本発明の請求項1記載の発明によれば、第1の受液面の外周側縁部に沿って第1の側壁が立設された第1の受液部と、第1の受液面に形成された第1の溝部と、第2の受液面の外周側縁部に沿って第2の側壁が立設された第2の受液部と、第2の受液面の裏面に形成された第2の溝部と、第1の溝部および第2の溝部の各一方端に液体センサを固定するセンサ固定部と、を備え、第1の受液面は、センサ固定部が第1の重力方向の下側になるように傾斜し、第1の溝部は、第1の受液面の傾斜方向に沿って配置され、第1の溝部の底面は、センサ固定部に近づくに従って第1の重力方向へ傾斜し、第2の溝部は、第2の受液面の傾斜方向に沿って配置され、第2の受液面は、センサ固定部から離れるに従って第1の重力方向と直交する第2の重力方向へ下降するように傾斜し、第1の受液面と第2の受液面とが互いに略直角をなした液体センサ用受液容器であり、2方向の重力方向の液体の滴下に対応したものである。すなわち、第1または第2の受液部に滴下した液体が一旦平坦な第1または第2の受液面により受け止められ、次にその受け止められた液体が、受液面上または受液面の裏面上の所定の位置に配置された第1または第2の溝部に流入し、さらにその第1または第2の溝部に流入した液体には、その第1または第2の溝部による毛細管現象も作用しながら、それら第1の溝部および第2の溝部の各一方端に液体センサを固定するセンサ固定部まで案内されるので、そのセンサ固定部の内部の液体センサの検出領域への移送がより促進される。
従って、第1または第2の受液部に滴下した液体が比較的微量であっても、その液体を効率的に液体センサの検出領域に移送でき、短時間での検出が可能となる。
また、第1または第2の受液面の外周側縁部に沿って立設された外周壁には、一旦第1または第2の受液面で受け止められた液体が液体センサ用受液容器の外部に溢れ出るのを防止する作用があり、確実にセンサ固定部の内部の液体センサの検出領域へその液体が流れていくようにできる。
また、第2の受液面の一方端で反対側へターンして、その第2の受液面に対して反対側の面の所定の位置に配置された溝部を通ってセンサ固定部の方へ戻るように液体の移送ができ、第2の受液面側に溝部を配置しなくてもよいので、限られたスペースでも受液面を確保できる。
さらに、第1の受液面に液体が滴下され、液体センサが検知可能な使用状態において、第1の受液面を、センサ固定部に近づくに従って第1の重力方向へ下降するように傾斜させるので、第1の受液部に滴下した液体が重力の作用によりその第1の受液面の傾斜方向に沿って円滑に流れ、センサ固定部の内部の液体センサの検出領域へより効率的に移送することができる。
またさらに、第1または第2の受液面に液体が滴下され、液体センサが検知可能な使用状態において、第1または第2の溝部を、第1または第2の受液面の傾斜方向に沿って配置するので、第1または第2の溝部に流入した液体を、センサ固定部の内部の液体センサの検出領域へ最短距離で案内する作用があり、短時間での検出が可能となる。
さらにまた、第1の受液面に液体が滴下され、液体センサが検知可能な使用状態において、第1の溝部の底面を、センサ固定部に近づくに従って第1の重力方向へ下降するように傾斜させるので、第1の溝部に流入した液体が第1の重力方向への重力の作用によりその第1の溝部の傾斜方向に沿って円滑に流れ、その第1の溝部の一方端に液体センサを固定するセンサ固定部の内部の液体センサの検出領域へより効率的に移送することができる。
加えて、第2の受液面に液体が滴下され、液体センサが検知可能な使用状態において、第2の受液面を、センサ固定部から離れるに従って第2の重力方向へ下降するように傾斜させるので、第2の受液部に滴下した液体が第2の重力方向への重力の作用により第2の受液面の傾斜方向に沿って円滑に流れ、その第2の受液面の一方端より反対側の面へターンして、その第2の受液面に対して反対側の面の所定の位置に配置された第2の溝部を通って、その第2の溝部の一方端に液体センサを固定するセンサ固定部の内部の液体センサの検出領域への移送がより促進される。
さらに加えて、第2の受液面に液体が滴下され、液体センサが検知可能な使用状態において、第2の溝部を、第2の受液面に対して反対側の面の傾斜方向に沿って配置するので、その第2の溝部に流入した液体にはその第2の溝部による毛細管現象も作用しながら、その第2の溝部の一方端に液体センサを固定するセンサ固定部の内部の液体センサの検出領域へ最短距離で案内する作用があり、短時間での検出が可能となる。
本発明の請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の液体センサ用受液容器と、内部を流れる液体冷媒が輸送する熱を放熱するための放熱手段と、放熱手段との間で液体冷媒の液循環動作を繰り返し行うための受熱一体ポンプと、液体冷を受熱一体ポンプから放熱手段へ吐出するための吐出液輸送路と、液体冷媒を放熱手段から受熱一体ポンプへ戻すための吸込液輸送路と、を備え、液体センサ用受液容器は、重力方向が第1の重力方向となる場合に、第1の受液面が受熱一体ポンプと吐出液輸送路および吸込液輸送路との接続部の下方に位置し、重力方向が第2の重力方向となる場合に、第2の受液面が接続部の下方に位置するよう配置された冷却装置なので、内部を循環する液体冷媒の漏れが予想される所定の位置に固定された液体センサ用受液容器が、その液体冷媒の滴下を確実に受け止め、その液体センサ用受液容器に固定された液体センサによる検出が容易となり、その冷却装置の搭載された電子機器の電子回路の動作に支障が出る前に処置することができるので、より高い信頼性を得ることが可能となる。
以下本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、各図面において液体センサ用受液容器の第1の受液部側を下方、第2の受液部側を上方として以下に説明する。
(実施の形態1)
図1〜図8において、図1は本発明の実施の形態1に係わる液体センサ用受液容器の斜視図で、図2は本発明の実施の形態1に係わる液体センサ用受液容器の分解斜視図で、図3(a)は本発明の実施の形態1に係わる液体センサ用受液容器の平面図で、図3(b)は、同図(a)のA−A矢視断面図で、図3(c)は、同図(a)のB−B矢視断面図で、図4(a)は本発明の実施の形態1に係わる液体センサ用受液容器の平面図で、図4(b)は、同図(a)のC−C矢視部分断面図で、図4(c)は、同図(a)のD−D矢視
部分断面図で、図5(a)は、図4(c)のE−E矢視断面図で、図5(b)は、覆設部とその一方の側端部に形成された第2の受液部の斜視図で、図5(c)は、同図の背面側斜視図で、図6(a)、(b)は、第2の受液部の外周壁のコーナー部の内面形状を説明する図で、図7は、冷却装置に液体センサ用受液容器を固定した状態図で、図8は、冷却装置の受熱一体ポンプと液体センサ用受液容器の位置関係を示した図である。
まず、図1で示したように、本実施の形態に係わる液体センサ用受液容器1は、破線の矢印F、Sで示した2方向の重力方向の液体の滴下に対応したもので、その第1の受液部2には、その上側に、破線の矢印Fで示した重力方向に滴下する液体を受け止める平坦な第1の受液面2aを有し、その第1の受液面2aの外周側縁部に沿って少なくとも0.5mm以上の高さの外周壁2bが立設されている。
この第1の受液部2の外周側縁部に沿って立設された外周壁2bは、一旦その第1の受液面2aで受け止められた液体が液体センサ用受液容器1の外部に溢れ出るのを防止する作用があり、検出しようとする液体が、継続的に第1の受液面2aに滴下していくと、外部に溢れ出ることなく、一旦第1の受液面2aで受け止められる。
そして、破線で示した液体センサ3を固定するセンサ固定部4の内部がその液体センサ3の検出領域となっていて、その検出領域に浸入してきた液体が液体センサ3に付着して、そのセンサ抵抗が急激に変化して検出可能となるので、その方向に向かって、液体が確実に移送できるようにしている。
特に、センサ固定部4は箱型形状をしており、液体センサ3を収容するように固定し、さらにそのセンサ固定部4の内壁と液体センサ3との隙間が所定の間隔に設定されているので、移送された液体が一旦一旦液体センサ3とセンサ固定部4の内壁との隙間に到達すると、その隙間による毛細管現象による吸引力も働いて液体センサ3の検出領域に液体が広がるので、短時間での検出が可能となっている。
