JP4740489B2 - 光拡散シート、この製造方法及びこれを用いたバックライトユニット - Google Patents

光拡散シート、この製造方法及びこれを用いたバックライトユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置のバックライトユニットに用いられる光拡散シート、この光拡散シートを用いたバックライトユニット、及び、この光拡散シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にエッジライト型、直下型等のバックライトユニットが装備されている。かかるエッジライト型のバックライトユニット20は、基本的には図3(a)に示すように、光源としての線状のランプ21と、ランプ21に端部が沿うように配置される方形板状の導光板22と、導光板22の表面側に配設される光拡散シート23と、光拡散シート23の表面側に配設されるプリズムシート24とを備えている。
【0003】
このバックライトユニット20の機能を説明すると、まずランプ21より導光板22に入射した光線は、導光板22裏面の反射ドット又は反射シート(図示していない)で反射され、導光板22表面から出射される。導光板22から出射した光線は光拡散シート23に入射し、光拡散シート23で拡散され、光拡散シート23表面より出射される。その後、光拡散シート23から出射された光線は、プリズムシート24に入射し、プリズムシート24表面に形成されたプリズム部24aによって略法線方向にピークを示す分布の光線として出射される。
【0004】
このように、ランプ21から出射された光線が、光拡散シート23によって拡散され、またプリズムシート24によって略法線方向にピークを示すように屈折され、さらに表面側の液晶層(図示していない)全面を照明するものである。なお、図示していないが、上述のプリズムシート24の集光特性の緩和やプリズム部24aの保護又は偏光板等の液晶パネルとプリズムシート24とのスティッキングの防止を目的として、プリズムシート24の表面側にさらに光拡散シートが配設されている。
【0005】
上記バックライトユニット20に備える光拡散シート23は、一般的には図3(b)に示すように、基材層26と、この基材層26の表面に積層された光拡散層27と、基材層26の裏面に積層されたスティッキング防止層28とを備えている。この光拡散層27は、一般的には、バインダー29中に光拡散剤30が分散した構造を有し、光拡散剤30により透過光線を拡散させる機能が奏される。また、スティッキング防止層28は、バインダー31中に少量のビーズ32が離間して分散し、このビーズ32の下部がバインダー31の裏面から突出した構造を有しており、光拡散シート23裏面が導光板22表面と密着して干渉縞が生じてしまう不都合を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記構造の光拡散シート23において、光拡散性の均一化を図るためには光拡散剤30をバインダー29中に均一に分散させる必要がある。従来、このように光拡散剤30を均一に分散させる手段としてバインダー29中に分散剤等の薬剤を配合する手段が採られているが、(a)この薬剤の配合タイミング、配合量等の調節が容易ではなく、効果的に光拡散剤30を分散させるためには熟練性が求められることや、(b)薬剤の配合による工程数の層加や薬剤によるコスト増などの製造上及びコスト上の不都合がある。
【0007】
また、光拡散性の向上の観点からは、光拡散剤30をバインダー29の表面側平均界面から突出させ、光拡散シート23の表面に光拡散剤30による微細な凹凸を形成する必要がある。このように光拡散シート23の表面に凹凸を形成させるためには、光拡散剤30の平均粒子径、バインダー29に対する光拡散剤30の配合量、及び、基材層26表面への光拡散層用塗工液(バインダー29と光拡散剤30とを含有する)の塗工量を、これらの相対的関係を考慮しつつ微妙に調整しなければならない。従って、相応の熟練を要する作業となっている。
【0008】
本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、光拡散剤の分散性が高く、表面の凹凸高さの制御が容易かつ確実な光拡散シート、この光拡散シートを用いたバックライトユニット、及び、この光拡散シートの製造方法の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた光拡散シートに係る発明は、
透明な基材層と、この基材層の表面側に積層された光拡散層とを備え、
この光拡散層が、バインダーと、このバインダー中に分散する光拡散剤とを有しており、
この光拡散剤として負に帯電したものが用いられている
