JP4743580B2 - 工業製品の設計方法及びこの設計方法により設計された工業製品 - Google Patents
工業製品の設計方法及びこの設計方法により設計された工業製品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4743580B2 JP4743580B2 JP2004250375A JP2004250375A JP4743580B2 JP 4743580 B2 JP4743580 B2 JP 4743580B2 JP 2004250375 A JP2004250375 A JP 2004250375A JP 2004250375 A JP2004250375 A JP 2004250375A JP 4743580 B2 JP4743580 B2 JP 4743580B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- curve
- point
- axis
- dimensional
- clothoid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 98
- 238000013461 design Methods 0.000 title claims description 53
- 239000013598 vector Substances 0.000 claims description 94
- 230000014509 gene expression Effects 0.000 claims description 89
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 claims description 56
- 230000033001 locomotion Effects 0.000 claims description 27
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 claims description 7
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 claims description 6
- 230000008859 change Effects 0.000 description 22
- 238000002940 Newton-Raphson method Methods 0.000 description 18
- 239000000047 product Substances 0.000 description 18
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 14
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 6
- 230000006870 function Effects 0.000 description 6
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
- 238000007429 general method Methods 0.000 description 3
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 2
- 230000000452 restraining effect Effects 0.000 description 2
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 2
- 230000001131 transforming effect Effects 0.000 description 2
- 230000032683 aging Effects 0.000 description 1
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 1
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 1
- 230000015556 catabolic process Effects 0.000 description 1
- 238000006731 degradation reaction Methods 0.000 description 1
- 230000004069 differentiation Effects 0.000 description 1
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 1
- 238000003780 insertion Methods 0.000 description 1
- 230000037431 insertion Effects 0.000 description 1
- 238000007689 inspection Methods 0.000 description 1
