JP4743433B2 - 釣用ウキ - Google Patents

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本発明は、釣りに用いられるウキの構造に関するものである。
釣りのジャンルに「ウキ釣り」というものがある。図18は、一般的なウキ釣りの仕掛けを示す模式図である。ウキ釣りでは、中通しタイプのウキが使用されることが多い(例えば、特許文献1〜特許文献6参照)。
中通しタイプのウキ1は、一般に略紡錘形に形成されている。ウキ1の中心軸に沿ってライン挿通孔が設けられている。釣竿2に沿って案内されたライン3は、ウキ1のライン挿通孔に挿通される。ライン3の先端にハリス5が連結される。ライン3とハリス5とは直接に結びつけられる場合もあるが、同図では、両者間に「サルカン」と称される連結具4が介在されている。ハリス5の先端に針6が結び付けられている。ライン3の所定位置には、ウキ止具7が取り付けられている。このウキ止具7は、針6、ハリス5及びライン3等がその自重によって水中に潜行していくことによって、相対的にウキ1に接近する。ウキ止具7がウキ1に当接するとライン3に対するウキ1の相対的移動が規制され、水中における針6の位置(俗に「タナ」と称される。)が設定される。
ところで、実釣においては、釣り場の状況(風、波、潮流等)に応じてウキの重量(すなわち水中での浮力)や外形形状の大きさが変更される場合がある。つまり、ウキ1が他の種類のウキ(大きさや浮力が異なるウキ)に交換される場合がある。しかし、ウキ1は中通しタイプであるから、この種のウキ1が交換される場合には、釣人は、一旦ライン3を切断し、交換される他のウキに再びライン3を挿通しなければならない。したがって、釣人にとって、ウキの交換作業が繁雑であるという問題があった。この問題は、予め定められた時間内で釣果を競う競技会等においては特に重大であった。従来から、この問題を解決するため、ラインが切断されることなく当該ラインに着脱自在なウキが提案されている(特許文献7〜特許文献11参照)。
特開2001−309739号公報 特開2000−287593号公報 特開2000−125729号公報 特開2000−60383号公報 特開平11−18647号公報 特開2005−151978号公報 特開平11−56186号公報 特開平9−9836号公報 実開平6−55370号公報 特開平7−255340号公報 特開2002−223682号公報
ラインが切断されることなく交換可能なウキは、一般にウキ本体と、これに嵌め合わされる嵌合軸とを備えている。嵌合軸は中空パイプからなり、これに釣糸が挿通される。一方、ウキ本体は、軸方向に貫通形成された嵌合孔を有し、この嵌合孔に上記嵌合軸が嵌め込まれるようになっている。また、ウキ本体は、軸方向に伸びるスリットを備えており、このスリットは、ウキ本体の径方向(軸方向と直交する方向)に切り込まれ、上記嵌合孔に連通している(特許文献7及び特許文献8〜11参照)。
しかしながら、従来のウキは、実釣においてウキ本体の着脱作業が容易であるとは言えなかった。具体的には、上記特許文献7に開示されたウキでは、釣人は、心棒(1) の鍔(12)を指の先端で挟みつつウキ本体(2) を回転させることにより、ウキ本体(2) と心棒(1) との螺合を解除しなければならないところ、上記鍔(12)が非常に小さいため、釣人は爪を立てて鍔(12)を摘む必要があり、そのため、ウキ本体(2) を心棒(1) に着脱する作業が非常に困難である。また、上記特許文献8〜特許文献11に開示されたウキでは、嵌合軸がウキ本体にほぼ完全に埋設されるので、釣人にとって嵌合軸の着脱操作がきわめて困難である。しかも、これら嵌合軸にもスリットが設けられているので、釣糸が嵌合軸とウキ本体との間に食い込んでしまい、損傷を受けるおそれもあった。
そこで、本発明の目的は、釣糸を切断することなく容易且つ迅速に交換することができる中通しタイプの釣用ウキを提供することである。
(1) 上記目的が達成されるため、本発明に係る釣用ウキは、外周面と、中心を貫くように軸方向に沿って形成された貫通孔と、上記軸方向に延びると共に上記外周面から径方向に沿って上記貫通孔に連通するように切り込まれたスリットとを有するウキ本体、及び中心を貫くように軸方向に沿って形成された釣糸挿通孔を有し、上記ウキ本体の貫通孔に下方から挿脱される筒状嵌合軸を備える。当該筒状嵌合軸は、上記貫通孔に嵌め合わされる主円筒部と、当該主円筒部の下端に連続し、当該主円筒部が上記貫通孔に嵌め合わされた状態で上記ウキ本体の下端から突出すると共に釣人が指で容易に把持することができるように成形された摘み部と、上記主円筒部に径方向に突出するように設けられ、当該主円筒部が上記貫通孔に嵌め合わされたときに上記スリットにスライド可能な状態で挿入される係止リブとを有する。上記ウキ本体は、上記貫通孔及び上記スリットに連続して当該貫通孔から径方向に延び且つ当該貫通孔を中心とする扇形に形成された凹部を有する。当該凹部は、上記貫通孔に嵌め合わされた上記主円筒部が上記軸方向を回転中心として回動されることにより上記係止リブと係合し且つ当該係止リブが当該軸方向にスライドすることを規制するシート部を構成している。
釣人は、釣糸を筒状嵌合軸の釣糸挿通孔に挿通する。筒状嵌合軸は、常時釣糸と係合し、当該釣糸に沿ってスライド自在となる。この状態で、筒状嵌合軸よりも上方に位置する釣糸がウキ本体の外周面からスリット内に挿通される。このスリットは、ウキ本体の貫通孔に連通しているから、この釣糸は、上記スリットを通って上記貫通孔内に配置される。
