JP4667794B2 - 数値制御方法、数値制御装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
請求項1の発明は、接線方向のピッチ角及びヨー角のそれぞれが曲線長または曲線長変数の二次式で与えられる3次元曲線(3次元クロソイド曲線という)を用いて工具軌跡またはワークの輪郭形状を表現し、前記3次元曲線に沿って移動する工具の運動を指定し、指定された運動に従って単位時間毎に工具の移動位置を算出する数値制御方法により、上述した課題を解決する。ここで、運動とは、時間の関数として変化する位置情報をいう。 前記3次元クロソイド曲線を以下の式で定義する。
i,j,kはそれぞれ、x軸、y軸、及びz軸方向の単位ベクトルである。
uは点Pにおける曲線の接線方向を示す単位ベクトルであり、式(2)によって与えられる。Ekβ及びEjαは回転マトリクスであり、それぞれ、k軸まわりの角度βの回転及びj軸まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(2)は、i軸方向の単位ベクトルを、まずj軸まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。a0,a1,a2,b0,b1,b2は定数。
始点からの曲線の長さをsとし、その全長(始点から終点までの長さ)をhとする。sをhで割った値をSで表わす。Sは無次元の値であり、これを曲線長変数と呼ぶ。
i,j,kはそれぞれ、x軸、y軸、及びz軸方向の単位ベクトルである。
uは点Pにおける曲線の接線方向を示す単位ベクトルであり、式(2)によって与えられる。E kβ 及びE jα は回転マトリクスであり、それぞれ、k軸まわりの角度βの回転及びj軸まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(2)は、i軸方向の単位ベクトルを、まずj軸まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。a 0 ,a 1 ,a 2 ,b 0 ,b 1 ,b 2 は定数。
始点からの曲線の長さをsとし、その全長(始点から終点までの長さ)をhとする。sをhで割った値をSで表わす。Sは無次元の値であり、これを曲線長変数と呼ぶ。
i,j,kはそれぞれ、x軸、y軸、及びz軸方向の単位ベクトルである。
uは点Pにおける曲線の接線方向を示す単位ベクトルであり、式(2)によって与えられる。E kβ 及びE jα は回転マトリクスであり、それぞれ、k軸まわりの角度βの回転及びj軸まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(2)は、i軸方向の単位ベクトルを、まずj軸まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。a 0 ,a 1 ,a 2 ,b 0 ,b 1 ,b 2 は定数。
始点からの曲線の長さをsとし、その全長(始点から終点までの長さ)をhとする。sをhで割った値をSで表わす。Sは無次元の値であり、これを曲線長変数と呼ぶ。
i,j,kはそれぞれ、x軸、y軸、及びz軸方向の単位ベクトルである。
uは点Pにおける曲線の接線方向を示す単位ベクトルであり、式(2)によって与えられる。E kβ 及びE jα は回転マトリクスであり、それぞれ、k軸まわりの角度βの回転及びj軸まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(2)は、i軸方向の単位ベクトルを、まずj軸まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。a 0 ,a 1 ,a 2 ,b 0 ,b 1 ,b 2 は定数。
(1)3次元クロソイドの基本式
クロソイド曲線(Clothoid curve)は、別名コルニューの螺旋(Cornu’s spiral)とも呼
ばれ、曲線の長さに比例して曲率が変化する曲線である。
従来知られている2次元のクロソイド曲線は、平面曲線(2次元曲線)の一種であり、図1に示されるxy座標上において、次式で表される。
長変数Sの二次式で表わされることにある。c0,c1,c2またはφ0,φv,φuは二次式の係数であり、これら及び曲線の全長hをクロソイドのパラメータと呼ぶ。図2は一般的なクロソイド曲線の形状を示す。
。式(7)において、Ekβ及びEjαは回転マトリクスであり、図3に示されるように、そ
れぞれ、k軸(z軸)まわりの角度βの回転及びj軸(y軸)まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(7)は、i軸(
x軸)方向の単位ベクトルを、まずj軸(y軸)まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸(z軸)まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。
