JP4735294B2 - 映像信号の符号化伝送及び復号方法 - Google Patents

映像信号の符号化伝送及び復号方法 Download PDF

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Description

本発明は、効率的な信号伝送を図るデータ量の圧縮を目的として、映像信号の符号化伝送及び復号をなす符号化伝送及び復号方法に関する。
映像信号の符号化及び復号処理についての国際規格である「MPEG2 Video(以下、MPEG2と略称する)」方式は、デジタル放送における信号伝送方式として、あるいはDVD等における信号記録及び再生方式として広く利用されている(非特許文献1及び2参照)。かかる方式においては、符号化あるいは復号処理の対象となる非圧縮映像信号(原信号とも称する)は8ビットの量子化が為された信号とする必要がある。
ところで、SDTV(Standard definition television)方式あるいはHDTV(High definition television)方式の映像信号に対して、MPEG2による符号化及び復号処理を適用することが考えられる。日本国内のSDTV方式の場合、その映像信号は、輝度(Y)信号及び色差(Cb及びCr)信号の各コンポーネント信号からなる信号である。これらのコンポーネント信号は、SDTV方式の場合にSMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)125M規格で規定され最大10ビットの量子化精度が確保されると共に、HDTVの場合にもSMPTE274M規格で規定され最大10ビットの量子化精度が確保されている。
それ故、SDTV方式あるいはHDTV方式におけるコンポーネント信号にMPEG2による符号化及び復号処理を施すことは、量子化精度を10ビットから8ビットに低下させることになる。これは、SDTV方式及びHDTV方式本来の高品質画像を劣化させてしまうことになる。
高品質画像を劣化を防止する方法としては、例えば、特許文献1に開示された技術がある。かかる技術は、映像信号の含まれる映像画面を構成する画素と表示ラインとのマトリクスであるブロック単位毎にそのダイナミックレンジを算出して、該算出結果に応じて量子化ビット数を適宜切り換えることにより映像信号の画像品質を低下させないようにできるとするものである。
ISO/IEC13818−2 ITU−T Rec.H.262 特許第3225667号
しかしながら、かかる従来技術は、MPEG2等の既存の符号化あるいは復号装置に対して改良を試みる技術であり、そのために装置の複雑化やこれに起因する装置の大型化を招く問題があった。
本発明の目的は、処理の簡素化と装置規模の小型化を図りつつ、画像品質の劣化を防止する符号化伝送及び復号方法を提供することである。
請求項1に係わる発明は、量子化ビット長M(Mは3以上の整数)の複数の画素データを含み且つ垂直方向X1画素・水平方向Y1ライン(X1及びY1は自然数)の小フレームの連続からなる入力映像信号を圧縮符号化して伝送する符号化伝送方法であり、前記画素データの各々を、当該画素データ中から下位(M−N)ビット(NはM/2<N<Mを充足する整数)を取り除いてなる第1分割画素データと、当該画素データの下位Nビットからなる第2分割画素データと、当該画素データの下位Nビットに所定嵩上げ数値を加算した第3分割画素データとの3つに分割し、前記第1〜第3分割画素データ群毎に前記小フレームと同一サイズの1つの分割画素フレームを生成する分割ステップと、前記群毎の各分割画素フレームを、垂直方向X2画素・水平方向Y2ライン(X1及びY1はX2>X1及びY2>Y1を充足する自然数)の大フレーム内に配置することにより、前記入力映像信号を前記大フレームの連続からなる変換映像信号に変換する変換ステップと、前記変換映像信号に対して動画圧縮符号化処理を施して圧縮映像信号を得る圧縮符号化ステップと、前記圧縮映像信号を伝送する伝送ステップと、を含む。