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 1
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 description 1
- 238000002360 preparation method Methods 0.000 description 1
- 238000011160 research Methods 0.000 description 1
- 230000011218 segmentation Effects 0.000 description 1
- 238000003860 storage Methods 0.000 description 1
- 239000013589 supplement Substances 0.000 description 1
- 238000004804 winding Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Transmission Devices (AREA)
Description
始点からの曲線の長さをsとし、その全長(始点から終点までの長さ)をhとする。sをhで割った値をSで表わす。Sは無次元の値であり、これを曲線長変数と呼ぶ。
i,j,kはそれぞれ、x軸、y軸、及びz軸方向の単位ベクトルである。
uは点Pにおける曲線の接線方向を示す単位ベクトルであり、式(2)によって与えられる。E kβ 及びE jα は回転マトリクスであり、それぞれ、k軸まわりの角度βの回転及びj軸まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(2)は、i軸方向の単位ベクトルを、まずj軸まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。
a 0 ,a 1 ,a 2 ,b 0 ,b 1 ,b 2 は定数。
始点からの曲線の長さをsとし、その全長(始点から終点までの長さ)をhとする。sをhで割った値をSで表わす。Sは無次元の値であり、これを曲線長変数と呼ぶ。
i,j,kはそれぞれ、x軸、y軸、及びz軸方向の単位ベクトルである。
uは点Pにおける曲線の接線方向を示す単位ベクトルであり、式(2)によって与えられる。E kβ 及びE jα は回転マトリクスであり、それぞれ、k軸まわりの角度βの回転及びj軸まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(2)は、i軸方向の単位ベクトルを、まずj軸まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。
a 0 ,a 1 ,a 2 ,b 0 ,b 1 ,b 2 は定数。
始点からの曲線の長さをsとし、その全長(始点から終点までの長さ)をhとする。sをhで割った値をSで表わす。Sは無次元の値であり、これを曲線長変数と呼ぶ。
i,j,kはそれぞれ、x軸、y軸、及びz軸方向の単位ベクトルである。
uは点Pにおける曲線の接線方向を示す単位ベクトルであり、式(2)によって与えられる。E kβ 及びE jα は回転マトリクスであり、それぞれ、k軸まわりの角度βの回転及びj軸まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(2)は、i軸方向の単位ベクトルを、まずj軸まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。
a 0 ,a 1 ,a 2 ,b 0 ,b 1 ,b 2 は定数。
(1−1)3次元クロソイドの基本式
クロソイド曲線(Clothoid curve)は、別名コルニューの螺旋(Cornu’s spiral)とも呼ばれ、曲線の長さに比例して曲率が変化する曲線である。
任意の3次元曲線があるとき、tをパラメータとしてR(t)で表すとする。特に、始点からの移動距離sをパラメータとしたときは、R(s)で表すとする。
図6のような、ある3次元クロソイド曲線と同じ大きさ、形状で向きが逆な3次元クロソイド曲線を生成することをについて考える。
始点P1と終点P2を持ち、3次元クロソイド曲線のクロソイドパラメータが、h,a0,a1,a2,b0,b1,b2の7つの値で決まる3次元クロソイド曲線C0があるとする。このとき図7のように、点P1、P2を結ぶ3次元クロソイド曲線C0を、途中の曲線長変数がS=Sdである点Pmで分割し、曲線C1とC2とに分割する方法について考えていく。
(a)曲線の連続性
一つのクロソイド曲線(同一のパラメータで表わされるクロソイド曲線)においては、その接線方向のピッチ角及びヨー角がそれぞれ曲線長変数Sの2次式で与えられるので、これを1回微分して得られる法線方向、及び、2回微分して得られる曲率が曲線長変数Sに関して連続であることが保証される。言い換えれば、一つのクロソイド曲線の中では法線方向及び曲率が連続である。したがって、滑らかで性質の良い曲線が得られる。また、二つのクロソイド曲線を連結する場合にも、そのつなぎ目において接線、法線、曲率が連続になるようにパラメータを選択することによって、滑らかなひとつなぎの曲線を作ることができる。これをクロソイド曲線群という。