次いで、釣人は、上記筒状嵌合軸を上記ウキ本体の下方から上記貫通孔に挿入する。これにより、この筒状嵌合軸の主円筒部が上記貫通孔に嵌め合わせられ、当該主円筒部に設けられた係止リブの位置は、上記ウキ本体に設けられた凹部の位置に合わせられる。このとき、上記主円筒部の下端に設けられた摘み部が上記ウキ本体から突出する。この摘み部は、釣人が指で容易に把持することができる。釣人がこの摘み部を把持して右方向又は左方向に回動させることにより、上記係止リブと上記凹部とが係合し、上記係止リブは上記軸方向へスライドすることができなくなる。すなわち、上記筒状嵌合軸は、上記貫通孔内に位置決めされ、上記ウキ本体から外れなくなる。このウキ本体に位置決めされた上記筒状嵌合軸に上記釣糸が挿通されているから、上記ウキ本体は、上記筒状嵌合軸と共に当該釣糸に装着され且つ当該釣糸に沿って自由にスライドすることができる。
この状態から、釣人は、上記摘み部を指で把持し、左方向又は右方向に回動させることができる。これにより、上記係止リブと上記凹部との係合が解除される。さらに、釣人は、上記摘み部を把持したまま上記筒状嵌合軸を下方へ引っ張ることができる。これにより、当該筒状嵌合軸は上記ウキ本体から抜脱される。この筒状嵌合軸よりも上方に位置する釣糸は、上記スリットを通って上記ウキ本体から簡単に引き出される。すなわち、釣糸が切断されることなくウキ本体が当該釣糸から取り外される。
(2) 上記凹部は、上記主円筒部が上記軸方向を回転中心として略90°(degree)回動されるように形成されているのが好ましい。
この構成では、釣人にとって上記摘み部の操作が容易になる。換言すれば、上記係止リブと上記凹部とが係合するために、上記主円筒部が90°より大幅に大きく回動しなければならないとすれば、釣人は手首を大きく捻らせなければならず、不便である。他方、上記係止リブと上記凹部とが係合するために、上記主円筒部が90°より大幅に小さく回動するように設定されれば、釣人が上記係止リブと上記凹部との係合を確認することが困難となる。すなわち、上記主円筒部の回動角度は、90°程度に設定されるのがもっとも操作性に優れる。
(3) 上記摘み部は、上記主円筒部の下端部が平板状に扁平されることにより構成されているのが好ましい。
この構成では、摘み部が主円筒部と一体的に簡単に形成され得るので、摘み部が安価に構成されるという利点がある。
(4) 上記係止リブの上端側角部に面取加工が施されているのが好ましい。
この構成では、釣人が上記筒状嵌合軸をウキ本体に嵌め込んだ際に、上記係止リブの上端側角部が上記凹部の内壁面と強く接触することが防止される。これにより、釣人は、上記筒状嵌合軸を円滑に回動させることができる。
(5) 上記係止リブの下端側角部に面取加工が施されているのが好ましい。
この構成では、釣人が上記筒状嵌合軸をウキ本体に嵌め込んだ際に、上記係止リブの下端側角部が上記凹部の内壁面と面接触することが防止され、両者は、線接触ないし点接触する。これにより、係止リブは、がたつくことなく確実に上記凹部に係合することができると共に、釣人は、上記筒状嵌合軸を円滑に回動させることができる。
(6) 上記筒状嵌合軸は、上記主円筒部の上端に連続して上記軸方向に延びると共に上記径方向に突出する突片が形成された弾性変形可能な案内円筒部を備えていてもよい。上記ウキ本体は、上記貫通孔に連続して当該貫通孔から径方向に延びるように形成され且つ当該貫通孔を中心とする扇形に形成された係合凹部を有し、上記貫通孔に嵌め合わされた上記主円筒部が上記軸方向を回転中心として回動されたときに上記突片と衝突する爪部が上記係合凹部を区画する壁面に設けられているのが好ましい。
この構成では、上記筒状嵌合軸がウキ本体に挿入される際に、上記案内円筒部が案内部材として機能する。したがって、釣人は、一層容易に上記筒状嵌合軸をウキ本体の貫通孔に嵌め込むことができる。上記筒状嵌合軸の主円筒部が上記貫通孔に嵌め合わせられると、上記突片の位置と上記係合凹部の位置とが一致する。さらに、釣人が前述のように上記摘み部を操作することによって、上記突片が上記係合凹部に設けられた爪部と衝突する。当該案内円筒部は弾性変形することができるので、上記爪部が弾性的に変形して上記突片が上記爪部を乗り越える。すなわち、釣人は、上記摘み部を操作する際にいわゆるクリック感を得られ、上記筒状嵌合軸と上記ウキ本体との係合を確認することができる。
(7) 上記案内円筒部の外径は上記主円筒部の外径よりも小さく、両者の境界に段部が形成されており、上記貫通孔のうち上記案内円筒部が挿入される部分は、当該案内円筒部の外径に対応して縮径されているのが好ましい。
この構成では、上記筒状嵌合軸が上記ウキ本体に嵌め込まれた際に、上記段部が上記貫通孔のうち縮径された部分に当接する。したがって、釣人は、当該縮径された部分に上記筒状嵌合軸が当接することを確認するだけで、上記筒状嵌合軸と上記ウキ本体との位置決めを正確に行うことができる。
(8) 上記突片が突出する方向と直交する方向に切り込まれた切込溝が上記案内円筒部を貫通するように設けられているのが好ましい。
この構成では、上記突片が上記爪部を乗り越える際に上記案内円筒部がより容易に弾性変形し、上記突片が上記爪部を乗り越えた直後に当該弾性変形が復帰される。したがって、釣人は、より円滑に筒状嵌合軸を回動させることができるし、クリック感をより確実に得られる。