また、第1の受液面2aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、第1の受液面2aは、センサ固定部4に近づくに従って破線の矢印Fで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、第1の受液部2に滴下した液体がその重力の作用によりその第1の受液面2aの傾斜方向に沿って円滑に流れ、センサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域へより効率的に移送される。
一方、第1の受液面2aの所定位置には、高さが0.5〜5.0mmの3本の平板状凸部5が、0.5〜2.0mmの間隔で隣り合って、センサ固定部4へ向かって直線状に形成されており、その3本の平板状凸部5に挟まれて2本の第1の溝部5aが配置されている。
そして、第1の受液面2aからこの2本の第1の溝部5aに流入した液体には、その第1の溝部5aによる毛細管現象が作用しながら、その第1の溝部5aに連通するとともにその一方の端部に液体センサ3を固定するセンサ固定部4まで案内されるので、そのセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域への移送がより促進される。
また、第1の受液面2aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、2本の第1の溝部5aの底面も、平坦な第1の受液面2aと同様に、センサ固定部4に近づくに従って破線の矢印Fで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、その第1の溝部5aに流入した液体が重力の作用によりその第1の溝部5aの底面の傾斜方向に沿って円滑に流れ、その第1の溝部5aに連通した箱型形状のセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域へより効率的に移送される。
しかも、第1の受液面2aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、その2本の第1の溝部5aがその第1の受液部2の第1の受液面2aの傾斜方向に沿って直線状に配置されているので、第1の溝部5aに流入した液体がセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域へ最短距離で案内されるので、より短時間での検出が可能となる。
さらに、少なくともその下側に平坦な面を有する覆設部6が、前述した3本の平板状凸部5に挟まれた第1の溝部5aの一部を覆うように組み合わされ、その第1の溝部5aと覆設部6の下側の平坦な面との間に2本の隙間6aが形成されている。
そして、その第1の溝部5aと覆設部6の下側の平坦な面との間の隙間6aに流入した液体に対して毛細管現象による吸引力が作用し、その隙間6aでの液体の移送力が容易に大きくなるので、センサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域への移送がより促進される。
以上の説明のように、平坦な第1の受液面2aで受け止められた液体は、その第1の受液面2aから直接的にセンサ固定部4の内部に移送され、あるいは3本の平板状凸部5に挟まれた第1の溝部5aに流入して移送され、その第1の溝部5aに連通するとともにその第1の溝部5aの一方端に液体センサ3を固定するセンサ固定部4の内部に到達するが、そのセンサ固定部4の内部が液体センサ3の検出領域となっているので、第1の受液部2の第1の受液面2aに滴下した液体が比較的微量であっても、その液体を効率的に液体センサ3の検出領域に移送でき、短時間での検出が可能となる。
つまり、第1の受液面2aが滴下した液体を受け止め、2本の第1の溝部5aがその液体を液体センサ3の検出領域、つまりセンサ固定部4の内部へ確実に移送できるようになっている。
ここで、液体センサ3には、2本のリード線3aが接続されており、そのリード線3aは、センサ固定部4の内部で直角方向に折り曲げられ上方へ引き出されているので、その液体センサ用受液容器1の外部の電子機器との電気的な接続が可能となっている。
また、第1の受液部2の外周側縁部には、この液体センサ用受液容器1を後述する冷却装置に固定するための固定部材(図示せず)を挿入する2個の開口部2cが設けられて、その開口部2cを取り囲むようにそれぞれ突出壁2dが形成されているので、その開口部2cに固定部材を挿入して他の関連部材、例えば、後述する冷却装置の受熱一体ポンプのベース部材に容易に固定できるという作用がある。
つまり、その液体センサ用受液容器1を電子機器の筐体内部の冷却装置、周辺機器、または他の関連部材などの液体が滴下すると考えられる場所に配置して容易に固定できる。
また、開口部2cを取り囲むように形成された突出壁2dには、第1の受液面2aで受け止めた液体が、その開口部2cに挿入された固定部材との界面を伝わって液体センサ用受液容器1の外部に溢れ出るのを防止する作用があり、その液体を確実にセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域へ移送できる。
また、開口部2cに挿入された固定部材との界面には、一旦液体が到達すると毛細管現象により吸い込まれ、液体センサ用受液容器1の外部に容易に溢れ出る可能性があるので、第1の受液面2aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、その開口部2cを取り囲むように形成された突出壁2dの頂面を、第1の受液部2の外周側
縁部に沿って立設された外周壁2bの頂面よりも重力方向で上方に位置させ、その界面に液体が吸い込まれるのを防止するようにしたので、その液体を確実にセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域へ移送できる。
また、覆設部6の下方に位置する第1の受液面2aには、やや大きめの開口部2eが設けられ、その開口部2eを取り囲むように形成された突出壁2fには、第1の受液面2aで受け止めた液体が、その開口部2eに挿入される固定部材(図示せず)との界面を伝わって液体センサ受液容器1の外部に溢れ出るのを防止する作用があり、その液体をセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域へ確実に移送できる。
なお、その開口部2eに挿入された固定部材との界面には、一旦液体が到達すると毛細管現象により吸い込まれ、液体センサ用受液容器1の外部に容易に溢れ出る可能性があるので、第1の受液面2aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、その開口部2eを取り囲むように形成された突出壁2fの頂面も、第1の受液部2の外周側縁部に沿って立設された外周壁2bの頂面よりも重力方向で上方に位置させ、その界面に液体が吸い込まれるのを防止するようにした。
一方、覆設部6の一方の側端部には、平坦な第2の受液面7aを有する第2の受液部7が一体成型されており、第1の受液面2aと第2の受液面7aが相互に略直角方向に位置しているので、液体センサ用受液容器1が破線の矢印Sで示した重力方向で下方となるように設置されたとしても、その液体を第2の受液面7aで確実に受け止められるようになっている。
つまり、第2の受液部7が重力方向で下方になるように設置された場合は、破線の矢印Sで示した重力方向に液体が滴下するので、第2の受液部7の外周側縁部に沿って立設された外周壁7bは、一旦その第2の受液面7aで受け止められた液体が液体センサ用受液容器1の外部に溢れ出るのを防止する作用があり、検出しようとする液体が、継続的に第2の受液面7aに滴下していくと、外部に溢れ出ることなく、一旦第2の受液面7aで受け止められ、破線で示した液体センサ3を固定するセンサ固定部4の内部がその液体センサ3の検出領域となるので、最終的に、その方向に向かって、液体が確実に移送できるようにしている。
また、第2の受液面7aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、平坦な第2の受液面7aは、センサ固定部4から離れるに従って破線の矢印Sで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、第2の受液部7に滴下した液体がその重力の作用によりその第2の受液面7aの傾斜方向に沿って円滑に流れ、その第2の受液面7aの一方端より反対側の面へターンして、その第2の受液面7aに対して反対側の面に形成された4本の平板状凸部8に挟まれて配置された3本の第2の溝部8a(図3(a)、図5(c)参照)に流入していく。
