JP4736090B2 - 界面の構造を制御した調光ミラー - Google Patents

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Description

本発明は、透明な状態と鏡の状態がスイッチングできる調光ミラーに関するものであり、更に詳しくは、水素を含むガスと酸素を含むガスを用いて、ガラス等の透明材料を透明な状態と鏡の状態、もしくはその中間状態に自由にコントロールすることのできる調光ミラーにおいて、界面の構造を制御してスイッチングの耐久性及び応答性を高めた調光ミラー多層薄膜構造に関するものである。本発明は、調光ミラーのスイッチングの繰り返しに対する耐久性の飛躍的な向上、鏡状態へのスイッチングの速度の向上を可能とした調光ミラーの新しい多層薄膜構造を提供するものである。本発明の調光ミラーは、例えば、太陽光の透過率を制御して建物や乗り物内の熱暑感を軽減するために、調光機能を付加した建物や乗り物の窓ガラスや、物品に好適に使用することができる。
一般に、建物において、窓(開口部)は大きな熱の出入り場所になっている。例えば、冬の暖房時の熱が窓から流失する割合は48%程度であり、夏の冷房時に窓から熱が入る割合は71%程度にも達する。したがって、窓における光・熱をうまくコントロールすることにより、膨大な省エネルギー効果を得ることができる。調光ガラスは、このような目的で開発されたものであり、光・熱の流入・流出をコントロールする機能を有している。
このような調光ガラスの調光を行う方式には、いくつかの種類がある。それらのうち、 (1)電流・電圧の印加により可逆的に透過率の変化する材料をエレクトロクロミック材料といい、(2)温度により透過率が変化する材料をサーモクロミック材料といい、また、(3)雰囲気ガスの制御により透過率が変化する材料をガスクロミック(ガソクロミック)材料という。調光薄膜もエレクトロクロミック材料及びガスクロミック材料として使用することが可能で、電気的なスイッチング及び雰囲気ガスによるスイッチングができる。
電気的なスイッチングは、その制御性は非常に良いが、5層程度の多層薄膜を高品位に形成する必要があり、大型のガラスにする場合にコストが非常に高くなってしまうこと、及び大面積のスイッチングで変化速度が遅くなってしまうこと等の欠点がある。これに対して、ガスでスイッチングを行う方法は、制御性は劣るが、膜構造が簡単で、しかも大面積になっても早いスイッチングができることから、建物などに用いられる大型のガラスに適している。
ただ、酸化タングステンを初めとして、従来から知られている調光ガラスは、すべて調光層で光を吸収することにより調光を行うことをその原理としている。この場合、この種の調光ガラスは、調光層が光を吸収することにより熱を持ち、それがまた室内に再放射されるため、省エネルギー効果が低くなってしまうという欠点を持っている。これをなくすためには、光を吸収することにより調光を行うのではなく、光を反射することにより調光を行う必要がある。つまり、鏡の状態と透明な状態が可逆的に変化するような特性を有する材料が望まれていた。
このような、鏡の状態と透明な状態で変化する材料は長らく見つかっていなかったが、1996年にオランダのグループにより、薄くパラジウムでキャップしたイットリウムやランタンなどの希土類の水素化物が、水素により鏡の状態と透明な状態に変化することが発見され、このような材料が「調光ミラー(Switchable Mirror)」と命名された(非特許文献1)。
その後、希土類金属とマグネシウムの合金薄膜の水素化物(非特許文献2)や、マグネシウム・ニッケル合金の水素化物(非特許文献3)も調光ミラー特性を持つことが発見された。また、本発明者らのグループでは、マグネシウム・ニッケル合金の中でも、マグネシウム成分の多い、MgNix(0.1<x<0.3)が優れた光学特性を示すことを見出した(非特許文献4)。
従来、スイッチングすることのできる材料で、透明な基材の上に、蒸着した調光ミラー材料としては、イットリウムやランタン等の希土類金属の水素化物(特許文献1)、希土類金属とマグネシウム合金薄膜の水素化物(特許文献2)、マグネシウムと遷移金属の合金の水素化物(特許文献3)、及びマグネシウム薄膜(特許文献4)等が提案されているが、この中で、資源やコストの観点から、窓ガラスのコーティングに適しているのは、マグネシウム・ニッケル合金を用いたものである。
