JP4736798B2 - アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、モータを原動機として用いる電動アクチュエータに関するものである。
各種の制御系の操作部等を操作するアクチュエータとして、モータを原動機としたものが多く用いられている。モータを原動機として用いる電動アクチュエータは、特許文献1に示されているように、モータと、該モータの回転を減速する歯車減速機とからなるアクチュエータ本体と、モータの回転を制御する制御部とにより構成される。アクチュエータ本体はギアケースを備えていて、該ギアケース内に歯車減速機が収容され、該ギアケースの外側に固定されたモータの回転軸がギアケース内に導入されて歯車減速機の入力部に結合されている。特許文献1にも示されているように、多くの場合、ギアケースは、第1のケース半部と第2のケース半部とからなる2つ割りの構造を有していて、第1及び第2のケース半部の相対する壁部に歯車減速機を構成する歯車の回転軸の両端を支持するように構成されている。
従来のアクチュエータにおいては、モータ及び歯車減速機をケース内に収容したアクチュエータ本体と、制御部の構成部品をケース内に収容したコントローラとを別々に製品化して、アクチュエータ本体とコントローラとの間をワイヤハーネスを通して接続するようにしていた。
特開2004−187378号公報
上記のように、従来のアクチュエータにおいては、モータ及び減速機を備えたアクチュエータ本体とコントローラとを別々に製品化していたため、使用に際してアクチュエータ本体とコントローラとの間をワイヤハーネスを通して接続する必要があり、面倒であった。
また従来は、アクチュエータ本体及びコントローラの構成部品を別のケース内に収容していたため、コストが高くなるだけでなく、アクチュエータが大形になり、アクチュエータが組み込まれる装置が大形になるという問題があった。
更に、従来のアクチュエータでは、ギアケースを2つ割りに構成する場合に、歯車減速機を構成する歯車の回転軸の両端を2つのケース半部の相対する壁部に支持していたため、2つのケース半部を合わせてギアケースを組み立てる際に、歯車の回転軸の両端をギアケースの相対する壁部の軸支持部に正しく支持させるための位置合わせが面倒で、組み立てに手間がかかるという問題があった。
本発明の目的は、アクチュエータ本体とコントローラとの間をワイヤハーネスを介して接続する必要性を無くして設置を簡単にするとともに、全体を一つのケース内に収容して小形化とコストの低減とを図ることができるようにしたアクチュエータを提供することにある。
本発明は、相対する1対の端部壁と該1対の端部壁の間をつなぐ側壁部とを有するギアケースと、ギアケース内に収容されて出力軸がギアケースの一方の端部壁を貫通して外部に導出された歯車減速機と、ギアケースの一方の端部壁の外側に取り付けられて回転軸がギアケース内で歯車減速機の入力部に結合されたモータとを備えたアクチュエータを対象とする。
本発明においては、出力軸の軸線と直交する板面を有する中板がギアケース内に配置されて、該中板がギアケースに対して固定される。歯車減速機は、ギアケースの一方の端部壁と中板との間に配置されて歯車減速機を構成する歯車の回転軸の一端及び他端がそれぞれギアケースの一方の端部壁及び中板に支持される。またモータを制御する制御部の構成部品を回路基板に実装してなるコントローラがギアケースの他方の端部壁と中板との間に形成されたギアケース内のスペースに収容される。更に外部回路をコントローラに接続するために用いるカプラが回路基板に取り付けられて、該カプラがギアケースの側壁部を貫通して外部に導出され、モータと回路基板との間がギアケース内で電気的に接続される。
上記のように構成すると、モータと減速機とからなるアクチュエータの本体部分と、モータを制御するコントローラとを一体化することができるため、ケースの数を半減させて小形化とコストの低減とを図ることができる。またアクチュエータ本体とコントローラとの間をワイヤハーネスを介して接続する必要がないため、アクチュエータの設置を簡単にすることができる。
また上記のように、ギアケース内に中板を配置するとともに、歯車減速機をギアケースの一方の端部壁と中板との間に配置して、歯車減速機を構成する歯車の回転軸の一端及び他端をそれぞれギアケースの一方の端部壁及び中板に支持するようにすると、ギアケースの他方の端部壁側に歯車減速機の歯車を支持する部分を設ける必要がなくなるため、中板とギアケースの他方の端部壁との間に、広いスペースを確保することができ、このスペースを利用して、モータのコントローラをギアケース内に容易に収容することができる。
本発明の好ましい態様では、上記の構成に加えて、更に、回転軸と該回転軸の回転角度に相応した電気信号を発生するセンサ要素と該センサ要素から導出された複数の出力端子とを有する位置センサが前記中板に取り付けられて該位置センサの回転軸が前記出力軸に結合されている。