請求項に係わる発明は、請求項1記載の圧縮映像信号を取り込み、これを伸長復号して出力映像信号を出力する復号方法であり、前記圧縮映像信号に対して動画伸長復号処理を施して、前記大フレームを形成する変換映像信号を再生する変換映像信号再生ステップと、前記変換映像信号から前記第1〜第3分割画素データを抽出し、前記第1〜第3分割画素データのうちの何れか1に(M−N)ビット分を付加することにより量子化ビット長Mの画素データを得る画素データ合成ステップと、前記画素データを前記小フレームに配置し、前記小フレームを形成する出力映像信号を生成する出力映像信号生成ステップと、を含む
本発明による符号化伝送及び復号方法によれば、既存の符号化回路や復号回路を有効利用し得る構成が与えられる。これにより、処理の簡素化と装置規模の小型化を図りつつ、画像品質の劣化を防止することができる。
本発明の実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明において、画素データとは、映像信号を構成する各画素の輝度あるいは色差の強度(階調)を担う10ビット長または8ビット長のビット群を意味するものとして用いる。また、画素データの表記として、10ビット量子化された輝度信号(Y信号)の画素データは、[y9:0]で示され、その分割ビットの表記として、例えば、その上位2ビットが[y9:8]の如くして示される。
図1は、本発明による実施例を示し、符号化及び復号システムを含む全体の構成を示している。符号化及び復号システムは、伝送路300を介して接続される符号化装置100及び復号装置200とから構成される。符号化装置100は、外部からの入力映像信号を原信号として取り込み、これを符号化して圧縮映像信号を得て、これを伝送路300を介して復号装置200に向けて送出する装置である。復号装置200は、伝送路300を介して送出された圧縮映像信号を取り込み、これを復号して映像信号を再生し、これを出力映像信号として外部に出力する装置である。
ここで、入力及び出力映像信号は、10ビット量子化されたSDTV方式の非圧縮映像信号である。SDTV方式の映像は、525ライン/59.94フィールド、2:1インターレースで表示される。その映像信号は、輝度(Y)信号及び2つの色差(Cb,Cr)信号を含む複数のコンポーネント信号からなる。Y信号は標本化周波数13.5MHzで標本化され、Cb及びCr信号は標本化周波数6.75MHzで標本化されている。
一方、圧縮映像信号は、8ビット量子化されたHDTV方式の映像信号をMPEG2方式により圧縮した信号である。HDTV方式の映像は、1125ライン/59.94フィールド、2:1インターレースで表示される。その映像信号は、やはり輝度(Y)信号及び2つの色差(Cb及びCr信号)信号を含む複数のコンポーネント信号からなる。Y信号は標本化周波数74.18MHzで標本化され、Cb及びCr信号は標本化周波数37.09MHzで標本化されている。HDTV方式の映像信号に対する符号化処理及び復号処理は、通常のMPEG2規格に従い、16ライン×16画素のマクロブロック単位に実行される。
尚、以下の説明において、説明の容易性から輝度信号(Y信号)についてのみ説明されるが、本発明の実施形態は、映像信号は当然に輝度信号(Y信号)のみならず、2つの色差信号(Cb及びCr信号)についても同様の構成を含む。
図2は、図1に示した符号化部10の詳細構成を示している。符号化装置100は、フィールドメモリ1と、SDTVタイミング信号発生部2と、HDTVタイミング信号発生部3と、加算回路4と、選択回路5と、符号化回路6とを含む。
フィールドメモリ1は、入力される入力映像信号、すなわち本説明ではY信号を記憶するメモリであり、3つのバンク1a〜1cに分割されて、その各々に同一の1フィールド分のY信号が記憶される。3つのバンク1a〜1cからのY信号の読出は並列して独立に実行され得る。SDTVタイミング信号発生部2は、書込タイミング信号をフィールドメモリ1に供給し、フィールドメモリ1に入力されるY信号の書込制御を行う回路である。HDTVタイミング信号発生部3は、読出タイミング信号をフィールドメモリ1に供給し、フィールドメモリ1の読出制御を行う回路である。加算回路4は、フィールドメモリ1から読み出されたY信号の画素データの下位8ビット[y7:0]に対して数値128を加算し、嵩上げされた下位8ビット(C)を生成する回路である。