曲線の接線方向を二つの角度(ピッチ角及びヨー角)で振ることができるので、さまざまな条件に合わせた3次元曲線を任意に作ることができ、いろいろな用途に用いることができ、工業製品の設計に必要となる空間曲線の汎用的な発生方法を提供することができる。空間曲線に沿って物体が加減速を伴って運動する場合に、拘束力変化が滑らかな設計を可能とする。また曲線長に対して曲率の変化を適切に設計できることにより、審美的な意匠曲線設計など、様々な産業分野に有効に適用される。
直線・円弧・ねじ曲線などの幾何曲線は、クロソイドパラメータのいくつかを0にし、あるいは、いくつかのパラメータ間に特定の関数関係を与えることによって作ることができる。これらの曲線はクロソイド曲線の一種であり、クロソイドのフォーマットを用いて表現できる。
スプライン補間などの従来の補間法では、自由曲線を数式化した際に、その全体の形、あるいは局部的な形が分かりにくいことが多いが、3次元クロソイドにおいては、ピッチ角及びヨー角のそれぞれを想定することによって、比較的容易に全体像を把握することができる。
曲線の主変数が長さsまたは正規化された長さSであり、曲線の方程式はこの長さに対する自然方程式で与えられている。このため、長さsを時間tの関数として定めることによって、加減速などの運動特性を任意に与えることができ、従来カムなどに用いられてきた特性の良い運動曲線を採用することによって、加工作業の高速化を図ることができる。長さsは実在のカルテシアン空間における値として与えられ、速度・加速度は接線方向に対して求められるので、従来の補間法のように各軸ごとに与えられた値を合成する必要がない。また、曲率の計算が容易なため、運動時の遠心加速度も容易に求められ、運動軌跡に応じた制御を行うことができる。
(2−1)滑らかな接続の数学的条件
1本の3次元クロソイド曲線では、曲線の形状表現に限界がある。ここでは、数値制御による工具の運動制御を主な目的として、3次元クロソイド曲線(3次元クロソイド線分)を複数本接続し、この複数本の3次元クロソイド曲線によって工業製品の形状を設計する。3次元クロソイド曲線を用いた補間法を以降、3次元クロソイド補間と呼ぶ。以降、補間によって生成される曲線群全体を3次元クロソイド曲線と呼び、それを構成する単位曲線を3次元クロソイド線分と呼ぶ。
次の2種類の計算手順がある。
拘束条件:(3-3)式、あるいはその一部
(a)補間法の流れ
3次元クロソイド曲線を用いて与えられた点列の間を滑らかに補間していく手法の一実施例について詳しく述べる。
3次元クロソイド補間において、厳密に補間対象の点を通り、かつG2連続となるような条件について具体的な条件を考える。
ニュートン・ラプソン法においては、解の探索を始める際に適当な初期値を与える必要がある。初期値はどのように与えられてもいいが、ここではその初期値の与え方の一例について述べる。
実際に以上に述べた手法で点列を補間した例として(0.0, 0.0, 0.0), (2.0, 2.0, 2.0), (4.0, 0.0, 1.0), (5.0, 0.0, 2.0)の4点を3次元クロソイド補間した例を挙げる。補間により生成された3次元クロソイド曲線の透視図を図15に載せた。図15は実線が3次元クロソイド曲線であり、破線、一点鎖線、二点鎖線の直線は曲線上の各点における、大きさをlog(曲率半径+自然対数e)に、方向を法線ベクトルにとった曲率半径変化パターンである。
(a)補間条件と未知数
2-3で述べたように、曲線が開いている場合で補間対象の点がn個あるとき、点列はn-1個の曲線で3次元クロソイド補間される。厳密に各点を通るなら各3次元クロソイド線分について未知数はa0, a1, a2, b0, b1, b2, hの7つあるので、未知数は全体で7(n-1)個あることになる。一方、条件式については、n-2個ある接続点ごとに座標、接線、法線、曲率の7個づつと終点における座標の3個が存在するので、全部で7(n-2)+3個である。2-3の手法ではこれに始点・終点における接線ベクトルを与え、条件を4個増やすことによって、条件式と未知数の数を合わせていた。
両端であわせてm=2k個の項目を制御するとき、未知数は全体で7(n-1)個、条件式は全体で7(n-1)-4+2k個である。このとき過剰な条件式は2k-4個である。今、k-2個の点を新たに挿入することを考えると、3次元クロソイド線分がk-2本、接続点がk-2個増えるので、未知数は全体で7(n+k-3)個、条件式は全体で7(n+k-3)-4+2k個となる。ここでさらに新たに挿入した各点の座標の値のうち2つ(例えばx,y)を未知数として扱うとすると、未知数は全体で7(n+k-3)+2(k-2)個、条件式は全体で7(n+k-3)+2(k-2)個となり未知数と条件式の数が等しくなる。