傾き角度φから得られる。3次元の場合は、曲線の接線ベクトルuは、ピッチ角α及びヨー角βから得ることができる。ピッチ角αが0だと、xy平面で巻いた2次元クロソイド曲線が得られ、ヨー角βが0だと、xz平面で巻いた2次元クロソイド曲線が得られる。接線方向ベクトルuに微小長dsをかけて積分すると3次元クロソイド曲線が得られる。
式(7)において、基本接線方向ベクトルiの代りに基本座標系[i,j,k]を代入する
と、次の動標構(moving frame)Eを得る。
するとともに、接線方向単位ベクトルuと直交する。この3つの単位ベクトルの組(トラ
イアド)は動点Pとともに動くフレーム(座標系、標構)であり、これを動標構という。
動標構を考慮することによって、3つ目の回転「ロール(roll)」を扱うことができる。
ロールは接線方向まわりの回転である。ロールの存在は3次元クロソイド自身の形状には影響を与えないが、3次元クロソイドに誘導される動標構には影響する。曲がりくねった針金に通した算盤玉は、針金のまわりで自由に回転することができるが、そのことによって針金の形を変えるわけではない。
(a)3次元クロソイド曲線の法線
3次元曲線の法線ベクトルは、接線方向ベクトルuを用いて次の式で表されることが知られている。
ここで(7)の接線uの決定と同様に法線nについても考えてみる。初期接線方向(1,0,0)に対して、初期法線方向を定数γを用いて(0,cosγ,−sinγ)で表わすとする。これを
接線と同じように回転させると、法線nは下記のように表される。
3次元クロソイド補間における接続点での法線連続を達成するには式(22)より、
3次元クロソイド曲線の曲率は、下記の式で表される。
(a)曲線の連続性
一つのクロソイドセグメント(同一のパラメータで表わされるクロソイド)においては、その接線方向のピッチ角及びヨー角がそれぞれ曲線長変数Sの2次式で与えられるので、これを1回微分して得られる法線方向、及び、2回微分して得られる曲率が曲線長変数Sに関して連続であることが保証される。言い換えれば、一つのクロソイドセグメントの中では法線方向及び曲率が連続である。したがって、滑らかで性質の良い曲線が得られる。また、二つのクロソイド曲線を連結する場合にも、そのつなぎ目において接線、法線、曲率が連続になるようにパラメータを選択することによって、滑らかなひとつなぎの曲線を作ることができる。これをクロソイドスプラインという。
曲線の接線方向を二つの角度(ピッチ角及びヨー角)で振ることができるので、さまざまな条件に合わせた3次元曲線を任意に作ることができ、いろいろな用途に用いることができる。
直線・円弧・ねじ曲線などの幾何曲線は、クロソイドパラメータのいくつかを0にし、あるいは、いくつかのパラメータ間に特定の関数関係を与えることによって作ることができる。これらの曲線はクロソイド曲線の一種であり、クロソイドのフォーマットを用いて表現できる。したがって、従来のNCのように、直線・円弧・自由曲線等によって記述するフォーマットを変えて取り扱う必要はなく、同じフォーマットを用いて計算したり、制御したりできる。
とができるので、これまで2次元クロソイドについてすでに得られている資源を活用することができる。
スプライン補間などの従来の補間法では、自由曲線を数式化した際に、その全体の形、あるいは局部的な形が分かりにくいことが多いが、3次元クロソイドにおいては、ピッチ角及びヨー角のそれぞれを想定することによって、比較的容易に全体像を把握することができる。
曲線の主変数が長さ
または正規化された長さSであり、曲線の方程式はこの長さに対する自然方程式で与えら
れている。このため、長さsを時間tの関数として定めることによって、加減速などの運動特性を任意に与えることができ、従来カムなどに用いられてきた特性の良い運動曲線を採用することによって、加工作業の高速化を図ることができる。長さsは実在のカルテシアン空間における値として与えられ、速度・加速度は接線方向に対して求められるので、従来の補間法のように各軸ごとに与えられた値を合成する必要がない。また、曲率の計算が容易なため、運動時の遠心加速度も容易に求められ、運動軌跡に応じた制御を行うことができる。
(6)曲線の生成と各パラメータの性質
定義によれば3次元クロソイド曲線の各パラメータが曲線に及ぼす影響は以下のとおりである。各パラメータを与えることによって図4のように3次元クロソイド曲線を生成することができる。
表1は、3次元クロソイド曲線の各パラメータの性質をまとめたものである。
(1)滑らかな接続の数学的条件
1本の3次元クロソイド曲線では、曲線の形状表現に限界がある。ここでは、数値制御による工具の運動制御を主な目的として、3次元クロソイド曲線(3次元クロソイドセグメント)を複数本接続し、この複数本の3次元クロソイドセグメントによって工具の運動を制御する。
は法線方向の一致、最後の式は曲率の連続性を示している。G2連続な補間を行うには、2本の3次元クロソイド曲線がその端点で(28)式の7つの条件式を満たす必要がある。