ものである。
【0010】
当該光拡散シートによれば、光拡散層においてバインダー中に分散する光拡散剤が負に帯電していることから、各光拡散剤間に斥力が作用し、光拡散剤が互いに離間しようとする結果、バインダー中において光拡散剤の均一な分散状態が実現される。
【0011】
上記光拡散層において、光拡散剤が略単一層状に配設するとよい。一般的に基材層は正に帯電しているため、負帯電の光拡散剤との間に引力が作用し、略単一層状に配設された殆ど全ての光拡散剤は基材層の表面に吸着する。そのため、粒度分布が比較的シャープな光拡散剤を用いると、バインダーに対する光拡散剤の配合量及び光拡散層用塗工液(バインダーと光拡散剤とを含有する)の塗工量により、バインダーの表面側平均界面からの光拡散剤の突出量、つまり光拡散シート表面の凹凸高さを容易かつ確実に制御することができる。
【0012】
一方、上記光拡散層において、光拡散剤が略複数層状に配設してもよい。このように光拡散剤を略複数層状に配設することで、基材層に沿った第一層を構成する負帯電の光拡散剤が正帯電の基材層表面に吸着し、この第一層目の光拡散剤とその表面側の光拡散剤との間に斥力が作用し、表面側層の光拡散剤が表面側に押し出され、光拡散シートの表面に凹凸が形成される。そのため、光拡散シート表面の凹凸高さは光拡散剤間に作用する斥力、つまり光拡散剤の電荷の大きさに依存する。従って、当該光拡散シートによれば、光拡散剤によって表面に形成される凹凸高さは光拡散層用塗工液の塗工量や光拡散剤の配合量に対する依存性が低く、凹凸高さの制御が容易かつ確実になる。
【0013】
上記光拡散剤としてビーズを用いるとよい。このビーズによれば、光拡散性が高く、均一な分散により光拡散シートの光拡散性の均一化を促進することができる。また、ビーズの粒子径が比較的制御しやすいため、光拡散シート表面の凹凸高さの制御容易性を促進することができる。
【0014】
上記光拡散剤の負電荷としては10μC/g以上1000μC/g以下が好ましい。光拡散剤の電荷を上記範囲とすることで、上記光拡散剤の分散性及び光拡散シート表面の凹凸高さの制御容易性を促進することができる。
【0015】
当該光拡散シートは、上記基材層の裏面側にバインダー中にビーズが分散するスティッキング防止層をさらに備え、このビーズとして負に帯電したものを用いるとよい。このようにバインダー中にビーズが分散したスティッキング防止層により、当該光拡散シートの裏面側に配設される導光板等とのスティッキングが防止される。さらに、スティッキング防止層にも負に帯電したビーズを用いることで、ビーズの分散性が向上し、スティッキング効果を全面に均一に発現させることができ、また、上記光拡散剤を略単一層に配設した場合と同様にスティッキング防止層の裏面の凹凸高さの制御が容易かつ確実になる。なお、このビーズの負電荷としても10μC/g以上1000μC/g以下が好ましい。
【0016】
従って、ランプから発せられる光線を分散させて表面側に導く液晶表示装置用のバックライトユニットにおいて、当該光拡散シートを備えると、当該光拡散シートが有する均一かつ制御容易な光拡散性により、均一に液晶を照らすことができ、かつ、過剰な拡散に起因する輝度の低下を防止し、従来の光拡散シートを備えるバックライトユニットよりも輝度を向上させることができる。
【0017】
また、上記課題を解決するためになされた光拡散シートの製造方法に係る発明は、バインダーを構成する樹脂組成物に正に帯電した光拡散剤又は負に帯電した光拡散剤を混合することで光拡散層用塗工液を調製する工程と、
この光拡散層用塗工液を基材層の表面に塗工、乾燥することで光拡散層を積層する工程とを有するものである。
【0018】
当該光拡散シートの製造方法によれば、光拡散層用塗工液を調製する工程において、正に帯電した光拡散剤又は負に帯電した光拡散剤を用いることから、各光拡散剤間に作用する斥力によって光拡散層用塗工液中で光拡散剤が均一に分散する結果、従来の製造方法のような分散剤等の薬剤の配合が不要となり、かかる薬剤配合工程による製造工程数、設備及びコストの増加を解消することができる。また、光拡散剤によって光拡散シート表面に凹凸を形成するに当たり、前述のように凹凸高さの制御容易性が高いため、光拡散層用塗工液の調製作業が簡略化され、その結果、光拡散シート表面に凹凸を容易かつ確実に形成することができる。なお、上記正に帯電した光拡散剤又は負に帯電した光拡散剤の製造時における正電荷又は負電荷としては10μC/g以上1000μC/g以下が好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。図1は本発明の一実施形態に係る光拡散シートを示す模式的断面図で、図2は図1の光拡散シートとは異なる形態の光拡散シートを示す模式的断面図である。