そして、その第2の溝部8aに流入した液体には、その第2に溝部8aによる毛細管現象や破線の矢印Sで示した重力方向へ下降するように傾斜した外周壁2bとその第2の溝部8aとの間に形成された隙間により毛細管現象による吸引力も作用しながら、その第2の溝部8aに連通するとともにその一方の端部に液体センサ3を固定するセンサ固定部4まで案内されるので、そのセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域への移送がより促進される。
また、第2の受液面7aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、第2の溝部8aは、第2の受液面7aに対して反対側の面の傾斜方向に沿って直線状に配置されているので、その第2の溝部8aに連通するセンサ固定部4の内部の液体セン
サ3の検出領域へ最短距離で案内する作用があり、短時間での検出が可能となる。
従って、第2の受液部7に滴下した液体が比較的微量であっても、その液体を効率的に液体センサ3の検出領域に移送でき、短時間での検出が可能となる。
つまり、第2の受液面7aが滴下した液体を受け止め、3本の第2の溝部8aがその液体を液体センサ3の検出領域、つまりセンサ固定部4の内部へ確実に移送できるようになっている。
次に、嵌合部9については、詳細に後述するが、第1の受液部2の平坦な第1の受液面2aに形成された嵌合用凸部9a(図2参照)と覆設部6に形成された嵌合用孔部9b(図2参照)とを軽く圧入して嵌合させることによって、相互の位置関係が規制されるので、第1の受液部2に対して覆設部6を所定の位置に組み合わせることが容易となる。
なお、本実施の形態の場合は、最終的に液体センサ用受液容器1が冷却装置に固定された状態では、覆設部6がその冷却装置の受熱一体ポンプを載置するベース部材と第1の受液部2との間に挟持され、2個の開口部2cに挿入される固定部材により固定されているので、第1の受液部2と覆設部6との間で、両者をあらかじめ固定する必要はないが、必要に応じて、接着、熱溶着、超音波溶着などの固着方法により固定しても何ら問題はない。
さらに、第2の受液部7の外周を取り囲み、第1の受液面2aの外周側縁部に沿って立設された外周壁2bの側面に2個のフック部10(図3(a)、図5(a)参照)が設けられているので、液体の検出が可能なように液体センサ3が液体センサ用受液容器1のセンサ固定部4に固定された状態で、そのリード線3aをそのフック部10に係止することにより、外部にリード線3aが不要に延在するのを容易に防止できる。
つまり、リード線3aが不要に延在して第1の受液面2aの上または第2の受液面7aの上に垂れ下がり、それらの受液面を流れる液体がそのリード線3aを伝わって電子機器側に流れていくのを防止できる。
また、その液体センサ用受液容器1を固定した冷却装置を電子機器内に搭載する際において、そのリード線3aを作業者が手や工具にひっかけたりして、その液体センサ3のリード線引き出し部に機械的なダメージや断線状態を引き起こしてしまうのを未然に防止することができる。
なお、本実施の形態の液体センサ用受液容器1の材質としては、検出しようとする液体が冷却装置の液体冷媒としての水の場合であれば、寸法安定性、耐熱性、電気絶縁性、耐久性、成型加工性などを考慮して、熱可塑性樹脂材料が好ましく、特に、第1の受液面2aや第2の受液面7aの表面に滴下した液体が、その表面をスムーズに流れるように、なるべく表面の平滑化に適した樹脂材料を選択するとよい。
なお、所望の特性が得られれば熱硬化性樹脂でもよく、または検出しようとする液体による腐食性、耐電圧、重量などの影響で問題がなければ金属製材料であっても構わない。
さらに、検出しようとする液体が、塩溶液、アルカリ・酸性水、塩素、酸洗容液等の液体の場合であれば、耐蝕性についても考慮する必要がある。
一方、センサ固定部4に固定される液体センサ3としては、アルミナ(Al2O3)基板上に、炭素系導電ペーストを用いて、櫛歯状に一対の電極を焼き付けた上に樹脂製の感湿
膜を塗布し、その樹脂の中に均一に炭素粒子が分散された電気抵抗式であって、検出可能な湿度範囲が0〜100%に対応した結露センサが好ましい。
その結露センサは、乾燥しているときには、その樹脂が収縮しており炭素粒子間の距離が小さく、センサ抵抗は数kΩであるが、結露時には、逆にその樹脂が膨張して、炭素粒子間の距離が大きくなり、センサ抵抗は100kΩ以上の高抵抗となる。
従って、このような電気抵抗式の結露センサを、センサ固定部4の内部に固定される液体センサ3として用いれば、そのセンサ固定部4の内部の検出領域に浸入してきた液体が付着して、そのセンサ抵抗が急激に変化するので、その抵抗変化をその液体センサ3に接続された2本のリー線3aを介して電子機器内の検出回路で容易に検出可能となる。
なお、結露センサ以外にも、他に水晶振動子式結露センサや光学式結露センサなども利用可能であるが、いずれもセンサ固定部4に浸入してきた液体とその液体センサ3との位置関係、応答速度、サイズ、重量、電気的特性などを考慮して適宜選択すればよい。
次に、図2の本発明に実施の形態1に係わる液体センサ用受液容器1の分解斜視図を用いて、一部重複するが、前述した内容を補足して説明する。
なお、本来、液体センサ3は、センサ固定部4に固定された状態で組み合わされるが、本図では説明しやすいように、第1の受液部2において最終的に置かれる位置に示した。
この図でも明らかなように、第1の受液面2a上には、3本の平板状凸部5がセンサ固定部4の内部に固定される液体センサ3の方向に向かって直線状に形成されており、その平板状凸部5で挟まれて2本の第1の溝部5aが配置されている。
その平板状凸部5は、液体センサ3に近い方の領域において、小さな段差が形成され少し下がっているが、その領域の第1の溝部5aを覆うように覆設部6が組み合わされ、その第1の溝部5aと覆設部6の下側の平坦な面との間に隙間6a(図3(c)、図4(c)参照)が形成されている。
そして、前述したように、第1の受液面2aで受け止められ、第1の溝部5aを通ってその隙間6aに流入した液体に対して毛細管現象による吸引力が作用し、その隙間6aでの液体の移送力が容易に大きくなるので、センサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域への移送がより促進される。
また、第1の受液面2aのやや液体センサ3に近い方に、円筒形状の嵌合用凸部9aが形成され、一方、覆設部6には円形状の嵌合用孔部9bが形成されているので、組み合わせの際にはこれらを嵌合させることによって、相互の位置関係が規制されるので、第1の受液部2に対して覆設部6を所定の位置に組み合わせることが容易となる。
さらに、開口部2eを取り囲むように形成された突出壁2fとセンサ固定部4との間に円弧状の凸部11を形成したので、その開口部2eに挿入された固定部材が金属製であっても、突出壁2fとセンサ固定部4との間に形成された円弧状の凸部11により液体センサ3とその固定部材との間の沿面距離を長く設定できるので、その分、耐電圧特性を向上することができる。
つまり、その液体センサ用受液容器1の冷却装置への固定やその冷却装置の電子機器への搭載などの取り扱いの際に、人体からの静電気によって、金属製の固定部材を介して液体センサ3が電気的に破壊されるのを未然に防止することができる。
次に、図3(a)〜(c)を用いて、一部重複するが、前述した内容を補足して説明する。
まず、図3(a)の本発明の実施の形態1に係わる液体センサ用受液容器1の平面図で示したように、第1の受液部2は、その上側に、滴下する液体を受け止める平坦な第1の受液面2aを有し、その第1の受液面2aの外周側縁部に沿って外周壁2bが立設されている。
この第1の受液面2aの外周側縁部に沿って立設された外周壁2bは、一旦その第1の受液面2aで受け止めた液体が液体センサ用受液容器1の外部に溢れ出るのを防止する作用があり、センサ固定部4の内部に液体センサ3(図3(c)参照)が固定され、その液体センサ3の検出領域となっているので、最終的にその方向に向かって、液体が確実に流れていくようにしている。
また、平坦な第1の受液面2aの所定位置には、高さが0.5〜5.0mmの3本の平板状凸部5が、0.5〜2.0mmの間隔で隣り合って、センサ固定部4へ向かって直線状に形成されており、その3本の平板状凸部5で挟まれて2本の第1の溝部5aが配置されている。