Cが局所的に含まれる平面S1,S2をいう。この図6では点Pにおいて接線方向が連続であるが接触平面S1,S2が不連続の例を示している。3次元曲線の連続性を考えたときに、接線方向の一致の次に考えなければいけないことは接触平面の一致である。曲率を議論するときには接触平面が一致していないと意味がなく、接触平面を一致させた上で曲率を一致させる必要がある。2本の3次元曲線で、座標、接線方向、接触平面(法線方向)及び曲率を一致させることがG2連続を満たす条件になる。
次の2種類の計算手順がある。
端点で、(28)式を満たすように次の3次元クロソイド曲線のパラメータを定める。このよ
うにして、次々と滑らかに接続する3次元クロソイド曲線を発生させることができる。この計算手順によれば、曲線パラメータの算出は容易であり、これを順解と呼ぶ。この方式によれば、様々な形状の曲線を容易に発生できるが、曲線が通過する接続点を明示的に指定することはできない。
ることが出来る。ここでは、離散的に任意に与えられた点列の各区間毎に短いクロソイド曲線(クロソイドセグメント)を作成する。この場合には、(28)式を満たすように曲線パラメータを決定する計算手順は(a)より複雑であり、繰り返し収束計算となる。この計算
手順を、接続条件から逆に曲線パラメータを決定する、ということから、逆解と呼ぶ。
に定式化される。
拘束条件:(28)式、あるいはその一部
要求される問題に応じて、拘束条件の数は変化し、それに見合う数の曲線パラメータを未知パラメータとして設定すればよい。例えば、曲率の連続性が要求されない場合には、一部の曲線パラメータを自由に動かすことが出来る。あるいは、曲率連続でかつ接線方向が指定されている場合には、補間に用いる3次元クロソイド曲線の数を分割により増やして、対応する未知曲線パラメータを増やす必要がある。
(a)補間法の流れ
3次元クロソイド曲線を用いて与えられた点列の間を滑らかに補間していく手法の実施例について詳しく述べる。3次元クロソイド曲線を用いた補間法を以降、3次元クロソイド補間と呼ぶ。補間によって生成される曲線群全体を3次元クロソイド曲線と呼び、それを構成する単位曲線を3次元クロソイドセグメントと呼ぶ。
るような条件を満たす解をニュートン・ラプソン法で求めて曲線を生成する。この流れの概要をまとめたものが図8である。ここでG2連続とは、2本の3次元クロソイド曲線が
その端点で位置、接線方向、法線方向及び曲率が一致することをいう。
3次元クロソイド補間において、厳密に補間対象の点を通り、かつG2連続となるような
条件について具体的な条件を考える。
曲線を曲線C2とすると、この場合未知数は、曲線C1のパラメータa01, a11, a21, b01,b11, b21, h1、曲線C2のパラメータa02, a12, a22, b02, b12, b22, h2の14個となる。また
、以後説明にでてくる文字のサブスクリプトは各曲線のサブスクリプトに対応している。
ると、始点を与えた時点で必然的に達成されるので補間条件はない。次に接続点P1では位置について3つ、接線ベクトルについて2つ、曲率連続の条件の式が大きさと方向について2つの合計7個成り立つ。また終点については、点P2では位置について3つの3個である。以上より条件式は合計で10個ある。しかし、これでは未知数14個に対して、条件式が10個しか存在しないので未知数の解を求めることができない。そこで、本研究においては、両端点の接線ベクトルを与え、両端点について2つづつの条件を増やし条件式と未知数の数を等しくした。また、始点における接線方向を決定すればa01, b01は、その定義式より求めることができるので未知数として扱わないことにした。以下、各条件について考えていく。
のように表される。
に対して、条件式は下記の12個が成り立つことがわかる。(点P3における接線方向回転角をα3、β3とする。)
数iをi<nと拡張すればよい。後は未知数と条件式の数の問題である。
点がひとつ増えるので点Pn-1で位置について3つ、接線ベクトルについて2つ、点Pn-1の曲率連続の条件の式が大きさと方向について2つの合計7つ増える。
ニュートン・ラプソン法においては、解の探索を始める際に適当な初期値を与える必要
がある。初期値はどのように与えられてもいいが、ここではその初期値の与え方の一例について述べる。
頂点を挿入し、P⊂Qとなるような多角形Qを作る。ここでPの頂点がn個あるとすると、ポ
リゴンQは閉じている場合でrn個、開いている場合でr(n-1)+1個の頂点を持つことになる
。以後サブスクリプトを始点からの通し番号として、各頂点をqiで表すことにする。また、各頂点において、方向として従法線ベクトルbを、大きさとして曲率κを持つようなベ
クトルkを定める。
tはポリゴンQを求めたときにすでに既知となっており、このtと3次元クロソイド曲線の接線の式とにより、ポリゴンQの頂点の接線方向回転角α,βが求まる。これにより各曲線のa0, b0の初期値が求まる。また、始点から始まる3次元クロソイド線分においては、その値を与える。
ド曲線のαの式とをあわせて考慮すると下記の式(1-20)が成り立つ。