選択回路5は、フィールドメモリ1から読み出されたY信号の各画素データの上位8ビット[y9:2](A)と、各画素データの下位8ビット[y7:0](B)と、前述の嵩上げされた下位8ビット(C)とからなる3つを選択的に切り替えることにより、3つの画素データの各々の出力タイミング調整することによりHDTV方式のフォーマットにマッピングして出力する回路である。符号化回路6は、選択回路5から出力されるHDTV方式のフォーマットのY信号を、動画圧縮符号化処理としてMPEG2規格に基づく通常の符号化を行って符号化データを生成し、これを圧縮映像データとして伝送路300(図1参照)に供給する回路である。
図2を参照しつつ、符号化装置100の動作について説明すると、符号化装置100は、入力映像信号として、SDTV方式の10ビットの輝度信号(Y信号)を処理する。符号化装置100は、10ビットのY信号を[y9:0]とし、それをフィールドメモリ1に書き込む。書き込まれたY信号は、画素データの上位8ビット[y9:2]と、下位8ビット[y7:0]と、下位8ビット[y7:0]に128が加算された嵩上げされた下位8ビットとして、HDTVタイミング信号発生回路からのタイミング信号に従って読み出される。フレーム内の全画素の上位8ビット[y9:2]から分割画素データ群(A)が形成され、フレーム内の全画素の下位8ビット[y7:0]から分割画素データ群(B)が形成され、フレーム内の全画素の嵩上げされた下位8ビットから分割画素データ群(C)が形成される。
複数の分割画素データの各々は、選択回路5による選択によりHDTV方式のフォーマットにマッピングされ変換映像信号として出力される。該変換映像信号に含まれる画素データは、8ビットの画素データであり、符号化回路6に供給される。符号化回路6は、供給されたHDTV方式のフォーマットのY信号をマクロブロック単位に符号化処理することで符号化データを生成し、これを圧縮映像信号として外部に出力する。
図3は、SDTVフォーマットをHDTVフォーマットにマッピングするマッピング例を示している。ここで、領域50は、1フレーム当り1920画素×1080ラインからなるHDTV信号フォーマットである。一方、SDTV信号フォーマットにおける有効画素数は、1フレーム当たり720画素×480ラインである。
そこで、本実施例におけるマッピング例は、分割画素データ群(A)を領域50の左上の領域51内にマッピングする。また、分割画素データ群(B)を領域50の右上の領域52内にマッピングする。分割画素データ群(C)を右下の領域53内にマッピングする。尚、領域51〜53以外の領域についても映像信号の一部として符号化がなされるが、A、B、C以外の領域に映像領域以外の制御信号をマッピングすることで符号化部の制御を行って符号化効率を高めることも可能となる。
各分割画素データ群(A、B及びC)について説明すると、分割画素データ群(A)を形成するY信号[y9:2]は、10ビット量子化を8ビット量子化に減縮することで低画質化された映像信号である。一方、分割画素データ群(B)を形成するY信号[y7:0]は、上位2ビットの変化が捨象され、すなわち256階調以上のダイナミックな変化を無視した映像信号である。さらに、分割画素データ群(C)を形成するY信号[y7:0]+[128]は、上位2ビットの変化が捨象され、階調が“128”嵩上げされた上で256階調以上のダイナミックな変化を無視した映像信号である。
図4は、本発明の基本的な原理を説明している。10ビットの画素データ61は、0〜256と、256〜512、512〜768及び768〜1024の範囲a、b、c及びdの各々に分割して示される。