一方、第2の受液部7の外周を取り囲み、第1の受液面2aの外周側縁部に沿って立設された外周壁2bの側面に2個のフック部10(図5(a)参照)が設けられているので、液体の検出が可能なように液体センサ3が液体センサ用受液容器1のセンサ固定部4に固定された状態で、そのリード線3aをそのフック部10に係止することにより、外部にリード線3aが不要に延在するのを容易に防止できる。
つまり、リード線3aが不要に延在して第1の受液面2aの上または第2の受液面7aの上に垂れ下がり、それらの受液面を流れる液体がそのリード線3aを伝わって電子機器側に流れていくのを防止できる。
そして、図3(b)の同図(a)のA−A矢視断面図で示したように、第1の受液面2aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、平坦な第1の受液面2aは、センサ固定部4に近づくに従って破線の矢印Fで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、検出しようとする液体が、継続的に第1の受液面2aに滴下していくと、一旦その第1の受液面2aで受け止められ、外部に溢れ出ることなく、重力の作用によりその第1の受液面2aの傾斜方向に沿って、実線の矢印で示した方向へ液体が円滑に流れ、センサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域までその液体をより効率的に移送できるようにしている。
なお、第1の受液面2aの傾斜に沿って流れた液体は、開口部2eを取り囲むように形成された突出壁2fにぶつかるが、その突出壁2fに沿って迂回しながら、センサ固定部4の内部へ直接流れていく。
なお、本実施の形態については、第1の受液面2aと破線の矢印Fで示した重力方向に対して垂直な仮想直線との内角である傾斜角度θ1を5〜10°を範囲で設定したが、この角度は、この液体センサ用受液容器1の設置スペースや液体の検出速度などを考慮して適宜設定すればよい。
一方、第2の受液部7が重力方向で下方になるように設置された場合は、破線の矢印Sで示した重力方向に液体が滴下するので、その液体を第2の受液面7aが受け止められる
ようになっている。
ここで、第2の受液面7aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、平坦な第2の受液面7aは、センサ固定部4から離れるに従って破線の矢印Sで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、第2の受液部7に滴下した液体がその重力の作用によりその第2の受液面7aの傾斜方向に沿って円滑に流れ、その第2の受液面7aの一方端より反対側の面へ実線の矢印で示したようにターンして、その第2の受液面7aに対して反対側の面に形成された4本の平板状凸部8に挟まれた3本の第2の溝部8a(図3(a)、図5(c)参照)に流入していく。
そして、その第2の溝部8aに流入した液体には、その第2に溝部8aによる毛細管現象も作用しながら、その第2の溝部8aに連通するとともにその一方の端部に液体センサ3を固定するセンサ固定部4まで案内されるので、そのセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域への移送がより促進される。
また、第2の受液面7aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、第2の溝部8aは、第2の受液面7aに対して反対側の面の傾斜方向に沿って直線状に配置されているので、その第2の溝部8aに連通するセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域へ最短距離で案内する作用があり、短時間での検出が可能となる。
従って、第2の受液部7に滴下した液体が比較的微量であっても、その液体を効率的に液体センサ3の検出領域に移送でき、短時間での検出が可能となる。
しかも、第2の受液面7aの一方端でターンして、その第2の受液面7aに対して反対側の面の所定の位置に形成された4本の平板状凸部8に挟まれた3本の第2の溝部8aを通ってセンサ固定部4の方へ戻るように液体の移送ができ、第2の受液面7a側に第2の溝部8aを配置しなくてもよいので、限られたスペースでも第2の受液面7aを十分確保できる。
なお、本実施の形態については、第2の受液面7aと破線の矢印Sで示した重力方向に対して垂直な仮想直線との内角である傾斜角度θ2を5〜10°を範囲で設定したが、この角度は、この液体センサ用受液容器1の設置スペースや液体の検出速度などを考慮して適宜設定すればよい。
また、前述したように、円弧状の凸部11は、第1の受液部2に設けられた開口部2eを取り囲むように形成された突出壁2fとセンサ固定部4の間に形成され、覆設部6の下側の面に形成された円弧状の凹部12と嵌合するように組み合わさっている。
従って、その開口部2eに挿入される固定部材が金属製であっても、突出壁2fを取り囲むように形成された円弧状の凸部11により液体センサ3とその固定部材の間の沿面距離を長く設定できるので、その分、耐電圧特性を向上することができる。
つまり、その液体センサ用受液容器1の冷却装置への固定やその冷却装置の電子機器への搭載などの取り扱いの際に、人体からの静電気によって、金属製の固定部材を介して液体センサ3が電気的に破壊されるのを未然に防止することができる。
そして、図3(c)の同図(a)のB−B矢視断面図で示したように、第1の受液面2aの所定位置には、平板状凸部5がセンサ固定部4に向かって形成されており、その平板状凸部5で挟まれては第1の溝部5aが配置されている。
そして、第1の受液面2aからこの第1の溝部5aに流入した液体には、その第1の溝部5aによる毛細管現象も作用しながら、その第1の溝部5aに連通するとともにその一方の端部に液体センサ3を固定するセンサ固定部4まで案内されるので、そのセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域への移送がより促進される。
また、第1の受液面2aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、2本の第1の溝部5aの底面も、平坦な第1の受液面2aと同様に、センサ固定部4に近づくに従って破線の矢印Fで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、その第1の溝部5aに流入した液体が重力の作用によりその第1の溝部5aの傾斜方向に沿って円滑に流れ、その第1の溝部5aに連通した箱型形状のセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域へより効率的に移送される。
しかも、第1の受液面2aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、その2本の第1の溝部5aがその第1の受液部2の第1の受液面2aの傾斜方向に沿って直線状に配置されているので、第1の溝部5aに流入した液体がセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域へ最短距離で案内されるので、より短時間での検出が可能となる。
さらに、少なくともその下側に平坦な面を有する覆設部6が、前述した3本の平板状凸部5に挟まれた第1の溝部5aの一部を覆うように組み合わされ、その第1の溝部5aと覆設部6の下側の平坦な面との間に隙間6aが形成されている。
そして、その第1の溝部5aと覆設部6の下側の平坦な面との間の隙間6aに流入した液体に対して毛細管現象による吸引力が作用し、その隙間6aでの液体の移送力が容易に大きくなるので、センサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域への移送がより促進される。
そして、その液体が一旦液体センサ3とセンサ固定部4の内壁との隙間に到達すると、その隙間が所定の間隔、例えば0.1〜1.0mmとなるように設定されているので、その隙間による毛細管現象による吸引力も働いて液体センサ3の検出領域に液体が広がるので、短時間での検出が可能となっている。
一方、第2の受液部7が重力方向で下方になるように設置された場合は、破線の矢印Sで示した重力方向に液体が滴下するので、その液体を第2の受液面7aが受け止められるようになっている。