タa1, a2の初期値とする。同様にパラメータb1, b2の初期値も決定できる。
ラメータの近似値をニュートン・ラプソン法によって求めた。これによって得られたパラメータから3次元クロソイド線分を生成し、点列間を3次元クロソイド曲線で補間することを行った。
実際に以上に述べた手法で点列を補間した例として(0.0, 0.0, 0.0), (2.0, 2.0, 2.0), (4.0, 0.0, 1.0), (5.0, 0.0, 2.0)の4点を3次元クロソイド補間した例を挙げる。補間により生成された3次元クロソイド曲線の透視図を図12に載せた。図12は実線が3次元クロソイド曲線であり、破線、一点鎖線、二点鎖線は曲線上の各点における、大きさをlog(曲率半径+自然対数e)に、方向を法線ベクトルにとった曲率半径変化パターンである。
成されていることがわかる。また、図13は横軸に始点からの移動距離、縦軸に曲率を取った曲率変化グラフである。
(a)補間条件と未知数
(3)で述べたように、曲線が開いている場合で補間対象の点がn個あるとき、点列はn-1個の曲線で3次元クロソイド補間される。厳密に各点を通るなら各3次元クロソイド線分
について未知数はa0, a1, a2, b0, b1, b2, hの7つあるので、未知数は全体で7(n-1)個あることになる。一方、条件式については、n-2個ある接続点ごとに座標、接線、法線、曲
率の7個づつと終点における座標の3個が存在するので、全部で7(n-2)+3個である。2-3の
手法ではこれに始点・終点における接線ベクトルを与え、条件を4個増やすことによって
、条件式と未知数の数を合わせていた。
ということになる。ここでさらに、新たに挿入した点の座標のうち2つを未知数として扱
うとすると、未知数は4つ増えることになる。すると、未知数も条件式も7(n+2)-3個とな
り、未知数の解を求めることができるようになる。このように新たな点を挿入することによって、与えられた各点を厳密に通りG2連続かつ、両端点の接線・法線・曲率を制御した補間を行うことが可能になる。
。もし、厳密に各点を通るなら各3次元クロソイド線分について未知数はa0, a1, a2, b0,
b1, b2, hの7つあるので、未知数は全体で7(n-1)個あることになる。一方、条件式につ
いては、n-2個ある接続点ごとに座標、接線、法線、曲率の7個づつと終点における座標の3個が存在するので、全部で7(n-2)+3個であり、条件式の方が4つ少ない。つまり、両端点おいて制御されるべき項目は4つ以上ということになる。以下、説明中でmは4以上の自然
数、kは2以上自然数であるとして、新たに点を挿入したときに条件式と未知数の数を等しくする方法について述べる。
両端であわせてm=2k個の項目を制御するとき、未知数は全体で7(n-1)個、条件式は全体で7(n-1)-4+2k個である。このとき過剰な条件式は2k-4個である。今、k-2個の点を新たに挿入することを考えると、3次元クロソイド線分がk-2本、接続点がk-2個増えるので、未
知数は全体で7(n+k-3)個、条件式は全体で7(n+k-3)-4+2k個となる。ここでさらに新たに
挿入した各点の座標の値のうち2つ(例えばx,y)を未知数として扱うとすると、未知数は全体で7(n+k-3)+2(k-2)個、条件式は全体で7(n+k-3)+2(k-2)個となり未知数と条件式の数が等しくなる。
両端であわせてm=2k+1個の項目を制御するとき、未知数は全体で7(n-1)個、条件式は全体で7(n-1)+2k-3個である。このとき過剰な条件式は2k-3個である。今、k-1個の点を新たに挿入することを考えると、3次元クロソイド線分がk-1本、接続点がk-1個増えるので、
未知数は全体で7(n+k-2)個、条件式は全体で7(n+k-2)-3+2k個となる。ここでさらに新た
に挿入した各点の座標の値のうち2つ(例えばx,y)を未知数として扱うとすると、未知数は全体で7(n+k-2)+2(k-2)個、条件式は全体で7(n+k-2)+2k-3個となり条件式の数が1つ多
くなる。そこで、m=2k+1の場合には挿入した点のうちひとつの点においては座標の値のうち1つだけを未知数として扱うとする。そうすることで、未知数は全体で7(n+k-2)+2(k-2)個、条件式は全体で7(n+k-2)+2(k-2)個となり未知数と条件式の数が等しくなる。
始点・終点で各値を制御する3次元クロソイドを用いた補間法は、図14及び図15に
示されるように以下の流れで行われる。
間を行い曲線を生成する。
ータの近似値をニュートン・ラプソン法によって求める。
であれば、(3)の手法を用いて曲線を生成する。また、接線方向を制御しない場合につい
ても、その曲線のパラメータを求める際の初期値としては、(3)の手法と同じ初期値を用
いる。
の際、新たに挿入する点は、各補間対象点間において可能な限り1つ以下になるようにす
る。また、挿入される点としては補間対象点同士を結ぶStep1で生成された3次元クロソイド線分の中間の点を挿入した。さらに、挿入される点は両端から順々に挿入していくものとする。つまり、最初に挿入されるのは始点とその隣の点の間と終点とその隣の点の間である。