本発明によれば、釣糸が挿通された筒状嵌合軸がウキ本体に嵌め込まれることにより釣用ウキが当該釣糸に装着され、また、上記筒状嵌合軸が上記ウキ本体から引き抜かれることによりウキ本体が当該釣糸から取り外され、他のウキ本体に交換され得る。すなわち、釣糸が切断されることなく釣用ウキを他の種類のウキに交換され得る。しかも、上記筒状嵌合軸は、上記ウキ本体に嵌め込まれた状態で確実にロックされるので、実釣において上記ウキ本体が釣糸から外れることはない。加えて、釣人は、容易に筒状嵌合軸を把持することができ、しかもこれを回動させるだけで簡単に筒状嵌合軸とウキ本体とのロックを解除することができる。したがって、釣人は、きわめて簡単且つ迅速に筒状嵌合軸をウキ本体から取り外すことができ、実釣において釣用ウキの交換を短時間で簡単に行うことができる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る釣用ウキが用いられた釣用仕掛けの模式図である。
この釣用仕掛け10は、いわゆるウキフカセ釣りに適用されるものである。この釣用仕掛け10は、釣竿11の釣糸ガイド12に支持されたライン13と、ライン13に装着された釣用ウキ14と、ライン13の先端にサルカン15を介して連結されたハリス16と、ハリス16に結びつけられた釣針17とを有する。ライン13の所定位置に浮止部材18が設けられており、水面に浮かべられた釣用ウキ14から釣針17までの距離が設定されている。
本実施形態に係る釣用ウキ14は、ウキ本体20と、これに挿脱される嵌合軸21(筒状嵌合軸)とを備えている。同図が示すように嵌合軸21がウキ本体20に下方から挿入されることによってウキ本体20がライン13に装着され、また、後述されるように、嵌合軸21がウキ本体20から抜脱されることによってウキ本体20がライン13から取り外されるようになっている。
図2は釣用ウキ14の断面図である。また、図3は嵌合軸21の正面図、図4は嵌合軸21の右側面図、図5は嵌合軸21の縦断面図である。さらに、図6は、図3におけるVI−VI 断面図、図7は、図3におけるVII−VII 断面図である。
図2が示すように、嵌合軸21は、ウキ本体20に設けられた貫通孔22に嵌め込まれている。この嵌合軸21は、矢印69の方向すなわち嵌合軸21の軸方向に沿ってウキ本体20に対して挿脱されるようになっている。図3及び図5が示すように、嵌合軸21は、円筒状の部材である。本実施形態では、この嵌合軸21は、樹脂(典型的にはアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリプロピレン(PP)、ポリオキシメチレン(POM))から構成される。もっとも、嵌合軸21を構成する材料は、樹脂のほか金属も採用され得る。嵌合軸21は、釣糸挿通孔23を備えている。上記ライン13(図1参照)が、この釣糸挿通孔23に挿通されるようになっている。釣糸挿通孔23の内径寸法は、1.0mm〜3.0mmの範囲で設定され得る。これにより、さまざまな線径のラインが釣糸挿通孔23に挿通され得る。この釣糸挿通孔23は、嵌合軸21の中心を貫いており、嵌合軸21の軸方向に沿って形成されている。
嵌合軸21は、主円筒部24と、摘み部25と、係止リブ26と、案内円筒部27とを備えており、本実施形態では、これらが一体的に形成されている。
主円筒部24は、所定の外径寸法d1(図5参照)に設定されている。この寸法d1は、上記ウキ本体20に設けられた貫通孔22(図2参照)の内径寸法に対応されており、両者間に所定のはめあい公差が設定されている。本実施形態では、上記貫通孔22の内径寸法は5.0mmに設定され、一方、主円筒部24の外径寸法d1は、5.0mmに設定されている。すなわち、主円筒部24はウキ本体20の貫通孔22に押し込まれ、主円筒部24とウキ本体20との間に一定の摩擦力が発生する。したがって、常時において嵌合軸21は、一定の保持力でウキ本体20に保持される。釣人が意図的に嵌合軸21をウキ本体20に対して挿入し、あるいは抜き取るときは、釣人は、上記摩擦力を超える力で嵌合軸21を操作することにより、嵌合軸21を挿脱することができる。
図2が示すように、摘み部25は、主円筒部24の下端に設けられている。この摘み部25は、嵌合軸21に挿入された状態でウキ本体21から突出する。すなわち、上記主円筒部24が上記貫通孔22に完全に嵌め込まれた状態で、摘み部25は、ウキ本体21の下端から下方に突出する。この摘み部25の外形形状は、図2の状態において釣人が親指と人差し指で容易且つ確実に摘むことができるように成形されている。具体的には、この摘み部25は、主円筒部24の下端部が平板状に扁平され、団扇状に成形されることにより構成されている。すなわち、この摘み部25は、両側に平面部28,29(図4参照)を備えており、釣人は、この平面部28,29を指で挟むことにより、嵌合軸21を簡単に操作することができるようになっている。
図3、図5及び図6が示すように、係止リブ26は、主円筒部24に突設されている。具体的には、係止リブ26は、主円筒部24の外周面の上端に設けられており、主円筒部24の径方向に突出している。係止リブ26は、平板状部材である。係止リブ26の肉厚は、所定の肉厚寸法t(図4参照)に設定されている。本実施形態では、この肉厚寸法tは、1.2mm〜1.8mmの範囲で設定され得る。ただし、この肉厚寸法tは、ウキ本体20に設けられたスリット32の幅寸法d2(図8参照)に対応されている。本実施形態では、このスリット32の幅寸法d2は、1.2mm〜2.0mmであり、上記肉厚寸法tよりも若干大きく設定される。主円筒部24が上記貫通孔22に嵌め込まれたときは、係止リブ26は、上記スリット32に挿入される。そして、スリット32の幅寸法d2が係止リブ26の肉厚寸法tよりも若干大きく設定されているから、嵌合軸21がウキ本体20に対して相対的に移動すると、係止リブ26もスリット32内をスライドする。