ここで、第2の受液面7aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、平坦な第2の受液面7aは、センサ固定部4から離れるに従って破線の矢印Sで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、第2の受液部7に滴下した液体がその重力の作用によりその第2の受液面7aの傾斜方向に沿って円滑に流れ、その第2の受液面7aの一方端より反対側の面へ実線の矢印で示したようにターンして、その第2の受液面7aに対して反対側の面に形成された4本の平板状凸部8に挟まれた3本の第2の溝部8a(図3(a)、図5(c)参照)に流入していく。
また、その第2の溝部8aに流入した液体には、その第2に溝部8aによる毛細管現象や破線の矢印Sで示した重力方向へ下降するように傾斜した外周壁2bとその第2の溝部8aとの間に形成された隙間により毛細管現象による吸引力も作用しながら、その第2の溝部8aに連通するとともにその一方の端部に液体センサ3を固定するセンサ固定部4の内部まで案内されるので、そのセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域への移送がより促進される。
そして、その液体が一旦液体センサ3とセンサ固定部4の内壁との隙間に到達すると、その隙間が所定の間隔、例えば0.1〜1.0mmとなるように設定されているので、その隙間による毛細管現象による吸引力も働いて液体センサ3の検出領域に液体が広がるので、短時間での検出が可能となっている。
また、第2の受液面7aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、第2の溝部8aは、第2の受液面7aに対して反対側の面の傾斜方向に沿って直線状に配置されているので、その第2の溝部8aに連通するセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域へ最短距離で案内する作用があり、短時間での検出が可能となる。
従って、第2の受液部7に滴下した液体が比較的微量であっても、その液体を効率的に液体センサ3の検出領域に移送でき、短時間での検出が可能となる。
しかも、第2の受液面7aの一方端でターンして、その第2の受液面7aに対して反対側の面の所定の位置に形成された4本の平板状凸部8に挟まれた3本の第2の溝部8aを通ってセンサ固定部4の方へ戻るように液体の移送ができ、第2の受液面7a側に第2の溝部8aを配置しなくてもよいので、限られたスペースでも第2の受液面7aを十分確保できる。
また、本実施の形態では、開口部2eに挿入される固定部材が金属製である場合の絶縁距離も考慮して、第2の受液面7aの一方端でターンさせて、その第2の受液面7aに対して反対側の面の所定の位置に形成された4本の平板状凸部8に挟まれた3本の第2の溝部8aを通ってセンサ固定部4の方へ戻るように液体の移送をさせたが、そのような絶縁距離を考慮する必要がない場合には、その第2の受液面7aに代えて、第2の溝部8aに対向する外周壁2bの内側面を第2の受液面としてそこに第2の溝部を配置すれば、より短時間での検出が可能となる。
次に、図4(a)〜(c)を用いて、一部重複するが、前述した内容を補足して説明する。
まず、図4(a)は本発明の実施の形態1に係わる液体センサ用受液容器1の平面図で、図3(a)と同一なので説明を省略する。
次に、図4(b)の同図(a)のC−C矢視部分断面図で示したように、平坦な第1の受液面2aの所定位置には、高さが0.5〜5.0mmの3本の平板状凸部5が、0.5〜2.0mmの間隔で隣り合って、センサ固定部4へ向かって直線状に形成されており、その3本の平板状凸部5で挟まれて2本の第1の溝部5aが配置されている。
また、第1の受液面2aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、この第1の受液面2aと2本の第1の溝部5aの底面はどちらも、図3(b)、(c)で示したように、センサ固定部4に近づくに従って破線の矢印Fで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、その第1の溝部5aに流入した液体が重力の作用によりその第1の溝部5aの底面の傾斜方向に沿って円滑に流れ、センサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域へ効率的に移送される。
しかも、第1の受液面2aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、その2本の第1の溝部5aがその第1の受液部2の第1の受液面2aの傾斜方向に沿って直線状に配置されているので、第1の溝部5aに流入した液体がセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域へ最短距離で案内されるので、より短時間での検出が可能
となる。
また、図4(c)の同図(a)のD−D矢視部分断面図で示したように、少なくともその下側に平坦な面を有する覆設部6が、前述した3本の平板状凸部5に挟まれた第1の溝部5aの一部を覆うように組み合わされ、その第1の溝部5aと覆設部6の下側の平坦な面との間に2本の隙間6aが形成されている。
そして、その第1の溝部5aと覆設部6の下側の平坦な面との間の隙間6aに流入した液体に対して毛細管現象による吸引力が作用し、その隙間6aでの液体の移送力が容易に大きくなるので、センサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域への移送がより促進される。
また、前述したように、開口部2eを取り囲むように形成された突出壁2fとセンサ固定部4との間に円弧状の凸部11が形成され、覆設部6の下面に形成された円弧状の凹部12と嵌合するように組み合わさるようになっているので、その開口部2eに挿入された固定部材が金属製であっても、突出壁2fとセンサ固定部4との間に形成された円弧状の凸部11により液体センサ3とその固定部材の間の沿面距離を長く設定できるので、その分、耐電圧特性を向上することができる。
つまり、その液体センサ用受液容器1の冷却装置への固定やその冷却装置の電子機器への搭載などの取り扱いの際に、人体からの静電気によって、金属製の固定部材を介して液体センサ3が電気的に破壊されるのを未然に防止することができる。
次に、図5(a)〜(c)を用いて、一部重複するが、前述した内容を補足して説明する。
図5(a)は、図4(c)のE−E矢視断面図で、第2の受液部7が重力方向で下方になるように設置された場合は、破線の矢印Sで示した重力方向に液体が滴下するので、図5(b)の下方に平坦な面を有する覆設部6とその一方の側端部に形成された第2の受液部7の斜視図で示したように、その液体をセンサ固定部4の上方に位置する第2の受液面7aが受け止められるようになっている。
ここで、第2の受液面7aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、平坦な第2の受液面7aは、図3(b)、(c)を用いて前述したように、センサ固定部4から離れるに従って破線の矢印Sで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、第2の受液部7に滴下した液体がその重力の作用によりその第2の受液面7aの傾斜方向に沿って円滑に流れ、その第2の受液面7aの一方端より反対側の面へターンして、その第2の受液面7aに対して反対側の面に形成された4本の平板状凸部8に挟まれた3本の第2の溝部8aに流入していく。
そして、さらにその第2の溝部8aに流入した液体には、その第2に溝部8aによる毛細管現象や前述したように破線の矢印Sで示した重力方向へ下降するように傾斜した外周壁2bとその第2の溝部8aとの間に形成された隙間により毛細管現象による吸引力も作用しながら、その第2の溝部8aに連通するとともにその一方の端部に液体センサ3を固定するセンサ固定部4の内部まで案内されるので、そのセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域への移送がより促進される。
図5(c)は、下方に平坦な面を有する覆設部6とその一方の側端部に形成された第2の受液部7の背面側斜視図で、第2の受液面7aの反対側の面の所定位置には、高さが0.5〜5.0mmの4本の平板状凸部8が、0.5〜2.0mmの間隔で隣り合って、セ