モータの制御を正確に行わせるためには、出力軸の回転角度位置を検出する位置センサを設けて、該位置センサの出力をコントローラに入力し、位置センサにより検出された出力軸の回転角度位置と該出力軸の目標位置との偏差を零にするようにモータを制御することが好ましい。特許文献1に示されたアクチュエータのように、ギアケースに位置センサを取り付けて、該位置センサの回転軸を出力軸に連結する構成をとることも考えられるが、ギアケースに位置センサを取り付けるようにした場合には、ギアケースの内側に位置センサの取付部を設けておく必要があるため、ギアケースの構造が複雑になり、好ましくない。上記のようにギアケース内に中板を設けると、この中板に位置センサを取り付けることができるため、ギアケースの構造を複雑にすることなく、位置センサを設けることができる。
本発明の更に他の好ましい態様では、ギアケースが、1対の端部壁の一方と側壁部の一部とを構成する第1のケース半部と、1対の端部壁の他方と前記側壁部の他の部分とを構成する側壁とを有する第2のケース半部とに2分割されて、第1のケース半部に形成された合わせ面と第2のケース半部に形成された合わせ面とが突き合わされた状態で両ケース半部が相互に締結される。この場合、出力軸の軸線と直交する板面を有する中板が第1のケース半部の内側に配置されて、該第1のケース半部に固定され、歯車減速機の出力軸が第1のケース半部の端部壁に形成されたボス部に支持される。歯車減速機は、モータの回転軸に取り付けられた入力段の歯車と出力軸に取り付けられた出力段の歯車と入力段の歯車と出力段の歯車との間に配置された少なくとも一つの中間歯車とにより構成される。歯車減速機を構成する一連の歯車は、第1のケース半部の端部壁と中板との間に配置されて、中間歯車の回転軸の一端及び他端がそれぞれ第1のケース半部の端部壁及び中板に支持され、モータを制御する制御部の構成部品を回路基板に実装してなるコントローラが第2のケース半部内に収容される。回路基板には、外部回路をコントローラに接続するために用いるカプラが取り付けられ、該カプラが第2のケース半部の側壁を貫通して外部に導出されている。モータと回路基板との間はギアケース内で電気的に接続されている。
上記のように構成すると、第1のケース半部側に中板及び歯車減速機を組み込み、第2のケース半部側にコントロールユニットを収容して、両者を組み合わせることによりアクチュエータを組み立てることができ、第1のケース半部と第2のケース半部とを組み合わせて締結する際には、歯車の軸とその支持部との位置合わせを行う必要がないため、アクチュエータの組み立てを容易にすることができる。
上記のように、ギアケースを第1のケース半部と第2のケース半部とにより構成する場合も、回転軸と該回転軸の回転角度に相応した電気信号を発生するセンサ要素と該センサ要素から導出された複数の出力端子とを有する位置センサを中板に取り付けて、該位置センサの回転軸を出力軸に結合することができる。
本発明の好ましい態様では、上記第2のケース半部内に樹脂が注型されて、コントローラの少なくとも一部をモールドする樹脂モールド部が形成される。
上記のように、コントローラを第2のケース半部内に収容して樹脂でモールドするようにすると、コントローラの固定を簡単に行うことができる。
本発明の他の好ましい態様では、位置センサの複数の出力端子とコントローラとの間を接続する複数のリード線がコントローラから引き出されて該複数のリード線が、前記位置センサの出力端子に直接接触する接点部を有するコネクタを介して前記位置センサの出力端子に接続される。またコネクタに係合して該コネクタを中板に対して動かないように位置決めするコネクタ位置決め部が中板に設けられている。
上記のように、位置センサの複数の出力端子に複数のリード線をコネクタを介して接続して、該コネクタを中板に設けたコネクタ位置決め部により動かないように位置決めしておくと、リード線及びコネクタが振動等により動くのを防ぐことができるため、ギアケース内でリード線が動いて歯車に接触するのを防ぐことができる。またリード線を位置センサの出力端子に半田付けする場合には、半田付け作業に備えてある程度リード線を長くしておく必要があるため、ギアケース内でのリード線の処理が面倒になるという問題が生じるが、上記のように、リード線をコネクタを介して位置センサに接続するようにすれば、リード線と位置センサとを接続する際に半田付けを要しないため、必要最小限の長さを有するリード線を用いることができ、ギアケース内でのリード線の処理を容易にすることができる。