図3ないし図5が示すように、係止リブ26の上端側角部30は面取加工が施されている。また、係止リブ26の下端側角部31も面取加工が施されている。具体的には、両者はいわゆるC面加工が施されている。もっとも、これらは、湾曲面に形成されていてもよい。上記上端側角部30及び下端側角部31に面取加工が施されることによる作用効果については後述される。
案内円筒部27は、上記主円筒部24の上端に延設され、当該主円筒部24と一体的に形成されている。この案内円筒部27は上記主円筒部24と同様に樹脂から構成されるので、容易に弾性変形することができる。この案内円筒部27の中心を貫くように軸方向に貫通孔が設けられている。この貫通孔は、上記主円筒部24を貫通する釣糸挿通孔23と連通している。案内円筒部27は、所定の外径寸法d3に設定されている。この寸法d3は、上記ウキ本体20に設けられた貫通孔22の内径寸法に対応されており、両者間に所定のはめあい公差が設定されている。
本実施形態では、上記案内円筒部27の外形寸法d3は、4.0mmに設定されている。このため、主円筒部24と案内円筒部27との境界に段部34が形成されている。これに対応して、上記貫通孔22の中間部位35が縮径されている(図2参照)。すなわち、貫通孔22のうち上記中間部位35よりも上側部分36(案内円筒部27が挿入される部分)の内径寸法は4.0mmに設定されている。したがって、案内円筒部27が上記貫通孔22の上側部分36に挿入された状態で両者間に一定の摩擦力が発生し、常時において、案内円筒部27は、一定の保持力でウキ本体20に保持される。前述のように、上記主円筒部24も上記貫通孔22に嵌め込まれることにより、主円筒部24とウキ本体20との間に一定の摩擦力が発生するから、釣人が意図的に嵌合軸21をウキ本体20に対して挿入し、あるいは抜き取るときは、釣人は、これら摩擦力を超える力で嵌合軸21を操作することにより、嵌合軸21を挿脱することができる。
図3ないし図5及び図7が示すように、この案内円筒部27は、突片33を備えている。この突片33は、案内円筒部27と一体的に形成されている。この突片33は薄肉の板状に形成され、案内円筒部27の径方向に突出している。言い換えれば、この突片33は、その肉厚寸法aだけ案内円筒部27の径方向に突出しており(図5参照)、当該寸法aは、0.5mm〜1.5mmに設定され得る。
案内円筒部27は、切込溝37を備えている。この切込溝37は、案内円筒部27の軸方向に延び且つ案内円筒部27の径方向に貫通形成されている。特に、この切込溝37は、上記突片33が突出する方向に対して直交する方向に上記案内円筒部27に切り込まれている。この切込溝37が設けられることによる作用効果については後述される。なお、この切込溝37が省略されていてもよいことは勿論である。
図8は、ウキ本体20の平面図である。図9は、図8におけるIX−IX断面図、図10は、図8におけるX−X 断面図である。また、図11は、図9におけるXI−XI 断面図であり、図12は、図9におけるXII−XII 断面図である。
図8ないし図10が示すように、ウキ本体20は、略紡錘形に形成されている。ウキ本体20を構成する材料は、木材のほか樹脂(典型的にはアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリプロピレン(PP)、ポリオキシメチレン(POM))が採用される。ウキ本体20は、上記貫通孔22を備えている。この貫通孔22は、ウキ本体20の上端38から下端39に通ずるようにウキ本体20の軸方向に延びており、ウキ本体20の中心を貫いている。後述されるが、この貫通孔22に連続して、ウキ本体20の内部に凹部42及び係合凹部43が形成されている。
図9及び図10が示すように、ウキ本体20は、上部本体40と下部本体41とを有しており、これらが上下方向に嵌め合わせられることにより組み立てられている。このようにウキ本体20が分割されているのは、ウキ本体20の製造を容易にするためである。すなわち、前述のように、ウキ本体20は、貫通孔22のみならず当該貫通孔22に連続する凹部42及び係合凹部43を備えているので、ウキ本体20が予め分割されることにより、凹部42及び係合凹部43の加工が容易になり、ウキ本体20の製造が簡単になる。
上部本体40と下部本体41とは、分割線44にて分割されている。本実施形態に係るウキ本体20では、図9及び図10が示すように、分割線44が屈曲されている。このため、上部本体40の下面48の外縁部に上方へ窪んだ凹条45が形成され、一方、下部本体41の上面49の外縁部に上方へ突出する凸条46が形成される。そして、凹条45と凸条46とが嵌め合わされることによって、上部本体40の下面48と下部本体41の上面49とが合致され、上記分割線44で接合されたウキ本体20が組み立てられる。
なお、本実施形態では、図10が示すように、下部本体41の上面49に位置決めピン50が立設されている。また、上部本体42の下面48に係合孔51が設けられている。そして、位置決めピン50は、係合孔51に嵌合するようになっており、両者が嵌合した状態で上部本体40と下部本体41とが合致するようになっている。つまり、位置決めピン50と係合孔51とが嵌め合わされることによって上部本体40と下部本体41とが位置あわせされ、ウキ本体20が正確に組み立てられるようになっている。もっとも、意義決めピン50及び係合孔51は省略されていてもよい。