これらの調光ミラー薄膜材料は、いずれも水素を含む雰囲気に晒すと、水素化によって透明化し、酸素を含む雰囲気に晒すと、脱水素化によって金属状態に戻る。ただ、いずれの材料についても、はじめのうちは良好なスイッチング特性を示すものの、繰り返しに伴い、段々スイッチングしなくなるという劣化現象を示す。この調光ミラー材料の劣化は早く、どの材料を用いても150回程度で劣化してしまうものがほとんどで、どのような応用に用いるにしても、スイッチングの繰り返しに対する耐久性が不十分で、このことが、調光ミラーの実用化を阻む最大の障害になっていた。
特表平10−503858号公報 特表平11−514759号公報 米国特許出願公開第2002/0044717A1号公報 特開2003−261356号公報 特開2003−335553号公報 J.N.Huiberts,R.Griessen,J.H.Rector,R.J.Wijngaarden,J.P.Dekker,D.G.de Groot,N.J.Koeman,Nature 380(1996)231 Nagengast D.G,van Gogh A.T.M,Kooij E.S,Dam B,Griessen R.Appl.Phys.Lett.75(1999)2050 T.J.Richardson,J.L.Slack,R.D.Armitage,R.Kostecki,B.Farangis,and M.D.Rubin,Appl.Phys.Lett.78(2001)3047 K.Yoshimura,Y.Yamada and M.Okada:Appl.Phys.Lett.81(2002)4709
このような状況の中で、本発明者らは、スイッチングの繰り返しに対する耐久性を向上させた調光ミラー材料を開発することを目標として、まず、劣化のメカニズムを詳しく調べると共に、種々研究を積み重ねた結果、スイッチングの繰り返しに伴い、調光層であるマグネシウム合金層中のマグネシウムが触媒層であるパラジウム層をつきぬけて表面に析出し、その析出したマグネシウム層が酸化して酸化マグネシウムとなり、水素を通さなくなってしまうことが、劣化の大きな原因であること、劣化を抑えるためには、このマグネシウムの表面への析出を防止する必要があることを見出した。
そこで、本発明者らは、パラジウム層とマグネシウム合金層の間に、バッファ層を形成して、この表面析出を抑えることを種々試みると共に、様々な材料を検討した結果、適当な厚みのチタン等の薄膜をバッファ層として用いると、スイッチングに対する耐久性が飛躍的に向上することを見出し、また、このバッファ層の挿入により、脱水素化による透明状態から鏡の状態(金属状態)への復帰が早くなるという作用効果も得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、調光層と触媒層からなる調光ミラーにおいて、触媒層と調光層の間にバッファ層を設けることで、マグネシウムの析出を防止し、スイッチングの繰り返しに対する耐久性を向上させることを可能とした調光ミラー材料を提供することを目的とするものである。また、本発明は、このバッファ層の形成により、スイッチングの応答性を高めることを可能とした調光ミラー材料を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)透明な基材に、多層薄膜を形成した薄膜素子から成る調光ミラー材料であって上記多層薄膜が、調光層、バッファ層、及び触媒層から成り、上記調光層が、水素を含むガスにより鏡状態から透明状態に変化し、また、酸素を含むガスにより透明状態から鏡状態に変化する調光材料から構成されることを特徴とする調光ミラー材料。
(2)透明基材の上に、調光層として、Y−Mg、La−Mg、Gd−Mg、もしくはSm−Mgの希土類・マグネシウム合金、又は、Mg−Ni、Mg−Mn、Mg−Co、もしくはMg−Feのマグネシウム・遷移金属合金薄膜を形成した、前記(1)に記載の調光ミラー材料。
(3)調光層として、Mg−Ni合金を使用し、マグネシウム・ニッケルの合金組成がMgNix(0.1<x<0.3)である、前記(1)に記載の調光ミラー材料。
(4)調光層と触媒層の間にバッファ層として、チタン、ニオブ、又はバナジウムの金属薄膜を挿入した、前記(1)に記載の調光ミラー材料。
(5)調光層と触媒層の間に挿入するバッファ層の厚さが、1−5nmである、前記(4)に記載の調光ミラー材料。
(6)触媒層として、バッファ層の上に、パラジウム薄膜を形成した、前記(1)に記載の調光ミラー材料。
(7)任意の構成として、上記触媒層の上に、保護膜層を形成した、前記(1)に記載の調光ミラー材料。