本発明の好ましい態様では、上記コネクタが、位置センサの複数の出力端子及び複数のリード線にそれぞれ対応する複数のコンタクト導体と、該複数のコンタクト導体を相互に固定した状態で収容したコネクタハウジングとを備えている。この場合、コンタクト導体は、対応する出力端子に直接接触する雌形接点部及び対応するリード線の心線に圧着接続されたリード線接続部をそれぞれ一端側及び他端側に有して、リード線接続部側がコネクタハウジングの一部に埋め込まれた状態で設けられている。またコネクタ位置決め部は、コネクタハウジングの位置センサ側の端部と反対側の端部に当接してコネクタが位置センサから離脱する方向に変位するのを阻止する第1の位置決め突起と、位置センサと前記第1の位置決め突起との対向方向に対して直角な方向に相対するように設けられて、コネクタハウジングの相対する端部にそれぞれ外側から当接して該コネクタハウジングを位置決めする1対の第2の位置決め突起と、コネクタハウジングの中板に対面する側面に当接して該コネクタハウジングを中板に対して位置決めする第3の位置決め突起とにより構成される。
以上のように、本発明よれば、外側にモータを取り付けたギアケース内に減速機とコントローラとを収容することにより、モータと減速機とからなるアクチュエータの本体部分と、モータを制御するコントローラとを一体化したため、ケースの数を半減させて小形化とコストの低減とを図ることができる。また本発明によれば、アクチュエータ本体とコントローラとの間をワイヤハーネスを介して接続する必要がないため、アクチュエータの設置を簡単にすることができる。
また本発明においては、ギアケース内に中板を配置するとともに、歯車減速機を、ギアケースの一方の端部壁と中板との間に配置して、歯車減速機を構成する歯車の回転軸の一端及び他端をそれぞれギアケースの一方の端部壁及び中板に支持するので、ギアケースの他方の端部壁側に歯車減速機の歯車を支持する部分を設ける必要がなくなる。従って本発明によれば、中板とギアケースの他方の端部壁との間に、広いスペースを確保することができ、このスペースを利用して、モータのコントローラをギアケース内に容易に収容することができる。
更に本発明において、ギアケースを第1のケース半部と第2のケース半部とにより構成するとともに、第1のケース半部内に中板を配置して、第1のケース半部内に収容した歯車減速機の歯車の軸を第1のケース半部の端部壁と中板とに支持し、モータを制御する制御部の構成部品を回路基板に実装してなるコントローラを第2のケース半部内に収容するようにした場合には、第1のケース半部側に歯車減速機及び中板を組み込み、第2のケース半部側にコントロールユニットを収容して、両者を組み合わせることによりアクチュエータを組み立てることができるので、第1のケース半部と第2のケース半部とを組み合わせて締結する際に、歯車の軸とその支持部との位置合わせを行う必要がないため、アクチュエータの組み立てを容易にすることができる。
以下図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
図1ないし図6は本発明の好ましい実施形態を示したもので、図1は本発明に係わるアクチュエータの正面図、図2は図1のII−II線断面図、図3及び図4はそれぞれ図1のアクチュエータの側面図及び背面図、図5(A)及び(B)はそれぞれ本実施形態で用いる位置センサの側面図及び背面図、図6(A)は図5に示された位置センサを中板に取り付けた状態を示した正面図、(B)は(A)のVIB−VIB線断面図、(C)は(A)の背面図である。
図1ないし図4において、1はほぼ直方体状に形成された第1のケース半部1Aと、同じくほぼ直方体状に形成された第2のケース半部1Bとにより2つ割りに構成された樹脂製のギアケースである。第1のケース半部1Aは、横断面の輪郭形状がほぼ矩形状を呈する側壁部101と、側壁部101の一端を閉じるように形成された底壁部102とを一体に有し、側壁部101の他端の端面に合わせ面1aが形成されている。
また第2のケース半部1Bは、横断面の輪郭形状がほぼ矩形状を呈する側壁部105と、側壁部105の一端を閉じるように形成された底壁部106とを一体に有し、側壁部105の他端の端面に合わせ面1bが形成されている。第1のケース半部1Aの合わせ面1aと第2のケース半部1Bの合わせ面1bとをパッキンを介して突き合わせた状態で、両ケース半部をネジ110で締結することによりギアケース1が組み立てられる。
第1のケース半部1Aの底壁部102の一端寄りの部分の外側に直流モータ2が取り付けられている。モータ2は、第1のケース半部1Aの底壁部102に固定されたステータ2Aと、ステータ2Aの内側に配置されたロータ2Bとからなっている。ステータ2Aは、強磁性材料からなる筒状のステータヨーク201と、ステータヨーク201の内周に固定された永久磁石202とからなり、ステータヨーク201の開口端に設けられたフランジ201bがネジ203(図1、図3参照)により第1のケース半部の底壁部102に締結されて、ステータ2Aがギアケース1に固定されている。