ンサ固定部4の方向へ向かって形成されており、その4本の平板状凸部8に挟まれた3本の第2の溝部8aが、液体センサ3(図示せず)を固定するセンサ固定部4に連通するように配置されている状態を示している。
なお、箱型形状のセンサ固定部4の内壁に形成された位置決め用凸部4aは、液体センサ3にあらかじめ設けられた嵌合孔(図示せず)と嵌合させてその液体センサ3を所定の位置に位置決めするためのものである。
次に、図6は、第2の受液部の外周壁のコーナー部の内面形状を説明する図で、図6の(a)、(b)を用いて、第2の受液部7の外周壁7bのコーナー部の内面形状について説明する。
図6の(a)は、覆設部6とその一方の側端部に形成された第2の受液部7の平面図で、第2の受液部7の第2の受液面7aの外周側縁部に沿って外周壁7bが立設されており、その外周壁7bと覆設部6がコーナー部Rにおいて接続され、そのコーナー部Rの内面形状が、その立設方向と垂直な断面において円弧状となっている。
つまり、第2の受液面7aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態においては、第2の受液部7が重力方向で下方になるように液体センサ用受液容器1が設置され、破線の矢印Sで示した重力方向に液体が滴下するので、ここで、第2の受液容面7aに対しては、覆設部6も外周壁7bと同じように、一旦その第2の受液面7aで受け止められた液体が液体センサ用受液容器1の外部に溢れ出るのを防止する作用があるので、実質的には、覆設部6は第2の受液面7aの外周側縁部に沿って立設された外周壁7bの一部とみなすことができる。
また、図6の(b)は、同図(a)のF−F矢視部分断面図で、外周壁7bの立設方向と垂直な断面におけるコーナー部Rの内面形状を示しており、その内面形状が円弧状となっている。
このような形状にすることにより、第2の受液部7が重力方向で下方になるように設置された場合には、その外周壁7bのコーナー部Rでの液体が毛細管現象により反重力方向(図6(a)の破線の矢印Sとは反対に方向)へ這い上がりするのを抑制するので、第2の受液面7aで受け止められた液体が液体センサ用受液容器1の外部に溢れ出るのを防止する作用があり、より確実にセンサ固定部4の内部の液体センサ3の検出領域へ移送できる。
なお、液体が水の場合であれば、そのコーナー部Rの内面形状については、その立設方向と垂直な断面において円弧の半径を1〜5mmに設定するのが好ましい。
また、図7は、冷却装置に液体センサ用受液容器1を固定した状態図で、液循環用のポンプを内蔵しMPUなどの発熱電子部品(図示せず)と熱接続される受熱一体ポンプ13の液吐出側と液吸込側のそれぞれに、2本の液輸送路14、15が接続されている。
液輸送路14は、フレキシブルでガス透過性の少ない高分子材料、例えばブチルゴムやフッ素ゴムなどを用いたフレキシブルチューブとさらにその一方の屈曲部分には銅、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属管がホースバンドで接続された構成となっており、液輸送路15も同様にフレキシブルチューブと金属管がホースバンドで接続された構成で、いずれも液循環路の一部を構成している。
また、気液分離用の密閉型のリザーブタンク16は、その液輸送路15のフレキシブル
チューブにホースバンドで接続され、しかもラジエータ17のコアチューブ(図示せず)がそのリザーブタンク16の一方端に隣接配置され、その片側に寄せられて接続されているので、そのリザーブタンク16も液循環路の一部を構成している。
そして、そのラジエータ17のコアチューブの他方端には連通タンク18が接続され、さらには側面から見てコの字状となるようにラジエータ17を挟み込んでリザーブタンク16に連通タンク18がタンク連結部材17aで連結され対向配置しているので、その間に風路が形成されて、より放熱性能を向上している。
さらに、連通タンク18には液輸送路14を構成するフレキシブルチューブがホースバンドで接続されている。
つまり、受熱一体ポンプ13は発熱電子部品と接触し内部を流れる液体冷媒と熱交換しながら熱を奪い、一方、その熱交換により高温に熱せられた液体冷媒は矢印で示した方向へ吐出された後、液輸送路14を矢印の方向へ通過して連通タンク18に流れ込み熱輸送を行う。
そして、連通タンク18はラジエータ17の一部を構成する複数のコアチューブのそれぞれと接続され連通しているので、その液体冷媒はラジエータ17のコアチューブの中を流通する間で熱交換し放熱した後、液循環路の一部を構成するリザーブタンク16の内部を流れ、液輸送路15を通過して受熱一体ポンプ13に戻る。
このような液循環動作を繰り返し行うことで、発熱電子部品から熱を奪い有効な冷却効果が得られる。
つまり、この冷却装置が電子機器に搭載された状態では、ベース部材19が冷却を必要とするMPUなどの発熱電子部品の実装された回路基板に固定部材20aによりその4箇所が固定され、受熱一体ポンプ13の受熱面がその発熱電子部品と強固に熱接続した状態となっているので、所望の冷却効果が得られている。
そして、受熱一体ポンプ13は、ベース部材19に載置された状態で固定部材20bによってその四隅が固定され、さらに、そのベース部材19の下面のコーナーの所定の位置には、液体センサ用受液容器1が配置された状態で固定部材20cによりその2箇所が固定され、受熱一体ポンプ13と液輸送路14、15とのそれぞれの接続部21からの液体冷媒の漏れを受け止めて検出できるようにしている。
そして、その電子機器の稼動中において、万が一その冷却装置の液体冷媒が接続部21から漏れても、その液体センサ用受液容器1が、その漏れた液体冷媒を受け止め、前述した液体センサ3の検出領域まで移送するので、その液体冷媒が付着した液体センサ3の抵抗変化を2本のリード線3aを介した電子機器側の検出回路で容易に検出可能となっている。
つまり、このような液体センサ用受液容器1を備えた冷却装置では、内部を循環する液体冷媒の漏れが予想される所定の位置に配置した液体センサ用受液容器1が、その液体冷媒の滴下を確実に受け止め、その液体センサ用受液容器1に固定された液体センサ3により短時間で検出できるので、その冷却装置の搭載された電子機器の電子回路の動作に支障が出る前に処置することができ、より高い信頼性を得ることが可能となる。
図8は、前述した冷却装置の受熱一体ポンプ13と液体センサ用受液容器1の位置関係を示した図で、その冷却装置を構成する他の主要な要素については省略して示した。
ここで、受熱一体ポンプ13の側面には、液輸送路14に接続するための吐出口21aと、液輸送路15に接続するための吸込口21bが設けられ、それぞれが前述した接続部21を構成している。
そして、ベース部材19の下面のコーナーには、その接続部21からの液体冷媒の漏れを、破線の矢印FとSで示した2方向の重力方向の液体の滴下に対応して検出可能なように、液体センサ用受液容器1が配置されている。
つまり、重力方向が矢印Fとなるように電子機器が設置された場合には、第1の受液面2aが接続部21を構成する吐出口21aと吸込口21bの下方に位置し、重力方向が矢印Sとなるように電子機器が配置された場合には、第2の受液面7aが接続部21を構成する吐出口21aと吸込口21bの下方に位置するようになっており、電子機器が相互に略直角となる2方向のいずれの方向に設置されたとしても、滴下した液体をそれぞれの方向において確実に受け止めて検出できるようになっている。
(実施の形態2)
図9(a)は、本発明の実施の形態2に係わる液体センサ用受液容器の斜視図で、図9(b)は、その受液部のみの斜視図で、冷却装置などに固定するための固定部材を挿入する開口部やフック部などを省略し、主要部分のみを簡略的に示した。
本実施の形態に係わる液体センサ用受液容器30は、破線の矢印Fで示した1方向の重力方向の液体の滴下のみに対応したもので、上方には平坦な受液面31aを有し、その外周側縁部に沿って少なくとも0.5mm以上の高さの外周壁31bを立設した受液部31と、その受液面31aの所定位置には、3本の平板状凸部32がセンサ固定部33へ向かって直線状に形成されており、その3本の平板状凸部32に挟まれて2本の溝部32aが配置され、その溝部32aに連通するとともにその一方の端部に液体センサ3を固定する箱型形状のセンサ固定部33を備えている。