ウキ本体20は、上記スリット32を備えている(図8及び図9参照)。このスリット32は、ウキ本体20の軸方向に延び、ウキ本体20の上端38から下端39に達している。また、このスリット32は、ウキ本体20の外周面47から径方向に切り込まれており、上記貫通孔22に連通している。前述のように、スリット32の幅寸法d2は、1.2mm〜2.0mmの範囲に設定されるのが好ましい。
図9及び図10が示すように、貫通孔22は、ウキ本体20を上下に貫通している。前述のように、この貫通孔22は、中間部位35において縮径されている。貫通孔22の中間部位35よりも下方、すなわち貫通孔22の下側部分52の内径は、上記上側部分36の内径よりも大きく設定されている。
図9及び図11が示すように、上記中間部位35から下方に貫通孔22に連続して上記凹部42が形成されている。この凹部42は、ウキ本体20の内部に設けられており、貫通孔22を中心とした扇形に形成されている。すなわち、凹部42は、上記スリット32及び貫通孔22に連続しており、径方向に延びると共に当該貫通孔22を中心として円弧状に延びている。本実施形態では、この凹部42が形成する扇形の中心角は90°(degree)に設定されている。もっとも、この中心角は、90°に限定されるものではなく、45°〜180°の範囲で設定される。ただし、この中心角は、略90°程度に設定されるのが好ましい。
図9が示すように、この凹部42を構成する壁面53は、傾斜面54及び傾斜面55を備えている。この傾斜面54は、上記嵌合軸21の上端側角部30(図3参照)の傾斜角度に対応されている。また、上記傾斜面55は、上記嵌合軸21の下端側角部31(図3参照)の傾斜角度に対応されている。したがって、凹部42は、上記係止リブ26(図3参照)が嵌め合わされることができる形状に形成されている。
図9及び図12が示すように、上記中間部位35から上方に貫通孔22に連続して上記係合凹部43が形成されている。この係合凹部43は、上記凹部42(図11参照)に連続して、当該凹部42の上方に設けられている。この係合凹部43もウキ本体20の内部に設けられており、貫通孔22を中心とした扇形に形成されている。すなわち、この係合凹部43は、上記貫通孔22の上側部分36に連続しており、径方向に延びると共に当該上側部分36を中心として円弧状に延びている。本実施形態では、この係合凹部43が形成する扇形の中心角は、上記凹部42と同様に90°(degree)に設定されている。もっとも、この中心角は、90°に限定されるものではなく、45°〜180°の範囲で設定される。ただし、この中心角は、略90°程度に設定されるのが好ましい。
係合凹部43を構成する壁面56に爪部57が突設されている。この爪部57は、貫通孔22の長手方向(ウキ本体20の軸方向)に延びる突条からなり、図12が示すように、貫通孔33の上側部分36の中心に向かって突出している。上記嵌合軸21の案内円筒部27(図3参照)は、上記上側部分36に嵌め込まれるから、その状態で嵌合軸21が回転されると、上記案内円筒部27に設けられた突片33は、上記爪部57と衝突することになる。突片33と爪部57とが衝突することによる作用効果については、後述される。
本実施形態に係る釣用ウキ14は、実釣において次のように使用され、釣人は、ウキ本体20を簡単に交換することができる。
釣用ウキ14は、次の要領でライン13に装着される。まず、釣人は、ライン13を嵌合軸21の釣糸挿通孔23に挿通する(図1及び図3参照)。これにより、嵌合軸21は、常時ライン13と係合し、当該ライン13に沿って自由にスライドすることができる。釣人は、嵌合軸21よりも上方に位置するライン13をウキ本体21に挿入する。具体的には、釣人は、ライン13を手に持ち、これをウキ本体21のスリット32(図9参照)を通じてウキ本体20の外周面47から貫通孔22まで挿入する。つまり、ライン13は、上記スリット32を通って貫通孔22内に配置される。
釣人は、この嵌合軸21をウキ本体20の下方から貫通孔22に挿入する。つまり、嵌合軸21は、案内円筒部27からウキ本体20に押し込まれる。このとき、主円筒部24に設けられた係止リブ26は、上記スリット32に嵌り込み、当該スリット32に沿ってスライドする。これにより、嵌合軸21の案内円筒部27が貫通孔22の上側部分36と嵌合し、嵌合軸21の主円筒部24が貫通孔22の下側部分52に嵌め合わせられる。この状態で、嵌合軸21に設けられた係止リブ26の位置とウキ本体20に設けられた凹部42の位置とが合致すると共に、主円筒部24の下端に設けられた摘み部25がウキ本体20の下端39から突出する(図2参照)。
図13は、嵌合軸21がウキ本体20に挿入された状態における係止リブ26と凹部42との相対的位置関係及び突片33と係合凹部43との相対的位置関係を示す図である。また、図14は、嵌合軸21が回動された状態における係止リブ26と凹部42との相対的位置関係及び突片33と係合凹部43との相対的位置関係を示す図である。
上記摘み部25は扁平されており、平面部28,29を備えていることから、釣人は、摘み部25を指で容易に把持することができる。嵌合軸21が単にウキ本体20に挿入された状態では、図13(a)及び(b)が示すように、係止リブ26及び突片33は、共にスリット32内に配置されている。