ロータ2Bは、回転軸204と、回転軸204に固定された電機子鉄心205と、電機子鉄心205に巻装された電機子コイル206と、回転軸204に取り付けられた整流子207とからなっている。回転軸204の後端部は、ステータヨーク201の底壁部201aに保持された軸受け208によりステータヨーク201に回転自在に支持されている。また回転軸204の先端部側は、第1のケース半部1Aの底壁部に形成された軸保持部111に設けられた凹部内に保持された軸受け209によりギアケースに回転自在に支持され、回転軸204の先端部がギアケース1内に導入されている。整流子207には図示しない1対のブラシが接触させられ、電機子コイル206の端末部が、整流子207と、該整流子に接触させられた1対のブラシと、これらのブラシから引き出されて第1のケース半部1Aの底壁部102を貫通してギアケース1内に導入された図示しないリード線とにより、後記するコントローラに接続されている。
ギアケースの第1のケース半部1Aの底壁部102の内側には、モータの回転軸を保持した軸保持部111に隣接させて環状の軸保持部112が形成されている。軸保持部112の側方には環状の軸保持部113が形成され、更に軸保持部113の側方にボス部114が形成されている。
また本発明においては、第1のケース半部1A内に、正方形または長方形の中板3が配置されている。この中板3は、十分な強度を有する樹脂の板または金属板からなっていて、その幅方向の両端の2辺3a,3b(図6参照)を第1のケース半部1Aの相対する側壁(図2の紙面と直角な方向に相対する側壁)の内面に隙間なく添わせた状態で、第1のケース半部1Aの内側に嵌り込むように、その幅方向寸法Wが設定されている。第1のケース半部1Aの相対する側壁には、中板3の四隅にそれぞれ当接する4つの支持突起115(図2には、1つの支持突起115のみが図示されている。)が設けられ、これらの支持突起115に中板3の四隅が当接させられることにより、中板3が第1のケース半部1Aに対して位置決めされている。このようにして中板3を位置決めした際に、中板3の板面が後記する出力軸406の軸線と直交した状態になるように、4つの支持突起115の位置が設定されている。図6(A)及び(B)に示されているように、中板3の四隅にはネジ挿通孔3hが形成され、これらのネジ挿通孔3hを通して支持突起115に設けられたネジ孔にねじ込まれたネジ20(図2参照)により、中板3が第1のケース半部1Aに固定されている。
中板3には、第1のケース半部1Aの軸保持部112及び113にそれぞれ対応する軸保持部302及び303が形成され、これらの軸保持部302及び303には、軸保持部112及び113側に開口した軸保持穴302a及び303aが形成されている。中板3にはまた後記する出力軸と整合する位置センサ取付孔304が形成されている。
第2のケース半部1Bの側壁部105のモータ1寄りの端部には、合わせ面1b側に開口したカプラ取付用切欠き部120(図2参照)が、側壁部105を厚み方向に貫通した状態で形成され、この切欠き部120と第1のケース半部1Aの合わせ面1aとの内側にカプラ取付孔が形成されている。
ギアケース1の第1のケース半部1A内にモータ2の回転を減速する歯車減速機4が収容されている。図示の例では、第1のケース半部1A内に導入されたモータの回転軸204の先端に歯車減速機4の入力段を構成する小歯車401が取り付けられ、相対する軸保持部112及び302に一端及び他端が支持された軸402に、減速機4の2段目を構成する歯車403が回転自在に支持されている。歯車403は、軸線方向に並ぶ大歯車403aと小歯車403bとからなっていて、その小歯車403bを第2のケース半部1B側に位置させた状態で取り付けられ、大歯車403aが小歯車401に噛み合わされている。
また相対する軸保持部113と303に一端及び他端が支持された軸404に減速機4の3段目を構成する歯車405が回転自在に支持されている。この歯車405は、軸線方向に並ぶ大歯車405aと小歯車405bとからなっていて、大歯車405aを第2のケース半部側に位置させた状態で取り付けられ、大歯車405aが小歯車403bに噛み合わされている。
更に、第1のケース半部1Aのボス部114により減速機の出力軸406が回転自在に支持され、この出力軸406のケース1内に位置する端部に減速機4の出力段を構成する歯車407が取り付けられている。出力段を構成する歯車407は、該歯車407とともに減速機の3段目を構成する小歯車405bに噛み合わされている。
第2のケース半部1B内には、モータ2を制御する制御部を構成する部品501を回路基板502に実装してなるコントローラ5が収容されている。図示の例では、回路基板502が、第2のケース半部2Bの底壁部106の内面に対向配置されている。