(8)復層ガラスからなる調光ミラーガラス窓であって、前記(1)から(7)のいずれかに記載の調光ミラー材料を復層ガラスの片側に使用したことを特徴とする調光ミラーガラス窓。
(9)前記(1)から(7)のいずれかに記載の調光ミラー材料を用いて調光機能を付加したことを特徴とする調光ミラー機能を有する物品。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、新規な多層薄膜構造を持つ調光ミラー(”Switchable Mirror”と呼ばれることもある)に係るものである。調光ミラーは、透明な状態と鏡の状態(金属状態)、もしくはその中間状態に、スイッチングすることのできる材料で、透明な基材の上に、イットリウムやランタン等の希土類薄膜(特許文献1参照)、希土類金属とマグネシウム合金薄膜(特許文献2参照)、マグネシウムと遷移金属の合金薄膜(特許文献3参照)、もしくはマグネシウム薄膜(特許文献4参照)を蒸着したものがあり、これらの材料の中でも、材料コストの安さや、優れた光学特性などから、MgNi(0.1<x<0.3)が調光ミラーに適した材料である。
本発明の調光ミラー材料は、透明な基材に、多層薄膜を形成した薄膜素子であり、水素を含むガスにより鏡状態から透明状態に変化し、また、酸素を含むガスにより透明状態から鏡状態に変化する調光材料において、多層薄膜が、調光層、バッファ層、及び触媒層から成ることを特徴とするものである。本発明では、好適には、透明基材の上に、調光層として、Y−Mg、La−Mg、Gd−Mg、もしくはSm−Mgの希土類・マグネシウム合金、又は、Mg−Ni、Mg−Mn、Mg−Co、もしくはMg−Feのマグネシウム・遷移金属合金薄膜が形成される。また、調光層として、Mg−Ni合金を用いる場合は、マグネシウム・ニッケルの合金組成がMgNix(0.1<x<0.3)であることが好適である。これらの調光薄膜層は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、化学気相蒸着法(CVD)、めっき法等により作製することができる。しかし、これらの方法に制限されるものではない。調光薄膜層の厚さは10nmから300nmであることが好適である。
本発明では、この調光薄膜層の上にバッファ層が形成される。このバッファ層としては、好適には、例えば、チタン、ニオブもしくはバナジウムの金属薄膜が用いられる。しかし、これらに限定されるものではなく、これらと同効のものであれば同様に使用することができる。このバッファ層は、好適には、例えば、上記調光層の表面に1nm−5nmの厚さの上記金属薄膜をコートして形成される。しかし、触媒層の形成方法及びその形態は特に制限されない。上記バッファ層は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、化学気相蒸着法(CVD)、めっき法等により作製することができる。しかし、これらの方法に制限されるものではない。
このバッファ層の上に触媒層が形成される。この触媒層としては、好適には、例えば、パラジウムが用いられる。この触媒層は、好適には、上記マグネシウム薄膜の表面に0.5nm−10nmのパラジウムをコートして形成される。しかし、触媒層の形成方法及びその形態は特に制限されない。上記触媒層は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、化学気相蒸着法(CVD)、めっき法等により作製することができる。しかし、これらの方法に制限されるものではない。
上記調光層、バッファ層及び触媒層を透明部材ないしはガラス表面等の基板に形成することにより調光ミラーガラスが得られる。この場合、基板としては、好適には、例えば、アクリル、プラスチック、透明シート、ガラスが例示される。しかし、これらに限らず、これらと同効のものであれば同様に使用することができる。
この調光ミラーは、水素を含んだ雰囲気に晒すことで水素化が起こり、金属状態から透明状態に変化する。また、水素を含まず酸素を含む雰囲気に晒すことで脱水素化が起こり、透明状態から金属状態に変化する。調光層の上に触媒層を形成した従来型の調光ミラーは、最初のうちは良好なスイッチングを示し、大きな透過率変化を示すが、これを繰り返していくと劣化が起こり、段々と変化しなくなってしまう。それは、スイッチングの繰り返しによって、調光層中のマグネシウムが触媒層の表面に析出し、これが酸化して酸化マグネシウムとなり、水素の出し入れが起こりにくくなってしまうからである。