両端であわせてm=2k+1個の項目を制御するとき、未知数は全体で7(n-1)個、条件式は全体で7(n-1)+2k-3個である。このとき過剰な条件式は2k-3個である。今、k-1個の点を新たに挿入することを考えると、3次元クロソイド線分がk-1本、接続点がk-1個増えるので、未知数は全体で7(n+k-2)個、条件式は全体で7(n+k-2)-3+2k個となる。ここでさらに新たに挿入した各点の座標の値のうち2つ(例えばx,y)を未知数として扱うとすると、未知数は全体で7(n+k-2)+2(k-2)個、条件式は全体で7(n+k-2)+2k-3個となり条件式の数が1つ多くなる。そこで、m=2k+1の場合には挿入した点のうちひとつの点においては座標の値のうち1つだけを未知数として扱うとする。そうすることで、未知数は全体で7(n+k-2)+2(k-2)個、条件式は全体で7(n+k-2)+2(k-2)個となり未知数と条件式の数が等しくなる。
始点・終点で各値を制御する3次元クロソイドを用いた補間法は、図17及び図18に示されるように以下の流れで行われる。
Step2)生成された曲線上に新たな点を挿入し、条件式と未知数の数を調整する。
Step3)Step1の曲線パラメータを初期値として、目的の条件を満たすような各曲線のパラメータの近似値をニュートン・ラプソン法によって求める。
実際に両端での接線、法線、曲率を表5の条件で制御しするように3次元クロソイド補間した例を示す。厳密に通るべき補間対象の点に通し番号を振り、P1, P2, P3とした。
(b)の手法により、両端点における各値を制御しつつ、G2連続な補間が行えるようになった。ここで、両端点でなく中間点において値を制御する場合について考える。
(a)手法の流れ
始点・終点で各値を制御する3次元クロソイドを用いた補間法は、図22に示される以下の流れで行われる。以後、この流れに沿って説明する。
この例では3次元空間の3点{0.0, 0.0, 0.0},{5.0, 5.0, 10.0},{10.0, 10.0, 5.0}を与えた。その他各点に与えた接線、法線、曲率などの条件をまとめて表7に記した。
ニュートン・ラプソン法においては、解の探索を始める際に適当な初期値を与える必要がある。ここではその初期値を得るための準備をする。先行研究である3D Discrete Clothoid Splinesは、厳密に補間対象点を通り、曲率が始点からの移動距離に対して滑らかに変化するような性質を持っている。そこで、本研究では3次元クロソイド補間のための初期値を、図23のようなr=4の3D Discrete Clothoid SplinesのポリゴンQを作り、そこから計算で決定した。また、実際にこの点列より生成されたポリゴンを図24に、頂点の座標を表8に載せた。
ニュートン・ラプソン法で解を求めるには、各未知数の初期値を決定する必要がある。本手法ではその値をb-2で生成したポリゴンQを使って、各未知数の近似値を求めて決定する。3D Discrete Clothoid Splinesでは各頂点のフレネ標構がすでに求まっている。そこで、b-2で生成したポリゴンQの単位接線方向ベクトルtよりパラメータa0, b0を求める。この接線方向ベクトルtはポリゴンQを求めたときにすでに既知となっており、このtと3次元クロソイド曲線の接線の式とにより、ポリゴンQの頂点の接線方向回転角α,βが求まる。これにより各曲線のa0, b0の初期値が求まる。また、始点から始まる3次元クロソイドセグメントにおいては、その値を与える。
(b-3)で決定した初期値を用いてG2連続となるような条件下で各曲線のパラメータの近似値をニュートン・ラプソン法によって求める。これによって得られたパラメータから3次元クロソイドセグメントを生成し、点列間を3次元クロソイド曲線で補間することを行った。
図26は(b-4)で求めたパラメータを元に生成した曲線とb-2で生成したポリゴンとを同時に表示したものである。実線の曲線が曲線C1、破線の曲線が曲線C2である。この段階では始点・終点で接線方向を制御したG2連続な3次元クロソイド曲線になっている。
ここで、さらに始点P1と終点P3における法線と曲率も表7で与えた値にすることを考える。始点・終点でさらに法線と曲率を制御するには、始点と終点における条件をそれぞれ2つ増やす必要がある。しかし、条件が4つ増えた状態では未知数の数との関係からその条件を満たす解を求めることが出来ない。そこで、未知数と条件式の数を合わせるために、図27に示されるように曲線C1の曲線長変数S=0.5の位置に点DP1を新たに挿入した。また、曲線C2のついても曲線長変数S=0.5の位置に点DP2を新たに挿入した。
(b-6)で立てた条件式を満たす解を求めるためにニュートン・ラプソン法を用いるが、その収束率を上げるために未知数の初期値を決定する。方法としては、図28のように(b-5)で生成した3次元クロソイド曲線を新しく挿入した点の前後で分割することにより、3次元クロソイド曲線を4本作り、そのクロソイドパラメータを与えた。
(b-7)で決定した初期値を元に、(b-6)で立てた条件式を満たす解をニュートン・ラプソン法で求めた。表12は算出された各曲線のパラメータである。また、表13は与えた値と生成された曲線の始点・終点の接線、法線、曲率の差を示したものである。