回路基板502のモータ2寄りの端部には、コントローラ5を外部の回路に接続するために用いるカプラ6が取り付けられている。カプラ6は、絶縁材料により形成されたカプラ本体601と、互いに平行に配置されてカプラ本体601内に埋設された複数のリード状導体602とからなっている。カプラ本体601は、一方向に開口した凹所601a1を先端に有する頭部601aと、頭部601aの後端部から凹所601a1の開口方向に対して直角な方向に突出した首部601bとを一体に有し、首部601bの頭部601a寄りの部分の外周にはOリング嵌合溝601b1が形成されている。リード状導体602の一端602aはカプラ本体の頭部601aの凹所601a1内に導出され、他端602bは、首部601bの頭部601aと反対側の端部から外部に引き出されている。図示の例では、リード状導体602が5本(図1参照)設けられていて、凹所601a1内に導出されたリード状導体602の一端602aによりカプラの接触子が構成されている。リード状導体602の一端602aにより構成された接触子と、凹所601a1とにより、外部回路につながる相手側カプラを接続する相手側カプラ接続部6aが構成されている。カプラ6は、その頭部601aの先端に設けられた凹所601a1の開口方向を回路基板502の板面と直角な方向に向けた状態で配置され、リード状導体602の他端602bが回路基板502側に折り曲げられて、該回路基板に形成された導電パターンに半田付けされることにより、カプラ6がコントローラ5に電気的及び機械的に接続されている。
カプラ6は、その頭部601aをギアケース1の側壁部の外側に露呈させ、かつその首部601bを、第2のケース半部1Bの切欠き部120内に嵌合させた状態で配置されている。カプラ6の首部601bの外周に形成されたOリング嵌合溝601b1内にはOリング(図示せず。)が嵌合され、このOリングにより、カプラ6とギアケース1との嵌合部の液密が図られている。この状態で第2のケース半部1B内にエポキシ樹脂などの樹脂が注入されて硬化されることにより、回路基板502と該回路基板に実装された部品501の少なくとも一部とをモールドする樹脂モールド部7が形成され、この樹脂モールド部7(図2参照)によりコントローラ5がギアケース1に対して固定されている。また、切欠き部120内に嵌合されたカプラの首部601bが、第2のケース半部に締結された第1のケース半部の合わせ面1aにより押さえつけられた状態で、カプラ6がギアケース1の側壁部に固定されている。
また本実施形態では、中板3に設けられた位置センサ取付孔304を通して位置センサ8が取り付けられている。本発明で用いる位置センサは、回転軸と該回転軸の回転角度に相応した電気信号を発生するセンサ要素と該センサ要素から導出された複数の出力端子とを有するもので、該位置センサが中板に取り付けられて該位置センサの回転軸が出力軸に結合される。
本実施形態で用いている位置センサ8は、図5(A),(B)に示されているように、抵抗体と該抵抗体上を摺動するスライダとをセンサ要素としてケース801内に収容して、スライダを回転操作する回転軸802をケース801から外部に突出させた周知のポテンショメータ(可変抵抗器)からなっている。ケース801には、回転軸802の導出部を囲むネジ部803が設けられて、図6(A)〜(C)に示すように該ネジ部803が位置センサ取付孔304に嵌合され、位置センサ取付孔304を貫通したネジ部803にワッシャ9が嵌合されるとともに、ナット9が螺合されて、位置センサ8が中板3に締結されている。位置センサ8は抵抗体の両端につながる2つの出力端子804及び806と、スライダにつながる出力端子805とを有している。図5に示されているように、出力端子804ないし806は、リード線の心線を挿入する孔hを備えたラグ端子の形状を有し、これら3つの出力端子804ないし806にそれぞれリード線11ないし13の心線の一端が半田付けされている。リード線11ないし13の心線の他端はコントローラ5に接続されている。
上記実施形態のように構成すると、モータ2と減速機3とからなるアクチュエータの本体部分と、モータ2を制御するコントローラ4とを一体化することができるため、ケースの数を半減させて小形化とコストの低減とを図ることができる。またアクチュエータ本体とコントローラとの間をワイヤハーネスを介して接続する必要がないため、アクチュエータの設置を簡単にすることができる。
上記のように構成すると、第1のケース半部1A側に中板3及び歯車減速機4を組み込み、第2のケース半部1B側にコントロールユニット5を収容して、両者を組み合わせることによりアクチュエータを組み立てることができ、第1のケース半部と第2のケース半部とを組み合わせて締結する際に、歯車の軸とその支持部との位置合わせを行う必要がないため、アクチュエータの組み立てを容易にすることができる。