釣人は、上記摘み部25を把持して右方向に90°だけ回動させることができる。図14(b)が示すように、係止リブ26が凹部42内に進入し、両者が嵌合する。嵌合軸21が軸方向へスライドしようとした場合には、係止リブ26の上端側角部30及び下端側角部31が凹部42の傾斜面54及び傾斜面55(図9参照)と当接するので、係止リブ26は軸方向へスライドすることが規制される(図2参照)。すなわち、上記凹部42は、係止リブ26を支持するシート部として機能する。このため、嵌合軸21は、ウキ本体20の貫通孔22内に位置決めされ、ウキ本体20から外れなくなる。この嵌合軸21に上記ライン13が挿通されているから、ウキ本体20は、嵌合軸21と共にライン13に装着され且つ当該ライン13に沿って自由にスライドすることができる。
また、釣用ウキ14がライン13に装着されている状態から、釣人は、上記摘み部25を指で把持し、左方向に回動させることができる。これにより、上記係止リブ26と上記凹部42との係合が解除され、上記係止リブ26及び突片33が上記スリット32内に配置される(図13参照)。釣人は、摘み部25を把持したまま嵌合軸21を下方へ引っ張ることができ、これにより、嵌合軸21はウキ本体20から抜き取られる。この嵌合軸21よりも上方に位置するライン13は、上記スリットを通ってウキ本体20から簡単に引き出される。すなわち、ライン13が切断されることなくウキ本体20が当該ライン13から取り外され、釣人は、所望の他のウキ本体と交換することができる。
このように、本実施形態に係る釣用ウキ14によれば、釣人は、嵌合軸21をウキ本体20に挿入し抜脱することにより、ライン13を切断することなくウキ本体を交換することができる。しかも、釣人が意図的に嵌合軸21を操作しない限り、嵌合軸21はウキ本体20に嵌め込まれた状態で確実にロックされるので、実釣においてウキ本体20がライン13から容易に外れることはない。加えて、嵌合軸21は釣人にとって操作し易い形状であるから、釣人は、実釣においてウキの交換を短時間で簡単に行うことができる。
本実施形態では、上記凹部42は、嵌合軸21の主円筒部24が軸方向を回転中心として90°回動されるように形成されている。すなわち、釣人は、嵌合軸21を操作する際に、当該嵌合軸21を貫通孔22を回転中心として90°回転させればよいから、釣人にとって上記摘み部25の操作がきわめて容易である。仮に、嵌合軸21が90°より大幅に大きく(例えば180°よりも大きく)回動しなければならないとすれば、釣人は手首を大きく捻らせなければならず、不便である。また、仮に、嵌合軸21が90°より大幅に小さく(例えば45°よりも小さく)回動するように設定されれば、釣人は、上記係止リブ26と上記凹部42との係合を確認することが困難となる。これに対し、本実施形態では、嵌合軸21が90°回転されるので、釣人にとっては、上記係止リブ26が上記スリット32に対して直交するまで嵌合軸21を回転させればよい。すなわち、嵌合軸21の回転角度が90°程度に設定されるのがもっとも操作性に優れる。
また、上記摘み部25は、嵌合軸21の主円筒部24の下端部が平板状に扁平されることにより構成されているから、当該摘み部25が主円筒部24と一体的に簡単に形成され得る。これにより、摘み部25が安価に構成される、ひいては釣用ウキ14の製造コストが低減される。
さらに、上記係止リブ26の上端側角部30に面取加工が施されているから(図2参照)、釣人が嵌合軸21をウキ本体20に嵌め込んだ際に、係止リブ26の上端側角部30が上記凹部42の内壁面と強く接触することが防止される。なぜなら、嵌合軸21の自重により、上端側角部30と上記凹部42の傾斜面54(図9参照)とは互いに離反する傾向にあるからである。このため、釣人は、嵌合軸21を円滑に回動させることができるという利点がある。なお、上記係止リブ26の上端側角部30と上記凹部42を構成する傾斜面54との間に若干の隙間が形成されるように、当該傾斜面54又は上端側角部30が成形されてもよい。
また、上記係止リブ26の下端側角部31にも面取加工が施されることにより(図2参照)、釣人が嵌合軸21をウキ本体20に嵌め込んだ際に、係止リブ26の下端側角部31が凹部42の内壁面と面接触することが防止され得る。換言すれば、係止リブ26の下端側角部31は、凹部42の傾斜面55と線接触ないし点接触するように 面取加工され得る。これにより、係止リブ26は、がたつくことなく確実に凹部42と係合し、しかも凹部42に対して円滑にスライドすることができる。その結果、釣人は、嵌合軸21をより円滑に操作することができる。
加えて、本実施形態では、嵌合軸21がウキ本体20に挿入される際に、案内円筒部27が案内部材として機能する。したがって、釣人は、一層容易に嵌合軸21をウキ本体20の貫通孔22に嵌め込むことができる。嵌合軸21の主円筒部24が貫通孔22に嵌め合わせられると、上記突片33の位置と上記係合凹部43の位置とが一致する。そして、釣人が前述のように上記摘み部25を操作することによって、図14(a)が示すように、上記突片33が上記係合凹部43に設けられた爪部57と衝突する。ここで、嵌合軸21は樹脂からなり、案内円筒部27は弾性変形することができるので、上記突片33と上記爪部57とが衝突することにより、この爪部57が弾性的に変形して上記突片33が当該爪部57を乗り越える。すなわち、釣人は、上記摘み部25を操作する際にいわゆるクリック感が得られ、嵌合軸21とウキ本体20とが嵌め合わされたことを確認することができるという利点がある。