ここで、あるマクロブロック内の複数の画素データの値が、各範囲a、b、c及びdの何れか1つの範囲内(256階調内)にある場合には、当該マクロブロック内における画素データの上位2ビットの値は一致するはずである。例えば、範囲d内にある複数の画素データの各々の上位2ビットは、全て“00”である。それ故、かかる場合は、入力映像信号について下位8ビットの符号化及び復号処理を行っても入力映像信号の量子化精度を保証することができるはずである。かかる入力映像信号を図3に示されたY信号[y7:0](B)とすることができる。
一方、あるマクロブロック内の複数の画素データの各値が、範囲a、b、c及びdのうちの2つ以上の領域に跨って存在する場合は、8ビットの信号としてはその連続性を保証することができない。そこで、10ビットの画素データ[y9:0]に数値128を加算した値{[y9:0]+128}を考える。参照符号63に示すように、当該マクロブロック内の画素データが範囲a’、b’、c’及びd’の何れか1つの範囲内(256階調内)にあれば、やはり画素データの上位2ビットは一致する。それ故、かかる場合においても、入力映像信号の量子化精度を保証することができることになる。かかる入力映像信号を図3に示されたY信号[y7:0]+[128](C)とすることができる。
図5は、図1に示した復号部20の詳細構成を示している。復号装置200は、復号回路11と、フィールドメモリ12と、HDTVタイミング発生回路13と、SDTVタイミング発生回路14と、加算回路15と、検出回路16と、ブロック/ライン変換回路17と、9つのビット合成回路18〜26と、選択部27とを含む。
復号回路11は、伝送路300(図1参照)から供給される圧縮映像データを、前述の符号化回路6(図2参照)に対応する動画伸長復号処理としてMPEG2に基づく復号処理を行ってHDTV方式のフォーマットのY信号を復元する復号回路である。フィールドメモリ12は、5つのバンク12a〜12eに分割されてその各々に、復号回路11から入力されるHDTV方式のフォーマットのY信号の1フィールド分を等しく記憶するメモリである。HDTVタイミング信号発生部13は、書込タイミング信号をフィールドメモリ12に供給し、フィールドメモリ12に入力されるY信号の書込制御を行う回路である。SDTVタイミング信号発生部14は、読出タイミング信号をフィールドメモリ12に供給し、フィールドメモリ12からのY信号の読出制御を行う回路である。
フィールドメモリ12からのY信号の読出について説明すると、バンク12aから画素データの上位3ビット[y9:7](D)が、符号化及び復号処理におけるマクロブロック(通常、16画素×16ライン)単位に読み出される。バンク12bから画素データの上位8ビット[y9:2](A)が読み出され、バンク12cから画素データの下位8ビット[y7’:0](B)が読み出され、バンク12dから画素データの嵩上げされた下位8ビット[y7”:0](C)が読み出される。バンク12b〜12dからの読出は、SDTV方式のフォーマットに従ったタイミングで読み出される。
複数のビット合成回路18〜26の各々は、フィールドメモリ12から読み出された8ビットの画素データに適切な2ビットを組み合わせることで10ビットの画素データを合成する回路である。
ビット合成回路18は、Y信号の上位8ビット[y9:2](A)を4倍することで、出力Y信号[y9:0]=[y9, y8, y7, y6, y5, y4, y3, y2、0, 0]を出力する回路である。ビット合成回路19は、Y信号の下位8ビット[y’7:0](B)に数値768を加算することで、上位2ビットを[11]とする演算を行い、出力Y信号[y9:0]=[1, 1, y’7, y’6, y’5, y’4, y’3, y’2, y’1, y’0]を出力する回路である。ビット合成回路20は、Y信号の下位8ビット[y’7:0](B)に数値512を加算することで、上位2ビットを[10]とする演算を行い、出力Y信号[y9:0]=[1, 0, y’7, y’6, y’5, y’4, y’3, y’2, y’1, y’0]を出力する回路である。ビット合成回路21は、Y信号の下位8ビット[y’7:0](B)に数値256を加算することで、上位2ビットを[01]とする演算を行い、出力Y信号[y9:0]=[0, 1, y’7, y’6, y’5, y’4, y’3, y’2, y’1, y’0]を出力する回路である。ビット合成回路22は、Y信号の下位8ビット[y’7:0](B)をそのままにして、上位2ビットを[00]とする演算を行い、出力Y信号[y9:0]=[0,0, y’7, y’6, y’5, y’4, y’3, y’2, y’1, y’0]を出力する回路である。