から決定した。点が挿入されていない曲線については、Step1で生成した曲線の値をその
まま用いる。以上で、Step3における曲線の各パラメータの初期値を決定した。この初期
値を用いて、ニュートン・ラプソン法によって得られたパラメータから3次元クロソイド
曲線を生成し、点列間を目的の条件を満たすような3次元クロソイド曲線で補間を行った
。
実際に両端での接線、法線、曲率を表6の条件で制御するように3次元クロソイド補間
した例を示す。厳密に通るべき補間対象の点に通し番号を振り、P1, P2, P3とした。
破線・一点鎖線・二点鎖線・三点鎖線は各曲線の曲率半径変化パターンを示している。また、図17に図16の曲線の種類を対応させた各曲線の始点からの移動距離と曲率の関係のグラフを記す。生成された曲線は、表7からわかるように与えた条件を満たしていることがわかる。
(b)の手法により、両端点における各値を制御しつつ、G2連続な補間が行えるようにな
った。ここで、両端点でなく中間点において値を制御する場合について考える。
御することを考える。しかし、今まで述べてきた手法では中間点における値を制御することはできない。そこで、ここではこの点列を2つに分けることによって中間点での値を制御した。
ば値を制御することができるようになる。
(a)手法の流れ
始点・終点で各値を制御する3次元クロソイドを用いた補間法は、図19に示される以
下の流れで行われる。以後、この流れに沿って説明する。
(b-1)補間対象の点を与える
この例では3次元空間の3点{0.0, 0.0, 0.0},{5.0, 5.0, 10.0},{10.0, 10.0, 5.0}を与えた。その他各点に与えた接線、法線、曲率などの条件をまとめて表8に記した。
ニュートン・ラプソン法においては、解の探索を始める際に適当な初期値を与える必要がある。ここではその初期値を得るための準備をする。先行研究である3D Discrete Clothoid Splinesは、厳密に補間対象点を通り、曲率が始点からの移動距離に対して滑らかに変化するような性質を持っている。そこで、本研究では3次元クロソイド補間のための初
期値を、図20のようなr =4の3D Discrete Clothoid SplinesのポリゴンQを作り、そこ
から計算で決定した。また、実際にこの点列より生成されたポリゴンを図21に、頂点の座標を表9に載せた。
ニュートン・ラプソン法で解を求めるには、各未知数の初期値を決定する必要がある。本手法ではその値をb-2で生成したポリゴンQを使って、各未知数の近似値を求めて決定する。3D Discrete Clothoid Splinesでは各頂点のフレネ標構がすでに求まっている。そこで、b-2で生成したポリゴンQの単位接線方向ベクトルtよりパラメータa0, b0を求める
。この接線方向ベクトルtはポリゴンQを求めたときにすでに既知となっており、このtと3次元クロソイド曲線の接線の式とにより、ポリゴンQの頂点の接線方向回転角α,βが求まる。これにより各曲線のa0, b0の初期値が求まる。また、始点から始まる3次元クロソイドセグメントにおいては、その値を与える。
ド曲線のαの式とをあわせて考慮すると下記の式が成り立つ。
タa1, a2の初期値とする。同様にパラメータb1, b2の初期値も決定できる。
(b-3)で決定した初期値を用いてG2連続となるような条件下で各曲線のパラメータの近
似値をニュートン・ラプソン法によって求める。これによって得られたパラメータから3
次元クロソイドセグメントを生成し、点列間を3次元クロソイド曲線で補間することを行
った。
イド補間を示す。点P1, P2間を結ぶ曲線を曲線C1、点P2, P3間を結ぶ曲線を曲線C2とすると、a01とb01は既に既知であるから、未知数は、曲線C1のパラメータa11, a21, b11, b21, h1、曲線C2のパラメータa02, a12, a22, b02, b12, b22, h2の12個となる。以後説明にでてくる文字のサブスクリプトは各曲線のサブスクリプトに対応しており、各曲線における座標、接線回転角α、β、法線、曲率を曲線長変数Sの関数としてPxi, Pyi, Pzi, αi,βi, ni, κiのように表す。
定義から考えると、始点を与えた時点で必然的に達成される。また接線方向についても既に既知な値として与えるので点P1における条件は特に指定しない。
ルを決める接線方向回転角α、βであるとする。
個に対して、条件式は下記の12個が成り立つことがわかる。まとめると成り立つ条件式は下記のようになる。
図23は(b-4)で求めたパラメータを元に生成した曲線とb-2で生成したポリゴンとを同時に表示したものである。実線の曲線が曲線C1、破線の曲線が曲線C2である。この段階では始点・終点で接線方向を制御したG2連続な3次元クロソイド曲線になっている。