また、本実施形態では、嵌合軸21に上記段部34が形成され、これに対応して上記貫通孔22の中間部位35が縮径されている。このため、嵌合軸21がウキ本体20に嵌め込まれた際に、図2が示すように上記段部34が上記貫通孔22の中間部位35に当接する。したがって、釣人は、当該中間部位35に嵌合軸21が当接することを確認するだけで、嵌合軸21とウキ本体20との位置決めを正確に行うことができ、両者の当接を確認するだけで、嵌合軸21を簡単に回動させることができる。
さらに、上記案内筒状部27は、上記切込溝37を備えている。前述のように、この切込溝37は、上記突片33の突出方向に直交する方向に貫通しているから、上記突片33が上記爪部57を乗り越える際に上記案内円筒部27がより容易に弾性変形する。つまり、爪部57と突片33とが衝突したときに、その衝撃を緩和するように案内円筒部27が変形し、上記突片33が上記爪部57を乗り越えた直後に、当該弾性変形が直ちに復帰される。したがって、釣人は、より円滑に嵌合軸21を回動させることができるし、クリック感を確実に得られるという利点がある。
本実施形態では、ウキ本体20の製造上の便宜のため、ウキ本体20が上部本体40と下部本体41とから構成され、両者が嵌め合わされることによりウキ本体20が組み立てられるようになっている。しかし、ウキ本体20が樹脂により一体的に形成されていてもよいことは勿論である。また、ウキ本体20は、図15が示すような構造を備えていてもよい。
図15は、上記実施形態の変形例に係るウキ本体60の平面図であり、図16及び図17は、それぞれ、図15におけるXVI−XVI断面図 及びXVII−XVII断面図である。
このウキ本体60は、上記実施形態に係るウキ本体20と同様の外形形状を有し、貫通孔22及びスリット32を備えている。また、ウキ本体60は、上記ウキ本体20と同様に、上部本体61及び下部本体62を備えており、これらが嵌め合わされることによってウキ本体60が組み立てられている。
このウキ本体60が上記ウキ本体20と異なるところは、上記ウキ本体20では、上部本体40及び下部本体41が無垢材から構成されているのに対し(図9及び図10参照)、このウキ本体60を構成する上部本体61及び下部本体62が中空の器状に形成されている点である。このように上部本体61及び下部本体62が中空構造を備えるので、これら上部本体61及び下部本体62は、樹脂による射出成形により簡単に構成され得る。その結果、ウキ本体60の大量生産が可能であり、釣用ウキ10が安価に提供されるという利点がある。
具体的には、上部本体61は外殻部63と内軸部64とを備えている。これらは一体的に形成されている。上部本体61の肉厚寸法は、これを構成する樹脂の強度によって異なるが、1mm〜3mm程度に設定され得る。外殻部63は略半球殻状に形成されており、外殻部63の外形形状は、上記実施形態に係るウキ本体20の上部本体40の外形形状と同様である。内軸部64は、円筒状に形成されており、図17が示すように、外殻部63の内側の中心に設けられ、下方に(下部本体62側に)突出している。この内軸部64の内壁面によって上記貫通孔22の上側部分36が構成されている。そして、上記実施形態に係るウキ本体20と同様に、上記上側部分36に連続して係合凹部43が設けられ、当該係合凹部43の壁面56に爪部57が形成されている。また、上部本体61は、外周面47から径方向に切り込まれた溝65を有し、この溝65が上記スリット32の一部を構成している。
下部本体62は、外殻部66と内軸部67とを備えている。これらは、上部本体61と同様に一体的に形成されている。下部本体62の肉厚寸法は、上部本体61と同様に1mm〜3mm程度に設定され得る。外殻部66は略漏斗状に形成されており、外殻部66の外形形状は、上記実施形態に係るウキ本体20の下部本体41の外形形状と同様である。内軸部67は、円筒状に形成されており、図17が示すように、外殻部66の内側の中心に設けられ、上方に(上部本体61側に)突出している。この内軸部67の内壁面によって上記貫通孔22の下側部分52が構成されている。そして、上記実施形態に係るウキ本体20と同様に、上記下側部分52に連続して凹部42が設けられている。また、下部本体62は、外周面47から径方向に切り込まれた溝68を有し、この溝68が上記スリット32の一部を構成している。
図16及び図17が示すように、上部本体61は、下部本体62と上下方向に(軸方向に)嵌め合わされる。これにより、上部本体61の外周面47と下部本体62の外周面が滑らかに連続し、略紡錘形のウキ本体60が形成される。また、本変形例では、上記外殻部63及び外殻部66の互いに対向する面にいわゆるあいじゃくり構造が設けられている。これにより、上部本体61と下部本体62とが位置決めされた状態で嵌め合わされる。さらに、外殻部63と外殻部66とが嵌合された状態で、内軸部64も内軸部67と嵌め合わされるようになっている。なお、内軸部64及び内軸部67の互いに対向する面にもあいじゃくり構造が設けられており、これにより、内軸部64と内軸部67とが位置決め状態で確実に接合される。
このように、上部本体61と下部本体62とが嵌め合わされることにより、上記溝65及び溝68が軸方向に連続して上記スリット32が構成されると共に、内軸部64と内軸部67とが接合されて上記貫通孔32が構成される。このウキ本体60に上記嵌合軸21が挿脱されることにより、釣人は、ウキ本体60をライン13に容易に着脱することができる。