(b-8)で求めたパラメータにより生成された曲線を図29に示す。実線が3次元クロソイド曲線、破線・一点鎖線・二点鎖線・三点鎖線は各曲線の方向を主法線方向に、大きさを曲率半径に自然対数を足して対数を取った曲率半径変化パターンを示している。また、図30に図29の線の種類に対応させた各曲線の始点からの移動距離sと曲率κの関係のグラフを記す。生成された曲線は、表12からわかるように与えた条件を満たしていることがわかる。
3次元クロソイド曲線の機械設計への応用事例として、デフレクタータイプのボールねじの回帰経路の設計を行う。
図31乃至図35はデフレクタータイプのボールねじを示す。デフレクタはねじ溝を転がるボールの回帰経路を構成する。デフレクタには、ナットと別体で形成された後、ナットに固定されるタイプと、ナットに一体に形成されるタイプのものがある。図31はデフレクタがナットと別体のタイプを示す。
本設計において用いたねじ軸とボールの寸法を表14に記す。
デフレクタータイプのボールねじの回帰経路は、その使用用途から軸対称である必要がある。そこで本設計で用いた座標系について説明する。
デフレクタータイプのボールねじの回帰経路の設計における拘束条件について考える。まず、点Psと点Psにおいてはねじ溝を移動するボールの中心の軌跡が描く曲線とG2連続である必要がある。
(点Phのy座標の絶対値)≧(ねじ軸外径+ボール径)/2
を満たす必要がある。そこで本設計においては
(点Phのy座標の絶対値)=(ねじ軸外径+ボール径×1.2)/2
であるとした。またy軸対称であることを考えるとにおける法線方向は{0,1,0}である必要があり、接線方向はその回りを回転する自由度しか持たない。
ねじ軸との干渉は、回帰経路に入った辺りで起こりやすく、自由な補間により経路を作ったのでは干渉が起こりやすくなっている。回帰経路は、ねじ軸から離すこととねじ山を超えて元の位置に戻すことが要求されているが、干渉を避けるにはある程度ねじ軸から離してから、ねじ山を超えて元の位置に戻す方が望ましい。この回帰経路を生成する方法としては、補間対象点を増やし、干渉を避ける方法と回帰経路に入った1本目の曲線を手動で生成し強制的にねじ軸から離してやる手法がある。このうち本設計では、回帰経路に入った1本目の曲線を手動で生成し強制的にねじ軸から離してやる手法を用いた。
a-3で述べた条件を加味して、G2連続となるような条件下で各曲線のパラメータの近似値をニュートン・ラプソン法によって求める。ここですでに点Psから始まる曲線C1が生成されているので、以後、説明において曲線のC1の終点P1と点Ph間の経路の設計を述べる。説明にでてくる文字のサブスクリプトは各曲線のサブスクリプトに対応しており、各曲線における座標、接線回転角α、β、法線、曲率を曲線長変数Sの関数としてPxi,(S) Pyi,(S) Pzi(S), αi(S),βi(S), ni(S), κi(S)のように表す。また、点Phにおいては、座標、接線回転角α、β、法線、曲率をPxh, Pyh, Pzh, αh,βh, nh, hhのように表す。
a-5で立てた条件式を満たす解をニュートン・ラプソン法で求めた。補間方法、初期値の生成方法は3次元クロソイド補間の方法に従った。表18は、算出された各曲線のパラメータであり、表19は書く接続点における座標、接線、法線、曲率のずれを示したものである。
a-5,a-6により得られたパラメータにより、点Psから点Phまでの経路は設計することができる。また点Phから点Peまでの経路は、経路がy軸対称であることにより、座標系を取り直して点Peを点Psとみなして生成される経路と同じであるのでこちらも同じ曲線で生成できる。
Claims (9)
- 接線方向のピッチ角およびヨー角のそれぞれが曲線長または曲線長変数の二次式で与えられる3次元曲線(3次元クロソイド曲線という)を用いて工業製品の形状を設計することを特徴とする工業製品の設計方法。
前記3次元クロソイド曲線を以下の式で定義する。
始点からの曲線の長さをsとし、その全長(始点から終点までの長さ)をhとする。sをhで割った値をSで表わす。Sは無次元の値であり、これを曲線長変数と呼ぶ。
i,j,kはそれぞれ、x軸、y軸、及びz軸方向の単位ベクトルである。
uは点Pにおける曲線の接線方向を示す単位ベクトルであり、式(2)によって与えられる。E kβ 及びE jα は回転マトリクスであり、それぞれ、k軸まわりの角度βの回転及びj軸まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(2)は、i軸方向の単位ベクトルを、まずj軸まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。
a 0 ,a 1 ,a 2 ,b 0 ,b 1 ,b 2 は定数。 - 前記工業製品は、質量を有する機械要素が運動する機構を含む機械であり、
前記3次元曲線(3次元クロソイド曲線という)を用いて前記機械要素の運動の軌道を設計することを特徴とする請求項1に記載の工業製品の設計方法。 - 前記機械は、前記機械要素としてボールが運動する機構を含むねじ装置であり、
前記ねじ装置は、外周面に螺旋状の転動体転走溝を有するねじ軸と、内周面に前記転動体転走溝に対向する負荷転動体転走溝を有すると共に前記負荷転動体転走溝の一端と他端を接続する回帰経路を有するナットと、前記ねじ軸の前記転動体転走溝と前記ナットの前記負荷転動体転走溝の間及び回帰経路に配列される複数の転動体と、を備え、