ビット合成回路23は、Y信号の下位8ビット[y’’7:0](C)に数値640を加算する、すなわち、上位2ビットを[11]とし且つ下位8ビットを{[y”7:0−[128]}とする演算を行い、出力Y信号[y9:0]=[1, 1, y”7, y”6, y”5, y”4, y”3, y”2, y”1, y”0]−[128]を出力する回路である。ビット合成回路24は、Y信号の下位8ビット[y’’7:0](C)に数値384を加算する、すなわち、上位2ビットを[10]とし且つ下位8ビットを{[y”7:0−[128]}とする演算を行い、出力Y信号[y9:0]=[1, 0, y”7, y”6, y”5, y”4, y”3, y”2, y”1, y”0]−[128]を出力する回路である。ビット合成回路25は、Y信号の下位8ビット[y’’7:0](C)に数値128を加算する、すなわち、上位2ビットを[01]とし且つ下位8ビットを{[y”7:0−[128]}とする演算を行い、出力Y信号[y9:0]=[0, 1, y”7, y”6, y”5, y”4, y”3, y”2, y”1, y”0]−[128]を出力する回路である。ビット合成回路26は、Y信号の下位8ビット[y’’7:0](C)に数値128を減算する、すなわち、上位2ビットを[00]とし且つ下位8ビットを{[y”7:0−[128]}とする演算を行い、出力Y信号[y9:0]=[0, 0, y”7, y”6, y”5, y”4, y”3, y”2, y”1, y”0]−[128]を出力する回路である。
加算回路15は、1つのマクロブロックに含まれる全ての画素データの上位3ビット[y9:7](D)の各々に1を加えて、その上位2ビット[y’9, y’8]を検出回路16に供給する回路である。この加算は下位8ビット[y7:0]に[128]を加算することと等価である。
検出回路16は、フィールドメモリ12読み出された上位2ビット[y9:8](D)の状態と、加算回路15から出力された上位2ビット[y’9, y’8]の状態とに応じて最適な量子化10ビットの信号を選択するため選択信号を生成する回路である。ブロック/ライン変換回路17は、マクロブロック単位に得られる選択信号をライン単位に変換する回路である。選択回路27は、ライン単位に変換された選択信号に基づいて複数のビット合成回路18〜26の出力の内から最適なものを選択する回路である。
尚、選択信号の生成には、フィールドメモリ12におけるブロック単位の読み出し制御と、ブロック/ライン変換回路17のブラック/ライン変換とによる処理遅延時間が発生するが、この遅延時間を考慮してフィールドメモリ12からの出力A、B、Cの読み出しを遅延制御することにより遅延補償する。
検出回路16における選択信号の生成は、以下に示されるアルゴリズムにより行われる。ここで、フィールドメモリ12からの上位2ビット[y9, y8]と加算回路15からの上位2ビット[y’9, y’8]との各状態に応じて異なる処理が行われる。
(1)マクロブロック内の全ての[y9, y8]が一致せず、且つ全ての[y’9, y’8]も一致しない場合には、ビット合成回路18からのY信号、すなわち上位8ビット[y9, y2](A)と、下位2ビット[0、0]とを合成したY信号を選択する。
(2)マクロブロック内の全ての[y9, y8]が一致し且つ[y9, y8]=[1, 1]である場合には、ビット合成回路19からのY信号、すなわち上位2ビット[1, 1]と下位8ビット[y’7:0](B)とを合成したY信号を選択する。
(3)マクロブロック内の全ての[y9, y8]が一致し且つ[y9, y8]=[1, 0]である場合には、ビット合成回路20からのY信号、すなわち上位2ビット[1, 0]と下位8ビット[y’7:0](B)とを合成したY信号を選択する。
