値から、出力比R=Va2/Vd2を求める。この二つの比の差、例えばD=R―R値は、中心間のずれが小さい程小さい値となり、ずれが大きい程大きな値となり、対称か否かを判別するための指標とすることができる。現実のアライメント処理においては作業誤差等と含むので、指標Dが所定の範囲内、例えば15%内であれば、検出器システムの中心AとX線ビームの中心Bとのアライメントは適当であるする等の処方を採ることができる。
なお、本X線CT装置10においては、ステップS5における指標Dの演算は、検出器システム103からの出力に基づきホストコントローラ110によって実行される。各出力値、及び演算にて取得された指標は、アライメントデータ記憶部120に適宜記憶される。
ステップS5において、指標Dの値が15%以内であった場合には、調節すべきずれは発生していないと判断され、当該アライメント作業は完了する。
一方、ステップS5において、指標Dの値が15%以上であった場合には、調節すべきずれが発生していると判断され、当該アライメント処理はステップS6へと移行する。ステップS6では、指標Dに基づいて中心Aと中心Bとのずれ量を演算し、検出器システム103或いはX線管球101の少なくとも一方を移動させて位置調整を行う(ステップS6)。
本X線CT装置10においては、中心Aと中心Bとのずれ量は、ホストコントローラ110により演算される。すなわち、ホストコントローラ110は、アライメントデータ記憶部120に格納された指標Dと精度対応表記憶部116に格納されたアライメント精度対応表とを比較することで、中心Aと中心Bとのずれ量、或いは検出器システム103、X線管球101の調節量を演算する。
図9は、精度対応表記憶部116に格納されるアライメント精度対応表の一例を示した図であり、中心Aと中心Bとを合わせるため、指標Dの値に対する検出器システムの移動方向と移動量とを表した検出器アライメント精度対応表である。図9において、例えばステップS5において求めた指標Dの値が約40%である場合には、当該対応表から、調整のための検出器の移動量がm[mm]であり、移動方向が寝台側であることが求められる。また、例えばステップS5において求めた指標Dの値が約−25%である場合には、当該対応表から、調整のための検出器の移動量がm[mm]であり、移動方向が架台側であることが求められる。検出器システム103の移動が手作業による場合には、作業者は、例えば表示装置119に表示された調整移動量及び移動方向を参考に、検出器システム103を移動させる。また、X線CT装置10が検出器システム103のスライス方向の位置を自動的に調整する移動機構を有する場合には、当該移動機構は、ステップS6において求められた調整移動量及び移動方向に基づいて、検出器システム103を移動させる。
なお、精度対応表記憶部116は検出器アライメント精度対応表を格納し、当該対応表に基づいて検出器の位置を調整することでアライメントを行った。これに対し、精度対応表記憶部116は、中心Aと中心Bとを合わせるため、指標Dの値に対するX線管球の移動方向と移動量とを表したX線管球アライメント精度対応表を格納し、当該対応表に基づいてX線管球の位置を調整することでアライメントを行う構成であってもよい。この場合、一般にX線管球101は調整ネジにより位置調整可能であり、また、検出器システム103はX線管球101よりも重量があることから、アライメント作業は検出器システム103を移動させる場合と比較して容易である。
また、アライメント精度対応表は、例えばX線管球101の種類、特に焦点の大きさによって変化する。従って、精度対応表記憶部116には、各装置環境に応じて個別のアライメント精度対応表を格納する必要がある。
上記例では、スライス幅を2mm×4スライスとしており、アライメント処理に、検出器システム103の中心からスライス方向に最大限離れ、且つ対称の検出素子列a及びdの出力を使用した。この様に、検出器システム103の中心からスライス方向に出来るだけ離れた検出素子列を使用するのは、精度向上の観点からである。
しかしながら、本アライメント方法は、検出器システム103の中心に関して対称な二つ以上の検出素子列の出力を使用する構成であれば、十分な効果を得ることが可能である。
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
第1に、従来のアライメント方法では、全ての検出素子列を本影領域に配置するための位置調整をするのみであった。これに対し、本実施形態に係るアライメント方法によれば、X線ビームの中心と検出器システムの中心とを揃えることができ、より精度の高い撮影が可能となる。
第2に、従来のアライメント方法は、本アライメント方法によれば、全ての検出素子列を本影領域に配置するための位置調整をするのみであった。このため、撮影に使用しない素子列をも本影を照射するように、上部スリットの開口幅を調整する必要があった。これに対し、本実施形態に係るアライメント方法によれば、X線ビームの中心と検出器システムの中心とを揃えることができるので、検出に使用する素子列のみにX線を照射する構成とすることができ、上部スリットの開口幅を必要最小限とすることができる。その結果、被検体に対する被爆を最小限にすることが可能である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、上記X線CT装置10についてのアライメントサービスを提供するためのシステムについて説明する。
図1において、X線CT装置10のホストコントローラ110は、第1の実施形態において説明した指標Dの演算(すなわち、ステップS4の演算)、及びX線管球101の中心Bと検出器システム103の中心Aとに調節すべき量のずれがあるか否かの判別(すなわち、ステップS5の判別)を定期的に行っている。この演算結果としての指標D及び判別結果は、アライメントデータ記憶部120にその都度記憶されるとともに、ネットワーク通信装置122により、ネットワークを介してメンテナンスサービスプロバイダの通信端末に送信される。
メンテナンスサービスプロバイダは、定期的に送られてくるX線CT装置10についての指標D、或いは判別結果を自身の通信端末にて知ることで、迅速且つ適切なメンテナンスサービスを提供することが可能である。例えば、アライメントずれを適宜モニタリングし、その結果に応じアライメントずれ調整を行うサービスマンの派遣管理に用いる。 以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば以下に示すように、その要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