上記の実施形態では、位置センサ8とコントローラ5との間を接続するためにコントローラから引き出された複数のリード線11ないし13の心線を位置センサ8の端子804ないし806に半田付けするようにしたが、図7(A)ないし(C)及び図8に示したように、リード線11ないし13をコネクタ15を介して位置センサ8の出力端子804ないし806に接続することもできる。この場合、コネクタ15に係合して該コネクタを中板3に対して動かないように位置決めするコネクタ位置決め部を中板に設けておく。
図示のコネクタ15は、位置センサ8の複数の出力端子804ないし806及びコントローラから引き出された複数のリード線11ないし13にそれぞれ対応する複数のコンタクト導体15aないし15cと、該複数のコンタクト導体15aないし15cを相互に固定した状態で収容したコネクタハウジング15dとからなっている。コンタクト導体15aないし15cは、リード線11ないし13の端末部にそれぞれ取り付けられて、位置センサの出力端子804ないし806に直接接触されられるもので、銅等の良導電材料により同形状同寸法を有するように構成されている。
図8を参照すると、3つのコンタクト導体15aないし15cの内、中央に配置されたコンタクト導体15bの構造が詳細に示されている。図8から明らかなように、各コンタクト導体は、対応する出力端子に直接接触する雌形接点部C1を一端側に有し、対応するリード線の心線に圧着接続されたリード線接続部C2を他端側に有して、リード線接続部C2側が、樹脂成形品からなるコネクタハウジング15dの基部15d1に埋め込まれた状態で設けられている。ハウジング15dの先端側には、該ハウジングの先端に開口した先端開口部A1と該ハウジングの厚み方向の一方の側に開口した側面開口部A2とを有する空所Aが形成されていて、この空所内にコンタクト導体15aないし15cの接点部C1が並べて配置されている。各コンタクト導体は、対応するリード線の心線に接続された後に、該リード線の端部とともにコネクタハウジング15dを成型する金型内に挿入されて、各コンタクト導体のリード線接続部と該リード線接続部に接続されたリード線の端部とがコネクタハウジング15dの基部15d1内に鋳込まれる。
コネクタ15は、コネクタハウジング15dの先端開口部A1を位置センサ8側に向け、側面側開口部A2を中板3と反対側に向けた状態で配置されて、コンタクト導体15aないし15cが位置センサ8の対応する出力端子804ないし806にそれぞれ接続される。各コンタクト導体の雌形接点部C1は、位置センサの対応する出力端子の孔h内にほぼ隙間なく嵌合した状態で、対応する出力端子を挟持するように構成されている。
コネクタ15を中板3に対して動かないように位置決めする図示のコネクタ位置決め部は、コネクタハウジング15dの位置センサ8側の端部と反対側の端部に当接してコネクタ15が位置センサ8から離脱する方向に変位するのを阻止する第1の位置決め突起310と、位置センサ8と第1の位置決め突起310との対向方向に対して直角な方向に相対するように設けられて、コネクタハウジング15dの相対する端部にそれぞれ外側から当接して該コネクタハウジングを位置決めする1対の第2の位置決め突起311,312と、コネクタハウジング15dの中板3に対面する側面に当接して該コネクタハウジングを中板3に対して位置決めする第3の位置決め突起とからなっている。図示の例では、中板3に設けられた1つの軸支持部303の突出部が、第3の位置決め突起を兼ねていて、この突出部の上にコネクタハウジング15dが着座させられている。
上記のように、位置センサの複数の出力端子804ないし806に複数のリード線11ないし13をコネクタ15を介して接続して、該コネクタを中板に設けたコネクタ位置決め部により動かないように位置決めしておくと、リード線及びコネクタが振動等により動くのを防ぐことができるため、ギアケース1内でリード線が動いて歯車に接触するのを防ぐことができる。またリード線を位置センサの出力端子に半田付けする場合には、ギアケース組み立てる前に行う半田付け作業に備えて、コントローラから引き出しておくリード線の長さを十分に長くしておく必要があるため、ギアケース内でのリード線の処理が面倒になることがあるが、上記のように、リード線をコネクタを介して位置センサに接続するようにすれば、リード線と位置センサとを接続する際に半田付けを要しないため、必要最小限の長さを有するリード線を用いることができ、ギアケース1内でのリード線の処理を容易にすることができる。
本発明に係わるアクチュエータの一実施形態を示した正面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のアクチュエータの側面図である。 図1のアクチュエータの背面図である。 (A)及び(B)はそれぞれ図1の実施形態で用いる位置センサの側面図及び背面図である。 (A)は図5に示された位置センサを中板に取り付けた状態を示した正面図、(B)は(A)のVIB−VIB線断面図、(C)は(A)の背面図である。 (A)は本発明に係わるアクチュエータの他の実施形態において、位置センサを中板に取り付けた状態を示した正面図、(B)は(A)のVIIB−VIIB線断面図、(C)は同位置センサを中板に取り付けた状態を示した背面図である。 図7に示された位置センサとコネクタとの接続部の構造の一例を詳細に示した要部拡大断面図である。