ここで、さらに始点P1と終点P3における法線と曲率も表8で与えた値にすることを考える。始点・終点でさらに法線と曲率を制御するには、始点と終点における条件をそれぞれ2つ増やす必要がある。しかし、条件が4つ増えた状態では未知数の数との関係からその条件を満たす解を求めることが出来ない。そこで、未知数と条件式の数を合わせるために、図24に示されるように曲線C1の曲線長変数S =0.5の位置に点DP1を新たに挿入した。ま
た、曲線C2についても曲線長変数S =0.5の位置に点DP2を新たに挿入した。
接線回転角α、β、法線、曲率を曲線長変数Sの関数としてPxc, Pyc, Pzc, αc,βc, nc,
κcのように表す。また、始点・終点においては、座標、接線回転角α、β、法線、曲率を始点ではPxs, Pys, Pzs, αs,βs, ns, κs、終点ではPxe, Pye, Pze, αe,βe, ne,
κeのように表す。
知数を4つ増やした。こうすることで未知数も条件式も32個となり、解を求めることがで
きる。
(b-6)で立てた条件式を満たす解を求めるためにニュートン・ラプソン法を用いるが、
その収束率を上げるために未知数の初期値を決定する。方法としては、図25のように(b-5)で生成した3次元クロソイド曲線を新しく挿入した点の前後で分割することにより、3
次元クロソイド曲線を4本作り、そのクロソイドパラメータを与えた。
こでは0.5である。
同じで向きが逆な曲線を曲線C’’ 1とすると、その曲線はのクロソイドパラメータh’’, a’’0, a’’1, a’’2, b’’0, b’’1, b’’2は、曲線C1の曲線のパラメータを用いて、下記の式で表せる。
2は、曲線C’ 2と大きさ、形状が同じで向きが逆な曲線になっている。曲線C‘1を生成
した方法により曲線C’’2は、生成することができる。ここで、さらに曲線C’’2に対して大きさ、形状が同じで向きが逆な曲線を生成すれば、曲線C2は生成することができる。
b’’2は、曲線C0のパラメータを用いて下記の式で表される。
を曲線C’1とC’2とに分割することができる。同様の手法で、曲線C2上の曲線長変数がS =0.5である点DP2で曲線C2を曲線C’3とC’4とに分割することができる。
をb-6で立てた条件式を満たす解を求める際のニュートン・ラプソン法の初期値に用いた
。
(b-7)で決定した初期値を元に、(b-6)で立てた条件式を満たす解をニュートン・ラプソン法で求めた。表13は算出された各曲線のパラメータである。また、表14は与えた値と生成された曲線の始点・終点の接線、法線、曲率の差を示したものである。
(b-8)で求めたパラメータにより生成された曲線を図26に示す。実線が3次元クロソイド曲線、破線・一点鎖線・二点鎖線・三点鎖線は各曲線の方向を主法線方向に、大きさを曲率半径に自然対数を足して対数を取った曲率半径変化パターンを示している。また、図27に図26の線の種類に対応させた各曲線の始点からの移動距離sと曲率κの関係のグ
ラフを記す。生成された曲線は、表12からわかるように与えた条件を満たしていることがわかる。
例を記した。
上記の3次元クロソイド補間曲線は、工作機械の工具やその他の運動対象物の運動制御
のための数値制御情報の発生に有効に用いられる。その特徴は、速度制御が容易なこと、及び、速度変化を滑らかにすることが可能なことである。
3次元クロソイド補間曲線を用いた数値制御方式は、図28に示される次の手順からな
る。
前節に述べた手法により、条件を満たす3次元クロソイド補間曲線を決定する。ロボッ
ト等の工具が動くとき、その工具の代表点(工具点、tool center point)は平面的ある
いは空間的に描かれた連続な軌跡曲線(直線を含む)の上を時間的に移動すると考えることができる。工具点の位置は、座標(x、y、z)で表され、工具点の姿勢は、例えばx、y、z軸に対する回転角度で表される。どのような複雑な動きでも、工具点の軌跡は途切れ途切れになることなく、連続的に繋がっている。運動制御の第1段階は、この軌跡の形状を、3次元クロソイド曲線に設計することにある。
数値制御からの要求により、3次元クロソイド補間曲線に沿って、曲線上の制御対象点
の移動速度の分布を指定する。すなわち、運動制御の第2段階は、設計された軌跡上を動く工具点の速度・加速度を決定することである。軌跡上を工具点がどのような時間の関数として動くかは、工具点の速度・加速度を決定することで定められる。工具点の速度・加速度は、時間に対して決定される場合と、軌跡の形状に付随して決定される場合がある。一般的には時間に対して決定される場合が多いが、例えば曲面加工をする場合、平らな部
分では高速で移動させ、曲がっている部分では低速で移動させたいという要請から、軌跡の形状に付随して速度が決定される。
図8、S4)
ここでは、数値制御情報を計算する単位時間ごとに、制御対象の指定された移動速度に従って、工具点の移動位置及び姿勢を算出する。軌跡と運動が確定したので、工具点の位置・姿勢が時間tの関数として与えられたことになる。これにより、時間tを微小時間間隔で与えたとき、それぞれの時刻に対する工具点の変位を求めることができる。(c)の計