(4)マクロブロック内の全ての[y9, y8]が一致し且つ[y9, y8]=[0, 1]である場合には、ビット合成回路21からのY信号、すなわち上位2ビット[0, 1]と下位8ビット[y’7:0](B)とを合成したY信号を選択する。
(5)マクロブロック内の全ての[y9, y8]が一致し且つ[y9, y8]=[0, 0]である場合には、ビット合成回路22からのY信号、すなわち上位2ビット[0, 0]と下位8ビット[y’7:0](B)とを合成したY信号を選択する。
(6)マクロブロック内の全ての[y’9, y’8]が一致し且つ[y’9, y’8]=[1, 1]である場合には、ビット合成回路23からのY信号、すなわち上位2ビット[1, 1]と、嵩上げされた下位8ビット[y’’7:0](C)とを合成したY信号を選択する。
(7)マクロブロック内の全ての[y’9, y’8]が一致し且つ[y’9, y’8]=[1, 0]である場合には、ビット合成回路24からのY信号、すなわち上位2ビット[1, 0]と、嵩上げされた下位8ビット[y’’7:0](C)とを合成したY信号を選択する。
(8)マクロブロック内の全ての[y’9, y’8]が一致し且つ[y’9, y’8]=[0, 1]である場合には、ビット合成回路25からのY信号、すなわち上位2ビット[0, 1]と、嵩上げされた下位8ビット[y’’7:0](C)とを合成したY信号を選択する。
(9)マクロブロック内の全ての[y’9, y’8]が一致し且つ[y’9, y’8]=[0, 0]である場合には、ビット合成回路26からのY信号、すなわち上位2ビット[0, 0]と、嵩上げされた下位8ビット[y’’7:0](C)とを合成したY信号を選択する。
選択回路27は、検出回路16により決定され且つブロック/ライン変換回路17によりライン単位に変換された選択信号により、ビット合成回路18〜26からの何れかのY信号を選択してY信号[y9, y0]として出力する。
以上の実施例において、MPEG2に基づく通常の符号化回路及び復号回路をそのまま使用して、量子化精度を落とすことなく高画質の映像信号を伝送あるいは記録再生することができる。また、複数系統の符号化回路及び復号回路を準備することなく、1系統の符号化回路及び復号回路で構成することができる。これにより、複数系統間の同期を考慮する必要がなく、回路構成の単純化と共に、装置規模を縮小することができる。
尚、以上の実施例の説明において、入力出力映像信号は10ビット量子化された画素データからなると説明されたが、本発明はかかる実施例に限定されない、入力出力映像信号の量子化ビット長をMとすると、Mは3以上の整数であれば良い。従って、例えば量子化ビット長を12ビットとする場合にも本発明を適用することにより、同様の効果を得ることができる。
また、画素データを上位8ビット及び下位8ビットに分割して分割画素データを生成する形態が説明されたが、NはM/2<N<Mを充足する整数であれば良い。例えば、M=10の場合、Nは6、7、8及び9のうちの何れか1つの値である。さらに、SDTV方式のフォーマットをHDTV方式のフォーマットに変換する形態が示されたが、前者のフォーマットにより形成されるフレームサイズを垂直方向X1個の画素・水平方向Y1本のラインとし且つ後者のフォーマットにより形成されるフレームサイズを垂直方向X2個の画素・水平方向Y2本のラインとすると、X1、Y1、X2及びY2は自然数であり且つX2>X1及びY2>Y1の条件を充足すれば良い。
本発明による符号化伝送及び復号方法は、伝送システムに適用する形態に限られず、映像信号を記録及び再生するシステムに適用する形態とすることもできる。
本発明による実施例を示し、符号化及び復号システムを含む全体の構成を示すブロック図である。 図1に示した符号化部10の詳細構成を示すブロック図である。 SDTVフォーマットをHDTVフォーマットにマッピングするマッピング例を示す模式図である。 本発明の基本的な原理を説明する模式図である。 図1に示した復号部20の詳細構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 フィールドメモリ