符号の説明
1 ケース
1A 第1のケース半部
1B 第2のケース半部
2 モータ
3 中板
4 歯車減速機
401,403,405,407 歯車
402,404 歯車の回転軸
5 コントローラ
6 カプラ
7 樹脂モールド部
8 位置センサ
15 コネクタ
15aないし15c コンタクト導体
15d コネクタハウジング
C1 接点部
C2 リード線接続部

Claims (7)

  1. 相対する1対の端部壁と該1対の端部壁の間をつなぐ側壁部とを有するギアケースと、前記ギアケース内に収容されて出力軸が前記ギアケースの一方の端部壁を貫通して外部に導出された歯車減速機と、前記ギアケースの前記一方の端部壁の外側に取り付けられて回転軸が前記ギアケース内で前記歯車減速機の入力部に結合されたモータとを備えたアクチュエータにおいて、
    前記出力軸の軸線と直交する板面を有する中板が前記ギアケース内に配置されて、該中板が前記ギアケースに対して固定され、
    前記歯車減速機は、前記ギアケースの前記一方の端部壁と前記中板との間に配置されて前記歯車減速機を構成する歯車の回転軸の一端及び他端がそれぞれ前記ギアケースの一方の端部壁及び前記中板に支持され、
    前記モータを制御する制御部の構成部品を回路基板に実装してなるコントローラが前記ギアケースの他方の端部壁と前記中板との間に形成されたギアケース内のスペースに収容され、
    外部回路を前記コントローラに接続するために用いるカプラが前記回路基板に取り付けられて、該カプラが前記ギアケースの側壁部を貫通して外部に導出され、
    前記モータと前記回路基板との間が前記ギアケース内で電気的に接続されていることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 相対する1対の端部壁と該1対の端部壁の間をつなぐ側壁部とを有するギアケースと、前記ギアケース内に収容されて出力軸が前記ギアケースの一方の端部壁を貫通して外部に導出された歯車減速機と、前記ギアケースの前記一方の端部壁の外側に取り付けられて回転軸が前記ギアケース内で前記歯車減速機の入力部に結合されたモータとを備えたアクチュエータにおいて、
    前記出力軸の軸線と直交する板面を有する中板が前記ギアケース内に配置されて、該中板が前記ギアケースに対して固定され、
    前記歯車減速機は、前記ギアケースの前記一方の端部壁と前記中板との間に配置されて前記歯車減速機を構成する歯車の回転軸の一端及び他端がそれぞれ前記ギアケースの一方の端部壁及び前記中板に支持され、
    回転軸と該回転軸の回転角度に相応した電気信号を発生するセンサ要素と該センサ要素から導出された複数の出力端子とを有する位置センサが前記中板に取り付けられて該位置センサの回転軸が前記出力軸に結合され、
    前記モータを制御する制御部の構成部品を回路基板に実装してなるコントローラが前記ギアケースの他方の端部壁と前記中板との間に形成されたギアケース内のスペースに収容され、
    外部回路を前記コントローラに接続するために用いるカプラが前記回路基板に取り付けられて、該カプラが前記ギアケースの側壁部を貫通して外部に導出され、
    前記モータと前記回路基板との間が前記ギアケース内で電気的に接続されていることを特徴とするアクチュエータ。
  3. 相対する1対の端部壁と該1対の端部壁の間をつなぐ側壁部とを有するギアケースと、前記ギアケース内に収容されて出力軸が前記ギアケースの一方の端部壁を貫通して外部に導出された歯車減速機と、前記ギアケースの前記一方の端部壁の外側に取り付けられて回転軸が前記ギアケース内で前記歯車減速機の入力部に結合されたモータとを備えたアクチュエータにおいて、
    前記ギアケースは、前記1対の端部壁の一方と前記側壁部の一部とを構成する第1のケース半部と、前記1対の端部壁の他方と前記側壁部の他の部分とを構成する側壁とを有する第2のケース半部とに2分割されて、前記第1のケース半部に形成された合わせ面と第2のケース半部に形成された合わせ面とが突き合わされた状態で前記両ケース半部が相互に締結され、
    前記出力軸の軸線と直交する板面を有する中板が前記第1のケース半部の内側に配置されて、該第1のケース半部に固定され、
    前記出力軸は前記第1のケース半部の端部壁に形成されたボス部に支持され、
    前記歯車減速機は、前記モータの回転軸に取り付けられた入力段の歯車と前記出力軸に取り付けられた出力段の歯車と前記入力段の歯車と出力段の歯車との間に配置された少なくとも一つの中間歯車とからなり、