算は、具体的には以下のように行なわれる。現在点においては、位置情報や接線、曲率などの値がわかっている。指定された移動速度に単位時間を乗ずれば、単位時間中の移動曲線長がわかり、これにより移動後の曲線長パラメータが計算できる。この移動後の曲線長パラメータにより、移動後の点における位置情報や接線、曲率などの値を計算することが出来る。
)は等価回転の軸を、θは回転角を示す。
次に、上記の工具点の位置・姿勢を与えるために必要な各軸の回転角を求める。この過程は一般に逆機構解(inverse kinematics)と呼ばれている。例えば6軸のロボットがあるとすると、関節が6つあるので、肩の関節、腕の関節、ひじの関節、手首の関節等が何度回転したかで工具点の位置・姿勢が決まる。これが順機構解と呼ばれる。逆機構解は、これとは反対に実在の空間の位置・姿勢から軸空間の回転角θ1〜θ6を求めるものである。各軸のアクチュエータは回転モータであるとは限らず、リニアモータ等の直動アクチュエータである場合もあるが、その場合でも最低限度実変位をリニアモータの入力パルス数に変換する電子ギアの計算が必要となる。逆機構解は、ロボット等の機構の型ごとに固有なので、種々のロボット等について個別に解を用意しておく。
時分割された各工具点につき逆機構解を求め、これを各軸モータ(直動アクチュエータを含む)の変位パルスとして整数化する。パルス制御でない場合には、各軸変位の最少分解単位(分解能)を用いて、パルス数相当の整数化されたデータとして求める。
以下、独立の数値制御装置(NC装置)を使用する場合と、プログラマの役割を持ったコンピュータとNC装置とが一体化されたCNC装置を使用する場合について説明する。
(a)独立のNC装置を用いる場合
従来の通常のNC機械では、プログラミングを行ってNCデータを作成するプログラマと、このNCデータを用いて機械装置を動かすNC装置との二つの装置にハードウェアが分離されている。それに対して、最近のCNC機械では、プログラミングを行うコンピュータはNC装置に内蔵されて、一体化されたものとなっている。
A0, A1, A2, B0, B1, B2, H
ここで、G***はGコードの番号を示す。A0〜Hは3次元クロソイドセグメントの7
つのパラメータを示す。このコードを実行する前に、工具はP0の位置に来ている。NC装置ではこのパラメータを用いて、瞬時の工具位置または工具位置の差分を計算して実行する。この操作を「順解」という。順解をNC装置側で行う理由はデータの大量化を防ぐ目的からであるが、そのためにNC装置では、ある種の演算を必要とする。Gコードでク
ロソイドを表現することによって、既設のNC装置にクロソイド曲線を組み込むことが可能となる。
プログラマの役割を持ったコンピュータとNC装置との一体化されたCNC装置の場合について述べる。この場合、クロソイドに関する計算がどの部分のハードで行われるかは問題にならない。また、データの量や転送のスピードも解決されつつある。
3次元クロソイド補間を用いた数値制御方式には、次のような利点がある。
ので、指定された移動速度に対応する数値制御情報を生成することが出来る。曲線長とは無関係な独立パラメータにより表現されているスプライン曲線などの他の曲線では、移動後の点が算出できても、その点に対応する独立パラメータの値を算出することが困難であり、指定された移動速度に対応する数値制御情報を生成することが容易ではない。
上の点R0から工具をある線速度で運動させる場合を考える。一定時間間隔毎に工具の目標点を算出するとき、単位時間経過後の工具の移動量ΔSはわかるが、独立変数tは時間とか曲線長とかに関係するものではないので、独立変数の変化量Δtは直ちには求めることはできない。R0+ΔS=R(t0+Δt)の式を解いてΔtを求めなければ、目標点を算出することができないので、一定時間間隔毎にこの計算を繰り返さなければならないことになる。
んでおり、個別の曲線式を組み込むことなく、多様な曲線に対する数値制御情報を厳密に表現することが出来る。
線が表される従来のNC装置では、例えばワークを斜めに傾けて加工するときに、ワークの取り付け方によっては、斜めの面を加工しやすかったり、加工しにくかったりすることがある。3次元クロソイド曲線では、曲線が線長によって与えられるので、斜めの面を加工する場合でも、斜めの面上に軌跡を作成すれば、水平面を加工するのと同様に加工できる。
ータ、各軸モータの変位パルス等)をCD−ROM等の可搬型記録媒体に格納して売買す
ることもできる。
Claims (4)
- 接線方向のピッチ角及びヨー角のそれぞれが曲線長または曲線長変数の二次式で与えられる3次元曲線(3次元クロソイド曲線という)を用いて工具軌跡またはワークの輪郭形状を表現し、
前記3次元曲線に沿って移動する工具の運動を指定し、
指定された運動に従って単位時間毎に工具の移動位置を算出する数値制御方法。
ここで、運動とは、時間の関数として変化する位置情報をいう。
前記3次元クロソイド曲線を以下の式で定義する。
始点からの曲線の長さをsとし、その全長(始点から終点までの長さ)をhとする。sをhで割った値をSで表わす。Sは無次元の値であり、これを曲線長変数と呼ぶ。