1a〜1c バンク
2 SDTVタイミング信号発生回路
3 HDTVタイミング信号発生回路
4 加算回路
5 選択回路
6 符号化回路
11 復号回路
12 フィールドメモリ
12a〜12d バンク
13 HDTVタイミング信号発生回路
14 SDTVタイミング信号発生回路
15 加算回路
16 検出回路
17 ブロック/ライン変換回路
27 選択回路
18〜26 ビット合成回路
100 符号化装置
200 復号装置
300 伝送路

Claims (7)

  1. 量子化ビット長M(Mは3以上の整数)の複数の画素データを含み且つ垂直方向X1画素・水平方向Y1ライン(X1及びY1は自然数)の小フレームの連続からなる入力映像信号を圧縮符号化して伝送する符号化伝送方法であって、
    前記画素データの各々を、当該画素データ中から下位(M−N)ビット(NはM/2<N<Mを充足する整数)を取り除いてなる第1分割画素データと、当該画素データの下位Nビットからなる第2分割画素データと、当該画素データの下位Nビットに所定嵩上げ数値を加算した第3分割画素データとの3つに分割し、前記第1〜第3分割画素データ群毎に前記小フレームと同一サイズの1つの分割画素フレームを生成する分割ステップと、
    前記群毎の各分割画素フレームを、垂直方向X2画素・水平方向Y2ライン(X1及びY1はX2>X1及びY2>Y1を充足する自然数)の大フレーム内に配置することにより、前記入力映像信号を前記大フレームの連続からなる変換映像信号に変換する変換ステップと、
    前記変換映像信号に対して動画圧縮符号化処理を施して圧縮映像信号を得る圧縮符号化ステップと、
    前記圧縮映像信号を伝送する伝送ステップと、を含むことを特徴とする符号化伝送方法。
  2. 前記Mの値を10とし、前記Nの値を8とし、且つ前記所定嵩上げ数値を128とすることを特徴とする請求項1記載の符号化伝送方法。
  3. 前記小フレームはSDTV方式のフォーマットにより規定されるフレームであり、前記大フレームはHDTV方式のフォーマットにより規定されるフレームであることを特徴とする請求項記載の符号化伝送方法。
  4. 請求項1記載の圧縮映像信号を取り込み、これを伸長復号して出力映像信号を出力する復号方法であって、
    前記圧縮映像信号に対して動画伸長復号処理を施して、前記大フレームを形成する変換映像信号を再生する変換映像信号再生ステップと、
    前記変換映像信号から前記第1〜第3分割画素データを抽出し、前記第1〜第3分割画素データのうちの何れか1に(M−N)ビット分を付加することにより量子化ビット長Mの画素データを得る画素データ合成ステップと、
    前記画素データを前記小フレームに配置し、前記小フレームを形成する出力映像信号を生成する出力映像信号生成ステップと、を含むことを特徴とする復号方法。
  5. 前記画素データ合成ステップは、前記変換映像信号における上位2ビットの値が互いに異なる論理レベルである場合には前記第1〜第3分割画素データの内から前記第1分割画素データを選択し当該第1分割画素データの値を所定倍することにより前記量子化ビット長Mの画素データを得ることを特徴とする請求項4記載の復号方法。
  6. 前記画素データ合成ステップは、前記変換映像信号における上位2ビットの値が互いに一致している場合には前記第1〜第3分割画素データの内から前記第2分割画素データを選択し当該第2分割画素データの値に所定値を加算することにより前記量子化ビット長Mの画素データを得ることを特徴とする請求項記載の復号方法。
  7. 前記画素データ合成ステップは、前記変換映像信号に第1所定値を加算して得られた加算結果の上位2ビットの値が互いに一致している場合には前記第1〜第3分割画素データの内から前記第3分割画素データを選択し当該第3分割画素データの値に第2所定値を加算することにより前記量子化ビット長Mの画素データを得ることを特徴とする請求項記載の復号方法。
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