前記3次元曲線(3次元クロソイド曲線という)を用いて、前記ねじ装置の前記回帰経路を設計することを特徴とする請求項2に記載の工業製品の設計方法。 - 3次元座標内に複数の空間点を指定し、これらの空間点を前記3次元クロソイド曲線を用いて補間することによって、前記工業製品の形状を設計することを特徴とする請求項1に記載の工業製品の設計方法。
- 前記複数の空間点において、一つの3次元クロソイド線分(補間によって生成される曲線群を構成する単位曲線)と次の3次元クロソイド線分(補間によって生成される曲線群を構成する単位曲線)とで、両者の位置、接線方向、法線方向及び曲率が連続するように、前記3次元クロソイド線分の7つのパラメータa0,a1,a2,b0,b1,b2,hを算出することを特徴とする請求項4に記載の工業製品の設計方法。
- 前記複数の空間点のうちの始点及び終点の接線方向、法線方向及び曲率を指定し、
あらかじめ指定された前記空間点の間に新たに補間対象点を挿入することによって、前記始点及び前記終点における接線方向、法線方向及び曲率の条件式と、前記複数の空間点における、一つの3次元クロソイド線分と次の3次元クロソイド線分とで両者の位置、接線方向、法線方向及び曲率を連続させる条件式と、を合算した条件式の数と、前記3次元クロソイド線分の7つのパラメータa0,a1,a2,b0,b1,b2,hの未知数と、を一致させ、
条件式と未知数との数を一致させることによって、前記3次元クロソイド線分の7つのパラメータa0,a1,a2,b0,b1,b2,hを算出することを特徴とする請求項5に記載の工業製品の設計方法。 - 請求項1ないし6いずれかの工業製品の設計方法により設計された工業製品。
- 工業製品の形状を設計するために、
コンピュータを、
接線方向のピッチ角およびヨー角のそれぞれが曲線長または曲線長変数の二次式で与えられる3次元曲線(3次元クロソイド曲線という)を用いて工業製品の形状を設計する手段として機能させるためのプログラム。
前記3次元クロソイド曲線を以下の式で定義する。
始点からの曲線の長さをsとし、その全長(始点から終点までの長さ)をhとする。sをhで割った値をSで表わす。Sは無次元の値であり、これを曲線長変数と呼ぶ。
i,j,kはそれぞれ、x軸、y軸、及びz軸方向の単位ベクトルである。
uは点Pにおける曲線の接線方向を示す単位ベクトルであり、式(2)によって与えられる。E kβ 及びE jα は回転マトリクスであり、それぞれ、k軸まわりの角度βの回転及びj軸まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(2)は、i軸方向の単位ベクトルを、まずj軸まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。
a 0 ,a 1 ,a 2 ,b 0 ,b 1 ,b 2 は定数。 - 工業製品の形状を設計するために、
コンピュータを、
接線方向のピッチ角およびヨー角のそれぞれが曲線長または曲線長変数の二次式で与えられる3次元曲線(3次元クロソイド曲線という)を用いて工業製品の形状を設計する手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
前記3次元クロソイド曲線を以下の式で定義する。
始点からの曲線の長さをsとし、その全長(始点から終点までの長さ)をhとする。sをhで割った値をSで表わす。Sは無次元の値であり、これを曲線長変数と呼ぶ。
i,j,kはそれぞれ、x軸、y軸、及びz軸方向の単位ベクトルである。
uは点Pにおける曲線の接線方向を示す単位ベクトルであり、式(2)によって与えられる。E kβ 及びE jα は回転マトリクスであり、それぞれ、k軸まわりの角度βの回転及びj軸まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(2)は、i軸方向の単位ベクトルを、まずj軸まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。
a 0 ,a 1 ,a 2 ,b 0 ,b 1 ,b 2 は定数。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004250375A JP4743580B2 (ja) | 2004-02-27 | 2004-08-30 | 工業製品の設計方法及びこの設計方法により設計された工業製品 |
PCT/JP2005/002132 WO2005083537A1 (ja) | 2004-02-27 | 2005-02-14 | クロソイド曲線を用いた工業製品の設計方法及びこの設計方法により設計された工業製品、クロソイド曲線を用いた数値制御方法及び装置 |
KR1020067017131A KR101056600B1 (ko) | 2004-02-27 | 2005-02-14 | 클로소이드 곡선을 이용한 공업 제품의 설계 방법 및 이설계 방법에 의해 설계된 공업 제품, 클로소이드 곡선을이용한 수치 제어 방법 및 장치 |