【0020】
図1の光拡散シート1は、基材層2と、この基材層2の表面に積層された光拡散層3と、基材層2の裏面に積層されたスティッキング防止層4とから構成されている。
【0021】
基材層2は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂から形成されている。かかる基材層2に用いられる合成樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等が挙げられる。
【0022】
基材層2の厚み(平均厚み)は、特には限定されないが、例えば10μm以上500μm以下、好ましくは75μm以上250μm以下とされる。基材層2の厚みが上記範囲未満であると、光拡散層3を形成するための樹脂組成物を塗工した際にカールが発生しやすくなってしまう、取扱いが困難になる等の不都合が発生する。逆に、基材層2の厚みが上記範囲を超えると、液晶表示装置の輝度が低下してしまうことがあり、またバックライトユニットの厚みが大きくなって液晶表示装置の薄型化の要求に反することにもなる。
【0023】
光拡散層3は、バインダー5と、このバインダー5中に分散する光拡散剤6とから構成されている。このように分散した光拡散剤6により、この光拡散層3を裏側から表側に透過する光線を略均一に拡散させることができる。また、光拡散剤6の上端をバインダー5から突出させることで、光線をより良く拡散させることができる。なお、光拡散層3の厚み(光拡散剤6を除いたバインダー5部分の厚み)は特には限定されないが、例えば1μm以上30μm以下程度とされている。
【0024】
バインダー5に用いられる合成樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂等が挙げられる。またバインダー5には、上記のポリマーの他、例えば可塑剤、安定化剤、劣化防止剤、分散剤等が配合されてもよい。バインダー5に用いられる合成樹脂は光線を透過させる必要があるので透明とされており、特に無色透明が好ましい。
【0025】
光拡散剤6は、光線を拡散させる性質を有する粒子であり、無機フィラーと有機フィラーに大別される。無機フィラーとしては、具体的には、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれらの混合物を用いることができる。有機フィラーの具体的な材料としては、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等を用いることができる。
【0026】
光拡散剤6の形状は、特に限定されるものではなく、例えば球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、中でも光拡散性に優れる球状のビーズが好ましい。
【0027】
光拡散剤6の粒子径の下限としては3μm、特に5μm、さらに8μmが好ましく、光拡散剤6の粒子径の上限としては25μm、特に20μm、さらに15μmが好ましい。これは、光拡散剤6の粒子径が上記範囲未満であると、光拡散剤6によって形成される光拡散層3表面の凹凸が小さくなり、光拡散シートとして必要な光拡散性を満たさないおそれがあり、逆に、光拡散剤6の平均粒子径が上記範囲を越えると、光拡散シート1の厚さが増大し、かつ、均一な拡散が困難になることからである。
【0028】
光拡散剤6は、負に帯電したものを用いる。このように負に帯電した光拡散剤6を用いることで、各光拡散剤6間に斥力が作用し、光拡散剤6がバインダー5中で均一に分散する。そのため、当該光拡散シート1を用いたバックライトユニットの輝度の均一化を高めることができる。なお、このような負に帯電した光拡散剤6としては綜研化学(株)社製のMPシリーズがある。
【0029】
光拡散剤6は、基材層2の表面に略単一層状に配設されている。一般的に基材層2は正に帯電しているため、負帯電の層状の光拡散剤6は基材層2の表面に吸着する。そのため、光拡散剤6のバインダー5の表面側平均界面からの突出量、つまり光拡散シート1表面の凹凸高さは、平均粒子径の粒度分布がシャープな光拡散剤6を用いると、バインダー5に対する光拡散剤6の配合量、及び、光拡散層用塗工液(バインダー5と光拡散剤6とを含有するもの)の塗工量によって精度よく制御することができる。
【0030】
光拡散剤6の負電荷の上限としては1000μC/gが好ましく、500μC/gが特に好ましい。一方、光拡散剤6の負電荷の下限としては10μC/gが好ましく、100μC/gが特に好ましい。これは、光拡散剤6の負電荷が上記上限を超えると、光拡散剤6の製造及び取り扱いが困難になることからであり、逆に、光拡散剤6の負電荷の上記下限より小さいと、前述の光拡散剤6の均一分散効果が小さくなってしまうことからである。なお、この光拡散剤6の負電荷は、少なくとも光拡散シート1の製造時、具体的には光拡散層3の形成時に帯電していればよい。