i,j,kはそれぞれ、x軸、y軸、及びz軸方向の単位ベクトルである。
uは点Pにおける曲線の接線方向を示す単位ベクトルであり、式(2)によって与えられる。E kβ 及びE jα は回転マトリクスであり、それぞれ、k軸まわりの角度βの回転及びj軸まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(2)は、i軸方向の単位ベクトルを、まずj軸まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。a 0 ,a 1 ,a 2 ,b 0 ,b 1 ,b 2 は定数。 - 接線方向のピッチ角及びヨー角のそれぞれが曲線長または曲線長変数の二次式で与えられる3次元曲線(3次元クロソイド曲線という)を用いて工具軌跡またはワークの輪郭形状を表現し、
前記3次元曲線に沿って移動する工具の運動を指定し、
指定された運動に従って単位時間毎に工具の移動位置を算出する数値制御装置。
ここで、運動とは、時間の関数として変化する位置情報をいう。
前記3次元クロソイド曲線を以下の式で定義する。
始点からの曲線の長さをsとし、その全長(始点から終点までの長さ)をhとする。sをhで割った値をSで表わす。Sは無次元の値であり、これを曲線長変数と呼ぶ。
i,j,kはそれぞれ、x軸、y軸、及びz軸方向の単位ベクトルである。
uは点Pにおける曲線の接線方向を示す単位ベクトルであり、式(2)によって与えられる。E kβ 及びE jα は回転マトリクスであり、それぞれ、k軸まわりの角度βの回転及びj軸まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(2)は、i軸方向の単位ベクトルを、まずj軸まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。a 0 ,a 1 ,a 2 ,b 0 ,b 1 ,b 2 は定数。 - 工具の運動を数値制御するために、
コンピュータを、
接線方向のピッチ角及びヨー角のそれぞれが曲線長または曲線長変数の二次式で与えられる3次元曲線(3次元クロソイド曲線という)を用いて工具軌跡またはワークの輪郭形状を表現する手段と、
前記3次元曲線に沿って移動する工具の運動を指定する手段と、
指定された運動に従って単位時間毎に工具の移動位置を算出する手段、として機能させるためのプログラム。
ここで、運動とは、時間の関数として変化する位置情報をいう。
前記3次元クロソイド曲線を以下の式で定義する。
始点からの曲線の長さをsとし、その全長(始点から終点までの長さ)をhとする。sをhで割った値をSで表わす。Sは無次元の値であり、これを曲線長変数と呼ぶ。
i,j,kはそれぞれ、x軸、y軸、及びz軸方向の単位ベクトルである。
uは点Pにおける曲線の接線方向を示す単位ベクトルであり、式(2)によって与えられる。E kβ 及びE jα は回転マトリクスであり、それぞれ、k軸まわりの角度βの回転及びj軸まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(2)は、i軸方向の単位ベクトルを、まずj軸まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。a 0 ,a 1 ,a 2 ,b 0 ,b 1 ,b 2 は定数。 - 工具の運動を数値制御するために、
コンピュータを、
接線方向のピッチ角及びヨー角のそれぞれが曲線長または曲線長変数の二次式で与えられる3次元曲線(3次元クロソイド曲線という)を用いて工具軌跡またはワークの輪郭形状を表現する手段と、
前記3次元曲線に沿って移動する工具の運動を指定する手段と、
指定された運動に従って単位時間毎に工具の移動位置を算出する手段、として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
ここで、運動とは、時間の関数として変化する位置情報をいう。
前記3次元クロソイド曲線を以下の式で定義する。
始点からの曲線の長さをsとし、その全長(始点から終点までの長さ)をhとする。sをhで割った値をSで表わす。Sは無次元の値であり、これを曲線長変数と呼ぶ。
i,j,kはそれぞれ、x軸、y軸、及びz軸方向の単位ベクトルである。
uは点Pにおける曲線の接線方向を示す単位ベクトルであり、式(2)によって与えられる。E kβ 及びE jα は回転マトリクスであり、それぞれ、k軸まわりの角度βの回転及びj軸まわりの角度αの回転を表わしている。前者をヨー(yaw)回転、後者をピッチ(pitch)回転という。式(2)は、i軸方向の単位ベクトルを、まずj軸まわりにαだけ回し、しかるのちにk軸まわりにβだけ回すことによって、接線ベクトルuが得られることを示している。a 0 ,a 1 ,a 2 ,b 0 ,b 1 ,b 2 は定数。
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