    前記歯車減速機を構成する一連の歯車は前記第1のケース半部の端部壁と前記中板との間に配置されて、前記中間歯車の回転軸の一端及び他端がそれぞれ前記第1のケース半部の端部壁及び前記中板に支持され、
    前記モータを制御する制御部の構成部品を回路基板に実装してなるコントローラが前記第2のケース半部内に収容され、
    外部回路を前記コントローラに接続するために用いるカプラが前記回路基板に取り付けられて、該カプラが前記第2のケース半部の側壁を貫通して外部に導出され、
    前記モータと前記回路基板との間が前記ギアケース内で電気的に接続されていることを特徴とするアクチュエータ。
  4. 相対する1対の端部壁と該1対の端部壁の間をつなぐ側壁部とを有するギアケースと、前記ギアケース内に収容されて出力軸が前記ギアケースの一方の端部壁を貫通して外部に導出された歯車減速機と、前記ギアケースの前記一方の端部壁の外側に取り付けられて回転軸が前記ギアケース内で前記歯車減速機の入力部に結合されたモータとを備えたアクチュエータにおいて、
    前記ギアケースは、前記1対の端部壁の一方と前記側壁部の一部とを構成する第1のケース半部と、前記1対の端部壁の他方と前記側壁部の他の部分とを構成する側壁とを有する第2のケース半部とに2分割されて、前記第1のケース半部に形成された合わせ面と第2のケース半部に形成された合わせ面とが突き合わされた状態で前記両ケース半部が相互に締結され、
    前記出力軸の軸線と直交する板面を有する中板が前記第1のケース半部の内側に配置されて、該第1のケース半部に固定され、
    前記出力軸は前記第1のケース半部の端部壁に形成されたボス部に支持され、
    前記歯車減速機は、前記モータの回転軸に取り付けられた入力段の歯車と前記出力軸に取り付けられた出力段の歯車と前記入力段の歯車と出力段の歯車との間に配置された少なくとも一つの中間歯車とからなり、
    前記歯車減速機を構成する一連の歯車は前記第1のケース半部の端部壁と前記中板との間に配置されて、前記中間歯車の回転軸の一端及び他端がそれぞれ前記第1のケース半部の端部壁及び前記中板に支持され、
    回転軸と該回転軸の回転角度に相応した電気信号を発生するセンサ要素と該センサ要素から導出された複数の出力端子とを有する位置センサが前記中板に取り付けられて該位置センサの回転軸が前記出力軸に結合され、
    前記モータを制御する制御部の構成部品を回路基板に実装してなるコントローラが前記第2のケース半部内に収容され、
    外部回路を前記コントローラに接続するために用いるカプラが前記回路基板に取り付けられて、該カプラが前記第2のケース半部の側壁を貫通して外部に導出され、
    前記モータと前記回路基板との間が前記ギアケース内で電気的に接続されていることを特徴とするアクチュエータ。
  5. 前記第2のケース半部内に樹脂が注型されて、前記コントローラの少なくとも一部をモールドする樹脂モールド部が形成されている請求項3または4に記載のアクチュエータ。
  6. 前記位置センサの複数の出力端子と前記コントローラとの間を接続する複数のリード線が前記コントローラから引き出されて該複数のリード線が、前記位置センサの出力端子に直接接触する接点部を有するコネクタを介して前記位置センサの出力端子に接続され、
    前記コネクタに係合して該コネクタを前記中板に対して動かないように位置決めするコネクタ位置決め部が前記中板に設けられていること、
    を特徴とする請求項2または4に記載のアクチュエータ。
  7. 前記コネクタは、前記位置センサの複数の出力端子及び前記複数のリード線にそれぞれ対応する複数のコンタクト導体と、該複数のコンタクト導体を相互に固定した状態で収容したコネクタハウジングとを備え、
    前記コンタクト導体は、対応する出力端子に直接接触する雌形接点部を一端側に有し、対応するリード線の心線に圧着接続されたリード線接続部を他端側に有して、前記リード線接続部側が前記コネクタハウジングの一部に埋め込まれた状態で設けられ、
    前記コネクタ位置決め部は、前記コネクタハウジングの前記位置センサ側の端部と反対側の端部に当接して前記コネクタが前記位置センサから離脱する方向に変位するのを阻止する第1の位置決め突起と、前記位置センサと前記第1の位置決め突起との対向方向に対して直角な方向に相対するように設けられて、前記コネクタハウジングの相対する端部にそれぞれ外側から当接して該コネクタハウジングを位置決めする1対の第2の位置決め突起と、前記コネクタハウジングの前記中板に対面する側面に当接して該コネクタハウジングを前記中板に対して位置決めする第3の位置決め突起とを備えていること、
    を特徴とする請求項6に記載のアクチュエータ。
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