【0031】
光拡散剤6の配合量(バインダー5中のポリマー分100部に対する配合量)の下限としては0.1部、特に5部、さらに10部が好ましく、光拡散剤6の配合量の上限としては500部、特に300部、さらに200部が好ましい。これは、光拡散剤6の配合量が上記範囲未満であると、光拡散性が不十分となってしまい、一方、光拡散剤6の配合量が上記範囲を越えると光拡散剤6を固定する効果が低下することからである。
【0032】
スティッキング防止層4は、バインダー7と、このバインダー7中に分散するビーズ8とから構成されている。バインダー7としては光拡散層3のバインダー5と同様のものが用いられ、ビーズ8としては光拡散層3の光拡散剤6と同様のものが用いられる。このスティッキング防止層4の厚み(ビーズ8を除いたバインダー7部分の厚み)は特には限定されないが、例えば1μm以上10μm以下程度とされている。
【0033】
ビーズ8の配合量は比較的少量とされているので、ビーズ8は互いに離間してバインダー7中に分散している。そして、ビーズ8の多くはその下端がバインダー7からごく少量突出している。この光拡散シート1を導光板等と積層すると、突出したビーズ8の下端が導光板等の表面に当接し、光拡散シート1の裏面の全面が導光板等と当接することがない。これにより、光拡散シート1と導光板等とのスティッキングが防止され、液晶表示装置の画面の輝度ムラが抑えられる。
【0034】
このビーズ8も、上記光拡散剤6と同様に負に帯電したものが用いられているため、ビーズの分散性が向上し、スティッキング効果を全面に均一に発現させることができる。また、スティッキング防止層4裏面の凹凸高さの制御が容易かつ確実になる。
【0035】
当該光拡散シート1によれば、光拡散層3における光拡散剤6の高い均一分散性によって光拡散性の均一化及び向上を促進することができる。また、表面の凹凸高さの制御容易性により、使用目的に見合った光拡散性に容易かつ確実に調整することができる。
【0036】
図2の光拡散シート11は、基材層2と、この基材層2の表側に積層された光拡散層12と、基材層2の裏面に積層されたスティッキング防止層4とから構成されている。この基材層2及びスティッキング防止層4は、図1に示された実施形態のものと同じであるため、同一番号を付して説明を省略する。従って、当該光拡散シート11も、スティッキング防止層4によって裏面側に重ねて配設される導光板等とのスティッキングが防止される。
【0037】
この光拡散層12は、バインダー5と、このバインダー5中に分散する光拡散剤6とから構成されている点で上記図1の光拡散シート1の光拡散層3と同様であり、バインダー5及び光拡散剤6としても同様のものが用いられている。ただし、この光拡散層12における光拡散剤6が略複数層(図中では2層)状に配設されている点で異なる。
【0038】
当該光拡散層12において、基材層2側の第一層を構成する負帯電の光拡散剤6aは通常正に帯電する基材層2の表面に吸着され、第二層を構成する負帯電の光拡散剤6bは第一層の光拡散剤6aとの間に作用する斥力によって表面側に押し出され、光拡散シート11の表面に凹凸が形成される。そのため、光拡散シート11の表面の凹凸高さは光拡散剤6間に作用する斥力、つまり光拡散剤6の電荷の大きさに依存し、光拡散層用塗工液の塗工量に対する依存性が低くなる。従って、当該光拡散シート11によれば、表面の凹凸高さを容易かつ確実に獲得することができる。
【0039】
当該光拡散シート11によれば、上記光拡散シート1と同様に負帯電の光拡散剤6間に作用する斥力によって光拡散剤6がバインダー5中で均一に分散し、光拡散性の均一化及び向上を促進することができる。また、表面の凹凸高さによって光拡散性を容易に向上させることができる。
【0040】
次に、光拡散シート1、11の製造方法を説明する。当該光拡散シート1、11の製造方法は、(a)バインダー5を構成する樹脂組成物に光拡散剤6を混合することで光拡散層用塗工液を製造する工程と、(b)この光拡散層用塗工液を基材層2の表面に塗工することで光拡散層3、12を積層する工程と、(c)バインダー7を構成する樹脂組成物にビーズ8を混合することでスティッキング防止層用塗工液を製造する工程と、(d)このスティッキング防止層用塗工液を基材層2の裏面に塗工することでスティッキング防止層4を積層する工程とを有する。
【0041】