DE112005000451.1T DE112005000451B4 (de) | 2004-02-27 | 2005-02-14 | Designverfahren für ein Industrieerzeugnis unter Verwendung einer Klothoidenkurve, und Verfahren und Vorrichtung zur numerischen Steuerung unter Verwendung der Klothoidenkurve |
US10/590,704 US7860592B2 (en) | 2004-02-27 | 2005-02-14 | Design method for industrial product using clothoid curve, industrial products designed by the design method, and method and device for numerical control using the clothoid curve |
TW094105861A TWI370982B (en) | 2004-02-27 | 2005-02-25 | Method for designing industrial goods by using clothoid curve,industrial good desingde by this method, a numerical control method using clothoid curve, a numerical control machine using clothoid curve,and a recording medium. |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004055554 | 2004-02-27 | ||
JP2004055554 | 2004-02-27 | ||
JP2004250375A JP4743580B2 (ja) | 2004-02-27 | 2004-08-30 | 工業製品の設計方法及びこの設計方法により設計された工業製品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005273899A JP2005273899A (ja) | 2005-10-06 |
JP4743580B2 true JP4743580B2 (ja) | 2011-08-10 |
Family
ID=35173781
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004250375A Expired - Lifetime JP4743580B2 (ja) | 2004-02-27 | 2004-08-30 | 工業製品の設計方法及びこの設計方法により設計された工業製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4743580B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5909869B2 (ja) * | 2011-04-27 | 2016-04-27 | 日本精工株式会社 | リニアガイド装置 |
JP2017101776A (ja) * | 2015-12-03 | 2017-06-08 | 日本精工株式会社 | ナット、ボールねじ装置 |
JP6942915B2 (ja) * | 2017-03-10 | 2021-09-29 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 | 曲線座標生成装置、物体の曲線生成方法及びプログラム |
CN111322373B (zh) * | 2020-03-12 | 2021-05-11 | 长安大学 | 一种基于羊角螺旋线齿条刀的齿轮副设计方法 |
CN112100758B (zh) * | 2020-08-14 | 2022-04-08 | 上海交通大学 | 基于局部坐标系加载的型材拉弯成形精确仿真方法 |
JP7484750B2 (ja) | 2021-01-29 | 2024-05-16 | 日本精工株式会社 | 直交座標系からフレネ座標系への座標変換方法、座標変換装置、およびプログラム |
JP2024044346A (ja) * | 2022-09-21 | 2024-04-02 | Thk株式会社 | ボールねじ |
-
2004
- 2004-08-30 JP JP2004250375A patent/JP4743580B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005273899A (ja) | 2005-10-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101056600B1 (ko) | 클로소이드 곡선을 이용한 공업 제품의 설계 방법 및 이설계 방법에 의해 설계된 공업 제품, 클로소이드 곡선을이용한 수치 제어 방법 및 장치 | |