これに対して、調光層との触媒層の間に、バッファ層として、チタン薄膜、ニオブ薄膜、バナジウム薄膜等を形成した本発明の調光ミラーでは、スイッチングを繰り返しても、マグネシウムの触媒層表面への析出が抑制され、酸化が抑えられる。そのため、スイッチングの繰り返しに対する耐久性が飛躍的に向上する。
調光ミラーのスイッチングに伴う光学特性の変化を見ると、バッファ層がある場合と、ない場合では、鏡から透明状態への水素化に伴う変化はほとんど変わらない。このことは、バッファ層の形成で、マグネシウムの表面析出は抑制されるが、チタン、ニオブ、バナジウム等は水素の透過率が大きいため、調光層への水素の拡散はほとんど影響されないことを意味している。これに対して、透明状態から鏡状態への脱水素化に伴う変化は、バッファ層を形成したものの方が、バッファ層なしのものよりも早く変化する。
これは、バッファ層なしの場合は、触媒層の下にマグネシムだけの層が形成されて、これが脱水素化を疎外するのに対して、バッファ層をつけた場合は、マグネシウムだけの層は形成されず、マグネシウム合金層がバッファ層のすぐ下から形成されるためと思われる。従って、これらのバッファ膜の挿入により、耐久性が向上すると共に、鏡状態への変化が早くなるという、二重のメリットがあることになる。
本発明では、任意の構成として、触媒層の上に保護膜層を設けることができる。調光層は活性が高く酸化して劣化しやすいので、酸素を通しにくく、水素は良く透過する材料を保護膜層として用いる。この保護膜層を用いることで、耐久性を向上させることができる。この保護膜層として、好適には、例えば、酢酸セルロース、ポリ酢酸ビニル、エチレンセルロースなどの有機薄膜、もしくは、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム等の無機薄膜が例示される。有機薄膜は、例えば、スピンコーティング法、ディップコーティング法などでコーティングする。無機薄膜は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、化学気相蒸着法(CVD)、めっき法等により作製することができる。しかし、これらの方法に制限されるものではない。
調光ミラーを調光するには、水素を含むガスと酸素を含むガスを用いることができる。例えば、窓ガラスを構成する2重ガラスの内側に保護膜をつけた反射型光スイッチ薄膜をコーティングしてシールする。そして、例えば、窓ガラスの二箇所に穴を開け、一方には蓋付の排気孔、もう一方には、この間隙の空間に水を電気分解して得られる水素を送り込んだり、空気もしくは水の電気分解で得られる酸素を送り込んだりするユニット(雰囲気制御器)を取り付ける。この雰囲気制御器から水素を送り込むことで、自由にコントロールして透明状態にすることができる。もしくは、2重ガラスの内側にアルゴンガスを封入し、そのアルゴン雰囲気中に少量の水素ガスと酸素ガスを導入してスイッチングを行うことも可能である。
上記調光ミラー材料を復層ガラスの片側に使用することで調光ミラーガラス窓を構築することができる。また、本発明では、本発明の反射型光スイッチガラスは、上記窓材料だけでなく、あらゆる種類の物品にも広く用いることができる。それにより、例えば、プライバシー保護を目的とした遮蔽物や、鏡状態と透明状態に変わることを利用した装飾物及び玩具等にスイッチング機能を付加することができる。更に、本発明において、調光ミラー機能を有する物品とは、上記調光ミラーを装着して調光機能を付加したあらゆる種類の物品を包含するものとして定義される。本発明は、調光材料において、調光層と触媒層の間に金属薄膜のバッファ層を挿入した構造を有すること、それにより、調光ミラーのスイッチングに対する耐久性とスイッチング速度を飛躍的に高めたこと、により、従来の多層薄膜と比較して、構造及び機能の点で本質的に相違するものである。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)調光ミラーにおいて、調光層と触媒層の間にバッファ層を挿入することで、スイッチングの繰り返しに対する耐久性を飛躍的に向上させることができる。
(2)また、調光層及び触媒層からなる調光ミラーにおいて、調光層と触媒層の間に上記バッファ層を形成することにより、調光ミラーのスイッチング速度を速くすることができる。
(3)本発明により、スイッチングに対する耐久性とスイッチング速度を飛躍的に高めた希土類−Mg系、Mg−遷移金属系調光ミラーを提供することができる。
(4)本発明により、実用に供することのできる調光ミラーガラス窓が実現できる。