当該光拡散シート1、11の製造方法によれば、光拡散層用塗工液を調製する工程において、負帯電の光拡散剤6を用いることから、各光拡散剤6間に作用する斥力によって光拡散層用塗工液中で光拡散剤6が均一に分散する。そのため、従来の製造方法のような分散剤等の薬剤の配合が不要となり、かかる薬剤配合工程による製造工程数の増加及び設備、コストの増加を解消することができる。また、負帯電の光拡散剤6によって光拡散シート1、11の表面に凹凸を容易かつ確実に形成することができ、さらに凹凸高さを比較的容易に制御することができる。なお、正帯電の光拡散剤を用いることでも、同様に均一分散性及び表面の凹凸高さを高める効果を奏することができる。なお、光拡散シート1と光拡散シート11との製造方法は、光拡散層用塗工液の塗工量が異なる。
【0042】
従って、図3(a)に示すようなバックライトユニット20に図1又は図2の光拡散シート1、11を使用すると、当該光拡散シート1、11の高い光拡散性により輝度の均一化、ひいては品質を向上させることができる。一方、当該光拡散シート1、11の光拡散性の制御容易性により、使用対象に必要十分な光拡散性に適合させることができ、その結果、バックライトユニット20の輝度を向上させることができる。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えばスティッキング防止層4を構成するビーズ8としては帯電していないものも使用可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光拡散シート及びその製造方法によれば、光拡散剤の高い分散性により高くかつ均一な光拡散性を奏することができ、かつ、表面の凹凸高さの制御容易性により光拡散性の大小を使用目的に適合させて容易かつ確実に調整することができる。また、当該光拡散シートを用いたバックライトユニットによれば、輝度の均一化及び向上、ひいては品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光拡散シートを示す模式的断面図である。
【図2】図1の光拡散シートとは異なる形態に係る光拡散シートを示す模式的断面図である。
【図3】(a)は一般的なエッジライト型のバックライトユニットを示す模式的斜視図で、(b)は従来の一般的な光拡散シートを示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1・・・光拡散シート
2・・・基材層
3・・・光拡散層
4・・・スティッキング防止層
5・・・バインダー
6・・・光拡散剤
7・・・バインダー
8・・・ビーズ
11・・・光拡散シート
12・・・光拡散層
6a・・・光拡散剤(第一粒子層)
6b・・・光拡散剤(第二粒子層)

Claims (9)

  1. 透明な基材層と、この基材層の表面側に積層された光拡散層とを備え、
    この光拡散層が、バインダーと、このバインダー中に分散する光拡散剤とを有しており、
    上記基材層が正に帯電しており、上記光拡散剤として負に帯電したものが用いられている光拡散シート。
  2. 上記光拡散層において、光拡散剤が略単一層状に配設されている請求項1に記載の光拡散シート。
  3. 上記光拡散層において、光拡散剤が略複数層状に配設されている請求項1に記載の光拡散シート。
  4. 上記光拡散剤としてビーズが用いられている請求項1、請求項2又は請求項3に記載の光拡散シート。
  5. 上記光拡散剤の負電荷が10μC/g以上1000μC/g以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光拡散シート。
  6. 上記基材層の裏面側に、バインダー中にビーズが分散するスティッキング防止層をさらに備えており、
    このビーズとして負に帯電したものが用いられている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光拡散シート。
  7. ランプから発せられる光線を分散させて表面側に導く液晶表示装置用のバックライトユニットにおいて、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光拡散シートを備えていることを特徴とする液晶表示装置用のバックライトユニット。
  8. バインダーを構成する樹脂組成物に正に帯電した光拡散剤又は負に帯電した光拡散剤を混合することで光拡散層用塗工液を調製する工程と、
    この光拡散層用塗工液を基材層の表面に塗工、乾燥することで光拡散層を積層する工程とを有する光拡散シートの製造方法。
  9. 上記正に帯電した光拡散剤又は負に帯電した光拡散剤の製造時における正電荷又は負電荷を10μC/g以上1000μC/g以下とする請求項に記載の光拡散シートの製造方法。
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