Zhang et al. | Curve fitting and optimal interpolation on CNC machines based on quadratic B-splines | |
US5345546A (en) | Method and apparatus for generating fillet surface between two surfaces | |
Lin et al. | A generic uniform scallop tool path generation method for five-axis machining of freeform surface | |
Luo et al. | A universal velocity profile generation approach for high-speed machining of small line segments with look-ahead | |
CN113467384B (zh) | 一种应用于五轴数控机床的拐角过渡方法 | |
JP4743580B2 (ja) | 工業製品の設計方法及びこの設計方法により設計された工業製品 | |
CN113359607B (zh) | 一种应用于五轴数控机的拐角过渡的轨迹确定方法 | |
CN111857037A (zh) | 一种过渡轨迹的生成方法、机器人及计算机可读存储介质 | |
Zhang et al. | An analytical G3 continuous corner smoothing method with adaptive constraints adjustments for five-axis machine tool | |
CN113433889A (zh) | 一种基于三段式羊角曲线的五轴机床加工的刀具轨迹规划方法 | |
Min et al. | Six-dimensional B-spline fitting method for five-axis tool paths | |
CN114002996B (zh) | 一种混联机器人c3连续五轴路径转接光顺方法 | |
CN111633668A (zh) | 一种用于机器人加工三维自由曲面的运动控制方法 | |
Yan et al. | Corner smoothing transition algorithm for five-axis linear tool path | |
CN100468254C (zh) | 采用回旋曲线的工业制品设计方法、数值控制方法及装置 | |
JP4667794B2 (ja) | 数値制御方法、数値制御装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 | |
JP4667796B2 (ja) | 数値制御方法、数値制御装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 | |
CN113608496B (zh) | 空间路径g2转接光顺方法、设备及计算机可读存储介质 | |
CN114019911B (zh) | 一种基于速度规划的曲线拟合方法 | |
CN113467376B (zh) | 一种面向多加工场景的多轴轨迹压缩方法 | |
JP4667795B2 (ja) | 数値制御方法、数値制御装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 | |
Yan et al. | THREE-AXIS TOOL-PATH B-SPLINE FITTING BASED ON PREPROCESSING, LEAST SQUARE APPROXIMATION AND ENERGY MINIMIZATION AND ITS QUALITY EVALUATION. | |
CN113946139A (zh) | 数控系统的速度预测、数控系统的控制方法及数控系统 | |
Grechukhin et al. | Algorithm for dividing a volume model into curvilinear layers for 3D printing |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070802 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110111 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110311 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110406 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110428 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4743580 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |