JP4740474B2 - スタッカ・リクレーマ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は搬入されて来るばら物を山積みすること、および山積みされているばら物をとり崩して搬出することに用いられるスタッカ・リクレーマに関するものである。
【0002】
【従来技術】
製鉄所に搬入される鉄鉱石や石炭、火力発電所に搬入される石炭などの大量のばら物、或いは貨物船に積み込まれる鉄鉱石や石炭などの大量のばら物は、通常広大な置き場(ヤード)にスタッカによって搬入用コンベヤに沿って山積みして貯蔵され、リクレーマによって取り崩して搬出用コンベヤに移しのせ破砕、混合などの設備に送るようになっている。
【0003】
また、ヤードにおける積み山作り及び積み山の取り崩しには、上記のスタッカとリクレーマとを個別に配備したものに比べて合計台数を大幅に減少することができることから、周知のスタッカ・リクレーマSRが利用されている。
【0004】
図8は、特開2001−58725号公報に開示された公知のスタッカ・リクレーマSRの全体を概略的に示しており、互いにほぼ隣接させて配置したベルトコンベヤからなる搬入コンベヤC1と搬出コンベヤC2の外側方に軌条1が敷設されており、この軌条1に車輪2を乗せた機体3が搬入コンベヤC1,搬出コンベヤC2をまたいで往復走行するようになっている。尚、搬入コンベヤC1と搬出コンベヤC2とを共通の搬入搬出用コンベヤとして兼用させることもある。
【0005】
機体3には旋回台4が載置されており、ブーム5の基端部が旋回台4の上に支軸6によって俯仰可能に取り付けられている。機体3は電動機および減速装置、伝動装置からなる動力走行装置7によって往復走行し、旋回台4は電動機および減速装置、伝動装置からなる動力旋回装置8によって旋回し、ブーム5は油圧シリンダからなる動力俯仰装置9によって俯仰する。
【0006】
ブーム5にはそのほぼ全長に亘ってベルトコンベヤからなる往復走行可能なブームコンベヤ10が設置されているとともに、先端にバケットホイルからなる掻き取り機Kおよびベルトコンベヤからなる中継コンベヤ12が装備されて成るばら物の積み込み装置が設けられており、掻き取り機Kによって積み山から掻き取られた搬出ばら物は中継コンベヤ12,ブームコンベヤ10を経て機体3のシュート13より搬出コンベヤC2に放出される。
【0007】
また、ブーム5の基端近くに支柱14が取り付けられており、バランス用の重錘15を先端に有する腕部材16がブーム5の反対方向へ突出して支柱14に取り付けられている。
【0008】
また、機体3には走行方向へ延びるトリッパ21が結合手段26を介して連結されている。トリッパ21は搬入コンベヤC1を斜めに案内し反転個所であるばら物放出端を高所に位置させた傾斜フレーム22と、その下方に位置させた水平の台車フレーム23とを具えており、傾斜フレーム22の頂端には搬入時にブーム5の旋回中心上方に位置させられるシュート24が設けられているとともに、台車フレーム23の前後両端部には軌条1に乗せた車輪25が装備されている。
【0009】
トリッパ21は、ベルトコンベヤの途中で輸送物を放出するためのものであって、ベルトをS状に曲げて高所の反転個所で輸送物を放出する、という広く知られた装置であり、搬入コンベヤC1に乗って送られて来るばら物をシュート24を介してブーム5上のブームコンベヤ10に移し替え、ブームコンベヤ10の先端10aから放出することによりヤードの所定位置に積み山を作る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のスタッカ・リクレーマSRにおけるバケットホイルからなる掻き取り機Kおよびベルトコンベヤからなる中継コンベヤ12とからなるばら物の積み込み装置は、図9の概略図で示すように、電動機17、ホイル減速機18で駆動されて縦回転する掻き取り機Kをブーム5先端部の中継ベルトコンベヤ12の側方に位置させて且つ中継ベルトコンベヤ12の上方に傾けて設置してあり、バケット19で掻き取ったばら物を調整ダンパーやガイドライナー(図示省略)が付設されたシュート20を介して中継ベルトコンベヤ12上に排出する構成となっている。
【0011】
従って、上記従来のばら物の積み込み装置を備えたスタッカ・リクレーマSRでは、掻き取り作業中に掻き取り機Kによりブーム5部に捩じりトルクが大きく加わるうえに、積み込み装置部分の重量も重くなり機械全体の設計に不利であった。また、積み込み装置の構造が複雑なことから調整ダンパーやガイドライナーの調整が面倒であった。
【0012】
本発明は、上記の問題に鑑みて成されたもので、ブームに加わる捩じりトルクを減少させると共に、積み込み装置部分を軽量化し且つ調整し易い構成とすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、互いにほぼ隣接させて配置したベルトコンベヤからなる搬入コンベアと搬出コンベアの外側に敷設された一対の軌条上を前記搬入コンベアと搬出コンベアをまたいで往復走行する機体と、正逆走行可能なブームコンベヤおよび掻き取り機を装備して前記機体に俯仰および旋回可能に支持されたブームと、前記機体と一体に往復走行するトリッパとを具え、前記搬入コンベアにより送られてくるばら物をトリッパによりブームコンベアに移し替えたばら物を前記ブームコンベヤの先端から放出することによりヤードの所定位置に積み山を作るとともに前記掻き取り機によって積み山から前記ブームコンベヤに掻き取ったばら物を前記ブームコンベヤか搬出用コンベヤに放出するスタッカ・リクレーマにおいて、前記掻き取り機が前記ブームの先端部に設けられ取り込み口が開設されている前方へ傾斜している水平積込台の上面に前記取り込み口を挟んで垂直方向へ設けられた回転軸に軸着されて刃先の描く円軌道が水平積込台の前縁部及び側縁部よりも外側となるように設定されて前記水平積込台の上面に沿って前記取り込み口を挟んで配置された前記ブームの先端側において互いに内側に軸回転する一対の掻寄ホイールからなることを特徴とする。
【0014】
掻寄ホイールをバランスをよく配置してバランスの良い積み込み装置とし、掻き取り駆動時における掻寄ホイールによるブームに加わる荷重がブームが捩れる方向へ働かないようにしている。
【0015】
また、前記一対の掻寄ホイールが前記水平積込台の裏面に設置された原動機、減速機からなる駆動装置により軸回転するとバランスがよい
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスタッカ・リクレーマの好適な実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
本発明に係るスタッカ・リクレーマは、発明によって特徴づけられるばら物の積み込み装置の部分以外は、図7を用いて従来例として既述したものと基本的に同一であるので、従来例と共通する部分については同図同一符号を用いてその説明を省略する。
【0018】
本実施の形態のスタッカ・リクレーマSRは、基本的には従来例と同様に、搬入搬出用コンベヤC1、C2をまたいで軌条1上を往復走行する機体3と、正逆走行可能なブームコンベヤ10および掻き取り機Kを装備して前記機体3に俯仰および旋回可能に支持されたブーム5と、前記機体3と一体に往復走行するトリッパ21とを具えて構成されている。
【0019】
図1乃至図5は、本実施の形態のスタッカ・リクレーマSRの発明を特徴ずけるブーム5先端部のばら物の積み込み装置の部分を示している。ブーム5の先端部の積み込み装置用フレーム30には、ブーム5の基端方向に開かれた取り込み口32が開設された平面略楕円形の水平積込台31が前方へ傾斜して固定されており、取り込み口32にはシュート32aが設けられている。この水平積込台31の上面には取り込み口32を挟んで互いに内回転する一対の掻寄ホイール33、33からなる掻き取り機Kが設置されている。
【0020】
掻寄ホイール33、33は、それぞれの回転軸34、34の軸周りから水平方向へ延びるS字形の5枚の刃によってヒトデ状を呈しており、それぞれ水平積込台31の裏面に設置された原動機36、減速機37からなる駆動装置により水平積込台31の上面に沿って内側に軸回転するものであり、従来のバケットホイルが縦回転する掻き取り機に比較して重量の配分バラスが良く軽量にして簡単な構造となっている。
【0021】
また、各掻寄ホイール33、33は、その刃先が互いに干渉しないように、且つ刃先の描く円軌道38が水平積込台31の前縁部31a及び側縁部31bよりも外側となるように設定されている。
【0022】
また、積み込み装置用フレーム30には、ブームコンベヤ10の両側に沿って一対のシリンダー39、39が設置されている。シリンダー39、39の伸縮ロッド40、40の先端部にはブームコンベヤ10のヘッドプーリー41が取り付けられており、シリンダー39、39の伸縮作動によりブームコンベヤ10の先端部が水平積込台31の取り込み口32の下方の位置へ伸縮可能とされている。
【0023】
また、ブーム5の所定の位置には、ブームコンベヤ10の先端部の伸縮に同調してコンベヤベルトの弛緩を吸収する公知の緊張装置、例えば、図6に示すように、ブームコンベヤ10の途中に重錘式緊張装置43が設置されている。
【0024】
本実施の形態のスタッカ・リクレーマSRをヤードの積み山からばら物を掻き取るリクレーマとして使用するときは、図2に示すように、シリンダー39、39を伸長させて正走回転(矢示方向)するブームコンベヤ10の先端部を水平積込台31の下方の位置へ伸長させておき、掻き取り機Kにおける一対の掻寄ホイール33、33を内回転させてばら物を連続的に水平積込台31上の中央に掻き集め、取り込み口32へ掻き落としてブームコンベヤ10上に落下させ、機体3のシュート13へ運んで搬出コンベヤC2上に放出する。
【0025】
また、本実施の形態のスタッカ・リクレーマSRをヤードの所定位置に積み山を作るスタッカとして使用するときは、図3に示すように、ブームコンベヤ10を逆送(矢示方向)させ、且つシリンダー39、39を収縮させてブームコンベヤ10の先端部を水平積込台31の下方の位置から退縮させておき、搬入コンベヤC1に乗って送られて来るばら物をトリッパ21によってブーム5の旋回中心上方に位置するシュート24を介してブームコンベヤ10上に移し替え、ブームコンベヤ10の排出端42からヤードの所定位置に放出する。
【0026】
図7は、本発明に係るスタッカ・リクレーマの別の実施の形態を示している。図において、既述した実施の形態と共通する部分については同一を付しその説明を省略する。
【0027】
同図に示すように、本実施の形態は、掻き取り機Kがブーム5の先端部に前後移動可能に設置された移動式中継コンベヤ44の先端部に設けられ、取り込み口が開設された水平積込台31上で前記取り込み口を挟んで互いに内回転する一対の掻寄ホイール33から構成され、且つ前記中継コンベヤ44の後端部がブームコンベヤ10の上方に位置している構成となっている。
【0028】
上記の構成としたことにより、本実施の形態のスタッカ・リクレーマSRをヤードの積み山からばら物を掻き取るリクレーマとして使用するときは、ガイドローラ45a、45bによって移動式中継コンベヤ44が前後動することにより掻き取り能力が強化されている。
【0029】
掻き取られたばら物は、中継コンベヤベルト46でブームコンベヤ10に運ばれる。スタッカとして使用されてブームコンベヤ10上に運ばれてきたばら物は、ブームコンベヤ10の排出端42から放出される。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0031】
掻き取り機を取り込み口が開設された水平積込台上で取り込み口を挟んで互いに内回転する一対の掻寄ホイールから構成し、バランス良くばら物を連続的に水平積込台上の中央に掻き集めるようにしたので、掻き取り作業中に掻き取り機によるブーム部の捩じりが発生せず、従来のバケットホイルによる掻き取り機に比較して構造も簡単となり、機械全体の設計が有利である。
【0032】
また、ブームコンベヤの先端部を水平積込台の下方の位置へ伸縮可能とすることにより、中継コンベヤを不要とすると共にシュートやシュートに付設される設備も簡単な構成となり、メンテナンスを容易にして積み込み装置全体を軽量化できるメリットがある。
【0033】
また、本実施の形態における掻き取り機を移動式中継コンベヤに設置することにより、効率よく且つバランス良くばら物を連続的に水平積込台上の中央に掻き集めることができ、掻き取り作業中に掻き取り機によるブーム部の捩じりの発生が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスタッカ・リクレーマの実施の形態における主要部(積み込み装置)を示す平面図。
【図2】図1のA矢視方向を示す断面図。
【図3】図2における別の作動状態を示す断面図。
【図4】本実施の形態における掻き取り機を示す平面図。
【図5】図4の掻き取り機における掻き寄せホイール装置を示す説明図。
【図6】本実施の形態におけるブームコンベヤの緊張装置の一例を示す概略図。
【図7】別の実施の形態を示す説明図。
【図8】従来例及び本発明における従来例部分を示す側面概略図。
【図9】従来例における積み込み装置部分を示す説明図。
【符号の説明】
1 軌条,3 機体,5 ブーム,10 ブームコンベヤ,21 トリッパ,31 水平積込台,33 掻寄ホイール,44 移動式中継コンベヤ,C1 搬入コンベヤ,C2 搬出コンベヤ,K 掻き取り機,

Claims (2)

  1. 互いにほぼ隣接させて配置したベルトコンベヤからなる搬入コンベアと搬出コンベアの外側に敷設された一対の軌条上を前記搬入コンベアと搬出コンベアをまたいで往復走行する機体と、正逆走行可能なブームコンベヤおよび掻き取り機を装備して前記機体に俯仰および旋回可能に支持されたブームと、前記機体と一体に往復走行するトリッパとを具え、前記搬入コンベアにより送られてくるばら物をトリッパによりブームコンベアに移し替えたばら物を前記ブームコンベヤの先端から放出することによりヤードの所定位置に積み山を作るとともに前記掻き取り機によって積み山から前記ブームコンベヤに掻き取ったばら物を前記ブームコンベヤか搬出用コンベヤに放出するスタッカ・リクレーマにおいて、前記掻き取り機が前記ブームの先端部に設けられ取り込み口が開設されている前方へ傾斜している水平積込台の上面に前記取り込み口を挟んで垂直方向へ設けられた回転軸に軸着されて刃先の描く円軌道が水平積込台の前縁部及び側縁部よりも外側となるように設定されて前記水平積込台の上面に沿って前記取り込み口を挟んで配置された前記ブームの先端側において互いに内側に軸回転する一対の掻寄ホイールからなることを特徴とするスタッカ・リクレーマ。
  2. 前記一対の掻寄ホイールが前記水平積込台の裏面に設置された原動機、減速機からなる駆動装置により軸回転することを特徴とする請求項1記載のスタッカ・リクレーマ。
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