この受液面31aの外周側縁部に沿って立設された外周壁31bは、一旦その受液面31aで受け止めた液体が液体センサ用受液容器30の外部に溢れ出るのを防止する作用があり、破線で示した液体センサ3を固定するセンサ固定部33の内部の液体センサ3の検出領域へ液体が確実に移送できるようにしている。
また、受液面31aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、受液面31aは、センサ固定部33に近づくに従って破線の矢印Fで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、検出しようとする液体が、継続的に受液面31aに滴下していくと、その受液面31aで受け止められ、外部に溢れ出ることなく、重力の作用によりその受液面31aの傾斜方向に沿って液体が円滑に流れ、センサ固定部33の内部の方向へその液体をより効率的に移送できるようにしている。
一方、受液面31aの所定位置には、高さが0.5〜5.0mmの3本の平板状凸部32が、0.5〜2.0mmの間隔で隣り合って、センサ固定部33へ向かって直線状に形成されており、その3本の平板状凸部32に挟まれて2本の溝部32aが配置されている。
そして、受液面31aからその2本の溝部32aに流入した液体には、その溝部32aによる毛細管現象も作用しながら、その溝部32aに連通するとともにその一方の端部に液体センサ3を固定するセンサ固定部33まで案内されるので、そのセンサ固定部33の内部の液体センサ3の検出領域への移送がより促進される。
また、受液面31aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、2本の溝部32aの底面も、平坦な受液面31aと同様に、センサ固定部33に近づくに従って破線の矢印Fで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、その溝部32aに流入した液体がその重力の作用によりその溝部32aの傾斜方向に沿って円滑に流れ、その溝部32aに連通するセンサ固定部33の内部の液体センサ3の検出領域へより効率的に移送することができる。
しかも、その2本の溝部32aがその受液部31の受液面31aの傾斜方向に沿って直線状に配置されているので、溝部32aに流入した液体を、センサ固定33部の内部の液体センサ3の検出領域へ最短距離で案内する作用があり、短時間での検出が可能となる。
さらに、前述した3本の平板状凸部32により挟まれた2本の溝部32aの一部を覆うように下方に平坦な面を有する覆設部34がその上方より組み合わされ、その溝部32aと覆設部34の下方の平坦な面との間に2本の隙間34aが形成されている。
また、その覆設部34は、その一方の側端部に前述したセンサ固定部33が一体成型されている。
そして、その溝部32aから覆設部34との間の隙間34aに流入した液体に対して毛細管現象による吸引力が作用し、その隙間34aでの液体の移送力を容易に大きくすることができ、センサ固定部33の内部の液体センサ3の検出領域への移送をより促進することができる。
以上の説明のように、平坦な受液面31aで受け止められた液体は、その受液面31aから直接的にセンサ固定部33の内部に移送され、あるいは3本の平板状凸部32に挟まれた溝部32aに流入して移送され、その溝部32aに連通したセンサ固定部33の内部に到達するが、そのセンサ固定部33の内部が液体センサ3の検出領域となっているので、受液部31の受液面31aに滴下した液体が比較的微量であっても、その液体を効率的に液体センサ3の検出領域に移送でき、短時間での検出が可能となる。
つまり、受液面31aが滴下した液体を受け止め、2本の溝部32aがその液体を液体センサ3の検出領域、つまりセンサ固定部33の内部へ確実に移送できるようになっている。
ここで、液体センサ3には、2本のリード線3aが接続されており、そのリード線3aは、センサ固定部33の内部で直角方向に曲げられ上方へ引き出されているので、その液体センサ用受液容器30の外部の電子機器との電気的な接続が可能となっている。
(実施の形態3)
図10(a)は、本発明の実施の形態3に係わる液体センサ用受液容器40の斜視図で、図10(b)は、その受液部のみの斜視図で、冷却装置などに固定するための固定部材を挿入する開口部やフック部などを省略し、主要部分のみを簡略的に示した。
本実施の形態に係る液体センサ用受液容器40は、破線の矢印F、S、Tで示した3方向の重力方向の液体の滴下に対応したもので、上方の面に平坦な第1の受液面41aを有し、その第1の受液面41aの外周側縁部に沿って少なくとも0.5mm以上の高さの外周壁41bを立設した第1の受液部41と、第1の受液面41aの所定の位置に3本の平板状凸部44が形成され、その平板状凸部44に挟まれて2本の第1の溝部44aが配置され、側方の面に平坦な第2の受液面42aを有し、その第2の受液面42aの外周側縁
部に沿って少なくとも0.5mm以上の高さの外周壁42bを立設した第2の受液部42と、第2の受液面42aの所定の位置に平板状凸部45が形成され、その平板状凸部45に挟まれて2本の第2の溝部45aが配置され、側方の面に平坦な第3の受液面43aを有し、その第3の受液面43aの外周側縁部に沿って少なくとも0.5mm以上の高さの外周壁43bを立設した第3の受液部43と、第3の受液面43aの所定の位置に3本の平板状凸部46が形成され、その平板状凸部46に挟まれて2本の第3の溝部46aが配置され、第1の溝部44a、第2の溝部45a、及び第3の溝部46aのいずれにも連通するとともにその一方の端部に液体センサ3を固定する箱型形状のセンサ固定部47と、を備え、第1から第3までの受熱面41a、42a、43aを相互に略直角方向に位置させている。
ここで、第1の受液部41は、破線の矢印Fで示した重力方向の液体の滴下に対応したもので、その外周側縁部に立設された外周壁41bは、一旦第1の受液面41aで受け止めた液体が液体センサ用受液容器40の外部に溢れ出るのを防止する作用があり、破線で示した液体センサ3を固定するセンサ固定部47の内部の液体センサ3の検出領域へ液体が確実に移送できるようにしている。
また、第1の受液面41aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、第1の受液面41aは、センサ固定部47に近づくに従って、破線の矢印Fで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、検出しようとする液体が、継続的に第1の受液面41aに滴下していくと、その第1の受液面41aで受け止められ、外部に溢れ出ることなく、重力の作用によりその第1の受液面41aの傾斜方向に沿って液体が円滑に流れ、センサ固定部47の内部の方向へその液体をより効率的に移送できるようにしている。
一方、第1の受液面41aの所定位置には、高さが0.5〜5.0mmの3本の平板状凸部44が、0.5〜2.0mmの間隔で隣り合って、センサ固定部47へ向かって直線状に形成されており、その3本の平板状凸部44に挟まれて2本の第1の溝部44aが配置されている。
そして、第1の受液面41aからその2本の第1の溝部44aに流入した液体には、その第1の溝部44aによる毛細管現象も作用しながら、その第1の溝部44aに連通するとともにその一方の端部に液体センサ3を固定するセンサ固定部47まで案内されるので、そのセンサ固定部47の内部の液体センサ3の検出領域への移送がより促進される。
また、第1の受液面41aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、2本の第1の溝部44aの底面も、平坦な第1の受液面41aと同様に、センサ固定部47に近づくに従って破線の矢印Fで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、その第1の溝部44aに流入した液体が重力の作用によりその第1の溝部44aの傾斜方向に沿って円滑に流れ、その第1の溝部44aに連通するセンサ固定部47の内部の液体センサ3の検出領域へより効率的に移送することができる。
しかも、その2本の第1の溝部44aがその第1の受液部41の第1の受液面41aの傾斜方向に沿って直線状に配置されているので、第1の溝部44aに流入した液体を、センサ固定部47の液体センサ3の検出領域へ最短距離で案内する作用があり、短時間での検出が可能となる。