次に、本発明を実施例に基づいて具休的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
参照用の試料として、まず、ガラス基板上にマグネシウム・ニッケル合金薄膜とパラジウム薄膜をバッファ層なしでつけた試料を作製した。これらの成膜には、マグネトロンスパッタ銃を5個備えたスパッタ装置を用いた。スパッタ銃の内の4つに、ターゲットとして、それぞれ、金属マグネシウム、金属ニッケル、金属パラジウム、それに、金属チタンをセットした装置で成膜を行った。基板としては、大きさ30mm×30mm、厚さ1mmのガラス板を用い、これを洗浄後、真空装置の中にセットして真空排気を行った。
成膜にあたっては、まず、マグネシウム・ニッケルをスパッタしてマグネシウム・ニッケル合金薄膜を作製した。スパッタ中のアルゴンガス圧は、0.8Paであり、直流スパッタ法によりマグネシウムに30W、ニッケルに11Wのパワーを加えてスパッタを行い、ほぼMgNiに近い組成を持つ合金薄膜を作製した。その後、同じ真空条件で、6Wのパワーを加えて、マグネシウム・ニッケル合金薄膜上にパラジウム薄膜の蒸着を行ってPd/MgNi薄膜を作製した。得られた調光ミラー薄膜におけるMgNi層の膜厚は約40nm、パラジウム層の厚さは約4nmであった。
この試料のスイッチング特性を、図1(a)に示したような調光ミラー特性評価装置で評価した。ガラス基板上に作製した調光ミラー薄膜が内側になるように、もう一枚のガラスとシリコンゴムのスペーサーを用いて張り合わせ、その間の空間にアルゴンで4%に希釈した水素ガスを流したり、止めたりすることにより、スイッチングを行った。蒸着直後のPd/MgNi薄膜(保護膜なし)は、金属光沢を持つ鏡の状態になっていたが、水素ガスを流すと、数秒で透明な状態に変わった。水素ガスを止めると端面から空気が入ってきて2−3分で鏡の状態に戻った。このときの波長670nmにおける透過率の変化を半導体レーザとシリコンフォトダイオードを用いて測定した。図1(b)に、調光ミラー特性評価装置の写真を示す。
図2に、この評価装置で測定したPd/MgNi薄膜のスイッチング特性を示す。30秒間4%の水素ガスを流すと、金属状態から透明状態に変化し、透過率が上がった。次に、300秒間水素ガスを止めると、上部から空気により脱水素化が起こり透明状態から金属状態に戻り、透過率が下がった。最初のうちは大きな透過率変化を示していたが、これを繰り返すと段々変化幅が小さくなっていった。120回を越えると、この減少の割合が大きくなり、170回を越えるとほとんど変化しなくなった。これらは、スイッチングの繰り返しによる劣化によるものである。
実施例1と同じ成膜装置を用いて、ガラス基板上に、まず、約40nmの厚さのMgNi層を作製し、その後、真空中で、金属チタンをバッファ層として2nm蒸着した。その後、更に、真空中で、パラジウムを4nm蒸着した。図3に、図2の場合と同じ条件で、4%水素を用いたスイッチングを行った場合の光学透過率の変化を示す。図2の場合と比べて、400回までのスイッチングでほとんど劣化が起きておらず、耐久性が飛躍的に向上していることがわかる。
また、チタン薄膜をバッファ層として挿入した試料とバッファ層なしの試料について、スイッチングの応答性を調べた。図4は、これらの試料について、1回目のスイッチングの応答性を示したものである。どちらの試料でも、水素を入れて鏡の状態から透明な状態に変化するときの変化は早く、約3秒で変化している。これに対して、バッファ層なしの試料では、水素を止めて透明な状態から鏡の状態に戻る時の変化は遅く、2分程度かかっているのに対して、チタン薄膜をバッファ層として挿入した試料では、スイッチング速度が速くなり、40秒程度で元の状態に戻っている。
5源スパッタ装置のうちの4つのスパッタ銃に、ターゲットとして、それぞれ、金属マグネシウム、金属ニッケル、金属パラジウム、それに、金属ニオブをセットした装置で成膜を行った。ガラス基板上に、まず、約40nmの厚さのMgNi層を作製し、その後、真空中で金属ニオブをバッファ層として2nm蒸着した。その後、更に、真空中で、パラジウムを4nm蒸着した。図5に、図2の場合と同じ条件で、4%水素を用いてスイッチングを行った場合の光学透過率の変化を示す。この試料では、図2のバッファなしの場合と比べて、400回までのスイッチングによる劣化は少なく、耐久性が飛躍的に向上していることがわかる。