(1)上記実施形態においては、指標Dに基づいてX線ビームの中心と検出器システムの中心とのずれを判別する構成であった。しかし、判別のための指標はこれに限定されず例えば、上記各検出素子列a,b,c,dの各出力値から検出器システム103の中心A上の所定の物理量を演算し、理論上の中心A上の値とのずれを指標とする構成であってもよい。
図10は、例えばステップS2における各検出素子列a,b,c,dの各出力値V1、V2、V3、V4の重心位置と中心Aとのずれを指標とする例を説明するための図である。図10において、各検出素子列a,b,c,dの中心の座標をそれぞれx1=1,x2=2,x3=3,x4=4とした場合、次の式(1)にて重心位置Gを計算する。
G=(x1V1+x2V2+x3V3+x4V4)/(V1+V2+V3+V4) (1)
今の場合、図10に示すように検出器システム103の中心はx=2.5の位置にある。従って、理論上ではG=2.5である。この理論上の重心位置2.5と(1)により求められたGの値との差を指標とし、当該指標に関するアライメント対応表を使用することでも同様の効果を得ることができる。
(2)上記第1の実施形態においては、精度向上の観点から、第1の形態及び第2の形態にて取得された各検出素子列の出力を用いて指標を計算し、ずれ量をもとめた。これに対し、第1の形態によって取得された各検出素子列の出力のみによって、中心のずれを示す他の指標、及びずれ量を計算する構成であってもよい。
また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以上本発明によれば、X線管球から照射されるX線の中心と検出器の中心とが一致するように精密に調節することができるX線CT装置等を実現できる。
図1は、X線CT装置10のブロック構成図を示している。また、図2は、図1のX線CT装置10による断層像撮影形態の斜視図を示している。 図2は、図1のX線CT装置10による断層像撮影形態の斜視図を示している。 図3は、検出器システムに対するX線管球からのX線照射形態を説明するための図である。 図4は、検出器システムに対するX線管球からのX線照射形態を説明するための図である。 図5は、スライス幅を2mm×4スライスとした場合の、X線CT装置10のアライメント方法の手順を示したフロチャートである。 図6は、検出器システム103のスライス幅設定を説明するための図であり、検出器システム103を構成する検出器ブロック1031の一例を示している。 図7は、検出器システムに対するX線管球からのX線照射形態を説明するための図である。 図8は、検出器システムに対するX線管球からのX線照射形態を説明するための図である。 図9は、精度対応表記憶部116に格納されるアライメント精度対応表の一例を示した図である。 図10は、例えばステップS2における各検出素子列a,b,c,dの各出力値V1、V2、V3、V4の重心位置と中心Aとのずれを指標とする例を説明するための図である。 図11は、従来のX線CT装置における検出器アライメント方法を説明するための図である。
符号の説明
10…装置
100…装置本体
101…X線管球
102…回転リング
103…検出器システム
104…データ収集回路
105…非接触データ伝送装置
106…前処理装置
107…架台駆動部
108…スリップリング
109…高電圧発生装置
110…ホストコントローラ
111…記憶装置
112…補助記憶装置
113…データ処理装置
114…再構成装置
115…入力装置
116…精度対応表記憶部
118…画像処理部
119…表示装置
120…アライメントデータ記憶部
121…上部スリット
122…ネットワーク通信装置
300…制御バス
1031…検出器ブロック

Claims (7)

  1. 対象物に向けてX線ビームを曝射するX線源と、
    前記対象物と前記X線源との間に介挿され、前記対象物の体軸方向における前記X線ビームの幅を絞るためのコリメータと、
    前記対象物を透過したX線ビームを検出する検出素子列が前記体軸方向に4列以上配置されたX線検出器と、
    前記X線検出器の出力に基づいて前記対象物のX線画像を生成する生成手段と、
    前記複数の検出素子列の全てが本影領域に含まれるような第1のコリメータ幅で得られた前記検出素子列の第1の出力と、前記複数の検出素子列のうち前記体軸方向に関して両端に存在する前記検出素子列が半影領域に含まれるような第2のコリメータ幅で得られた前記検出素子列の第2の出力と、に基づいて、前記X線源と前記X線検出器との前記体軸方向に関するアライメント補正に関する情報を出力する補正情報出力手段と、
    を備えたことを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記アライメント補正に関する情報は、前記X線ビームの前記体軸方向における中心軸と前記X線検出器の中心とのずれ量であることを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
  3. 前記アライメント補正に関する情報は、前記ずれ量を補正するのに必要な前記X線源及び前記X線検出器の少なくとも一方を移動させる移動量であることを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
  4. 前記アライメント補正に関する情報を表示する表示手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載のX線CT装置。
  5. 前記X線検出器の出力は、前記X線源が前記対象物の周りを回転する間に得られたデータであることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のX線CT装置。
  6. 前記アライメント補正に関する情報に基づいて、前記X線源及び前記前記X線検出器の少なくとも一方を移動する移動手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至5にうちいずれか一項記載のX線CT装置。
  7. 前記アライメント補正に関する情報を、ネットワークを介して前記アライメント補正を行うサービスセンタに送信する送信手段を更に備えたことを特徴とする請求項1又は6記載のX線CT装置。
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