次に、第2の受液部42は、破線の矢印Sで示した重力方向の液体の滴下に対応したもので、その外周側縁部に立設された外周壁42bは、一旦第2の受液面42aで受け止めた液体が液体センサ用受液容器40の外部に溢れ出るのを防止する作用があり、破線で示
した液体センサ3を固定するセンサ固定部47の内部の液体センサ3の検出領域へ液体が確実に移送できるようにしている。
また、第2の受液面42aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、第2の受液面42aは、センサ固定部47に近づくに従って、破線の矢印Sで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、検出しようとする液体が、継続的に第2の受液面42aに滴下していくと、その第2の受液面42aで受け止められ、外部に溢れ出ることなく、重力の作用によりその第2の受液面42aの傾斜方向に沿って液体が円滑に流れ、センサ固定部47の内部の方向へその液体をより効率的に移送できるようにしている。
一方、第2の受液面42aの所定位置には、高さが0.5〜5.0mmの3本の平板状凸部45が、0.5〜2.0mmの間隔で隣り合って、センサ固定部47へ向かって直線状に形成されており、その3本の平板状凸部45で挟まれて2本の第2の溝部45aが配置されている。
そして、第2の受液面42aから2本の第2の溝部45aに流入した液体には、その第2の溝部45aによる毛細管現象も作用しながら、その第2の溝部45aに連通するとともにその一方の端部に液体センサ3を固定するセンサ固定部47まで案内されるので、そのセンサ固定部47の内部の液体センサ3の検出領域への移送がより促進される。
また、第2の受液面42aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、2本の第2の溝部45aの底面も、平坦な第2の受液面42aと同様に、センサ固定部47に近づくに従って破線の矢印Sで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、その第2の溝部45aに流入した液体が重力の作用によりその第2の溝部45aの傾斜方向に沿って円滑に流れ、その第2の溝部45aに連通するセンサ固定部47の内部の液体センサ3の検出領域へより効率的に移送することができる。
しかも、その2本の第2の溝部45aがその第2の受液面42aの傾斜方向に沿って直線状に配置されているので、第2の溝部45aに流入した液体を、センサ固定部47の液体センサ3の検出領域へ最短距離で案内する作用があり、短時間での検出が可能となる。
さらに、第3の受液部43は、破線の矢印Tで示した重力方向の液体の滴下に対応したもので、その外周側縁部に立設された外周壁43bは、一旦第3の受液面43aで受け止めた液体が液体センサ用受液容器40の外部に溢れ出るのを防止する作用があり、破線で示した液体センサ3を固定するセンサ固定部47の内部の液体センサ3の検出領域へ液体が確実に移送できるようにしている。
また、第3の受液面43aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、第3の受液面43aは、センサ固定部47に近づくに従って、破線の矢印Tで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、検出しようとする液体が、継続的に第3の受液面43aに滴下していくと、その第3の受液面43aで受け止められ、外部に溢れ出ることなく、重力の作用によりその第3の受液面43aの傾斜方向に沿って液体が円滑に流れ、センサ固定部47の内部の方向へその液体をより効率的に移送できるようにしている。
一方、第3の受液面43aの所定位置には、高さが0.5〜5.0mmの3本の平板状凸部46が、0.5〜2.0mmの間隔で隣り合って、センサ固定部47へ向かって直線状に形成されており、その3本の平板状凸部46に挟まれて2本の第3の溝部46aが配置されている。
そして、第3の受液面43aからその2本の第3の溝部46aに流入した液体には、その第3の溝部46aによる毛細管現象も作用しながら、その第3の溝部46aに連通するとともにその一方の端部に液体センサ3を固定するセンサ固定部47まで案内されるので、そのセンサ固定部47の内部の液体センサ3の検出領域への移送がより促進される。
また、第3の受液面43aに液体が滴下され、液体センサ3が検知可能な使用状態において、2本の第3の溝部46aの底面も、平坦な第3の受液面43aと同様に、センサ固定部47に近づくに従って破線の矢印Tで示した重力方向へ下降するように傾斜しているので、その第3の溝部46aに流入した液体が重力の作用によりその第3の溝部46aの傾斜方向に沿って円滑に流れ、その第3の溝部46aに連通するセンサ固定部47の内部の液体センサ3の検出領域へより効率的に移送することができる。
しかも、その2本の第3の溝部46aがその第3の受液面43aの傾斜方向に沿ってその一部が直線状に配置されているので、第3の溝部46aに流入した液体を、センサ固定部47の液体センサ3の検出領域へ最短距離で案内する作用があり、短時間での検出が可能となる。
また、3方向に平坦な面を有する覆設部48は、センサ固定部47と一体成型されているが、第1の溝部44a、第2の溝部45a、及び第3の溝部46aのいずれに対しても、上から覆うのが可能なように3方向に平坦な面を有しており、それらの溝部44a、45a、46aと覆設部48を組み合わせて、それぞれの溝部44a、45a、46aと覆設部48の3方向の平坦な面との間に隙間48a(一部のみ図示)が形成されている。
そして、それらの溝部44a、45a、46aと覆設部48との間の隙間48aに流入した液体に対して毛細管現象による吸引力が作用し、その隙間48aでの液体の移送力を容易に大きくすることができ、センサ固定部47の内部の液体センサ3の検出領域への移送をより促進することができる。
以上説明したように、平坦な第1から第3の受液面41a、42a、43aのいずれかで受け止められた液体は、その受液面41a、42a、43aから直接的にセンサ固定部47の内部に移送され、あるいは平板状凸部44、45、46により挟まれたそれぞれの溝部44a、45a、46aに流入して移送され、そのいずれの溝部にも連通したセンサ固定部47の内部に到達するが、そのセンサ固定部47の内部が液体センサ3の検出領域となっているので、いずれかの受液面に滴下した液体が比較的微量であっても、その液体を効率的に液体センサ3の検出領域に移送でき、短時間での検出が可能となる。
つまり、この液体センサ用受液容器40が設置された方向に対応して、第1から第3の受液面41a、42a、43aのいずれかが滴下した液体を受け止め、それぞれの受液面に配置された溝部44a、45a、46aのいずれかがその液体を液体センサ3の検出領域、つまりセンサ固定部47の内部へ確実に移送できるようになっている。
ここで、液体センサ3には、2本のリード線3aが接続されており、そのリード線3aは、センサ固定部47の内部で直角方向に曲げられ上方へ引き出されているので、その液体センサ用受液容器40の外部の電子機器との電気的な接続が可能となっている。
なお、以上の実施の形態1〜3の説明においては、受液面に平板状凸部を一体的に形成してその受液面上に溝部が配置された場合について説明したが、例えばその下面に複数の平板状凸部を一体的に形成した覆設部、あるいはその下面に複数の平板状凸部を一体的に形成した別体の部材などを受液面上に配設して、受液面上にその平板状凸部により挟まれ
た溝部が配置されるような形態にしても構わないし、また単に受液面上に1乃至複数の凹部を形成して溝部が配置されるような形態としてもよい。
また、センサ固定部は、液体をより吸引しやすいように、液体センサを収容するような箱型形状にしてその内部と液体を移送する溝部とを連通させるのが好ましいが、そのような形態でなくても十分な検出が可能であれば、例えば、液体センサの一部または全部を露出させて、単に液体を移送する溝部の一方端にその液体センサを固定部材で固定するような形態でも構わない。
また、受液面上には直線状で複数の溝部を配置するのが好ましいが、そのサイズ、形状、数量は、以上の実施の形態で説明されたものに限定されず、例えばその形状を湾曲状や矩形状にしたり、あるいは大きさの制約を受ける場合などには複数個でなく1個にしたりしてもよい。
さらに、製造を容易にするために、覆設部とセンサ固定部とを一体成型品で構成したが、それらの構成要素を別々の部材で構成しても構わない