5源スパッタ装置のうちの4つのスパッタ銃に、ターゲットとして、それぞれ、金属マグネシウム、金属ニッケル、金属パラジウム、それに、金属バナジウムをセットした装置で成膜を行った。ガラス基板上に、まず、約40nmの厚さのMgNi層を作製し、その後、真空中で金属バナジウムをバッファ層として2nm蒸着した。その後、更に、真空中で、パラジウムを4nm蒸着した。図6に、図2の場合と同じ条件で、4%水素を用いてスイッチングを行った場合の光学透過率の変化を示す。この試料では、チタン、バナジウム薄膜を形成した場合と同様に、図2のバッファなしの場合と比べて、400回までのスイッチングによる劣化は少なく、耐久性が飛躍的に向上していることがわかる。
調光層として、ガドリニウム・マグネシウム合金を用いた例を示す。5源スパッタ装置のうちの4つのスパッタ銃に、ターゲットとして、それぞれ、金属マグネシウム、金属ガドリニウム、金属パラジウム、それに、金属チタンをセットした装置で成膜を行った。ガラス基板上に、まず、ガドリニウムとマグネシウムの同時スパッタにより約100nmの厚さのGd−Mg層を作製した。組成は、GdMgに近くなるように、それぞれのターゲットにかかるパワーを調整した。その後、真空中で金属チタンを2nm蒸着した。その後、更に、真空中で、パラジウムを4nm蒸着した。
図7に、Gd−Mg薄膜のスイッチングの応答性能を示す。調光層としてマグネシウム・ニッケル合金を用いた場合と同様、水素を導入すると、水素化が起こって透明になり、空気を導入すると、脱水素化が起こって金属状態に戻った。ただ、変化の起こるスピードは、マグネシウム・ニッケルの場合に比べて遅かった。バッファ層を挿入しない場合は、20回程度までしかスイッチングできなかったが、チタンをバッファ層として挿入したものでは、200回程度までスイッチングすることができた。
以上詳述したように、本発明は、多層薄膜構造を有する調光ミラー材料の界面の構造を制御した調光ミラーに係るものであり、本発明により、調光ミラーにおいて、調光層と触媒層の間にバッファ層を挿入することで、スイッチングに対する耐久性を飛躍的に高めると共に、スイッチングの応答性能も向上させることを可能とした調光ミラー材料を提供することができる。本発明は、調光ミラー材料の透明な状態と鏡の状態のスイッチングに対する耐久性を大幅に向上させた新しい調光ミラー多層薄膜構造を提供するものとして有用である。
調光ミラー特性評価装置の概略図を示す。 バッファ層なしの試料のスイッチング特性を示す。 チタン薄膜をバッファ層として挿入した試料のスイッチング特性を示す。 チタン薄膜をバッファ層として挿入した試料の応答性を示す。 ニオブ薄膜をバッファ層として挿入した試料のスイッチング特性を示す。 バナジウム薄膜をバッファ層として挿入した試料のスイッチング特性を示す。 Gd−Mg薄膜の応答性を示す。

Claims (9)

  1. 透明な基材に、多層薄膜を形成した薄膜素子から成る調光ミラー材料であって上記多層薄膜が、調光層、バッファ層、及び触媒層から成り、上記調光層が、水素を含むガスにより鏡状態から透明状態に変化し、また、酸素を含むガスにより透明状態から鏡状態に変化する調光材料から構成されることを特徴とする調光ミラー材料。
  2. 透明基材の上に、調光層として、Y−Mg、La−Mg、Gd−Mg、もしくはSm−Mgの希土類・マグネシウム合金、又は、Mg−Ni、Mg−Mn、Mg−Co、もしくはMg−Feのマグネシウム・遷移金属合金薄膜を形成した、請求項1に記載の調光ミラー材料。
  3. 調光層として、Mg−Ni合金を使用し、マグネシウム・ニッケルの合金組成がMgNix(0.1<x<0.3)である、請求項1に記載の調光ミラー材料。
  4. 調光層と触媒層の間にバッファ層として、チタン、ニオブ、又はバナジウムの金属薄膜を挿入した、請求項1に記載の調光ミラー材料。
  5. 調光層と触媒層の間に挿入するバッファ層の厚さが、1−5nmである、請求項4に記載の調光ミラー材料。
  6. 触媒層として、バッファ層の上に、パラジウム薄膜を形成した、請求項1に記載の調光ミラー材料。
  7. 任意の構成として、上記触媒層の上に、保護膜層を形成した、請求項1に記載の調光ミラー材料。
  8. 復層ガラスからなる調光ミラーガラス窓であって、請求項1から7のいずれかに記載の調光ミラー材料を復層ガラスの片側に使用したことを特徴とする調光ミラーガラス窓。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の調光ミラー材料を用いて調光機能を付加したことを特徴とする調光ミラー機能を有する物品。
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