本発明は、ウキ釣りに使用されるウキに適用され得る。
図1は、本発明の一実施形態に係る釣用ウキが用いられた釣用仕掛けの模式図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る釣用ウキの断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る釣用ウキの嵌合軸の正面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る嵌合軸の右側面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る嵌合軸の縦断面図である。 図6は、図3におけるVI−VI 断面図である。 図7は、図3におけるVII−VII 断面図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る釣用ウキのウキ本体の平面図である。 図9は、図8におけるIX−IX断面図である。 図10は、図8におけるX−X 断面図である。 図11は、図9におけるXI−XI 断面図である。 図12は、図9におけるXII−XII 断面図である。 図13は、本発明の一実施形態に係る嵌合軸がウキ本体に挿入された状態における係止リブと凹部との相対的位置関係及び本発明の一実施形態に係る突片と係合凹部との相対的位置関係を示す図である。 図14は、本発明の一実施形態に係る嵌合軸が回動された状態における係止リブと凹部との相対的位置関係及び本発明の一実施形態に係る突片と係合凹部との相対的位置関係を示す図である。 図15は、本発明の一実施形態の変形例に係るウキ本体の平面図である。 図16は、図15におけるXVI−XVI断面図である。 図17は、図15におけるXVII−XVII断面図である。 図18は、従来の一般的なウキ釣りの仕掛けを示す模式図である。
符号の説明
10・・・釣用仕掛け
13・・・ライン
14・・・釣用ウキ
20・・・ウキ本体
21・・・嵌合軸
22・・・貫通孔
23・・・釣糸挿通孔
24・・・主円筒部
25・・・摘み部
26・・・係止リブ
27・・・案内円筒部
28・・・平面部
29・・・平面部
30・・・上端側角部
31・・・下端側角部
32・・・スリット
33・・・突片
34・・・段部
35・・・中間部位
36・・・上側部分
39・・・ウキ本体の下端
37・・・切込溝
42・・・凹部
43・・・係合凹部
47・・・外周面
52・・・下側部分
57・・・爪部
60・・・ウキ本体

Claims (8)

  1. 外周面と、中心を貫くように軸方向に沿って形成された貫通孔と、上記軸方向に延びると共に上記外周面から径方向に沿って上記貫通孔に連通するように切り込まれたスリットとを有するウキ本体、及び
    中心を貫くように軸方向に沿って形成された釣糸挿通孔を有し、上記ウキ本体の貫通孔に下方から挿脱される筒状嵌合軸を備え、
    当該筒状嵌合軸は、
    上記貫通孔に嵌め合わされる主円筒部と、
    当該主円筒部の下端に連続し、当該主円筒部が上記貫通孔に嵌め合わされた状態で上記ウキ本体の下端から突出すると共に釣人が指で容易に把持することができるように成形された摘み部と、
    上記主円筒部に径方向に突出するように設けられ、当該主円筒部が上記貫通孔に嵌め合わされたときに上記スリットにスライド可能な状態で挿入される係止リブとを有し、
    上記ウキ本体は、
    上記貫通孔及び上記スリットに連続して当該貫通孔から径方向に延び且つ当該貫通孔を中心とする扇形に形成された凹部を有し、
    当該凹部は、
    上記貫通孔に嵌め合わされた上記主円筒部が上記軸方向を回転中心として回動されることにより上記係止リブと係合し且つ当該係止リブが当該軸方向にスライドすることを規制するシート部を構成している釣用ウキ。
  2. 上記凹部は、上記主円筒部が上記軸方向を回転中心として略90°回動されるように形成されている請求項1に記載の釣用ウキ。
  3. 上記摘み部は、
    上記主円筒部の下端部が平板状に扁平されることにより構成されている請求項1又は2に記載の釣用ウキ。
  4. 上記係止リブの上端側角部に面取加工が施されている請求項1から3のいずれかに記載の釣用ウキ。
  5. 上記係止リブの下端側角部に面取加工が施されている請求項1から4のいずれかに記載の釣用ウキ。
  6. 上記筒状嵌合軸は、
    上記主円筒部の上端に連続して上記軸方向に延びると共に上記径方向に突出する突片が形成された弾性変形可能な案内円筒部を有し、
    上記ウキ本体は、
    上記貫通孔に連続して当該貫通孔から径方向に延びるように形成され且つ当該貫通孔を中心とする扇形に形成された係合凹部を有し、
    上記貫通孔に嵌め合わされた上記主円筒部が上記軸方向を回転中心として回動されたときに上記突片と衝突する爪部が上記係合凹部を区画する壁面に設けられている請求項1から5のいずれかに記載の釣用ウキ。
  7. 上記案内円筒部の外径は上記主円筒部の外径よりも小さく、両者の境界に段部が形成されており、
    上記貫通孔のうち上記案内円筒部が挿入される部分は、当該案内円筒部の外径に対応して縮径されている請求項6に記載の釣用ウキ。
  8. 上記突片が突出する方向と直交する方向に切り込まれた切込溝が上記案内円筒部を貫通するように設けられている請求項6又は7に記載の釣用ウキ。
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